まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の回路構成例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の下端部)には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる普図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(普通識別情報)である普通図柄(「普図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、普通図柄表示器20は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の普通図柄を変動表示する。尚、普通図柄表示器20において表示される普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の普通図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の普通図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。尚、本実施例では、普通図柄を文字や記号等の各々を識別可能な複数種類の識別情報とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、普通図柄を複数のドット表示の組合せにより一定の法則性を有さない識別困難なもの、或いは識別不能なものとしてもよい。
普通図柄表示器20は、例えば方形状に形成されている。また、普通図柄表示器20は、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、普図ゲームにおける普通図柄表示器20による普図の変動表示に対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、普図ゲームにおいて普通図柄表示器20における普図の変動が開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、普図ゲームにおける変動表示結果として確定普通図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、普通図柄表示器20における普図を用いた普図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば普通図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部には、保留記憶表示エリア5Dが設定されている。保留記憶表示エリア5Dでは、普図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(普図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、普図ゲームに対応した変動表示の保留は、通過ゲート6Aを遊技球が通過(進入)することにより発生する。即ち、普図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、通過ゲート6Aを遊技球が通過(進入)することに基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明において、保留記憶表示エリア5Dを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、普通図柄表示器20の右側方に、普図保留記憶数を特定可能に表示するための普図保留表示器25が設けられている。普図保留表示器25は、普図保留記憶数を特定可能に表示する。普図保留記憶数は、普図を用いた普図ゲームの実行が保留されている記憶数である。
また、本実施例では、普通別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と普通図柄及び特別図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、普通図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、通過ゲート6Aが設けられている。通過ゲート6Aを通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。該ゲートスイッチ21によって遊技球が検出されたとき、普図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、普図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームの始動条件(普図始動条件)が成立する。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、普通図柄表示器20の左側方)には、特別図柄表示器4が設けられている。一例として、特別図柄表示器4は、普通図柄表示器20と同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、普通図柄とは異なる複数種類の識別情報である特別図柄(「特図」あるいは「特別図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような特別図柄の変動表示は、特図ゲーム(「特別図ゲーム」ともいう)と称される。
遊技盤2における演出表示装置5の左側方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す始動入賞口扉用となる第1ソレノイド81によって、開閉駆動される始動入賞口扉(図示略)を備え、該始動入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、第1ソレノイド81がオフ状態であるときに、始動入賞口扉が始動入賞口を閉鎖状態として、遊技球が始動入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、第1ソレノイド81がオン状態であるときに始動入賞口扉が始動入賞口を開放状態として、遊技球が始動入賞口を通過(進入)しやすくする。尚、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態であるときでも、始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態において、始動入賞口を閉鎖することなどにより、始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、始動領域としての始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない閉鎖状態とに変化する。
普通可変入賞球装置6Bに形成された始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す始動口スイッチ22によって検出される。始動口スイッチ22によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、特別図柄の変動表示中(特図ゲームの実行中)でなければ、特図ゲームの始動条件(特図始動条件)が成立する。
通過ゲート6Aの下方位置には、第1特別可変入賞球装置7Aが設けられている。第1特別可変入賞球装置7Aは、図2に示す第1大入賞口扉用となる第2ソレノイド82によって開閉駆動される第1大入賞口扉を備え、その第1大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。
一例として、第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口扉用の第2ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aでは、第1大入賞口扉用の第2ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば、始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2における遊技領域10の中央部から右側部にかけて第2特別可変入賞球装置7Bが設けられている。この第2特別可変入賞球装置7Bは、遊技者が演出表示装置5を視認可能なように枠状に形成されている。また、第2特別可変入賞球装置7Bは、上端部に図2に示す第2大入賞口702用となる第3ソレノイド83によって開閉駆動される第2大入賞口扉701を備え、その第2大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口702を形成する。
一例として、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉701用の第3ソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉701が第2大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)できなくする。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉701用の第3ソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉701が第2大入賞口702を開放状態として、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)しやすくする。このように、第2大入賞口702は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2カウントスイッチ24Aによって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、例えば、始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口702が開放状態となれば、その第2大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口702が閉鎖状態となれば、第2大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、詳細は後述するが、第2特別可変入賞球装置7B内には、第3カウントスイッチ24Bと第4カウントスイッチ24Cが設けられている。本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、始動入賞口及び第1大入賞口、第2大入賞口702とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば通過ゲート6Aや普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A、第2特別可変入賞球装置7B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bは、第3ソレノイド83によって駆動される第2大入賞口扉701(図3参照)を備え、該第2大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口702(図3参照)を形成する。
一例として、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第3ソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉701が第2大入賞口702を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)できなくする。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bでは、第3ソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉701が第2大入賞口702を開放状態として、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)しやすくする。このように第2大入賞口702は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口702を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
第2大入賞口702を通過(進入)した遊技球は、例えば、第2カウントスイッチ24Aによって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口702を遊技球が通過(進入)したときには、例えば、始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口702が開放状態となれば、その第2大入賞口702に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口702が閉鎖状態となれば、第2大入賞口702に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、第2大入賞口702に進入し、第2カウントスイッチ24Aを通過(進入)した遊技球が後述するV入賞口283に進入して第3カウントスイッチ24Bにより検出される、つまり、V入賞が発生すると、遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。尚、本実施例では、後述する小当りが発生したことに基づいて小当り遊技状態に制御されることにより、第2特別可変入賞球装置7Bが第2状態から第1状態に変化し、該小当り遊技状態において第2大入賞口702に進入した遊技球が第3カウントスイッチ24Bにより検出されたことに基づいてV入賞が発生し、大当り遊技状態に制御されるようになっている。
次に、図3〜図15に基づいて、第2特別可変入賞球装置7Bの詳細について説明する。図3は、第2特別可変入賞球装置の構成を示す概略正面図である。図4は、遊技盤を斜め前から見た状態を示す斜視図である。図5は、遊技盤を斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図6は、(A)は第2大入賞口扉が閉鎖位置にある状態、(B)は第2大入賞口扉が開放位置にある状態における第2大入賞口を示す断面図である。図7は、(A)は第1貯留機板が貯留位置にある状態、(B)は第1貯留機板が解除位置にある状態における第1貯留機構を示す断面図である。図8は、(A)は仕切板が規制位置にある状態、(B)は仕切板が解除位置にある状態における第2貯留機構を示す断面図である。図9は、(A)は第2貯留部に2個の遊技球が貯留され後続の遊技球が排出経路へ誘導されている状態、(B)は第2貯留部の貯留が解除された状態における第2貯留部を示す断面図である。図10は、第2特別可変入賞球装置の下部の構造を示す斜視図である。図11は、(A)は支持板を示す平面図、(B)は回転体と誘導溝を示す平面図である。図12は、回転体と第3誘導経路とを示す斜視図である。図13は、図11(A)のA−A断面図である。図14は、(A)は図11(A)のB−B断面図、(B)ははずれ球保持部に遊技球が進入した状態を示す断面図である。図15は、(A)は図11(A)のC−C断面図、(B)ははずれ球保持部の遊技球が排出口から排出された状態を示す断面図である。
図3〜図5に示すように、第2特別可変入賞球装置7Bは、前述したように、演出表示装置5の上方である遊技領域10の上部に設けられた第2大入賞口702から進入した遊技球を下方に誘導する第1誘導経路201と、第1誘導経路201にて誘導された遊技球を後述するV入賞口283に進入可能に誘導する第2誘導経路202A,202Bと、第1誘導経路201にて誘導された遊技球を後述するV入賞口283に進入不可能に誘導する第3誘導経路203A,203B,203Cと、第2誘導経路202Aへ誘導された遊技球を貯留可能な第1貯留機構204と、第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球を貯留可能な第2貯留機構205と、第2誘導経路202A,202Bにより誘導された遊技球をV入賞口283に進入可能に保持するV入賞球保持部272(図11参照)及び第2誘導経路202A,202Bまたは第3誘導経路203A,203B,203Cにより誘導された遊技球をV入賞口283に進入不可能に保持するはずれ球保持部273A〜273E(図11参照)を有する回転体208と、演出表示装置5の下方において回転体208を回転可能に支持する支持板209と、第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球の一部を遊技盤2の背面側へ誘導した後にパチンコ遊技機1外へ排出するための排出経路210と、を主に有している。
尚、これら第1誘導経路201、第2誘導経路202A,202B、第3誘導経路203A,203B,203C及び排出経路210は、合成樹脂材からなる通路形成部材により全て筒状に形成されており、第2大入賞口702から進入した遊技球は自然流下により流下するようになっている。また、第1誘導経路201、第2誘導経路202A,202B、第3誘導経路203A,203B,203Cの少なくとも前面は透光性を有する合成樹脂材により形成されており、内部を流下する遊技球を遊技者から透視可能とされている。
また、第3誘導経路203B,203C及び回転体208により囲まれる領域は開口しており、該開口を介して遊技盤2の背面側に設けられる演出表示装置5を遊技者が視認できるようになっている。また、遊技盤2の前面における第3誘導経路203Cの右側方には、例えば、フィギュアなどの演出模型215(図1及び図3における斜線領域)が設けられている。
図6に示すように、第2大入賞口702は、遊技盤2の遊技盤面の前方に上向きに開口するように設けられる平面視横長長方形状の入賞口とされている。第2大入賞口扉701は、第3ソレノイド83のプランジャ83Aとリンク部材220を介して連結されており、第3ソレノイド83がオフ状態であるときに遊技盤面の前方に突出して第2大入賞口702を閉鎖する閉鎖位置(図6(A)参照)と、第3ソレノイド83がオン状態であるときに遊技盤2側に退避して第2大入賞口702を開放する開放位置(図6(B)参照)と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
また、第2大入賞口扉701は、図3に示すように右端から左端に向けて漸次下方に傾斜するように設けられ、閉鎖位置において、第2大入賞口扉701の右側に設けられた壁部Hにより誘導される遊技球を左側へ誘導するように設けられている。尚、本実施例では、図示しない発射装置から発射され遊技領域10に進入した遊技球のうち、壁部Hに衝突した遊技球はほぼ第2大入賞口702へ向けて誘導される。そして、第2大入賞口702が閉鎖状態であるときは第2大入賞口扉701上を流下して第2大入賞口702の左側へ誘導され、第2大入賞口702が開放状態であるときは第2大入賞口702に進入する。
図7に示すように、第2大入賞口702に進入した遊技球は、第1誘導経路201を流下する途中で第2カウントスイッチ24Aにて検出された後、第2誘導経路202Aと第3誘導経路203Aとの分岐部221に到達する。第2誘導経路202Aにおける分岐部221の近傍位置には、第1貯留機構204が設けられており、第2誘導経路202Aへ進入した遊技球を1個だけ貯留できるようになっている。
第1貯留機構204は、第2誘導経路202Aへ進入した遊技球の流下を規制して貯留することが可能な第1貯留板222と、第1貯留板222を駆動させる第4ソレノイド84と、を有する。第1貯留板222は、第4ソレノイド84のプランジャ84Aとリンク部材223を介して連結されており、第4ソレノイド84がオフ状態であるときに第2誘導経路202Aへ突出して遊技球の流下を規制して該第2誘導経路202Aに貯留する貯留位置(図7(A)参照)と、第4ソレノイド84がオン状態であるときに第2誘導経路202Aの上方に退避して遊技球の流下を許容して貯留を解除する解除位置(図7(B)参照)と、の間で上下方向にスライド移動可能に設けられている。
第1誘導経路201を流下する遊技球は、分岐部221にて第3誘導経路203Aより優先して第2誘導経路202A側へ誘導される。第2誘導経路202Aへ進入した遊技球は、第1貯留板222が貯留位置に位置する場合、該第1貯留板222により流下が規制され、第2誘導経路202Aにおける分岐部221の近傍である第1貯留部227に1個だけ貯留される(図7(A)参照)。また、第1貯留板222が解除位置に位置する場合、第2誘導経路202Aへ進入した遊技球は流下が許容され、第3誘導経路203Cの後方を左側へ向けて流下して、回転体208の略直上位置に設けられる排出口224へ到達する。
