以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面から見たときの上下左右方向を基準として説明する。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた変動表示、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uが配置されている。第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uでは、各特別図柄に対応した変動表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、各特別図柄に対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。第1保留記憶数表示エリア5Dにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示であり、第2保留記憶数表示エリア5Uにおける保留記憶表示は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示である。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶数表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示(第2保留記憶数表示エリア5Uに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と、の表示態様は、例えば、ともに丸型の白色表示等の同一態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5D及び第2保留記憶数表示エリア5Uとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態(図1中実線位置参照)と傾動位置(図1中点線位置参照)となる拡大開放状態とに変化する可動翼片を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右側方には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bが一体化された特別可変入賞球ユニット7が設けられている。
ここで、図5〜図7に基づいて、特別可変入賞球ユニット7の構成について説明する。図5は、特別可変入賞球ユニットを前から見た状態を示す分解斜視図である。図6は、特別可変入賞球ユニットを後ろから見た状態を示す分解斜視図である。図7は、特別可変入賞球ユニット内に形成された遊技球流路の構造を示す正面図である。
図5〜図7に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、遊技盤2における遊技領域10の右下方位置に取り付けられる基体601と、該基体601の前方を被覆するカバー体602とから構成され、基体601には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bを構成する各部位が一体的に設けられる。カバー体602は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されており、カバー体602の前側から、後述する遊技球流路650A、遊技球流路650B、遊技球流路750内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
尚、本実施例では、カバー体602は透光性を有する合成樹脂材にて構成されることで遊技球流路650A、遊技球流路650B、遊技球流路750内を流下する遊技球を視認できるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、非透光性の合成樹脂材からなるカバー体602に遊技球が通過不能な孔部(窓部)等を設けて流下する遊技球を視認可能としてもよいし、流下する遊技球を視認できないようにしてもよい。
第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、その第1大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口702を形成する。第1大入賞口702は、特別可変入賞球ユニット7の左部において、上向きに開放するように形成されている。第1大入賞口扉701は、基体601の背面側に設けられるソレノイド82の駆動によって第1大入賞口702を閉鎖する閉鎖位置(図9中実線位置参照)と、第1大入賞口702を開放する開放位置(図9中2点鎖線位置参照)と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を開放状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し易くする。その一方で、第1大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口702は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口702を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、基体601に形成された貫通孔605を介して基体601の背面側に誘導されるとともに基体601に形成された貫通孔605の背面に設けられた第1カウントスイッチ23を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23を通過した遊技球は、後述する遊技球流路650Bにより第5カウントスイッチ24Dまたは第6カウントスイッチ24Eに誘導される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が開放状態となれば、その第1大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702が閉鎖状態となれば、第1大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第1大入賞口702に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により普通可変入賞球装置6Bに誘導され、普通可変入賞球装置6Bが拡大開放状態であれば第2始動入賞口に入賞するようになっている。
第2特別可変入賞球装置7Bは、第1特別可変入賞球装置7Aよりも上方に向けて突出して形成されており、基体601の背面側に設けられるソレノイド83(図2参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉711を備え、その第2大入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712を形成する。第2大入賞口712は、第2特別可変入賞球装置7Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉711は、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口712を閉鎖する閉鎖位置と、第2大入賞口712を開放する開放位置と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口712は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口712を通過(進入)する遊技球は、図7に示す第2大入賞口712内に設置された第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24A内によって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が開放状態となれば、その第2大入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図6に示すように、カバー体602の背面には、背面側に向けて突出する壁体603が形成されており、カバー体602が基体601に対し離間して取り付けられることで、該壁体603とカバー体602と基体601とで、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口702を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路650Aと、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路750と、が形成される。尚、特別可変入賞球ユニット7の詳細については後述する。
図1に戻って、遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、通過ゲート41は、特別可変入賞球ユニット7における第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7B間に設置されている。尚、通過ゲート41内にはゲートスイッチ21が内蔵されている。
遊技盤2の表面(遊技盤面)には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び第1大入賞口702、第2大入賞口712とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに、遊技領域10周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
この実施例では、遊技領域10は、該遊技領域10の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
