JP6393271B2 - 金属含有化合物 - Google Patents

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Description

本発明の分野
本発明は、金属含有化合物の調製のための新規なプロセスに、およびエネルギー貯蔵デバイスなどのための電極中でのこれらの使用に関する。
本発明の背景
リチウムイオンバッテリ技術は、近年多くの注目を享受し、今日ほとんどの電子デバイスに使用される好ましいポータブルバッテリを提供する。かかるバッテリは、「二次的」または再充電可能であり、これは、それらが複数回の充/放電サイクルに供されることができることを意味する。典型的には、リチウムイオンバッテリを、電気化学的活物質を含む、1種または2種以上のリチウム電気化学セルを使用して調製する。かかるセルは、アノード(陰極)、カソード(陽極)および電解質材料を含む。リチウムイオンバッテリを充電する場合に、Liイオンは、前記カソードからデインターカレートし(de−intercalate)、前記アノード中へ挿入される。一方で、電荷平衡電子(charge balancing electron)は、前記カソードから前記充電器を含む外部回路を通って、前記バッテリの前記アノード中へ渡る。放電の間、同様のプロセスが起こるが、これは反対方向である。
種々の電気化学的活物質が、前記カソード材料としての使用に、例えば、LiCoO、LiMnおよびLiNiOなどが提案されてきた。米国特許第5,135,732号明細書および米国特許第4,246,253号明細書を参照。しかしながら、これらの材料は、例えば、サイクル消失(cycle fading)(繰り返しの充/放電サイクルによる、充電容量の枯渇)などの問題を示し、これにより、それらを商業的な魅力がないものにする。サイクル消失に対処する試みは、リチウム金属ホスフェートおよびリチウム金属フルオロホスフェートが好ましい材料となることをもたらした。かかる材料は、最初に米国特許第6,203,946号明細書、米国特許第6,387,568号明細書において、およびGoodenoughらの“Phospho−olivines as Positive−Electrode Materials for Rechargeable Lithium Batteries”, Journal of Electrochemical Society, (1997) No. 144, pp1188−1194により報告された。
多くの研究者が、ホスフェート含有材料の、特に、高性能(最適化された)ホスフェート含有材料のための、経済的および再現可能な合成方法を提供することを試みてきた。1種の特定のリチウム金属ホスフェート、すなわち、リチウム鉄ホスフェート(LiFePO)の調製を記載する従来技術の方法のレビューは、X. Zhangらの“Fabrication and Electrochemical Characteristics of LiFePO4 Powders for Lithium −Ion Batteries”, KONA Powder and Particle Journal No. 28 (2010) pp 50−73により与えられる。このレビューが実証するとおり、リチウム鉄ホスフェートが最初に1997年に同定されて以来、多くの努力が費やされ、以下の:例えば、出発材料の活性化を増加させるためのメカノケミカル活性化を使用した固相合成、カソード活物質の粒径を制御するためのマイクロ波加熱、および例えば、FeまたはFePO(すなわち、鉄の、安価で容易に入手可能なソース)の形態などのFe(III)を、前駆体材料として使用することができる炭素熱還元、という、最良の万能的な性能を備えたLiFePO材料を製造するための最も好都合な方法であることが見出された。
前記炭素熱還元プロセスは、高温還元反応(典型的には、550℃〜850℃)であり、これは、炭素還元剤のソースとして、カーボンブラック、グラファイトまたは熱分解された有機化学物質を、共通して利用する。炭素熱還元は、高吸熱反応であり、よって、前記反応温度は、反応を促進するのに十分でなければならない。さらに、上記のレビューにおいて報告されたとおり、炭素熱還元は、Fe(III)の還元、Fe(II)の安定化、粒子形態の制御、残留する炭素でLiFePOをコーティングすることによる電気伝導性の強化に優れているにもかかわらず、固体炭素を前記還元剤として使用するので、全ての前駆体および反応物質を、反応を通じて良好に接触されたままにしなければならない。
炭素以外の粒状還元剤である、具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、および例えば、Fe、Co、Ni、Mn、Cu、V、Ti、Cr、Nb、Mo、Mg、Ca、Zn、Sr、Pb、Cd、Sn、Ba、Be、AlおよびBなどの元素金属が、欧州特許第1 343 720号明細書に開示されている。
もっとも興味深いカソード材料は、大きな充電容量を有し、良好なサイクル性能、高安定性、低毒性を可能にし、高純度であるものである。商業的な成功のためには、前記カソード材料はまた、簡易におよび手頃に製造されなければならない。要件のこの長いリストを満たすことは困難であるが、上記のレビューにおいて詳説されるとおり、最も成功しそうな前記活物質は、小さな粒径および狭いサイズ分布を有し、最適な程度の結晶性、高比表面積を備え、均一な形態を備えるものである。
その反応性により、地球上で天然に生じた元素リンは決して見出されないが、リン酸カルシウム岩が採掘され、炭素熱タイプの還元プロセスを使用して、肥料および家畜飼料の前駆体として使用する前に、これを、典型的には、リン酸に、次いでリン酸アンモニウムに変換する。それほどではないにせよ、リン酸カルシウム岩はまた、元素リンのソースであり、これを次亜リン酸ナトリウム(NaHPO)またはグリホセート(非選択的除草剤)前駆体である三塩化リンに変換する。
元素リンは、白色、赤色、バイオレット色および黒色としてのそれらの色により視覚的に特徴づけられる、多数の形態で存在する。2種の主要形態である白リンおよび赤リンは、互いに極めて異なる振舞いをする。前者の同素体は、離散したP分子を含み、結晶性であり、高い毒性および高い反応性を有し、例えば、室温の空気中で自発的に発火する。他方で、赤リンは、高いポリマー性Pであり、アモルファスまたは結晶性であり、極めて低毒性であり、ずっと低い反応性を有する。毎年生産される赤リンの7000トンのほぼ半分(44%)が、マッチ箱の横薬に使用され;24%は、(半導体に使用され、燻蒸剤として使用される)リン化アルミニウムの製造に使用され;18%は、プラスチック中の、特に、電子機器中のポリアミドに、ポリウレタンおよびラテックス中の難燃剤として;6%は、花火に使用される。
上記の反応に加え、赤リンをヨウ化水素水溶液と組み合わせて使用して、有機化学における効率的な還元剤を提供することが知られ、例えば、水素化反応、アルコール、ケトン、ケト酸およびキノンの脱酸素、フェノールエーテルの切断ならびにラクトンの還元的切断における赤リンの使用は、全て文献に記載されている。Ludwig Rosensteinにより、J. Am, Chem. Soc., 1920, 42(5). pp 883−889において報告されるとおり、赤リンはまた、金属塩の酸性溶液を還元して二金属ホスフィドが得られることにより知られている。
さらなる先行技術文献である、例えば、スイス国特許第515852A号明細書は、金属マグネシウムおよび元素リンを使用する、リン化マグネシウム(Mg)の調製を記載する。この調製において、前記リンの酸化状態は、P(元素リン)からMg中のP3−に変化し;マグネシウムの酸化状態は、Mg(金属マグネシウム)からMg中のMg2+に変化する。よって、この反応は、リンの還元およびマグネシウムの酸化により進行する。
従来技術文献である、Lin et al. J. Alloys and Compounds 183, 403−412, 1992において、例えば、NaWP、NaSrNbPおよびNaSrTaPなどのホスフィドは、前駆体材料:二ホスフィド(binary phosphide)(NaPおよびSrP)、赤リンおよび対応する金属粉末(タングステン、ニオブおよびタンタル)を使用する。上記のとおり、前記金属赤リン出発材料の酸化状態は、最終生成物中でPからP3−に変化する。よって、この反応は、リンの還元および前記前駆体金属粉末材料の酸化により進行する。
本発明は、これに限定されないが、アルカリ金属含有化合物を含む、金属含有化合物の調製のための、迅速で、信頼性があり、コスト効率的なプロセスを提供することを目標とする。有利には、本発明の前記プロセスは、商業的に実現可能なカソード活物質に必要な、前記構造特性およびアルカリイオン挿入特性に見合う、金属含有化合物を提供することを目標とする。この目的のために、本発明は、金属含有化合物の調製のための方法を提供し、前記方法は、i)元素リン、およびii)1種または2種以上の金属含有前駆体化合物、を使用することを含む。好ましくは、本発明の前記プロセスは、前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物中の1種または2種以上の金属の平均酸化状態よりも低い平均酸化状態を有する、前記1種または2種以上の金属を含む、金属含有化合物を製造する。さらに好ましくは、前記プロセスを、少なくとも150℃まで前記反応混合物を加熱することにより行う。
