本発明に係る遊技機を実施するための形態を各実施形態に基づいて以下に説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面200Aを前面側に有する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球Pが打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。また、ガラス扉枠50は、遊技機用枠3の前面全域を被覆可能な大きさに形成されており、ガラス窓50aの下方には打球操作ハンドル51が設けられている。尚、以下の説明においては、遊技球Pを遊技球と称することがある。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面200Aに障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板200と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。尚、本実施例の遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂材にて構成されていたが、これに限られるものではなく、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面視略四角形状に構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠52が設けられている。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2個所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右側方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、演出表示装置5の右側下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態とに変化する可動板を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、演出表示装置5の左側下方及び右側方位置には、入賞口形成部材により形成された一般入賞口401A,401B,401Cが設けられている。この一般入賞口401A,401B,401Cを通過(進入)した遊技球は、図示しない誘導通路により遊技盤2の背面側に設けられた入賞スイッチ30(図2参照)に誘導され、入賞スイッチ30により該遊技球が通過(進入)したことが検出される。そして、入賞スイッチ30により遊技球の通過(進入)が検出されたことに基づき、賞球として所定個数(例えば10個)の遊技球の払い出しのみが行われる。
第2保留表示器25Bの右側方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右側方位置には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する図示しない上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球やファール球などをパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出口(図示略)が設けられている。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、入賞スイッチ30からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、C
PU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。また、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
次に、図3〜図5に基づいて、パチンコ遊技機1の構造について説明する。図3は、遊技機用枠を開放した状態を示す斜視図である。図4は、遊技盤が取付けられた遊技機用枠を示す正面図である。図5は、(A)は上方の盤押え金具を示す斜視図、(B)は下方の盤押え金具を示す斜視図である。
図3に示すように、外枠60は、上板61、下板62、左側板63及び右側板64により縦長四角枠状に形成されている。上板61及び下板62は木材により板状に形成されており、遊技場等に設置される図示しない遊技島に釘等を介して設置固定できるようになっている。左側板63及び右側板64は、アルミニウム材の押出成型により板状に形成されている。
外枠60の開口下部には幕板214が設けられ、開口下部が閉塞されている。外枠60の左上角部及び左下角部には、遊技機用枠3の左上角部及び左下角部に設けられた上下方向を向く回動軸(図示略)を回動可能に支持する軸受部(図示略)が設けられており、遊技機用枠3は、外枠60の左側辺付近を中心として該外枠60の開口を閉鎖する閉鎖位置と開口を開放する開放位置との間で回動可能に支持されている。
図4に示すように、遊技機用枠3には、遊技盤2の背面側に設けられる遊技用部品ユニット(図示略)が挿入可能な大きさを有する開口部160が形成されている。また、開口部160の左側上下位置には、係止凹部161a,161bが設けられているとともに、右側上下位置には、盤押え金具162a,162bが設けられており、遊技盤2の左端部を係止凹部161a,161bに差し込んだ状態で、右端部を盤押え金具162a,162bで係止することにより取付けられるようになっている。
図5(A)に示すように、盤押え金具162aは、遊技機用枠3に固定されるベース部170と、ベース部170に対し右側に設けられた上下方向を向く回動軸171を中心として回動可能に設けられた回動部172と、回動部172に対しスライド移動可能に設けられた係止部173と、回動部172の回動軸171側から下方に垂下されるレール押え片174と、から主に構成される。
回動部172は、回動軸171に環装されたコイルバネ(図示略)により常時開放方向に向けて付勢されており、下部には、遊技盤2の前面上辺右側を前側から押える盤押え片172aが左右方向に向けて延設されている。係止部173は、ベース部170に形成された被係止部(図示略)に係止可能な係止爪(図示略)と、係止解除操作を行うための操作片173bと、を有し、圧縮バネ(図示略)により常時係止方向に向けて付勢されている。
このように構成された盤押え金具162aは、図5(A)において2点鎖線で示す係止解除状態において、回動部172をコイルバネ(図示略)の付勢力に抗して係止位置(図5(A)において実線で示す位置)へ移動させることで、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止される係止状態となる。また、図5(A)において実線で示す係止状態において、圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して操作片173bを操作して係止部173を回動軸171側へ移動させると、図5(A)に示すように係止爪(図示略)による被係止部(図示略)への係止が解除され、回動部172がコイルバネ(図示略)の付勢力により開放位置へ回動する。
図5(B)に示すように、盤押え金具162bは、遊技機用枠3に固定されるベース部180と、ベース部180に対し右側に設けられた上下方向を向く回動軸181を中心として回動可能に設けられた回動部182と、回動部182に対しスライド移動可能に設けられた係止部183と、から主に構成される。
回動部182は、回動軸181に環装されたコイルバネ184により常時開放方向に向けて付勢されており、下部には、遊技盤2の前面下辺右側を前側から押える盤押え片182aが左右方向に向けて延設されている。係止部183は、ベース部180に形成された被係止部(図示略)に係止可能な係止爪(図示略)と、係止解除操作を行うための操作片183bと、を有し、圧縮バネ(図示略)により常時係止方向に向けて付勢されている。
このように構成された盤押え金具162bは、図5(B)において2点鎖線で示す係止解除状態において、回動部182をコイルバネ(図示略)の付勢力に抗して係止位置(図5(B)において実線で示す位置)へ移動させることで、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止される係止状態となる。また、図5(B)において実線で示す係止状態において、圧縮バネ(図示略)の付勢力に抗して操作片183bを操作して係止部183を回動軸181側へ移動させると、図5(B)に示すように係止爪(図示略)による被係止部(図示略)への係止が解除され、回動部182がコイルバネ(図示略)の付勢力により開放位置へ回動する。
ここで、遊技盤2の遊技機用枠3への取付方法について、図4、図5に基づいて説明する。遊技盤2を遊技機用枠3へ取付ける場合、まず、上下の盤押え金具162a,162bの回動部172,182及び係止部173,183を開放位置へ移動しておく。次いで、遊技盤2の背面を開口部160に向けた状態で、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の左側辺部を係止凹部161a,161bに差し込み、該係止凹部161a,161bを中心として遊技盤2の右側辺部を後方に向けて押し込む。そして、遊技盤2の背面周縁部が遊技機用枠3の開口部160の周縁部に当接することで遊技盤2が遊技機用枠3に位置決めされ、遊技盤2の背面が開口部160を介して背面側に臨む。
また、遊技機用枠3の前方から遊技盤2の左側辺部を係止凹部161a,161bに差し込み、該係止凹部161a,161bを中心として遊技盤2の右側辺部を後方に向けて押し込んで遊技盤2を開口部160に配置した状態で、上下の盤押え金具162a,162bの回動部172,182及び係止部173,183を開放位置から係止位置へ移動することで、遊技盤2の前面における上下辺部の右側が盤押え片172a,182aにより前方から押えられる。そして、係止爪(図示略)が被係止部(図示略)に係止されることで、遊技盤2が係止凹部161a,161bと上下の盤押え金具162a,162bとにより遊技機用枠3に取付けられた状態で保持される。また、盤押え片172a,182aは遊技盤2の上下辺に沿って延設される平坦面を有しており、該平坦面にて遊技盤2の前面上下辺部を押えるため、遊技盤2を安定して遊技機用枠3に保持することができる。
また、レール押え片174は、後述するレール飾り枠410の前面上右部に対向する平坦面を有しており、該平坦面にてレール飾り枠410の前面上右部を押えるため、レール飾り枠410を安定して保持することができる(図4、図6参照)。
次に、遊技盤2について、図6及び図7に基づいて説明する。図6は、遊技盤を示す正面図である。図7は、遊技盤等の構成を示す分解斜視図である。
図6及び図7に示すように、遊技盤2は、盤面板200と、該盤面板200の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材250と、から主に構成されている。盤面板200の厚さは約10mm程度であり、全体が透明に形成されている。また、盤面板200は、その前面側に該盤面板200と略平行に配置されるガラス窓50aとの間に遊技領域10を形成する。
尚、本実施例では盤面板200全体が透明に形成されているが、当該盤面板200の前面側からその背面側に配設される装飾体(図示略)等を透視可能な透光性部材にて形成されていれば、半透明であってもよいし、着色されていてもよい。また、全体が透光性を有していなくても、少なくとも遊技領域10の一部に透光部が形成されていてもよい。
スペーサ部材250は、非透光性部材により正面視略四角枠状に形成され、盤面板200の背面周縁部が配置される取付部250Aを有し、該取付部250Aの前面部には、盤面板200の位置を決定するための位置決め用ボスが複数突設されているとともに、取付ネジが螺入されるネジ孔を有する取付用ボスが複数突設されている。尚、スペーサ部材250における取付部250Aの板厚は約10mm程度とされているため、スペーサ部材250と盤面板200とで板厚が約20mmの遊技盤2が形成されるようになっている。
盤面板200には、背面側に配設される演出表示装置5の表示画面を前面側に臨ませるとともに、センター飾り枠52が取付けられる第1孔部201と、特別可変入賞球装置7、普通可変入賞球装置6B及び誘導通路を有する第1誘導部材ユニット300が取付けられる第2孔部202と、普通入賞球装置6Aが取付けられる第3孔部203と、アウト口16を形成する第4孔部204と、通過ゲート41が取付けられる第5孔部205と、一般入賞口形成部材が取付けられる第6孔部206A〜206Cと、が前後方向に貫通して形成されている(図7参照)。
また、盤面板200の前面である遊技盤面200Aにおける第1誘導部材ユニット300の右斜め上方位置には遊技球を誘導する第2誘導部材ユニット301が取付けられ、一般入賞口形成部材の左方位置には、遊技球を誘導する第3誘導部材ユニット302が取付けられている。
また、遊技盤面200Aには、遊技領域10の周囲に設けられる案内レール500が取付けられている。この案内レール500は、遊技領域10の外縁を形成する外レールと、外レールの内側に取付けられる内レール501(レール部材)と、を備えている。詳しくは、外レールは、遊技領域10の左下から右上にかけて湾曲しながら延びる第1外レール502と、第1外レール502における右端(前記発射口と反対側の端部)から下方側に所定長さ延び、そこからアウト口16に向けて所定長さ延びる第2外レール503と、からなる。第1外レール502は、帯板状の金属材からなり、該第1外レール502の外側に配設されるレール飾り枠410の円弧状の内側面に嵌め込まれた状態で遊技盤面200Aに対してレール飾り枠410が複数のネジN1で固定することにより取付けられる。尚、図4、図6では、説明の便宜上、実際よりもネジN1の数を減らして図示している。
また、第2外レール503は、合成樹脂材からなり、遊技盤面200Aに対して複数のネジN2により取付けられる。この第2外レール503の下部には、前述した第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普通図柄表示器20、普図保留表示器25Cが設けられている。また、第2外レール503の右側には、製造年月日等が表記された第三者機関発行の図示しないラベル(証紙)が貼付されるラベル貼付部520が形成されている。ラベルが貼られていない遊技機はホールに配置することができないため、ラベル貼付部520を有する第2外レール503は、盤面板200から容易に取外すことができないように固定されている。
内レール501は、合成樹脂材からなり、第2外レール503の左端から右側に湾曲しながら所定長さ上方に円弧状に延びている。この内レール501は、第2外レール503の左端(第2外レール503の下部の左端)に設けられた係止溝503aに係止可能な係止爪501aを備えており、係止溝503aと係止爪501aとの係止により第2外レール503に対して連結される。つまり、内レール501は、盤面板200に強固に固定される第2外レール503とユニット化されるため、盤面板200に安定して取付けることができる。また、内レール501は、後述する固定部504T,504Uにて遊技盤面200Aに対して複数のネジN3により取付けられる。
尚、第1外レール502(レール飾り枠410)、第2外レール503、内レール501がネジN1、ネジN2、ネジN3により盤面板200に固定される形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、溶接や圧入によって盤面板200に取付け(固定)されてもよい。
内レール501と第1外レール502との間には、発射球通路402が形成され、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pが発射球通路402に案内されて遊技領域10内に流入する。具体的には、遊技盤2の右下方に設けられる図示しない打球発射装置から打ち出された遊技球Pは、第1外レール502に沿って発射球通路402を上方に向けて移動して遊技領域10の左上部へ誘導される。そして、遊技者が打球操作ハンドル51を第1操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠52の左側の第1経路K1を流下し、遊技者が打球操作ハンドル51を第1操作よりも発射強度が強くなる第2操作した場合、遊技領域10に進入した遊技球Pはセンター飾り枠52の右側の第2経路K2を流下するようになっている。
尚、内レール501の自由端(上端)には、球戻り防止装置700が設けられている。この球戻り防止装置700は、内レール501の自由端に対し揺動可能に軸支される板状の開閉部701を有し、開閉部701が、図示しない錘部により発射球通路402を閉塞するように付勢されている。また、開閉部701が発射球通路402を閉塞した状態にあっては、前記錘部が内レール501に係止しており、それ以上左回りに回動しないようになっている(図6参照)。これによれば、打球発射装置から打ちこまれた遊技球Pは、前記錘部による付勢に抗して開閉部701を跳ね上げて遊技領域10内に流入するとともに、遊技領域10から発射球通路402内に戻ろうとする遊技球Pは、開閉部701によって発射球通路402内への戻りが防止される。
次に、第1外レール502の外側に配設されるレール飾り枠410について、図7を参照して説明する。レール飾り枠410は、遊技領域10の左下から左上を介して右上に亘る弧状に形成された樹脂製部材である。このレール飾り枠410の円弧状の内側面には第1外レール502が装着される。また、レール飾り枠410の内側面において第1外レール502の先端部(図6の右上部)が取付けられる箇所には、ゴムなどの弾性体で形成された弾性部材600が被衝突体として取付けられており、所定以上の勢いで打球発射装置(図示略)から発射され第1外レール502の内側面に沿って移動してきた遊技球が弾性部材600に当たって勢いを減衰しつつ遊技領域10の中央部側へ跳ね返される。
また、第1外レール502には、弾性部材600を保持する保持部が形成されている。保持部は、弾性部材600に穿設された貫通孔602に圧入される突出部422(図9(B)参照)が内側面に形成された板状の第1保持部421と、弾性部材600において遊技球が衝突する被衝突面601とは反対側の面である裏側面604に対向する第2保持部423とを少なくとも備えている。
第1保持部421は、弾性部材600の貫通孔602に該第1保持部421の突出部422が圧入されることで弾性部材600を支持するとともに、弾性部材600に遊技球が衝突した場合でも弾性部材600の位置がずれないようにしている。また、第1保持部421の突出部422から引き抜くことで弾性部材600を取外すことができるので、メンテナンス性が向上する。
第1保持部421の突出部422には、突出方向の根本部と先端部との間に段差部424が形成されており、弾性部材600の貫通孔602に形成された段差部603に係合することにより、遊技球が衝突しても弾性部材600の位置がずれるのを防止する。
また、突出部422においては、段差部424を境界として先端部の径よりも根本部の径が太くなっている。このため、該突出部422の耐久性を高めて丈夫にすることができ、該突出部422の折損を防止できる。
また、第1保持部421は、内側面(後面)に突出部422が形成された板状部425を有し、この板状部425の外側面(前面)には、突出部422に対応する部分から突出部422の内部に向かって凹設された凹部426が形成されている。この凹部426を設けて突出部422の内部を肉抜き成形することで、該突出部422の耐久性を向上できる。また、第1保持部421の前面には、シール部材が貼付されることで、第1保持部421の前面に形成された凹部426の前面開口が閉塞されるようになっている。
第2保持部423は、弾性部材600の裏側面604に設けられた段差部605に係合する被係合部427を有している。このため、遊技球が衝突するなどして弾性部材600に衝撃が与えられても、該弾性部材600の位置がずれたり、該弾性部材600が貫通孔602に圧入された突出部422を中心として回転したりするのを防止できる。
また、弾性部材600が保持部(第1保持部421及び第2保持部423)に取付けられ、該保持部を有するレール飾り枠410が遊技盤2に取付けられた状態においては、図9(B)に示すように、弾性部材600と遊技盤2との間に間隙26が形成される。この間隙26を有することで、弾性部材600に遊技球が衝突した衝撃が遊技盤2に伝播する
のを防止している。
弾性部材600は、図10に示すように、略直方体状に形成されており、貫通孔602の形状である円筒形状の中心と被衝突面601との距離L1は、貫通孔602の形状である円筒形状の中心と裏側面604との距離L2よりも長くなっている。これにより、被衝突面601に遊技球が衝突した衝撃を距離L1の範囲にある弾性部材600の弾性体で十分に吸収することができる。
また、弾性部材600は、保持部(第1保持部421及び第2保持部423)により保持された状態において、少なくとも被衝突面601が第1保持部421の端部から突出している(図6参照)。このため、打球発射装置(図示略)から発射された遊技球が所定以上の勢いで第1外レール502に沿って飛んでくると、弾性部材600の被衝突面601に必ず衝突するようになり、第1保持部421には衝突しないので、第1保持部421の損傷を防止できる。
また、被衝突面601は、図9(A)に示すように、保持部(第1保持部421及び第2保持部423)により保持された状態において、図9(A)に示すように、被衝突面601が第1外レール502の所定点における接線に対し垂直な法線T1に対し遊技領域10の中央部側へ向けて開放するように所定角度θ1傾くとともに、遊技盤面200Aに対し垂直な垂線T2に対し遊技盤面200A側へ向けて所定角度θ2傾く傾斜面として形成されている。
