JP6390532B2 - 通信システム - Google Patents
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Description
そこで、ある物理量について複数のセンサ素子が検出した複数のセンサ値を含むセンサ信号の送信タイミングを送信周期よりも短い所定期間ずらし、制御装置が複数のセンサ値を取得するタイミングをずらすことで、データ更新周期を短縮することができる。
センサ装置は、ある物理量についてのセンサ値を同一の検出対象から検出する複数のセンサ素子、及び、センサ値の情報を含むセンサ信号を、各センサ素子について一定の送信周期でデジタル信号として送信する送信回路を有する。
マイコンは、送信回路から信号線を経由して送信されたセンサ信号を受信しセンサ値を取得する受信回路、複数のセンサ値、又はセンサ値に基づくセンサ計算値同士の差分値を演算する差分演算部、及び、差分値を時間差分で除した微分値を演算する微分演算部を有する。
そして、差分演算部は、複数のセンサ素子の出力特性のオフセット誤差を相殺し又は傾きのばらつきを低減するように差分値を演算することを特徴とする。
特に電動パワーステアリング装置に適用される場合、操舵トルクの時間変化率を正しく演算することにより、モータが出力するアシストトルクを適切に制御することができる。よって、運転者は、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
また好ましくは、差分演算部は、今回の前記センサ値と前回の前記センサ値との平均値同士の差分値を演算する。これにより、複数のセンサ素子の傾きのばらつきによる差分演算値の変動を低減することができる。
加えて、本発明におけるセンサ信号としては、例えば、米国自動車技術会規格SAE−J2716に準拠した信号を用いることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の通信システムについて図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の通信システムは、車両の電動パワーステアリング装置に適用される。
図2に、電動パワーステアリング装置90を含むステアリングシステム100の全体構成を示す。なお、図2に示す電動パワーステアリング装置90はコラムアシスト式であるが、ラックアシスト式の電動パワーステアリング装置にも同様に適用可能である。
ハンドル91にはステアリングシャフト92が接続されている。ステアリングシャフト92の先端に設けられたピニオンギア96は、ラック軸97に噛み合っている。ラック軸97の両端には、タイロッド等を介して一対の車輪98が設けられる。運転者がハンドル91を回転させると、ハンドル91に接続されたステアリングシャフト92が回転する。ステアリングシャフト92の回転運動は、ピニオンギア96によりラック軸97の直線運動に変換され、ラック軸97の変位量に応じた角度に一対の車輪98が操舵される。
トルクセンサAssy93は、ステアリングシャフト92の途中に設けられ、ハンドル91側の入力軸921と、ピニオンギア96側の出力軸922との捩じれ角に基づき、操舵トルクを検出する。ECU701は、トルクセンサAssy93から取得した操舵トルクに基づいて、モータ80が出力するアシストトルクについてのトルク指令を演算する。そして、モータ80が指令通りのトルクを出力するように通電を制御する。モータ80が発生したアシストトルクは、減速ギア94を介してステアリングシャフト92に伝達される。
通信システム401は、トルクセンサAssy93内において捩じれ角を検出し、センサ信号を送信するセンサ装置501と、このセンサ信号を受信するマイコン711とを備える。マイコン711は、ECU701に含まれ、中心的な演算機能を担う。本実施形態の説明では、マイコン711以外のECU701の構成要素について特に言及しない。
センサ装置501とECU701のマイコン711とは信号線Ls1、Ls2で接続されている。ここで、信号線Ls1、Ls2は、後述するセンサ信号S1、S2に対応して便宜的に分けて記載したものであり、物理的に2本に分離されていなくてもよい。
第1〜第5実施形態では、「複数のセンサ素子」として、第1センサ素子51及び第2センサ素子61の二つのセンサ素子を有する構成を例示する。第1センサ素子51及び第2センサ素子61が検出したセンサ値を、それぞれ、「センサ値S1、S2」と記す。
