JP2016039027A - リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池およびリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池およびリチウム二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα)xM1−yNy(PO4)z(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
このようなリチウム電池の分野において、従来から、電極活物質に用いられる材料に着目し、リチウム電池の性能向上を図る試みがなされている。例えば、特許文献1には、リチウム電池の正極活物質として、空間群Pnmaに属する結晶構造を有するオリビン型のLiFePOを用いることが開示されている。また、特許文献2には、リチウム電池の正極活物質または負極活物質として、空間群P2/nに属する結晶構造を有するナシコン型のLi(POを用いることが開示されている。
特開平9−171827号公報 特表2001−500665号公報
ところで、特許文献1、2に開示されている上述した材料は、高い安全性を有する材料として期待されているが、理論容量が200mAh/g以下であるため、充放電容量の向上には限りがある。
本発明は、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本発明者が鋭意研究を重ねたところ、理論容量が高く、正極活物質として機能する物質として、空間群C12/c1に属する結晶構造を有する新規なリチウム二次電池用正極活物質を発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明においては、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質を提供する。
本発明によれば、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、所定の組成式で表わされることにより、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。
また、本発明においては、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質を提供する。
本発明によれば、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、所定の組成式で表わされることにより、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。
本発明によれば、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有し、上記正極活物質層が、上述のリチウム二次電池用正極活物質を含有することを特徴とするリチウム二次電池を提供する。
本発明によれば、正極活物質層が、上述のリチウム二次電池用正極活物質を含有することにより、理論容量が高いリチウム二次電池とすることができる。
本発明によれば、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、上記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
本発明によれば、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、上記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換し、所定のリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有することにより、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得ることができる。
本発明においては、上記Na型前駆体準備工程において、N元素(NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)をさらに有する上記Na型前駆体を準備することが好ましい。理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得ることができる。
本発明においては、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を提供できるという効果を奏する。
本発明のリチウム二次電池の一例を示す概略断面図である。 本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法の一例を示す概略工程図である。 実施例1〜4および比較例のリチウム二次電池用正極活物質のXRD測定結果を示すグラフである。 実施例1〜4および比較例のリチウム二次電池用正極活物質の充放電カーブを示すグラフである。
以下、本発明のリチウム二次電池用正極活物質、リチウム二次電池およびリチウム二次電池用正極活物質の製造方法について、詳細に説明する。
A.リチウム二次電池用正極活物質
まず、本発明のリチウム二次電池用正極活物質について、第一態様および第二態様に分けて説明する。
1.第一態様
本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とする。
本態様によれば、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることにより、従来のオリビン型やナシコン型の正極活物質に比べて、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。例えば、本発明のリチウム二次電池用正極活物質がLiV(POである場合には、200mAh/gを超える高い理論容量が得られる。したがって、本発明においては、正極活物質として充放電容量のさらなる向上が期待できる。本発明において、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができる理由としては、次のようなことが考えられる。すなわち、本発明のリチウム二次電池用正極活物質は、可逆的に出し入れできるLiに対して、遷移金属およびリン酸構造の質量または体積が小さく、全体の容量が大きいため、高い理論容量が得られると考えられる。
以下、本態様のリチウム二次電池用正極活物質について説明する。
まず、本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、空間群C12/c1に属する結晶構造を有する。空間群C12/c1に属する結晶構造は、XRD測定および中性子線回折測定等により同定することができる。具体的に、空間群C12/c1に属する結晶構造は、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有する。中でも、2θ=12.5±1°、23.5±1°、32.5±1°、34.0±1°、48.5±1°および58.0±1°にピークを有することが好ましい。
リチウム二次電池用正極活物質に含まれる全結晶構造に対する上記結晶構造の割合、すなわち(空間群C12/c1に属する結晶構造)/全結晶構造は、90mol%以上であることが好ましく、中でも95mol%以上であることが好ましく、特に98mol%以上であることが好ましい。