よって、第1外レール502に沿って移動してきた遊技球Pが保持部(第1保持部421及び第2保持部423)により保持された被衝突面601に衝突したとき、該遊技球Pを第1外レール502から離れる方向へ向けて遊技盤面200A側へ跳ね返す。よって、弾性部材600の下方に広がる遊技領域10において第1外レール502から離れた位置に設けられた通過ゲート41や一般入賞口401Cへ誘導することができるとともに、跳ね返った遊技球Pが第1外レール502に沿って移動してきた後続の遊技球Pと衝突して後続球の流下に影響を及ぼすことを回避できる。また、跳ね返った遊技球Pがガラス窓50aへ衝突してガラス窓50aを傷付けることを回避できる。
このように弾性部材600は、保持部(第1保持部421及び第2保持部423)により保持された状態における被衝突面601の傾きや反発力等に応じて遊技球Pの跳ね返り角度や速度に影響が及ぶものであるため、保持された状態で傾きが変わることがあると跳ね返された遊技球Pの流下経路にも影響を及ぼす部材である。
また、弾性部材600における貫通孔602の開口周縁は、面取りされている。これにより、弾性部材600の向き(表裏)を間違えることがなくなるととともに、該貫通孔602に対してレール飾り枠410の第1保持部421の突出部422が挿入容易となる。
また、弾性部材600においては、前述したように、貫通孔602の形状である円筒形状の中心と被衝突面601との距離L1が、貫通孔602の形状である円筒形状の中心と裏側面604との距離L2よりも長くなっている。このため、レール飾り枠410に対して弾性部材600を取付けるときの向きを間違えることがなくなる。
また、弾性部材600において、貫通孔602は、略直方体状の6つの面のうちの1の面とこれに対向する1の面とを貫いた孔として穿設されており、この貫通孔602に挿入される第1保持部421の突出部422は、その端部が少なくとも貫通孔602の中間地点かあるいはこれよりも奥側に達している。これにより、遊技球が衝突したときの衝撃の吸収性を高めることができる。尚、弾性部材600に穿設される孔は、貫通孔に限るものではなく、貫通していない穴であってもよい。
第1外レール502の右側の先端部には、図11に示すように、発生した静電気を逃がすためのアース511が形成されている。また、第1外レール502におけるアース511の近傍には、円弧状の第1外レール502の外側に向かって湾曲した曲状部512が形成されている。この曲状部512を有することにより、第1外レール502のアース511をレール飾り枠410の裏面側に嵌め込む作業が容易となる。例えば、レール飾り枠410の左下部に第1外レール502の左下部を嵌合し、レール飾り枠410の内側面に第1外レール502を沿わせていき、アース511をレール飾り枠410の右上部における背面側に嵌め込むときに、曲状部512を曲げるなどして、そのアース511の向きを微調整しながらレール飾り枠410の右上部における背面側の所定位置に嵌め込むことができる(図9(A)参照)。
また、図9(C)に示すように、第1外レール502と弾性部材600とは、レール飾り枠410に取付けられた状態において互いに所定の隙間を隔てて配置されている。よって、例えば、第1外レール502に沿って遊技球Pが移動することにより生じる振動が弾性部材600に伝達されて遊技球Pの跳ね返り角度や速度等に影響を及ぶことがないようにしている。また、弾性部材600に遊技球Pが衝突することにより生じる振動が第1外レール502に伝達されて第1外レール502に沿って移動する遊技球Pの流下経路に影響を及ぼすことが回避される。
また、弾性部材600は、レール飾り枠410に取付けられた状態において第1外レール502の端部に形成された曲状部512の近傍位置に近接した状態で設けられている。つまり、図9(A)に示すように、第1外レール502は、弾性部材600に沿って配置されているが、曲状部512が設けられていることにより一部が弾性部材600から離れて配置されるため、弾性部材600における第1外レール502側の面を第2保持部423の一部により第1外レール502側から覆うように保持することができるため、弾性部材600を安定して支持できる。
尚、図8に示すように、アース511は、第1外レール502の背面側に取付けられた状態において、その一部が第1外レール502に形成された孔部507を介して前面側に突出するようになっており、該突出した部分は、ガラス扉枠50を閉鎖したときに該ガラス扉枠50の背面に設けられたアース部材(図示略)に接触するようになっている。
また、図11(B)に示すように、第1外レール502の曲状部512には、湾曲する方向に沿ってスリット513を穿設することができる。このスリット513を穿設することにより、レール飾り枠410の右上部における背面側にアース511を嵌め込むときに、アース511の向きを微調整することが容易となる。
レール飾り枠410の右側部端部と第2外レール503の上端部とを接合する部分においては、図12(A)に示すように、レール飾り枠410の右側部端部において前面側から背面側に向かって凹設された被係合部420に対し、第2外レール503の上端部において前面側から背面側に向かって突設された係合部530が嵌合するようになっている。これにより、レール飾り枠410は、第2外レール503により前方から後方へ押えられた状態となるので、該レール飾り枠410の安定性が向上する。
このように構成された遊技盤2にあっては、遊技球が衝突する弾性部材600がレール飾り枠410の保持部(第1保持部421及び第2保持部423)に保持される。そして、このレール飾り枠410が複数のネジN1を用いて盤面板200に螺着固定されることで、弾性部材600が盤面板200における所定位置に配置される。すなわち、弾性部材600は、レール飾り枠410を介して盤面板200の所定位置に設けられる。
そして、盤面板200にレール飾り枠410に取付けた後、第2外レール503が盤面板200に複数のネジN2により取付けられることで、第2外レール503の係合部530がレール飾り枠410の被係合部420に係合し、レール飾り枠410の右下端部が第2外レール503により前面側から押えられることで、レール飾り枠410が盤面板200に保持される。
さらに、レール飾り枠410、第2外レール503、内レール501が盤面板200に取付けられた遊技盤2を遊技機用枠3に組付け、レール飾り枠410の右上端部が盤押え金具162aのレール押え片174により前面側から押えられることで、レール飾り枠410が盤面板200に保持される。
このように、弾性部材600を保持するレール飾り枠410を盤面板200に取付けることで、弾性部材600が遊技領域10の所定位置に保持されるとともに、遊技盤2を遊技機用枠3に組付け、レール飾り枠410の複数箇所が第2外レール503及びレール押え片174により前面側から押えられることで、このレール飾り枠410の安定性が向上するため、該レール飾り枠410により保持されている弾性部材600の保持位置からの位置ずれが抑制される。
尚、位置ずれとは、弾性部材600の保持位置から前側への位置ずれ、つまり、盤面板200の遊技盤面200Aから離れる方向への位置ずれや、突出部422を中心として回動する方向への位置ずれや、遊技盤面200Aに沿う方向への位置ずれ等も含む。
また、第2外レール503及び盤押え金具162aのレール押え片174は、ガラス扉枠50を開放した状態でレール飾り枠410を盤面板200に保持する第2保持体として機能する。尚、特に図示しないが、ガラス扉枠50のガラス窓50aは、閉鎖位置にあるときにレール飾り枠410の第1保持部421の前面に近接または当接するので、閉鎖位置にあるときには第2保持体として機能するが、開放位置にあるときには第2保持体としては機能しない。
また、パチンコ遊技機1においては、図6に示すように、遊技領域10におけるセンター飾り枠52の右側の第2経路K2に通過ゲート41や一般入賞口401C及び図示しない複数の障害釘が設けられており、レール飾り枠410の第1保持部421で保持された弾性部材600に衝突した遊技球がその衝突により軌道を変えながら第2経路K2を流下すると、通過ゲート41を通過し、あるいは一般入賞口401Cへ進入することがある。前述したように、遊技球が通過ゲート41を通過すると普通図柄の変動表示が開始され、普通可変入賞球装置6Bが開放状態となり第2始動入賞口へ遊技球が入賞すれば、第2特別図柄の変動表示が開始されて大当り遊技状態に制御される可能性がある。また、遊技球が一般入賞口401Cへ入賞すれば所定数の賞球が得られる。
すなわち、弾性部材600に衝突した遊技球が第2経路K2を流下することで、遊技者にとって有利な価値(例えば、大当り遊技状態や賞球)が付与される可能性がある。ここで、遊技球が第2経路K2を流下する経路は、弾性部材600に衝突したときの跳ね返り量や角度によって変化することがある。このため、その弾性部材600が、遊技球が遊技者にとって有利な方向へ跳ね返るように形成された不正な弾性部材に交換されたり、弾性部材600の向きを不正に変更されるなどして跳ね返り量等が変えられると、通過ゲート41を通過したりあるいは一般入賞口401Cへ進入したりする遊技球の数が増加して、遊技者にとって有利な価値が付与される可能性が高くなる虞がある。
そこで、弾性部材600を保持する第1保持体であるレール飾り枠410の複数個所がネジN1で螺着固定されていることで、弾性部材600を盤面板200から取外すには複数のネジN1を取外す必要が生じる。また、そのレール飾り枠410を保持する第2保持体である盤押え金具162aのレール押え片174や第2外レール503の係合部530を備えることで、レール飾り枠410を盤面板200から取外すには、盤押え金具162aによる係止状態を解除したり、第2外レール503を盤面板200から取外したりする必要が生じる。よって、このようにレール飾り枠410の取り外しを困難にして、弾性部材600の交換を困難なものとすることで、弾性部材600に対する不正行為を抑制することができる。
また、図12(A)、(B)に示すように、パチンコ遊技機1を正面視したときに、第1外レール502の左側端部LTは、開放されたガラス扉枠50の内側面を含む仮想延長面GTよりも左側に位置している。これにより、遊技機用枠3に遊技盤2が組付けられた状態において、第1外レール502が取付けられたレール飾り枠410を取外そうとする場合には、ガラス扉枠50を大きく開放しなければならず、また、大きく開放したとしても第1外レール502を前側に取外そうとしたときに該第1外レールの左部がガラス扉枠50に当接する虞があることから、レール飾り枠410の取り外しが困難になる。これにより、弾性部材600の交換を困難なものとすることができるので、該弾性部材600に対する不正行為をより好適に抑制することができる。
さらに、レール飾り枠410は、複数のネジN1を用いて遊技盤2に螺着固定されるが、ネジN1が挿通されるネジ孔がレール飾り枠410の全体に亘って複数箇所に穿設されている。例えば、図12に示すように、レール飾り枠410は、遊技領域10の左下側から左上側さらには右上側にまで位置しているが、これら左下側、左上側、右上側のそれぞれと、遊技領域10の上側や左側にもネジ孔が穿設されており、複数のネジN1を用いて遊技盤2に螺着固定されている。このため、レール飾り枠410を取り外し弾性部材600を交換して遊技球の跳ね返り量や角度を変更する不正行為を行う場合、それら複数のネジN1をすべて取外す手間がかかるようになり、不正行為を行う意欲が減衰することから該不正行為の発生を抑制できる。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技媒体が衝突する被衝突体である弾性部材600と、遊技盤2に取付けられ、弾性部材600を遊技盤2の所定位置に保持するレール飾り枠410であるレール飾り枠410と、遊技盤2に取付けられたレール飾り枠410を保持する第2保持体である盤押え金具162aのレール押え片174、第2外レール503、ネジN1、ガラス扉枠50と、を備えている。このようにすることで、弾性部材600を保持するレール飾り枠410が遊技盤に取付けられた状態で各第2保持体により保持されることで、レール飾り枠410の安定性が向上するため、弾性部材600の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できる。
また、前記実施例では、レール飾り枠410は、各第2保持体による保持状態を解除すること、例えば、ガラス扉枠50を開放し、盤押え金具162aと第2外レール503とネジN1とを取外すことをしない限り、遊技盤2から取外すことができないこととしている。このようにすることで、レール飾り枠410が遊技盤2から容易に取外されることを抑制できる。
また、前記実施例では、レール飾り枠410は、弾性部材600の保持位置からの位置ずれを規制する規制部であるレール飾り枠410の第1保持部421の板状部425及び突出部422、第2保持部423の係合突部428を有している。このようにすることで、レール飾り枠410に対し弾性部材600が位置ずれして遊技性が損なわれることを抑制できる。また、弾性部材600の背面606には係合突部428が係合しており、該弾性部材600が外しにくくなっているので、該弾性部材600を不正に交換する行為を抑制できる。
また、前記実施例では、規制部は、弾性部材600を保持した状態において該弾性部材600が当接する当接面であって、互いに向きが異なる複数の当接面であるレール飾り枠410の第1保持部421における板状部425の内側面(後面)と、第2保持部423において弾性部材600に当接する面から構成されている。このようにすることで、被衝突体を向きが異なる複数の当接面で押えることができるので、該被衝突体の位置ずれを好適に抑制できる。特に、図9(A)に示すように、第1外レール502に沿って移動してきた遊技球Pが被衝突面601に衝突する場合と、第1外レール502から若干離れた位置を移動してきた遊技球Pが被衝突面601に衝突する場合とで、被衝突面601に衝突する位置が異なり、このような衝突位置のずれにより弾性部材600が突出部422を中心として回動することにより生じる位置ずれが防止される。
また、前記実施例では、レール飾り枠410は、弾性部材600に形成された挿入孔である貫通孔602に挿入される保持用ピンであるレール飾り枠410の第1保持部421の突出部422を有し、突出部422は、基部側である突出方向の根本部の外径が先端部側である先端部の外径よりも大きくなっている。このようにすることで、弾性部材600に生じる衝撃に対する保持用ピンの耐久性を高めることができる。
また、前記実施例では、レール飾り枠410は、弾性部材600に形成された挿入孔である貫通孔602に挿入される保持用ピンであるレール飾り枠410の第1保持部421の突出部422を有し、突出部422の内部には中空部である凹部426が形成されている。このようにすることで、突出部422の強度が高まるので、耐久性が向上する。
また、前記実施例では、弾性部材600は、少なくとも遊技球が衝突する衝突部である被衝突面601がレール飾り枠410の外側に位置するように該レール飾り枠410により保持されている。このようにすることで、レール飾り枠410に遊技球が衝突して該レール飾り枠410が破損することを抑制できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、被衝突体の一例として、ゴム材からなる弾性部材600を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、被衝突体は弾性体に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂材にて構成されていてもよい。
また、前記実施例では、弾性部材600を遊技盤2の所定位置に保持する第1保持体として、レール飾り枠410を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2外レール503や内レール501等の他のレール部材であってもよい。また、レール部材だけでなく、例えば、弾性部材600を保持するためだけに設けられた部材であってもよい。さらに、センター飾り枠52、第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302など遊技球が頻繁に衝突し得る部材であればよい。尚、センター飾り枠52とする場合、例えば、弾性部材600を左上部(所謂ぶっこみ位置)に設け、遊技領域10に進入した遊技球が衝突し得るように設けることが考えられる。
また、前記実施例では、遊技盤2に取付けられたレール飾り枠410を保持する第2保持体として、盤押え金具162aや第2外レール503を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、他のレール部材を適用してもよいし、センター飾り枠52や第1誘導部材ユニット300、第2誘導部材ユニット301、第3誘導部材ユニット302といった遊技球の誘導部材等を適用してもよい。
また、前記実施例では、遊技盤2に取付けられたレール飾り枠410を保持する第2保持体としての盤押え金具162aや第2外レール503は、レール飾り枠410を前方から遊技盤面200A側へ向けて押えるように保持する部材であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、レール飾り枠410の側面における複数個所を側方から支持するように保持する部材であってもよい。
また、前記実施例では、遊技盤2に取付けられたレール飾り枠410を保持する第2保持体としての盤押え金具162aや第2外レール503は、レール飾り枠410に当接して保持する部材とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、レール飾り枠410に近接して配置され、所定以上の位置ずれが生じないように保持する部材であってもよい。
また、前記実施例では、レール飾り枠410を遊技盤2に取付けるためのネジN1は、盤押え金具162aや第2外レール503による保持状態を解除しなくても取外すことができる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤押え金具162aや第2外レール503による保持状態を解除しなければ取外すことができないように設けられていてもよい。
また、前記実施例では、盤押え金具162aや第2外レール503による保持状態を解除しなければレール飾り枠410を遊技盤2から取外すことができない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、盤押え金具162aや第2外レール503による保持状態を解除しなくても、ネジN1さえ取外せばレール飾り枠410を遊技盤2から取外すことができるようにしてもよい。
また、前記実施例では、レール飾り枠410を盤面板200に螺着固定するための複数のネジN1は同一種類のものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる種類のもの、例えばプラスのネジとマイナスのネジを併用するようにしてもよい。これにより、これら複数のネジN1を取外すために複数の工具が必要となり手間がかかることから、弾性部材600を交換しようとする不正行為を抑制できる。
また、前記実施例では、レール飾り枠410とセンター飾り枠52とを別の部材で成型する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図13の変形例1に示すように、飾り枠800として一体で成型してもよい。すなわち、遊技球の移動する通路810において遊技盤2に沿って設けられた板状の側面部811を介して、センター飾り枠52とレール飾り枠410が繋がった形状としてもよい。このような形状を有する飾り枠800を設けることにより、部品を大型化して弾性部材600の位置がずれるのを防止するとともに、飾り枠800においてレール飾り枠410に相当する部分410’とセンター飾り枠52に相当する部分52’との間にて遊技球が通過する通路810の形状を安定させることができ、レール飾り枠410に相当する部分410’と通路810との位置関係がずれることで遊技性が損なわれることを抑制できる。
また、飾り枠800においては、通路810の側面部811からレール飾り枠410に相当する部分410’につながる部分において弾性部材600に対向する面に突部812を形成し、該突部812を弾性部材600に穿設された凹部608に圧入することで該弾性部材600を取付けるようにしてもよい。このように弾性部材600の凹部608に突部812を圧入することで、該弾性部材600の位置ずれを防止できる。
また、前記実施例では、弾性部材600の形状を略直方体状としたが、略直方体状に限るものではなく、例えば、立方体形状など、線対称や点対称の形状に形成してもよい。例えば、図14の変形例2に示すように、立方体状に形成された弾性部材600は、貫通孔602が穿設されていない4つの面をそれぞれ被衝突面601とし、1の被衝突面601が摩耗したときに該弾性部材600の向きを変えて他の被衝突面601を遊技球が衝突する面とすることとしてもよい。これにより、弾性部材600の一部に不正行為がなされたとしても、該弾性部材600の向きを変えることで、その不正行為による効果が生じないようにすることができる。また、1つの弾性部材600を長期間使用できる。
また、弾性部材600において貫通孔602に対し直交する面(例えば、上面)において、貫通孔602に対し平行な複数の被衝突面601のいずれかに対応する個所に所定のマーク部610を設けることが好ましい。このようにすることで、該マーク部610に対応する被衝突面601を基準として使用すれば、いずれの被衝突面601を使用したか分かりやすくなる。また、レール飾り枠410に対するマーク部610の配置位置を決定しておけば、レール飾り枠410に対するマーク部610の配置位置が変わったときに不正行為が行われた可能性があることを特定しやすくなる。