以下、本明細書では、「センサ値」と「センサ信号」とは、文脈によって適宜使い分ける。ただし、図中の記号「S1、S2」は、センサ値及びセンサ信号の両方に対応する。
第1センサ素子51及び第2センサ素子61は、実質的に仕様や性能が同一であり、同一のトルクセンサAssy93の集磁リングから同一の操舵トルクを検出するように冗長的に設けられている。
また、送信回路54は、第1センサ素子51が検出したセンサ値を含むセンサ信号S1に対し、第2センサ素子61が検出したセンサ値を含むセンサ信号S2を、送信周期よりも短い所定期間ずらして送信する。特に本実施形態では、センサ信号S1及びセンサ信号S2を送信周期の半周期分ずらして、すなわち、送信周期を二等分したタイミングで送信する。
また、本実施形態では、センサ信号として、米国自動車技術会規格SAE−J2716に準拠したニブル信号、いわゆるSENT(シングルエッジニブル伝送)方式の信号が用いられる。
図3に例示するセンサ信号は、一つのフレームFrにて、同期信号、ステータス信号、メインデータ信号、サブデータ信号、CRC信号及びエンド信号からなり、この順で一連の信号として出力される。
ステータス信号、メインデータ信号、サブデータ信号、CRC信号の大きさは、順に、例えば1ニブル(4ビット)、3ニブル(12ビット)、3ニブル(12ビット)、1ニブル(4ビット)である。
データ信号の大きさが3ニブルであるということは、最大で「000」〜「FFF」の212通り(4096通り)のデータ値が送信可能であることを意味する。
受信回路72は、送信回路54から信号線Ls1、Ls2を経由して送信されたセンサ信号を受信しセンサ値S1、S2を取得する。詳しくは、受信回路72は、所定期間ずらして送信されたセンサ信号S1、S2から取得したセンサ値S1、S2を異なるタイミングで更新し、保持する。受信回路72が更新したセンサ値S1、S2を、図5以下、及びその説明箇所では、「S1受信値、S2受信値」のように記す。
このように、受信回路72がセンサ値S1、S2を異なるタイミングで交互に取得することにより、マイコン711のデータ更新頻度を2倍にし、見かけ上のサンプリング周期を2分の1に短縮することができる。したがって、センサ信号の通信時間が長くかかる場合に、マイコン711の演算処理の高速化に有利である。
微分演算部75は、差分値を時間差分で除した微分値Sdを演算する。
フィルタ74は、典型的にはローパスフィルタであり、差分値dS又は微分値Sdをフィルタ処理する。フィルタ74は、後述する演算処理の切替え構成に応じて、図1(a)に示すように、差分演算部73の後に設けてもよく、或いは、図1(b)に示すように、微分演算部75の後に設けてもよい。フィルタ74は、カットオフ周波数f_coが変更可能に設定されている。
フィルタ74、微分演算部75及びアシスト量演算部76は、センサ素子51、61の故障有無に応じて、センサ値S1、S2に基づく演算のパラメータを切り替える。
そして、マイコン711は、アシスト量(トルク指令)に基づいて、周知の電流フィードバック制御等によりインバータのスイッチング動作を操作し、モータ80の巻線に通電される電力を制御する。その結果、モータ80は、所望のアシストトルクを出力する。
図16のタイムチャートには、上から順に、S1受信値、S2受信値、センサ計算値S及びセンサ差分dSを示す。「センサ差分dS」は上述の「差分値dS」と同義である。
ECU701の受信タイミング順に、S1受信値としてS1(k)、S1(k+1)、S1(k+2)が受信される。また、S1受信値に対し送信周期の半周期分ずれたタイミングに、S2受信値として、S2(l)、S2(l+1)、S2(l+2)が受信される。なお、S2受信値の引数記号「l」は「L」の小文字であり、数字の「1」ではない。
センサ差分dSは、今回のセンサ計算値S(n)から前回のセンサ計算値S(n−1)を差し引いて算出される。このように、図16に示す比較例では、単純に、今回のセンサ値と前回のセンサ値との差分をセンサ差分dSとする。
ところが現実には、複数のセンサ素子51、61の出力特性には、オフセット誤差や傾きのばらつき等が存在する。そのため、比較例の演算方法では、センサ差分dSが適切に演算されず、その結果、微分値Sdを正しく演算することができない場合がある。
