まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例のパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから主に構成されている。尚、遊技盤2は、遊技機用枠3に対して着脱自在に取り付けられている。この遊技盤2には、ガイドレール60によって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域2aが形成されている。この遊技領域2aには、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓となるガラス板50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域2a(遊技盤2)を開閉できるようになっている。尚、ガラス扉枠50を閉鎖したときには、ガラス板50a(ガラス窓)を通して遊技領域2aを透視できるようになっている。また、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視で略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール60等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、ベニヤ板等の部材にて遊技盤2が構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて遊技盤2が構成されても良い。
遊技盤2の遊技領域2aの右側方には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(特図)が、変動表示(可変表示)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。遊技盤2の遊技領域2aの中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特図の変動表示や第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
演出表示装置5の表示領域では、第1特図の特図ゲーム、または、第2特図の特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。尚、演出表示装置5は、遊技盤2よりも後面側に配設され、遊技盤2に形成された開口を通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2の開口には枠状のセンター飾り枠が設けられている。演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(実行条件)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていること等により、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右下方位置には、第1大入賞口装置7A(通常アタッカー)が設けられている。この第1大入賞口装置7Aは、図2に示す第1大入賞口扉用となる第1大入賞口用ソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉43(蓋部材)を備えている。この第1大入賞口扉43が開放位置と閉鎖位置とに移動するによって、開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口が形成される。
また、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの右上方位置には、第2大入賞口装置7B(確変アタッカー;Vアタッカー)が設けられている。本実施例では、演出表示装置5を取り囲むセンター飾り枠の一部として第2大入賞口装置7Bが設けられている。この第2大入賞口装置7Bは、図2に示す第2大入賞口用ソレノイド311によって開閉駆動される第2大入賞口扉401を備えている。この第2大入賞口扉401によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口が形成される。尚、第1大入賞口装置7Aは、第2大入賞口装置7Bの下方位置に設けられており、第2大入賞口装置7Bに入賞しなかった遊技球は、第1大入賞口装置7Aに入賞するようになっている。本実施例では、ガイドレール60で囲まれた遊技領域2aの下端縁よりも下方位置に第1大入賞口装置7Aが設けられている。
遊技盤2の遊技領域2aの左側方には、普通図柄表示器20が設けられている。この普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(普図或いは普通図)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(普通図ゲーム)と称される。尚、普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、本実施例の通過ゲート41は、遊技領域2aの右側の領域の第1大入賞口装置7Aの上方に設けられている。
遊技盤2(遊技領域2a)には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口及び第2大入賞口とは異なる入賞口として、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられても良い。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されれば良い。遊技領域2aの最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球(アウト球)が取り込まれるアウト口42が設けられている。尚、アウト口42に進入した遊技球を検出するアウト球スイッチ24(図2参照)が設けられている。また、アウト球スイッチ24は、遊技盤2の後面側のアウト口42に対応する位置に設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域10の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。
