JP7224617B2 - カリウム化合物、カリウムイオン二次電池用固体電解質、カリウムイオン二次電池用正極活物質及び二次電池 - Google Patents

カリウム化合物、カリウムイオン二次電池用固体電解質、カリウムイオン二次電池用正極活物質及び二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、カリウム化合物、カリウムイオン二次電池用固体電解質、カリウムイオン二次電池用正極活物質及び二次電池に関する。
近年、ポストリチウムイオン蓄電池の研究開発が強く要望されている。この研究開発は、蓄電池分野の研究者にとって、学術的にも産業的にも非常に魅力的である。ポストリチウム蓄電池のキャリアイオンとしては、K、Na、Cs、Mg2+、Ca2+、Be2+、Ba2+、Al3+等が検討されている。
特にカリウムイオン(K)は、1価のアルカリイオンの中でも、リチウムイオン及びナトリウムイオンよりもルイス酸性が弱く、ひいては脱溶媒和過程の活性化エネルギーが低いため、超高速充放電可能な次世代大型蓄電池の実現が期待されている。
カリウムイオン二次電池用の材料はこれまでにも種々提案されており、例えば、非特許文献1等には、K0.72In0.72Sn0.28O2等のカリウムとカリウム以外の金属元素を含有する複合酸化物等が提案されている。
Mat. Res. Bull. Vol. 11, pp. 1081-1086, 1976. Pergamon Press, Inc. Printed in the United States.
しかしながら、従来の二次電池用のカリウム化合物は、イオン伝導率が低いため、例えば、室温で可逆的なカリウムイオンの挿入及び脱離が起こりにくいという問題が起こりやすかった。このため、従来の二次電池用のカリウム化合物を二次電池用固体電解質に適用するには、高い密度に成型する必要があった。この観点から、成型体の密度が従来よりも小さくても、優れたイオン伝導率を有するカリウム化合物が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、優れたイオン伝導率を有するカリウム化合物及び該カリウム化合物を含むカリウムイオン二次電池用固体電解質及び二次電池を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、カリウムイオン二次電池用正極活物質として使用した場合に、二次電池に優れた作動電位をもたらすことができるカリウム化合物及び該カリウム化合物を含むカリウムイオン二次電池用正極活物質及び二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、カリウム化合物に特定の元素を導入することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
下記一般式(1)
(1)
(式(1)中、MはMn、Sn、Mo、Zr、Sb、Bi、W、Te及びNbからなる群より選ばれる1種の金属を示し、MはMg、Sr、Ba、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、0.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦2.5、かつ、3.5≦x≦6.5である)、又は、
下記一般式(2)
(2)
(式(2)中、Mは式(1)中のMと同義であり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、0.5≦d≦6.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、0.5≦f+g≦2.5かつ、3.5≦y≦6.5である)で表される、カリウム化合物。
項2
前記式(1)及び前記式(2)において、MはMn、Sn、Sb、Mo、Zr及びTeからなる群より選ばれる1種の金属である、項1に記載のカリウム化合物。
項3
前記式(1)において、MはTeであり、MはMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属である、項1に記載のカリウム化合物。
項4
前記式(1)において、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5である、項3に記載のカリウム化合物。
項5
前記式(1)において、3.5≦a≦4.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦1.5、かつ、5.5≦x≦6.5である、項3に記載のカリウム化合物。
項6
前記式(1)において、MはSbであり、MはMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属である、項1に記載のカリウム化合物。
項7
前記式(1)において、2.5≦a≦3.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5である、項6に記載のカリウム化合物。
項8
前記式(2)において、MはTeであり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属である、項1に記載のカリウム化合物。
項9
前記式(2)において、1.5≦d≦2.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、1.5≦f+g≦2.5、かつ、5.5≦y≦6.5である、項8に記載のカリウム化合物。
項10
項1~9のいずれか1項に記載のカリウム化合物を含む、カリウムイオン二次電池用固体電解質。
項11
項10に記載のカリウムイオン二次電池用固体電解質を構成要素とする二次電池。
項12
項1~9のいずれか1項に記載のカリウム化合物を含む、カリウムイオン二次電池用正極活物質。
項13
項12に記載の正極活物質を構成要素とする二次電池。
項14項10に記載のカリウムイオン二次電池用固体電解質及び請求項12に記載の正極活物質を構成要素とする二次電池。
本発明のカリウム化合物は、優れたイオン伝導率を有し、特に、カリウム化合物の成型体(焼結体)の密度又は相対密度が従来よりも小さくても優れたイオン伝導率を有することができる。このため、本発明のカリウム化合物は、例えば、カリウムイオン二次電池、カリウム・硫黄電池、カリウム・セレン電池、カリウム・テルル電池、カリウム・ヨウ素電池用の固体電解質等に有用な超カリウムイオン伝導(K-Ion Super Ionic Conductor (KISICON))材料である。
また、本発明のカリウム化合物は、カリウムイオン二次電池用正極活物質として使用した場合に、二次電池に優れた作動電位をもたらすことができる。
(a)はカリウム化合物の層状ハニカム構造の模式図であり、(b)はカリウム化合物の層状ハニカム構造内のカリウムイオンの拡散経路を説明する模式図である。 実施例で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 実施例で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 実施例で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 カリウム化合物の粉末の色の変化を示す写真である。 実施例1~5で得られたカリウム化合物のTG-DTAの結果を示す。 実施例19~21で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 実施例22で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 実施例23で得られたカリウム化合物のXRDパターンである。 実施例で得られたカリウム化合物のイオン伝導率測定の結果である。 実施例で得られたカリウム化合物の各相対密度のイオン伝導率測定の結果である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。また、数値範囲を「~」を用いて示す時、両端の数値を含む。
1.カリウム化合物
本発明のカリウム化合物は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表される。
一般式(1);
(1)
式(1)中、MはMn、Sn、Mo、Zr、Sb、Bi、W、Te及びNbからなる群より選ばれる1種の金属を示し、MはMg、Sr、Ba、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、0.5≦a≦6.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦2.5、かつ、3.5≦x≦6.5である。
一般式(2);
(2)
式(2)中、Mは式(1)中のMと同義であり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、0.5≦d≦6.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、0.5≦f+g≦2.5かつ、3.5≦y≦6.5である。
ここで、Mと、Mとが共にMnである場合、MはMn4+であり、MはMn2+である。同様に、Mと、M又はMとが共にMnである場合、MはMn4+であり、M又はMはMn2+である。
なお、以下では、一般式(1)で表されるカリウム化合物を「化合物1」と、一般式(2)で表されるカリウム化合物を「化合物2」と表記する。また、化合物1及び化合物2をまとめて「カリウム化合物」と表記する。
カリウム化合物は、カリウムを含む酸化物であって、カリウムイオンを挿入及び脱離することができる性質を有する。しかも、カリウム化合物は、分子中にMの酸化物を含むことから、カリウム化合物の成型体(焼結体)の密度又は相対密度が従来よりも小さくても優れたイオン伝導率を有することができる。そのため、本発明のカリウム化合物は、例えば、カリウムイオン二次電池用の固体電解質等に好適に使用することができる。また、本発明のカリウム化合物は、カリウムイオン二次電池用正極活物質として使用した場合に、二次電池に優れた作動電位をもたらすことができるので、カリウムイオン二次電池用の正極材料として好適に使用することができる。
式(1)及び式(2)において、MはMn、Sn、Sb、Mo、Zr及びTeからなる群より選ばれる1種の金属であることが好ましく、この場合、化合物1及び化合物2の製造が容易になり易い。MはSn、Sb及びTeからなる群より選ばれる1種の金属であることがより好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(1)及び式(2)において、MはTeであることが特に好ましい。この場合、カリウム化合物は、テルル酸骨格を必須の構成要素とすることができ、このようなカリウム化合物は、より優れたイオン伝導率を有することができる。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(1)及び式(2)において、MはTe又はSbであることが特に好ましい。この場合、カリウム化合物は、カリウムイオン二次電池に優れた作動電位をもたらすことができる。