理想的には、本発明を、本質的に、希塩酸、希硫酸および希硝酸から選択された1種または2種以上からなる酸性媒体の非存在下で行う。また好ましくは、前記金属含有化合物は、二金属ホスフィドおよび/または酸化状態0の金属以外であるか、あるいは二金属ホスフィドおよび/または酸化状態0の金属に加えたものである。特に、本発明は、また調製される、いかなる他の金属含有化合物の非存在下での金属ホスフィド(本質的に、1種または2種以上の金属およびリンからなる化合物)の調製、または、また調製される、いかなる他の金属含有化合物の非存在下での元素状態の金属の調製、または、また調製される、いかなる他の金属含有化合物の非存在下でのかかる金属ホスフィドおよび元素状態の金属の組み合わせの調製を、気にしない。なおさらに好ましくは、本発明の前記プロセスは、2種または3種以上の金属含有前駆体化合物を用いる。
特に、本発明の上記プロセスは、i)元素リンを、ii)1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させることを含むことを提供し(provides comprises reacting)、ここで、前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物は、アルカリ金属、遷移金属、非遷移金属および半金属から選択された、1種または2種以上の元素を含む。本発明の意味において、用語「半金属」は、金属的および非金属的特性の両方を備える元素である。
理想的には、本発明は、前記金属含有化合物が、前記金属含有前駆体化合物中の1種または2種以上の金属の平均酸化状態よりも低い平均酸化状態を有する、前記1種または2種以上の金属を含むプロセスを提供する。さらに理想的には、前記金属含有化合物および金属含有前駆体化合物の1種または2種以上は、1種または2種以上の遷移金属を含む。
大変好ましいプロセスにおいて、本発明は、1種または2種以上のアルカリ金属を含む化合物を製造する。かかる化合物は、アルカリ金属(金属)含有化合物を含み、i)元素リンを、ii)1種または2種以上のアルカリ金属と、任意に、遷移金属および/または非遷移金属および/または半金属から選択された1種または2種以上の金属とを一緒に含む、1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させることにより製造される。特に、これに限られないが、前記アルカリ金属含有前駆体化合物がまだ遷移金属、非遷移金属および/または半金属を含まない場合に、さらに別の遷移金属および/または非遷移金属および/または半金属含有前駆体化合物をまた使用してもよい。
本発明の好ましいプロセスは、式:
(X
の金属含有化合物を製造し、
式中:
Aは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの1種または2種以上から選択されたアルカリ金属であり;
Mは、遷移金属、非遷移金属および半金属から選択された1種または2種以上の金属を含み;
(Xは、少なくとも1種の第1アニオン(first anion)であり;および
Zは、少なくとも1種の第2アニオン(second anion)であり、
式中、a≧0;b>0;c>0;d≧0;e>0およびf≧0、であり;
式中、a、b、c、d、eおよびfは、電気的中性を維持するために選択される。
望ましくは、本発明の前記プロセスは、例えば、式A(Xなどの金属含有化合物を製造し、式中、Mは、1種または2種以上の遷移金属および/または非遷移金属および/または半金属を含み、これらは、前記金属含有前駆体化合物中の1種または2種以上の金属(遷移金属および/または非遷移金属および/または半金属)の平均酸化状態よりも低い平均酸化状態を有する。
本発明の前記プロセスにより製造される、最も好ましい金属含有化合物は、以下:
(X
の式のものであり、
式中:
Aは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの1種または2種以上から選択されたアルカリ金属であり;
Mは、1種または2種以上の遷移金属、および任意に、非遷移金属および半金属から選択された、1種または2種以上のさらなる金属を含み;
(Xは、少なくとも1種の第1アニオンであり;および
Zは、少なくとも1種の第2アニオンであり、
式中、a≧0;b>0;c>0;d≧0;e>0およびf≧0、であり;
式中、a、b、c、d、eおよびfは、電気的中性を維持するために選択される。
元素リンの添加は、本発明の成功に不可欠であり、特定の1種または2種以上の金属含有前駆体化合物、および所望される最終生成物に応じて、その存在は、a)還元剤として、またはb)最終生成物中のリンのソースとして、のいずれか、あるいは、多くの場合に、これらの両方の理由であり得る。還元剤として振舞う場合には、前記元素リンの少なくとも一部は、前記金属含有前駆体化合物の前記金属構成成分の平均酸化状態を減少させる役割を果たす。これは、前記金属が遷移金属である場合に、特に有益である。好ましくは、前記元素リンの少なくとも一部が、本発明の前記プロセスの間に酸化される。
前記元素リンの少なくとも一部が、前記金属含有化合物中のリンのソースとして振舞う場合には、その元素状態より高い酸化状態で、例えば、A(Xなどの前記金属含有化合物中に組み込まれる。元素リンが、リンのソースとして使用される場合には、これは、所望の最終生成物中で部分的なリンのソースを提供してもよく、その場合には、リンの別のソース(例えば、ホスフェート出発材料など)をまた使用してもよく、または代替的に、使用される元素リンの量は、あらゆる追加のホスフェート出発材料の必要性を回避するのに十分であり得る。前記元素リンが、前記金属含有化合物中で、還元剤としておよびリンのソースとしての両方で、作用することができるという事実は、本発明の多くの利点の1つと考えられる。
式A(Xの化合物の1群において、a=0である場合には、(Xがホスフィド基でないことが好ましい。さらに、本発明は、好ましくは、式A(Xのいかなる他の金属含有化合物の非存在下での1種または2種以上の二ホスフィド(本質的に、金属およびリンからなる化合物)の調製を含まない。
特に好ましいプロセスにおいて、アルカリ金属(金属)含有化合物を調製する。かかる化合物は、式A(Xを有してもよく、式中、Aは、1種または2種以上のアルカリ金属であり、Mは、1種または2種以上の遷移金属および/または1種または2種以上の非遷移金属および/または1種または2種以上の半金属を含み、X、Y、およびZは、以下で定義するとおりである。かかるアルカリ金属(金属)含有化合物において、a>0、b>0、c>0、d≧0、e>0およびf≧0である。
本発明の前記プロセスにより製造される前記反応生成物において:
Aは、好ましくは、ナトリウム、リチウムおよびカリウムから選択された、1種または2種以上のアルカリ金属を含み;
Mは、例えば、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、オスミウム、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、スカンジウム、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、レニウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、水銀、ガリウム、インジウム、スズ、鉛、ビスマスおよびセレンなどの遷移金属、例えば、マグネシウム、カルシウム、ベリリウム、ストロンチウムおよびバリウムなどの非遷移金属、ならびに例えば、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモンおよびテルルなどの半金属から選択された、1種または2種以上の金属を含み;
Xは、チタン、バナジウム、クロム、ヒ素、モリブデン、タングステン、ニオブ、マンガン、アルミニウム、セレン、ホウ素、酸素、炭素、ケイ素、リン、窒素、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択された、1種または2種以上の元素を含み;
Yは、ハロゲン化物、硫黄、硫黄含有基、酸素、酸素含有基およびこれらの混合物から選択された、1種または2種以上の部位(moiety)を含み;
Zは、1種または2種以上のハロゲン化物、水酸化物含有基(hydroxide−containing group)およびこれらの混合物から選択される。
本発明において使用される前記元素リンは、上記で検討したポリマー性およびアモルファス同素体のいずれか1種または混合物であってもよい。しかしながら、理想的には、使用される前記元素リンは、主要成分の赤リンを含む。
式A(Xの望ましい化合物には、これに限定されないが、Aが、リチウムおよび/またはナトリウムであり、前記第1アニオン(Xが、好ましくは、リン酸、次亜リン酸、縮合ポリリン酸、硫酸、酸化物、チオ硫酸、亜硫酸、塩素酸、臭素酸、酸ハロゲン化物、ハロゲン化物、ケイ酸、ヒ酸、セレン酸、モリブデン酸、バナジン酸基およびあらゆるオキシアニオン基から選択された、1種または2種以上の基を含むものが含まれる。Xが、リンを含み、例えば、式中、(Xが、POおよび/またはP部位である化合物が、特に好ましい。同様に、Xが、硫黄を含む化合物が、等しく有利であり、例えば、SO部位を含むものなどである。一般式A(Xの化合物が、特に好ましい。
他の好ましい材料には:
LiFePO
LiFePO/FeP、
LiMnPO
LiCoPO