また、本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされる。
まず、本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、(Na1−αLiα1−y(POにおけるαは、0.5≦αの範囲内であり、0.7≦αの範囲内であることが好ましく、中でも0.9≦αの範囲内であることが好ましい。また、αは、α≦1の範囲内である。特にα=1であることが好ましい。αが0.5≦αの範囲内であることにより、リチウム二次電池用の正極活物質として有用となり、また、αがより1に近いことにより、リチウム二次電池用正極活物質としての機能を十分に発揮するとともに、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができるからである。
本態様においては、(Na1−αLiα1−y(POにおけるxは、2.5≦x≦3.5の範囲内であれば特に限定されない。中でも、2.7≦xの範囲内であることが好ましい。また、xは、x≦3.3の範囲内であることが好ましい。特にx=3であることが好ましい。より理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができるからである。
また、(Na1−αLiα1−y(POにおけるMは、VおよびFeの少なくとも一つであれば良く、特に限定されない。Vは、3価から5価への2価変化を利用することができるからである。なお、Feのイオン半径はVのイオン半径に近く、3価で用いられるため、Vと同等の効果が期待できる。
さらに、(Na1−αLiα1−y(POにおけるNは、Co、NiおよびMnの少なくとも一つであれば良く、特に限定されない。中でも、NがNiおよびCoの少なくとも一つであることが好ましい。
さらにまた、(Na1−αLiα1−y(POにおけるyは、選択されるNに応じて適宜調整されるものであり、0≦yであれば特に限定されない。また、yは、y≦0.5の範囲内であれば特に限定されない。例えば、yは、y=0であっても良く、0<yであっても良い。
また、(Na1−αLiα1−y(POにおけるzは、1.5≦z≦2.5の範囲内であれば良く、特に限定されない。中でも、1.7≦zの範囲内であることが好ましい。また、zは、z≦2.3の範囲内であることが好ましい。特にz=2であることが好ましい。より理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができるからである。
2.第二態様
本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とする。
本態様によれば、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることにより、従来のオリビン型やナシコン型の正極活物質に比べて、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質とすることができる。そのため、正極活物質として充放電容量の向上に期待することができる。具体的な理由については、上述した「1.第一態様」の項に記載した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以下、本態様のリチウム二次電池用正極活物質について説明する。
まず、本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有する。中でも、2θ=12.5±1°、23.5±1°、32.5±1°、34.0±1°、48.5±1°および58.0±1°にピークを有することが好ましい。具体的に、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有するリチウム二次電池用正極活物質は、通常、空間群C12/c1に属する結晶構造を有する。
また、本態様のリチウム二次電池用正極活物質は、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされる。具体的には、上述した「1.第一態様」の項に記載した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
B.リチウム二次電池
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。本発明のリチウム二次電池は、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有し、上記正極活物質層が、上述した第一態様または第二態様のリチウム二次電池用正極活物質を含有することを特徴とする。以下、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明のリチウム二次電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるリチウム二次電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6と、を有する。本発明におけるリチウム二次電池10は、正極活物質1が、上述したリチウム二次電池用正極活物質を含有する。
本発明によれば、正極活物質層が上述した第一態様または第二態様のリチウム二次電池用正極活物質を含有することにより、理論容量が高いリチウム二次電池とすることができる。また、本願のリチウム二次電池は、可逆的な充放電が可能となる。
以下、本発明のリチウム電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくともリチウム二次電池用正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
正極活物質層におけるリチウム二次電池用正極活物質の含有量としては、本発明の効果が得られる程度であれば特に限定されない。例えば、10重量%〜99重量%の範囲内であることが好ましく、中でも、20重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。なお、リチウム二次電池用正極活物質については、上記「A.リチウム二次電池用正極活物質」に記載した通りである。
また、正極活物質層は、電解質材料を含有することが好ましい。正極活物質層中のLiイオン伝導性を向上させることができるからである。なお、正極活物質層に含有させる電解質材料については、後述する「3.電解質層」に記載する電解質材料と同様である。
本発明における正極活物質層は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、正極活物質層の導電性を向上させることができる。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の炭素材料、および、金属材料を挙げることができる。また、正極活物質層は、さらに結着材を含有していても良い。結着材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。また、正極活物質層の厚さは、目的とするリチウム電池の構成によって異なるものであるが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