また、本実施例では、普通可変入賞球装置6Bにより第2始動入賞口が形成されることで、通常状態において遊技球は第2始動入賞口に入賞し難くなっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技領域10を流下する遊技球が流入可能な流入口を有し、該流入口から流入した遊技球を第1始動入賞口または第2始動入賞口に振り分け可能な振分部材を設け、通常状態において遊技球が第2始動入賞口に入賞しやすくしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」、「9」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」、「4」、「6」、「8」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、第1特別図柄表示装置4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口702の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口702に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701または第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第1大入賞口扉701または第2大入賞口扉711が所定の上限時間(例えば3秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第1大入賞口702に入賞した遊技球が第1特別可変入賞球装置7A内に設けられた第5カウントスイッチ24Dを通過する、または第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第5カウントスイッチ24Dまたは第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第5カウントスイッチ24Dまたは第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第1大入賞口702に入賞した遊技球が第1特別可変入賞球装置7A内に設けられた第6カウントスイッチ24Eを通過した場合及び第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球が第6カウントスイッチ24Eまたは第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。
また、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。
尚、本実施例では、遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aが第1状態に制御され、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御されると、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に制御されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合及び遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合のいずれにおいても、第1特別可変入賞球装置7Aまたは第2特別可変入賞球装置7Bのいずれかが第1状態に制御されるようにしてもよいし、遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合に第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態に制御され、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合に第1特別可変入賞球装置7Aが第1状態に制御されるようにしてもよい。
また、第1状態と第2状態に変化可能であり、特定領域としての第5カウントスイッチ24Dや第3カウントスイッチ24Bが設けられていない第3特別可変入賞球装置を、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bとは別個に遊技領域10に設け、遊技球が第5カウントスイッチ24Dまたは第3カウントスイッチ24Bを通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合に、前記第3特別可変入賞球装置が第1状態に制御されるようにしてもよい。
また、本実施例では、特定領域が設けられた特別可変入賞球装置として、第1特別可変入賞球装置7Aと第2特別可変入賞球装置7Bとが設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bのうちいずれか一方のみが設けられていてもよい。また、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bのいずれかを特定領域を有しない特別可変入賞球装置とし、遊技球が一方の特別可変入賞球装置の特定領域を通過したことに基づいて大当り遊技状態に制御された場合に、他方の特別可変入賞球装置が第1状態に制御されるようにしてもよい。
第2大入賞口712の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「5」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第2大入賞口712に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
尚、本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、100回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態と、時短制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、100回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、小当り遊技状態において遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜84に伝送する出力回路111などが搭載されている。
尚、出力回路111は、ソレノイド85を駆動させるためのコントローラ90にも接続されている。コントローラ90は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から起動信号を受信することでソレノイド85の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ90がソレノイド85を駆動することにより、後述する第2規制部材721は、遊技状態にかかわらず規制状態と許容状態とに1秒間毎に繰り返し変化する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出ユニット等の演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターン毎に、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
こうした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から演出表示装置5や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた演出表示装置5では、例えば指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。尚、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
図3は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図3に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値ランダムR(図示略)の他、当り種別判定用の乱数値ランダム1、変動パターン種別判定用の乱数値ランダム2、変動パターン判定用の乱数値ランダム3、普図表示結果判定用の乱数値ランダム4、ランダム4の初期値決定用の乱数値ランダム5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数ランダム1〜ランダム5は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図4などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図4(A)に示す当り判定テーブル130a、図4(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、図4(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131b、図4(D)に示す小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cの他、大当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)や小当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、ハズレ用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、当り変動パターン判定テーブル(図示略)、ハズレ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。
図4(A)は、当り判定テーブル130aを示す説明図である。当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される当り判定値が設定されているテーブルである。当り判定テーブルは、特別図柄ポインタが第1である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、特別図柄ポインタが第2である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。図4(A)に記載されている数値が当り判定値である。