尚、マーク部610は、着色したり凹設したりするなどして設けてもよいし、あるいは、弾性部材600を金型成型にて製造する場合、エジェクタピンにより押し出すことで型抜きする際に形成されるエジェクタピン跡等を利用して用いてもよい。
また、図15の変形例3に示すように、レール飾り枠410の第2保持部423には、弾性部材600の背面606(弾性部材600において第1保持部421に対向する面とは反対側の面)に係合する係合突部428を形成してもよい。これにより、弾性部材600の位置ずれを防止できる。
また、図15に示すように、弾性部材600の背面606に、該背面606から突設されて遊技盤2に当接する当接部607を形成してもよい。これにより、弾性部材600の位置ずれを防止できる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図16はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図17は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2aを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠2aの下部表面には打球供給皿(上皿)3Aがある。打球供給皿3Aの下部には、打球供給皿3Aに収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿3B、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)51等が設けられている。また、ガラス扉枠2aの背面には、遊技盤2が着脱可能に取付けられている。遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
余剰球受皿(下皿)3Bを形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ142が取付けられている。なお、スティックコントローラ142には、遊技者がスティックコントローラ142の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン145(図18参照)が設けられ、スティックコントローラ142の操作桿の内部には、トリガボタン145に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ141(図18参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ142の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット143(図18参照)が設けられている。また、スティックコントローラ142には、スティックコントローラ142を振動動作させるためのバイブレータ用モータ146(図18参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3Aを形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ142の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン140が設けられている。プッシュボタン140は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン140の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン140に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ144(図18参照)が設けられていればよい。図16に示す構成例では、プッシュボタン140とスティックコントローラ142の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン140及びスティックコントローラ142の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン140とスティックコントローラ142との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域10の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置5が設けられている。遊技領域10における演出表示装置5の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)4Aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)4Bとが設けられている。
第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置5は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置5は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器4Aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器4Bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置5で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口22または第2始動入賞口24を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置5においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置5において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置5の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置5の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置5の下方には、第1始動入賞口22を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口22に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)22を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口24を有する可変入賞球装置6が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)24に入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ24Aによって検出される。可変入賞球装置6は、ソレノイド6Sによって開状態とされる。可変入賞球装置6が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口24に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6が開状態になっている状態では、第1始動入賞口22よりも、第2始動入賞口24に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口24に入賞しない。したがって、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口24よりも、第1始動入賞口22に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口22と第2始動入賞口24とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器4Bの上方には、第2始動入賞口24に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器4Bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口22に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器4Aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル51を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域10に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域10を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域10に入り、その後、遊技領域10を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口22に入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器4Aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口22への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口24に入り第2始動口スイッチ24Aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器4Bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口24への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置5は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器4Bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器4Aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置5における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置5の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、および、演出表示装置5のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図16に示すように、可変入賞球装置6の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21Sによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置7が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置5の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器20が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器20は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器20は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器20の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置6が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器20の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普図保留表示器25Cが設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普図保留表示器25Cは点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器20の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置5の上方には、役物19が設けられている。役物19は、遊技盤2と演出表示装置5との間に位置し、役物モータ19Mによって位置を変位することが可能である。役物19は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置5の前方の位置)に移動する。
遊技盤2の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口16がある。また、遊技領域10の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図17の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置7の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
ここで、本実施の形態の大当りでは、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。さらに、15ラウンドまでラウンドが継続するので、合計で約1500個の遊技球を獲得することができる。また、特別可変入賞球装置7が、開放状態とされたときに、所定期間(たとえば29秒間)が経過するまでに、特別可変入賞球装置7が閉鎖される直前に、偶然に遊技球が所定個数(たとえば10個)よりも多い特別個数(たとえば11個目や12個目)入賞することがある。このような、所定の基準を超える入賞を以下では、オーバー入賞とも称する。オーバー入賞が発生することで、遊技者はより多くの出玉を獲得することができる。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置6が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置6に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置6への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置6の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置6の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置6が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口24への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器4A,4Bや演出表示装置5における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口24への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口24への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置6、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置6への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図17に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、確変大当りの終了条件を次回の大当りが発生するまでという条件としてもよい。
図18は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図18には、払出制御基板37等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/O57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路550が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路550は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路550は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路550が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ24A、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置6を開閉するソレノイド6S、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド21Sを遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器20、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普図保留表示器25Cの表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ150、ROM121、RAM122、VDP109、および、I/O105等を搭載している。ROM121は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM122は、ワークメモリとして使用される。ROM121およびRAM122は、演出制御用マイクロコンピュータ150に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ150と共動して演出表示装置5の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ150は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置5の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ142のトリガボタン145に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ141から、I/O105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン140に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ144から、I/O105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ142の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット143から、I/O105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU120は、I/O105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ146に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ142を振動動作させる。また、演出制御用CPU120は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ19Mを駆動して役物19を動作させる。