負極活物質としては、例えば、金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、Li合金、In、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等の黒鉛、ハードカーボンおよびソフトカーボン等の非晶質炭素等を挙げることができる。なお、負極活物質として、SiC等を用いることもできる。
負極活物質層は、電解質材料を含有することが好ましい。負極活物質層中のLiイオン伝導性を向上させることができるからである。なお、負極活物質層に含有させる電解質材料については、後述する「3.電解質層」に記載する電解質材料と同様である。
なお、負極活物質層に用いられる導電化材および結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。また、負極活物質層の厚さは、目的とするリチウム電池の構成によって異なるものであるが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
本発明における電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層であり、少なくとも電解質材料を含有する層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質および負極活物質の間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液の種類は、電池の種類に応じて異なるものであるが、例えばリチウム電池の非水電解液は、通常、リチウム塩および非水溶媒を含有する。リチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClOおよびLiAsF等の無機リチウム塩;およびLiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等の有機リチウム塩等を挙げることができる。なお、リチウム塩はフッ素を含むことが好ましい。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの混合物等を挙げることができる。非水電解液におけるリチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内である。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
固体電解質材料としては、Liイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料等を挙げることができる。
硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)等を挙げることができる。なお、上記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
一方、酸化物固体電解質材料としては、例えば、NASICON型酸化物、ガーネット型酸化物、ペロブスカイト型酸化物等を挙げることができる。NASICON型酸化物としては、例えば、Li、Al、Ti、PおよびOを含有する酸化物(例えばLi1.5Al0.5Ti1.5(PO)、Li、Al、Ge、PおよびOを含有する酸化物(例えばLi1.5Al0.5Ge1.5(PO)を挙げることができる。ガーネット型酸化物としては、例えば、Li、La、ZrおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaZr12)を挙げることができる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、Li、La、TiおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaTiO)を挙げることができる。
電解質層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、0.1μm〜300μmの範囲内であることがより好ましい。
4.その他の構成
本発明のリチウム二次電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的なリチウム二次電池の電池ケースを用いることができる。
5.リチウム二次電池
本発明のリチウム二次電池は、例えば、車載用電池として有用である。本発明のリチウム二次電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
C.リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
次に、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法について説明する。本発明は、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、上記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、上記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有する。これにより、理論容量が高いリチウム二次電池用正極活物質を得ることができる。具体的な理由については、上述の「A.リチウム二次電池用正極活物質 1.第一態様」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の一例を示す工程図である。本発明は、図2の工程Iに示すように、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程を有する。次に、図2の工程IIに示すように、Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、所望のリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程を有する。
以下、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法について説明する。
1.Na型前駆体準備工程
本発明におけるNa型前駆体準備工程は、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備する工程である。
Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体は、Na源、M源(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO源を用いて得られる。
本工程で用いられるNa源としては、所望のNa型前駆体を得ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、Na塩が挙げられる。Na塩としては、具体的には、NaCO、NaCl、NaBr、NaI、NaF、NaSO、NaNOおよびNaOH等が挙げられる。中でもNaCOを用いることが好ましい。