図8(A)に示すように、第2誘導経路202Aにおける第1貯留部227に遊技球が貯留されると、第2誘導経路202Aの入口が遊技球により塞がれる。よって、分岐部221に到達する後続の遊技球は、第1貯留板222により貯留されている遊技球により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されるため、第3誘導経路203Aへ誘導される。
図3に示すように、第2誘導経路202Aは固定式の通路であるのに対し、第2誘導経路202Bは可動式の通路とされており、第2誘導経路202Aの下流端に形成される排出口224と第2誘導経路202Bの上流端に形成される流入口225とが合致することで、第2誘導経路202Aと第2誘導経路202Bとが連通して一の誘導経路が形成されるようになっている。
図3及び図5に示すように、第2誘導経路202Bは、遊技盤2の背面側に左右方向へ移動可能に設けられる可動経路ユニット230に設けられている。可動経路ユニット230は、上下方向に延設される第2誘導経路202Bが内部に形成された通路部230Aと、通路部230Aの上部から左側に延設され上辺にラックギヤ230Cが形成されたラックギヤ部230Bと、から主に構成され、遊技盤2の背面に形成された左右方向を向くガイド溝231により左右方向へスライド移動可能に案内されている。
ラックギヤ230Cには、遊技盤2の背面上部における左右方向の略中央位置に設けられた通路用モータ91の駆動軸に固着されたピニオンギヤ232が噛合されている。よって、可動経路ユニット230は、通路用モータ91により、第2誘導経路202Bが演出表示装置5の右側方に位置する通路非形成位置と、第2誘導経路202Bが演出表示装置5の前面側における左右方向の略中央位置に位置する通路形成位置と、の間で移動可能に遊技盤2の背面側であって、第2誘導経路202Aよりも背面側に設けられている。尚、通路非形成位置において、可動経路ユニット230は遊技盤2の背面側に位置することで、遊技者から視認困難とされている。
通路部230Aの前面上部には、第2誘導経路202Bの流入口225が形成されているとともに、通路部230Aの下面には、第2誘導経路202Bの排出口226が形成されている。そして、可動経路ユニット230が通路形成位置へ移動したときに、第2誘導経路202Aの下流端に形成される排出口224と第2誘導経路202Bの上部に形成された流入口225とが合致するとともに、第2誘導経路202Bの下面の排出口226が、回転体208の上方における回転軸90A(図10参照)よりもやや後位置に位置する。よって、第1貯留板222により貯留されていた遊技球は、第1貯留板222による貯留が解除されることで、第2誘導経路202Aを流下した後、排出口224と流入口225を介して第2誘導経路202Bへ進入し、該第2誘導経路202Bを流下した後に排出口226から排出され、回転体208上に落下する。尚、第2誘導経路202Bは、経路途中に屈曲部を有することで流下速度が低下するようになっており、これにより回転体208上に遊技球が落下した衝撃により回転体208が破損することを抑制している。
図8に示すように、第3誘導経路203Aを流下する遊技球は、分岐部221から左側へ向けて誘導された後に下方に落下し、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cとの分岐部241に進入するようになっている。第3誘導経路203Aにおける分岐部241の上方位置には第2貯留機構205が設けられており、第3誘導経路203Aを流下してきた遊技球を1個または2個貯留できるようになっている。
図9に示すように、第2貯留機構205は、第3誘導経路203Aを流下する遊技球の流下を規制して貯留することが可能な第2貯留板242と、第2貯留板242を駆動させる第6ソレノイド86と、を有する。詳しくは、第2貯留板242は、第6ソレノイド86のプランジャ86Aとリンク部材243を介して連結されており、第6ソレノイド86がオフ状態であるときに第3誘導経路203Aへ突出して遊技球の流下を規制して該第3誘導経路203Aに貯留する貯留位置(図9(A)参照)と、第6ソレノイド86がオン状態であるときに第3誘導経路203Aから遊技盤2側へ退避して遊技球の流下を許容して貯留を解除する解除位置(図9(B)参照)と、の間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
図8に示すように、第3誘導経路203Aにおける第2貯留板242の上方に形成される第2貯留部247は、第2貯留板242の上面に2個の遊技球を貯留可能な左右寸法を有し、第2貯留板242は、上流側の第3誘導経路203Aの経路底面よりやや下方位置に右側から左側へ向けて下方に傾斜するように設けられている。
また、第2貯留板242の左右方向の略中央位置よりやや下流側の上方位置には、第2貯留板242により貯留する遊技球数を変更することができる可変部としての仕切板250が上方方向へスライド移動可能に設けられている。仕切板250は、第5ソレノイド85のプランジャ85Aとリンク部材253を介して連結されており、第5ソレノイド85がオフ状態であるときに第3誘導経路203Aへ突出して、第2貯留板242の上面右側に落下した遊技球が左側へ向けて流下することを規制する規制位置(図8(A)参照)と、第5ソレノイド85がオン状態であるときに第3誘導経路203Aの上方へ退避して規制を解除し、第2貯留板242の上面右側に落下した遊技球が左側へ向けて流下することを許容する解除位置(図8(B)参照)と、の間で上下方向にスライド移動可能に設けられている。
よって、図8(A)に示すように、第3誘導経路203Aを流下してきた遊技球は、第2貯留板242が貯留位置に位置する場合、第2貯留板242の上面に落下することで流下が規制されて第2貯留部247に貯留される。ここで、遊技球が第2貯留板242の上面に落下したときに、仕切板250が規制位置に位置している場合、第2貯留板242の上面に落下した遊技球が左側へ向けて流下することが規制されるため、第2貯留板242の上面における仕切板250より右側の領域に1個の遊技球のみ貯留される。
一方、図8(B)に示すように、遊技球が第2貯留板242の上面に落下したときに、仕切板250が解除位置に位置している場合、第2貯留板242の上面に落下した遊技球が左側へ向けて流下することが許容されるため、第2貯留板242の上面における仕切板250より左側の領域に1個の遊技球が貯留可能となる。この場合、第2貯留板242の上面における仕切板250より右側の領域が空いているため、該右側の領域にも1個の遊技球が貯留可能となる。つまり、第2貯留板242の上方の第2貯留部247には、最大で2個の遊技球を貯留することが可能であり、仕切板250の動作によって、第2貯留部247に貯留する貯留球数を1個または2個に変更することができるようになっている。
図8及び図9に示すように、第3誘導経路203Aにおける第2貯留部247の上流側の背壁には排出口255が形成されており、該排出口255により第3誘導経路203Aと排出経路210とが連通されている。排出口255は、正面視において第2貯留部247の右側(上流側)に貯留された遊技球の上左部に一部が重なるように設けられており、第2貯留部247の右側に遊技球が貯留されている場合(第2貯留部247に1個または2個の遊技球が貯留されている場合)、第3誘導経路203Aを流下してきた後続の遊技球が第2貯留部247に貯留されている遊技球に衝突することで第2貯留部247へ進入することが阻害され、背面側の排出口255を介して排出経路210へ誘導されるようになっている(図9(A)参照)。
図8(B)及び図9(B)に示すように、第2貯留部247に2個の遊技球が貯留されている状態において、第2貯留板242が貯留位置から解除位置へ移動すると、2個の遊技球は一斉に分岐部241に落下する。分岐部241の底面における第2貯留板242の左右方向の略中央位置に対応する部分には突起部241Aが形成されているため、該突起部241Aにより、第2貯留板242の上面における仕切板250より左側に貯留されていた遊技球は第3誘導経路203Bへ誘導され、第2貯留板242の上面における仕切板250より右側に貯留されていた遊技球は第3誘導経路203Cへ誘導される。
また、図8(A)に示すように、第2貯留部247に1個の遊技球が貯留されている状態において、第2貯留板242が貯留位置から解除位置へ移動すると、第2貯留板242の上面における仕切板250より右側にのみ遊技球が貯留されていた場合、該遊技球は第3誘導経路203Cへ誘導される。尚、特に図示しないが、第2貯留板242の上面における仕切板250より左側に遊技球が貯留されていた場合(例えば、1個の遊技球が第2貯留部247に貯留された後、後続の遊技球が第2大入賞口702へ進入しなかった場合)は第3誘導経路203Bへ誘導される。
第3誘導経路203Bへ誘導された遊技球は、演出表示装置5の上方を左側へ流下した後、演出表示装置5の左側方上部にて下方へ落下する。次いで、演出表示装置5の左側方上部にて背面側へ誘導された後(図5参照)、演出表示装置5の左側辺に沿って落下し、演出表示装置5の左側方下部にて回転体208の左側部へ向けて誘導される。第3誘導経路203Cへ誘導された遊技球は、演出表示装置5の上方を右側へ流下した後、演出表示装置5の右側方上部にて下方へ落下する。次いで、演出表示装置5の右側方上部にて背面側へ誘導された後(図5参照)、演出表示装置5の右側辺に沿って落下し、演出表示装置5の右側方下部にて回転体208の右側部へ向けて誘導される。
このように、左側の第3誘導経路203Bと右側の第3誘導経路203Cとは、演出表示装置5の前面を横切らないように側方を迂回するように設けられている。また、図3に示すように、分岐部241の突起部241Aは回転体208の回転中心よりも若干左側へずれて配置されているため、右側の第3誘導経路203Cは、左側の第3誘導経路203Bよりも若干経路長さが長くなっている。よって、第2貯留部247に貯留されていた2個の遊技球が一斉に分岐部241に落下した場合、第3誘導経路203Cを流下する遊技球が回転体208に到達するまでの時間TA1は、第3誘導経路203Bを流下する遊技球が回転体208に到達するまでの時間TA2よりも長い(TA1>TA2)。
尚、時間TA1と時間TA2の時間差は所定時間(例えば、約0.5秒〜1秒)とされているが、この時間差は任意に変更可能である。また、本実施例では、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cの経路長さを変えることで、第2貯留部247から回転体208に到達するまでの時間差が生じるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cの経路長さを同一であっても、いずれかの経路に遊技球の流下速度を低下させる手段(例えば、傾斜を小さくする、複数の段部を形成する、摩擦抵抗を生じさせるなど)を設けることで時間差が生じるようにしてもよい。また、本実施例では、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cとで第2貯留部247から回転体208に到達するまでの時間差が生じるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、時間差が生じることなくほぼ同時に到達するようにしてもよい。
図10〜図12に示すように、支持板209は、平面視略横長長方形状をなし、演出表示装置5の下方位置において、上面が前側へ向けて漸次下方へ傾斜するように斜めに設けられている。左右方向の略中央におけるやや後側には、回転体208が回転可能に挿入される回転孔260が貫通して形成されている。支持板209における回転孔260の左右側には、左右側方から回転孔260に向けて下方に傾斜する傾斜底面を有する凹状の誘導溝261B,261Cが形成されている。誘導溝261B,261Cは、回転孔260側の側面及び上面が開口されており、回転体208の外側方から遊技球を供給できるようになっている。また、誘導溝261Bの上方には第3誘導経路203Bの排出口262B(図14(A)参照)が配置され、誘導溝261Cの上方には第3誘導経路203Cの排出口262C(図14(A)参照)が配置されている。
支持板209の下面における回転孔260に対応する位置には、回転体208を回転可能に支持する円筒状の支持筒265が固定されている。回転体208は、支持筒265の内部に固定された回転体用モータ90(図15参照)の回転軸90Aに固着され、回転体用モータ90により所定方向(本実施例では、平面視反時計回り)に回転される。尚、回転軸90Aは、前傾している支持板209に対し略直交するように設けられている。
図10〜図15に示すように、回転体208は、平面視円形をなす円盤部270と、円盤部270の周縁に沿って立設される複数の立壁部271と、複数のうち一の立壁部271に上下方向に貫通して形成されるV入賞球保持部272と、各立壁部271の間にそれぞれ形成される複数(本実施例では5つ)のはずれ球保持部273A〜273Eと、を主に有する。尚、図11(B)では、後述の図21(D)において説明する便宜上、はずれ球保持部273A〜273E各々に1〜5の番号を付してある。
また、本実施例では、回転体208は一のV入賞球保持部272を有していたが、複数のV入賞球保持部を有していてもよい。また、回転体208は複数(本実施例では5つ)のはずれ球保持部273A〜273Eを有していたが、はずれ球保持部の数を5つ未満または6個以上としてもよい。
特に図14に示すように、円盤部270は、下面に固着される回転軸90Aに対応する回転中心から周縁に向けて下方に傾斜する円錐形をなすように形成されており、後述するように第2誘導経路202Bの排出口226から排出された遊技球を周縁のV入賞球保持部272とはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに向けて誘導するようになっている。
図11〜図13に示すように、V入賞球保持部272は、上下方向に貫通され、1個の遊技球のみ保持可能な大きさを有する孔部にて形成されており、円盤部270側は開放され、外周面側は立壁部271により閉鎖されている。つまり、円盤部270上にある遊技球は進入可能であるが、外側方、つまり、誘導溝261B,261C内にある遊技球は進入不可能とされている。
図11及び図14(B)に示すように、はずれ球保持部273A〜273Eは、上下方向に貫通しおらず底壁274があり、1個の遊技球のみ、V入賞口283に落下不能に保持することが可能な大きさを有する有底の穴部にて形成されており、円盤部270及び外周面側が開放されている。つまり、内側の円盤部270上にある遊技球と、外側、つまり、誘導溝261B,261Cにある遊技球との双方が側方から進入可能とされている。尚、底壁274の上面は、回転軸90A側から周縁側へ向けて若干下方へ傾斜するように形成されている。
図10及び図15に示すように、支持筒265は、上面開口のやや下方位置にて上板280により閉鎖され、下面が下板281により閉鎖されている。上板280の中央位置には、回転軸90Aを挿通するための挿通孔282が形成され、挿通孔282の傾斜上位側には、V入賞球保持部272に保持された遊技球が進入可能なV入賞口283が形成されている。V入賞口283からは、V入賞球誘導経路284が下方に向けて延設されており、V入賞球誘導経路284を流下した遊技球は下板281に形成された排出口285から排出され、図示しない経路を介して遊技盤2の背面側へ誘導された後、パチンコ遊技機1外へ排出される。また、V入賞球誘導経路284におけるV入賞口283の近傍位置には、V入賞口283に進入した遊技球を検出する第3カウントスイッチ24Bが設けられている。
支持筒265の周壁の上部における誘導溝261B,261Cに対応する位置には、誘導溝261B,261Cの遊技球を回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに進入させるための切欠部286B,286Cが形成されている。また、切欠部286Bの前側近傍位置には、はずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球を回転体208から排出させるための排出口287が形成されている。
排出口287からは、はずれ球誘導経路288が下方に向けて延設されており、はずれ球誘導経路288を流下した遊技球は、V入賞球誘導経路284に合流された後に排出口285から排出され、図示しない経路を介して遊技盤2の背面側へ誘導された後、パチンコ遊技機1外へ排出される。また、はずれ球誘導経路288における排出口287の近傍位置には、排出口287から排出された遊技球を検出する第4カウントスイッチ24Cが設けられている。尚、はずれ球誘導経路288の上流部は、支持筒265の周壁から外方へ突出するように形成されている。
排出口287は、支持筒265の内部における上板280の下方に設けられる第7ソレノイド87により、排出口287を閉鎖する閉鎖位置と(図15(A)参照)、排出口287を開放する開放位置と(図15(B)参照)、の間で上下移動可能に設けられた開閉板289により開閉できるようになっている。
図15に示すように、はずれ球保持部273A〜273Eの底壁274の上面は、回転軸90A側から周縁側へ向けて若干下方へ傾斜するように形成されているため、誘導溝261B,261Cから進入して保持された遊技球は、回転軸90Aよりも傾斜下位側に形成された排出口287を通過するときに、排出口287が開閉板289により閉鎖されていれば開閉板289に接触して排出が規制されることにより回転体208に滞留し(図15(A)参照)、排出口287が開放されていれば自然流下により排出口287から排出されるようになっている(図15(B)参照)。
また、はずれ球保持部273A〜273Eの底壁274は、回転体208の回転によりV入賞口283を通過するときにV入賞口283を閉鎖するため、はずれ球保持部273A〜273Eにおいて底壁274上に保持された遊技球がV入賞口283に進入することはない。一方、V入賞球保持部272に保持された遊技球は、上板280により落下が規制され、V入賞球保持部272がV入賞口283に到達するまで上板280の上面を転動するため、回転体208の回転によりV入賞球保持部272がV入賞口283を通過するときに該V入賞球保持部272に保持されていた遊技球がV入賞口283に落下することになる。
また、回転体208の回転軸90Aは前傾しているが、円盤部270は、V入賞球保持部272やはずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球の下部より高位置に位置している、つまり、円盤部270とV入賞球保持部272やはずれ球保持部273A〜273Eとの間に段部が形成されているため、V入賞球保持部272やはずれ球保持部273A〜273Eが回転軸90Aより傾斜上位側を通過する際に、V入賞球保持部272やはずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球が円盤部270へ流出することはほぼない。
次に、小当り遊技状態における第2特別可変入賞球装置7Bの状況について、図16〜図21に基づいて説明する。図16は、(A)〜(E)は小当り遊技状態の開始から第1貯留部と第2貯留部に遊技球が貯留される状況を示す説明図である。図17は、(A)は通路ユニットが移動する状況、(B)は第2貯留部の遊技球の貯留が解除される状況を示す説明図である。図18は、(A)〜(D)ははずれ球保持部に遊技球が保持される状況を示す例1、(E)〜(H)ははずれ球保持部に遊技球が保持される状況を示す例2を示す説明図である。図19は、第1貯留部の遊技球の貯留が解除される状況を示す説明図である。図20は、(A)〜(D)はV入賞の流れを示す説明図、(E)〜(G)は外れの流れを示す説明図、(H)ははずれ球保持部に保持された遊技球が排出される状況を示す説明図である。図21は、(A)〜(C)はV入賞率を示す説明図、(D)ははずれ球保持部に遊技球が保持されるパターン及びV入賞率を示す表図である。
図16(A)に示すように、CPU103は、小当り遊技状態に制御したことに基づいて、第2大入賞口扉701を閉鎖状態から開放状態に変化させると、遊技球が第2大入賞口702に入賞可能となる。尚、小当り遊技状態に制御されたとき、第1貯留板222及び第2貯留板242は貯留位置に位置し、仕切板250は規制位置に位置し、可動経路ユニット230は通路非形成位置に位置し、また、回転体208は、小当り遊技状態に制御されるか否かにかかわらず、パチンコ遊技機1の電源が投入された時点から常時所定速度で平面視反時計回りに回転している。
また、本実施例では、小当り遊技状態に制御されたとき、第1貯留板222及び第2貯留板242は貯留位置に位置し、仕切板250は規制位置に位置し、可動経路ユニット230は通路非形成位置に位置し、また、回転体208は常時所定速度で回転しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態に制御されたときに、第1貯留板222及び第2貯留板242は貯留位置に位置し、仕切板250は規制位置に位置し、可動経路ユニット230は通路非形成位置に位置していれば、小当り遊技状態に制御される前は第1貯留板222、第2貯留板242、仕切板250及び可動経路ユニット230は上記位置になくてもよい。また、回転体208は、小当り遊技状態に制御されたことに基づいて回転を開始するようにしてもよい。