化合物1の組成について、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(1)において、MはTeであり、Mは、Mg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが好ましい。この場合、化合物1を容易、かつ、低コストで製造でき、また、高いイオン伝導率を有する点で有利である。Mは、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが特に好ましい。式(1)において、MはTeであり、Mは、Mg、Zn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることがより好ましい。この場合、化合物1を特に容易、かつ、低コストで製造でき、また、特に高いイオン伝導率を有する点で有利である。式(1)において、MはTeであり、Mは、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、高いイオン伝導率を有しやすい観点から、式(1)において、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
あるいは、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、優れたイオン伝導率を有しやすい観点から、式(1)において、3.5≦a≦4.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦1.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることも好ましい。この場合において、aの値は、3.8~4.3であることがより好ましく、3.9~4.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
また、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合において、MがSnである場合は、製造の容易性の観点から、式(1)において、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦1.5、かつ、3.5≦x≦4.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
あるいは、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合において、MがSnである場合は、製造の容易性の観点から、式(1)において、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、2.5≦c≦3.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、2.8~3.3であることがより好ましく、2.9~3.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
また、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合において、MがSbである場合は、製造の容易性の観点から、式(1)において、2.5≦a≦3.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、2.8~3.3であることがより好ましく、2.9~3.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
式(1)において、xの値は、例えば6とし、これを基準に式(1)を表すこともできる。
化合物2の組成について、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、Mは、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、Mは、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示す。ただし、Mと、Mとは互いに異なる金属元素である。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、MはTeであり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが好ましい。この場合、本発明のカリウム化合物は、テルル酸骨格を必須の構成要素とすることができ、これにより、本発明のカリウム化合物の成型体(焼結体)の密度又は相対密度が従来よりも小さくても優れたイオン伝導率を有することができる。さらに、この場合において、1.5≦d≦2.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、1.5≦f+g≦2.5、かつ、5.5≦y≦6.5であることも好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、MはTeであり、M及びMは互いに異なって、Mg、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることがさらに好ましい。この場合、化合物2をより容易、かつ、低コストで製造でき、また、より高いイオン伝導率を有する点で有利である。特に、M及びMは、Mg及びCo、Co及びNi、並びに、Mg及びNiのいずれかの組み合わせであることが好ましく、Co及びNi、並びにMg及びNiのいずれかの組み合わせであることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、dの値は、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、1.5~2.5であることが好ましく、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、eの値は、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、0.5~1.5であることが好ましく、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、f及びgは、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、0.25≦f≦0.75及び1.25≦g≦1.75の組み合わせが好ましく、0.45≦f≦0.55及び1.45≦g≦1.55の組み合わせであることが特に好ましい。同様の観点から、f及びgは、1.25≦f≦1.75及び0.25≦g≦0.75の組み合わせが好ましく、1.45≦f≦1.55及び0.45≦g≦0.55の組み合わせであることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、1.5≦f+g≦2.5であることがより好ましく、1.8≦f+g≦2.3であることがより好ましく、1.9≦f+g≦2.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、5.5≦y≦6.5であることがより好ましく、5.8≦y≦6.3であることがより好ましく、5.9≦y≦6.1であることが特に好ましい。
特に高いイオン伝導率を有しやすいカリウム化合物としては、化合物1である場合は、KTeNi、KTeCo等を挙げることができ、化合物2である場合は、KTeCoNiO及びKTeNiMgO等を挙げることができる。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(1)及び式(2)において、MはTe又はSbであることが特に好ましい。この場合、カリウム化合物は、カリウムイオン二次電池に優れた作動電位をもたらすことができる。
化合物1の組成について、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(1)において、MはTe又はSbであり、Mは、Mg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが好ましい。この場合、化合物1を容易、かつ、低コストで製造でき、また、高い作動電位を有する点で有利である。Mは、Co、Mg及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが特に好ましい。式(1)において、MがTeである場合、Mは、Mg、Zn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることがより好ましい。この場合、化合物1を特に容易、かつ、低コストで製造でき、また、特に高い作動電位を有する点で有利である。式(1)において、MがTe、Mは、Co、Mg及びNiからなる群より選ばれる1種の金属である組み合わせが特に好ましい。また、式(1)において、MがSbである場合、Mは、Niであることが特に好ましいく、の場合、化合物1を特に容易、かつ、低コストで製造でき、また、特に高い作動電位を有する点で有利である。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、高いイオン伝導率を有しやすい観点から、式(1)において、MがTeであるときは、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
あるいは、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、高いイオン伝導率を有しやすい観点から、式(1)において、MがTeであるときは、3.5≦a≦4.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦1.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、3.8~4.3であることがより好ましく、3.9~4.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
あるいは、カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、高いイオン伝導率を有しやすい観点から、式(1)において、MがSbであるときは、2.5≦a≦3.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5であることが好ましい。この場合において、aの値は、2.8~3.3であることがより好ましく、2.9~3.1であることが特に好ましく、bの値は、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましく、cの値は、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましく、xの値は、5.8~6.3であることがより好ましく、5.9~6.1であることが特に好ましい。
式(1)において、xの値は、例えば6とし、これを基準に式(1)を表すこともできる。