LiNiPO
NaFePO
NaMnPO
NaCoPO
NaNiPO
LiMn0.5Fe0.2Mg0.3PO
Li(PO
NaFe(PO
Na(PO
LiMn0.5Fe0.5PO
Na(PPO
Na(P
NaFe(SO
NaVPOF、
LiVPOF、
NaV(PO
LiV(PO
NaVOPO
LiVOPO
LiV
NaV
NaVO
VPO
MoP
MoOPO
Fe(PO
Na8−2xFe4+x(P
Na8−2xMn4+x(P
NaMnP
NaFeP
NaCoP
NaMn(PO
NaCo(PO
NaNi(PO
NaFeSOF、
LiFeSOF、
NaMnSOF、
LiMnSOF、
NaFePOF、
NaMnPOF、
NaCoPOF、
NaNiPOF、
NaFe(SO
LiFe(SO、および
LiFe(SO
が含まれる。
有利には、本発明は、還元剤および/またはリンのソースとしての元素リンを使用することを含む、ホスフェート含有材料の調製のためのプロセスを提供する。
特に、本発明は、一般式:LiMPOのリチウム金属ホスフェートを含む化合物の調製のためのプロセスを提供し、式中、Mは、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ニッケル、マグネシウムおよびカルシウムの1種または2種以上から選択された金属を含み、前記プロセスは、還元剤および/またはリンのソースとして、元素リンを使用することを含む。
好ましいLiMPO含有化合物は、LiFePO含有化合物を含み、これらは、元素リンを1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させることにより、本発明の前記プロセスにおいて製造してもよく、前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物は、これに限定されないが、LiHPO、LiHPO、LiOH、LiOH・HO、Fe、HPO、(NHHPO、(NH)HPO、Fe、LiCO、FePO・xHO、FePO、Fe(PO、FeSO・xHO、Fe(NO、Fe(CHCO、C・xFe3+・yNH(クエン酸鉄(III)アンモニウム)、CFeO(クエン酸鉄(III))、およびFe(C(2,4−ペンタンジオネート鉄(III)(iron (III) 2,4−petanedionate))からの選択物を含み得る。また、あらゆる他の好適な前駆体化合物を選択してもよい。
本発明の前記プロセスを行うための都合のよい方法は:
1.i)1種または2種以上の金属前駆体化合物、およびii)元素リン、を含む混合物を形成すること;
2.少なくとも150℃の温度まで前記混合物を加熱すること;および
3.得られた生成物を、好ましくは、以下の式:
(X
の金属含有化合物を回収すること、
によるものであり、
式中、Aは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムから選択された、1種または2種以上のアルカリ金属であり、Mは、遷移金属、非遷移金属および半金属から選択された1種または2種以上の金属を含み、(Xは、少なくとも1種の第1アニオンであり、およびzは、少なくとも1種の第2アニオンであり、式中、a≧0、b>0、c>0、d≧0、e>0およびf≧0、である。
さらに好ましくは、前記反応混合物を、少なくとも160℃の温度まで加熱する。
理想的には、前記出発材料を、粒子形態でしっかりと(intimately)混合する。これを、例えば、すり鉢とすりこぎまたはボールミルを使用して、前記材料を別々に微細にすりつぶし、次いでそれらを一緒に混合するなどにより、種々の方法を使用して達成することができるか、あるいは、前記材料を微細にすりつぶしながら混合することができる。前記すりつぶしおよび混合を十分に継続して、均一に混ざった、微細にすりつぶされた粉末を製造する。高エネルギー混合プロセスを使用する場合には、あまり激しくない(less vigorous)混合プロセスを使用して、このステップの後に必要量の元素リンを添加することが有利であり得る。例えば、アセトンなどの溶媒、または簡単に除去される、例えば、低沸点液体などの別の材料を使用して、前記すりつぶし/混合プロセスを補助して、これを、好ましくは、加熱ステップの前に除去する。例えば、高エネルギーボールミルおよびマイクロ波活性化などの他の既知の手法をまた使用して、前記出発材料の調製を助け、例えば、前記出発材料の反応性を増加させてもよい。
本発明を、「固相」反応、すなわち、全ての反応物質が固体形態であり、実質的に、例えば溶媒などのあらゆる反応媒体を含まない反応として行ってもよい。上記のとおり、溶媒または他の低沸点液体を使用して前記反応物質の混合を補助することが可能であり;好ましくは、固相反応プロセスを使用する場合には、この溶媒/低沸点液体は、実質的に、加熱ステップの前に除去される。
また、例えば、前記金属含有前駆体化合物の1種または2種以上を、例えば、水などの溶媒と混合するかまたは水などの溶媒中に溶解するなどの、溶媒系反応(solution based reaction)を使用することが可能であり、さらにまたは代替的に、例えば、PおよびHPOなどの、1種または2種以上の他の前駆体化合物を、都合よく、水と混合するかまたは水中に溶解してもよい。
(いくらかまたは全てが、固体形態であるか、または溶媒中に混合されているか、および/または溶媒中に溶解されているかのいずれかである)前記出発材料間の前記反応は、一般に、前記プロセスの加熱ステップの間に起こり、これは、典型的には、単一温度で、または温度範囲にわたって、例えば、150℃を超えて、好ましくは、少なくとも160℃まで、好ましくは、少なくとも200℃、さらに好ましくは、少なくとも300℃までなどのいずれかで、前記反応混合物を加熱することを伴う。150℃を超えて1200℃までの、単一または温度範囲が好ましく、少なくとも200℃から1200℃までが、極めて好ましく、150℃〜800℃が、特に好ましい。かかる加熱レジームは、希酸性水溶液中で赤リンおよび金属塩を沸騰させる、従来技術に記載されているものとはかなり異なり;後者は、100℃近くの、よりかなり低い反応温度を利用するであろう。
都合がよいことには、前記反応を、大気圧下で、および例えば、窒素、アルゴンまたは別の不活性ガスなどの非酸化的雰囲気下で、あるいは真空下で、行う。前記反応の間に不活性ガスを使用する場合には、存在するあらゆる酸素を追い出すために、前記不活性ガスを前記反応容器中に流すことが有益である。場合によっては、例えば、4リットル/分未満の、該ガスの低流速などを使用することも有利である。
有利には、および大いに予期しないことには、本発明の前記プロセスをまた、酸素分圧を含む雰囲気下で行ってもよいことがまた見出された。この場合に、前記酸素は、例えば、酸素ボンベまたは他の好適な容器などをソースとする酸素ガス、または例えば、(例えば、加熱によりまたは触媒の存在下などで)過酸化水素、他の過酸化物、金属硝酸塩、過マンガン酸カリウム、臭素酸カリウムまたは(例えば、電気分解などによる)水などの酸素前駆体材料、または酸素発生バイオ材料から得られる酸素などの、あらゆる都合のよいソースから得られるかまたは誘導されてもよい。
したがって、本発明の前記プロセスは、以下のステップ:
1.i)1種または2種以上の金属前駆体化合物、およびii)元素リン、を含む混合物を形成すること;
2.少なくとも150℃の温度まで前記混合物を加熱すること;および
3.得られた生成物を、好ましくは、以下の式:
(X
の金属含有化合物を回収すること、
を含み、
式中、Aは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムから選択された、1種または2種以上のアルカリ金属であり、Mは、遷移金属、非遷移金属および半金属から選択された1種または2種以上の金属を含み、(Xは、少なくとも1種の第1アニオンであり、およびzは、少なくとも1種の第2アニオンであり、式中、a≧0、b>0、c>0、d≧0、e>0およびf≧0、であり;ステップ2.を、任意に酸素分圧を含む雰囲気下で行う。
好ましくは、酸素分圧を含む前記雰囲気はまた、例えば、窒素および/または例えば、アルゴンなどの1種または2種以上の不活性ガスなどの、他のガスを含んでもよい。空気は、特に有用であり、コスト効率的な酸素のソースである。本発明の前記反応に必要な、正確な酸素分圧を、好ましくは、酸素の化学両論量を保証するのに十分であるように計算し;過剰量の酸素は、元素リンとの所望されない副反応を引き起こし得、少なすぎる酸素により、前記標的生成物の収量の減少がもたらされ得る。
1種の好ましい標的材料についての酸素分圧を使用する前記反応スキームは、以下:
0.5LiCO + 0.5Fe + 1P + 1O
→ LiFePO + 0.5CO
のとおりである。
使用される前記標的材料および前記前駆体に応じて、本発明の前記プロセスを、密封された反応容器中で行ってもよい。好ましい密封された反応容器は、Carboliteチューブ炉であり、75mmの内径の非多孔質性セラミックチューブを含む。
酸素分圧下で前記反応を行う場合には、密封された反応容器をまた使用してもよく;しかしながら、かかる場合には、実質的に酸素分圧を一定に維持することが所望される。これを、例えば、加熱ステップの間などの前記プロセスの間に反応温度が変化するにつれて自然に生じる体積変化を収容することにより、達成してもよい。例えば、以下に詳細に説明されるとおりのものなどの前記反応容器に取り付けられたインフレータブル(inflatable)膨張容器の提供が、これを達成するために特に都合がよい方法であることが見出された。前駆体反応物質混合物の量を密封された反応容器内に含まれる(例えば、空気由来などの)酸素の体積に合わせることもまた、大いに都合がよい。
