JP7016148B2 - カリウムイオン二次電池用正極活物質 - Google Patents

カリウムイオン二次電池用正極活物質 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 (その1) ウェブサイトの掲載日 2017年6月26日 ウェブサイトのアドレス https://ecs.confex.com/ecs/232/webprogram/Paper104397.html (その2) ウェブサイトの掲載日 2017年6月26日 ウェブサイトのアドレス http://ma.ecsdl.org/site/archive/MA2017-02.xhtml http://ma.ecsdl.org/content/MA2017-02/5 (その3) 開催日 2017年10月1日から2017年10月5日 集会名 232▲nd▼ ECS MEEETING National Harbor,MD(165 Waterfront Street National Harbor,MD 20745)
本発明は、カリウムイオン二次電池用正極活物質に関する。
現在、多くの移動型電子機器、車両等に搭載されている二次電池は、希少金属であるリチウムのイオンをキャリアイオンとするリチウムイオン二次電池であり、今後の二次電池の急速な需要及び普及の際に、リチウム資源の希少性及び偏在性が市場不安定性を引き起こすと予想されている。そこで、埋蔵量が多い元素を中心とし、且つ環境適応性の高い材料を用いたポストリチウムイオン二次電池の開発が求められている。
リチウムイオンに代わるイオン種のなかでも、カリウムイオンの標準電極電位はリチウムイオンと同程度に低く、電池内でキャリアイオンとして利用できれば、高エネルギー密度となることが予想される。また、カリウムイオンは生体内においても高速に移動するイオンとして機能しており、電池への適用が可能となれば、高い出力特性を示すことが期待される。しかしながら、カリウムイオンのイオン半径は大きいために固体内拡散が遅く、可逆に授受できる正極材料の開発は容易ではない。
このようなカリウムイオン二次電池は研究対象としての歴史は新しく、新型蓄電池として新たな産業創出を邁進することが大いに期待される。このようなカリウムイオン二次電池としては、K0.6CoO2等のカリウムとカリウム以外の金属元素を含有する複合酸化物が正極活物質として提案されている(例えば、非特許文献1~2参照)。
Adv. Energy Mater. 2017, 7, 1700098 (1 of 6) Chem. Commun., 2017, 53, 3693-3696
しかしながら、カリウムを含有する正極活物質は理論容量が高いものの、吸湿性が高い上に助燃性を有することから、発熱を引き起こす等の安全面が損なわれるおそれがあった。現在のところ、優れた充放電性能を有しつつ、助燃性が抑制された正極活物質は開発されていない。このため、本発明は、優れた充放電性能を有しつつ、助燃性が抑制されたカリウムイオン二次電池用正極活物質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の組成を有する化合物が、上記の課題を解決できることを見出した。この知見に基づいて更に研究を重ね本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.一般式(1):
KxMy(P2O7)z (1)
[式中、Mは周期表第4族~第14族の金属元素を示す。xは0~2.5を示す。yは0.5~2.5を示す。zは0.5~1.5を示す。]
で表される化合物を含有する、カリウムイオン二次電池用正極活物質。
項2.前記MはCu、Fe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Sn及びTiよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質。
項3.前記一般式(1)で表される化合物が、正方晶構造、斜方晶構造及び単斜晶構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結晶構造を有する、項1又は2に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質。
項4.前記MがCuであり、前記一般式(1)で表される化合物が正方晶構造及び/又は単斜晶構造を有する、項1~3のいずれか1項に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質。
項5.前記MがFeであり、前記一般式(1)で表される化合物が単斜晶構造を有する、項1~3のいずれか1項に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質。
項6.前記MがCo又はMnである、項1~3のいずれか1項に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質。
項7.項1~6のいずれか1項に記載のカリウムイオン二次電池用正極活物質を含有する、カリウムイオン二次電池用正極。
項8.項7に記載のカリウムイオン二次電池用正極を備えるカリウムイオン二次電池。
本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、優れた充放電性能を有しつつ、助燃性が抑制された材料である。
実施例1で得られたCu2P2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例2で得られたK2CuP2O7(1)のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例3で得られたK2CuP2O7(2)のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例4で得られたK2FeP2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例5で得られたKFeP2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例6で得られたK2MnP2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例7で得られたKMnP2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例8で得られたK2CoP2O7のX線回折パターンである。