パチンコ遊技機1には、主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている(図2参照)。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の遊技盤2等の背面には、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等の各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1の遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等からなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED等の点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、遊技制御用マイクロコンピュータ100、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81や第1大入賞口用ソレノイド82や第2大入賞口用ソレノイド311や確変流路用ソレノイド312に伝送する出力回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、第1大入賞口用カウントスイッチ23、第2大入賞口用カウントスイッチ301、確変流路用カウントスイッチ302、非確変流路用カウントスイッチ303、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、これらスイッチ類は、センサのように遊技球を検出できる任意の構成を有するものであれば良い。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105とを備えて構成される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1の遊技の進行を制御するための処理が実行される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)は、遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口に入賞したことに基づいて、乱数回路104から抽出した乱数(大当り判定用乱数)を用いて該始動入賞に基づく変動表示にて大当りとするか否かを決定する抽選を行う処理や、乱数回路104から抽出した乱数(変動パターン判定用乱数)を用いて変動パターン(変動表示時間)を複数の変動パターンのうちから決定して該決定した変動パターンを設定する処理を行う。また、大当り遊技状態の第1大入賞口装置7Aの第1大入賞口扉43を開閉する処理や、第2大入賞口装置7Bの第2大入賞口扉401を開閉する処理や、大当り遊技終了後の遊技状態を、遊技状態フラグ等を更新する等によって変動表示時間の短い変動パターンが決定されやすい時短状態や大当りの抽選確率が通常状態よりも高確率となる確変状態とする処理や、時短状態や確変状態とする変動回数を設定(セット)するともに、該セットされた変動回数が実行されたときに時短状態や確変状態を終了する処理等を行う。また、ROM101には、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータ等が格納されている。ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブル等を構成するデータが記憶されている。
尚、本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。また、表示結果判定テーブルにて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1にて確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1の遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
また、本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにて変動表示が行われた特別図柄が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、複数種類または単一の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例の大当り種別について説明すると、大当り遊技中に遊技球が確変流路用カウントスイッチ302を通過した場合は、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態及び時短状態(高確高ベース状態)に制御される一方で、大当り遊技中に遊技球が確変流路用カウントスイッチ302を通過しなかった場合は、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)に制御される。尚、これら高ベース状態は、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
例えば、「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(ラウンド遊技)を所定回数実行する。大当りAでは、第1ラウンドにて、第2大入賞口を第1ラウンドの開始時から16ms(0.016秒)に亘って開放した後、6000ms(6秒)に亘って閉鎖し、再び25000ms(25秒)に亘って開放する開放パターンが実行され、第2〜第15ラウンド目にて、第1大入賞口を第2ラウンド〜第15ラウンドの開始時から29000ms(29秒)に亘って開放する開放パターンが実行される。また、大当りBでは、第1ラウンドにて、第2大入賞口を第1ラウンドの開始時から3016ms(3.016秒)に亘って開放する開放パターンが実行され、第2〜第14ラウンド目にて、第1大入賞口を第2ラウンド〜第15ラウンドの開始時から29000ms(29秒)に亘って開放する開放パターンが実行される。
大当り種別判定テーブルでは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。そのため第1特図の特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特図の特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を第2大入賞口に遊技球が入賞しやすい大当りAに決定する割合を異ならせることができる。
ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。また、ROM101には、第1大入賞口扉43、第2大入賞口扉401の開放動作や、第2大入賞口装置7Bの規制部材411(図4参照)の動作を制御するために用いられるプロセステーブル等が格納されている。各プロセステーブルは、大当り遊技状態の進行状況に応じて実行される第1大入賞口扉43、第2大入賞口扉401の開放動作や規制部材411の動作といった、様々な動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。