第2大入賞口702に進入した遊技球は、第1誘導経路201を流下し、第3カウントスイッチ24Bにより検出される。図16(B)に示すように、第2大入賞口702に進入した1個目の遊技球P1は、第2誘導経路202Aに誘導され、第1貯留板222により流下が規制されることで第1貯留部227に貯留される。
次いで、図16(C)に示すように、第2大入賞口702に進入した2個目の遊技球P2は、第1貯留部227に貯留された遊技球P1により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されることで、第3誘導経路203Aへ誘導される。ここで、仕切板250が規制位置にあるときには、第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球P2は第2貯留板242の上面における仕切板250より右側に貯留される。また、図16(D)に示すように、仕切板250が解除位置にあるときには、第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球P2は第2貯留板242の上面における仕切板250より左側に貯留される。
図16(E)に示すように、第2貯留部247に2個目の遊技球P2のみが貯留された場合、3個目の遊技球P3及び4個目以降の遊技球は排出口255から排出経路210へ誘導される。また、第2貯留部247に2個目の遊技球P2と3個目の遊技球P3とが貯留された場合、4個目の遊技球は排出口255から排出経路210へ誘導される。
次いで、図17(A)に示すように、CPU103は、第2大入賞口扉701を開放状態から閉鎖状態に変化させた後、通路用モータ91により演出表示装置5の右側方の通路非形成位置に位置している可動経路ユニット230が通路形成位置まで移動させる。これにより、第2誘導経路202Aと第2誘導経路202Bとが連通して一の第2誘導経路202A,202Bが形成される。このように、第2誘導経路202Bが可動することで一の第2誘導経路が構成されるようになっていることで、遊技者に意外性を与えることができる。尚、図17においては、演出表示装置5に表示される表示内容は省略している。
図17(B)に示すように、CPU103は、可動経路ユニット230を通路形成位置まで移動させた後、第6ソレノイド86により第2貯留板242を貯留位置から解除位置へ移動させる。これにより、第2貯留部247に貯留されていた2個の遊技球P2,P3が第3誘導経路203B,203Cに進入し、各々の経路を流下する。そして、遊技球P2は第3誘導経路203Bを流下して誘導溝261Bへ排出され、遊技球P3は第3誘導経路203Bを流下して誘導溝261Cへ排出される。
次に、誘導溝261B,261Cに排出された遊技球P2,P3がはずれ球保持部273A〜273Eに保持される状況の一例を、図18に基づいて説明する。
例えば、例1では、図18(A)に示すように、遊技球P2が誘導溝261Bに排出されたときに、誘導溝261Bに対応する位置に立壁部271が差し掛かっていれば、遊技球P2は誘導溝261Bに保持される。そして、例えば、図18(B)に示すように、誘導溝261Bに対応する位置にはずれ球保持部273Eが到達すると、誘導溝261Bに保持されていた遊技球P2が傾斜底面により流下してはずれ球保持部273Eに保持される。
次いで、図18(C)に示すように、遊技球P3が誘導溝261Cに排出され、このときに誘導溝261Cに対応する位置に立壁部271が差し掛かっていれば、遊技球P3は誘導溝261Cに保持される。そして、例えば、図18(D)に示すように、誘導溝261Cに対応する位置にはずれ球保持部273Aが到達すると、誘導溝261Cに保持されていた遊技球P3が傾斜底面により流下してはずれ球保持部273Aに保持される。この場合、V入賞球保持部272の両側のはずれ球保持部273A,273Eに2個の遊技球P2,P3が保持される。
例2は、図18(E)に示すように、遊技球P2が誘導溝261Bに排出されたときに、誘導溝261Bに対応する位置に立壁部271が差し掛かっていれば、遊技球P2は誘導溝261Bに保持される。そして、例えば、図18(F)に示すように、誘導溝261Bに対応する位置にはずれ球保持部273Cが到達すると、誘導溝261Bに保持されていた遊技球P2が傾斜底面により流下してはずれ球保持部273Cに保持される。
次いで、図18(G)に示すように、遊技球P3が誘導溝261Cに排出され、このときに誘導溝261Cに対応する位置に立壁部271が差し掛かっていれば、遊技球P3は誘導溝261Cに保持される。そして、例えば、図18(H)に示すように、誘導溝261Cに対応する位置にはずれ球保持部273Aが到達すると、誘導溝261Cに保持されていた遊技球P3が傾斜底面により流下してはずれ球保持部273Aに保持される。この場合、V入賞球保持部272の一側方のはずれ球保持部273Aと、はずれ球保持部273Bを飛ばしてはずれ球保持部273Cとに2個の遊技球P2,P3が保持される。
このように、遊技球P2が誘導溝261Bに排出されてから遊技球P3が誘導溝261Cに排出されるまでの期間(タイムラグ)は常にほぼ同じであるが、誘導溝261B,261Cに遊技球が排出されたときに、誘導溝261B,261Cに対応する位置にはずれ球保持部273A〜273Eのいずれが到達するかはわからないので、図18の例1,2に示したはずれ球保持部273A〜273Eのうち常に同じはずれ球保持部に遊技球P2,P3が保持されるとは限らない。また、遊技球P2のみが第2貯留部247に貯留されていた場合についての詳細な説明は省略するが、排出されたタイミングに応じてはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持されることになる(図21(D)参照)。
次いで、CPU103は、第2貯留部247の遊技球P2,P3の貯留を解除してから所定期間が経過した後、図19に示すように、第4ソレノイド84により第1貯留板222を貯留位置から解除位置へ移動させる。これにより、第1貯留部227に貯留されていた1個の遊技球P1が第2誘導経路202A,202Bを流下する。そして、第2誘導経路202A,202Bを流下した遊技球P1は、回転体208の円盤部270の上面へ排出される。
次に、回転体208の円盤部270の上面へ排出された遊技球P1がV入賞球保持部272またははずれ球保持部273A〜273Eに保持される状況の一例を、図20に基づいて説明する。
最初に、V入賞の流れについて説明すると、まず、図20(A)に示すように、円盤部270の上面における回転軸90Aより傾斜上位側に落下した遊技球P1は、傾斜下位側へ向けて流下する。そして、遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときに、例えば、図20(B)に示すようにはずれ球保持部273Aが移動してきた場合、はずれ球保持部273Aに遊技球P3が保持されていることで、遊技球P1ははずれ球保持部273Aへの進入が遊技球P3により阻害され、遊技球P3の側方に誘導される。
次いで、図20(C)に示すように、遊技球P3の側方に誘導された遊技球P1は、回転する立壁部271の内側面により円盤部270の周縁傾斜最下位部に滞留し、V入賞球保持部272が周縁傾斜最下位部に到達したときに該V入賞球保持部272に進入する。このとき、遊技球P1は上板280の上面に載置されることでV入賞球保持部272に保持される。そして、図20(D)に示すように、V入賞球保持部272が回転してV入賞口283に対応する位置に到達すると、遊技球P1がV入賞口283に進入し、第3カウントスイッチ24Bにより検出されることでV入賞が発生する。
尚、図20(B)においては、遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときにはずれ球保持部273Aが移動してきた形態を例示したが、例えば、遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときに、はずれ球保持部273Aよりも回転方向側(はずれ球保持部273B側)の立壁部271が到達した場合、該立壁部271の内側面により円盤部270の周縁傾斜最下位部に滞留する。次いで、はずれ球保持部273Aが周縁傾斜最下位部を通過すると、滞留していた遊技球P1ははずれ球保持部273Aにより保持されている遊技球P3を乗り越えてV入賞球保持部272側の立壁部271へ移動する。よって、このような場合でも、最終的にV入賞球保持部272に保持される。
次に、はずれの流れについて説明すると、まず、図20(E)に示すように、円盤部270の上面における回転軸90Aより傾斜上位側に落下した遊技球P1は、傾斜下位側へ向けて流下する。そして、遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときに、例えば、図20(F)に示すように、遊技球P2,P3が保持されていないはずれ球保持部273Cが移動してきた場合、遊技球P1ははずれ球保持部273Cへの進入が許容されて保持される。よって、図20(G)に示すように、遊技球P1〜P3は全てはずれ球保持部273A〜273Eに保持されたため、V入賞が発生することはない。
尚、図20(H)に示すように、はずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球P2,P3は、小当り遊技状態の制御を開始してから所定期間が経過した後に、開閉板289が駆動して排出口285が開放されることにより、はずれ球誘導経路288へ誘導される。
このように、円盤部270の上面に落下した遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときに、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれかが移動してきた場合でも、遊技球P2,P3が保持されている場合、はずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球P2,P3により進入が阻害される。また、立壁部271が移動してきた場合は、遊技球P1は該立壁部271により周縁傾斜最下位部に滞留する。そして、次に周縁傾斜最下位部にV入賞球保持部272が移動してくれば該V入賞球保持部272に保持され、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれかが移動してくれば該はずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持される。
つまり、円盤部270の上面に落下した遊技球P1が円盤部270の周縁傾斜最下位部へ到達したときに、V入賞球保持部272が移動してこなくても、はずれ球保持部273A〜273Eに遊技球P2,P3が保持されていたり、立壁部271が移動してくれば、遊技球P1は次にV入賞球保持部272またははずれ球保持部273A〜273Eのいずれかが移動してくるまで、円盤部270の周縁傾斜最下位部に滞留する。
よって、円盤部270の上面に落下した遊技球P1がV入賞球保持部272に保持されてV入賞が発生する確率(V入賞率)は、図21(A)(B)(C)に示すようになる。詳しくは、遊技球P1がV入賞球保持部272に進入可能となる期間は、V入賞球保持部272が周縁傾斜最下位部(通過点S)を通過する期間だけでなく、実際には、該V入賞球保持部272における回転方向側(はずれ球保持部273A側)にある立壁部271を含む領域(図21(A)(B)(C)中における斜線領域)が通過点Sを通過する期間となる。
例えば、図21(A)に示すように、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれにも遊技球が保持されていない場合、V入賞率は約16.7%となる。また、図21(B)に示すように、V入賞球保持部272における回転方向側に隣接するはずれ球保持部273Aに1個の遊技球P2(P3)が保持されている場合、V入賞率は約33.3%となる。また、図21(C)に示すように、V入賞球保持部272における回転方向側の隣りのはずれ球保持部273Aと、さらに隣のはずれ球保持部273Bとに遊技球P2,P3が保持されている場合、V入賞率は約50%となる。
このように、V入賞球保持部272における回転方向側のはずれ球保持部273A,273Bに連続して遊技球P2,P3が保持されると、これらはずれ球保持部273A〜273Eに保持された遊技球P2,P3と複数の立壁部271とにより、遊技球P1を円盤部270に滞留させるための連続した立壁部が形成され、これにより斜線領域が通過点Sを通過する期間がより長くなるため、V入賞率も上昇する。図20(D)に示す表図には、はずれ球保持部273B〜273Eに0個の遊技球が保持される組合せ、1個の遊技球が保持される組合せ、2個の遊技球が保持される組合せ及び各組合せにおけるV入賞率が示されている。
図20(D)の表図に示すように、遊技球P2,P3がV入賞球保持部272の回転方向と反対側のはずれ球保持部273E,273Dに連続して保持された場合や、V入賞球保持部272の隣のはずれ球保持部273Aに遊技球P2(P3)が保持されない場合にあっては、遊技球P1がはずれ球保持部273B〜273Eに保持された遊技球によりはずれ球保持部273B〜273Eへの進入が阻害されて滞留した後にV入賞球保持部272へ進入されることはないので、V入賞率は上昇しない。
また、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに1個の遊技球が保持される場合でも、はずれ球保持部273Aに保持された場合のV入賞率は中間の約33.3%になる一方、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれか2つに2個の遊技球が保持される場合でも、組合せによってはV入賞率は最低の約16.7%になる。また、はずれ球保持部273A〜273Eのうち隣り合うはずれ球保持部273A〜273Eに2個の遊技球が連続して保持される場合でも、V入賞球保持部272からはずれ球保持部273Aを跨いで連続していたり、V入賞球保持部272の回転方向の反対側であるはずれ球保持部273E,273Dに連続して保持されている場合は、V入賞率は最低の約16.7%になる。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート6Aを通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する始動入賞口扉(図示略)が開放され、所定時間が経過すると始動入賞口扉が閉鎖される。
普通可変入賞球装置6Bに形成された始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す始動口スイッチ22によって検出されたことなどにより特図始動条件が成立した後に、例えば特図の変動表示が実行されていないことや、大当り遊技状態でないこと等により特図開始条件が成立したことに基づいて、特別図柄表示器4による特図の変動表示が開始される。
特別図柄表示器4による特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。尚、本実施例では、特別図柄の変動表示結果として「大当り」と「小当り」のみを設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄の変動表示結果としては、「大当り」や「小当り」とは異なる「はずれ」を設けてもよい。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」、「4」の数字を示す特別図柄を小当り図柄としている。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「16」)に達するまで、繰返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば5秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口702を開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉701が所定の上限時間(例えば5秒間)が経過するまで1回開放するように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態において第2大入賞口扉701を複数回開放するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口702に進入した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口702に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば8個)の入賞が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。尚、本実施例では、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1特別可変入賞球装置7Aが第1状態(開放状態)に制御されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別可変入賞球装置7Bが第1状態(開放状態)に制御されるようにしてもよい。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンド遊技は、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「16」など)に達するまで、繰返し実行可能となっている。尚、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)によりラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、2回や5回)において時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。時短制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、2回や5回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、特別図柄表示器4による特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける始動入賞口扉の開放を行う開放時間を通常状態のときよりも長くする制御、その開放回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が始動入賞口を通過(進入)しやすくして特図始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも開放状態となる頻度が高められる。これにより、特別図柄表示器4における特図を用いた特図ゲームを実行するための特図始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、普図ゲームや特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、特別図柄表示器4を構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を第1ソレノイド81〜第7ソレノイド87に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図22(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図22(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図22(A)に示す例において、コマンド8000Hは、普通図柄表示器20における普図を用いた普図ゲームにおける変動開始を指定する普図変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する普図変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、普図変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド82XXHは、普図変動表示結果指定コマンドであり、普通図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。普図変動表示結果指定コマンドでは、例えば図22(B)に示すように、普通図柄や演出図柄の変動表示結果が「はずれ」であるか「当り(普図当り)」であるかの決定結果(事前決定結果)に応じて異なるEXTデータが設定される。