挿入図は、結晶構造モデルを3D表示している。波長は1.54051Åに設定した。上のグラフにおいて、+マークは実測値、実線は計算値である。実測強度と計算強度との差は下のグラフに示されている。 実施例9で得られたK2NiP2O7のX線回折パターンである。既報のK2NiP2O7のXRDスペクトルもあわせて示す。 実施例3、実施例4、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料のXRDパターンの対比である。 実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料の熱的安定性(TGA)の対比である。 実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料の熱的安定性(DTA)の対比である。 K2CoMnO4、K2FeMnO4、K2FeO2、K2MnO2、K2NiMnO4、K2Mn2O4、KMnO2の熱的安定性(TG-DTA)を示すグラフである。 実施例1~9で得られた各試料を走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 実施例4、実施例6、実施例8及び実施例9の反応前後の外観の違いを示す。 実施例1で得られたCu2P2O7を用いた充放電曲線である。 実施例3で得られたK2CuP2O7(2)を用いた充放電曲線である。 実施例4で得られたK2FeP2O7を用いた充放電曲線である。 実施例5で得られたKFeP2O7を用いた充放電曲線である。 実施例6で得られたK2MnP2O7を用いた充放電曲線である。 実施例8で得られたK2CoP2O7を用いた充放電曲線である。 実施例9で得られたK2NiP2O7を用いた充放電曲線である。
本明細書において、数値範囲を「A~B」で表示する場合、A以上B以下を意味する。また、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する。
1.カリウムイオン二次電池用正極活物質
本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、一般式(1):
KxMy(P2O7)z (1)
[式中、Mは周期表第4族~第14族の金属元素を示す。xは0~2.5を示す。yは0.5~2.5を示す。zは0.5~1.5を示す。]
で表される化合物を含有する。このような一般式(1)で表される化合物は、カリウムイオンを挿入及び脱離することができ、カリウムイオン二次電池用正極活物質として有用である。
一般式(1)において、Mは周期表第4族~第14族の金属元素であり、カリウムイオンの挿入及び脱離しやすさ、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、Cu、Fe、Mn、Co、Ni、V、Cr、Sn、Ti等が好ましく、Cu、Fe、Mn、Co、Ni等がより好ましい。なお、Mは1種の遷移金属のみからなる組成であってもよいし、2種以上の遷移金属を含む組成であってもよい。Mが2種以上の遷移金属を含む場合、各々の遷移金属の含有量は、Mの総量を100モル%として、それぞれ1~99モル%、特に10~90モル%とすることができる。
このような一般式(1)で表される化合物は、カリウムイオン二次電池に使用した場合に充放電容量、電位、助燃性等に優れる材料であるが、ピロリン酸構造を有しているために熱的安定性にも優れる材料である。熱的安定性の観点からは、MとしてはCo、Ni、Mn等が好ましい。
一般式(1)において、xは0~2.5を示す。つまりxは0でもよいし、0以外の数値(0<x≦2.5)でもよい。xが0の場合、一般式(1)で表される化合物がカリウムを含まないことを意味する。x=0の場合、MはCuであることが好ましい。一方、xが0以外である場合、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、xは0.5~2.2が好ましい。なお、MがCuの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、xは0が特に好ましい。また、MがFe、Mn、Co又はNiの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、xは1.8~2.2が特に好ましい。
一般式(1)において、yは0.5~2.5を示す。充放電容量、電位、助燃性等の観点から、yは0.8~2.2が好ましい。なお、MがCuの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、yは1.8~2.2が特に好ましい。また、MがFe、Mn、Co又はNiの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、yは0.8~1.2が特に好ましい。
一般式(1)において、zは0.5~1.5を示す。充放電容量、電位、助燃性等の観点から、yは0.8~1.2が好ましい。
一般式(1)で表される化合物の結晶構造は特に制限されず、正方晶構造、斜方晶構造、単斜晶構造等を有することができる。特に、一般式(1)で表される化合物は、正方晶構造、斜方晶構造、単斜晶構造等が主相であることが好ましい。例えば、MがCuの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、正方晶構造、斜方晶構造、単斜晶構造等が主相であることが好ましく、正方晶構造、単斜晶構造等が主相であることがより好ましく、単斜晶構造が主相であることがさらに好ましい。また、MがFeの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、正方晶構造、単斜晶構造等が主相であることが好ましく、単斜晶構造が主相であることがより好ましい。また、MがMn、Co又はNiの場合は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、単斜晶構造が主相であることが好ましい。一般式(1)で表される化合物において、主相である結晶構造の存在量は特に限定的ではなく、一般式(1)で表される化合物全体を100モル%として80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。このため、一般式(1)で表される化合物は、単相の結晶構造からなる材料とし得るし、本発明の効果を損なわない範囲で、他の結晶構造を有する材料ともし得る。一般式(1)で表される化合物の結晶構造は、X線回折測定により確認する。