この場合、単純に最新のセンサ値S(x)と前回のセンサ値S(x−1)との差分によりセンサ差分dSを演算すると、図4(b)に示すように、真値が変化していない状態でも、常に非ゼロの値が演算される。すなわち、センサ値S1からセンサ値S2を引く演算では正の差分値(|S1−S2|)が演算され、センサ値S2からセンサ値S1を引く演算では負の差分値(−|S1−S2|)が演算される。今回の演算タイミングで演算された差分値は、次回の演算タイミングまで保持される。
第1実施形態は、センサ差分dSの演算において、同じセンサ素子によって検出されたセンサ値同士の差分値を演算する。図5の例では、二つのセンサ素子51、61で検出されたS1受信値、S2受信値が交互にセンサ計算値Sとして演算される。そこで、今回のセンサ計算値S(x)と2回前のセンサ計算値S(x−2)との差分を、式(1.1)により演算することで、各センサ素子のオフセット誤差が相殺される。したがって、誤差成分を除去した差分値を演算することができる。
dS(x)=S(x)−S(x−2) ・・・(1.1)
一般に、R個のセンサ素子からのセンサ値が順にセンサ計算値Sとして演算される場合、式(1.2)によりセンサ差分dSを演算することができる。
dS(x)=S(x)−S(x−i×R) ・・・(1.2)
特に電動パワーステアリング装置90に適用される場合、操舵トルクの時間変化率を正しく演算することにより、モータ80が出力するアシストトルクを適切に制御することができる。よって、運転者は、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
(第2実施形態)
次に、複数のセンサ素子の出力特性の傾きが異なる場合の問題点について、図6を参照する。図6(a)に示すように、センサ値S1及びセンサ値S2は、真値に対するセンサ検出値の傾きが異なっていると仮定する。この場合、マイコンがセンサ値S1、S2を交互に受信し、差分値を演算すると、図6(b)に示すように、演算タイミング毎に差分演算値が変動することとなる。電動パワーステアリング装置90に適用される場合、やはりアシストトルクが脈動し、運転者の操舵フィーリングが悪化するおそれがある。
第2実施形態は、センサ計算値Sとして、S1受信値とS2受信値との平均値、すなわち、「今回のセンサ値と前回のセンサ値との平均値」を算出する。そして、センサ差分dSの演算において、この平均値同士の差分値を演算することを特徴とする。
S(n−1)=[S1(k−1)+S2(l−1)]/2 ・・・(2.1)
S(n)=[S1(k)+S2(l−1)]/2 ・・・(2.2)
また、式(2.3)のように、センサ計算値Sの差分からセンサ差分dSを演算する。
S1(k−1) →S(x−2)
S2(l−1) →S(x−1)
S1(k) →S(x)
また、dS(n)をdS(x)と置き換えると、式(2.3)は式(2.4)のように書き換えられる。
dS(n)=S(n)−S(n−j) ・・・(2.5)
例えば、j=2のとき、式(2.6)のように表される。
なお、平均値は、二値の平均に限らず四値以上の平均値としてもよく、移動平均処理をしてもよい。また、任意のカットオフ周波数f_coを有するフィルタ74によるフィルタ処理を実施してもよい。
第3実施形態のセンサ計算値S及びセンサ差分dSの演算について、図8を参照して説明する。第3実施形態は、センサ計算値Sの演算については第1実施形態と同様であり、センサ差分dSの演算において、特定のセンサ素子からのセンサ受信値のみを使用する点が異なる。
図8の例では、第1センサ素子51からのS1受信値に基づくセンサ計算値S(n)=S1(k)、S(n+2)=S1(k+1)、S(n+4)=S1(k+2)等を用いて、式(3.1)のようにセンサ差分dSを演算する。
dS(m)=S(n)−S(n−2) ・・・(3.1)
一方、S2受信値に基づくセンサ計算値S(n+1)、S(n+3)、S(n+5)等は演算に用いられない。
一般にR個のセンサ素子のうち一つのセンサ素子からのセンサ受信値のみを用いてセンサ差分dSを演算する場合、センサ差分dSの演算周期は、センサ計算値Sの演算周期のR逓倍となる。差分演算式は、式(3.2)のように表される。
dS(m)=S(n)−S(n−R) ・・・(3.2)
第4実施形態について図9を参照して説明する。第4実施形態は、第1実施形態により差分dSを演算中に、一方のセンサ素子の故障等により、一方のセンサ値が使用不可となった場合の処理を実行する。