化合物2の組成について、カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、Mは、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、Mは、Sr,Ca、Zn、Mn、Cu、Co、In、Ga、Y、Ti、V及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示す。ただし、Mと、Mとは互いに異なる金属元素である。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、MはTeであり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることが好ましい。この場合、本発明のカリウム化合物は、高い作動電位を有することができる。さらに、この場合において、1.5≦d≦2.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、1.5≦f+g≦2.5、かつ、5.5≦y≦6.5であることも好ましい。
カリウム化合物をカリウムイオン二次電池用の固体電解質に使用する場合は、式(2)において、MはTeであり、M及びMは互いに異なって、Mg、Co、Zn、Cu及びNiからなる群より選ばれる1種の金属であることがさらに好ましい。この場合、化合物2をより容易、かつ、低コストで製造でき、また、より高い作動電位を有する点で有利である。特に、M及びMは、Co及びNi、Zn及びNi、並びに、Mg及びNiのいずれかの組み合わせであることが好ましい。
カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、dの値は、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、1.5~2.5であることが好ましく、1.8~2.3であることがより好ましく、1.9~2.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、eの値は、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、0.5~1.5であることが好ましく、0.8~1.3であることがより好ましく、0.9~1.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、f及びgは、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、0.25≦f≦0.75及び1.25≦g≦1.75の組み合わせが好ましく、0.45≦f≦0.55及び1.45≦g≦1.55の組み合わせであることが特に好ましい。同様の観点から、f及びgは、1.25≦f≦1.75及び0.25≦g≦0.75の組み合わせが好ましく、1.45≦f≦1.55及び0.45≦g≦0.55の組み合わせであることが特に好ましい。
カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、1.5≦f+g≦2.5であることがより好ましく、1.8≦f+g≦2.3であることがより好ましく、1.9≦f+g≦2.1であることが特に好ましい。
カリウム化合物を二次電池用正極活物質に使用する場合は、式(2)において、5.5≦y≦6.5であることがより好ましく、5.8≦y≦6.3であることがより好ましく、5.9≦y≦6.1であることが特に好ましい。
本発明のカリウム化合物は、例えば、該カリウム化合物に含まれる少なくとも2種以上の金属どうし又はこれら金属の酸化物どうしの固溶体として形成され得る。
本発明のカリウム化合物は、主相である結晶構造の存在量は特に限定的ではない。例えば、カリウム化合物全体を基準として、主相である結晶構造の存在量が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上がより好ましい。カリウム化合物は、単相の結晶構造からなる材料として形成されることもある。本発明の効果を損なわない限り、カリウム化合物は、複数の結晶構造を有する材料して形成されていてもよい。なお、カリウム化合物の結晶構造は、X線回折測定により確認することができる。
本発明のカリウム化合物は、例えば、粒子状の粉末の形態となり得る。カリウム化合物が粒子状である場合、その平均粒子径は、カリウムイオンの挿入及び脱離のしやすさ、及び、高いイオン伝導率を有しやすいという観点から、0.005~50μmが好ましく、0.01~5μmがより好ましく、0.01~0.2μmが特に好ましい。カリウム化合物の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定する。ここでいう平均粒子径とは、例えば、電子顕微鏡による直接観察によって測定された円相当径の算術平均値をいう。
本発明のカリウム化合物は、構造中にテルル酸骨格を有する場合は、特に高いイオン伝導率を示すことができる。
2.カリウム化合物の製造方法
本発明のカリウム化合物の製造方法は特に限定されず、例えば、従来公知のカリウムを含有する酸化物の製造方法を広く適用することができる。
例えば、カリウム化合物が化合物1である場合、K、M及びMを含む原料を加熱する工程(以下、「加熱工程」と表記する)を含む製造方法により、化合物1を得ることができる。
K、M及びMを含む原料は、例えば、Kを含む原料と、Mを含む原料と、Mを含む原料との混合物を含むことができる。あるいは、K、M及びMを含む原料は、K、M及びMの3種類の元素からなる群から選ばれる2種の元素を含む化合物と、残りの元素を含む化合物との混合物を含むことができる。あるいは、K、M及びMを含む原料は、3種すべての元素を含む化合物を含むことができる。なお、M及びMはそれぞれ前記(1)式のM及びMと同義である。
一方、カリウム化合物が化合物2である場合、K、M、M及びMを含む原料を加熱する工程を含む製造方法により、化合物2を得ることができる。
K、M、M及びMを含む原料は、例えば、Kを含む原料と、Mを含む原料と、Mを含む原料と、Mを含む原料との混合物を含むことができる。あるいは、K、M、M及びMを含む原料は、K、M、M及びMの4種類の元素からなる群から選ばれる2種又は3種の元素を含む化合物と、残りの元素を含む化合物との混合物を含むことができる。あるいは、K、M、M及びMを含む原料は、4種すべての元素を含む化合物を含むことができる。なお、M、M及びMは、前記(2)式のM、M及びMと同義である。
Kを含む原料は、例えば、金属単体のカリウム(K)であってもよいし、あるいは、Kを含む化合物であってもよい。Kを含む化合物としては特に限定されず、例えば、KCO、KNO、KOH、CHCOOK、K等が挙げられる。
Kを含む化合物は、水和物であってもよい。前記製造方法では、市販品のKを含む化合物を使用することができるし、あるいは、公知の方法等で製造してKを含む化合物を得ることもできる。
を含む原料は、例えば、金属単体のM(例えば、テルル(Te))であってもよいし、あるいは、Mを含む化合物であってもよい。Mを含む化合物は、Mの酸化物、例えば、TeO等が挙げられる。
を含む原料は、金属M単体であってもよいし、あるいは、金属Mを含む化合物であってもよい。金属Mを含む化合物としては、金属Mの酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩等が例示される。
を含む化合物は、水和物であってもよい。前記製造方法では、市販品のMを含む化合物を使用することができるし、あるいは、公知の方法等で製造してMを含む化合物を得ることもできる。
を含む原料は、金属M単体であってもよいし、あるいは、金属Mを含む化合物であってもよい。金属Mを含む化合物としては、金属Mの酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩等が例示される。
を含む化合物は、水和物であってもよい。前記製造方法では、市販品のMを含む化合物を使用することができるし、あるいは、公知の方法等で製造してMを含む化合物を得ることもできる。
を含む原料は、金属M単体であってもよいし、あるいは、金属Mを含む化合物であってもよい。金属Mを含む化合物としては、金属Mの酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩等が例示される。
を含む化合物は、水和物であってもよい。前記製造方法では、市販品のMを含む化合物を使用することができるし、あるいは、公知の方法等で製造してMを含む化合物を得ることもできる。
K、M及びMを含む原料、又は、K、M、M及びMを含む原料は、K、M、M、M及びM以外のその他金属元素(特に希少金属元素)を含まないことが好ましい。また、その他金属元素については、非酸化性雰囲気下での熱処理により離脱及び揮発していくものが望ましい。
カリウム化合物の製造に用いる原料は、本発明の効果が阻害されない限り、他の化合物等を含むことができる。カリウム化合物の製造に用いる原料は、化合物1の製造方法の場合では、Kを含む原料、Mを含む原料及びMを含む原料のみからなるものであってもよく、化合物2の製造方法の場合では、Kを含む原料、Mを含む原料、Mを含む原料及びMを含む原料のみからなるものであってもよい。
カリウム化合物の製造に用いる原料は、取り扱い性の観点から、粉末状であることが好ましい。また、反応性の観点から、粉末を構成する粒子は微細である方がよく、平均粒子径が50μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下であることが好ましい。各原料の平均粒子径は、電子顕微鏡観察(SEM)により測定することができる。
カリウム化合物の製造に用いる原料は、各種原料を所定の配合割合で混合することで調製することができる。混合方法は、特に制限されず、例えば、各原料を均一に混合できる方法を採用することができる。具体的には、乳鉢混合、メカニカルミリング処理、共沈法、各原料を溶媒中に分散させた後に混合する方法、各原料を溶媒中で一度に分散させて混合する方法等を採用することができる。これらのなかでも、乳鉢混合を採用するとより、製造方法が簡便となりやすい。各原料がより均一な混ざり合った混合物を得ることを目的とする場合は、共沈法を採用することができる。
カリウム化合物の製造に用いる各原料の混合割合は、例えば、最終生成物である所望の組成を有するカリウム化合物を得ることができるように、各原料を配合することが好ましい。具体的には、カリウム化合物に含まれる各元素の比率が、目的とするカリウム化合物中の各元素の比率と同一となるように、各原料の配合割合を調整することが好ましい。
加熱工程では、カリウム化合物の製造に用いる原料の加熱処理を行う。
上記加熱工程は、例えば、空気雰囲気下、もしくはアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気等で行うことができる。あるいは、上記加熱工程は、真空等の減圧下で行ってもよい。
加熱工程における加熱温度(すなわち、焼成温度)は500~1500℃であることが好ましい。この場合、加熱工程の操作をより容易に行うことができるとともに、得られるカリウム化合物の結晶構造が層状型構造を形成しやすい。その結果、得られるカリウム化合物の結晶性及びイオン伝導率が向上しやすい。