このような一般式(1)で表される化合物としては、具体的には、Cu2P2O7(単斜晶)、K2CuP2O7(斜方晶)、K2CuP2O7(正方晶)、K2FeP2O7(正方晶)、KFeP2O7(単斜晶)、K2MnP2O7(単斜晶)、KMnP2O7(単斜晶)、K2CoP2O7(単斜晶)、K2NiP2O7(単斜晶)等が挙げられる。なかでも、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、Cu2P2O7(単斜晶)、K2CuP2O7(正方晶)、KFeP2O7(単斜晶)、K2MnP2O7(単斜晶)、KMnP2O7(単斜晶)、K2CoP2O7(単斜晶)、K2NiP2O7(単斜晶)等が好ましく、Cu2P2O7(単斜晶)、K2CuP2O7(正方晶)、KFeP2O7(単斜晶)、KMnP2O7(単斜晶)、K2CoP2O7(単斜晶)、K2NiP2O7(単斜晶)等がより好ましい。
上記のような結晶構造及び組成を有する一般式(1)で表される化合物の平均粒子径は、充放電容量、電位、助燃性等の観点から、0.05~200μmが好ましく、0.5~150μmがより好ましい。一般式(1)で表される化合物の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定する。
本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、上記の一般式(1)で表される化合物と炭素材料(アセチレンブラック等のカーボンブラック等)とが複合体を形成していてもよい。これにより、焼成時に炭素材料が粒成長を抑制するため、電極特性に秀でた微粒子のカリウムイオン二次電池用正極活物質を得ることが可能である。この場合、炭素材料の含有量は、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質を100質量%として3~20質量%、特に5~15質量%が好ましい。
本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、上記の一般式(1)で表される化合物を含有している。本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、上記一般式(1)で表される化合物のみで構成され得るし、上記一般式(1)で表される化合物の他に不可避不純物を含むこともできる。このような不可避不純物としては、後述する原料化合物等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で、10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下含有し得る。
2.カリウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は、例えば、
周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物を加熱する加熱工程
を備える製造方法により得ることができる。以下、この方法について具体的に説明する。
(1)原料化合物
本発明の製造方法においては、周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物を加熱する加熱工程に供する。この周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物を得るための原料化合物としては、最終的に混合物中に周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとが所定割合で含まれていればよく、例えば、周期表第4族~第14族の金属含有化合物(銅含有化合物、鉄含有化合物、マンガン含有化合物、コバルト含有化合物、ニッケル含有化合物等)、リン含有化合物、酸素含有化合物、カリウム含有化合物等を用いることができる。
周期表第4族~第14族の金属含有化合物(銅含有化合物、鉄含有化合物、マンガン含有化合物、コバルト含有化合物、ニッケル含有化合物等)、リン含有化合物、酸素含有化合物、カリウム含有化合物等の各化合物の種類については特に限定的ではなく、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、リン、酸素、カリウム等の各元素を一種類ずつ含む8種類又はそれ以上の種類の化合物を混合して用いることもでき、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、リン、酸素、カリウム等の内の2種類又はそれ以上の元素を同時に含む化合物を原料の一部として用い、8種類未満の化合物を混合して用いることもできる。
これらの原料化合物は、銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、リン、酸素、カリウム等以外の金属元素(特に希少金属元素)を含まない化合物が好ましい。また、原料化合物中に含まれる銅、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、リン、酸素、カリウム等の各元素以外の元素については、後述する熱処理により離脱・揮発していくものが望ましい。
この様な原料化合物の具体例としては、銅含有化合物として、金属銅(Cu);酸化銅(CuO);水酸化銅(CuOH);炭酸銅(CuCO3);硝酸銅(Cu(NO3)2);シュウ酸銅(CuC2O4)等が例示でき、鉄含有化合物として、金属鉄(Fe);酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe2O3)等の鉄酸化物;水酸化鉄(II)(Fe(OH)2)、水酸化鉄(III)(Fe(OH)3)等の鉄水酸化物;炭酸鉄(II)(FeCO3)、炭酸鉄(III)(Fe2(CO3)3)等の鉄炭酸塩;シュウ酸鉄(II)(FeC2O4)等が例示でき、マンガン含有化合物として、金属マンガン(Mn);酸化マンガン(II)(MnO)、酸化マンガン(III)(Mn2O3)、酸化マンガン(IV)(MnO2)等のマンガン酸化物;水酸化マンガン(II)(Mn(OH)2)、水酸化マンガン(IV)(Mn(OH)4)等のマンガン水酸化物;炭酸マンガン(II)(MnCO3);シュウ酸マンガン(II)(MnC2O4)等が例示でき、コバルト含有化合物として、金属コバルト(Co);酸化コバルト(CoO);水酸化コバルト(CoOH