有利には、正確な時間は前記出発材料の反応性に依存するであろうが、反応温度を0.5〜72時間の間、維持する。0.5〜8時間の間が、本発明の前記プロセスを利用する多くの反応について、特に反応温度が500℃またはそれより高い場合に、十分であることが見出された。反応合成を、比較的低温で、例えば、400℃またはそれより低い温度などで行う場合には、12〜72時間の、好ましくは、24〜48時間の、より長い滞留時間(dwell time)を使用することにより、所望の反応生成物を達成することが見出された。正確な反応温度および滞留時間を選択して、所定の標的材料について最も商業的に有利な反応プロセスを提供するであろう。
上記で検討したとおり、元素リンは、本発明の前記プロセスにおいて;a)金属(遷移金属および/または非遷移金属および/または半金属)還元剤として、およびb)リンのソースとして、2つの潜在的役割を有する。それがどちらの役割を担うかは、特定の反応物質、使用される反応雰囲気、および使用される反応物質の量によるであろう。前記元素リンが、還元剤としてのみ振舞う場合には、元素リンの量は、前記反応プロセスの間に、前記金属Mにより獲得される電子の数によるであろう。例えば、前記金属Mとしての鉄を使用する反応において、鉄の還元(Fe3+→Fe2+)について予想されるリンの酸化還元スキームは:
→ P5+ + 5 e
+ Fe3+ → Fe2+
である。
以下:
5 Fe3+ + P → 5 Fe2+ + P5+
の全体のモル比が与えられる。
言い換えると、0.2モルのリンが、1モルのFe2+を還元するために必要とならなければならない。
同様に、前記金属Mとしてのバナジウムを使用する反応において、バナジウムの還元(V5+→V3+)について予想されるリンの酸化還元スキームは:
→ P5+ + 5 e
2 e + V5+ → V3+
である。
以下:
5 V5+ + 2 P → 5 V3+ + 2 P5+
の全体のモル比が与えられる。
この場合は、0.4モルのリンが、1モルのV5+を還元するために必要とならなければならない。
好ましい反応スキームにおいて、リチウム鉄ホスフェートを、本発明の前記プロセスにより:リチウム含有前駆体材料(例えば、炭酸リチウムなど)、リンのソース(例えば、リン酸二水素リチウムなど)、鉄(III)のソース(例えば、酸化鉄(III)および/またはリン酸鉄(FePO)など)および元素リン、から調製する。
上記の前記反応スキームに基づき、Feが鉄の前記ソースである場合には、以下:
0.1LiCO + 0.8LiHPO + 0.5Fe + 0.2P
→ 1LiFePO + 0.1CO + 0.8H
のモル比を推測することができる。
別の好ましい反応スキームにおいて、例えば、リン酸二水素リチウムなどのリンのソースを省略してもよく、前記元素リンを、前記標的金属含有化合物中のリンの単独のソースとして使用してもよい。代替的に、リン酸二水素リチウムを、1種または2種以上の他のホスフェート含有材料と置き換えてもよく、またはさらに代替的に、リンの前記ソースとして、例えば、五酸化リン(P)などの、1種または2種以上の非ホスフェート含有材料と置き換えてもよい。リンの前記ソースの一部または全部を、元素リン、ホスフェート含有材料および非ホスフェート含有材料のいずれかの1種または2種以上により提供してもよい。
本発明の前記プロセスにより調製される式A(Xの前記金属含有材料は、例えば、電極中の、特に、エネルギー貯蔵デバイス、再充電可能バッテリ、電気化学的デバイスおよびエレクトロクロミックデバイスに使用されるカソード中の前活物質として、多くの異なる用途における使用に好適である。これは、特に、アルカリ金属(金属)含有材料についての場合である。有利には、本発明により製造された前記材料を使用して作製された前記電極を、対電極および1種または2種以上の電解質材料と組み合わせて使用する。前記電解質材料は、あらゆる従来のまたは既知の材料であってもよく、水性電解質または非水電解質のいずれかを含んでもよい。
多数の金属含有化合物に、特にアルカリ金属含有化合物に固有の問題は、それらの低い電気伝導性である。この問題に対処するために、例えば、グラファイト、カーボンブラック、スクロースおよびアセチレンブラックなどの炭素含有材料などの導電性材料を、例えば、すりつぶしなどの間に前記出発材料に添加すること、あるいは、コーティングとして、最終金属含有生成物に添加することが知られている。他の既知の導電性材料には、金属粉末および他の高導電性無機材料が含まれる。
したがって、本発明の前記プロセスを使用して、例えば、アルカリ金属含有化合物などの、元来非導電性である材料を作製する場合には、反応混合物に、および/または1種または2種以上の出発材料に、および/または最終生成物に、1種または2種以上の導電性材料を添加することが望ましい。
上記にもかかわらず、元素リンを使用する本発明の前記プロセスの特に有用な別の利点は、驚くべきことに、前記反応により、A(X化合物、および例えば、アルカリ金属含有化合物などの非導電性化合物が製造されることであり、これらは、元素リンを用いない他の方法を使用して作製される類似化合物に予期されるであろうものよりも、有意により良好な電気化学的な結果を示す。上記で検討したとおり、通常、充/放電プロセス間での電圧ヒステリシスである、低電圧分極を有する高比容量材料(a high specific capacity material with low voltage polarization)を得る場合であり、(例えば、炭素熱プロセスなどによる)合成ステップの間に、またはセカンダリー炭素コーティングプロセスの使用によるいずれかで、例えば、炭素などの、しっかりと分散された導電性材料を含む電極材料に必要である。しかしながら、本出願人は、本発明の前記プロセスにより製造された前記化合物に、別に導電性材料を添加することが全く必要ないことを見出した。これについての理由は、それらが、前記反応混合物に炭素を添加することなく優れた性能を示すということである。さらに、本出願人はまた、炭素が前記電極の処方中に添加されない場合でも、優れた電気化学的結果を観測した。
本発明の前記プロセスにより製造される、前記A(X化合物は、出発物質が極めて好ましい場合には、前記金属含有前駆体化合物および元素リン間の反応中に、in situで好ましくは製造される、導電性化合物を含む複合材料の形態であり得ると考えられる。in situで生成する前記導電性化合物は、好ましくは、リン含有化合物であり、例えば、前記金属構成成分Mが鉄、例えば、FePなどの、鉄ホスフィド含有材料などの含む場合には、好適な導電性材料は、少なくとも一部分に、遷移金属ホスフィドおよび/または非遷移金属ホスフィドおよび/または半金属ホスフィド含有材料を含んでもよい。この後者の鉄ホスフィド材料は、特に、高い導電性で知られている。
よって、第2の側面において、本発明は、例えば、上記のとおり定義した式A(Xなどの金属含有化合物、および1種または2種以上の導電性材料を含む組成物を提供し、ここで、前記1種または2種以上の導電性材料の少なくとも一部が、i)元素リンを、ii)1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させることを含む前記プロセスの間に、in situで生成する。望ましくは、本発明は、LiFePOおよび1種または2種以上のホスフィド含有化合物を含む少なくとも1種の導電性材料を含む組成物を提供する。好適なホスフィド含有化合物は、これに限定されないが、二ホスフィドを含んでもよい。
さらに、第3の側面において、本発明は、上記のとおり定義した、例えば、式A(Xなどの金属含有化合物、および1種または2種以上のリン含有導電性材料を含む組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、i)元素リンを、ii)1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させるステップを含む。
第4の側面において、本発明は、上記のとおり、本発明に従って調製された式A(Xの活物質を利用する電極を提供し、特に、かかる活物質を、リン含有導電性材料と組み合わせて含む組成物を利用する電極であり、特に、少なくとも一部分で、元素リンを伴う上記の反応プロセスの間に作製されたリン含有導電性材料である。
なおさらなる側面において、本発明は、以下:ナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンおよび/またはカリウムイオンセル;ナトリウム金属および/またはリチウム金属および/またはカリウム金属イオンセル;非水電解質ナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンおよび/またはカリウムイオンセル;ならびに、水性電解質ナトリウムイオンおよび/またはリチウムイオンおよび/またはカリウムイオンセル、の1つまたは2つ以上としての使用のための、上記のとおりの電極を含む、エネルギー貯蔵デバイスを提供する。具体的には、前記エネルギー貯蔵デバイスは、バッテリであってもよい。
図面の簡単な説明