図19は、各乱数を示す説明図である。図19においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図20は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図20(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図20(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図20(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路550のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図20(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図20(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図20(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図20(B)は、遊技球が第1始動入賞口22に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図20(C)は、遊技球が第2始動入賞口24に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図20(B)、および、図20(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図20(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図20(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図20(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図20(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図20(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図20(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図20(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図20(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図20(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図21を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図21は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図21には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図21(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図21に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図21の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図21の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図21(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図21のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図21(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図21(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図21のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図21(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図21(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図21(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図21(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図21(a),図21(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図21(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図21(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図21(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図21(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図21(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図21(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図21(a)および図21(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図21(c)および図21(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図21(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図21(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図22は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、図22に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150へ送信する。
図22のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図21に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口22または第2始動入賞口24への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ150に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ150に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ150が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口22または第2始動入賞口24への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ150が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
また、コマンドD0XXは、大入賞口への遊技球の入賞があったことを通知する大入賞口入賞通知コマンドである。大入賞口入賞通知コマンドは、たとえば、大入賞口を遊技球が通過したときに、主基板31から演出制御基板80と送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ100側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM55に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口22または第2始動入賞口24への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路550およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口22への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口24への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口22または第2始動入賞口24への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ150のRAM122に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ100が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路550を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図23は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図23に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ24Aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普図保留表示器25Cの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび普通図柄表示器20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ150に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ24Aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図24は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ100において、RAM55には、前述したように、第1始動入賞口22への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口24への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ22Aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路550やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ24Aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路550やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ150に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ150に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S307)に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ150に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ150の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ150(具体的には、演出制御用CPU120)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU120は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM122に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置5での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ150が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ150では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置5、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
ここで、演出制御基板80に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、たとえば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態等といった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。たとえば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、たとえば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作等といった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。たとえば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。たとえば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。たとえば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図26は、図25に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804)は、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行する。ラウンド後処理(S806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。また、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。大当り終了演出処理(S807)は、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU120は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM121に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
次に、本実施の形態で実行される各種の演出について説明する。本実施の形態では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中であるラウンド中には、遊技球の入賞によって付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される。ここで、遊技球数に関連した報知演出には、入賞した遊技球に対して払出される獲得遊技球の数を報知する演出が含まれる。また、遊技球数に関連した報知演出には、オーバー入賞が発生したときに報知の態様を変化させることでオーバー入賞の発生を報知する演出が含まれる。このように、遊技球数に関連した演出とは、獲得した遊技球(遊技球数)に対する何らかの報知を行なう演出である。
また、遊技球数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。たとえば、演出状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数となったことに基づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行される。
ラウンド中(大当り遊技状態中)においては、遊技球が特別可変入賞球装置7に入賞する毎に、付与された遊技球数が可変表示可能に表示される。また、ラウンド中(大当り遊技状態中)における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択することが可能である。また、オーバー入賞により獲得する遊技球数についても、遊技球数に関連した報知演出の遊技球数のカウントに考慮される。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図27は、報知演出を説明するための図である。ここで、本実施の形態では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図27では、2回目以降の大当りが実行された場合が示されている。
図27(a)は、大当り表示結果となっときの大当り遊技中の1ラウンド目における演出表示装置5の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。演出表示装置5の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像231が表示される。また、演出表示装置5の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像232が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像230に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期値としてAモード画像231が選択されているとともに、モード選択画像230の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ142を左右に操作することで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよいし、プッシュボタン140の押下げによりモードが切替るようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(たとえば、10秒)に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図27(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の演出表示装置5の表示画面を示す説明図である。また、図27(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の演出表示装置5の表示画面を示す説明図である。図27(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像225が表示される。獲得総数表示画像225は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。図27(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像224が表示される。図27(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報知画像224により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像223が表示される。なお、獲得総数表示画像225で表示される数字と第1報知画像224として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像225で表示される数字と第1報知画像224として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像225で表示される数字が2013、第1報知画像224として表示される数字が2000等)ことがある。
図27(c)は、図27(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置5の表示画面を示している。図27(c)に示すように、獲得総数表示画像225により、遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像224により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像223が図27(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置5の表示画面が図27(d)のようになる。図27(d)では、獲得総数表示画像225が5000個であることが示される。また、遊技球数が500の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像224により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。また、女の子画像223が図27(b)や図27(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超えたときは、第1報知画像224とともに女の子画像223も変化する。ここで、第1報知画像224と女の子画像223とは、次の第1報知画像224と女の子画像223に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像224と女の子画像223とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい。
次に図27(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図27(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像235が表示される。獲得総数表示画像235は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像235とAモードでの獲得総数表示画像225は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図27(e)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像233が表示される。Bモードでは、このような男の子画像233による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。なお、図27(e)では、男の子画像233を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図27(f)は、図27(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の演出表示装置5の表示画面を示している。図27(f)に示すように、獲得総数表示画像235により遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像234により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像234が表示される。図27(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超えたときに第2報知画像234により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。第2報知画像234は所定時間経過により消去される(たとえば、表示されてから2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、演出表示装置5の表示画面が図27(g)のようになる。図27(g)では、獲得総数表示画像235が5000個であることが示される。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像234により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像233は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