);炭酸コバルト(CoCO3);シュウ酸コバルト(CoC2O4)等が例示でき、ニッケル含有化合物として、金属ニッケル(Ni);酸化ニッケル(I)(Ni2O)、酸化ニッケル(II)(NiO)等のニッケル酸化物;水酸化ニッケル(I)(NiOH)、水酸化ニッケル(II)(Ni(OH)2)等のニッケル水酸化物;炭酸ニッケル(II)(NiCO3);シュウ酸ニッケル(II)(NiC2O4)等が例示でき、リン含有化合物として、リン(P)、リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)等を例示でき、酸素含有化合物として、酸化銅(CuO);水酸化銅(CuOH);炭酸銅(CuCO3);硝酸銅(Cu(NO3)2);シュウ酸銅(CuC2O4);酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe2O3)等の鉄酸化物;水酸化鉄(II)(Fe(OH)2)、水酸化鉄(III)(Fe(OH)3)等の鉄水酸化物;炭酸鉄(II)(FeCO3)、炭酸鉄(III)(Fe2(CO3)3)等の鉄炭酸塩;シュウ酸鉄(II)(FeC2O4);酸化マンガン(II)(MnO)、酸化マンガン(III)(Mn2O3)、酸化マンガン(IV)(MnO2)等のマンガン酸化物;水酸化マンガン(II)(Mn(OH)2)、水酸化マンガン(IV)(Mn(OH)4)等のマンガン水酸化物;炭酸マンガン(II)(MnCO3);シュウ酸マンガン(II)(MnC2O4);酸化コバルト(CoO);水酸化コバルト(CoOH);炭酸コバルト(CoCO3);シュウ酸コバルト(CoC2O4);酸化ニッケル(I)(Ni2O)、酸化ニッケル(II)(NiO)等のニッケル酸化物;水酸化ニッケル(I)(NiOH)、水酸化ニッケル(II)(Ni(OH)2)等のニッケル水酸化物;炭酸ニッケル(II)(NiCO3);シュウ酸ニッケル(II)(NiC2O4);リン酸二水素アンモニウム(NH4H2PO4);リン酸二水素カリウム(KH2PO4);リン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4);水酸化カリウム(KOH);硝酸カリウム(KNO3);炭酸カリウム(K2CO3)等が例示でき、カリウム含有化合物として、金属カリウム(K);水酸化カリウム(KOH);硝酸カリウム(KNO3);塩化カリウム(KCl);シュウ酸カリウム(K2C2O4);酢酸カリウム(CH3COOK);炭酸カリウム(K2CO3)等が例示できる。また、これら原料化合物は、水和物を使用することもできる。
なお、本発明において、上記した原料化合物は、市販品を使用することもできるし、別途合成して使用することもできる。
これら原料化合物の形状については特に限定はなく、取り扱い性の観点から、粉末状が好ましい。また反応性の観点から粒子は微細である方がよく平均粒子径が1μm以下(特に60~80nm)の粉末状が好ましい。原料化合物の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM)により測定する。
周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物は、上記説明した原料化合物のうち、必要な材料を混合して得ることができる。
各原料化合物の混合割合については、特に限定的ではなく、最終生成物である一般式(1)で表される化合物が有する組成となるように混合することが好ましい。原料化合物の混合割合については、原料化合物に含まれる各元素の比率が、目的とする一般式(1)で表される化合物中の各元素の比率と同一となるようにすることが好ましい。
(2)製造方法
周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物を製造するための混合方法としては、特に制限されず、各原料化合物を均一に混合できる方法を採用することができる。例えば、乳鉢混合、メカニカルミリング処理、共沈法、各成分を溶媒中に分散させた後に混合する方法、各成分を溶媒中で一度に分散させて混合する方法等を採用することができる。これらのなかでも、乳鉢混合を採用するとより簡便な方法で一般式(1)で表される化合物を得ることができるし、より均一な混合物を得ようとする場合は共沈法を採用することができる。
混合手段としてメカニカルミリング処理を行う場合、メカニカルミリング装置としては、例えば、ボールミル、振動ミル、ターボミル、ディスクミル等を用いることができ、なかでもボールミルが好ましい。また、この際には、混合と加熱処理を同時に施すことが好ましい。
混合時及び加熱時の雰囲気は特に制限はなく、例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気等が採用できる。また、真空等の減圧下に行ってもよい。
周期表第4族~第14族の金属元素と、リンと、酸素と、必要に応じてカリウムとを含む混合物を加熱処理するに際して、加熱温度は、操作をより容易に行うとともに得られる一般式(1)で表される化合物の結晶性及び各種特性(充放電容量、電位、助燃性、熱安定性等)をより向上させる観点から、400~1500℃が好ましく、450~1300℃がより好ましく、500~1000℃がさらに好ましい。加熱時間については、特に限定的ではなく、例えば、10分~72時間が好ましく、30分~48時間がより好ましい。
3.カリウムイオン二次電池用正極及びカリウムイオン二次電池
本発明のカリウムイオン二次電池用正極及びカリウムイオン二次電池は、上記した本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質を使用する他は、基本的な構造は、公知のカリウムイオン二次電池用正極及びカリウムイオン二次電池と同様とすることができる。例えば、正極、負極及びセパレータを、前記正極及び負極がセパレータによって互いに隔離されるように電池容器内に配置することができる。その後、非水電解液を当該電池容器内に充填した後、当該電池容器を密封すること等によって本発明のカリウムイオン二次電池を製造することができる。なお、本発明のカリウムイオン二次電池は、カリウム二次電池であってもよい。本明細書において、「カリウムイオン二次電池」は、カリウムイオンをキャリアイオンとする二次電池を意味し、「カリウム二次電池」は、負極活物質としてカリウム金属又はカリウム合金を使用する二次電池を意味する。