各プロセステーブルには、第1大入賞口扉制御データ、第2大入賞口扉制御データ、規制部材制御データ、終了コードといった、各種の動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の開放制御の内容や、開放制御の切換タイミング等が設定されていれば良い。開放制御プロセスタイマ判定値は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたRAM102の所定領域に設けられた開放時間タイマ判定値と比較される値(判定値)であって、各開放動作やスライド動作の実行時間(開放時間や規制時間)に対応した判定値が予め設定されている。尚、第1大入賞口扉制御データ及び第2大入賞口扉401制御データには、各ラウンド中の開放態様を示すデータ等が含まれている。規制部材制御データには、各ラウンド中の規制態様の動作を示すデータ等が含まれている。尚、これらの制御データは、全てのプロセステーブルに含まれなければならないものではなく、各動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成されるプロセステーブルがあっても良い。
CPU103は、各プロセステーブルに含まれる各種の制御データに従って制御内容を決定する。例えば、開放時間タイマ値が開放時間タイマ判定値のいずれかと合致したときには、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた開放制御データにより指定される態様で第1大入賞口扉43や第2大入賞口扉401を開閉させるとともに、その開放時間タイマ判定値と対応付けられた規制部材制御データにより指定される態様で規制部材411の規制状態と許容状態とを切り替える制御を行う。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5の表示動作の制御内容を決定するための処理等を実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。この演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数)が設定されている。
演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブル等が格納されている。このROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。
次に、パチンコ遊技機1の遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域2aに設けられた通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば、前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後に、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特図の特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後に、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特図の特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、ラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。
特図ゲームの確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1大入賞口装置7Aの第1大入賞口扉43または第2大入賞口装置7Bの第2大入賞口扉401が、所定の上限時間(例えば29秒間や25秒間)が経過するまでの期間或いは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、第1大入賞口装置7Aの第1大入賞口扉43または第2大入賞口装置7Bの第2大入賞口扉401を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした第1大入賞口扉43または第2大入賞口扉401は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、第1大入賞口装置7Aまたは第2大入賞口装置7Bを遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(「15」)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。大当り遊技状態のラウンドのうち、第1大入賞口装置7Aまたは第2大入賞口装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(29秒や25秒)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、第1大入賞口装置7Aまたは第2大入賞口装置7Bを第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(0.016秒)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は大当りAに対応する大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は大当りBに対応する大当り図柄となる。特図ゲームの確定特別図柄として、「5」または「7」のいずれか大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態では、まず、第2大入賞口装置7Bの第2大入賞口扉401が、予め定められた上限時間(0.016秒や、25秒、3.016秒)が経過するまでの期間、或いは所定個数(10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口を開放状態とすることにより、第2大入賞口装置7Bを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。
そして、第2大入賞口装置7Bが第2状態(閉鎖状態)となったことに応じて、所定期間の経過後、第1大入賞口装置7Aの第1大入賞口扉43が、所定の上限時間(29秒間)が経過するまでの期間、或いは所定個数(10個)の入賞球が発生するまでの期間にて第2大入賞口を開放状態とすることにより、第1大入賞口装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが14回繰返し実行される。
大当り図柄となる特別図柄のうち「5」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、大当りBの組合せとなる確定演出図柄が停止表示される。