図27に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像224により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像234により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図27(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎に第1報知画像224により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図27(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎に第2報知画像234により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図27のAモードの獲得総数表示画像225,Bモードの獲得総数表示画像235に示すように、特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像230が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
図28は、図25のS704にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図28では特に、大入賞口に遊技球の入賞があったときに設定される各種のフラグについて説明する。図28に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板77を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S511)。演出制御用CPU120は、受信コマンドがない場合には(S511でN)、コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御用CPU120は、受信コマンドがある場合には(S511でY)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(S512)。演出制御用CPU120は、大入賞口入賞通知コマンドである場合には(S512でY)、演出制御カウンタ設定部に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(S513)。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。そして、演出制御用CPU120は、演出制御フラグ設定部に設けられている大入賞口入賞フラグをセットし(S514)、S515の処理へ移行する。大入賞口入賞フラグは、大入賞口に遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S515において、演出制御用CPU120は、オーバー入賞であるか否かを判定する。たとえば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(入賞上限判定値よりも1大きい値。本実施形態では入賞上限判定値は「10」であるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。演出制御用CPU120は、オーバー入賞でない場合には(S515でN)、コマンド解析処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、オーバー入賞である場合には(S515でY)、オーバー入賞フラグをセットし(S516)、コマンド解析処理を終了する。オーバー入賞フラグは、大入賞口へ入賞上限判定値を超えて遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S512おいて、演出制御用CPU120は、受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでない場合には(S512でN)、受信コマンドに応じた設定を行ない(S517)、コマンド解析処理を終了する。
図29および図30は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(S805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU120は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S920)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM122に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU120によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S921)。次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(演出表示装置5、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(S922)。たとえば、演出表示装置5においてラウンド中演出に応じた画像を表示させるために、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがってROM121から画像データを読出し、読出した画像データをVDP109に出力するとともに制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU120は、第1ラウンドの開始時であるか否かを判定する(S923)。第1ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。演出制御用CPU120は、第1ラウンドの開始時であると判定した場合には(S923でY)、図27(a)に示すようなモード選択画面を表示し(S924)、S925の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、第1ラウンドの開始時でないと判定した場合には(S923でN)、S924からS926の処理を行なわずに、S928の処理へ移行する。
S925において、演出制御用CPU120は、選択されたモードがAモードであるか否かを判定する。演出制御用CPU120は、選択されたモードがAモードである場合には(S925でY)、Aモードフラグをセットし(S926)、S928の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、選択されたモードがAモードでない場合には(S925でN)、Bモードフラグをセットし(S927)、S928の処理へ移行する。ここで、遊技者がモード選択画面を表示中にモードを選択しない場合には、初期値として設定されているAモードが選択される。
次いで、S928において、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図28のS514において設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフラグである。演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされている場合には(S928でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S929)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされていない場合には(S928でN)、オーバー入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S930)。オーバー入賞フラグは、図28のS516において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定されるフラグである。
演出制御用CPU120は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S930でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S931)、S932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、オーバー入賞フラグがセットされていない場合には(S930でN)、S932とS933の処理を行なわずに、S940の処理へ移行する。
S932において、演出制御用CPU120は、入賞カウンタの値を1加算し、モードに応じた獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S933)、S940の処理へ移行する。S933においては、たとえば、図27(b)や図27(e)に示すように、Aモードでの獲得総数表示画像225やBモードでの獲得総数表示画像235が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していくことになる。なお、ラウンド中に大入賞口以外の払出しのある入賞口に遊技球が入賞した場合についても獲得総数の表示を更新する処理を実行するようにしてもよい。
S940において、演出制御用CPU120は、Aモードフラグがセットされているか否かを判定する。演出制御用CPU120は、Aモードフラグがセットされている場合には(S940でY)、S941の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、Aモードフラグがセットされていない場合(すなわち、Bモードフラグがセットされている場合)には(S940でN)、S943の処理へ移行する。
S941において、演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えた場合には(S941でY)、Aモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S942)、S945の処理へ移行する。たとえば、Aモードの表示とは、図27(b)〜(d)に示すように、第1報知画像224や女の子画像223を遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたときに表示する(変更する)処理である。Aモードによる表示は、次の表示の更新まで継続して表示される。一方、演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S941でN)、S942の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S943において、演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えた場合には(S943でY)、Bモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S944)、S945の処理へ移行する。たとえば、Bモードの表示とは、図27(f),(g)に示すように、第2報知画像234を遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示する処理である。ここで、Bモードによる第2報知画像234の表示は、所定時間経過後に消去される。たとえば、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示されて後から2秒後に消去される。なお、第2報知画像234の表示は、実行されているラウンドが終了したタイミングで消去されるようにしてもよい。一方、演出制御用CPU120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えていない場合には(S943でN)、S944の処理を行なわずに、S945の処理へ移行する。
S945において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S945でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S946)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S947)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S945でN)、S946とS947の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S920において、演出制御用CPU120は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S920でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S934)。次いで、演出制御用CPU120は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S935)。そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(S936)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に設定し(S937)、ラウンド中処理を終了する。
図29のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像225やBモードでの獲得総数表示画像235が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
なお、図29では、S940においてAモードフラグが設定されているか否かを判定した後に、遊技球の獲得総数の判定がされる場合を示した。しかし、遊技球の獲得総数を先に判定し、その判定値が所定の個数を超えている場合に、AモードであるかBモードであるかを確認することで、表示する画像が決定されるようにしてもよい。
[第3実施形態]
第3実施形態では、遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したときに実行される報知演出による遊技の興趣を向上させることができる遊技機について説明する。たとえば、このような遊技機は、以下のようなものである。
(1) 本発明による遊技機は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞し易い(入賞可能)な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞し難いまたは入賞不可能な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する特別可変入賞球装置(大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、有利状態制御手段は、有利状態として、少なくとも第1有利状態(たとえば、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(たとえば、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)とに制御可能であり、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150におけるステップS3923,S3924と同様の処理を実行する部分)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本発明による遊技機の他の態様は、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞し易い(入賞可能)な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞し難いまたは入賞不可能な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、第1特別可変入賞球装置7a(第1大入賞口)、第2特別可変入賞球装置7b(第2大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(たとえば、確変状態)に制御可能な特別状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)と、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150におけるステップS3923,S3924を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) (1)において、報知演出実行手段は、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150は、通常大当りであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(4) (2)において、報知演出実行手段は、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(5) (1)または(3)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150は、通常大当りであると判定すると、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(6) (2)または(4)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS3920でNのときステップS3925を実行する部分)、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3921,S3922でNのとき、ステップS3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(7) (1)、(3)、または(5)のうちのいずれかにおいて、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(たとえば、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(たとえば、図34(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150は、S3928と同様の処理を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、特定演出を実行する前に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行せず(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150は、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行しない)、特定演出を実行した後に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ150は、昇格演出が実行された後の第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、ステップS3923,S3924を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(8) (2)、(4)、または(6)のうちのいずれかにおいて、有利状態において特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(たとえば、確変確定報知)を実行可能な特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150におけるステップS3908〜S3916を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(たとえば、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、第6ラウンドである場合には、ステップS3921でNと判定し、ステップS3923,S3924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