図4(A)に示すように、特別図柄ポインタが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、特別図柄ポインタが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、特別図柄ポインタが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、これら大当りに対応する判定値以外の判定値が全て小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、ハズレがなく、大当り以外は全て小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、所定の時期に、乱数回路104のカウンタ値を抽出して抽出値を当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図4(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(第1大当り〜第4大当り)にすることに決定する。また、当り判定用乱数(ランダムR)が図4(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(第1小当り〜第6小当り)にすることに決定する。尚、図4(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、本実施例では、CPU103は、図4(A)に示す当り判定テーブル130aを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、特別図柄ポインタによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、特別図柄ポインタが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本実施例では、特別図柄ポインタが第1である場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっていたが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、小当りが当選するようにしてもよい。
図4(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを示す説明図である。このうち、図4(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図4(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を第1大当り〜第4大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図4(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第4大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りのうちいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第4大当りのみとなる。
大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り〜第3大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、ラウンド数(15R、5R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。一方、大当り種別判定テーブル131bには、第4大当りのみについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、ラウンド数(15R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を時短状態とすることを示すデータが設定されている。
具体的には、第1大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当りが5ラウンド大当りに設定され、第2大当りと第4大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第2大当り及び第4大当りが15ラウンド大当りに設定され、第3大当りに対応するラウンド数データに15ラウンド(実質0ラウンド)が設定される。但し、第3大当りは、第1大入賞口702が高速で開放する短期開放大当りであるため、実際は出球を期待できない15ラウンド(実質0ラウンド)大当りとされている。よって、第2大当りまたは第4大当りとなることで、遊技者は、第1大当りまたは第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。
また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第1大当り及び第2大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御され、第3大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第1〜第3大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。
尚、大当り種別判定テーブル131aでは、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の全判定値(0〜299)のうち、0〜149までが第1大当りに割り当てられ、150〜224までが第2大当りに割り当てられ、225〜299までが第3大当りに割り当てられている。つまり、本実施例の第1特図の変動表示において大当りとなる場合、約50%の割合で5ラウンドの第1大当り遊技が実行される一方で、約25%の割合で5ラウンドまたは15ラウンド(実質0ラウンド)の第2大当りまたは第3大当り遊技が実行されることとなる上、通常状態で大当りになる場合は約75%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御され、25%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される一方、時短状態で大当りとなる場合は100%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。
さらに、大当り種別判定テーブル131bでは、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の全判定値(0〜299)が第4大当りに割り当てられているため、100%の割合で15ラウンドの大当り遊技が実行され、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかに関わらず、100%の割合で大当り遊技終了後の遊技状態が時短状態に制御される。尚、本実施例では、第2特別図柄の変動表示において大当りとすることが決定された場合、大当り種別として15ラウンド大当りである第4大当りのみが決定されるようになっているが、5ラウンド大当りや15ラウンド(実質0ラウンド)大当り等の他の大当り種別のうちからいずれかが決定されるようにしてもよい。尚、これら第1大当り〜第4大当りでは、第1大入賞口702が開放される。
尚、時短状態は、前述したように所定回数(100回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了する。
また、本実施例では、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りの種別に、第1大入賞口702が高速で開放することで実際は出球を期待できない15ラウンド(実質0ラウンド)大当り遊技状態に制御する第3大当りが含まれていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3大当りを含まないようにしてもよく、このようにすることで、遊技者の遊技意欲の喪失を抑制することができる。また、第3大当りを、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りの種別に含まれるようにしてもよい。この場合、時短状態など右打ちで遊技を行う場合には、第1始動入賞口に遊技球が入賞することはほとんどなく、第2特別図柄の変動表示が行われることはほぼないため、第3大当りを設定しながらも第3大当りの発生を抑制することができる。また、この場合、時短制御が実行される変動回数が回復したように見せることができる。
図4(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、小当りの種別を第1小当り〜第6小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131cには、第1小当り〜第6小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過することにより発生する大当り(V入賞大当り:第5大当り〜第10大当り)のラウンド数データ、対象大入賞口(第1大入賞口702、第2大入賞口712)データ、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過することにより発生した大当り(V入賞大当り:第5大当り〜第10大当り)の大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。
具体的には、第1小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第5大当りが設定され、第2小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第6大当りが設定され、第3小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第7大当りが設定されている。これら第1小当り〜第3小当り、第5大当り〜第7大当りでは、第2大入賞口712が開放される。