普図変動表示結果指定コマンドでは、例えば図22(B)に示すように、コマンド8200Hは、普通図柄や演出図柄の変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8201Hは、普通図柄や演出図柄の変動表示結果が「当り(普図当り)」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8300Hは、特別図柄表示器4における特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する特図変動開始コマンドである。コマンド84XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応する変動パターン(変動時間)を指定する特図変動パターン指定コマンドである。ここで、尚、特図変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド85XXHは、特図変動表示結果指定コマンドであり、特別図柄の変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。特図変動表示結果指定コマンドでは、例えば図22(C)に示すように、特別図柄の変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるか、特図変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別や、特図変動表示結果が「小当り」となる場合の小当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
特図変動表示結果指定コマンドでは、例えば図22(C)に示すように、コマンド8500Hは、特別図柄の変動表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りA」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8501Hは、特別図柄の変動表示結果が「小当り」で小当り種別が「小当りB」となる旨の事前決定結果及び小当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8502Hは、変特別図柄の変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば普図変動表示結果指定コマンドや特図変動表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や小当り種別決定結果、大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果や小当り種別決定結果、大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、普図変動表示結果指定コマンドや特図変動表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)や、小当り遊技状態における開放回数(例えば「1」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、通過ゲート6Aを通過(進入)した遊技球がゲートスイッチ21により検出されたことに基づき、普通図柄表示器20における普通図柄を用いた普図ゲームを実行するための普図始動条件が成立したことを通知するゲート通過指定コマンドである。コマンドB101Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチ22により検出されて始動入賞が発生したことに基づき、特別図柄表示器4における特図を用いた特図ゲームを実行するための特図始動条件が成立したことを通知する始動口入賞通知コマンドである。
コマンドC1XXHは、保留記憶表示エリア5Dなどにて普図保留記憶数を特定可能に表示するために、普図保留記憶数を通知する普図保留記憶数通知コマンドである。普図保留記憶数通知コマンドは、例えば通過ゲート6Aを遊技球が通過(進入)して普図始動条件が成立したことに基づいて、ゲート通過指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、普図保留記憶数通知コマンドは、開始条件が成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、普図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
コマンドD100は、V入賞が発生したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことで第3カウントスイッチ24Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
コマンドE1XXは、第2大入賞口702の開放パターンを通知する第2大入賞口開放パターン通知コマンドである。
コマンドF101は、第2大入賞口702への遊技球の入賞を通知する第2大入賞口入賞通知コマンドである。
図2に示すように、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図23は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図23に示すように、この実施例では、主基板11の側において、普図表示結果判定用の乱数値MR1の他、普図変動パターン判定用の乱数値MR2、特図表示結果判定用の乱数値MR3、当り(大当り及び小当り)種別判定用の乱数値MR4、特図変動パターン判定用の乱数値MR5、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR6は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図24(A)は、本実施例における普図変動パターンを示している。本実施例では、普通図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、普通図柄の変動表示結果が「当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、普通図柄の変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、普通図柄の変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、普通図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。普通図柄の変動表示結果が「当り」である場合に対応した変動パターンは、当り変動パターンと称される。
当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンとを各1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…やスーパーリーチα、スーパーリーチβ、・・・のように、複数のノーマルリーチ変動パターンや複数のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図24(A)に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの普図変動時間については、スーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンよりも短く設定されている。
尚、本実施例では、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、非リーチの順に普通図柄の変動表示結果が「当り」となる当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど当り期待度が高くなっている。
図24(B)は、本実施例における特図変動パターンを示している。本実施例では、特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合と「小当り」となる場合とに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、特図柄の変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称され、特図柄の変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。尚、本実施例では、特図変動パターンとして、大当り変動パターンと小当り変動パターンとを各1種類のみ設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特図変動パターンとして、大当り変動パターンや小当り変動パターンを複数設けてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図25などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図25(A)に示す普図表示結果判定テーブル、図25(B)に示す特図表示結果判定テーブル、図26(A)に示す大当り種別判定テーブル、図26(B)に示す小当り種別判定テーブルの他、当り普図変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ普図変動パターン判定テーブル(図示略)、大当り特図変動パターン判定テーブル(図示略)、小当り特図変動パターン判定テーブル(図示略)などが含まれている。
図25(A)は、普図表示結果判定テーブルを示す説明図である。普図表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。普図表示結果判定テーブルは、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合と、遊技状態が時短状態(高ベース状態)である場合とについて、当りとする判定値と、はずれとする判定値が設定されている。
図25(A)に示すように、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合は、普図変動表示結果が約2%(約1/50)の割合で当りとなり、約98%(約49/50)の割合ではずれとなるように判定値が割り当てられている。また、遊技状体が時短状態(高ベース状態)である場合は、普図変動表示結果が約98%(約49/50)の割合で当りとなり、約2%(約1/50)の割合ではずれとなるように判定値が割り当てられている。
つまり、CPU103は、MR1の値が図25(A)に示す当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、普通図柄に関して当り(普図当り)とすることを決定する。また、MR1が図25(A)に示すはずれに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、普通図柄に関してはずれとすることを決定する。尚、図25(A)に示す「確率」は、当りになる確率(割合)並びにはずれになる確率(割合)を示す。また、当りにするか否か決定するということは、始動入賞口扉用となる第1ソレノイド81によって始動入賞口扉の開放を行うか否か決定するということであるが、普通図柄表示器20における停止図柄を当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、はずれにするか否か決定するということは、普通図柄表示器20における停止図柄をはずれ図柄にするか否かを決定するということでもある。
図25(B)は、特図表示結果判定テーブルを示す説明図である。特図表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR3と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。特図表示結果判定テーブルには、特図変動表示結果を大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図25(B)に示すように、特図表示結果判定テーブルにおいては、遊技状態にかかわらず、常に一定の割合で特図変動表示結果を大当りと小当りとから決定するように判定値が設定されている。具体的には、特図表示結果判定テーブルにおいては、特図変動表示結果が約1/320の割合(確率)で大当りとなり、約319/320の割合(確率)で小当りとなるように判定値が割り当てられている。
つまり、CPU103は、MR3の値が図25(B)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りAまたは大当りB)とすることを決定する。また、MR3が図25(B)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(小当りAまたは小当りB)とすることを決定する。尚、図25(B)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、特別図柄表示器4における停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、特別図柄表示器4における停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図26(A)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。大当り種別判定テーブルは、特図変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR4)に基づいて、大当りの種別を大当りCに決定するために参照されるテーブルである。つまり、特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAから大当りCまでの3種類の大当り種別のうち大当りCのみであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りCとは異なる大当り種別(例えば、大当りD、大当りE)を更に設け、これら複数の大当り種別のうちから大当り種別を決定するようにしてもよい。
図26(B)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、特図変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR4)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例における小当り種別判定テーブルにおいては、当り種別判定用の乱数(MR4)の取り得る範囲0〜299のうち、0〜149までが小当りA、150〜299までが小当りBに割り当てられている。つまり、特図変動表示結果として小当りとすることが決定された場合は、小当り種別としてそれぞれ50%の割合で小当りAと小当りBとが決定されるようになっている。
尚、図26(B)及び図26(C)に示すように、小当りAと小当りBは、いずれも小当り遊技状態において第2大入賞口702を同回数、かつ、同期間(本実施例では、1回、5秒間開放)開放する小当り種別であるが、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわち、V入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りAの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわち、V入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りBの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りA及び大当りBは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR4によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したかによって決定される大当り種別である。
ここで、本実施例における大当り種別について、図26(D)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において時短制御が実行される大当りA、大当りB、大当りCが設定されている。
これら大当りA〜大当りCのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技状態の終了後は、該大当りAの発生の契機となる小当りが発生したときの遊技状態において時短制御が行われていなければ、2回の特図ゲームが終了するまで、または2回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行され、該大当りAの発生の契機となる小当りが発生したときの遊技状態において時短制御が行われていれば、5回の特図ゲームが終了するまで、または5回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行される。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は、該大当りBの発生の契機となる小当りが発生したときの遊技状態において時短制御が行われているか否かにかかわらず、5回の特図ゲームが終了するまで、または5回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は、大当りCに制御される前の遊技状態において時短制御が行われているか否かにかかわらず、5回の特図ゲームが終了するまで、または5回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行される。
つまり、本実施例では、時短制御が行われているときにV入賞または特別図柄の変動表示により大当りが発生した場合は、時短制御が行われていないときに大当りが発生した場合よりも高い割合で、大当り遊技終了後に5回の特図ゲームが終了するまで、または5回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行されるとともに、時短制御が行われていないときにV入賞または特別図柄の変動表示により大当りが発生した場合よりも低い割合で、大当り遊技終了後に2回の特図ゲームが終了するまで、または2回の特図ゲームに基づいて大当り(V入賞大当りまたは特図変動表示結果の大当り)が発生するまで時短制御が実行されるようになっている。
尚、時短状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも頻繁に始動入賞口扉の開放が実行され、始動入賞口に遊技球が入賞し易くなる。そして、特別図柄の変動表示結果として小当りが発生しやすくなる。また、大当り遊技終了後に5回の特図ゲームが終了するまで、または5回の特図ゲームに基づいて大当りが発生するまで時短制御が実行される場合は、大当り遊技終了後に2回の特図ゲームが終了するまで、または2回の特図ゲームに基づいて大当りが発生するまで時短制御が実行される場合よりも、小当りに基づきV入賞が発生する機会及び特図変動表示結果として大当りが発生する機会が増加するので、時短制御が行われている間に新たな大当りが発生しやすくなる。
また、本実施例では、大当りが発生した場合は、大当り遊技終了後に2回または5回の特図ゲームが終了するまで、または、2回または5回の特図ゲームに基づいて大当りが発生するまで時短制御が実行される形態(大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲーム回数が最大2回または最大5回である形態)を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技終了後に時短制御が実行される特図ゲーム回数はこれら最大2回や最大5回以外の回数であってもよいし、また、大当り遊技終了後に時短制御が実行されない場合を設けてもよい。
また、ROM101には、普図変動パターン判定用の乱数値MR2に基づいて普図変動パターンを決定するための普図変動パターン判定テーブルも記憶されており、普図変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの普図変動パターンに決定する。
具体的には、普図変動パターン判定テーブルとしては、普図変動表示結果を「当り」にすることが事前決定されたときに使用される当り用普図変動パターン判定テーブルと、普図変動表示結果を「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用普図変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
当り用普図変動パターン判定テーブルには、通常状態(低ベース状態)である場合に使用される当り用普図変動パターン判定テーブルAと、時短状態(高ベース状態)である場合に使用される当り用普図変動パターン判定テーブルBとが予め用意されている。