(9) (1)から(8)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(たとえば、第1大入賞口LEDのレインボー発光)および音出力(たとえば、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、ステップS3923,S3925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
(10) (1)から(9)のうちのいずれかにおいて、所定演出を実行する所定演出実行手段(たとえば、賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU120等)を備え、所定演出実行手段は、所定演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1所定演出(たとえば、大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2所定演出(たとえば、連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)とを実行可能であり、第1所定演出と第2所定演出とで優先度合いが異なる(たとえば、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないことなど)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、複数の所定演出を好適に実行することができる。
(11) (1)から(10)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、所定数よりも多い第1特定数目(たとえば、11個目)の入賞と該第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目(たとえば、12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ150は、11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定数よりも多い第1特定数目の入賞と第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で所定数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
第3実施形態についてさらに詳細に説明する。ここで、第3実施形態においては、図16に示す可変入賞球装置6の下方に、特別可変入賞球装置7に代えて、第1特別可変入賞球装置7aが設けられているものとする。第1特別可変入賞球装置7aは開閉板を備え、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチで検出される。また、第1特別可変入賞球装置7aの内部には、第1大入賞口LEDが設けられている。なお、この実施の形態では、第1大入賞口LEDは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、第1特別可変入賞球装置7aの下方には、第2特別可変入賞球装置7bが設けられているものとする。第2特別可変入賞球装置7bは開閉板を備え、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチで検出される。また、この実施の形態では、第2特別可変入賞球装置7b内の第2カウントスイッチが設けられている領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検出スイッチで検出される。なお、この実施の形態では、上流側に第2カウントスイッチが設けられ、その下流側に特定検出スイッチが設けられているので、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ23bで検出された遊技球は、殆ど全て特定領域に入賞し特定検出スイッチで検出されることになる。そして、この実施の形態では、第2カウントスイッチで遊技球が検出されたことにもとづいて15個の賞球払出が行なわれ、特定検出スイッチで検出されたことにもとづいて確変状態に制御されることが確定する。また、第2特別可変入賞球装置7bの内部には、第2大入賞口LEDが設けられている。なお、この実施の形態では、第2大入賞口LEDは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される。そして、この実施の形態では、大当り遊技中の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが確定する。
また、この実施の形態では、ラウンド中処理として、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生していれば、演出制御用CPU120は、第1大入賞口LEDまたは第2大入賞口LEDを白色発光させる制御を行なう。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LEDを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LEDを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
図31〜図33は、第3実施形態の演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S3901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S3901のN)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S3902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S3902のN)、演出制御用CPU120は、プロセスタイマの値を1減算し(S3903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置5、スピーカ27、LED28等)の制御を実行する(S3904)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S3905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(S3905でY)、プロセスデータの切替を行なう(S3906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S3907)、S3908の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S3905でN)、S3906とS3907の処理を行なわずに、S3908の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(S3908)。確変確定報知フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域を通過することで送信される確変状態に制御されることが確定したことを示す確変確定報知指定コマンドを受信していれば)(S3908でY)、演出制御用CPU120は、その確変確定報知フラグをリセットする(S3909)。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において確変確定報知の実行を開始する(S3910)。また、演出制御用CPU120は、確変確定報知実行中フラグをセットするとともに、演出期間計測タイマ1に確変確定報知の実行期間に相当する値(たとえば、1.0秒に相当する値)をセットし(S3911)、S3912の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU120は、確変確定報知フラグがセットされていなければ(S3908でN)、S3909〜S3911の処理を行なわずに、S3912の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、確変確定報知実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S3912)。確変確定報知実行中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)(S3912でY)、演出制御用CPU120は、演出期間計測タイマ1の値を1減算し(S3913)、減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となったか否かを確認する(S3914)。減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていれば(S3914のY)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において確変確定報知の実行を終了する(S3915)。また、演出制御用CPU120は、確変確定報知実行中フラグをリセットし、確変確定報知の実行済みであることを示す確変確定報知済フラグをセットし(S3916)、S3917の処理へ移行する。
S3912において、確変確定報知実行中フラグがセットされていなければ(S3912でN)、演出制御用CPU120は、S3913〜S3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。また、S3914において,減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていなければ(S3914のN)、S3915とS3916の処理を行なわずに、S3917の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(S3917)。大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(S3917でN)、演出制御用CPU120は、ラウンド後処理を終了する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)(S3917でY)、演出制御用CPU120は、大入賞口入賞フラグをリセットする(S3918)。また、演出制御用CPU120は、入賞カウンタの値を1加算し(S3919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(S3920)。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、たとえば、この実施の形態では、大当り遊技中におけるラウンドごとの第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例では、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞することである。たとえば、この実施の形態では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間(たとえば、29秒間)が経過する前であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への10個目の入賞を検出すれば第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その第1大入賞口や第2大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生していれば)(S3920でY)、演出制御用CPU120は、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かを確認する(S3921)。なお、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
第7ラウンド以降のラウンドであれば(S3921でY)、演出制御用CPU120は、確変確定報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S3922)。確変確定報知済フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変確定報知の終了後であれば)(S3922でY)、演出制御用CPU120は、第1大入賞口LEDをレインボー発光させる(たとえば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)制御を行なう(S3923)。また、演出制御用CPU120は、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる制御を行ない(S3924)、ラウンド後処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第7ラウンド以降のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される場合しかないので、S3923では第1大入賞口LEDをレインボー発光させる場合しかない。なお、第2大入賞口LEDもレインボー発光させるように制御してもよい。
なお、この実施の形態では、ラウンド後処理においてのみS3920〜S3924の処理を実行する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、ラウンド中処理においてもS3920〜S3924と同様の処理を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、たとえば、第1大入賞口や第2大入賞口に入賞した遊技球が全て検出されるまでラウンド中処理を行なうようにプログラムを構成した場合であっても、オーバー入賞を検出したときに第1大入賞口LEDをレインボー発光させたり所定の入賞音を音出力させたりすることができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞でない場合)(S3920でN)や、第7ラウンド以降のラウンドでない場合(すなわち、第1ラウンド〜第6ラウンドである場合)(S3921でN)、確変確定報知済フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ確変確定報知が終了していない場合)(S3922でN)であれば、演出制御用CPU120は、第1大入賞口LEDまたは第2大入賞口LEDを白色発光させる制御を行ない(S3925)、ラウンド後処理を終了する。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LEDを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LEDを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
この実施の形態では、ラウンド中処理や、ラウンド後処理のS3917〜S3925の処理が実行されることによって、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には、少なくとも第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを発光させる報知演出が実行される。そして、特にS3920〜S3924の処理が実行されることによって、この実施の形態では、オーバー入賞が発生した場合に、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合には、第1大入賞口LEDがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される態様により報知演出が実行される。そのようにオーバー入賞が発生した場合には、通常態様(本例では、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる)とは異なる特殊態様による報知演出を実行するので、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
ただし、この実施の形態では、S3921,S3922の判定処理が実行されることによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止している。また、この実施の形態では、S3921,S3922でNのときにはS3925に移行することによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、通常態様による報知演出を実行するようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させるようにしている。
さらに、この実施の形態では、S3921の判定処理が実行されることによって、第2大入賞口が開放状態に制御され特定領域に遊技球が入賞する可能性がある第6ラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、通常態様による報知演出を実行)ようにしている。そのような構成により、この実施の形態では、確変確定報知が実行される可能性がある第6ラウンドでは特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、特殊態様による報知演出により確変確定報知の実行を妨げてしまうことを防止し、演出効果が却って低下してしまうことを防止するようにしている。
なお、この実施の形態では、S3921,S3922の判定処理を行なうことによって、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合に、第1大入賞口LEDがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力される場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、オーバー入賞が発生した場合に、大当り種別が確変状態に制御可能な有利な大当りであるか、実質的に確変状態に制御されない不利な大当りであるかを判定し、有利な大当りであると判定した場合に、第1大入賞口LEDがレインボー発光されるとともにスピーカ27から所定の入賞音が音出力されるように構成してもよい。また、この実施の形態で示した第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、上記の有利な大当りであるか否かの判定とのいずれか一方のみを実行して、第1大入賞口LEDのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよいし、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、有利な大当りであるか否かの判定との両方を実行して、第1大入賞口LEDのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ150側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ150側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかに基づいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S3902でY)、演出制御用CPU120は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S3926)。
次いで、演出制御用CPU120は、次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを確認する(S3927)。なお、第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであれば(S3927でY)、演出制御用CPU120は、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し(S3928)、S3930の処理へ移行する。一方、第2ラウンド〜第5ラウンドでなければ(すなわち、次に開始するラウンドが第6ラウンド以降のラウンドであれば)(S3927でN)、演出制御用CPU120は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロセステーブルを選択し(S3929)、S3930の処理へ移行する。
なお、この実施の形態では、たとえば、昇格演出として演出表示装置5においてルーレット演出を実行する。この場合、第1ラウンド〜第4ラウンドを開始するときには、S3928において、昇格演出としてルーレットを球が回転するような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。また、第5ラウンドを開始するときには、S3928において、大当り種別がいずれであるかを特定し、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みのない(確変状態に制御されることが確定する見込みのない)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果がはずれとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。一方、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みが高い(確変状態に制御される見込みが高い)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果が当りとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。なお、大当り種別がいずれであるかは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(S3930)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3931)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、演出期間計測タイマ1の値を1減算する(S3932)。