また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第5大当り及び第6大当りの大当り遊技状態の終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定され、第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第5〜第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。
第4小当り時に遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第8大当りが設定され、第5小当り時に遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過することに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第9大当りが設定され、第6小当り時に遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第10大当りが設定されている。これら第4小当り〜第6小当り、第8大当り〜第10大当りでは、第1大入賞口702が開放される。
また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第8大当り及び第9大当りの大当り遊技状態の終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定され、第10大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第8〜第10大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。
尚、小当り種別判定テーブル131cでは、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の全判定値(0〜299)のうち、0〜12までが第1小当りに割り当てられ、13〜74までが第2小当りに割り当てられ、75〜149までが第3小当りに割り当てられ、150〜162までが第4小当りに割り当てられ、163〜224までが第5小当りに割り当てられ、225〜299までが第6小当りに割り当てられている。つまり、本実施例の第2特図の変動表示において小当りとなる場合は、遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過することで、約10%の割合で5ラウンド(実質4ラウンド)の第5大当り遊技または第8大当り遊技が実行され、約40%の割合で15ラウンド(実質14ラウンド)の第6大当り遊技または第9大当り遊技が実行され、約50%の割合で15ラウンド(実質0ラウンド)の第7大当りまたは第10大当り遊技が実行されることとなる上、通常状態で大当りになった場合は約50%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される一方、時短状態で大当りになった場合は100%の割合で大当り遊技後の遊技状態が時短状態に制御される。
このように第2特図の変動表示では、変動表示結果が大当りとなることで第4大当りの大当り遊技が実行されることに加え、変動表示結果が小当りとなり、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過することにより第5大当り〜第10大当りの大当り遊技が実行されるので、第1特図の変動表示にて大当りとなるよりも大当りになる確率が高いため、第1特図の変動表示よりも遊技者とって有利である。
また、第2特図の変動表示結果が大当りとなること及び遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過することによる大当り遊技終了後は、第1特図の変動表示結果が大当りとなることによる大当り遊技終了後よりも高い割合で時短状態に制御され、当該時短状態で再び大当りとなる可能性が高くなるため、大当りが連続して発生することを期待できる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過したときに、該小当り遊技状態における小当り種別(第1〜6小当り)に応じて大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態が決定されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態の契機となった小当り表示結果の種別(小当り種別)に関わらず、遊技球が第3カウントスイッチ24Bまたは第5カウントスイッチ24Dを通過したときに、大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態または時短状態のいずれとするかの抽選等を実行することにより、大当り種別及び大当り遊技終了後の遊技状態を決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、第3小当りの発生に基づく小当り遊技状態にて遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことにより発生する第7大当りの終了後、及び第6小当りの発生に基づく小当り遊技状態にて遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過したことにより発生する第10大当りの終了後は、通常状態に制御されるようになっているが、小当りを契機として発生した大当りの終了後は全て時短状態に制御されるようにしてもよい。また、第3大当り以外の出球を期待できる第1,2,4〜10大当りのうちいずれかを、大当り遊技状態後に時短状態に制御ならない大当りとしてもよい。
次に、特別可変入賞球ユニット7の詳細について、図7〜図15に基づいて説明する。図7は、特別可変入賞球ユニット内に形成された遊技球流路の構造を示す正面図である。図8は、図7のA−A断面図である。図9は、図7のB−B断面図である。図10は、(A)(B)は流路形成部材を示す斜視図である。図11は、(A)は規制部材及び流路形成部材を斜め前から見た状態示す斜視図、(B)は規制部材及び流路形成部材を斜め後から見た状態示す斜視図である。図12は、(A)は規制部材が第1状態であるときの遊技球の流下状況を示す断面図、(B)は(A)のD−D断面図、(C)は(A)のE−E断面図である。図13は、(A)は規制部材が第2状態であるときの遊技球の流下状況を示す断面図、(B)は(A)のF−F断面図、(C)は(A)のG−G断面図である。図14は、(A)は規制部材が第1状態から第2状態へ変化するときの遊技球の流下状況を示す断面図、(B)は(A)のH−H断面図、(C)は(A)のI−I断面図である。図15は、第2特別可変入賞球装置の内部構造を示す断面図である。
まず、第1特別可変入賞球装置7Aについて説明すると、図7〜図9に示すように、基体601の前面左下には、上向きに開放する平面視略横長長方形状の第1大入賞口702が形成されており、該第1大入賞口702は、第1大入賞口扉701によって開閉可能とされている。第1大入賞口702に進入した遊技球は、壁体603により形成された遊技球流路650Aにより貫通孔605へ誘導された後、該貫通孔605を介して基体601の背面側に設けられた遊技球流路650Bを流下して、第5カウントスイッチ24Dまたは第6カウントスイッチ24Eのいずれかに誘導される。
遊技球流路650Bは、図8に示すように、第1カウントスイッチ23から右方に向けて延設された後、後側に屈曲して第5カウントスイッチ24Dへ誘導する主経路660(図8中実線に沿う領域)と、該主経路660の途中から後側に分岐する分岐路661(図8中2点鎖線に沿う領域)と、を有する。また、主経路660と分岐路661との間には、規制部材630が配設されており、主経路660における規制部材630の上流側に分岐部662が設けられる。つまり、主経路660を流下する遊技球は、分岐部662から分岐路661側に流下可能とされている。
図10に示すように、遊技球流路650Bは、基体601の背面に取り付けられる流路形成部材670にて構成されている。流路形成部材670は、底壁671と、該底壁671の周縁に立設される側壁672a〜672dとにより上面が開口する箱状に形成される本体670Aと、該本体670Aの上面を閉鎖する蓋体670B(図9参照)と、から構成されており、蓋体670Bにて閉鎖されることで遊技球流路650Bが構成される。左右の側壁672b,672cの間には分岐壁673が立設されている。また、側壁672aの左側は切り欠かれており、第1カウントスイッチ23を通過した遊技球が流入可能とされて入れている。
主経路660において左右方向に延設される領域の底面は、図10中矢印で示すように、右側に向けて下方に傾斜する底面671aと、後側に向けて下方に傾斜する底面671bと、右側に向けて下方に傾斜する底面671cと、を有している。また、主経路660における後側に延設される領域及び分岐路661には、互いに幅方向に離間して配置される左右一対の誘導レール671d,671eがそれぞれ後側に向けて下方に傾斜するように延設されており、遊技球の下表面を2点で支持した状態で流下させるようになっている。
また、これら誘導レール671d,671eは、側壁672b,672c、分岐壁673に対し離間して配置されているため、ゴミ等が誘導レール671d,671eの上面から落下しにくいようになっている。また、誘導レール671d,671eの後端には略円形の排出口674a,674bが形成されており、底壁671の背面における排出口674aに対応する位置には第6カウントスイッチ24Eの開口が配置され、排出口674bに対応する位置には第5カウントスイッチ24Dの開口が配置されており、排出口674d,674eから落下した遊技球が第5カウントスイッチ24D、第6カウントスイッチ24Eにて検出されるようになっている。
図11に示すように、流路形成部材670の上方にはソレノイド86が配置される。ソレノイド86は、プランジャ86aを下方に向けた状態で配置されており、該プランジャ86aの下端には、規制部材630が取付けられている。尚、プランジャ86aの外周には圧縮バネ(図示略)が環装されており、ソレノイド86が無通電状態のときに本体に対しプランジャ86aが突出し、通電状態のときに本体側に退避するようになっている。