図1は、カリウム化合物の結晶構造の模式図である。具体的に、図1(a)はカリウム化合物の層状ハニカム構造の模式図であり、(b)は図1(a)に示される構造を上から眺めたカリウム層の模式図であって、カリウム化合物の層状ハニカム構造内のカリウムイオンの拡散経路を説明する模式図である。
BVEL(Bond Valence Energy Landscape)理論計算より、本発明のカリウム化合物では、カリウムイオンは2次元拡散経路を有する(図1(b))。カリウムイオンの動きはrotary motorのように拡散すると考えられることから、本発明のカリウム化合物は、高いイオン伝導度を有すると推測される。このようなrotary motorのように拡散するイオン拡散経路を示す材料は、極めて高いイオン伝導度を示す。
加熱工程における加熱時間については、特に限定的ではなく、例えば、10分~80時間が好ましく、30分~60時間がより好ましい。
加熱工程において所定時間の加熱処理を行った後、冷却することで所望の組成を有するカリウム化合物が得られる。冷却速度は特に限定されない。また、一度冷却してから再度、前記加熱温度にて加熱処理を行って焼成を行ってもよい。
本発明のカリウム化合物は、上記製造方法の他に、例えば、共沈法、ゾルゲル法、水熱合成法などの方法によって製造することができる。
3-1.カリウムイオン二次電池用固体電解質
カリウムイオン二次電池用固体電解質は、上述の本発明のカリウム化合物を含んで形成される。カリウムイオン二次電池用固体電解質は、本発明のカリウム化合物を含むことで、高いイオン伝導率を示し、特に、該固体電解質の成型体(焼結体)の密度又は相対密度が従来よりも小さくても優れたイオン伝導率を有することができる。このため、カリウムイオン二次電池用固体電解質は、例えば、カリウムイオン全固体二次電池用に好適に使用される。
カリウムイオン二次電池用固体電解質は、本発明のカリウム化合物のみで形成されていてもよいし、本発明の効果が阻害されない限り、他の材料を含むこともできる。
カリウムイオン二次電池用固体電解質は、カリウム化合物の他、例えば、不可避不純物を含み得る。不可避不純物としては、カリウム化合物の製造時に使用する原料等が挙げられる。不可避不純物は、例えば、カリウムイオン二次電池用固体電解質中に10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下含有し得る。
3-2.カリウムイオン二次電池用正極活物質
カリウムイオン二次電池用固体正極活物質は、上述の本発明のカリウム化合物を含んで形成される。カリウムイオン二次電池用固体電解質は、本発明のカリウム化合物を含むことで、カリウムイオン二次電池に高い作動電位をもたらす。このため、カリウムイオン二次電池用正極活物質は、例えば、カリウムイオン全固体二次電池用に好適に使用される。
カリウムイオン二次電池用固体電解質は、本発明のカリウム化合物のみで形成されていてもよいし、本発明の効果が阻害されない限り、他の材料を含むこともできる。
カリウムイオン二次電池用正極活物質は、カリウム化合物の他、例えば、不可避不純物を含み得る。不可避不純物としては、カリウム化合物の製造時に使用する原料等が挙げられる。不可避不純物は、例えば、カリウムイオン二次電池用正極活物質中に10モル%以下、好ましくは5モル%以下、より好ましくは2モル%以下含有し得る。
4-1.二次電池(第1形態)
本実施形態の二次電池の第1形態(以下、「第1形態の二次電池」ということがある)は、カリウムイオン二次電池用固体電解質を構成要素とする。このような第1形態の二次電池としては、例えば、全固体カリウム二次電池を挙げることができる。全固体カリウム二次電池は、例えば、正極活物質を含有する正極層と、負極活物質を含有する負極層と、前記正極層及び前記負極層の間に介在される固体電解質層とを備えることができる。
該固体電解質層は、前記カリウムイオン二次電池用固体電解質を用いて形成され得る。
該固体電解質層の形成方法は特に限定されず、公知の固体電解質層の形成方法を広く採用することができる。
例えば、カリウム化合物を特定の形状に成型し、これを焼結することで、固体電解質層を形成することができる。成型条件及び焼結条件は、従来公知の方法と同様の条件を採用することができる。
全固体カリウム二次電池の正極層、負極層は、特に限定的ではなく、従来公知の全固体二次電池の正極層及び負極層と同様の構成とすることができる。
正極層は少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、公知のカリウムイオン伝導性材料の他、公知の電子伝導助剤および結着材の少なくとも一つをさらに含有することができる。正極活物質は、公知の材料を広く採用することができ、正極層における正極活物質の含有量も特に限定されず、公知の全固体二次電池と同様とすることができる。正極層に含まれるカリウムイオン伝導性材料の含有量も公知の全固体二次電池と同様とすることができる。
負極層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、公知のカリウムイオン伝導性材料の他、公知の電子伝導助剤および結着材の少なくとも一つをさらに含有することができる。負極活物質は、公知の材料を広く採用することができ、負極層における負極活物質の含有量も特に限定されず、公知の全固体二次電池と同様とすることができる。負極層に含まれるカリウムイオン伝導性材料の含有量も公知の全固体二次電池と同様とすることができる。
全固体カリウム二次電池の形状は、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
全固体カリウム二次電池を製造する方法は、一般的な全固体二次電池の方法と同様の方法を用いることができる。例えば、上述した正極層、固体電解質層、及び負極層をこの順番に積層することで、全固体カリウム二次電池が製造される。
本発明のカリウム化合物を含むカリウムイオン二次電池用固体電解質を構成要素とする二次電池と組み合わせられる正極材料としては、例えば、KAO(AはCo、Cr、Fe、Mn、Ni、Cu又はVであり、以下も同様である。0≦x≦3.0)、KA10.5A20.5(A1とA2はMg、Ca、Zn、Mn、Cu、V、Ti、Cr、Fe、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、以下も同様である)、K2/3A11/3A22/3、KA11/3A21/3A31/3(A3はMg、Ca、Zn、Mn、Cu、V、Ti、Cr、Fe、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、以下も同様である)、KMn、K2/3A11/3A22/3、KA11/2A23/2、KAPO、KAPOF、KVOPO、K3―xA2(PO、KAF、KVO、K1.5VOPO0.5、K(PO、KV15、K0.33、KMn18、KFeMn(PO、KTi(PO、KFe(CN)、KV1-xCrPOF、KAM4O(M4:Si、Ge、Ti、Mn、Se又はNbであり、以下も同様である)、KAP、KA(PO、K(PO、KA(SO、KA(SO、K(SO、KASOF、KCuO(SO、A(SO、APO、KSbNi、KSbNi1.5Mg0.5、KCoSbO、KCo1.5Mg0.5SbO、KSbMn、KSbFe、KSbCu、KSbAlMnO、KSbAlNiO、KSbVMgO、KCoSbO、KNiSbO、KMnSbO、KFeSbO(K4/3Fe1/3Sb1/3)、K0.8Co0.6Sb0.4、K0.8Ni0.6Sb0.4、KNiTeO(K2/3Ni2/3Te1/3)、KCoTeO(K2/3Co2/3Te1/3)、KMnTeO(K2/3Mn2/3Te1/3)、KFeTeO(K2/3Fe2/3Te1/3)、KNi2-yMgSbO(0≦y≦0.75)、KNi1.5Mg0.5SbO、KNiSbO(KNi2/3Sb1/3)、KMnSbO(KMn2/3Sb1/3)、KFeSbO(KFe2/3Sb1/3)、KNi1.5Mg0.5SbO、KCuSbO(KCu2/3Sb1/3)、KCoSbO(KCo2/3Sb1/3)、KCuSbO、KNiTeO(K4/3Ni1/3Te1/3)、KCoTeO(K4/3Co1/3Te1/3)、KCuTeO(K4/3Cu1/3Te1/3)、KVTeO(K4/31/3Te1/3)、KFeTeO(K4/3Fe1/3Te1/3)、KMnTeO、KNiSbO、KFeSbO、KFeSbO、KNiSbO、KMnSbO、KMnTeO、KFeTeO、KFe1-z(Ni0.5Ti0.5SbO(0≦z≦1)、KFe0.5Ni0.25Ti0.25SbO、KFe0.5(Ni0.5Ti0.5)SbO、KFe0.5Ni0.25Ti0.25SbO、KFe1-z(Ni0.5Mn0.5SbO、KFe0.5Ni0.25Mn0.25SbO、K5-zNi1-zFeSbO、K4.5Ni0.5Fe0.5SbO、KNi1.75Zn0.25SbO、KNi1.75Cu0.25SbO、KNi1.5Mn0.5SbO、KNiTeO等を挙げることができる。
本発明のカリウム化合物を含むカリウムイオン二次電池用固体電解質を構成要素とする二次電池と組み合わせられる負極材料としては、例えば、カリウム金属;ケイ素;ケイ素含有Clathrate化合物;カリウム合金;M5M6(M5:Co、Ni、Mn、Sn等、M6:Mn、Fe、Zn等)で表される三元又は四元酸化物;M7(M7:Fe、Co、Ni、Mn等)、M8(M8:Fe、Co、Ni、Mn等)、MnV、M8O(M8:Sn、Ti等)、M9O(M9:Fe、Co、Ni、Mn、Sn、Cu等)等で表される金属酸化物;黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラフェン;炭素材料;Lepidocrocite型K0.8Li0.2Ti1.67;KC;KTi;KTi13;K、K、K、K14、K、K14、K、K1812、K16、K10等の有機系化合物;等が挙げられる。
前記カリウム合金としては、例えば、カリウム及びアルミニウムを構成元素として含む合金、カリウム及び亜鉛を構成元素として含む合金、カリウム及びマンガンを構成元素として含む合金、カリウム及びビスマスを構成成分として含む合金、カリウム及びニッケルを構成元素として含む合金、カリウム及びアンチモンを構成元素として含む合金、カリウム及びスズを構成元素として含む合金、カリウム及びインジウムを構成元素として含む合金;金属(スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル等)とカーボンを構成元素として含むMXene系合金、M10xBC3系合金(M10:Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta等)等の四元系層状炭化又は窒化化合物;カリウム及び鉛を構成元素として含む合金等が挙げられる。
4-2.二次電池(第2形態)
本実施形態のカリウムイオン二次電池の第2形態(以下、「第2形態の二次電池」)は、カリウムイオン二次電池用正極活物質を構成要素とする。