本発明を、以下の図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の例1により製造されたLiFePO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図1Bは、本発明の例1により製造されたLiFePO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図1Cは、本発明の例1により製造されたLiFePO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図2Aは、本発明の例2により製造されたLiFePO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図2Bは、本発明の例2により製造されたLiFePO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図2Cは、本発明の例2により製造されたLiFePO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図3Aは、本発明の例3により製造されたLiFePO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図3Bは、本発明の例3により製造されたLiFePO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図3Cは、本発明の例3により製造されたLiFePO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図4Aは、比較例4により製造されたLiFePO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図4Bは、比較例4により製造されたLiFePO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図4Cは、比較例4により製造されたLiFePO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図5Aは、比較例5により製造されたLiFePO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図5Bは、比較例5により製造されたLiFePO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図5Cは、比較例5により製造されたLiFePO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図6Aは、本発明の例6により製造されたLi(PO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図6Bは、本発明の例6により製造されたLi(PO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図6Cは、本発明の例6により製造されたLi(PO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図7Aは、本発明の例7により製造されたLiMn0.5Fe0.5PO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図7Bは、本発明の例7により製造されたLiMn0.5Fe0.5PO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図7Cは、本発明の例7により製造されたLiMn0.5Fe0.5PO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図8Aは、本発明の例8により製造されたLiMn0.5Fe0.2Mg0.3PO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図8Bは、本発明の例8により製造されたLiMn0.5Fe0.2Mg0.3PO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図8Cは、本発明の例8により製造されたLiMn0.5Fe0.2Mg0.3PO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図9Aは、本発明の例9により製造されたNaFe(PO活物質についてのXRDプロファイルであり; 図9Bは、本発明の例9により製造されたNaFe(PO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図9Cは、本発明の例9により製造されたNaFe(PO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図10Aは、本発明の例10により製造されたNa(PO活物質についてのXRDプロファイル(アスタリスクは、NaV(PO不純物によるピークを示す)であり; 図10Bは、本発明の例10により製造されたNa(PO活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図10Cは、本発明の例10により製造されたNa(PO活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図11Aは、本発明の例11により製造されたLiFePO/FeP複合活物質についてのXRDプロファイル(アスタリスクは、FePによるピークを示す)であり; 図11Bは、本発明の例11により製造されたLiFePO/FeP複合活物質についての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図11Cは、本発明の例11により製造されたLiFePO/FeP複合活物質についての微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示し; 図12は、本発明の例12において使用されたとおりの、密封されたチューブ炉の基本的系統図を示し; 図13Aは、本発明の例12により製造されたLiFePOについてのXRDプロファイル(不純物ピークを、*=FeP、‘=LiPOおよび^=Feとして示す)であり; 図13Bは、本発明の例12により製造されたLiFePOについての電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し; 図13Cは、本発明の例12により調製されたLiFePOについての第1サイクル微分容量プロファイル(微分容量対電極電圧(V vs. Li))を示し; 図13Dは、本発明の例12により調製されたLiFePOについてのサイクル性能(カソード比容量(mAh/g)対サイクル数)を示す。
詳細な説明
一般的方法
1)正確な化学量論量比で出発材料を一緒にしっかりと混合し、プレスしてペレットにする。
2)300℃〜800℃の炉温度で、反応生成物が生成するまで、不活性雰囲気下で、炉中で得られた混合物を加熱する。
3)前記生成物を冷却し、粉末にすりつぶす。
前記所望の標的反応生成物は、前記出発材料が一緒に混合される順番とは無関係に得られる。しかしながら、高エネルギー混合プロセスを使用する場合には、元素リンを添加してあまり激しくない混合プロセスを使用して混合する前に、前記元素リンを除いた(minus the elemental phosphorus)前記出発材料をまず高エネルギーにより混合する際に、特定の利点を得られ得る。
例1〜12で使用した出発材料および反応条件を、以下の表1にまとめる:
表1
例1〜12で使用した出発材料のソースを、以下の表2に列挙する:
表2
XRDを使用した生成物分析
X線回折技法による分析を、Siemens D5000粉末回析計を使用して行い、所望の標的材料が調製されたことを確認し、前記生成物の相純度を立証し、存在する不純物のタイプを決定した。この情報から、単位格子定数を決定することが可能である。
例1〜10からの前記前駆体電極材料を分析するために使用された一般的XRD操作条件は、以下のとおりである:
スリットサイズ:1mm、1mm、0.1mm
範囲:2Θ=5°〜60°
X線波長=1.5418Å(Cu Kα)
スピード:1.0秒/ステップ
インクリメント:0.025°/ステップ
例11からの前記前駆体電極材料を分析するために使用されたXRD操作条件は、以下のとおりである:
スリットサイズ:1mm、1mm、0.1mm
範囲:2Θ=30°〜60°
X線波長=1.5418Å(Cu Kα)
スピード:8.0秒/ステップ
インクリメント:0.015°/ステップ
例12からの前記前駆体電極材料を分析するために使用されたXRD操作条件は、以下のとおりである:
スリットサイズ:1mm、1mm、0.1mm
範囲:2Θ=10°〜60°
X線波長=1.5418Å(Cu Kα)
スピード:8.0秒/ステップ
インクリメント:0.015°/ステップ
電気化学的結果
前記標的材料を、以下の手法を使用して作製し得る金属リチウム半電池中で試験した:
リチウム金属電気化学試験セルを作製するための一般的手法