本工程で用いられるM源(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)としては、所望のNa型前駆体を得ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、V源およびFe源の少なくとも一方であることが好ましく、特にV源であることが好ましい。V源としては、例えば、リン酸塩が挙げられる。リン酸塩としては、具体的には、リン酸バナジウムが挙げられる。また、Fe源としては、例えば、Feを含む酸化物が挙げられ、具体的には、Feが挙げられる。
本工程で用いられるPO源としては、所望のNa型前駆体を得ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、リン酸塩が挙げられる。リン酸塩としては、具体的には、NHPO、(NHHPOおよび(NHPO等が挙げられる。中でも、NHPOを用いることが好ましい。
Na型前駆体は、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造の他に、N元素(NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)を有していても良い。この場合、Na型前駆体は、Na源、M源(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)、PO源およびN源(NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)を用いて得られる。N源としては、所望のNa型前駆体を得ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、Co源、Ni源およびMn源の少なくとも一つであることが好ましい。Co源としては、例えば、Coを含む酸化物が挙げられ、具体的には、Coが挙げられる。また、Ni源としては、例えば、Niを含む酸化物が挙げられ、具体的には、NiOが挙げられる。さらに、Mn源としては、例えば、Mnを含む酸化物が挙げられ、具体的には、Mnが挙げられる。
Na型前駆体の合成方法としては、所望のNa型前駆体を得ることができるものであれば特に限定されない。例えば、上述したNa源、M源およびPO源を混合し、得られた混合物を焼成することにより合成することができる。上記混合物を焼成する焼成工程は、不活性ガス雰囲気中で行われることが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等の希ガスや窒素ガスが挙げられる。
また、焼成工程において、Na源、M源およびPO源を混合した混合物を焼成する焼成温度としては、600℃以上であることが好ましく、中でも、700℃以上であることが好ましく、特に、800℃以上であることが好ましい。焼成温度が上記範囲よりも低すぎる場合には、十分に結晶化することができず、所望のNa型前駆体が得られないおそれがある。一方、混合物を焼成する焼成温度としては、1000℃以下であることが好ましく、中でも、950℃以下であることが好ましく、特に、900℃以下であることが好ましい。焼成温度が上記範囲よりも高すぎる場合には、結晶構造が壊れてしまい所望のNa型前駆体が得られないおそれがある。
本工程で得られるNa型前駆体は、通常、空間群C12/c1に属する結晶構造を有する。また、Na型前駆体は、通常、Na1−y(PO(2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされる。中でも、Na型前駆体が、N元素(NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)をさらに有することが好ましい。所望のNa型前駆体を得ることにより、後述するイオン交換工程において理論容量の高いリチウム二次電池用正極活物質を得ることができる。
2.イオン交換工程
本発明におけるイオン交換工程は、Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得る工程である。
本工程は、リチウム二次電池用正極活物質の前駆体であるNa型前駆体のNaイオンを、Liイオンにイオン交換し、所望のリチウム二次電池用正極活物質を得ることができれば特に限定されない。例えば、Na型前駆体準備工程により得られたNa型前駆体を、Li塩水溶液に浸してイオン交換し、所望のリチウム二次電池用正極活物質を得る方法が挙げられる。このとき用いられるLi塩水溶液としては、Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することが可能な溶液であれば特に限定されない。例えば、LiOH水溶液、LiCl水溶液およびLiSO水溶液等が挙げられる。
上記イオン交換方法は、所望のリチウム二次電池用正極活物質を得ることができれば特に限定されない。例えば、Li塩水溶液に浸し、所定の条件下で還流することによりイオン交換する方法が好ましい。
3.その他の工程
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法は、上述したNa型前駆体準備工程およびイオン交換工程以外にも必要な工程を適宜選択して追加することができる。
4.リチウム二次電池用正極活物質
本発明により得られるリチウム二次電池用正極活物質は、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされる。本発明により得られるリチウム二次電池用正極活物質は、理論容量が高いという効果を有する。なお、具体的には、上述の「A.リチウム二次電池用正極活物質 1.第一態様」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、上述の「A.リチウム二次電池用正極活物質 2.第二態様」の項に記載したリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することもできる。すなわち、Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、上記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法を提供することもできる。理論容量が高いという効果を有する。なお、Na型前駆体準備工程およびイオン交換工程については、上述した「1.Na型前駆体準備工程」および「2.イオン交換工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。また、ここで得られるリチウム二次電池用正極活物質については、上述した「A.リチウム二次電池用正極活物質 2.第二態様」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(リチウム二次電池用正極活物質の作製)
・Na型前駆体準備工程
NaCO、VPO、NHPOを準備し、NaCO:VPO:NHPO=1.5:1:1(モル比)の割合で混合して混合物を得た。なお、上記モル比は、LiV(POを得るための化学量論比に該当する。次に、得られた混合物を、Ar雰囲気、850℃、100時間の条件で焼成した。その後、混合物と炭素とを混合物:炭素=1:0.25(wt%)の割合で混合し、カーボンコートした。
・イオン交換工程