第2形態の二次電池は、上記二次電池用正極活物質を正極活物質として使用する他は、基本的な構造は、公知の非水電解液の二次電池を参考に構成することができる。例えば、正極、負極及びセパレータを、前記正極及び負極がセパレータによって互いに隔離されるように電池容器内に配置することができる。その後、非水電解液を当該電池容器内に充填した後、当該電池容器を密封すること等によって二次電池を製造することができる。電池容器の材料、大きさ及び形状は、二次電池の用途に応じて適宜決定することができる。
前記正極は、正極活物質を含有する正極材料を正極集電体に担持した構造を採用することができる。例えば、上記正極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する正極合剤を、正極集電体に塗布することで製造することができる。
導電助材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、気相法炭素繊維、カーボンナノファイバー、黒鉛、コークス類等の炭素材料を用いることができる。導電助剤の形状は、特に制限はなく、例えば粉末状等を採用することができる。
結着剤としては、公知の材料を広く採用することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等が挙げられる。
正極材料中の各種成分の含有量については、特に制限はなく、材料の種類に応じて適宜決定することができ、例えば、正極活物質を50~95体積%(特に70~90体積%)、導電助剤を2.5~25体積%(特に5~15体積%)、結着剤を2.5~25体積%(特に5~15体積%)含有することができる。
正極集電体を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、白金、モリブデン、ステンレス、銅等が挙げられる。前記正極集電体の形状としては、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。
なお、正極集電体に対する正極材料の塗布量は、所望の二次電池の用途等に応じて適宜決定することが好ましい。
負極活物質としては、例えば、カリウム金属;ケイ素;ケイ素含有Clathrate化合物;カリウム合金;M1121 (M11:Co、Ni、Mn、Sn等、M21:Mn、Fe、Zn等)で表される三元又は四元酸化物;M31 (M31:Fe、Co、Ni、Mn等)、M41 (M41:Fe、Co、Ni、Mn等)、MnV、M(M:Sn、Ti等)、MO(M:Fe、Co、Ni、Mn、Sn、Cu等)等で表される金属酸化物;黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラフェン;上記した炭素材料;Lepidocrocite型K0.8Li0.2Ti1.67;KC;KTi;KTi13;KTinO2n+1(n=3,4,6,8);KSiP;KSi;MnSnO;K1.4Ti16;K1.5Ti6.51.516;K1.4Ti6.6Mn1.416;Zn(HCOO);Co(HCOO);Zn1.5Co1.5(HCOO);KVMoO;AV(A=Mn,Co,Ni,Cu);MnGeO;Ti(SO;KTi(PO;SnO;Nb;TiO;Te;VOMoO;polyacetyle (PAc),polyanthracite,polyparaphenylene(PPP),1,4-benzenedicarboxylate (BDC),polayaniline(PAn),polypyrrole (PPy),polythiophene(PTh),teteraethylthiuram disulfide(TETD),poly(2,5-dimercapto-1,3,4-thiadiazole)(PDMcT),poly(2,2’-dithiodianiline)(PDTDA),poly(5,8-dihydro-1H,4H-2,3,6,7-tetrathia-anthracene)(PDTTA),poly(2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl-4-yl methacrylate)(PTMA),K、K・2HO、K,K,K14,K,K24,K,K,K,K14,K,K14,K,K1812,K16,K10等のような有機系化合物等が挙げられる。カリウム合金としては、例えば、カリウム及びアルミニウムを構成元素として含む合金、カリウム及び亜鉛を構成元素として含む合金、カリウム及びマンガンを構成元素として含む合金、カリウム及びビスマスを構成成分として含む合金、カリウム及びニッケルを構成元素として含む合金、カリウム及びアンチモンを構成元素として含む合金、カリウム及びスズを構成元素として含む合金、カリウム及びインジウムを構成元素として含む合金;金属(スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ハフニウム、タンタル等)とカーボンを構成元素として含むMXene系合金、M BC系合金(M:Sc、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta等)等の四元系層状炭化又は窒化化合物;カリウム及び鉛を構成元素として含む合金等が挙げられる。その他、負極活物質としては、SiBN、TiNb1439、Borophane、NiP3、MgNb3487、MnSb、Ti、NaTi13、KTi、LiTi12、NaTi12、NaTi、KTi17、TiC、Ta、(V0.5Cr0.5、MoS、SnSb、PbNb13、CoSe、V、VSe、Ni、ReS、CoS、KTi(PO、Sn、Vitamin K、CoC、Sb、K0.23、Bi、phosphorene、borophene、FeCl、GeSe、Sn、Co[Co(CN)]、Na-K合金、SnS、FeP、SnP、Sn0.5Ge0.25Sb0.25、CN、Al3-xMo12(0<x<2)、Ca0.5Ti(PO、CoSnO、ZnSnO、ZnSnO、CdSnO、NiSnO、SnSe、SnP、SnS、Bi0.57Sb0.43、MoO、FeS、FeSe、MoSe、MoS、Al12、Al2.5Mo0.512、polythiophene、V、K、VS、BiSe、Ni1.8Fe1.2、BS、SnS、ReN、CuMn、WS、ZnC、K0.25TiS、MoN等を挙げることができる。
負極は、集電体に金属カリウム、黒鉛またはカリウム合金を担持させた電極であってもよく、金属カリウム、黒鉛やカーボンまたはカリウム合金を電極に適した形状(例えば、板状など)に成形して得られた電極であってもよい。
前記負極は、負極活物質から構成することもでき、また、負極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する負極材料が負極集電体上に担持する構成を採用することもできる。負極材料が負極集電体上に担持する構成を採用する場合、負極活物質、導電助剤、及び必要に応じて結着剤を含有する負極合剤を、負極集電体に塗布することで製造することができる。
負極が負極活物質から構成される場合、上記の負極活物質を電極に適した形状(板状等)に成形して得ることができる。
また、負極材料が負極集電体上に担持する構成を採用する場合、導電助剤及び結着剤の種類、並びに負極活物質、導電助剤及び結着剤の含有量は上記した正極のものを適用することができる。負極集電体を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等が挙げられる。前記負極集電体の形状としては、例えば、多孔質体、箔、板、繊維からなるメッシュ等が挙げられる。なお、負極集電体に対する負極材料の塗布量は二次電池の用途等に応じて適宜決定することが好ましい。
セパレータとしては、電池中で正極と負極を隔離し、且つ、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保することができる材料からなるものである限りは制限はない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ポリイミド;ポリビニルアルコール;末端アミノ化ポリエチレンオキシドポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;アクリル樹脂;ナイロン;芳香族アラミド;無機ガラス;セラミックス等の材質からなり、多孔質膜、不織布、織布等の形態の材料を用いることができる。
非水電解液は、二次電池の種類に応じて適宜選択することができる。電解液は、カリウムカチオンを含むことができる。このような電解液としては、例えば、カリウム塩を溶媒に溶解させた溶液、カリウムを含む無機材料で構成されるイオン液体などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
カリウム塩としては、例えば、塩化カリウム、臭化カリウム、フッ化カリウム、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化カリウム、過塩素酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ヘキサフルオロヒ酸カリウムなどのカリウム無機塩化合物;トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム、トリフルオロ酢酸カリウム、ペンタフルオロプロピオン酸カリウム、カリウムエトキシド、テトラフェニルホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドカリウム、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドカリウム、トリス(ペンタフルオロエタン)トリフルオロフォスフェイトカリウム、安息香酸カリウム、サリチル酸カリウム、フタル酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、グリニャール試薬などのカリウム有機塩化合物などが挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、上記非水電解液の代わりに固体電解質を使用することもできる。