前記陽極を、前記活物質、導電性カーボン、バインダおよび溶媒のスラリーを溶液キャスティングする(solvent−casting)ことにより調製する。使用する前記導電性カーボンは、Super P(Timcal)である。PVdFコポリマー(例えば、Kynar Flex 2801、Elf Atochem社)を前記バインダとして使用して、アセトンを前記溶媒として用いる。前記スラリーを、次いでガラス上に鋳造して、前記溶媒が蒸発するにつれて、自立電極フィルムが形成される。前記電極を、次いで約80℃でさらに乾燥する。前記電極フィルムは、以下の構成成分を含み、これらは、重量パーセントにより表される:80% 活物質、8% Super Pカーボン、および12% Kynar 2801バインダ、である。
任意に、アルミニウム電流コレクタを使用して、前記陽極に接触させてもよい。銅電流コレクタ上の金属リチウムを、前記陰極として用いてもよい。前記電解質は、以下の1つを含む:(i)重量比1:1の、エチレンカーボネート(EC)およびジメチルカーボネート(DMC)中の、LiPFの1M溶液;(ii)重量比1:1の、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)中の、LiPFの1M溶液;または、(iii)プロピレンカーボネート(PC)中の、LiPFの1M溶液、である。前記電解質で湿らせた、ガラスファイバセパレータ(Whatman、GF/A)または多孔質性ポリプロピレンセパレータ(例えば、Celgard 2400)を、前記陽極および陰極間に介在させる。
セル試験
前記セルを、定電流サイクリング(Constant Current Cycling)手法を使用して、以下のとおり試験する。
前記セルに、プリセット電圧変動間の所定の電流密度で充放電サイクルを行う(cycled)。Maccor社(Tulsa、OK、米国)からの市販のバッテリ充放電器を使用する。充電の際、ナトリウム(リチウム)イオンは、前記カソード活物質から抽出される。放電の際、リチウム(ナトリウム)イオンは、前記カソード活物質中に再挿入される。
例1
図1BおよびC(セル #210021)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0851、無水FePOおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。具体的には、図1Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図1Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.029Vであった。図1Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、147mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、142mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図1Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例2
図2BおよびC(セル #209052)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0776、Feおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。図2Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図2Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.231Vであった。図2Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、155mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、145mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図2Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例3
図3BおよびC(セル #208052)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0686、Feおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。この試験では、前記電極処方物は、電子伝導率を改善するための炭素添加剤を含まないものであった。図3Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図3Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.259Vであった。図3Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、124mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、111mAh/gの材料比容量に相当し、よって、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。導電性添加剤を含まない電極から誘導されたこの材料の性能は、驚くほど良好である。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図3Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例4(比較)
図4BおよびC(セル #207072)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0650、鉄シュウ酸塩であるFe(C・2HOを使用して作製されたもの − Fe2+前駆体は還元剤を必要としない)についての第1サイクル定電流データを示す。図4Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図4Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.177Vであった。図4Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、63mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。これは、比較的低い材料利用である。続く再挿入プロセスは、45mAh/gの材料比容量に相当し、これは、比較的乏しい可逆性を示した。図4Cは、この材料について対応する微分容量プロファイルを示し、これは、はっきりしないものであり、ノイズが多く、前記活物質の乏しい電気化学的可逆性を示す。
例5(比較)
図5BおよびC(セル #207071)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0649、還元剤および導電性強化剤としてSuper Pカーボン(Timcal)を使用する炭素熱還元により、Feを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。図5Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図5Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.177Vであった。図5Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、135mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、111mAh/gの材料比容量に相当し、これは、良好な可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性をさらに示す。これは、図5Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例6
図6BおよびC(セル #209046)は、金属リチウム半電池中で測定された前記Li(POカソード活物質(X0773、Vおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。具体的には、図6Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図6Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動3.0〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.286Vであった。図6Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、107mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、92mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図6Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例7