当り用普図変動パターン判定テーブルAにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチ大当りの変動パターン(PB1−2)の各普図変動パターンに対して、普図変動パターン判定用の乱数値MR2が取り得る範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている(図24(A)参照)。当り用普図変動パターン判定テーブルBにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチ当りの変動パターン(PB1−3)に対して普図変動パターン判定用の乱数値MR2が取り得る範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
また、はずれ用普図変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるはずれ用普図変動パターン判定テーブルAと、保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるはずれ用普図変動パターン判定テーブルBと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるはずれ用普図変動パターン判定テーブルCとが予め用意されている。
尚、図24(A)に示すように、遊技状態が通常状態であるときに普図変動表示結果が当りとなる場合は、短縮なしのノーマルリーチ当りの変動パターン(PB1−1)よりも短縮なしのスーパーリーチ当りの変動パターンの方が普図の変動時間が長いため、遊技者は、普図の変動時間が長いことにより普図変動表示結果が当りとなることに期待することができる。一方で、遊技状態が時短状態であるときに普図変動表示結果が当りとなる場合は、短縮なしのノーマルリーチ当りの変動パターン(PB1−1)よりも普図の変動時間が短い短縮有りの変動パターン(PB1−3)のみが実行されるようになっているため、遊技状態が通常状態である場合よりも短時間で普図当りが発生し、始動入賞口扉の開放が頻繁に実行されるようになっている。
はずれ用普図変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチはずれの変動パターン(PA2−2)に対して普図変動パターン判定用の乱数値MR2が取り得る範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用普図変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチはずれの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチはずれの変動パターン(PA2−2)に対して普図変動パターン判定用の乱数値MR2が取り得る範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、はずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)に対して普図変動パターン判定用の乱数値MR2が取り得る範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている(図24(A)参照)。
尚、図24(A)に示すように、短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに普図始動条件が成立することで、保留記憶がなされない無駄な遊技球の通過ゲート6Aの通過が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
また、ROM101には、特図変動パターン判定用の乱数値MR5に基づいて特図変動パターンを決定するための特図変動パターン判定テーブルも記憶されており、特図変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、特図変動パターン判定テーブルとしては、特図変動表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用特図変動パターン判定テーブルと、特図変動表示結果を「小当り」にすることが事前決定されたときに使用される小当り用特図変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
また、小当り用特図変動パターン判定テーブルにおいては、図24(B)に示す小当りの変動パターン(PC1−1)に対して、特図変動パターン判定用の乱数値MR5が取り得る範囲のうち全ての乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における小当りの特図変動パターンとしてはPC1−1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当りの特図変動パターンとしては2以上の特図変動パターンを設けるようにしても良い。
また、大当り用特図変動パターン判定テーブルにおいては、図24(B)に示す大当りの変動パターン(PD1−1)に対して、特図変動パターン判定用の乱数値MR5が取り得る範囲のうち全ての定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施における大当りの特図変動パターンとしてはPD1−1のみが設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りの特図変動パターンとしては2以上の特図変動パターンを設けるようにしても良い。
また、ROM101には、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6に基づいて、小当り発生時の第2大入賞口702の開放パターンを決定するための第2大入賞口開放パターン判定テーブルも記憶されており、第2大入賞口開放パターンを、複数のパターンから小当りが発生した遊技状態に応じて異なる割合で決定する。
具体的には、図27(A)に示すように第2大入賞口開放パターン判定テーブル(通常状態用)、すなわち、遊技状態が通常状態である場合に小当りが発生した場合においては、第2大入賞口開放パターンとしてのパターンAに対して、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6が取り得る0〜127の範囲のうち、0〜95までが判定値として割り当てられており、第2大入賞口開放パターンとしてのパターンBに対して、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6が取り得る0〜127の範囲のうち、96〜127までが判定値として割り当てられている。つまり、遊技状態が通常状態である場合に小当りが発生した場合においては、第2大入賞口開放パターンは、3/4(75%)の割合でパターンAに決定され、1/4(25%)の割合でパターンBに決定される。
一方、図27(B)に示すように、第2大入賞口開放パターン判定テーブル(時短状態用)、すなわち、遊技状態が時短状態である場合に小当りが発生した場合においては、第2大入賞口開放パターンとしてのパターンAに対して、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6が取り得る0〜127の範囲のうち、0〜31までが判定値として割り当てられており、第2大入賞口開放パターンとしてのパターンBに対して、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6が取り得る0〜127の範囲のうち、32〜127までが判定値として割り当てられている。つまり、遊技状態が時短状態である場合に小当りが発生した場合においては、第2大入賞口開放パターンは、1/4(25%)の割合でパターンAに決定され、3/4(75%)の割合でパターンBに決定される。
図37に示すように、パターンAは、小当り遊技が開始された時点T0から第1開放待ち時間(例えば、約5秒)が経過した時点T3で、第3ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口扉701を開放状態とし、開放終了条件(例えば、所定の上限時間(例えば5秒間)が経過するまで、あるいは所定個数(例えば8個)の入賞が発生するまで)が成立した時点で閉鎖状態とする開放パターンである。一方、図38に示すように、パターンBは、小当り遊技が開始された時点T0から第2開放待ち時間(例えば、約3秒)が経過した時点T1で、第3ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口702を開放状態とし、開放終了条件(例えば、所定の上限時間(例えば5秒間)が経過するまで、あるいは所定個数(例えば8個)の入賞が発生するまで)が成立した時点で閉鎖状態とする開放パターンである。つまり、パターンBは、パターンAよりも小当りの開始時から早いタイミングで第2大入賞口扉701を開放状態とする開放パターンである。
また、仕切板250は、パターンA、パターンBのいずれにおいても、小当り遊技が開始された時点T0から所定時間(例えば、約4.5秒)が経過した時点T2で、第5ソレノイド85の駆動によって規制位置から解除位置へ移動し、約1秒が経過した時点で解除位置から規制位置へ移動した後、直ちに規制位置から解除位置へ移動し、さらに約1秒が経過した時点、つまり、規制位置から解除位置へ移動した時点T2から約2秒が経過した時点T4で、解除位置から規制位置へ戻る。
また、第2大入賞口702に進入した遊技球が、第1誘導経路201において第2カウントスイッチ24Aを通過してから第2誘導経路202Aの第1貯留部227に到達するまでに要する時間は約0.5秒とされている。また、第2大入賞口702に進入した遊技球が、第1誘導経路201において第2カウントスイッチ24Aを通過してから第3誘導経路203Aの第2貯留部247に到達するまでに要する時間は約1.5秒とされている。
よって、パターンAの場合、第2大入賞口扉701が開放状態となった時点T3では、既に仕切板250が解除位置へ移動しており、開放状態となった時点T3から約1.5秒が経過した時点T4で解除位置から規制位置へ戻ってしまう。よって、第2大入賞口扉701が開放状態となった直後に2個の遊技球が連続して進入した場合でも、遊技球が第2カウントスイッチ24Aを通過してから第3誘導経路203Aの第2貯留部247に到達するまで約1.5秒かかるため、2個目の遊技球が仕切板250が解除位置にあるときに第2貯留部247に到達する可能性は極めて低い。つまり、パターンAは、第2貯留部247に2個の遊技球が貯留される可能性が極めて低く、1個の遊技球のみが貯留される可能性が高い開放パターンとされている。
一方、パターンBの場合、第2大入賞口扉701が開放状態となった時点T1では、仕切板250は解除位置へ移動しておらず、開放状態となった時点T1から所定時間(例えば、約1.5秒)が経過した時点T2で規制位置から解除位置へ移動する。つまり、第2大入賞口扉701が開放状態となった直後に2個の遊技球が連続して進入した場合でも、2個目の遊技球が仕切板250が解除位置にあるときに第2貯留部247に到達する可能性があるばかりか、そこから約2秒間にわたり仕切板250が解除位置に維持されるため、第2大入賞口扉701が開放状態となった時点T1から約2秒間の間に2個以上の遊技球が進入すれば、仕切板250が解除位置にあるときに第2貯留部247に到達する可能性が極めて高くなる。つまり、パターンBは、パターンAに比べて第2貯留部247に2個の遊技球が貯留される可能性が極めて高い開放パターンとされている。
また、本実施例では、パターンA、パターンBいずれが実行された場合でも、第2大入賞口扉701の右側に設けられた壁部Hに向けて遊技球が発射されていれば、所定の上限時間である5秒が経過するまでに8個の遊技球が入賞可能とされているが、第2大入賞口702への遊技球の進入状況によっては、必ずしも8個の遊技球が入賞するとは限らない。また、パターンBは、第2大入賞口扉701が開放状態となった時点T1から約2秒間の間に2個以上の遊技球が進入すれば、仕切板250が解除位置にあるときに第2貯留部247に到達する可能性が極めて高いパターンであるが、第2大入賞口702への遊技球の進入状況によっては、必ずしも2個の遊技球が第2貯留部247に貯留されるものではなく、1個しか貯留されない場合や、1個も貯留されない場合もある。
尚、パターンAとパターンBとは、小当り遊技が開始された時点T0から第2大入賞口扉701が開放状態となるまでの時間が異なるが、その差は約2秒であり、また、開放終了条件も同じであるため、第2大入賞口扉701が開放状態となったときに、開放パターンがパターンA、パターンBのいずれであるかを遊技者が判別することは困難となっている。よって、開放パターンの種別により遊技者が第2貯留部247に貯留される遊技球数を容易に予測することが困難化されているため、第2貯留部247に遊技球が2個貯留されることに対する期待感を持続させることができる。
また、本実施例における第2大入賞口開放パターンとしてのパターンAとパターンBの決定割合は、遊技状態が通常状態であるか時短状態であるかに応じて異なるのであって、小当り種別に応じては異ならないので、遊技者は、開放パターンの種別により、V入賞を契機とした大当り遊技終了後に実行される時短制御回数が最大で2回であるか最大で5回であるのかを判別することが困難となっているため、大当り遊技終了後に実行される時短制御回数が5回となることに対する期待感を持続させることができる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(後述する普図プロセスフラグや特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図28に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図28に示す遊技制御用データ保持エリア150は、普図保留記憶部151と、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
普図保留記憶部151は、通過ゲート6Aを遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない普図ゲーム(普通図柄表示器20における普図を用いた普図ゲーム)の保留データを記憶する。普図保留記憶部151は、一例として、普図保留記憶部151は、通過ゲート6Aへの通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における普図始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR1や普図変動パターン判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部151に記憶された保留データは、普図を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける変動表示結果(普図変動表示結果)に基づき当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
尚、本実施例における遊技制御用データ保持エリア150は、始動入賞口を遊技球が通過したものの未だ開始されていない特図ゲーム(特別図柄表示器4における特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する記憶部を備えていない。つまり、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、特図ゲームの保留データを記憶しないようになっており(特図ゲームの保留データを記憶可能な数が0)、特別図柄の変動表示中や大当り遊技中、小当り遊技中に始動入賞に遊技球が入賞した場合は、新たに特別図柄の変動表示が実行されないようになっている。このため、時短状態に制御されている場合は、遊技状態や大当り種別に応じて設定された時短回数(2回または5回)よりも多い回数に亘って特別図柄の変動表示が行われることによって、特図変動表示結果が大当りとなることや小当りとなった後にV入賞が発生する確率が過度に高まってしまうことが防止されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば普図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
普図変動時演出制御パターンは、複数種類の普図変動パターンに対応して、普図ゲームにおいて普通図柄の変動が開始されてから普図変動表示結果となる確定普通図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
普図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、保留記憶表示エリア5Dにて保留記憶表示を行うための通過ゲート通過バッファが設定されている。通過ゲート通過バッファには、普図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、通過ゲート6Aの通過の有無を示すデータとが記憶されている。尚、これら通過ゲート通過バッファのデータは、ゲート通過指定コマンドの受信や、普図変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の保留表示更新処理(S72、図34参照)にて更新されるとともに、更新後の通過ゲート通過バッファのデータに基づいて保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、遊技球が通過ゲート6Aを通過したことに基づいてゲート通過指定コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに普図の変動が開始されたことに基づいて普図変動開始コマンドを受信したときには、保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に通過ゲート6Aを通過したことに基づく保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留表示を更新する。
図29は、本実施例におけるパチンコ遊技機1での遊技の進行を示す説明図である。図29に示すように、先ず、遊技球が通過ゲート6Aを通過してゲートスイッチ21によって検出されると、乱数値MR1及び乱数値MR2が抽出され、該抽出された乱数値MR1と普図表示結果判定テーブルを用いて普図変動表示結果を当りとするか否かの抽選が行われる。尚、該普図変動表示結果を当りとするか否かの抽選は、遊技状態が通常状態であれば約1/50の割合で普図変動表示結果を当りに決定され、遊技状態が時短状態であれば約49/50の割合で普図変動表示結果を当りに決定される。また、該普図変動表示結果を当りとするか否かの抽選結果に応じて、抽出された乱数値MR2と普図変動パターン判定テーブル(当り普図変動パターン判定テーブルまたははずれ普図変動パターン判定テーブル)を用いて普図変動パターンが決定される。そして、該決定した普図変動パターンにおいて普通図柄と演出図柄の変動表示が開始される。
普通図柄及び演出図柄の変動表示が終了すると、普図変動表示結果が当りに決定されている場合には、第1ソレノイド81の駆動によって始動入賞口の開放が行われる。尚、普図変動表示結果が当りに決定されている場合には、第1ソレノイド81の駆動による始動入賞口の開放は行われない。
該始動入賞口の開放が行われている状態において、遊技球が始動入賞口に入賞して始動口スイッチ22によって検出されると、乱数値MR3〜乱数値MR6が抽出され、該抽出された乱数値MR3と特図表示結果判定テーブルを用いて特図変動表示結果を大当りとするか小当りとするかの抽選が行われる。尚、該特図変動表示結果を大当りとするか小当りとするかの抽選においては、1/320の割合で特図変動表示結果が大当りに決定され、319/320の割合で特図変動表示結果が小当りに決定される。
また、該特図変動表示結果を大当りとするか小当りとするかの抽選結果に応じて、抽出された乱数値MR4と特図変動パターン判定テーブル(大当り特図変動パターン判定テーブルまたは小当り特図変動パターン判定テーブル)を用いて特図変動パターンが決定される。更に、特図変動表示結果が大当りに決定されている場合には、抽出された乱数値MR5と大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別が大当りCに決定される。
そして、決定した特図変動パターンにおいて特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄の変動表示が終了すると、特図変動表示結果が大当りに決定されている場合には、大当りCの大当り遊技状態に制御され、第2ソレノイド82の駆動による第1大入賞口の開放が16回(16ラウンド)行われる。
また、特図変動表示結果が小当りに決定されている場合には、抽出された乱数値MR6と第2大入賞口開放パターン判定テーブル(第2大入賞口開放パターン判定テーブル(通常状態用)または第2大入賞口開放パターン判定テーブル(時短状態用))を用いて第2大入賞口開放パターンがパターンAまたはパターンBに決定される。尚、遊技状態が通常状態である場合は、3/4の割合でパターンAが決定され、1/4の割合でパターンBが決定される。遊技状態が時短状態である場合は、1/4の割合でパターンAが決定され、3/4の割合でパターンBが決定される。つまり、時短状態である場合は2個の遊技球が貯留される可能性が高いパターンBが決定されやすいため、通常状態よりもV入賞率が向上する。