カリウム二次電池用固体電解質としては、例えば、KBiO3、KNO2-Gd2O3固溶体系、KSbO3、K2SO4、KH2PO4、KZr2(PO4)3、K9Fe(MoO4)6、K4Fe3(PO4)2P27、K3MnTi(PO4)3、KTi2(PO4)3、KHf2(PO4)3、KAg4I5、K2AgI3、K2CuCl3、K2CuBr3、KCu4I5、K1+xMxTi2-x(PO4)3(M=Al, Sc, Y, La)、K2+2xZn1-xGeO4、KTi2(PO4)3、K1+xAlxTi2-x(PO4)3、K1+xScxTi2-x(PO4)3、K1+xYxTi2-x(PO4)3、K1+xLaxTi2-x(PO4)3、K2S-P2S5、K2S-GeS2-P2S5セラミックス、K4-xGe1-xPxS4, K14Zn(GeO4)4、K10GeP2S12、K9.54Si1.74P1.44S11.7Cl0.3、K2O-xAl2O3(x=1,5,11)、K1+xZr2SixP3-xO12、K3Zr2Si2PO12、K2.8Zr2-xSi1.8-4xP1.2+4xO12、K3Zr1.6Ti0.4Si2PO12、K3Hf2Si2PO12、K1.2Ag0.8PbP2O7、KCaNb3O10、K0.23Y0.05Si0.18O0.55、K0.17P0.21S0.62、K2O-K5.9Sm0.6Al0.1P0.3Si3.6O9、K6Zn(P2O7)2、KSmP2O7、KLaP2S6、K2La(P2S6)0.5(PS4)、K3La(PS4)2、K4La0.67(PS4)2、K9-xLa1+x/3(PS4)4(x=0.5)、K4Eu(PS4)2、KEuPS4、K2La(P2Se6)0.5(PSe4)、K3La(PSe4)2、K4La0.67(PSe4)2、K9-xLa1+x/3(PSe4)4(x=0.5)、KEuPSe4、KEuAsS4、K3Dy(AsS4)2、K2SmP2S7、K3Gd3(PS4)4、K9Gd(PS4)4、KInP2Se6、K3Cr2P3S12、KSmP2S7、K6Yb3(PS4)5、K2SnAs2S6、KSnAsS5、K3PuP2S7、K3Cr2(PS4)3、K4M2P6S25(M=Ti,Sn)、K3Ti2P5S18(M=Sn,Ti)、K3Cr2(PS4)4、K6Cr2(PS4)4、K2Cr2P2S7、K3Cr2(AsO4)3、K3CeP2S8、K4Sc2(PSe4)2(P2Se6)、KSnPS4、KZrPS6、K3Nd(PS4)2、K9Nd(PS4)4、K9Yb3(PS4)5、K2SnAs6S6、K3Pu(PS4)2、KEuAsS3、K3Ln(AsS4)2(Ln=Nd,Sm,Sd)、KPuP2O7、KScO2、KInO2、K0.72In0.72Sn0.28O2、KxZnx/2Sn1-x/2O2(x=0.58,0.7,0.79,0.8)、K4Nb6O17、KAlSiO4、KFeSi3O8, KAlSi3O8、KFeTi3O8、KAlTi3O8、K2ScSe4、K2ScS4、K2YSeS4、K2YS4、1-xLn2O3-xKTFSA(Ln=Gd,Y,In,Lu,Sm等)、KNO2-Gd2O3、K3Al2(PO4)3、KHf2(PO4)3、K7La3Zr2O12、Na2SO4-Ln2(SO4)3-SiO2(Ln=Y,Gd)、K7La3Zr2O12-K3BO2等のカリウムイオン伝導体等が列挙される。
溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート化合物;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラクトン化合物;テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メトキシメタン、N,N-ジメチルホルムアミド、グライム、N-プロピル-N-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジメトキシエタン、ジメトキメタン、ジエトキメタン、ジエトキエタン、プロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物;アセトニトリル等が挙げられる。
4-3.二次電池(第3形態)
本実施形態のカリウムイオン二次電池の第3形態(以下、「第3形態の二次電池」)は、本発明のカリウム化合物を含む前記カリウムイオン二次電池用固体電解質及び本発明のカリウム化合物を含む前記正極活物質を構成要素とする。本発明のカリウム化合物を含む前記正極活物質を正極材料として含有すること以外は、第3形態の二次電池は、第1形態の二次電池と同様の構成とすることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
原料粉体としてKCO(キシダ化学製、純度99.5%)、TeO(シグマアルドリッチ社製、純度99%)及びCoO(高純度化学製、純度99.7%)を準備した。これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト(モル比)が2:1:2となるように秤りとり、めのう乳鉢で約30分混合して出発原料を得た。出発原料をペレット成型し、得られた成型体を、電気炉で空気中、焼成温度を800℃及び焼成時間を20時間として加熱処理して生成物を得た。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するため、生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。後に示す装置及び条件でのXRD測定と解析により、生成物はKTeCo(化合物1)であることを確認した。
(実施例2)
原料粉体としてKCO、TeO及びNiO(高純度化学製、純度99.7%)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi(化合物1)であることを確認した。
(実施例3)
原料粉体としてKCO、TeO及びMgO(キシダ化学製、純度99.5%)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:マグネシウム(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeMg(化合物1)であることを確認した。
(実施例4)
原料粉体としてKCO、TeO及びZnO(和光純薬工業社製、純度95%)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:亜鉛(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeZn(化合物1)であることを確認した。
(実施例5)
原料粉体としてKCO、TeO及びCuO(高純度化学製、純度99.7%、5μm)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:銅(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCu(化合物1)であることを確認した。
(実施例6)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マグネシウム(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiMgO(化合物2)であることを確認した。
(実施例7)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCoMgO(化合物2)であることを確認した。
(実施例8)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びCoOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:コバルト(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCoNiO(化合物2)であることを確認した。
(実施例9)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びZnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:亜鉛(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiZnO(化合物2)であることを確認した。
(実施例10)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びZnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:亜鉛(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi1.5Zn0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例11)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:ニッケル(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo1.5Ni0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例12)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:ニッケル(モル比)が2:1:0.5:1.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo0.5Ni1.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例13)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:0.5:1.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo0.5Mg1.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例14)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo1.5Mg0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例15)
原料粉体としてKCO、TeO及びCoC(高純度化学製、純度99%)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を750℃及び焼成時間を60時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCoO(化合物1)であることを確認した。
(実施例16)
原料粉体としてKCO、TeO及びNiC(高純度化学製、純度99.9%)を準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を750℃及び焼成時間を60時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiO(化合物1)であることを確認した。
(実施例17)
原料粉体としてKCO、TeO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:マグネシウム(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を750℃及び焼成時間を60時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeMgO(化合物1)であることを確認した。
(実施例18)
原料粉体としてKCO、TeO及びZnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:亜鉛(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を750℃及び焼成時間を60時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeZnO(化合物1)であることを確認した。