特図ゲームの確定特別図柄が大当りBを示す大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、大当りBの組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当りBの変動表示態様(大当り種別)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として大当りBの組合せを停止表示しても良い。大当りBの大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、大当りBの大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームの特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、所謂電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態等とは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(システムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すれば良い。
特図ゲームの確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった大当りAを示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が大当りBである場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の大当りAを示す組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として大当りAを示す組合せを停止表示しても良い。大当りAの組合せとなる確定演出図柄は、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「3」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであれば良い。大当りAの組合せを構成する図柄番号が「3」または「7」である演出図柄は、大当り図柄と称される。特図ゲームの確定特別図柄として大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、大当りBの組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしても良い。
確定演出図柄が大当りAの組合せであるか大当りBの組合せであるかにかかわらず、特図ゲームの確定特別図柄として大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当りAの変動表示態様(大当り種別)と称される。尚、本実施例では、大当りAの大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、大当りAの大当り状態に制御され、その終了後には、大当りBと同様に時間短縮制御(時短制御)が行われる。
尚、大当り種別にかかわらず、確変流路用カウントスイッチ302(図4参照)にて遊技球が検出された場合(確変流路用カウントスイッチ302がオンとなった場合)は、大当り遊技状態の終了後に、時間短縮制御(時短制御)とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときと、大当り遊技状態の終了後に所定回数(100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了する。尚、確変制御は、大当り遊技状態の終了後に、時短回数とは異なる回数の特図ゲームが実行されたときに終了しても良く、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了しても良い。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームの普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特図の特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であれば良い。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態或いは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態或いは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では、制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態にて時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームの変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1の遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7の大入賞口の開閉動作設定等を、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用等の乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無等に基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
尚、大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったこと等に基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理等が含まれている。また、大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1大入賞口用カウントスイッチ23や第2大入賞口用カウントスイッチ301によって検出された遊技球の個数等に基づいて、第1大入賞口または第2大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理等が含まれている。更に、大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9等といった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理等が含まれている。
大当り終了処理においては、大当り遊技中に遊技球が確変流路用カウントスイッチ302を通過したことに応じて、遊技制御フラグ設定部等に確変入賞フラグがセットされているか否かを判定する。そして、確変入賞フラグがセットされている場合は、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)と、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。尚、確変入賞フラグがセットされていない場合は、時短制御を開始するための設定のみを行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理等を実行する。
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。また、大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