図7BおよびC(セル #208031)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFe0.5Mn0.5POカソード活物質(X0703、Fe、Mnおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。具体的には、図7Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図7Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.4V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.114Vであった。図7Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、121mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、98mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図7Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例8
図8BおよびC(セル #209045)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiMn0.5Fe0.2Mg0.3POカソード活物質(X0771、Fe、Mnおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。図8Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図8Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動3.0〜4.4V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.042Vであった。図8Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、122mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、87mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図8Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例9
図9BおよびCは、金属リチウム半電池中で測定された前記NaFe(POカソード活物質(X0761、Feおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。具体的には、図9Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図9Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。定電流データを、電圧変動2.0〜4.0V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して2.889Vであった。図9Bを参照して、ナトリウムイオンが、前記セルの初期充電の間に、前記活物質から抽出されることが予想される。前記ナトリウムイオン抽出プロセスの間、102mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。熱力学的考察から、初期充電プロセスの間に、前記NaFe(PO材料から抽出された前記ナトリウムが、前記電解質に進入し、次いで前記リチウム金属アノード上へ置き換えられて「めっきされ」る(is then displacement ‘plated’)こと(すなわち、より多くのリチウムを前記電解質中へ放出すること)が予期される。したがって、前記セルの続く放電プロセスの間、リチウムおよびナトリウムの混合物が、前記材料中に再挿入されることが予想される。前記再挿入プロセスは、104mAh/gに相当し、これは、前記イオン挿入反応の可逆性を示す。
前記充放電曲線の対称的性質は、系の優れた可逆性をさらに示す。これは、図9Cに示される(サイクル #2についての)微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例10
図10BおよびCは、金属リチウム半電池中で測定された前記Na(POカソード活物質(X0757、Vおよび赤Pを使用して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。具体的には、図10Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図10Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。定電流データを、電圧変動2.5〜4.1V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して2.719Vであった。図10Bを参照して、ナトリウムイオンが、前記セルの初期充電の間に、前記活物質から抽出されることが予想される。前記ナトリウムイオン抽出プロセスの間、97mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。熱力学的考察から、初期充電プロセスの間に、前記Na(PO材料から抽出された前記ナトリウムが、前記電解質に進入し、次いで前記リチウム金属アノード上へ置き換えられて「めっきされ」ること(すなわち、より多くのリチウムを前記電解質中へ放出すること)が予期される。したがって、前記セルの続く放電プロセスの間、リチウムおよびナトリウムの混合物が、前記材料中に再挿入されることが予想される。前記再挿入プロセスは、50mAh/gに相当し、これは、前記イオン挿入反応の可逆性を示す。
前記充放電曲線の対称的性質は、系の優れた可逆性をさらに示す。これは、図10Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例11
図11(セル #209008)は、金属リチウム半電池中で測定された前記LiFePOカソード活物質(X0740、Feおよび赤Pを使用して、40%過剰量の赤Pを使用して、それにより、LiFePOおよびFePの複合生成物を製造して作製されたもの)についての第1サイクル定電流データを示す。図11Bは、電圧プロファイル(電極電位対累積比容量)を示し、図11Cは微分容量プロファイル(微分容量対電極電位)を示す。図中に示された定電流データを、電圧変動2.5〜4.2V間で、0.04mA/cmの電流密度で、リチウム金属対電極を使用して回収した。使用した非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の1:1混合物中の、LiPFの1M溶液であった。電気化学試験を25℃の制御された温度で行った。
前記作製されたとおりのセルの開回路電圧(OCV)は、Liに対して3.187Vであった。図11Bを参照して、第1リチウム抽出プロセスの間、146mAh/gの材料比容量に等しい充電が、前記カソード活物質について得られた。続く再挿入プロセスは、137mAh/gの材料比容量に相当し、これは、前記リチウムイオン挿入反応の一般的可逆性を示す。
前記充放電電圧プロファイルの対称的性質は、系の優れた可逆性を示す。これは、図11Cに示される微分容量プロファイルの対称的性質により、さらに実証される。
例12
この例を、例えば、図12に描かれるものなどのチューブ炉を使用して行った。詳細には、図12は、チューブ炉10の概略図を示し、前記チューブ炉は、開口非多孔質性セラミックチューブ30を受容するための円筒状反応キャビティー20を有するチューブ状炉本体15、および前記円筒状反応キャビティー20を加熱するための加熱要素(図示せず)を含む。2つのステンレス鋼端部40、50は、前記非多孔質性セラミックチューブ30の開口部に対して密封するために、2つのゴムガスケット(図示せず)により支持されて提供され、クランプ(図示せず)により適切な位置に保持される。前記非多孔質性セラミックチューブ30の内部の炉バッフル60、70は、断熱を提供する。膨張容器80、90はまた、反応プロセスの間に加熱されるにつれて、前記非多孔質性セラミックチューブ30中のガス状構成成分の体積変化を収容するように提供される。るつぼ100を、前記反応プロセスの間、反応物質を含むために、前記非多孔質性セラミックチューブ30内に位置させる。
図12に示すとおり、前記反応プロセスの間、開口非多孔質性セラミックチューブ30を、前記チューブ状炉本体15の前記円筒状キャビティー20内に置き、出発材料を含むるつぼ100および炉バッフル60、70を、全て前記開口非多孔質性セラミックチューブ30の内側に位置させる。前記開口非多孔質性セラミックチューブ30の開口部を、次いで空気雰囲気下で前記ステンレス鋼端部40、50を使用して密封する。前記チューブ状炉本体15を、次いで必要な反応温度まで加熱し、これが進行するにつれて、前記非多孔質性セラミックチューブ30内の圧力が、前記膨張容器80および90により収容される、前記加熱された空気の膨張によりおよそ一定のレベルに維持される。必要な反応時間の加熱後、前記チューブ状炉本体15を十分に冷却して、前記非多孔質性セラミックチューブ30から前記るつぼ100を取り除き、反応生成物を回収する。