次いで、演出制御用CPU120は、入賞カウンタを初期化する(S3933)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理(S805)に対応した値に設定し(S3934)、ラウンド後処理を終了する。
S3901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(S3901でY)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(S3935)。
次いで、演出制御用CPU120は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(S3936)。また、演出制御用CPU120は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値(たとえば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(S3937)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスタイマをスタートさせ(S3938)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S3939)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に設定し(S3940)、ラウンド後処理を終了する。
次に、報知演出の演出態様の具体例について説明する。図34および図35は、第3実施形態の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図34および図35において、(1)(2)(3)・・・の順に演出態様が遷移する。
図34(1)に示すように、左中右の演出図柄が同じ図柄で停止表示されて大当りが発生し、図34(2)に示すように、第1ラウンドが開始されて大当り遊技が開始されたものとする。また、図34(2)〜(6)に示すように、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいては昇格演出も実行される(S3928参照)。図34(2)に示す例では、演出表示装置5においてルーレットを球が回転するような態様の画像220を表示することにより昇格演出が開始される場合が示されている。
また、図34(3)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図34(3)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LEDを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
また、大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図34(4)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、第6ラウンドよりも前のラウンドであり第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変確定報知が実行される前である場合には、通常態様により報知演出が実行される。図34(4)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LEDを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、図34(5)に示すように、同様の態様で第2ラウンド以降のラウンドが実行され、図34(6)に示すように、第5ラウンドとなると、ルーレットの当否結果を報知するような態様の昇格演出が実行される。図34(6)に示す例では、大当り種別が確変大当りとなる大当りであることに基づいて、球がルーレット内の「確」と表示された領域に入球し、ルーレットの結果が当り(確変状態となることを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格あり!」などの文字列221を表示する態様により昇格演出が実行される場合が示されている。なお、大当り種別が確変大当りとならない大当り(通常大当り)である場合には、たとえば、球がルーレット内の「確」と表示された領域以外の領域に入球し、ルーレットの結果がはずれ(確変状態とならないことを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格なし!」などの文字列を表示する態様により昇格演出が実行される。
なお、この実施の形態では、昇格演出として、ルーレット演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、昇格演出として、敵と味方のキャラクタがバトルを行ない、味方のキャラクタが勝利することによって確変状態となることを示唆したり、味方のキャラクタが敗北することによって確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。また、たとえば、昇格演出として、おみくじを表示するような演出を行ない、おみくじの結果が「吉」であれば確変状態となることを示唆したり、おみくじの結果が「凶」であれば確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。そのように、昇格演出として、何らかの態様で確変状態に制御されるか否かを煽ることができる演出を実行するものであればよい。
また、この実施の形態では、第1ラウンド〜第5ラウンドにわたって昇格演出が実行され、最後の第5ラウンドにおいて昇格演出の結果報知(本例では、ルーレットの結果が報知)がされる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第5ラウンドを待たずに、第1ラウンド〜第4ラウンドでも昇格演出の結果報知を可能に構成してもよい。この場合、昇格演出の結果報知の後であれば、第5ラウンドや第6ラウンドを待たずに、オーバー入賞発生時に特殊態様による報知演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、図34(7)に示すように、第6ラウンドに移行し第2大入賞口が開放状態に制御される。そして、図34(7)に示すように、第6ラウンドにおいて第2大入賞口に遊技球が入賞するとともに第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し、確変状態に制御されることが確定したものとする。図34(7)に示す例では、第6ラウンド中に第2大入賞口に遊技球が入賞したことから、第2大入賞口LEDを白色発光させる態様で報知演出が実行されることも示されている。また、確変状態に制御されることが確定したことに基づいて、図34(8)に示すように、演出表示装置5において確変確定報知の実行が開始される。図34(8)に示す例では、確変確定報知として、演出表示装置5において「確変確定!」などの文字列222が表示される場合が示されている。
なお、図34(7)において、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したときに(特に、特定領域に1個目の遊技球が入賞したときに)、第2大入賞口LED(第1大入賞口LEDでもよい)を専用の発光色で発光(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる赤色で発光)させたり、専用の入賞音(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる専用の入賞音)を音出力させたりしてもよい。
また、第6ラウンドにおいて第2大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図35(9)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、確変確定報知が実行される場合がある第6ラウンドである場合には、通常態様により報知演出が実行される。図35(9)に示す例では、第2大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第2大入賞口LEDを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3925参照)。
次いで、第7ラウンド以降のラウンドに移行する。第7ラウンド以降のラウンドであっても、図35(10)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図35(10)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LEDを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
一方、第7ラウンド以降のラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、図35(11)に示すように、通常態様とは異なる特殊態様により報知演出が実行される。図35(11)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S3923,S3924参照)。
なお、この実施の形態では、特殊態様による報知演出の場合にのみスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、通常態様による報知演出を実行する場合にも何らかの入賞音(特殊態様の場合と同じ音でも異なる音でもよい)を音出力させるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、特殊態様による報知演出として、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともに、スピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるだけで、入賞音の音出力を伴わないものであってもよい。また、たとえば、通常態様による報知演出とは異なる発光色で発光するものであれば、レインボー発光以外の発光色(たとえば、赤色や黄色)で第1大入賞口LEDなどを発光させるものであってもよい。また、たとえば、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるのではなく、特殊態様による報知演出として、所定のキャラクタのボイスを模した音を音出力させる態様の演出を実行してもよい。そのように特殊態様による報知演出として、様々な態様の演出が考えられる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定期間(本例では、29秒)が経過することまたは遊技媒体(本例では、遊技球)が所定数(本例では、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段(本例では、第1大入賞口、第2大入賞口)を第1状態(本例では、開放状態)に変化させることが可能な単位遊技(本例では、ラウンド)を所定回数(本例では、15ラウンド)実行する有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(本例では、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(本例では、確変状態)に制御可能である。また、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(本例では、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能である。そのため、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技において単位遊技(ラウンド)が実行される所定回数が15回(15ラウンド)である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他の回数であってもよい。また、所定回数は、1回や2回であってもよく、たとえば、大入賞口を1回または2回のみ開放する突然確変大当りや小当りが設けられている場合に、その突然確変大当りや小当りにおけるオーバー入賞も検出可能に構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能である。また、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する。そのため、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、報知演出を全く実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(本例では、確変確定報知)を実行可能である。そして、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(本例では、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)。そのため、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出のみを実行しないようにし、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる態様の報知演出)は実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出と通常態様による報知演出との両方を実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(本例では、第1大入賞口LEDのレインボー発光)および音出力(本例では、スピーカ27からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する。そのため、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
[変形例]
なお、この実施の形態では、第2大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、大当り種別として、通常大当り(大当り遊技後に確変状態に制御されない大当り。なお、大当り遊技後に時短状態や高ベース状態に制御されるようにしてもよい。)と、確変大当り(大当り遊技後に確変状態に制御される大当り。なお、確変状態とともに時短状態や高ベース状態にも制御されるようにしてもよい。)とを設け、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において、この実施の形態で示した報知演出を実行する構成を適用してもよい。以下、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する変形例について説明する。
なお、本変形例では、大入賞口内に特定領域が設けられている必要はなく、1つの特別可変入賞球装置(大入賞口)のみ備えるように構成されていてもよい。
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態(本例では、大当り遊技状態)として、少なくとも第1有利状態(本例では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)とに制御可能とする。そして、このうちの第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数(本例では、10個)より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LEDをレインボー発光させるとともにスピーカ27から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能とすればよい。そのように構成すれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3923,S3924の処理を実行しないようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LEDや第2大入賞口LEDを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能とする。そして、第2有利状態(本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921,S3922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S3925の処理を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(本例では、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(本例では、図34(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能とする。そして、特定演出を実行する前(本例では、昇格演出における結果報知の前)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)ようにし、特定演出を実行した後(本例では、昇格演出における結果報知の後)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS3921の判定処理に代えて、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを判定し、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行しないようにすればよい(S3925を実行するようにしてもよい)。また、第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、S3923,S3924を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、上記の実施の形態では、実際には第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されることが確定することから、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいて昇格演出が実行されて当り結果が報知されても、確変状態に制御される見込みが高いことを示唆するものであるが、本変形例では、大当り種別によって確変状態に制御されるか否かが決定していることから、昇格演出において当り結果が報知されれば、そのまま確変状態に制御されることが認識できることになる。
なお、上記の変形例では、有利度が高い第1有利状態が確変大当りにもとづく大当り遊技状態であり、有利度が低い第2有利状態が通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。
たとえば、大当り遊技後に時短状態のみに制御される時短大当りと、通常状態にしか制御されない通常大当りとが設けられている場合に、第1有利状態を時短大当りにもとづく大当り遊技状態とし、第2有利状態を通常大当りにもとづく大当り遊技状態としてもよい。また、たとえば、大当り遊技中にいわゆる先読み判定を行なうように構成した場合に、保留記憶中に大当りとなるものが存在する場合(すなわち、連続大当りとなる場合)を第1有利状態とし、大当りとなるものが存在しない場合を第2有利状態としてもよい。
また、たとえば、第1有利状態をラウンド数の多い大当り(たとえば、15ラウンド大当り)とし、第2有利状態をラウンド数の少ない大当り(たとえば、5ラウンド大当り)としてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められていない大当り(次回の大当りまで確変状態や時短状態が継続する大当り)とし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められている大当りとしてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が多い大当りとし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が少ない大当りとしてもよい。
上記のように何らかの形式で、有利度が高い第1有利状態と有利度が低い第2有利状態とが設けられているものであればよい。