次に、遊技盤2に設けられる遊技領域2aについて図3を参照して説明する。図3に示すように、遊技盤2は、正面視で略四角形状の板状部材で主に構成されている。この遊技盤2の前面である遊技盤面(前面)には、障害釘(図示略)やガイドレール60等が設けられている。ガイドレール60は、正面視でほぼ円形状をなすように配置され、遊技盤2の遊技盤面から前方に突出するように設けられている。このガイドレール60によって囲まれた内側の領域が遊技領域2aとなっている。尚、遊技領域2aは、完全な円形状ではなく、一部が開口された円形状をなしている。そして、遊技盤2が遊技機用枠3に取り付けられた状態では、遊技領域2aの右下位置に遊技球を発射する打球発射装置(図示略)が配置される。更に、打球発射装置から左上方向に発射された遊技球は、ガイドレール60において開口された部分から遊技領域2aの内側に進入し、ガイドレール60の内周面に沿って正面視で時計回りに移動して遊技領域2aの上方位置から流下される。
尚、遊技者は、打球操作ハンドル(図示略)を操作することで、打球発射装置の遊技球の弾発力を調整することができ、遊技球が遊技領域2aの左側を流下する左打ちの打法と、遊技球が遊技領域2aの右側を流下する右打ちの打法とを、適宜切り替えることができる。例えば、通常遊技状態のときには、左打ちの打法で遊技を行った方が普通入賞球装置6Aに遊技球が入りやすくて遊技者にとって有利となり、大当りになった後のラウンド遊技を実行する特定遊技状態のときには、右打ちの打法で遊技を行った方が普通可変入賞球装置6Bや第1大入賞口装置7Aや第2大入賞口装置7Bに遊技球が入りやすくて遊技者にとって有利となるように、各種部材が配置されている。
尚、ガイドレール60の突出長は、遊技球の直径寸法よりも若干大きな寸法となっている。また、遊技盤2の前面側は、ガラス扉枠50のガラス板50aにより覆われ(図1参照)、ガイドレール60の先端縁には、ガラス扉枠50のガラス板50aの後面(内面)が近接されて配置される。遊技球が打球発射装置から発射されて遊技領域2aに打ち込まれたときには、ガイドレール60によって遊技球が遊技領域2aよりも外側に遊技球が移動しないようになっている。つまり、ガイドレール60によって遊技領域2aの内側の領域と外側の領域とが仕切られる。このガイドレール60が仕切部を構成する。また、遊技盤2の表面(遊技領域2a)には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。これら障害釘等の遊技領域2aに設けられた各種部材によって、第1始動入賞口、第2始動入賞口、第1大入賞口及び第2大入賞口等に、遊技球が所定割合で導かれるようになっている。このような遊技球の流れを遊技者が目で追うことにより遊技興趣が向上されるので、遊技領域2aでは、遊技球が流下される範囲(面積)を広く確保することが望ましい。
また、遊技盤2に設けられた遊技領域2aの縦寸法及び横寸法は、500mm×500mmの正方形をなす規定寸法の範囲内に納まるように形成されている。つまり、ガイドレール60が形成するほぼ円形状の領域の直径は約500mmとなっている。この遊技領域2aの縦寸法及び横寸法(以下、規定寸法と略記する場合がある)は遊技機用枠3やガラス扉枠50のガラス窓等の大きさに応じて予め規格されており、パチンコ遊技機1の機種が異なっていても、遊技領域2aの規定寸法が同一となるように遊技盤2が構成される。
本実施例では、普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bや第2大入賞口装置7B等は、遊技領域2aの内側に設けられているが、第1大入賞口装置7Aは、遊技領域2aの外側に設けられている。尚、第1大入賞口装置7Aの下部は、遊技領域2aの規定寸法の下端縁の規定線Lよりも下方に突出されて配置されている。
次に、第2大入賞口装置7Bについて図4を参照して説明する。第2大入賞口装置7Bは、第2大入賞口用ソレノイド311によって開閉駆動される第2大入賞口扉401を備える。この第2大入賞口扉401によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口を形成する。尚、第2大入賞口は、第2大入賞口装置7Bの右端部において右に向けて開放するように形成されている。
また、第2大入賞口扉401は、第2大入賞口を閉鎖する閉鎖位置(図4(A)参照)と、第2大入賞口を開放する開放位置(図4(B)参照)と、の間で揺動可能に設けられている。この第2大入賞口扉401は、第2大入賞口用ソレノイド311(図2参照)の駆動力によって動作される。尚、第2大入賞口扉401が開放位置にあるときには、遊技領域2aの右側を流下してくる遊技球Pを受け止め、この遊技球Pを第2大入賞口装置7B内に誘導可能なように、右側から左側にかけて僅かに下方に傾斜して配置される。
また、第2大入賞口装置7Bでは、大当りの第1ラウンドにおいて、第2大入賞口用ソレノイド311がオフ状態であるときに第2大入賞口扉401が第2大入賞口を閉鎖状態として遊技球Pが第2大入賞口を通過不可能な状態とし(図4(A)参照)、第2大入賞口用ソレノイド311がオン状態であるときに第2大入賞口扉401が第2大入賞口を開放状態として遊技球Pが第2大入賞口を通過可能な状態とする(図4(B)参照)。このように、第2大入賞口は、遊技球Pが通過可能な遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球Pが通過不可能な遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球Pが第2大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、或いは閉鎖状態の他に、遊技球Pが第2大入賞口を通過しにくい一部開放状態を設けても良い。
更に、第2大入賞口装置7B内には、第2大入賞口を通過した遊技球Pが通過(流下)する共通流路402が形成されている。この共通流路402は、第2大入賞口装置7B内を右方から左方に向けて下方に傾斜するように形成されている。また、共通流路402の入口近傍には、第2大入賞口に入賞した遊技球Pの通過を検出する第2大入賞口用カウントスイッチ301が設けられている。本実施例では、第2大入賞口用カウントスイッチ301によって遊技球Pが検出されたことに基づき、所定個数(15個)の遊技球Pが賞球として払い出される。従って、第2大入賞口装置7Bにおいて第2大入賞口が開放状態となれば、第2大入賞口に遊技球Pが進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2大入賞口装置7Bにおいて第2大入賞口が閉鎖状態となれば、第2大入賞口に遊技球Pを通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図4に示すように、本実施例の共通流路402の中央では、下方に向けて延びる確変流路403が設けられている。更に、共通流路402の確変流路403よりも左側の下流側では、下方に向けて延びる非確変流路404が設けられている。また、確変流路403内には、遊技球Pの通過を検出する確変流路用カウントスイッチ302が設けられている。この確変流路403を通過した遊技球Pは、確変流路403内に形成された貫通孔を介して、遊技盤2の後面側に流下される。また、非確変流路404を通過した遊技球Pは、非確変流路404内に形成された貫通孔を介して、遊技盤2の後面側に流下される。そして、第2大入賞口装置7Bの後面側に設けられた非確変流路用カウントスイッチ303(図2参照)によって検出されるようになっている。