規制部材630は、プランジャ86aの先端から前方に向けて略水平に延設される板状の水平部631と、該水平部631の前端から下方に垂下される板状の垂下部632と、から構成される。垂下部632は、頂点が下方を向く正面視略逆三角形状をなし、下方に向けて先細りに形成されており、水平部631の前左端から鉛直下方に延びる規制面632aは、後側に向けて右方に傾斜する傾斜面とされているとともに、規制面632aの下端から右斜め上方に延びる傾斜端面は誘導面632bとされている。よって、規制部材630は、垂下部632が遊技球流路650Bに配置されて遊技球Pの第5カウントスイッチ24Dの通過を規制する規制位置(第2状態、図13(C)参照)と、垂下部632が遊技球流路650Bから上方に退避して遊技球Pの第5カウントスイッチ24Dの通過を許容する許容位置(第1状態、図12(C)参照)と、の間で上下方向に移動可能に設けられている。
このように構成される規制部材630は、図8に示すように、規制位置において、垂下部632が、主経路660において左右方向に延設される領域における分岐部662よりやや下流側に側壁672aに沿うように配置される。詳しくは、側壁672aに対し所定距離離間するとともに、規制面632aが分岐壁673よりもやや上流側に位置するように配置される。垂下部632と側壁672aとの離間幅L1は、遊技球Pの半径R(例えば、約5.5mm)よりも短寸とされている(例えば、L1=約2mm)。また、垂下部632と分岐壁673の前端面との離間幅L2は、遊技球Pの直径2R(例えば、約11mm)よりも僅かに長寸とされている(例えば、L2=約12mm)。
つまり、規制部材630が規制位置にあるとき、主経路660を流下する遊技球は、垂下部632と側壁672aとの間を通過することは不可能であるが、垂下部632と分岐壁673の前端面との間は通過することは可能とされている。より詳しくは、垂下部632は、側壁672aに接触しながら流下する遊技球Pの中心C(重心)が通過する軌跡に重ならない位置で、主経路660の上方の許容位置と主経路660の規制位置との間で上下方向に移動するように配設されている。
次に、遊技球流路650Bにおける遊技球Pの流下状況について、図12〜図14に基づいて説明する。
図12に示すように、規制部材630は、許容位置にあるとき、底面671bから垂下部632の下端までの距離が遊技球Pの直径2R以上となる位置にあるため(図12(C)参照)、流下する遊技球Pに接触することはない。第1カウントスイッチ23を通過して遊技球流路650Bに流入した遊技球Pは、底面671aにより右方に誘導されて流下する。そして、底面671bは左右方向に略水平であるため分岐部662付近で僅かに減速するが、大半の遊技球P(例えば、第1カウントスイッチ23を通過したうちの約95%の遊技球)はそのまま勢いにより底面671cにて右方に誘導された後、後側に進路変更される。そして、誘導レール671dにて後方に誘導され、排出口674bから落下して第5カウントスイッチ24Dにて検出された後、パチンコ遊技機1から排出される。
尚、底面671bは左右方向に略水平であるが、後側に向けて下方に傾斜しているため、誘導レール671dに向けて側壁672aから離れるように流下することもある。しかし、分岐壁673の前端は側壁672aに対し後方に離れているため、図12(A)中2点鎖線で示すように流下することもある。また、底面671b上で失速して後側に進路変更されて誘導レール671eにより分岐路661に誘導されることもある。
図13に示すように、規制部材630は、規制位置にあるとき、底面671bから垂下部632の下端までの距離が遊技球Pの直径2R未満となる位置にあるため、流下する遊技球Pに接触することになる。第1カウントスイッチ23を通過して遊技球流路650Bに流入した遊技球Pは、底面671aにより右方に誘導されて流下する。そして、底面671bは左右方向に略水平であるため分岐部662付近で僅かに減速し、規制面632aに接触する。規制面632aは右方に向けて後側に傾斜しているため、遊技球Pが後側に進路変更され、分岐路661に誘導される。そして、誘導レール671eにて後方に誘導され、排出口674aから落下して第6カウントスイッチ24Eにて検出された後、パチンコ遊技機1から排出される。
尚、底面671bは後方に向けて下側に傾斜しているため、図12(A)中2点鎖線で示すように、規制面632aに接触することなく、垂下部632と分岐壁673の前端との間を通過して主経路660に誘導される遊技球Pもあるが、大半の遊技球P(例えば、第1カウントスイッチ23を通過したうちの約99%の遊技球)は規制面632aにより主経路660側への通過が規制され、分岐路661へ誘導される。
次に、規制部材630が上方の許容位置から下方の規制位置へ移動するとき、つまり、第1状態から第2状態へ変化するときに流下する遊技球Pに接触するときの状況を説明する。
図14に示すように、底面671b上を側壁672aに沿って右方へ流下する遊技球Pが垂下部632の直下を流下するときに、該垂下部632が上方の許容位置から下方に移動して該遊技球Pに接触する場合、垂下部632は、常に、遊技球Pにおける遊技球流路650Bの幅方向の略中央位置から幅方向にずれた位置で接触する。このように、規制部材630は、図14(B)(D)に示すように、遊技球Pと接触した場合、垂下部632と遊技球Pの接点S1と、誘導通路である底面671bと遊技球Pの接点S2と、を結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通らない位置で接触する。つまり、規制部材630の垂下部632は、垂下部632と遊技球Pの接点S1と、誘導通路である底面671bと遊技球Pの接点S2と、を結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通らない位置で上下に移動可能に設けられていることで、遊技球Pの表面における接点S1を通る接線が傾き、該接線に対し垂下部632の移動方向である上下方向が略直交することがない。よって、図14(B)中2点鎖線で示す接触位置からさらに下方の規制位置まで下降するときに、遊技球Pが図12中矢印で示すように後方、つまり、遊技球流路650Bの幅方向に逃げやすくなるため、遊技球Pが垂下部632と底面671bとの間に挟まれて球噛みが発生することが抑制される。
ここで、図14(E)に示すように、例えば、垂下部632が規制位置へ移動するときに遊技球Pと接した場合、垂下部632と遊技球Pの接点S1と、誘導通路である底面671bと遊技球Pの接点S2と、を結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通る位置で、該垂下部632が上下に移動可能に設けられていると、垂下部632が下降する途中で遊技球Pの表面における中心Cの直上位置で接触することがある。この場合、遊技球Pの表面における接点S1を通る接線が略水平になり、該接線に対し垂下部632の移動方向である上下方向が略直交することになるため、遊技球Pが側方に逃げにくくなって球噛みが発生しやすくなる。よって、本実施例のように、垂下部632は接点S1と接点S2とを結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通らない位置で上下に移動可能に設けられていることが好ましい。
尚、遊技球流路650Bの流路幅寸法(遊技球Pの流下方向に対し直交する方向の寸法)は、遊技球Pの直径2Rよりも長寸とされているので、遊技球Pが流下可能な範囲を考慮して配設する、つまり、遊技球Pの中心Cが通過する軌跡に重ならない位置で変化可能に設けることが好ましい。
また、垂下部632は、該垂下部632における遊技球Pの流下方向(左右方向)の幅寸法が、下端に向けて先細りとなるように漸次短寸となるように形成されて先端が尖っていることで、遊技球Pに対し点接触するので接触面積が小さくなり、遊技球Pの表面における中心Cの直上位置で接触する確率が極めて低くなるため、遊技球Pが側方に逃げやすくなる。
さらに、図14(C)に示すように、垂下部632の下端から流下方向に向けて上側に傾斜する誘導面632bが形成されていることにより、垂下部632の下端を遊技球Pの中心Cが通過したタイミングで接触した場合、誘導面632bが遊技球Pの表面における流下方向と反対側に接触し、垂下部632の下降に伴い遊技球Pを主経路660側に押し込むように誘導するため、遊技球Pが第5カウントスイッチ24Dに誘導されやすくなる。また、遊技球Pが垂下部632との接触により逆流しにくくなるので、該逆流した遊技球と後続球とが接触して球詰りが発生することを抑制できる。
次に、本実施例において第1特別可変入賞球装置7A内の遊技球流路650A,650Bを流下する遊技球の動きについて、図16に基づいて説明する。
図16に示すように、第2特図の変動表示結果として小当り表示結果が導出表示されて第4〜6小当りのいずれかが発生すると小当り遊技状態に制御され、該小当り遊技状態において第1大入賞口702が約3秒間開放される。この第1大入賞口702が開放されている状態で遊技球が第1大入賞口702に入賞(進入)すると、遊技球は、第1カウントスイッチ23を通過し、該第1カウントスイッチ23にて遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の遊技球の払出が実行される。
規制部材630は、第1大入賞口702の開放直後に規制位置から許容位置に移動するため、第1大入賞口702の開放直後に該第1大入賞口702に進入した遊技球は、規制部材630により第5カウントスイッチ24Dへの通過を規制されることなく、主経路660を流下して第5カウントスイッチ24Dに誘導されるので、第8〜10大当りのいずれかの大当り遊技が実行される。
また、規制部材630は、第1大入賞口702の開放直後に許容位置から規制位置に移動してから所定期間(例えば、約1秒)が経過したときに許容位置から規制位置へ移動するため、第1大入賞口702が開放してから所定時間(例えば、約1秒)が経過した後から閉鎖するまでに第1大入賞口702に進入した遊技球は、規制部材630が規制位置にあるため、ほとんどの遊技球が規制面632aにより主経路660から分岐路661へ進路変更されて第6カウントスイッチ24Eに誘導される。つまり、本実施例では、第1大入賞口702の開放直後に第1大入賞口702に遊技球が進入した場合のみ、第8〜10大当りのいずれかが発生する。