(実施例19)
原料粉体としてKCO、SnO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:スズ:マグネシウム(モル比)が2:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を800℃及び焼成時間を40時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSnMgO(化合物1)であることを確認した。
(実施例20)
原料粉体としてKCO、SnO及びCoCを準備し、これらの原料粉体をカリウム:スズ:コバルト(モル比)が2:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を800℃及び焼成時間を40時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSnCoO(化合物1)であることを確認した。
(実施例21)
原料粉体としてKCO、SnO及びNiCを準備し、これらの原料粉体をカリウム:スズ:ニッケル(モル比)が2:1:1となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を800℃及び焼成時間を40時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSnNiO(化合物1)であることを確認した。
(実施例22)
原料粉体としてKCO、Sb及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:アンチモン:ニッケル(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を900℃及び焼成時間を20時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSbNi(化合物1)であることを確認した。
(実施例23)
原料粉体としてKCO、SnO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:スズ:マグネシウム(モル比)が2:1:3となるように秤り取るようにしたこと、並びに、焼成温度を800℃及び焼成時間を40時間として加熱処理したこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSnMg(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-1)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:ニッケル(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取りとり、めのう乳鉢で約30分混合して出発原料を得た。出発原料をペレット成型し、得られた成型体を、電気炉で空気中、焼成温度を800℃及び焼成時間を20時間として加熱処理して生成物を得た。得られた生成物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するため、生成物をAr雰囲気に保ったグローブボックス内に持ち込み、空気との接触がない環境で保管した。後に示す装置及び条件でのXRD測定と解析により、生成物はKTeCoNiO(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-2)
原料粉体としてKCO、TeO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-3)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マグネシウム(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiMgO(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-4)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びZnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:亜鉛(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiZnO(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-5)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マグネシウム(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi1.5Mg0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-6)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びZnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:亜鉛(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi1.5Zn0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-7)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO、及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:ニッケル(モル比)が2:1:0.5:1.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo0.5Ni1.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-8)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:ニッケル(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo1.5Ni0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-9)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マグネシウム(モル比)が2:1:0.5:1.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi0.5Mg1.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-10)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びCuOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:銅(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi1.5Cu0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-11)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マンガン(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNi1.5Mn0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-12)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びCuOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:銅(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiCuO(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-13)
原料粉体としてKCO、TeO、NiO及びMnOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル:マンガン(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiMnO(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-14)
原料粉体としてKCO、TeO及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:ニッケル(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeNiO(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-15)
原料粉体としてKCO、TeO及びCoOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト(モル比)が4:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCoO(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-16)
原料粉体としてKCO、Sb及びNiOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:アンチモン:ニッケル(モル比)が3:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKSbNi(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-17)
原料粉体としてKCO、TeO及びCoOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-18)
原料粉体としてKCO、TeO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:マグネシウム(モル比)が2:1:2となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeMg(化合物1)であることを確認した。
(実施例24-19)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:0.5:1.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo0.5Mg1.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-20)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:1.5:0.5となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCo1.5Mg0.5(化合物2)であることを確認した。