第2大入賞口開放パターンが決定された後は、小当りAまたは小当りBの小当り遊技状態に制御されるとともに、第3ソレノイド83を決定した開放パターン(パターンAまたはパターンB)に応じて駆動させることで、第2大入賞口702の開放が1回行われる。
そして、小当り遊技状態においては、第2大入賞口702に入賞した遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されることによってV入賞が発生する。V入賞が発生すると、該V入賞が発生した小当り種別に応じた大当り遊技状態に制御される。つまり、小当りAの小当り遊技状態中にV入賞が発生した場合は、大当りAの大当り遊技状態に制御され、小当りBの小当り遊技状態中にV入賞が発生した場合は、大当りBの大当り遊技状態に制御される。そして、該大当り遊技状態においては、第2ソレノイド82の駆動による第1大入賞口の開放が15回(15ラウンド)行われる。
尚、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されない場合、すなわち、小当り遊技状態において第2大入賞口702に入賞した遊技球が第4カウントスイッチ24Cにて検出された場合や第2大入賞口702に遊技球が入賞しない場合は、遊技状態が大当り遊技状態に制御されることなく、小当り遊技状態が終了する。つまり、第2ソレノイド82の駆動による第1大入賞口の開放は行われない。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図30のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図30に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、始動口スイッチ22、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24Cといった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR6といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行する(S15)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、普通図柄表示器20における表示動作の制御や、普通可変入賞球装置6Bにおける始動入賞口扉の開放などを可能にする。
普通図柄プロセス処理に続いて、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S16)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示器4における表示動作の制御や、第1特別可変入賞球装置7Aや第2特別可変入賞球装置7Bにおける大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図31は、普通図柄プロセス処理として、図30に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過時処理を実行する(S100)。該ゲート通過時処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、S101〜S105の処理のいずれかを選択して実行する。
S100のゲート通過時処理では、ゲートスイッチ21による遊技球の検出があったか否かを判定し、遊技球の検出があった場合には、更に保留記憶数が上限値(本実施例では4)であるか否かを判定する。保留記憶数が上限値でない場合は、普図表示結果判定用の乱数値MR1及び普図変動パターン判定用の乱数値MR2を抽出する。そして、これら抽出した乱数値MR1及び乱数値MR2を普図保留記憶部151における空きエントリの最上位に格納する。また、演出制御基板12に対してゲート通過指定コマンドと普図保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。尚、ゲート通過指定コマンドと普図保留記憶数通知コマンドとは、CPU103がコマンド制御処理(S17)を実行することで演出制御基板12に対して送信される。
S101の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部151に記憶されている保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、普通図柄通常処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、普通図柄や演出図柄の変動表示結果を「当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、普通図柄通常処理では、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果に対応して、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける確定普通図柄(当り図柄やはずれ図柄)が設定される。普通図柄通常処理では、普通図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、普図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S102の普図変動パターン設定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普図変動パターン設定処理には、普通図柄の変動表示結果を「当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、普図変動パターン判定用の乱数値MR2を示す数値データを用いて普図変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。普図変動パターン設定処理が実行されて普通図柄の変動表示が開始されたときには、普図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S101の普通図柄通常処理やS102の変普図変動パターン設定処理により、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄や普通図柄および演出図柄の変動表示時間を含む普図変動パターンが決定される。すなわち、普通図柄通常処理や普図変動パターン設定処理は、普図表示結果判定用の乱数値MR1、普図変動パターン判定用の乱数値MR2を用いて、普通図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S103の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理には、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定を行う処理や、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S103の普通図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた普図変動タイマにおける格納値である普図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が普図変動パターンに対応する普図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S104の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理には、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた当りフラグ(普図当りフラグ)がオンとなっているか否かの判定などが行われ、当りフラグがオンである場合には普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、当りフラグがオフである場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S105の始動入賞口開放中処理は、普図プロセスフラグの値が “4”のときに実行される。この始動入賞口開放中処理には、普図変動表示結果が「当り」となったことに基づき、始動入賞口の開放を行うための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば、始動入賞口の開放回数を「1回」、開放期間を「5秒」に設定した後、第2ソレノイド82を駆動させることによって始動入賞口を開放する。また、始動入賞口開放中処理では、始動入賞口の開放してからの経過時間を計測する処理や、該計測した経過時間に基づいて、第2ソレノイド82を駆動させることで始動入賞口を閉鎖する処理なども含まれている。そして、第2大入賞口702を閉鎖した後、普図プロセスフラグの値が “0”に更新される。
図32は、特別図柄プロセス処理として、図30に示すS16にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S300)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S301〜S307の処理のいずれかを選択して実行する。
S300の始動入賞処理では、始動口スイッチ22による始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、既に特別図柄の変動中または大当り遊技や小当り遊技の実行中であるか否か、つまり、特図プロセスフラグの値が後述する“0”〜 “9”のうち“0”であるか否かを判定する。特別図柄の変動中でなく、更に大当り遊技や小当り遊技の実行中出ない場合、つまり、特図プロセスフラグの値が“0”である場合は、更に、特図表示結果判定用の乱数値MR3、当り種別判定用の乱数値MR4、特図変動パターン判定用の乱数値MR5及び第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6を抽出する。
S301の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、始動入賞処理において乱数値MR3〜乱数値MR6が抽出されているか否かに基づいて、特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR3を示す数値データに基づき、特別図柄の変動表示結果を「大当り」とするか「小当り」とするかを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、特別図柄表示器4による特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S302の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか「小当り」とするかの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR5を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S301の特別図柄通常処理やS302の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR3、当り種別判定用の乱数値MR4、特図変動パターン判定用の乱数値MR5を用いて、特別図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S303の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示器4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S303の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が特図変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S304の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示器4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S305の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、特図変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする(開放する)期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」と「大当りB」であれば「15回」、「大当りC」であれば「16回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S306の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉用の第2ソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S307の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して時短制御を開始するための各種の設定(時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別と該大当りとなったときの遊技状態を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りA」であるとともに特定した遊技状態が通常状態である場合は、時短フラグをセットするとともに、通常状態において「大当りA」の大当り遊技が実行されたことに対応するカウント初期値(本実施例では「2」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新し、特定した大当り種別が「大当りA」であるとともに特定した遊技状態が時短状態である場合は、時短フラグをセットするとともに、時短状態において「大当りA」の大当り遊技が実行されたことに対応するカウント初期値(本実施例では「5」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
尚、特定した大当り種別が「大当りB」または「大当りC」である場合は、特定した遊技状態にかかわらず、時短フラグをセットするとともに、「大当りB」または「大当りC」の大当り遊技が実行されたことに対応するカウント初期値(本実施例では「5」)を時短回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S308の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、特図変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において第2大入賞口702を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば特図変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口702を開放状態とする期間の上限を「5秒」に設定するとともに、第2大入賞口702の開放回数を「1回」に設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。また、小当り開放前処理では、第2大入賞口開放パターン判定用の乱数値MR6と第2大入賞口開放パターン判定テーブルにもとづいて第2大入賞口開放パターンをパターンAまたはパターンBに決定し、該決定した第2大入賞口開放パターンによって第2大入賞口702を開放状態とするタイミングの設定も行う。具体的には、第2大入賞口開放パターンとしてパターンAが決定された場合は、小当り遊技開始時からT3秒が経過した時点から第2大入賞口702を開放状態とする設定を行い、第2大入賞口開放パターンとしてパターンBが決定された場合は、小当り遊技開始時からT1秒が経過した時点から第2大入賞口702を開放状態とする設定を行う。更に、決定した第2大入賞口開放パターンに応じた第2大入賞口開放パターン通知コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
尚、本実施例では、小当り状態において第2大入賞口702の開放回数を「1回」、第2大入賞口702を開放状態とする期間の上限を「5秒」に設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り状態における第2大入賞口702の開放回数は2回以上の複数回であってもよく、また、第2大入賞口702を開放状態とする期間の上限は遊技球が第2大入賞口702に入賞可能な期間であれば「5秒」以外の期間であっても良い。
S309の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口702を開放状態とするタイミングを判定する処理や、第2大入賞口702を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ24Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口702を閉鎖状態とするタイミングとなったか否かを判定する処理、仕切板250の開放(上昇)と閉鎖(下降)を行う処理、第1貯留板222や第2貯留板242の貯留位置と解除位置とを切替える処理、遊技球が第2カウントスイッチ24Aにて検出された場合に演出制御基板12に対して第2大入賞口入賞通知コマンドを送信するための設定を行う処理、遊技球が第3カウントスイッチ24Bや第4カウントスイッチ24Cにて検出されたか否かを判定する処理、遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されたことに基づいて、演出制御基板12に対してV入賞通知コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、遊技球が第3カウントスイッチ24Bや第4カウントスイッチ24Cにて検出されたか否かを判定する処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S310の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、小当り開放中処理の実行中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されたか否かを判定する処理などが含まれている。そして、小当り開放中処理の実行中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されている場合は、特図プロセスフラグの値が“4”に更新され、小当り開放中処理の実行中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されていない場合は、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図33は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図22参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図34は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S82のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