また、第2大入賞口装置7Bでは、共通流路402から確変流路403に繋がる分岐部に、遊技球Pが確変流路403に進入されることを規制、または、許容するための規制部材411が設けられている。この規制部材411は、第2大入賞口装置7Bの後面側に設けられた確変流路用ソレノイド312(図2参照)の駆動によって、共通流路402から確変流路403に繋がる分岐部に突出することで遊技球Pの進入を規制する規制状態と、遊技盤2内部に退避することで遊技球Pの進入を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。尚、確変流路用ソレノイド312がオン状態のときに許容状態となり、確変流路用ソレノイド312がオフ状態のときに規制状態となる。この確変流路用ソレノイド312は、プロセステーブルに含まれる各種の制御データに従ってCPU103により制御される。
また、第2大入賞口装置7Bは、共通流路402、確変流路403、非確変流路404の正面(前面)側に設けられた透光性を有する樹脂材等で構成されたカバー体(筐体)を有する。このカバー体が透光性を有することによって、共通流路402、確変流路403、非確変流路404を通過する遊技球Pを遊技者が視認可能となっている。尚、カバー体は、無色透明の樹脂材であっても良いし、有色透明の樹脂材であっても良い。また、カバー体は、少なくとも確変流路403または非確変流路404のいずれの流路に遊技球Pが進入したのかを、遊技者が判別できる程度の透光性を有していれば良い。
次に、第1大入賞口装置7Aについて図5及び図6を参照して説明する。遊技領域2aを形成するガイドレール60よりも下方位置に第1大入賞口装置7Aが設けられている。この第1大入賞口装置7Aは、その内部に遊技球Pが通過する球通路部61を有する箱状をなすユニット部材(筐体)として構成されている。尚、第1大入賞口装置7Aは、遊技盤2の前面側に設けられている。第1大入賞口装置7Aの上面側には、開口部44が形成されており、この開口部44が第1大入賞口として構成されている。本実施例では、ガイドレール60が遊技領域2aの周縁を形成しており、この遊技領域2aの周縁において、第1大入賞口装置7Aの開口部44に対応する部分には、ガイドレール60が切り欠かれた空隙が設けられている。この空隙部分に、開口部44(第1大入賞口)を開閉する第1大入賞口扉43が設けられる。
図5及び図6に示すように、第1大入賞口扉43は、ガイドレール60と同じ幅寸法(前後寸法)を有する板状をなす部材となっている。この第1大入賞口扉43により開口部44(第1大入賞口)が閉鎖された状態では、遊技球Pが第1大入賞口扉43上を転がることができ、ガイドレール60上を転がってきた遊技球Pは、第1大入賞口に落下せずに進むことができる。この第1大入賞口扉43は、第1大入賞口装置7Aの後面側に設けられた第1大入賞口用ソレノイド82(図2参照)の駆動によって、前方に向かって突出することで遊技球Pの第1大入賞口への進入を規制する規制状態と、遊技盤2内部に退避することで遊技球Pの第1大入賞口への進入を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。尚、第1大入賞口用ソレノイド82がオン状態のときに許容状態となり、第1大入賞口用ソレノイド82がオフ状態のときに規制状態となる。
また、球通路部61は、第1大入賞口装置7A内を右方から左方に向けて下方に傾斜している。更に、球通路部61の左側の下流側では、下方に向けて延びる大入賞流路62が設けられている。この大入賞流路62には、遊技球Pの通過を検出する第1大入賞口用カウントスイッチ23が設けられている。大入賞流路62を通過した遊技球Pは、大入賞流路62内に形成された貫通孔を介して、遊技盤2の後面側に流下される。また、第1大入賞口装置7Aは、遊技領域2a(ガイドレール60)の外側に設けられている。第1大入賞口装置7Aの下部は、遊技領域2aの規定寸法の下端縁の規定線Lよりも下方に突出されて配置されている。本実施例では、少なくとも第1大入賞口用カウントスイッチ23が設けられている部分が、規定線Lよりも下方に配置されている。尚、規定線Lは、遊技領域2aの最下部に設けられたアウト口42の下端に接する水平線となっている。
第1大入賞口装置7Aでは、第1大入賞口用ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉43が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球Pが大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、第1大入賞口装置7Aでは、第1大入賞口用ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉43が第1大入賞口を開放状態として、遊技球Pが第1大入賞口を通過(進入)しやすくする。この第1大入賞口は、遊技球Pが通過しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球Pが通過できずに遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球Pが第1大入賞口を通過できない閉鎖状態に代えて、或いは閉鎖状態の他に、遊技球Pが第1大入賞口を通過し難い一部開放状態を設けても良い。
第1大入賞口を通過した遊技球Pは、第1大入賞口用カウントスイッチ23によって検出される。この第1大入賞口用カウントスイッチ23によって遊技球Pが検出されたことに基づき、所定個数(15個)の遊技球Pが賞球として払い出される。こうして、第1大入賞口装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球Pが通過したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第1大入賞口装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球Pが進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1大入賞口装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球Pを通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