また、上記では、小当り遊技状態における規制部材630の動作態様について説明したが、大当り遊技状態における各ラウンドにおいても、規制部材630は、第1大入賞口702の開放直後に許容位置から規制位置に移動してから所定期間(例えば、約1秒)が経過したときに許容位置から規制位置へ移動し、第1大入賞口702が開放してから所定時間(例えば、約1秒)が経過した後から閉鎖するようになっているが、小当り遊技状態と大当り遊技状態とで異なる動作態様にて動作するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態においては、第5カウントスイッチ24Dにて遊技球が検出されたことに基づいて大当り遊技状態に制御することはなく、第1カウントスイッチ23にて検出した遊技球数と第5カウントスイッチ24D及び第6カウントスイッチ24Eにて検出された遊技球数とが一致するか否か、つまり、球詰りや不正などの異常を判定するスイッチとして利用されるようになっている。
尚、本実施例では、規制部材630は、第1大入賞口702の開放直後に許容位置から規制位置に移動してから所定期間(例えば、約1秒)が経過したときに許容位置から規制位置へ移動し、第1大入賞口702が開放してから所定時間(例えば、約1秒)が経過した後から閉鎖するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、許容位置から規制位置及び規制位置から許容位置に移動するタイミングや開放期間は種々に変更可能である。
次に、第2特別可変入賞球装置7Bについて、図15に基づいて説明する。
遊技球流路750は、図15に示すように、上方から下方に向けて延設され、第2大入賞口712に進入した遊技球が壁体603の右側壁に沿うように流下する主経路740(図15中実線に沿う領域)と、該主経路740の途中から左側に分岐する分岐路741(図15中点線に沿う領域)と、を有する。また、主経路740と分岐路741との間には、後述する第3規制部材730が配設されており、主経路740における第3規制部材730の上流側に第1分岐部742が設けられ、第3規制部材730の下流側に第2分岐部743が設けられる。つまり、主経路740を流下する遊技球は、第1分岐部742または第2分岐部743から分岐路741側に移動可能とされている。
主経路740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ24Bを通過することで、該第3カウントスイッチ24Bによって検出される。第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球は、基体601に形成された貫通孔610及び遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路741の最下流部に到達した遊技球は、基体601に形成された貫通孔611及び遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して、遊技盤2の背面側に誘導され、基体601の背面側に配置される第4カウントスイッチ24Cを通過することで、該第4カウントスイッチ24Cによって検出される。
主経路740における第2分岐部743の上流側には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制または許容するための第1規制部材720が設けられている。該第1規制部材720は、帯板状に形成され、ソレノイド84(図2参照)の駆動によって主経路740内に突出することで、主経路740を流下する遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制位置(図示略)と、主経路740内から背面側に退避することで遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容位置(図示略)と、の間で前後方向にスライド可能に設けられており、ソレノイド84がオフ状態のときに規制位置に位置して規制状態となり、オン状態のときに許容位置に位置して許容状態となる。尚、第1規制部材720は、第2大入賞口712が閉鎖状態となったときから1秒間にわたって許容位置に維持されるようになっている。
尚、第1規制部材720の上面には、上方に向けて開口する凹部(図示略)が形成されている。このため、第1規制部材720が規制位置であるときに主経路740を流下してきた遊技球は、第1規制部材720により流下が規制されるとともに、凹部(図示略)内に載置されて安定して保持されるようになっている。
また、主経路740における第2分岐部743の下流側(第1規制部材720の下流側)には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制及び許容する第2規制部材721が設けられている。第2規制部材721は、ソレノイド85(図2参照)の駆動によって主経路740内に突出することで、遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制位置(図示略)と、主経路740内から退避することで遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容位置(図示略)と、の間で前後方向にスライド可能に設けられており、ソレノイド85がオフ状態のときに規制位置に位置して規制状態となり、オン状態のときに許容位置に位置して許容状態となる。
尚、第2規制部材721の上部は平坦な平坦面721aに形成されているとともに、該平坦面721aは、正面視で分岐路741側に向けて下方に所定角度(図15に示す角度θ)の傾斜をなすように主経路740に設けられている。このため、第2規制部材721が規制状態であるときに主経路740を遊技球が流下してくると、該遊技球は第2規制部材721の上部に形成された平坦面721aに沿って第2分岐部743を経由して分岐路741に向けて流下するように誘導される。
尚、本実施例では、第2規制部材721は、所定間隔(例えば、1秒間隔)毎に許容位置と規制位置とに切り替わる動作を繰り返すようになっている。
また、第2分岐部743には、前後方向を向く枢軸731によって第3規制部材730が回動可能に枢支されている。第3規制部材730は、上端が枢軸731により枢支された板状部材からなり、第2規制部材721の平坦面721aにて誘導される遊技球が主経路740側から接触したときに主経路740側から分岐路741側へ通過可能となるように移動(回動)可能である。具体的には、主経路740と分岐路741との間を開放するように傾斜する許容位置と、主経路740と分岐路741との間を閉鎖する規制位置と、の間で回動可能に設けられている。
基体601の前面における枢軸731の下方位置にはリブ801が突設されているとともに、枢軸731の左側にはリブ802が突設されている。遊技球は、遊技球流路750をリブ801,802に遮られることなく流下可能となっている。尚、第3規制部材730は、規制位置において、上端から下端に向けて分岐路741側に向けて若干傾いた状態に維持されるため、平坦面721aにて誘導される遊技球が第3規制部材730に当接することで容易に回動するようになっている。
リブ801は、第3規制部材730が規制位置にあるときに該第3規制部材730の主経路740側に当接することで、第3規制部材730の反時計回り方向への回動を規制する。このリブ801が第3規制部材730に当接する規制位置では、第3規制部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の幅寸法が遊技球の直径2Rよりも短寸であるH1となる。
また、リブ802は、第3規制部材730が許容位置にあるときに該第3規制部材730の分岐路741側に当接することで、第3規制部材730の時計回り方向への回動を規制する。このリブ802が第3規制部材に当接する許容位置では、第3規制部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の幅寸法が遊技球Pの直径2Rよりも長寸であるH2に形成される。つまり、第3規制部材730の回動は、これらリブ801,802にて規制されている。尚、本実施例における第3規制部材730のリブ801,802間での回動範囲は約40度となっている。
尚、第3規制部材730は、通常は自重により規制位置に配置されており、該規制位置では、平坦面721aにて誘導される遊技球が主経路740側(正面視で右側)から当接することで、該遊技球により押されて許容位置を上限に正面視で時計回り方向に回動する。
このとき、第3規制部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の上下幅寸法が遊技球の直径Rよりも短寸であるH1から直径Rよりも長寸のH2に変化し、第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側から第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側への遊技球の移動が許容される。
一方、第3規制部材730が規制位置にあるときは、遊技球が分岐路741側(正面視で左側)から当接したとしても、リブ801により第3規制部材730の反時計回り方向への回動が規制される。このとき、第3規制部材730の先端部と第2分岐部743の底面743aとの間の上下幅寸法は、遊技球の直径2Rよりも短寸且つ遊技球が通過不能なH1に維持されるため、第4カウントスイッチ24Cが設けられている分岐路741側から第3カウントスイッチ24Bが設けられている主経路740側への遊技球の移動が確実に規制される。
次に、本実施例において第2特別可変入賞球装置7B内の遊技球流路750を流下する遊技球の動きについて、図17に基づいて説明する。