(実施例24-21)
原料粉体としてKCO、TeO、CoO及びMgOを準備し、これらの原料粉体をカリウム:テルル:コバルト:マグネシウム(モル比)が2:1:1:1となるように秤り取るようにしたこと以外は実施例1と同様の方法で、生成物を得て保管した。XRD測定により、生成物はKTeCoMgO(化合物2)であることを確認した。
<評価方法>
上記実施例で得られたカリウム化合物をカリウムイオン二次電池用固体電解質のサンプルとして、下記の評価を行った。
[粉末X線回折(XRD)測定]
X線回折装置((株)リガク製 RINT-UltimaIII/G)を用いて合成した試料の測定を行った。X線源にはCuKα線を用い、印加電圧40kV、電流値40mAとした。測定は0.01°/secの走査速度で10°~90°の角度範囲で行った。使用したX線波長は1.5418Åとした。XRD測定の解析は、直接法により結晶構造モデルを決定し、Rietveld法によって解析した。
[ICP測定]
誘導結合プラズマ発光分光分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィック社の「iCAP6500」を使用してICP-AES測定を行った。
[TG-DTA測定]
TG-DTA測定装置はThermo plusEVO TG/DTA(リガク製)を用い、窒素雰囲気(窒素流量200mL/min)、1100℃まで5℃/minで昇温した。
[イオン伝導率測定]
交流インピーダンス法により、イオン伝導率を測定した。交流インピーダンス測定用のペレットは、カリウム化合物の粉末を、一軸加圧成型によってペレット状に成型し、これを電気炉内で800℃、2時間焼結してペレット状焼結体を形成し、該ペレット状焼結体の両面に金スパッタを施した。交流インピーダンス測定(1Hz-30MHz)は、Ar雰囲気下、20~300℃にて行った。
[カリウムイオン二次電池用正極活物質の評価]
試験用のセルとして、CR2032型コインセルを用いた。各実施例で得たテルル系化合物と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、アセチレンブラック(AB)とを重量比が85:7.5:7.5となるようにめのう乳鉢で混合した。これにより得られた混合物を、正極集電体であるアルミニウム箔(厚さ20μm)上に塗布し、これを円形(直径8mm)に打ち抜き正極とした。また、試料が正極集電体から剥がれないように30~40MPaで圧着した。負極には14mmΦで打ち抜いた金属カリウムを使用した。セパレータは18mmΦで切り抜いた多孔質celgard 2500を使用した。電解質はカリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(KTFSI(森田化学工業株式会社製))を、N-プロピル-N-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Pyr13TFSI)溶媒に、0.5Mの濃度で溶解させた電解液(イオン液体)を用いた。
定電流充放電測定は電圧切り替え器を用い、電流約7mAgー1、上限電圧4.7V、下限電圧1.3Vに設定し、充電より開始した。25℃恒温槽内にセルを入れた状態で充放電測定を行った。なお、カリウム含有化合物の吸湿性による空気曝露の影響を回避するため、電池作製等の手段はAr雰囲気に保ったグローブボックス内にて行った。
カリウムが挿入脱離する際の充放電容量実測値を実効容量(attained capacity)とし、金属カリウム電極(負極)に対する電位差を平均作動電位として計測した。正極材料の作動電位と負極材料の作動電位の差を、電池の作動電圧とした。
<カリウムイオン二次電池用固体電解質の評価結果>
図2~4は、各実施例で得られたカリウム化合物のXRDパターンを示している。
また、表1に、XRD測定結果のまとめを示している。なお、表1において、a,b及びcは格子定数、Vは単位格子体積を示す。
Figure 0007224617000001
表2には、実施例で得られたカリウム化合物のICP分析結果を示す。
Figure 0007224617000002
表2の結果から、概ね仕込み配合量に応じた組成を有する化合物が得られていることがわかった。
図5には、KTeCo2-wMg、KTeNi2-wMg及びKTeNi2-wCo(w=0、0.25、0.5、0.75、1)の粉末の色の変化を示している。カリウム化合物の金属組成比を変えることで、粉末の色が変わることがわかり、これは、電子状態が変化することで、イオン伝導率が異なることを意味する。
図6には、実施例1~5で得られたカリウム化合物のTG-DTAの結果を示している。TG-DTA測定より、融点は、KNiTeO(877.4℃、実施例2)>KCoTeO(843.2℃、実施例1)>KCuTeO(835.3℃、実施例5)>KMgTeO(833.4℃、実施例3)>KZnTeO(823.7℃、実施例4)であることがわかった。このTG-DTA測定結果は、カリウム化合物は幅広い温度領域で使用可能であることを示している。
図7は、実施例19~21で得られたカリウム化合物のXRDパターンを、図8は、実施例22で得られたカリウム化合物のXRDパターンを、図9は、実施例23で得られたカリウム化合物のXRDパターンを示している。これらの結果から、いずれも目的のカリウム化合物が合成できることがわかった。
図10及び図11は、実施例で得られたカリウム化合物のイオン伝導率測定の結果である。いずれのカリウム化合物も、例えば、全固体カリウム二次電池の固体電解質層を形成するのに十分なイオン伝導率を示すことが確認された。
ここで、イオン伝導率測定用サンプルの相対密度は次のようにして計測した。カリウム化合物の粉末試料を特定の直径を有する円筒容器に詰め、プレス機を用いて40MPaの圧力で成型する。得られた成型体の厚みをマイクロメーターで測定し、円筒容器に詰めた粉末の重量を、厚み及び円筒容器の面積から算出した体積で除することで、イオン伝導率測定用サンプルの密度を計測した。この密度から、表1に示すρを基準として、イオン伝導率測定用サンプルの相対密度を算出した。また、円筒容器に詰める粉末試料の重量を調節することで、所望の相対密度を有するイオン伝導率測定用サンプルを形成した。
表3には、イオン導電率の測定結果のまとめを示す。なお、比較として、公知のカリウム化合物であるK0.72In0.72Sn0.28(相対密度85%)、及び、K0.8Sn0.6Zn0.4(相対密度80%)から得られた測定サンプル(表中、それぞれ比較サンプル1及び比較サンプル2と表記)のイオン導電率の測定結果も同表に示す。
Figure 0007224617000003
表3から、カリウム化合物は、高温領域、例えば、500Kであっても優れたイオン伝導率を有することができることがわかる。特に、実施例で得られたカリウム化合物は、比較サンプル1,2に比べて相対密度が低いにもかかわらず、高いイオン伝導率を有していることがわかった。そのため、本発明のカリウム化合物は、成型体(焼結体)の密度が従来よりも小さくても優れたイオン伝導率を有することができるものであり、例えば、カリウムイオン二次電池用の固体電解質等に好適に使用することができる。
<カリウムイオン二次電池用正極活物質の評価結果>
表4は、実施例24-1~24-21で得られたカリウム化合物のXRD測定結果を示している。
Figure 0007224617000004
表4から、表4に示す各実施例のそれぞれにおいて目的とするカリウム化合物が生成していることがわかった。
表5は、実施例24-1~24-16で得られたカリウム化合物の正極活物質としての評価結果を示している。
Figure 0007224617000005
表5から、実施例24-1~24-16で得られたカリウム化合物はいずれも、優れた平均作動電位をカリウムイオン二次電池に付与できることがわかった。具体的に、実施例24-1~24-21で得られたカリウム化合物は、理論容量が130~140mAhg-1、平均作動電位は3.6~4.3V(vs.K+/K)、正極材料ベースでのエネルギー密度は470~600Whkg-1に達し、これまでの酸化物材料を大きく超える可能性があることがわかった。現行の実用リチウムイオン電池用正極材料のエネルギー密度が600Whkg-1程度であることから、実施例24-1~24-16で得られたカリウム化合物はいずれも同等の性能が期待される。また、公知のカリウム化合物であるK0.7Fe0.5Mn0.5が2.5(V vs. K+ / K)であることから、実施例24-1~24-16で得られたカリウム化合物はいずれも、従来のカリウム化合物よりも正極活物質として有用であるといえる。
実施例24-2のようにカリウム化合物がKTeNiの場合、比容量の理論値130mAhg-1に対して実測値は約70mAhg-1であるものの、平均作動電位3.6V(vs.K/K)が可能である。さらに、このNiの一部をコバルト(Co)やマグネシウム(Mg)など他の金属元素に置き換えることで、4.3V(vs.K/K)まで作動電位の向上が可能である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    (1)
    (式(1)中、MはTeであり、MはMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、1.5≦a≦2.5、0.5≦b≦1.5、1.5≦c≦2.5、かつ、5.5≦x≦6.5である)で表される、カリウム化合物。
  2. 下記一般式(1)
    (1)
    (式(1)中、MはTeであり、MはMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、3.5≦a≦4.5、0.5≦b≦1.5、0.5≦c≦1.5、かつ、5.5≦x≦6.5である)で表される、カリウム化合物。
  3. 下記一般式(2)
    (2)
    (式(2)中、MはTeであり、M及びMは互いに異なってそれぞれMg、Ca、Zn、Mn、Cu、Co及びNiからなる群より選ばれる1種の金属を示し、1.5≦d≦2.5、0.5≦e≦1.5、0.25≦f≦1.75、0.25≦g≦1.75、1.5≦f+g≦2.5、かつ、5.5≦y≦6.5である)で表される、カリウム化合物。
  4. 請求項1~のいずれか1項に記載のカリウム化合物を含む、カリウムイオン二次電池用固体電解質。
  5. 請求項に記載のカリウムイオン二次電池用固体電解質を構成要素とする二次電池。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のカリウム化合物を含む、カリウムイオン二次電池用正極活物質。
  7. 請求項に記載の正極活物質を構成要素とする二次電池。
  8. 請求項に記載のカリウムイオン二次電池用固体電解質及び請求項に記載の正極活物質を構成要素とする二次電池。
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