普図変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から普図変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で普図変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。普図変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または小当り表示処理(S80)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後または小当り遊技中にV入賞が発生したことに基づいて演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を普図変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S80):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するとともに、演出表示装置5の上方に設けられている第2大入賞口702に対して遊技球の入賞を促す第2大入賞口入賞促進演出を実行する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S81)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S81):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5における表示制御等を行う。また、本実施例における小当り遊技中処理では、主基板11から第2大入賞口入賞通知コマンドを受信した回数をカウントする処理、該カウントした第2大入賞口入賞通知コマンドと第2大入賞口開放パターンに応じて第2貯留部247に貯留される遊技球数を示唆する貯留数示唆演出を実行する処理などを行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S82)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S82):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を普図変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)または大当り表示処理(S77)に対応した値に更新する。
次に、本実施例における演出表示装置5の表示態様及び小当り遊技中における第2大入賞口扉701の開放態様について図35〜図38に基づいて説明する。
先ず、図35(A)に示すように、演出図柄の変動表示において演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに演出図柄が「当り(普図当り)」を示す組合せで導出表示されると、CPU103が第1ソレノイド81の駆動によって始動入賞口扉を開放し、遊技球が始動入賞口に入賞可能となる。このとき、演出制御用CPU120は、図35(B)に示すように、演出表示装置5において、演出表示装置5の左側方に設けられている普通可変入賞球装置6Bの始動入賞口に対して遊技球の入賞を促す始動入賞促進演出を実行する。
そして、始動入賞口に遊技球が入賞すると、CPU103が特別図柄の変動表示を開始する。尚、該特別図柄の変動表示結果が「大当り」に決定されている場合は、特別図柄表示器4において特別図柄が「大当り」を示す図柄で導出表示されると、図35(C)に示すように、演出制御用CPU120が演出表示装置5において特別図柄の変動表示が終了することに基づいて特別図柄の変動表示結果が「大当り」であることを報知する大当り報知演出を実行するとともに、CPU103によって「大当りC」(図26(D)参照)の大当り遊技が開始される。
一方、該特別図柄の変動表示結果が「小当り」に決定されている場合は、特別図柄表示器4において特別図柄が「小当り」を示す図柄で導出表示されると、CPU103によって「小当りA」または「小当りB」の小当り遊技が開始される。尚、本実施例では、小当り遊技が開始した時点T0(図37及び図38参照)から所定時間(例えば、約3秒)が経過した時点T1まで、図35(D)に示すように、演出制御用CPU120は小当りの発生を報知するとともに、演出表示装置5の上方に設けられている第2大入賞口702への遊技球の入賞を促す第2大入賞口入賞促進演出を実行する。
そして、図37及び図38に示すように、第2大入賞口入賞促進演出の実行後、CPU103は、小当り遊技が開始した時点T0から所定時間(例えば、約4.5秒)が経過した時点T2で、第5ソレノイド85を駆動させることによって仕切板250を規制位置から解除位置へ移動した後、約2秒間にわたり仕切板250を解除位置に維持する。
図37に示すように、第2大入賞口開放パターンがパターンAに決定されている場合、第2大入賞口扉701は、小当り遊技が開始された時点T0から第1開放待ち時間(例えば、約5秒)が経過した時点T3で開放される。そして、例えば、第2大入賞口702に進入した1個目の遊技球(遊技球P1)は、第1誘導経路201を通過した後に第2誘導経路202Aに誘導され、第1貯留板222により流下が規制されることで第1貯留部227に貯留される。次いで、第2大入賞口702に進入した2個目の遊技球(遊技球P2)は、第1貯留部227に貯留された遊技球(遊技球P1)により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されることで、第3誘導経路203Aへ誘導され、第2貯留部247に到達する。この時点で第2大入賞口扉701が開放してから約1.5秒が経過してしまっている場合、第2貯留部247では仕切板250が規制位置に位置しているため、該遊技球は、第2貯留板242の上面における仕切板250より右側に貯留される。
そして、第2大入賞口702に進入した3個目以降の遊技球(遊技球P3)は、第1貯留部227に貯留された遊技球(遊技球P1)により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されることで、第3誘導経路203Aへ誘導されるとともに、第2貯留板242の上面における仕切板250よりも右側に貯留されている遊技球(遊技球P2)によって第2貯留部247への到達が阻害され、排出口255から排出経路210へ誘導される。つまり、この例では第2貯留部247には1個の遊技球しか貯留されない。
また、図38に示すように、第2大入賞口開放パターンがパターンBに決定されている場合、第2大入賞口扉701は、小当り遊技が開始した時点T0から第2開放待ち時間(例えば、約3秒)が経過した時点T3で開放される。そして、例えば、第2大入賞口702に進入した1個目の遊技球(遊技球P1)は、第1誘導経路201を通過した後に第2誘導経路202Aに誘導され、第1貯留板222により流下が規制されることで第1貯留部227に貯留される。次いで、第2大入賞口702に進入した2個目の遊技球(遊技球P2)は、第1貯留部227に貯留された遊技球(遊技球P1)により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されることで、第3誘導経路203Aへ誘導され、第2貯留部247に到達する。この時点で第2大入賞口扉701が開放してから約1.5秒が経過していれば、第2貯留部247では仕切板250が解除位置に位置しているため、遊技球は第2貯留板242の上面における仕切板250より左側に貯留される。
次いで、第2大入賞口702に進入した3個目の遊技球(遊技球P3)が第2貯留部247に到達した時点で、第2貯留部247では仕切板250が解除位置に位置していてもいなくても、遊技球は第2貯留板242の上面における仕切板250より右側に貯留される。また、第2大入賞口702に進入した4個目以降の遊技球は、第1貯留部227に貯留された遊技球(遊技球P3)により第2誘導経路202Aへの進入が阻害されて第3誘導経路203Aへ誘導されるとともに、第2貯留板242の上面における仕切板250よりも右側に貯留されている遊技球(遊技球P2)によって第2貯留部247への到達が阻害され、排出口255から排出経路210へ誘導される。つまり、この例では第2貯留部247には2個の遊技球が貯留される。
尚、図35(E)、図35(F)、図37、図38に示すように、小当り遊技中に第2大入賞口702に進入した2個目の遊技球(遊技球P2)が第2カウントスイッチ24Aによって検出されると、演出制御用CPU120は、第2大入賞口開放パターンに基づいて第2貯留部247に貯留される可能性がある遊技球数を示唆する貯留数示唆演出を実行する。貯留数示唆演出としては、演出制御用CPU120は、演出表示装置5においてキャラクタやセリフを表示することで、第2貯留部247に貯留される遊技球数が1個になる可能性が高いことを示唆する貯留数示唆演出Aと、演出表示装置5において貯留数示唆演出Aとは異なるキャラクタやセリフを表示することで、第2貯留部247に貯留される遊技球数が2個になる可能性が高いことを示唆する貯留数示唆演出Bと、を第2大入賞口開放パターンに応じて異なる割合で実行可能となっている。
具体的には、演出制御用CPU120は、第2大入賞口開放パターンがパターンAである場合は、70%の割合で貯留数示唆演出Aを実行し、30%の割合で貯留数示唆演出Bを実行する。一方で、演出制御用CPU120は、第2大入賞口開放パターンがパターンBである場合は、30%の割合で貯留数示唆演出Aを実行し、70%の割合で貯留数示唆演出Bを実行する。このため、貯留数示唆演出Bが実行された場合、貯留数示唆演出Aが実行された場合よりも第2貯留部247に遊技球が2個貯留されることに対する遊技者の期待感を向上させることができるので、貯留数示唆演出Aと貯留数示唆演出Bのどちらが実行されるかに遊技者を注目させることができ、興趣を向上できるようになっている。尚、留可能数示唆演出は、第2大入賞口702が閉鎖状態となるまで継続して実行される。
このように貯留数示唆演出は、第2貯留部247に貯留される可能性がある遊技球数を示唆する演出であるが、第2貯留部247に2個貯留される可能性がある場合、1個貯留される場合に比べてV入賞率が高くなるため、V入賞の発生が発生する可能性を示唆する演出でもあって、第2貯留部247に貯留された遊技球が回転体208に到達する前であり、かつ、第2貯留部247に遊技球が到達する前に実行されるため、V入賞の発生に対する期待感を早い段階で煽ることが可能となる。
また、本実施例では、第2大入賞口開放パターンがパターンA、パターンBのいずれであっても、貯留数示唆演出A、貯留数示唆演出B各々が実行される可能性がある形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2大入賞口開放パターンがパターンAである場合は貯留数示唆演出Aのみを実行可能とし、第2大入賞口開放パターンがパターンBである場合は貯留数示唆演出Bのみを実行可能としてもよい。つまり、小当り遊技中に第2貯留部247に貯留される可能性がある遊技球数を貯留数示唆演出にて報知してもよい。
次いで、図36〜図38に示すように、CPU103は、第2大入賞口702を閉鎖した後、小当り遊技を開始した時点T0から所定時間が経過した時点T6で、通路用モータ91を駆動することによって、第2誘導経路202Bを通路非形成位置から通路形成位置へ移動する。
第2誘導経路202Bの通路形成位置の移動が完了した後、CPU103は、第2誘導経路202Bを通路非形成位置から通路形成位置へ移動した時点T6から所定時間が経過した時点T7で、第6ソレノイド86を駆動することによって、第2貯留板242を貯留位置から解除位置へ移動する。このとき、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第2貯留板242の位置が貯留位置から解除位置に切替えられる旨の報知と、第2貯留板242の位置が貯留位置から解除位置に切替えられたことによって第3誘導経路203B,203Cを回転体208に向けて誘導されていく遊技球が回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eのいずれに保持されるかを注視するよう遊技者に対して促す画像を表示する(図36(G))。
尚、本実施例では、図37及び図38に示すように、第2貯留板242を貯留位置から解除位置へ移動した後は、小当り遊技中に所定時間が経過することで再び貯留位置に切替えられる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2貯留板242は、小当り遊技が終了するまで解除位置に維持されていても良い。
そして、第2貯留部247に貯留されていた遊技球が回転体208に到達し、はずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持された後は、CPU103は、小当り遊技が開始した時点T0から所定時間が経過した時点T8で、第5ソレノイド85を駆動することによって第1貯留板222を貯留位置から解除位置へ移動する。このとき、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第1貯留板222の位置が貯留位置から解除位置に切替えられる旨の報知と、第1貯留板222の位置が貯留位置から解除位置に切替えられたことによって第2誘導経路202Bを回転体208に向けて誘導された遊技球が、回転体208のはずれ球保持部273A〜273EとV入賞球保持部272のいずれに保持されるかに注目するよう遊技者に対して促す画像を表示する(図36(H))。
尚、本実施例では、図37及び図38に示すように、第1貯留板222の位置は、貯留位置から解除位置に切替えられた後は、小当り遊技中に所定時間が経過することで再び貯留位置に切替えられる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留板222は、小当り遊技が終了するまで解除位置に維持されていてもよい。
そして、図37に示すように、第1貯留部227に貯留されていた遊技球が回転体208に到達してはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持された場合、CPU103は、第1貯留部227の貯留を解除した時点T8から所定時間(例えば、第1貯留部227の貯留が解除された遊技球が第2誘導経路202A,202Bを流下し、V入賞口283へ進入して第3カウントスイッチ24Bへ到達するのに要する時間)が経過した時点T9で、第7ソレノイド87により開閉板289を閉鎖位置から開放位置へ移動させて排出口285を開放する。これにより、はずれ球保持部273A〜273Eに保持されていた遊技球ははずれ球誘導経路288へ排出される。
はずれ球誘導経路288へ誘導された遊技球が第4カウントスイッチ24Cにて検出されて排出されると、演出制御用CPU120は、第1貯留部227の貯留を解除した時点T8から排出口285を開放した時点T9までの間に、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号の入力がなかったこと、つまり、V入賞が発生しなかったことに基づいて、V入賞が発生しなかったことを報知するV入賞非発生報知演出を演出表示装置5にて実行する(図36(I))。
また、図38に示すように、第1貯留部227に貯留されていた遊技球が回転体208に到達してV入賞球保持部272に保持された場合、該遊技球は、回転体208の回転によってV入賞球保持部272がV入賞口283の上方に位置することによって、該V入賞口283に落下する。V入賞口283に誘導された遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出されて排出されると、演出制御用CPU120は、第1貯留部227の貯留を解除した時点T8から排出口285を開放した時点T9までの間に、第3カウントスイッチ24Bからの検出信号の入力があったこと、つまり、V入賞が発生したことに基づいて、V入賞が発生したことを報知するV入賞発生報知演出を実行する(図36(J))。
そして、遊技球の排出後は、CPU103は、小当り遊技が開始した時点T0から小当り遊技時間が経過した時点T10で、小当り遊技を終了する。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球が特定領域としての第3カウントスイッチ24Bに進入したことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機1であって、遊技球(例えば、遊技球P2,P3)を貯留可能な第2貯留機構205(貯留手段)により貯留された遊技球の数によって、遊技球が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化する、つまり、第2貯留部247に貯留された遊技球が回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eのいずれにも保持されない場合と1個保持された場合と2個保持された場合とで、第1貯留部227に貯留された遊技球が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するものであり、第2貯留機構205は、貯留位置と解除位置との間で動作可能な可変部としての仕切板250を有し、貯留する遊技球の数を該仕切板250によって変更可能である。
このように、遊技球を貯留可能な第2貯留機構205により貯留された遊技球の数によって遊技球が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するものであるため、第2貯留機構205で貯留する遊技球の数に注目させることができ、興趣を向上できる。
また、第2貯留機構205は、所定領域である第2特別可変入賞球装置7B内に進入した遊技球のうち第3カウントスイッチ24Bに進入することが不可能な所定経路である第3誘導経路203Aに誘導された遊技球を貯留可能な所定貯留手段であることで、第2貯留機構205で貯留する遊技球、つまり、第3カウントスイッチ24Bに進入することが不可能な遊技球の数に注目させることができ、興趣を向上できる。
また、第2貯留機構205は、第2貯留板242が貯留位置に位置し遊技球を第2貯留部247に貯留可能な貯留状態と、第2貯留板242が解除位置へ移動して第2貯留部247に遊技球を貯留できなくなる貯留解除状態とを切替えるための貯留切替部としての第2貯留板242を有し、第2貯留板242により前記貯留状態とされているときに、仕切板250が動作することによって、貯留する遊技球の数を変更可能である。具体的には、第2貯留板242が貯留位置に位置するときに仕切板250が解除位置に位置していれば第2貯留部247に2個の遊技球を貯留でき、仕切板250が規制位置に位置していれば第2貯留部247に1個の遊技球を貯留できる。
このようにすることで、貯留状態を解除せずに貯留する遊技球の数を変更することができる。つまり、仕切板250を動作させても貯留状態が解除されることがないので、貯留する遊技球の数の変更する際に遊技球が回転体208へ誘導されてしまうことを回避できる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技球が特定領域としての第3カウントスイッチ24Bに進入したことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機1であって、所定領域である第2特別可変入賞球装置7B内に進入した遊技球のうち第3カウントスイッチ24Bに進入することが可能な特定経路としての第2誘導経路202Aへ誘導された遊技球(例えば、遊技球P1)を貯留可能な特定貯留手段としての第1貯留機構204を備え、第1貯留部227に遊技球P1が貯留されることで第2誘導経路202Aの入口が塞がれ、分岐部221に到達する後続の遊技球P2,P3が、第1貯留板222により貯留されている遊技球P1に接触し第2誘導経路202Aへの進入が阻害されることによって第3誘導経路203Aへ誘導され、第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球P2,P3が回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持されることによって、第2誘導経路202Aに貯留された遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が上昇(変化)する。
このようにすることで、第1貯留機構204により貯留された遊技球P1の第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が第3誘導経路203Aへ誘導された遊技球P2,P3によって変化するため、第1貯留機構204により貯留された遊技球P1以外の遊技球P2,P3にも注目させることができ、興趣を向上できる。
詳しくは、第1貯留部227に貯留された遊技球P1が第2誘導経路202Aの流入口を塞いで該第2誘導経路202Aへの遊技球P2,P3の進入を阻害する、つまり、第1貯留部227に貯留された遊技球P1を利用して、後続の遊技球P2,P3を第3誘導経路203Aに誘導して第2貯留部247に貯留することができる。よって、第2誘導経路202Aへの遊技球P2,P3の進入を阻害するための機構や、第2誘導経路202Aを経由することなく第3誘導経路203Aへ誘導するための流路切替手段等を別個に設ける必要が無いので、第2特別可変入賞球装置7Bの構造を簡略化することができる。
また、本実施例では、第3誘導経路203Aに誘導され、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3は、全て第3誘導経路203B,203Cにより回転体208まで誘導された後に必ずはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかに保持され、第1貯留部227に貯留された遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合を向上させるので、興趣を向上できる。つまり、第2貯留部247に貯留された遊技球の一部が途中で排出され回転体208に到達しないことはなく、全ての遊技球が回転体208まで誘導されV入賞率の上昇に貢献するため、第2貯留部247に遊技球が貯留されるか否かに注目させることができる。さらに、はずれ球保持部273A〜273Eに2個の遊技球が保持されると、1個の遊技球が保持されるよりV入賞率が高くなるので、第2貯留部247での貯留数に注目させることができる。