前記正極は、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質を正極集電体に担持した構造を採用することができる。例えば、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する正極合剤を、正極集電体に塗布することで製造することができる。
導電助材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維、カーボンナノファイバー、黒鉛、コークス類等の炭素材料を用いることができる。導電助剤の形状は、特に制限はなく、例えば粉末状等を採用することができる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等が挙げられる。
正極材料中の各種成分の含有量については、特に制限はなく適宜決定することができ、例えば、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質を50~95質量%(特に70~90質量%)、導電助剤を2.5~25質量%(特に5~15質量%)、結着剤を2.5~25質量%(特に5~15質量%)含有することが好ましい。
正極集電体を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、白金、モリブデン、ステンレス等が挙げられる。前記正極集電体の形状としては、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。
なお、正極集電体に対する正極合剤の塗布量は、カリウムイオン二次電池の用途等に応じて適宜決定することが好ましい。
負極を構成する負極活物質としては、例えば、カリウム金属;ケイ素;ケイ素含有Clathrate化合物;カリウム合金;M1M2 2O4(M1: Co、Ni、Mn、Sn等、M2: Mn、Fe、Zn等)で表される三元又は四元酸化物;M3 3O4(M3: Fe、Co、Ni、Mn等)、M4 2O3(M4: Fe、Co、Ni、Mn等)、MnV2O6、M4O2(M4: Sn、Ti等)、M5O(M5: Fe、Co、Ni、Mn、Sn、Cu等)等で表される金属酸化物;黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラフェン;上記した炭素材料;Lepidocrocite型K0.8Li0.2Ti1.67O4;KC8;KTi3O4;K2Ti6O13;K4C6O6、K2C6O6、K2C6H2O4、K2C14H6O4、K2C8H4O4、K2C14H4N2O4、K2C6H4O4、K2C18H12O8、K2C16H8O4、K2C10H2N2O4等のような有機系化合物等が挙げられる。カリウム合金としては、例えば、カリウム及びアルミニウムを構成元素として含む合金、カリウム及び亜鉛を構成元素として含む合金、カリウム及びマンガンを構成元素として含む合金、カリウム及びビスマスを構成成分として含む合金、カリウム及びニッケルを構成元素として含む合金、カリウム及びアンチモンを構成元素として含む合金、カリウム及びスズを構成元素として含む合金、カリウム及びインジウムを構成元素として含む合金;金属(スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル等)とカーボンを構成元素として含むMXene系合金、M6 xBC3系合金(M6: Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta等)等の四元系層状炭化又は窒化化合物;カリウム及び鉛を構成元素として含む合金等が挙げられる。
前記負極は、負極活物質から構成することもでき、また、負極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する負極合剤層が負極集電体上に担持する構成を採用することもできる。負極合剤層が負極集電体上に担持する構成を採用する場合、負極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する負極合剤を、負極集電体に塗布することで製造することができる。
負極が負極活物質から構成する場合、上記の負極活物質を電極に適した形状(板状等)に成形して得ることができる。
また、負極合剤層が負極集電体上に担持する構成を採用する場合、導電助剤及び結着剤の種類、並びに負極活物質、導電助剤及び結着剤の含有量は上記した正極のものを適用することができる。負極集電体を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。なかでも、カリウムはアルミニウムと合金化しないため、銅等の高価な負極集電体を用いなくとも、アルミニウム等の安価な負極集電体を用いることができる。前記負極集電体の形状としては、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。なお、負極集電体に対する負極合剤の塗布量は、カリウムイオン二次電池の用途等に応じて適宜決定することが好ましい。
セパレータとしては、電池中で正極と負極を隔離し、且つ、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保することができる材料からなるものであれば制限はない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、末端アミノ化ポリエチレンオキシド等のポリオレフィン樹脂;ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;アクリル樹脂;ナイロン;芳香族アラミド;無機ガラス;セラミックス等の材質からなり、多孔質膜、不織布、織布等の形態の材料を用いることができる。
非水電解液は、カリウムイオンを含む電解液が好ましい。このような電解液としては、例えば、カリウム塩の溶液、カリウムを含む無機材料で構成されるイオン液体等が挙げられる。
カリウム塩としては、例えば、ハロゲン化カリウム(塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等)、過塩素酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ヘキサフルオロヒ酸カリウム等のカリウム無機塩化合物;ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドカリウム、ビス(パフルオロエタンスルホニル)イミドカリウム、安息香酸カリウム、サリチル酸カリウム、フタル酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム等のカリウム有機塩化合物等が挙げられる。