本実施例の第1大入賞口装置7Aを構成するユニット部材は、透光性を有する樹脂材等で構成されている。このユニット部材が透光性を有することによって、大入賞流路62を通過する遊技球Pを遊技者が視認可能となっている。尚、ユニット部材は、無色透明の樹脂材であっても良いし、有色透明の樹脂材であっても良い。
図1に示すように、パチンコ遊技機1を前面側から見たときに、ガラス扉枠50のガラス板50a(ガラス窓)を介して遊技領域2aが視認可能になっている。このガラス板50aの部分は、正面視において遊技領域2aよりも大きな面積を有しているが、遊技盤2において遊技領域2a以外の部分が見えないように、有色不透明の目隠し用のフィルム50bが張り付けられている。この目隠し用のフィルム50bによりガイドレール60よりも外側の部分が見えないようになっているが、第1大入賞口装置7Aが配置された部分だけは、目隠し用のフィルム50bが部分的に切り欠かれており、第1大入賞口装置7Aが見えるようになっている。そのため、遊技者が第1大入賞口装置7Aの内部を流下する遊技球Pの動作を視認することができる。
尚、本実施例では、第1大入賞口装置7Aの下部において、少なくとも第1大入賞口用カウントスイッチ23が設けられている部分が、遊技領域2aの規定寸法の下端縁の規定線Lよりも下方に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1大入賞口装置7Aの全体が規定線Lよりも下方に配置されるものであっても良い。尚、第1大入賞口装置7Aの全体が規定線Lよりも上方に配置されるものであっても良い。また、第1大入賞口用カウントスイッチ23が設けられている部分が規定線Lよりも上方位置にあっても良い。また、第1大入賞口用カウントスイッチ23が規定線Lと同じ位置、つまり、第1大入賞口用カウントスイッチ23が規定線Lを跨ぐように配置されていても良い。このように、第1大入賞口装置7Aが遊技領域2aの外側に設けられているので、遊技領域2aの内側では、第1大入賞口装置7Aにより占有される領域が無くなり、遊技球が流下される範囲(面積)を広く確保することができる。また、遊技領域2aよりも下方の部位に遊技者が注目するようになる。また、第1大入賞口装置7Aがガイドレール60を跨ぐように配置され、第1大入賞口装置7Aの上半分が遊技領域2aの内側に配置され、第1大入賞口装置7Aの下半分及び第1大入賞口用カウントスイッチ23が遊技領域2aの外側に配置され、第1大入賞口装置7Aの中間部分に第1大入賞口が設けられるものであっても良い。
尚、本実施例では、規定線Lは、遊技領域2aの最下部に設けられたアウト口42の下端に接する水平線となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技領域2aにおいてアウト口42以外の最下部がある場合には、この遊技領域2aの下端に接する水平線が規定線Lであっても良い。また、ガイドレール60の下端に接する水平線が規定線Lであっても良い。また、ガラス窓を通して遊技者が視認可能な領域の下端に接する水平線が規定線Lであっても良い。四角形状をなす遊技盤2の規定の寸法の下端に接する水平線が規定線Lであっても良い。また、操作演出等に用いるプッシュボタンの上端の位置(プッシュボタンを押し込んだ時の上端の位置や、プッシュボタンの上下移動幅の間の位置等を含む)に対応する水平線が規定線Lであっても良い。また、球貸しスイッチ等の各種操作部の上端の位置に対応する水平線が規定線Lであっても良い。
尚、本実施例では、第1大入賞口装置7Aにおいて、球通路部61を有する箱状をなすユニット部材(筐体)と第1大入賞口用カウントスイッチ23とが一体的に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユニット部材と第1大入賞口用カウントスイッチ23とが別体として設けられてもよい。例えば、ユニット部材を遊技盤2の前面側に設け、第1大入賞口用カウントスイッチ23を遊技盤2の後面側に設けるようにしても良い。また、正面視においてユニット部材の外側に第1大入賞口用カウントスイッチ23が設けられたものであっても良く、その場合には、ユニット部材の少なくとも一部のみが規定線Lよりも外側に配置されているものであっても良いし、第1大入賞口用カウントスイッチ23の少なくとも一部のみが規定線Lよりも外側に配置されているものであっても良い。または、ユニット部材及び第1大入賞口用カウントスイッチ23の双方の少なくとも一部が規定線Lよりも外側に配置されているものであっても良い。
尚、本実施例では、第1大入賞口扉43が前後方向にスライド移動して開閉されるスライド式の扉となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1大入賞口扉43は水平方向にスライド移動して開閉される扉であっても良い。また、例えば、揺動移動して開閉される扉であっても良いし、上下移動して開閉される扉であっても良い。尚、第1大入賞口扉43が揺動移動して開閉されたり上下移動して開閉されたりする場合において、第1大入賞口扉43の開放時には、この第1大入賞口扉43が遊技領域2aから離れる方向に移動して開放される。そして、第1大入賞口扉43の閉鎖時には、この第1大入賞口扉43が遊技領域2aに向かって移動して閉鎖されるものであって、少なくとも遊技領域2aの内側に第1大入賞口扉43が進入せずに停止されることが好ましい。
尚、本実施例では、遊技領域2aの下端縁(下方位置)を形成するガイドレール60の切り欠かれた部分に、第1大入賞口扉43が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技領域2aの側端縁(側方位置)を形成するガイドレール60の一部を切り欠いて、この切り欠かれた部分から遊技領域2aの外側に設けられた大入賞口装置に遊技球が進入する構成であっても良い。このように、遊技領域2aの側端縁を形成するガイドレール60の一部を切り欠いた場合には、上方から流下される遊技球が大入賞口装置に入り難くなる。そのため、ガイドレール60の切り欠かれた部分には、大入賞口扉を設けない構成とし、その替りに、大当り遊技状態のときにガイドレール60の切り欠かれた部分に遊技球を入りやすくするための役物装置を、遊技領域2aに設けるようにしても良い。尚、遊技領域2aの側端縁を形成するガイドレール60の一部を切り欠いた部分を一般入賞口として適用しても良い。
尚、本実施例では、大当り遊技中に遊技球が第2大入賞口装置7Bの確変流路用カウントスイッチ302を通過した場合は、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態及び時短状態(高確高ベース状態)に制御されるパチンコ遊技機1に本発明を適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2大入賞口装置7Bを設けずに、大当り種別として「非確変大当り」と「確変大当り」とを設けるようにし、「確変大当り」の大当りとなった場合に、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態となるパチンコ遊技機1に本発明を適用しても良い。