図13(B)(セル #305086)は、電極電圧(V vs. Li)対累積カソード比容量(mAh/g)を示し、これは、金属リチウム半電池中での前記LiFePO(サンプル X1322)活物質についての第1サイクル定電流サイクルデータから誘導される。使用された電解質は、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート中の、LiPFの1.0M溶液であった。定電流データを、Liに対して、電圧変動2.50〜4.20V間で、0.40mA/cmの電流密度で回収した。試験を25℃で行った。
セル充電プロセスの間、リチウムイオンは、前記カソード活物質から抽出される。続く放電プロセスの間、リチウムイオンは、前記カソード活物質中に再挿入される。第1充電プロセスは、102mAh/gのカソード比容量に相当する。第1放電プロセスは、80mAh/gのカソード比容量に相当する。これらのデータは、前記LiFePO活物質中での前記リチウムイオン挿入反応の可逆性を立証する。
図13(C)(セル #305086)は、図13(B)に示される定電流サイクルデータから誘導される、前記LiFePO(サンプル X1322)についての第1サイクル微分容量プロファイル(微分容量(mAh/g/V)対電極電圧(V vs. Li))を示す。微分容量データは、前記イオン挿入系内の反応可逆性、秩序無秩序現象および構造的相変化の特性評価が可能であることを示した。
前記LiFePOカソードについて図13(C)に提示したデータにより、セルの充放電の間に、微分容量ピークの一般的な対称的性質により特徴づけられるとおりの可逆的リチウムイオン挿入挙動が確認される。
図13(D)(セル #305086)は、金属リチウム半電池中で行われる、前記活物質についての定電流サイクルデータから誘導される、前記LiFePO(サンプル X1322)についてのサイクル性能(カソード比容量(mAh/g)対サイクル数)を示す。使用された電解質は、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート中の、LiPFの1.0M溶液であった。定電流データを、Liに対して、電圧変動2.50〜4.20V間で、0.40mA/cmの電流密度で回収した。試験を25℃で行った。
前記活物質は80mAh/g辺りのカソード放電比容量でサイクルする。これらのデータは、前記LiFePO活物質中の前記リチウムイオン挿入反応の可逆性を再び立証する。

Claims (18)

  1. 以下のステップ:
    a) i)元素リン、およびii)1種または2種以上のアルカリ金属含有前駆体化合物と共に1種または2種以上の金属含有前駆体化合物、を含む混合物を形成すること、ならびに
    )少なくとも150℃の温度まで前記混合物を加熱すること、
    を含む、金属含有化合物の調製のためのプロセスであって、
    ここで、前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物が、遷移金属および非遷移金属から選択された、1種または2種以上の金属を含み;前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物中の前記1種または2種以上の遷移金属および非遷移金属の平均酸化状態が、前記反応プロセスの間に減少し、前記反応プロセスの間に前記元素リンの少なくとも一部が酸化され;さらに、前記加熱ステップb)を、溶媒の非存在下で行い;
    ここで、前記元素リン、前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物および1種または2種以上のアルカリ金属含有前駆体化合物を、正確な化学量論量比で混合して、以下の式:
    (X
    式中:
    Aは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムの1種または2種以上から選択されたアルカリ金属であり;
    Mは、遷移金属および/または非遷移金属から選択された1種または2種以上の金属を含み;
    (Xは、Xがリンを含み、Yが酸素含有基を含む少なくとも1種の第1アニオンであり;
    Zは、少なくとも1種の第2アニオンであり、
    式中、a0;b>0;c>0;d>0;e>0およびf≧0であり;
    式中、a、b、c、d、e、およびfは、電気的中性を維持するために選択される、
    で表される金属含有化合物を製造する、
    プロセス。
  2. Mが、遷移金属から選択された1種または2種以上の金属を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. Mが、チタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、オスミウム、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、スカンジウム、イットリウム、ジルコニウム、テクネチウム、レニウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、水銀、ガリウム、インジウム、スズ、鉛、ビスマス、マグネシウム、カルシウム、ベリリウム、ストロンチウムおよびバリウムの1種または2種以上から選択された金属である、請求項1に記載のプロセス。
  4. Xが、チタン、バナジウム、クロム、ヒ素、モリブデン、タングステン、ニオブ、マンガン、アルミニウム、セレン、ホウ素、酸素、炭素、ケイ素、窒素、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択された、1種または2種以上の元素を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. Yが、1種または2種以上のハロゲン化物、硫黄含有基およびこれらの混合物から選択された1種または2種以上の基である、請求項1に記載のプロセス。
  6. Zが、1種または2種以上のハロゲン化物、水酸化物含有基およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のプロセス。
  7. LiFePO、LiMnPO、LiCoPO、LiNiPO、NaFePO、NaMnPO、NaCoPO、NaNiPO、LiMn0.5Fe0.2Mg0.3PO、Li(PO、NaFe(PO、Na(PO、LiMn0.5Fe0.5PO、Na(PPO、Na(P、NaVPOF、LiVPOF、NaV(PO、LiV(PO、VPO、MoP、Fe(PO、Na8−2xFe4+x(P、Na8−2xMn4+x(P、NaMnP、NaFeP、NaCoP、NaMn(PO、NaCo(PO、NaNi(PO、NaFePOF、NaMnPOF、NaCoPOFおよびNaNiPOFから選択される化合物を調製するための、請求項1に記載のプロセス。
  8. 還元剤および/またはリンのソースとしての元素リンを使用することを含む、ホスフェート含有材料の調製のための、請求項1に記載のプロセス。
  9. 一般式:LiMPOのリチウム金属ホスフェートを含む化合物を作製するための、請求項1に記載のプロセスであって、
    式中、Mは、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウムおよびカルシウムの1種または2種以上から選択された金属であり、
    前記プロセスが、還元剤および/またはリンのソースとして、元素リンを使用することを含む、
    プロセス。
  10. 元素リンを、Fe、Fe、FePO・xHO、FePO、Fe(PO、FeSO・xHO、Fe(NO、Fe(CHCO、C・xFe3+・yNH(クエン酸鉄(III)アンモニウム)、CFeO(クエン酸鉄(III))およびFe(C(2,4−ペンタンジオネート鉄(III))から選択された1種または2種以上を含む、1種または2種以上の金属含有前駆体化合物と反応させることを含む、
    LiFePO含有化合物の調製のための、請求項1に記載のプロセス。
  11. LiHPO、LiCO、LiHPO、LiOH、LiOH・HO、HPO、(NHHPOおよび(NH)HPOから選択された、1種または2種以上の化合物に加え、元素リンおよび前記1種または2種以上の金属含有前駆体化合物を反応させることをさらに含む、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記元素リンが、赤リンを含む、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記元素リンが、酸化され、その元素状態より高い酸化状態で前記金属含有化合物中に組み込まれる、請求項1に記載のプロセス。
  14. 1種または2種以上の導電性材料の添加をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  15. 少なくとも1種の導電性材料が、前記反応プロセスの間にin situで生成される、請求項1に記載のプロセス。
  16. in situで生成する前記少なくとも1種の導電性材料が、遷移金属ホスフィドおよび非遷移金属ホスフィドの1種または2種以上を含む、請求項15に記載のプロセス。
  17. LiFePO、および1種または2種以上のホスフィド含有化合物を含む少なくとも1種の導電性材料を含む、請求項16に記載のプロセス。
  18. 前記加熱ステップb)が、酸素分圧を含む雰囲気下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
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