図17に示すように、第2特図の変動表示結果として小当り表示結果が導出表示されて第1〜3小当りのいずれかが発生すると小当り遊技状態に制御され、該小当り遊技状態において第2大入賞口712が3秒間開放される。この第2大入賞口712が開放されている状態で遊技球が第2大入賞口712に入賞(進入)すると、該遊技球は第2カウントスイッチ24Aを通過し、該第2カウントスイッチ24Aにて遊技球が検出されたことに基づいて、所定数の遊技球の払出が実行される。
第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球は、主経路740を流下して行く。このとき、一部の遊技球は、第1分岐部742において分岐路741に進入し、そのまま分岐路741を流下して行く。分岐路741を流下する遊技球は、最終的に第4カウントスイッチ24Cを通過する。一方、主経路740を分岐路741に進入せずに流下する遊技球は、規制状態である第1規制部材720にて流下が規制され、第2大入賞口712が閉鎖されるまでの開放期間(図17に示す期間t)にわたって第1規制部材720の凹部(図示略)内に載置される。尚、第1規制部材720上に載置される遊技球は1球のみであり、既に第1規制部材720上に遊技球が載置されている場合は、後続の遊技球は第1規制部材720上に載置された遊技球により主経路740への流下が規制され、第1分岐部742にて分岐路741に誘導されて該分岐路741を流下して行く。
尚、本実施例では、遊技球流路750は、第2カウントスイッチ24Aを通過した遊技球のうち大半(例えば、約90%)は主経路740を流下し、一部(例えば、約10%)の遊技球が分岐路741を流下する構造とされているが、主経路740と分岐路741とに誘導される割合は流路構造を変更することで種々に変更可能である。
第2大入賞口712が閉鎖されると、該第2大入賞口712の閉鎖と同時に第1規制部材720が1秒間にわたって許容状態となり、第1規制部材720に載置され流下が規制されていた遊技球が主経路740を流下してく。そして、第2規制部材721が許容状態となるタイミングで第1規制部材720が規制状態から許容状態となり、該第1規制部材720に載置されていた遊技球が第3カウントスイッチ24Bに向けて流下すると、遊技球はそのまま第3カウントスイッチ24Bを通過する。そして、第3カウントスイッチ24Bが遊技球を検出したことに基づき、第5大当り〜第7大当りのいずれかの大当り遊技が実行される。
一方、第2規制部材721が規制状態となるタイミングで第1規制部材720が規制状態から許容状態となり、第1規制部材720に載置されていた遊技球が第3カウントスイッチ24Bに向けて流下すると、遊技球は第2規制部材721にて流下が規制され、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへの通過が阻止される。第3カウントスイッチ24Bへの通過が阻止された遊技球は、第2分岐部743に向けて下方に所定角度傾斜する第2規制部材721の平坦面721aを第2分岐部743に向けて転動していき、第3規制部材730に右方(主経路740側)から当接する。そして、第3規制部材730に右方から当接した遊技球は、第3規制部材730を押し上げて分岐路741に向けて移動する。
次いで、遊技球が第2分岐部743から分岐路741内へ移動すると、遊技球が第3規制部材730から離間し、第3規制部材730は自重により正面視で反時計回りに回転して規制位置に戻る。このとき、主経路740側から分岐路741側に移動する遊技球に勢いがあることで、分岐路741を構成する壁体603の一部に衝突して分岐路741内で主経路740側に向けて跳ね返ったり、分岐路741を流下してきた後続球に衝突するなどして遊技球が主経路740側に向けて跳ね返されたときには、既に第3規制部材730が規制位置に戻っているため、遊技球は、主経路740側に向けて跳ね返ることにより第3規制部材730に当接することはあっても、第3規制部材730を押し込んで分岐路741側から主経路740側に戻る、つまり、遊技球の流路の下流側から上流側に逆流することが防止されるため、分岐路741を流下し、第4カウントスイッチ24Cを通過する。尚、第1分岐部742から分岐路741を流下してきた遊技球が主経路740側に逆流することも防止される。
このように、第3規制部材730は、遊技球流路750における第2分岐部743にて主経路740側、つまり、遊技球流路750における第3カウントスイッチ24Bが設けられた右側領域から、分岐路741側、つまり、遊技球流路750における第4カウントスイッチ24Cが設けられた左側領域へ移動しようとする遊技球に対しては、常に主経路740側から分岐路741側への移動を許容する許容位置に位置する許容状態となる一方で、分岐路741側から主経路740側へ移動しようとする遊技球に対しては、常に分岐路741側から主経路740側への移動を規制する規制位置に位置する規制状態となる。
また、第3規制部材730は、リブ802に当接することにより許容位置にて回動規制されるようにする(許容位置方向への回動範囲を極力小さくする)ことで、例えば、主経路740側から誘導される遊技球に押されたときの衝撃により大きく回動して規制位置への戻りが遅くなることが防止される。つまり、バネ等の付勢部材を使用しなくても、遊技球の通過を許容した後、第3規制部材730の自重のみで極力早く規制位置側に復帰させることができる。
尚、本実施例では、第1特別可変入賞球装置7Aは、第2特別可変入賞球装置7Bに比べて第1大入賞口702に入賞した遊技球が特定領域である第5カウントスイッチ24Dを通過するか否かを視認し難いように構成されているため、例えば、小当りが発生した場合、第1小当り〜第3小当りが第4小当り〜第6小当りよりも高い割合で発生するようにしてもよく、このようにすることで、小当り遊技状態において遊技者を遊技球に注目させることができるため興趣が向上する。尚、第2特別可変入賞球装置7Bを、第1特別可変入賞球装置7Aに比べて第2大入賞口712に入賞した遊技球が特定領域である第3カウントスイッチ24Bを通過するか否かを視認し難いように構成してもよいし、双方を同様の構造としてもよい。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、遊技球が通過可能な特定領域としての第5カウントスイッチ24Dと、第5カウントスイッチ24Dへ遊技球を誘導する誘導通路としての遊技球流路650Bと、遊技球流路650Bにより誘導される遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過し易い第1状態(例えば、許容位置に位置している状態、図12参照)と該第1状態よりも第5カウントスイッチ24Dを通過し難い第2状態(例えば、規制位置に位置している状態、図13参照)とに変化可能な規制部材630と、を備え、規制部材630は、第1状態から第2状態へ変化するときに、該規制部材630が遊技球と接した場合に、該規制部材630の垂下部632と遊技球の接点S1と、遊技球流路650Bの底面671bと遊技球の接点S2と、を結ぶ直線Tが遊技球の中心C(重心)を通らない位置で変化することで、規制部材630が第1状態から第2状態に変化するときに遊技球に当接する場合、規制部材630の垂下部632は遊技球の表面における略中央位置からずれた位置で当接することで該遊技球が逃げやすくなるため、球噛みの発生を抑制することができるため、球噛みによる球詰りの発生や、規制部材の駆動源であるソレノイド86に負荷がかかり故障の原因となることが防止される。
尚、本実施例では、規制部材630が許容位置にある第1状態では、遊技球流路650Bにより誘導される遊技球の大半が第5カウントスイッチ24Dを通過し、一部の遊技球が第6カウントスイッチ24Eを通過するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、規制部材630が許容位置にある第1状態では、遊技球流路650Bにより誘導される遊技球の全てが第5カウントスイッチ24Dを通過するようにしてもよい。
また、本実施例では、規制部材630が規制位置にある第2状態では、遊技球流路650Bにより誘導される遊技球の大半が第6カウントスイッチ24Eを通過し、一部の遊技球が第5カウントスイッチ24Dを通過するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、規制部材630が規制位置にある第2状態では、遊技球流路650Bにより誘導される遊技球の全てが第6カウントスイッチ24Eを通過するようにしてもよい。
尚、本実施例では、遊技球Pの重心として、遊技球Pの中心Cを適用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球Pの重心が中心Cとは異なる位置に設定されているものにあっては、規制部材630は、第1状態から第2状態へ変化するときに、該規制部材が遊技球と接した場合に、該規制部材と遊技球の接点と、誘導通路と遊技球の接点と、を結ぶ直線が遊技球の重心を通らない位置で変化するようにしてあればよく、この場合でも、上記と同様の作用・効果が得られるようになる。
また、遊技球流路650Bは、底壁としての底壁671と、該底壁671の少なくとも一側辺に立設される側壁672a〜672dと、を有し、規制部材630は、側壁672aに対し遊技球の半径Rよりも短い距離(例えば、離間幅L1)だけ離間して配置されていることで、遊技球が側壁672aに沿って流下する場合でも、該遊技球Pと接触した場合、垂下部632と遊技球Pの接点S1と、誘導通路である底面671bと遊技球Pの接点S2とを結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通らない位置で接触することになるため、規制部材630が第1状態から第2状態へ変化するときにおける球噛みの発生を抑制することができる。
尚、本実施例では、離間幅L1は約2mm(L1=約2mm)とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、垂下部632は、側壁672aに対し遊技球の半径Rよりも短い距離だけ離間して配置されていれば、例えば、側壁672aに近接また摺接可能に配設されていてもよい。
また、規制部材630の垂下部632は、第2状態において遊技球流路650Bに突出し(図12参照)、第1状態において遊技球流路650Bから退避するように設けられ(図13参照)、遊技球流路650Bに突出する側の端部は先細り形状とされていることで、規制部材630が遊技球に接触する面積が小さくなり、遊技球が逃げやすくなるため、球噛みの発生を抑制することができる。