上記Na型前駆体準備工程で得られたNa型前駆体を、LiOH水溶液(5M)に浸して、80℃で還流しながら3日間イオン交換した。
このようにして、リチウム二次電池用正極活物質を作製した。得られたリチウム二次電池用正極活物質については、表1に示した。
(作用電極の作製)
得られたリチウム二次電池用正極活物質、導電化材およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、N−メチルピロリドン中で混合してスラリーを作製した。リチウム二次電池用正極活物質と導電化材とPVDFとの混合比(重量比(wt%))は、リチウム二次電池用正極活物質:導電化材:PVDF=64:30:6とした。次に、得られたスラリーを、Al箔(日本製箔、厚み15μm)の表面に塗布した。その後、電極密度が1.2mg/cmになるようにプレスすることで、Al箔と正極活物質層とを圧着して作用電極を作製した。最後に、得られた作用電極を円形(φ16mm)に打ち抜いて円柱状とした。
(評価電池の作製)
得られた作用電極を負極とし、対極をLi金属とした。また、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)を、EC:DEC=1:1(体積%)の割合で混合し、さらに1MのNaPFを混合して電解液とした。上述した負極、対極、電解液およびセパレータ(PE)から構成されたコイン型(2032型)の評価電池を作製した。
[実施例2]
NaCO、VPO、NHPO、Coを準備し、NaCO:VPO:NHPO:Co=1.5:0.9:1.1:0.03(モル比)の割合で混合して混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして評価電池を作製した。得られたリチウム二次電池用正極活物質については、表1に示した。なお、上記モル比は、Li0.9Co0.1(POを得るための化学量論比に該当する。
[実施例3]
NaCO、VPO、NHPO、NiOを準備し、NaCO:VPO:NHPO:NiO=1.5:0.9:1.1:0.1(モル比)の割合で混合して混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして評価電池を作製した。得られたリチウム二次電池用正極活物質については、表1に示した。なお、上記モル比は、Li0.9Ni0.1(POを得るための化学量論比に該当する。
[実施例4]
NaCO、VPO、NHPO、Feを準備し、NaCO:VPO:NHPO:Fe=1.5:0.9:1.1:0.05(モル比)の割合で混合して混合物を得たこと以外は実施例1と同様にして評価電池を作製した。得られたリチウム二次電池用正極活物質については、表1に示した。なお、上記モル比は、Li0.9Fe0.1(POを得るための化学量論比に該当する。
[比較例]
LiCO、VPO、NHPOを準備し、LiCO:VPO:NHPO=1.5:1:1(モル比)の割合で混合して混合物を得たこと、イオン交換工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして評価電池を作製した。なお、上記モル比は、LiV(POを得るための化学量論比に該当するが、当該組成を有するリチウム二次電池用正極活物質は得られなかったと推測される。
[評価1]
(XRD測定)
実施例1〜4および比較例で得られたリチウム二次電池用正極活物質に対して、XRD測定を行った。その結果を、図3(a)〜(e)に示す。図3(a)〜(d)に示された実施例1〜4のXRDチャート(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°に空間群C12/c1に属する結晶構造のピークが確認された。一方、図3(e)に示された比較例のXRDチャートにおいては、空間群C12/c1に属する結晶構造のピークは確認されなかった。
[評価2]
(充放電容量の評価)
実施例1〜4および比較例で得られた評価電池を、4.7Vまで0.1Cで充電し、その後、2.2Vまで放電する操作を行い、このときの充電容量および放電容量を測定した。その結果を、表1および図4に示す。
Figure 2016039027
表1および図4(a)〜(d)に示すように、XRD測定結果から空間群C12/c1構造を有することが明らかとなった実施例1〜4のリチウム二次電池用正極活物質を用いた場合、充電容量および放電容量のいずれもが高い値となり、正極活物質として機能することが明らかとなった。また、図4(a)〜(d)に示すように、実施例1〜4のリチウム二次電池用正極活物質を用いた場合、3.5V付近にプラトーが現れた。一方、表1および図4(e)に示すように、空間群C12/c1構造を有しない比較例のリチウム二次電池用正極活物質を用いた場合には、放電容量が極めて低く、正極活物質として機能することが困難であることが分かった。このように、空間群C12/c1構造の有無が、可逆的な充放電に寄与していることが分かった。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … リチウム二次電池

Claims (5)

  1. 空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、
    (Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
  2. XRD測定(CuKα線)において、2θ=12.5±2°、23.5±2°、32.5±2°、34.0±2°、48.5±2°および58.0±2°にピークを有し、
    (Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされることを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質。
  3. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有し、
    前記正極活物質層が、請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池用正極活物質を含有することを特徴とするリチウム二次電池。
  4. Na元素、M元素(Mは、VおよびFeの少なくとも一つである。)およびPO構造を有するNa型前駆体を準備するNa型前駆体準備工程と、
    前記Na型前駆体のNaイオンをLiイオンにイオン交換することにより、空間群C12/c1に属する結晶構造を有し、(Na1−αLiα1−y(PO(0.5≦α≦1、2.5≦x≦3.5、0≦y≦0.5、1.5≦z≦2.5、MはVおよびFeの少なくとも一つであり、NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)で表わされるリチウム二次電池用正極活物質を得るイオン交換工程とを有することを特徴とするリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記Na型前駆体準備工程において、N元素(NはCo、NiおよびMnの少なくとも一つである。)をさらに有する前記Na型前駆体を準備することを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
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