また、溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート化合物;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン化合物;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メトキシメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、グライム、n-プロピル-N-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジメトキシエタン、ジメトキメタン、ジエトキメタン、ジエトキエタン、プロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;アセトニトリル等が挙げられる。
また、上記非水電解液の代わりに固体電解質を使用することもできる。固体電解質としては、例えば、KH2PO4、KZr2(PO4)3等のカリウムイオン伝導体等が例示される。
このような本発明のカリウムイオン二次電池は、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質が用いられているので、酸化還元反応(充放電反応)に際し、より高い充放電容量、電位及びエネルギー密度を確保することができ、しかも、安全性(ポリアニオン骨格)及び実用性に優れる。また、助燃性も抑制されており、熱安定性にも優れている。したがって、本発明のカリウムイオン二次電池は、例えば、小型化及び高性能化が求められるデバイス等に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されないことは言うまでもない。
なお、実施例において、各種試薬は以下のものを使用した。
K2CO3((株)レアメタリック製、99.9% (3N))
FeO(和光純薬工業(株)製、99.5% (2N Up))
Fe2O3((株)高純度化学研究所製、99.9% (3N))
MnO((株)高純度化学研究所製、99.9% (3N))
Mn2O3((株)高純度化学研究所製、99.9% (3N))
MnC2O4((株)高純度化学研究所製、99.9% (3N))
CoO((株)レアメタリック製、99.9% (3N))
CoC2O4((株)高純度化学研究所製、99% (2N))
NiC2O4・2H2O((株)高純度化学研究所製、99.9% (3N))
CuO((株)高純度化学研究所製、99.99% (4N))
Cu(NO3)2・3H2O(キシダ化学(株)製、99.5% (2N Up))
NH4H2PO4(キシダ化学(株)製、99% (2N))
KH2PO4(キシダ化学(株)製、99.5% (2N Up))
(NH4)2HPO4(キシダ化学(株)製、99% (2N))。
[粉末X線回折(XRD)測定]
合成により得られた試料の同定及び構造解析のデータの収集にはX線回折測定を用いた。X線回折測定装置はRINT2200((株)リガク製)を使用した。X線源はモノクロメータで単色化されたCuKαを使用した。測定条件は管電圧、管電流を50kV、300mAとしてデータ収集を行った。このとき強度を約10000カウントとなるよう、走査速度を設定した。測定に使用する試料は粒子が均一になるように十分に粉砕した。構造解析にはリートベルト解析を行い、解析プログラムにはJANA-2006を使用した。
実施例1:Cu 2 P 2 O 7
[2Cu(NO3)2・3H2O + 2(NH4)2HPO4→ Cu2P2O7
原料粉体としてCu(NO3)2・3H2O及び(NH4)2HPO4を用いた。
Cu(NO3)2・3H2O及び(NH4)2HPO4を銅:リン比(モル比)が2: 2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中800℃にて1時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(Cu2P2O7)をXRD測定により確認した。結果を図1に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したCu2P2O7は単斜晶構造(空間群C2/c)であり、また格子定数及び構造モデル(イオンの分率座標)も過去の文献とほぼ一致しているといえる。
実施例2:K 2 CuP 2 O 7 (その1)
[2KH2PO4+ CuO → K2CuP2O7+ 2H2O]
原料粉体としてKH2PO4及びCuOを用いた。
KH2PO4及びCuOをカリウム:銅比(モル比)が2: 1 となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中550℃にて2時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(K2CuP2O7)をXRD測定により確認した。結果を図2に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したK2CuP2O7は斜方晶構造(空間群Pbnm)であり、また格子定数及び構造モデル(イオンの分率座標)も過去の文献とほぼ一致しているといえる。
実施例3:K 2 CuP 2 O 7 (その2)
[K2CO3+ CuO + 2NH4H2PO4 → K2CuP2O7
原料粉体としてK2CO3、CuO及びNH4H2PO4を用いた。また、K2CO3の吸水性を防ぐため、合成作業をドライルームで実施した。
K2CO3、CuO及びNH4H2PO4をカリウム:銅:リン比(モル比)が1: 1: 2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中650℃にて30時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(K2CuP2O7)をXRD測定により確認した。結果を図3に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したK2CuP2O7は正方晶構造(空間群P-421m)であった。得られたK2CuP2O7は文献未記載の新規化合物である。
実施例4:K 2 FeP 2 O 7
[K2CO3+ FeO + 2NH4H2PO4 → K2FeP2O7