また、規制部材630は、第1状態から第2状態へ変化する途中で遊技球に当接したときに該遊技球を第5カウントスイッチ24Dへ誘導する誘導傾斜部としての誘導面632bを有することで、第1状態から第2状態へ変化する途中で遊技球に当接したときに、例えば、誘導面632bが水平に設けられる場合に比べて、遊技球が第5カウントスイッチ24D側へ逃げやすくなるので球噛みの発生を抑制できるとともに、第5カウントスイッチ24D側に誘導され易くなり、規制間際の遊技球Pにより大当りが発生しやすくなるので、遊技者に有利となる。
また、本実施例では、垂下部632は、頂点が下方を向く正面視略逆三角形状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の第5カウントスイッチ24Dへの通過を規制することができるようになっていれば、垂下部632の形状は種々に変更可能であり、例えば、正面視四角形をなす板状部材や下端が円弧状に形成されていてもよいし、棒状部材等にて構成されていてもよい。
また、本実施例では、垂下部632は、下端から遊技球の流下方向に向けて上側に傾斜する誘導面632bが形成されていたが、下端から遊技球の流下方向とは逆方向に向けて上側に傾斜する他の誘導面が形成されていてもよく、このようにすることで、規制部材の下端が通過する遊技球の中心Cが該下端を通過する前に接触したときには遊技球を流下方向とは逆方向に逃がすことができるようになる。
また、本実施例では、垂下部632は、許容位置において遊技球流路650Bから退避するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、許容位置において遊技球Pの流下を許容するものであれば、必ずしも100%の確率で規制するものでなくてもよく、また、許容位置において遊技球流路から退避しなくても、遊技球流路内において流下を規制しなければ該遊技球流路内にいてもよい。
また、本実施例では、垂下部632は、許容位置において遊技球流路650Bの上方に位置するように上下方向に移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、許容位置において遊技球流路650Bの下方に位置するように上下方向に移動可能に設けられていてもよい。また、許容位置において遊技球流路650Bの側方に位置するように前後方向に移動可能に設けられていてもよい。
ここで、本発明の変形例について、図18及び図19に基づいて説明する。図18は、(A)は本発明の変形例1としての規制部材を説明するための概略平面図、(B)は(A)のJ−J断面図、(C)は(B)のK−K断面図である。図19は、(A)は本発明の変形例2としての規制部材が許容位置にあるとき、(B)は規制位置にある状態を示す概略図である。
図18(A)(B)に示すように、規制部材1630は、許容位置(図18(A)中2点鎖線位置参照)において遊技球流路650Bの側方に位置するように前後方向に移動可能に設けられていてもよい。尚、本変形例1では、規制部材1630は、規制位置において分岐壁673の前端との離間距離が遊技球Pの直径2Rよりも短くなるようになっている(図18(C)中2点鎖線位置参照)。また、規制部材1630は、図18(C)に示すように、遊技球Pに接触する場合、規制部材1630と遊技球Pの接点S1と、誘導通路である分岐壁673と遊技球Pの接点S3と、を結ぶ直線Tが遊技球Pの中心C(重心)を通らない位置(この場合は、中心Cの下方を通る位置)で前後方向に移動する位置に設けられている。よって、規制部材1630が規制位置へ移動するときに、遊技球Pが規制部材1630と分岐壁673との間に挟まっても遊技球が上方に逃げやすくなるので、球噛みの発生を抑制することができる。
また、前記実施例では、誘導通路としての遊技球流路650Bは、遊技球Pが前後・左右方向に流下する通路であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図19の変形例2に示すように、誘導通路1650は、遊技球Pを下方に向けて流下させる流路であってもよい。また、図19に示すように、規制部材2630は左右方向に移動可能に配設されていてもよい。さらに、上下、左右、前後方向に対し斜めに移動するように配設されていてもよい。
また、前記実施例では、規制部材630は、許容位置と規制位置との間で直線移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の回動軸を中心として、許容位置と規制位置との間で回動可能に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、特定領域の一例である第5カウントスイッチ24D及び規制部材630は、第1特別可変入賞球装置7Aにおける第1大入賞口702の内部に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別可変入賞球装置7Bにおける第2大入賞口712の内部に設けられていてもよいし、第1大入賞口扉701や第2大入賞口扉711のような開閉部材により、遊技球が通過しやすい開放状態と遊技球が通過し難い閉鎖状態とに変化可能な可変入賞装置以外の箇所に設けられていてもよい。
具体的には、例えば、遊技球を始動入賞口に誘導するステージなどに誘導するワープ通路等、遊技領域10内において遊技球が通過可能な通路に規制部材及び特定領域を設けてもよい。この場合、例えば、ステージは、始動領域(例えば、第1始動入賞口など)へ遊技球を誘導しやすい特定領域である通過孔等を有する第1誘導通路と、始動領域(例えば、第1始動入賞口など)へ遊技球を誘導し難い(例えば、特定領域である前記通過孔等を有しない)第2誘導通路とを有し、規制部材は、ワープ通路を流下する遊技球が第1誘導通路へ通過しやすい第1状態と、第1誘導通路へ通過し難い第2状態とに変化するように設けられていればよい。
また、演出用に設けられた演出装置の内部に特定領域及び規制部材を設けてもよい。この場合、規制部材が、いずれかの入賞口またはアウト口に入賞して遊技領域10から排出された後にパチンコ遊技機1内部に貯留された所謂死に球が、演出装置の内部に設けられた特定領域を通過し難い第2状態と特定領域へ通過し易い第1状態とに変化可能に設けられていればよい。尚、このように演出装置にて使用する遊技球は、上記のように遊技者が遊技領域に発射した遊技球を用いなくてもよく、予めパチンコ遊技機に内蔵された演出用の遊技球であってもよい。
そして、このような演出装置に特定領域及び規制部材を設ける場合、遊技球が特定領域を通過することで、通常では出現しにくいプレミア演出等を出現させたり、キャラクタ等の新たな演出画像を出現可能としたりしてもよい。さらに、大当りが発生したときに該演出装置に遊技球を進入させ、該遊技球が特定領域を通過した場合に、大当りの種別(例えば、ラウンド数や確率変動の有無)を報知したり、特別図柄の変動表示中における所定のタイミングにて演出装置に遊技球を進入させ、該遊技球が特定領域を通過した場合に、変動表示結果が大当りとなるか否かや、大当りとなる期待度、または遊技状態が確率変動状態であるか否かが判別しにくい遊技機にあっては、該確変状態であることの期待度等を報知するようにしてもよい。このように、特定領域を遊技球が通過することにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100等が遊技者にとって有利な状態に制御するものに限定されるものでなく、特定領域を遊技球が通過することにより、演出制御用CPU120等が所定の演出や報知を行うものであってもよい。
また、前記実施例では、遊技球が通過可能な特定領域の一例として、遊技球が通過することにより、遊技状態が遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御されるとともに、大当り遊技終了後は、第1特図の変動表示結果が大当りとなることによる大当り遊技終了後よりも高い割合で時短状態に制御され、当該時短状態で再び大当りとなる可能性が高くなる第5カウントスイッチ24Dが記載されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のようなパチンコ遊技機に適用されるものであってもよい。
例えば、遊技球が流下可能な遊技領域10に設けられた始動領域(例えば、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口など)を遊技球が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や演出図柄)の変動表示を変動表示装置(例えば、第1特別図柄表示装置4A,第2特別図柄表示装置4B,演出表示装置5など)において行い、該変動表示の結果が特定表示結果(例えば、大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御するパチンコ遊技機であって、特定領域としての確変スイッチ(図示略)が遊技領域に設けられ、大当り遊技状態において確変スイッチ(図示略)を遊技球が通過したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、通常状態よりも大当り表示結果となり易い(大当り表示結果となる確率が通常状態よりも高い)特別遊技状態(例えば、確率変動状態)に制御するパチンコ遊技機等に適用してもよく、このようにすることで、大当り遊技状態において遊技球が球噛みすることで興趣が低下してしまうことを抑制できる。
また、遊技球が特定領域を通過することにより、前記実施例のように遊技状態が遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御するものや、上記変形例のように確変状態に制御するものに限定されるものだけではなく、例えば、遊技球が特定領域を通過することにより時短状態に制御するものや、特別図柄の変動パターンテーブルを切り替えるもの等であってもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU103の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。