また、第1貯留部227に貯留された遊技球P1がV入賞が発生するか否かの結果が導出される回転体208に到達する前において、第2貯留部247に何個の遊技球が貯留されるか、つまり、V入賞が発生する可能性が高くなるか否かに注目させることができるため、遊技の興趣がより向上する。
また、第2大入賞口702に進入する遊技球のうち、回転体208に誘導する遊技球(本実施例では、第2大入賞口702が開放してから進入する遊技球のうち1〜3個目の遊技球)を第1貯留部227と第2貯留部247とに貯留しておき、第2大入賞口702が閉鎖してから第1貯留部227と第2貯留部247の貯留を解除することで、遊技球が第2大入賞口702に進入するか否かに気を取られて、第1貯留部227や第2貯留部247に貯留されていた遊技球P1〜P3が回転体208に誘導される状況を遊技者が見逃しにくくすることができるとともに、第1貯留部227と第2貯留部247に貯留された遊技球P1〜P3により一層注目をさせることができる。
さらに本実施例では、第2貯留部247に貯留していた遊技球がはずれ球保持部273A〜273Eに保持されるまでに要する時間が経過してから第1貯留部227に貯留していた遊技球を解除することで、第2貯留部247に貯留していた遊技球がはずれ球保持部273A〜273Eに保持されないうちに第1貯留部227に貯留していた遊技球が回転体208に到達することがないため、遊技者に安心感を与えることができる。
また、本実施例では、演出表示装置5の上方に第1貯留部227と第2貯留部247を設け、演出表示装置5の下方に回転体208を設けることで、第2貯留部247に貯留されていた遊技球P2,P3が回転体208に到達するまでの間に、該遊技球P2,P3がはずれ球保持部273A〜273Eのいずれに保持されるかに注目させる演出(例えば、図36(G)参照)を実行する時間を確保することが可能となるとともに、第1貯留部227に貯留されていた遊技球P1が回転体208に到達するまでの間に、該遊技球P1がV入賞球保持部272に保持されるか否かに注目させる演出(例えば、図36(H)参照)を実行する時間を確保することが可能となる。このように、遊技球が回転体208に到達するまでに遊技者の期待感を煽る演出等を実行することが可能となる。
また、第2貯留部247に貯留された遊技球の個数によって、第2大入賞口702から第2特別可変入賞球装置7B内に進入して第1貯留部227に貯留された遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するので、第2貯留部247に貯留された遊技球数により一層注目させることができる。
尚、本実施例では、第2貯留部247に遊技球が2個貯留された場合、第2貯留部247に遊技球が1個貯留された場合よりも第1貯留部227に貯留された遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が高くなる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2貯留部247に2個の遊技球P2,P3が貯留された場合、第2貯留部247に1個の遊技球P1が貯留された場合よりも第1貯留部227に貯留された遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が低下するようにしてもよい。
また、第2特別可変入賞球装置7B内に進入した遊技球を該第2特別可変入賞球装置7B外(例えば、パチンコ遊技機1外)へ排出するための排出経路210を備え、第2貯留機構205により貯留された遊技球の数が所定貯留数(例えば、1個または2個)に達した場合に、第2特別可変入賞球装置7B内に進入し、第2貯留部247において第2貯留板242の上面における仕切板250より右側に遊技球が1個貯留された場合や、第2貯留部247に貯留された遊技球が2個となった場合に、第2貯留板242の上面における仕切板250の右部に貯留された遊技球に接触することによって後続の遊技球が排出経路210に誘導される。
このようにすることで、第2貯留部247に貯留された遊技球の数が所定貯留数(例えば、1個または2個)に達した場合に、円滑に後続の遊技球を排出することができる。
特に、本実施例では、第2貯留板242の上面における仕切板250よりも右側に貯留された遊技球が第2貯留部247の流入口を塞いで該第2貯留部247への遊技球の進入を阻害する、つまり、第2貯留部247に貯留された遊技球を利用して、後続の遊技球が排出経路210に誘導されパチンコ遊技機1外へ排出されるようになっていることで、第2貯留部247への遊技球の進入を阻害するための機構や、第2貯留部247を経由することなく排出経路210へ誘導するための流路切替手段等を別個に設ける必要が無いので、第2特別可変入賞球装置7Bの構造を簡略化することができる。
また、第2貯留部247による貯留が解除された遊技球を誘導する第3誘導経路を備え、該第3誘導経路は、分岐部241から第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cとに分岐されており、第2貯留部247に2個の遊技球が貯留されている場合、該貯留が解除されてときに、第2貯留板242の上面における仕切板250よりも左側にて貯留されていた遊技球は、第3誘導経路203Bに誘導され、第2貯留板242の上面における仕切板250よりも右側にて貯留されていた遊技球は、第3誘導経路203Cに誘導されるので、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cを通過する遊技球それぞれの動きに注目させることができ、興趣を向上できる。
また、第3誘導経路203B,203Cは第2貯留部247から落下した遊技球をそれぞれ異なる方向(左右方向)へ誘導するため、2個の遊技球がはずれ球保持部273A〜273Eのいずれに保持されるかを予測し難くなるので、期待感を維持させることができる。
尚、本実施例では、第2貯留部247に2個の遊技球が貯留されている場合、該貯留が解除された際には必ず一方の遊技球が第3誘導経路203Bに誘導され、他方の遊技球が第3誘導経路203Cに誘導される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、該貯留が解除された際に、第2貯留部247に貯留された2個の遊技球が第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cとのうちいずれかに誘導される場合があってもよい。
また、本実施例では、第2貯留部247に貯留された遊技球が、該貯留が解除された際に誘導される経路として、第3誘導経路203Bと第3誘導経路203Cの2つを設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2貯留部247での貯留が解除された際に第2貯留部247に貯留されていた遊技球が誘導される経路としては、1の経路、または、3以上の経路を設けてもよい。
また、演出制御用CPU120は、第2貯留機構205による遊技球の貯留に関する演出として貯留数示唆演出を実行可能であり、第2貯留機構205による遊技球の貯留数に応じて演出態様を変化させる。具体的には、貯留数示唆演出Aを実行する場合と貯留数示唆演出Bを実行する場合とで表示するキャラクタやセリフを異ならせることで、第2貯留部247に貯留される遊技球の数を期待させることができ、演出効果を高めることができる。
尚、本実施例では、小当り遊技中において、第2大入賞口702に進入した遊技球が第2貯留部247に貯留される前に、第2貯留部247に貯留される可能性がある遊技球数を示唆する貯留数示唆演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例として、例えば、第2貯留部247に遊技球を検出する検出スイッチ等を設け、該検出スイッチにより検出された遊技球数に基づいて、第2貯留部247に実際に貯留された遊技球数を報知する貯留遊技球数報知演出を実行するようにしてもよい。具体的には、第2貯留部247に遊技球が1個貯留された場合、演出制御用CPU120は、小当り遊技中処理の実行中に、演出表示装置5において第2貯留部247に遊技球が1個貯留された旨を示す貯留遊技球数報知演出を実行する。更に、演出制御用CPU120は、小当り遊技中において、第2貯留部247に遊技球が2個貯留された場合は、演出表示装置5において第2貯留部247に遊技球が2個貯留された旨を示す貯留遊技球数報知演出を実行する。尚、第2貯留部247に遊技球が1個貯留された旨を示す貯留遊技球数報知演出と第2貯留部247に遊技球が2個貯留された旨を示す貯留遊技球数報知演出とでは、表示されるキャラクタやセリフ等の演出態様を変化させることによって演出効果を高めたり、遊技者が第2貯留部247に貯留されている遊技球数を容易に特定できるようにすればよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2貯留機構205により貯留された遊技球の数によって、遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留機構204により貯留された遊技球の数によって、遊技球が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するものであってもよい。
例えば、前記実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2貯留機構205により貯留された遊技球の数によって、遊技球P1が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1貯留機構204に第2貯留機構205と同様に仕切板250を設け、第1貯留部227に貯留する遊技球の数を変更可能とし、第1貯留機構204により貯留された遊技球の数によって、遊技球が第3カウントスイッチ24Bに進入する割合が変化するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1貯留部227に貯留された遊技球P1や、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3は、貯留が解除された後、全てが回転体208へ誘導される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留部227に貯留された遊技球P1が回転体208へ誘導されず第2誘導経路202A,202B外(例えば、パチンコ遊技機1外や第3誘導経路203A,203B,203C)へ誘導されるようにしてもよいし、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3が回転体208へ誘導されず第3誘導経路203A,203B,203C外(例えば、パチンコ遊技機1外や第2誘導経路202A,202B)へ誘導されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bは、第1貯留部227に1個の遊技球しか貯留できない第1貯留機構204を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留機構204により2個以上の遊技球を貯留できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2特別可変入賞球装置7Bは、第2貯留部247に1個または2個の遊技球を貯留できる第2貯留機構205を備える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2貯留機構205は3個以上の遊技球を貯留できるようにしてもよく、この場合、貯留する遊技球数を3個以上の遊技球のうちからいずれかに選択できるようにすればよい。
また、前記実施例では、小当り遊技中に仕切板250を規制位置から解除位置に移動させることによって第2貯留部247に貯留可能な遊技球数を1個または2個に変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、仕切板250を左右方向に複数設けることにより、第2貯留部247に貯留可能な遊技球数を1〜3個以上に変更可能としてもよいし、可変部として第2貯留部247への進入を規制することが可能な規制部材等を設け、該規制部材により第2貯留部247に貯留される貯留球数を変更可能としてもよい。尚、この場合、貯留球数を0個に変更することも可能となる。
また、前記実施例では、第2貯留機構205は、貯留する数を変更可能な可変部としての仕切板250と、遊技球の貯留状態と貯留解除状態とを切替えるための貯留切替部としての第2貯留板242と、を別個に備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯留する数の変更と貯留状態及び貯留解除状態との切替えとを一の部材(例えば、仕切板250または第2貯留板242)にて変更できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1貯留部227に貯留した遊技球P1の解除と、第2貯留部247に貯留した遊技球P2,P3の解除と、を小当り遊技の実行期間中に1回しか行わない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球P1と遊技球P2,P3の貯留及び解除をそれぞれ複数回にわたり実行し、V入賞率を高めることができるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1貯留部227に1個の遊技球P1が貯留されることにより、第2貯留部247に遊技球P2,P3が貯留される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留部227に遊技球が貯留されるか否かに関係なく、第2貯留部247に遊技球が貯留されるようにしてもよい。
さらに、前記実施例では、第1貯留部227に貯留された遊技球P1に直接接触することにより、後続の遊技球P2,P3が第2貯留部247へ誘導される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1貯留部227に遊技球が貯留されたことにより流路切替手段が作動し、後続の遊技球の流下経路が第2誘導経路202Aから第3誘導経路203Aへ切り替わるようにすることで、後続の遊技球が第2貯留部247へ誘導されるようにしてもよい。つまり、第1貯留部227に貯留された遊技球が直接作用して後続の遊技球を第3誘導経路203Aへ誘導するものだけでなく、第1貯留部227に貯留された遊技球が間接的に作用して後続の遊技球を第3誘導経路203Aへ誘導するものを含む。
また、前記実施例では、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3が回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eに保持されることにより、第1貯留部227に貯留された遊技球P1のはずれ球保持部273A〜273Eへの進入が阻害されることでV入賞球保持部272へ案内されV入賞率が変化する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1貯留部227に貯留された遊技球P1がV入賞球保持部272に向けて流下している間に、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3を該遊技球P1に衝突させるなどしてV入賞球保持部272への流下を阻害することで、V入賞率を変化させるようにしてもよい。
また、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3が遊技球P1以外の何らかの部材に作用(接触)することで、例えば可動体が動作して流下中の遊技球P1に接触して流下を阻害したり、第2誘導経路202Bの流路が変化したり、回転体208のはずれ球保持部273A〜273Eのいずれかが蓋部材等により進入不可能に閉鎖されたりするなど、遊技球P2,P3が間接的に遊技球P1に作用してV入賞率を変化させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3の貯留を解除した後に、第1貯留部227に貯留された遊技球P1の貯留を解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1貯留部227に貯留された遊技球P1の貯留を解除した後に、第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3の貯留を解除するようにしてもよいし、第1貯留部227に貯留された遊技球P1と第2貯留部247に貯留された遊技球P2,P3の貯留を一斉に解除するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第2誘導経路202Bを通路非形成位置から通路形成位置へ移動した時点T6から所定時間が経過した時点T7で第2貯留板242を貯留位置から解除位置に切替え、第2貯留部247に貯留されている遊技球P2,P3の貯留を解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、回転体208におけるはずれ球保持部273A〜273Eのうち特定のはずれ球保持部に遊技球を保持させることが可能なタイミングで遊技球P2,P3の貯留を解除するようにしてもよい。このようにすれば、CPU103の制御により特定のはずれ球保持部に遊技球P2,P3を保持させることが可能となるため、パチンコ遊技機1の大当り確率を設計しやすくなる。
また、前記実施例では、小当り遊技が開始した時点T0から所定時間が経過した時点T8で第1貯留板222を貯留位置から解除位置に切替え、第1貯留部227に貯留されている遊技球P1の貯留を解除する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1貯留部227に貯留されている遊技球P1をV入賞球保持部272に保持させることが可能なタイミングで遊技球P1の貯留を解除するようにしてもよい。このようにすれば、CPU103の制御によりV入賞球保持部272に遊技球P1を保持させることが可能となるため、パチンコ遊技機1の大当り確率を設計しやすくなる。
また、前記実施例では、小当り遊技における第2大入賞口開放パターンがパターンAに決定された場合であっても、第2大入賞口702への遊技球の進入タイミングによっては第2貯留部247に遊技球が2個貯留可能である形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パターンAに決定された場合、第2大入賞口702へ遊技球が何れのタイミングで進入した場合であっても、第2貯留部247に遊技球が2個貯留されることはなく、1個のみ貯留可能なパターンとしてもよい。
また、前記実施例では、小当り遊技中に第2カウントスイッチ24Aにて遊技球が2個検出されたタイミングで演出制御用CPU120が貯留数示唆演出を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯留数示唆演出を実行するタイミングは、小当り遊技の開始タイミングや、第2大入賞口702の開放が開始されたタイミング等であってもよい。
また、前記実施例では、小当り遊技は、小当り遊技の開始時から所定時間が経過したことを条件に終了する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技は、第2特別可変入賞球装置7B内から全ての遊技球が排出されたことを条件に終了してもよい。
また、前記実施例では、所定領域の一例として第2特別可変入賞球装置7Bを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別可変入賞球装置7Aや他の特別可変入賞球装置を適用してもよい。
また、前記実施例は、CPU103は、小当り遊技中に遊技球が所定領域である第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた特定領域としての第3カウントスイッチ24Bに進入したことに基づいて遊技者にとって有利な有利状態である大当り遊技状態に制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CPU103は、例えば、大当り遊技中に遊技球が特定領域に進入することで、該大当り遊技終了後に、特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる割合が通常状態よりも高くなる確変制御(確率変動制御)が実行される確変状態や前述した時短状態に制御可能としてもよい。つまり、遊技者にとって有利な有利状態は、大当り遊技状態だけでなく、確変状態や時短状態等を含む。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。