原料粉体としてK2CO3、FeO及びNH4H2PO4を用いた。また、K2CO3の吸水性を防ぐため、合成作業をドライルームで実施した。
K2CO3、FeO及びNH4H2PO4をカリウム:鉄:リン比(モル比)が1: 1: 2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中650℃にて30時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。多少不純物が見られたが、主相生成物(K2FeP2O7)をXRD測定により確認したところ正方晶構造(空間群P-421m)であった。結果を図4に示す。
実施例5:KFeP 2 O 7
[K2CO3+ Fe2O3 + 4NH4H2PO4 → 2KFeP2O7
原料粉体としてK2CO3、Fe2O3及びNH4H2PO4を用いた。また、K2CO3の吸水性を防ぐため、合成作業をドライルームで実施した。
K2CO3、Fe2O3及びNH4H2PO4をカリウム:鉄:リン比(モル比)が1: 1: 4となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉で空気中800℃にて12時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(KFeP2O7)をXRD測定により確認した。結果を図5に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したKFeP2O7は単斜晶構造(空間群P21/c)であり、また格子定数及び構造モデル(イオンの分率座標)も過去の文献とほぼ一致しているといえる。
実施例6:K 2 MnP 2 O 7
[K2CO3+ MnC2O4 + 2NH4H2PO4 → K2MnP2O7
原料粉体としてK2CO3、MnC2O4及びNH4H2PO4を用いた。また、K2CO3の吸水性を防ぐため、合成作業をドライルームで実施した。
K2CO3、MnC2O4及びNH4H2PO4をカリウム:マンガン:リン比(モル比)が1: 1: 2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中650℃にて30時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(K2MnP2O7)をXRD測定により確認した。結果を図6に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したK2MnP2O7は単斜晶構造(空間群P21/c)であり、また格子定数及び構造モデル(イオンの分率座標)も過去の文献とほぼ一致しているといえる。
なお、原料粉体としてKH2PO4及びMnOをカリウム:マンガン比(モル比)が2: 1となるように用いた場合も同様に、K2MnP2O7が得られた。
実施例7:KMnP 2 O 7
[K2CO3+ Mn2O3 + 4NH4H2PO4 → 2KMnP2O7
Fe2O3の代わりにMn2O3を使用すること以外は実施例5と同様に、KMnP2O7を得た。結果を図7に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したKMnP2O7は単斜晶構造(空間群P21)であった。得られたKMnP2O7は文献未記載の新規化合物である。
実施例8:K 2 CoP 2 O 7
[K2CO3+ CoC2O4 + 2NH4H2PO4 → K2CoP2O7
原料粉体としてK2CO3、CoC2O4及びNH4H2PO4を用いた。また、K2CO3の吸水性を防ぐため、合成作業をドライルームで実施した。
K2CO3、CoC2O4及びNH4H2PO4をカリウム:コバルト:リン比(モル比)が1: 1: 2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合した。混合物をペレット成型し、電気炉でAr中650℃にて20時間焼成した。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するための試料調製法として、焼成後に得られた生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。生成物(K2CoP2O7)をXRD測定により確認した。結果を図8に示す。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したK2CoP2O7は単斜晶構造(空間群I2/a)であった。得られたK2CoP2O7は文献未記載の新規化合物である。
なお、原料粉体としてKH2PO4及びCoOをカリウム:コバルト比(モル比)が2: 1となるように用いた場合も同様に、K2CoP2O7が得られた。
実施例9:K 2 NiP 2 O 7
[K2CO3+ NiC2O4・2H2O + 2NH4H2PO4→ K2NiP2O7+ 2H2O]
CoC2O4の代わりにNiC2O4・2H2Oを使用すること以外は実施例8と同様に、K2NiP2O7を得た。
結果を図9に示す。既報のものと異なるXRDパターンを有することから、得られたK2NiP2O7は文献未記載の新規化合物である。精密化して求めた格子定数及びRietveld解析の信頼因子も図中に示す。信頼因子は適切な値を示していることからRietveld解析の妥当性が示唆された。すなわち合成したK2NiP2O7は単斜晶構造(空間群P21)であった。得られたK2NiP2O7は文献未記載の新規化合物である。
各試料の対比
実施例3、実施例4、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料のXRDパターンを対比したものを図10に示す。