また、1つのケースであっても、複数の観点から有利または不利が区別されうる場合もある。たとえば、大当り種別として5R確変大当りと10R通常大当りとがある場合には、ラウンド数の観点から考えればラウンド数が多い10R通常大当りの方が有利であり、大当り遊技後の遊技状態の観点から考えれば大当り遊技後に確変状態に制御される5R確変大当りの方が有利である。この場合に、ラウンド数の観点を優先して、10R通常大当りを第1有利状態とし、5R確変大当りを第2有利状態としてもよいし、大当り遊技後の遊技状態の観点を優先して、5R確変大当りを第1有利状態とし、10R通常大当りを第2有利状態としてもよい。
上記の実施の形態において、さらに、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1報知(大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知(連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)とを実行可能としてもよい。そして、第2報知よりも第1報知の優先度合いが高い(賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない)ようにしてもよい。このようにすれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。すなわち、複数の報知演出を優先順位に従って重複しないように実行することができ、複数の報知演出を好適に実行することができる。
また、上記の実施の形態において、さらに、一の開放遊技(本例では、大当り遊技)において、遊技媒体(本例では、遊技球)が上限入賞数(本例では、10個)よりも多く可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置7(大入賞口))に入賞したことに基づいて、報知演出(オーバー入賞に対する報知演出)を実行可能である。また、上限入賞数よりも多い第1入賞数目(11個目)の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目(12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ようにしてもよい。このようにすれば、上限入賞数よりも多い第1入賞数目の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で上限入賞数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図27に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像224により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像234により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図27(b)〜(d)、図30のS941〜S942に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎にAモードによる第1報知画像224により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図27(e)〜(g)、図30のS943〜S944に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎にBモードによる第2報知画像234により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図27のAモードの獲得総数表示画像225,Bモードの獲得総数表示画像235に示すように、特別可変入賞球装置7の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図27(a)、図29のS923〜927に示すように、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像230が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図29のS930〜S932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像225やBモードでの獲得総数表示画像235が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
以上説明した第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例について説明する。第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例は、例えば、以下のとおりである。
遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
前記有利状態中の演出状態(例えば、ラウンド中の演出状態等)を複数種類の演出状態(例えば、図12のAモードまたはBモード等)のうちいずれかに制御可能な演出状態制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150等)と、
前記有利状態中に付与された遊技媒体数(例えば、遊技球数等)に関連した報知演出(例えば、図12に示す第1報知画像224や第2報知画像234による報知演出等)を実行する報知演出手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ150等)と、
遊技媒体が衝突する被衝突体(例えば、弾性部材600)と、
遊技盤に取付けられ、前記被衝突体を前記遊技盤の所定位置に保持する第1保持体(例えば、弾性部材600が取付けられた状態で遊技盤2に取付けられるレール飾り枠410)と、
前記遊技盤に取付けられた前記第1保持体を保持する第2保持体と、(例えば、レール飾り枠410を押える盤押え金具162aのレール押え片174、第2外レール503、ガラス扉枠50)
を備え、
前記報知演出手段は、
前記演出状態制御手段により第1演出状態(例えば、Aモード等)に制御されているときには、第1報知態様(例えば、図12に示す第1報知画像224等)による前記報知演出を実行し、
前記演出状態制御手段により前記第1演出状態とは異なる第2演出状態(例えば、Bモード等)に制御されているときには、前記第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば、図12に示す第2報知画像234等)による前記報知演出を実行することを特徴としている。
このような構成によれば、被衝突体を保持する第1保持体が遊技盤に取付けられた状態で第2保持体により保持されている。このため、第1保持体は、第2保持体によって強固に保持されることから、第1保持体の安定性が向上する。その結果、遊技球が被衝突体に衝突した場合でも、被衝突体の位置ずれが生じにくくなり、被衝突体の位置ずれにより遊技性が損なわれることを抑制できる。また、第1演出状態のときには第1報知態様による報知が実行され、第2演出状態のときには第2報知態様による報知が実行されるように、演出状態に応じた報知演出が実行される。このため、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、被衝突体の位置ずれが生じにくいことから、被衝突体に衝突した遊技球の跳ね返り角度が安定し、遊技球の軌道が安定する。このため、遊技球が、不規則に飛び回ることによって遊技者の集中力が散漫となることを抑制できる。したがって、演出表示装置5で実行される報知演出に遊技者を集中させることができるので、興趣の向上に寄与することができる。
さらに、報知演出では、第1演出状態のときには第1報知態様による報知が実行され、第2演出状態のときには第2報知態様による報知が実行される。このように、演出状態に応じた報知演出が実行されることにより、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、遊技球の軌道が安定しないと、遊技領域10に打ち込まれた遊技球に対しても注意を図らなければならなくなり、その分遊技者の集中力が散漫になる虞がある。この点、被衝突体を保持する第1保持体が遊技盤に取付けられた状態で第2保持体により保持されていることにより、遊技球が被衝突体に衝突した場合でも、遊技球の軌道が乱れることが抑制される。その結果、遊技者の意識を報知演出に集中させやすくすることができ、興趣の向上に寄与することができる。
特に、第1実施形態で示すパチンコ遊技機1では、特別可変入賞球装置7が遊技盤2の右側に配置されており、大当り遊技状態中には、主に、右打ちによって遊技球を打ち出して、弾性部材600に遊技球を衝突させる。このとき、遊技球の軌道が安定しないと、遊技者の集中を削ぐとともに、遊技球の誘導が乱れて、特別可変入賞球装置7への遊技球の入賞の機会が損なわれ、付与される遊技媒体数の総数が減少したり、遊技媒体の付与速度が低下したりする可能性がある。その結果、報知演出で表示される遊技媒体数が少なくなったり、遊技媒体数の増加の速度が遅くなったりして、遊技者に充実感や優越感を与えにくくなる虞がある。この点、被衝突体の位置ずれが生じにくく、遊技球の軌道が安定することから、付与される遊技媒体数の総数が減少したり、付与速度が低下したりすることを抑制でき、さらには、遊技者に充実感や優越感を与えにくくなることを抑制することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、報知演出の報知態様を所定条件が成立しているか否かにより異ならせるようにしてもよい。たとえば、報知演出の態様を複数種類の報知態様として、白色文字での報知演出と虹色文字での報知演出とが実行されるようにする。そして、大当り遊技中において、保留記憶バッファに大当り表示結果となる保留記憶があることに基づいて、通常白色文字で実行される報知演出を虹色文字で実行するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されていることを踏まえて報知演出の報知態様を決定することができ、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されているときは、100%の割合で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよいし、所定の抽選割合(たとえば、50%の割合)で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよい。また、このような場合に、1回の大当りにおいて複数回報知演出が実行される可能性があるが、その度に、虹色文字にするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。また、一度に虹色文字による報知演出が実行されると、それ以降の報知演出は虹色文字により実行されるようにすればよい。
(2) 前述した実施の形態では、大当り遊技中において、通常大当りから確変大当りへの昇格演出を実行するようにしてもよい。そのような場合には、昇格演出を実行するラウンドにおいて報知演出が実行されるときに、報知演出の態様を通常の態様とは異なる態様にしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当りの種類を複数種類設けてもよい。そして、大当りの種類により報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの種類として、4R大当り、8R大当り、15ラウンド大当りを設け、各大当りの種類により、報知演出の報知態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしてもよい。そして、当該上限値まで遊技球を獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止するようにしてもよい。たとえば、10万個を上限値と設定した場合において、遊技球の獲得総数が10万個を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像225やBモードでの獲得総数表示画像235の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者が大量の遊技球を獲得できたことを更新を停止することで報知することができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、報知演出の態様を獲得した遊技球の総数によって変化させるようにしてもよい。たとえば、Bモードが選択されている場合において、遊技球の獲得総数が2500個となったときは、第2報知画像234を白色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が5000個となったときは、第2報知画像234を赤色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が10000個となったときは、第2報知画像234を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様が変化し、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、Aモードの場合も遊技球の獲得総数に応じて報知態様が異なるようにしてもよい。このような場合には、2500個、5000個、10000個などの区切りのよい数字のときにのみ、報知態様が異なるようにしてもよいし、500個毎に報知態様が異なるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、遊技球の獲得総数が所定値を超えることにより、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、遊技球の獲得総数が所定値を超えると報知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよい。より具体的には、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないようにしてもよい。また、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のような、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)として数字から文字に変化する表示による報知演出が実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、たとえば、文字(数字)の出現方向が演出表示装置5の表示画面の左から出てくるものと右から出てくるものとで異なるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成されるようにしてもよい。たとえば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像224と女の子画像223とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、たとえば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、図27(a)に示すようなモードの選択中は、遊技球の獲得総数が所定の値を超えたとしても報知演出を実行しないようにしてもよい。また、このような場合には、報知演出が実行されることをRAM122の記憶領域に記憶し、モードの選択終了後に遊技球の獲得総数が所定の値を超えたことが報知されるようにしてもよい。また、モードの選択中に遊技球の獲得総数が所定の値を超えた場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、大当り遊技中は、常にAモードとBモードとの選択ができるようにしてもよい。その場合に、2ラウンド目以降においては、選択表示が演出表示装置5の表示画面の領域を大幅に占めることによりラウンド中の演出の妨げにならないように、表示画面の端の領域に選択可能であることを小さく表示するようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、特殊条件の成立により、遊技者によるモードの選択が不可能となるようにしてもよい。たとえば、大当り毎のラウンド中に何らかのストーリーが継続して表示されるものにおいて、大当りが20回連続したことに基づいて、ストーリーのエンディングが表示されることを特殊条件の成立とする。この場合に、エンディングが表示される20回目の大当り中は、モードの選択が不可能としてもよい。また、エンディングが表示される20回目の大当り中は、報知演出を実行しないようにしてもよいし、報知演出のための小窓画像をエンディングが表示される領域とは異なる領域に表示し当該領域で報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出の態様を遊技者が選択できる大当りと遊技者が選択できない大当り(特殊条件での大当り)とで、異ならせるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な大当りであるか不利な大当りであるかにより、報知演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技者に有利な大当りである確変大当りの場合には、報知演出を実行し、遊技者にとって不利な大当りである通常大当りの場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(13) 前述した実施の形態では、報知演出のためにカウントされる遊技球は、遊技球の入賞に対して払出されるものについて説明した。しかし、遊技領域10に打込んでアウト口16に取込まれた遊技球を払出される遊技球から差し引いた差球数を報知演出のためにカウントされる遊技球としてもよい。このようにするには、たとえば、打球の発射位置に発射センサを設けるとともに、アウト口16に取込まれた遊技球をカウント可能なアウト口センサを設ければよい。そして、大入賞口を含む各入賞センサ、発射センサ、および、アウト口センサを監視することで、差球数のカウントが可能とすればよい。
(14) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機1と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機1において、携帯端末(たとえば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。このような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かにより大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、異なる抽選の報知により大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、たとえば、大当り中に通常大当りから確変大当りとなることを報知する昇格演出において、1回の告知により確変昇格の有無を告知する完全告知モードと複数回の告知により確変昇格の有無を告知するチャンス告知モードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、完全告知モードとチャンス告知モードとにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、大当り中に流れる楽曲の違いにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、Aの楽曲が流れている場合とBの楽曲が流れている場合とで、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、演出状態(演出モード)を大当り遊技中以外の遊技状態で変化可能としてもよい。たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態中に、演出状態を変化させることにより次回の大当り遊技中の報知演出の態様が変化するようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態に示した各種演出は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへ制御されたときにおいて、前述したような報知演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、ATに制御されたときにおいて、演出状態のいずれかのモードの中から選択できるようにし、第1演出状態に制御されているときには、第1報知態様による報知演出を実行し、第2演出状態に制御されているときには、第2報知態様による報知演出を実行してもよい。
(19) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(20) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(22) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(23) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(24) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(25) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(26) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。