尚、本実施例では、第1大入賞口装置7Aが遊技領域2aの外側に設けられ、確変流路用カウントスイッチ302が設けられた第2大入賞口装置7Bが遊技領域2aの内側に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変流路用カウントスイッチ302が設けられた第2大入賞口装置7Bを遊技領域2aの外側に設けるとともに、第1大入賞口装置7Aを遊技領域2aの内側に設けるようにしても良い。また、第1大入賞口装置7A及び第2大入賞口装置7Bの両方を遊技領域2aの外側に設けるようにしても良い。
尚、本実施例では、大入賞口を有している第1大入賞口装置7Aが遊技領域2a(ガイドレール60)の外側に設けられる構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を有している普通入賞球装置6A及び普通可変入賞球装置6Bや一般入賞口等のその他の部材が遊技領域2aの外側に設けられる構成であっても良い。
尚、本実施例では、大入賞口装置が2つ設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変流路用カウントスイッチが設けられた大入賞口装置のみを設けるようにし、この大入賞口装置を遊技領域2aの外側に設けるようにしても良い。
図7に示す変形例では、確変流路用カウントスイッチ23Bが設けられた大入賞口装置7A’が遊技領域2aの外側に設けられている。この大入賞口装置7A’は、遊技領域2aを形成するガイドレール60よりも下方位置に設けられ、その内部に遊技球Pが通過する球通路部61を有する箱状をなすユニット部材となっている。そして、大入賞口に落下した遊技球Pは、球通路部61に流下される。この大入賞口装置7A’は、無色透明のユニット部材で構成され、少なくとも確変流路用カウントスイッチ23Bを通過する遊技球を遊技者が視認可能である。
球通路部61の下流側では、下方に向けて延びる非確変流路62Aと確変流路62Bとの2つの流路が分岐して設けられている。尚、非確変流路62A内には、遊技球Pの通過を検出する非確変流路用カウントスイッチ23Aが設けられるとともに、確変流路62B内には、遊技球Pの通過を検出する確変流路用カウントスイッチ23Bが設けられる。非確変流路62Aまたは確変流路62Bを通過した遊技球Pは、それぞれの流路内に形成された貫通孔を介して、遊技盤2の後面側に流下される。
更に、大入賞口装置7A’では、球通路部61から確変流路62Bに繋がる分岐部に、遊技球Pが確変流路62Bに進入されることを規制、または、許容するための規制部材45が設けられている。この規制部材45は、球通路部61から確変流路62Bに繋がる分岐部に突出することで遊技球Pの進入を規制する規制状態と、遊技盤2内部に退避することで遊技球Pの進入を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。この規制部材45を駆動するソレノイド(図示略)は、プロセステーブルに含まれる各種の制御データに従ってCPU103により制御される。
図7に示すように、変形例では、大入賞口装置7A’の下部において、非確変流路用カウントスイッチ23A及び確変流路用カウントスイッチ23Bの両方が遊技領域2aの規定寸法の下端縁の規定線Lよりも下方に配置されている。このように、大入賞口装置7A’が遊技領域2aの外側に設けられているので、遊技領域2aの内側では、大入賞口装置7A’により占有される領域が無くなり、遊技球が流下される範囲(面積)を広く確保することができる。
尚、変形例のように大入賞口装置7A’に複数のカウントスイッチが設けられている場合において、双方のカウントスイッチが規定線Lよりも上方に配置されているものであっても良いし、双方のカウントスイッチが規定線Lと同じ位置にあっても良い。また、双方のカウントスイッチのうち、いずれか一方が規定線Lよりも上方に配置され、他方が規定線Lよりも下方に配置されるものであっても良い。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、第1大入賞口に進入した遊技球を検出する第1大入賞口用カウントスイッチ23が遊技領域2aの外側に設けられることで、遊技球が進入可能な部分と第1大入賞口用カウントスイッチ23とを遊技領域2aの内側に設けずに済み、つまり、少なくとも第1大入賞口の孔部を穿設した領域を遊技領域2aに設けずに済むので、遊技領域2aとして活用できるスペースを確保することができる。
また、本実施例によれば、第1大入賞口に遊技球を進入可能としたり、進入不可能または進入し難くする第1大入賞口扉43が設けられることで、第1大入賞口に遊技球が進入したり進入しなかったりするので、遊技興趣を向上できる。また、遊技領域2aの内側に第2大入賞口が設けられ、遊技領域2aの外側に第1大入賞口が設けられることで、遊技領域2aの内側の第2大入賞口と遊技領域2aの周縁上の第1大入賞口との双方に遊技者の注意を向けることができるので、遊技興趣を向上できる。また、確変流路用カウントスイッチ302が第2大入賞口に進入した遊技球が通過可能に設けられることで、遊技領域2aの内側に設けられる第2大入賞口に遊技者が注目するようになるので、遊技興趣を向上できる。また、第1大入賞口扉43は、開放位置に移動するときに、遊技領域2aの内側に向かう方向以外の方向に向かって移動可能、つまり、第1大入賞口扉43が前後方向にスライド移動可能であることで、第1大入賞口扉43が遊技領域2aの内側に入り込まないので、遊技領域2aとして活用できるスペースを確保することができる。
また、本実施例によれば、確変流路用カウントスイッチ302は、第1大入賞口に進入した遊技球が通過する第1大入賞口装置7Aの大入賞流路62に設けられずに、第2大入賞口に進入した遊技球が通過する第2大入賞口装置7Bの確変流路403にのみ設けられることで、遊技領域2aの周縁上の第1大入賞口よりも遊技領域2aの内側の第2大入賞口に遊技者を注目させることができる。また、第1大入賞口用カウントスイッチ23は、遊技領域2aが形成された遊技盤2の前面側に設けられることで、第1大入賞口用カウントスイッチ23を遊技盤2の後面側に設けずに済むので、遊技盤2の後面側のスペースを確保することができる。また、第1大入賞口装置7Aがその内部に遊技球Pが通過する球通路部61を有する箱状をなすユニット部材として構成され、ユニット部材が遊技領域2aの外側に設けられることで、ユニット部材を遊技領域2aの内側に設けずに済むので、遊技領域2aとして活用できるスペースを確保することができる。
また、変形例によれば、確変流路用カウントスイッチ23Bは、大入賞口に進入した遊技球が通過可能に設けられることで、遊技領域2aの周縁上に設けられる大入賞口に遊技者が注目するようになるので、遊技興趣を向上できる。また、大入賞口装置7A’が無色透明のユニット部材で構成され、確変流路用カウントスイッチ23Bを通過する遊技球を遊技者が視認可能であることで、遊技領域2aよりも外側の部分に遊技者が注目するようになるので、遊技興趣を向上できる。