次に、実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料の熱的安定性をTG-DTAにより評価した。測定の条件は窒素雰囲気で1100℃まで10℃/分で昇温し、熱重量(TGA;質量%)と示差熱(DTA;a.u.)を評価した。結果を図11~12に示す。実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料について、図11からは1000℃以上でも重量減少が非常に小さく、図12からは600~800℃以外の相転移が見られないため、少なくとも600℃以下の範囲では相の熱的安定性を維持しており、且つ、1000℃まで酸素放出も生じず組成を維持した熱的安定性を有することが理解できる。つまり、実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料は、1000℃でも酸素放出が生じないことから助燃性が抑制されていることが明らかである。一方、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質ではなく、K2CoMnO4、K2FeMnO4、K2FeO2、K2MnO2、K2NiMnO4、K2Mn2O4、KMnO2の熱的安定性を図13に示す。なお、K2CoMnO4、K2FeMnO4、K2NiMnO4及びK2Mn2O4は、国際公開第2017/099135号に記載の方法に準拠して合成した。また、K2FeO2及びK2MnO2は、国際公開第2017/099137号に記載の方法に準拠して合成した。これらの化合物の場合は、図13から100℃付近の相転移と重量減少が見られ、400~900℃での相転移や重量減少も見られており、重量減少量は実施例2、実施例3、実施例6、実施例8及び実施例9で得られた各試料よりも非常に大きい。これは、吸着水分の脱離以外に、酸素放出を伴う分解反応の存在を示唆しており、熱的安定性に難があるのみならず、100℃以上では助燃性も示している。以上から、本発明のカリウムイオン二次電池用正極活物質は従来の化合物と比較しても、熱的安定性に優れ、且つ、助燃性が抑制されることが理解できる。
次に、実施例1~9で得られた各試料を走査型電子顕微鏡で観察した。結果を図14に示す。この結果、各試料の平均粒子径は、Cu2P2O7:0.2μm、K2CuP2O7(1):3μm、K2CuP2O7(2):2.5μm、K2FeP2O7:5μm、KFeP2O7:2μm、K2MnP2O7:0.5μm、KMnP2O7:2.5μm、K2CoP2O7:10μm、K2NiP2O7:5μmであった。
次に、実施例4、実施例6、実施例8及び実施例9の反応前後の外観の違いを図15に示す。反応前後の色彩の違いからも、反応が進行したことが理解できる。
試験例1:充放電試験
充放電測定を行うために、実施例1、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例8又は実施例9で得た試料にポリフッ化ビニリデン(PVDF)とアセチレンブラック(AB)が質量比85: 7.5: 7.5となるようにめのう乳鉢で混合し、得られたスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔(厚さ20μm)上に塗布し、これを円形(直径8mm)に打ち抜き正極とした。また、試料が正極集電体から剥がれないように30~40MPaで圧着した。
負極には14mmφで打ち抜いた金属カリウムを使用し、セパレータは18mmφで切り抜いた多孔質celgard 2500を2枚使用した。電解液はプロピレンカーボネート(PC)を溶媒に支持電解質としてKPF6を1mol dm-3の濃度で溶解した電解液(キシダ化学(株))を使用した。電池の作製は金属カリウムを使用すること、電解液に水分が混入した場合に抵抗増分増加の要因となることからAr雰囲気のグローブボックス内に行った。セルはCR2032型コインセルを用いた。定電流充放電測定は電圧切り替え器を用い、電流C/20、上限電圧4.8V、下限電圧1.5Vに設定し、充電から開始した(但し、CuP2O7はカリウムを含んでおらず充電から開始することはできないため放電から開始した)。50℃恒温槽内にセルを入れた状態で充放電測定を行った。その結果を図16~22に示す。
上記各実施例で得られた材料の格子パラメータ及び充放電特性を以下の表1にまとめて示す。なお、表1において、β及びVは格子定数の角度と体積を表している。なお、格子定数パラメータa、b及びcの誤差はいずれも0.1Å以内、また、βの誤差は15°以内である。
また、以下の表1において、理論容量(capacity theoretical)は、カリウムが挿入脱離する際の理論充放電容量であり、以下のようにして求めたものである。
K2A2+P2O7からの2個のカリウムイオン脱離量をzとして、挿入反応は以下の式のように進行する。
Figure 0007016148000001
この反応が定電流I(A)で行われ、電流を流した時間をt(秒)、K2A2+P2O7の重量をm(g)、分子量をM、ファラデー定数をFとすると容量及び反応したリチウム量zは以下のように示される。
Figure 0007016148000002
これらの式から理論容量を算出することができる。K2Mn2+P2O7の場合、カリウムは理論的に2個まで脱離することができるため、K2MnP2O7⇔MnP2O7+ 2e- + 2K+ (n=2) 理論容量は174.56 mAh・g-1と求まる。
Figure 0007016148000003

Claims (5)

  1. カリウムイオン二次電池用正極活物質を含有する、カリウムイオン二次電池用正極であって、
    前記カリウムイオン二次電池用正極活物質は、
    一般式(1):
    KxMy(P2O7)z (1)
    [式中、MはCu、Fe、Mn、Co、V、Cr及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。xは0~2.5を示す。yは0.5~2.5を示す。zは0.5~1.5を示す。]
    で表される化合物を含有し、且つ、
    前記MがFeである場合は、正方晶構造を有し、MがV及びCrよりなる群から選ばれる少なくとも1種である場合は、正方晶構造及び/又は斜方晶構造を有する、カリウムイオン二次電池用正極。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、MがCu、Mn、Co及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、且つ、正方晶構造、斜方晶構造及び単斜晶構造よりなる群から選ばれる少なくとも1種の結晶構造を有する、請求項1に記載のカリウムイオン二次電池用正極。
  3. 前記MがCuであり、前記一般式(1)で表される化合物が正方晶構造及び/又は単斜晶構造を有する、請求項1又は2に記載のカリウムイオン二次電池用正極。
  4. 前記MがCo又はMnである、請求項1又は2に記載のカリウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のカリウムイオン二次電池用正極を備えるカリウムイオン二次電池。
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