図9の例では、第2センサ素子61が故障し、S2受信値が使用不可となった場合を想定する。このとき、センサ計算値S(n+3)、S(n+5)が得られないため、センサ差分dS(n+3)、dS(n+5)を演算することができなくなる。
そこで、マイコン711は、正常な第1センサ素子51からのS1受信値のみを使用する演算に切り替える。
dS(n+1)=dS(n) ・・・(4.1)
切替え後の演算例IIは、第3実施形態のように1回おきのセンサ計算値Sを使用し、式(4.2)により、2倍の演算周期でセンサ差分dSを演算する。
dS(m)=S(n)−S(n−2)(ただし、nは偶数) ・・・(4.2)
演算例IIでは、微分演算部75のサンプリング周期が2倍となるため、微分演算の時間差分(換算係数)も切り替える。また、好ましくは、フィルタ74のカットオフ周波数f_coを含むパラメータが適切に切り替えられる。
また、マイコン711がフィルタ74を有することにより、演算処理の切替え時に、パラメータを適切に切り替えることができる。また、制御をスムーズに移行させることができる。
第5実施形態について図10を参照して説明する。第5実施形態は、特定のセンサ受信値のみを使用して差分演算を行う第3実施形態によりセンサ差分dSを演算中、一方のセンサ素子の故障等により、一方のセンサ値が使用不可となった場合の処理を実行する。
図10(a)の例では、第1センサ素子51からのS1受信値のみを用いて差分演算を行っているとき、第2センサ素子61が故障した場合を想定する。この場合、元々、S2受信値は差分演算に使用していないため、演算処理を変更する必要はない。
そこで、マイコン711は、S1受信値のみを使用する演算から、S2受信値のみを使用する演算に切り替える。切替え後の演算では、例えば式(5)のようにセンサ差分dSを演算する。
dS(y)=S(n+1)−S(n−1) ・・・(5)
第6実施形態の通信システム、並びに、その通信システムにおけるセンサ計算値S及びセンサ差分dSの演算について、図11、図12を参照して説明する。
図11に示すように、通信システム402は、センサ装置502と、マイコン712を含むECU702とを備える。センサ装置502は、同一の検出対象から同一の物理量を検出する実質的に同仕様の複数のセンサ素子51、52、61、62を有する。ここで、共通の信号線を経由してセンサ信号がマイコン712に送信される複数のセンサ素子のグループを「センサ素子群」と定義する。
なお、現実の製品では、センサ装置502を一つのパッケージとしてもよいし、第1センサ素子群53を含むパッケージと第2センサ素子群63を含むパッケージとを電気的に接続してもよい。また、図1の説明と同様に、信号線Ls1、Ls2は、物理的に2本に分離されていなくてもよい。
図12に示すように、第1センサ素子群53のセンサ信号S1a、S1bと第2センサ素子群63のセンサ信号S2a、S2bとは、送信周期の半周期分ずらしてセンサ装置502の送信回路54から送信される。そして、マイコン712の受信回路72は、センサ値S1a、S1bとセンサ値S2a、S2bとを異なるタイミングで更新する。また、受信回路72は、センサ値S1a、S2aに基づきセンサ計算値Saを演算し、センサ値S1b、S2bに基づきセンサ計算値Sbを演算する。
dSa(n)= Sa(n)−Sa(n−2) ・・・(6.1)
dSb(n)= Sb(n)−Sb(n−2) ・・・(6.2)
或いは、式(6.3)により、センサ計算値Sa、Sbの平均値同士の差分を演算してもよい。
フローチャート、及び明細書の対応部分で、「第1センサ素子群」を「第1群」、「第2センサ素子群」を「第2群」と省略して記す。また、この部分の説明では、各センサ素子及びセンサ素子群の符号の記載を省略する。
また、説明の便宜上、「第1群のセンサ素子1a、1b、及び、第2群のセンサ素子2aは正常」であることを前提とし、この前提の成立を共通のSTEP01とする。
一方、センサ素子2bが異常と判断された場合(STEP02:YES)、各パターンの処理を実行する。この例において、異常なセンサ素子2bを含むセンサ素子群である第2群は、特許請求の範囲に記載の「要処理センサ素子群」に相当する。つまり、マイコン712は、第2群を要処理センサ素子群と認定する。また、第1群は、「要処理センサ素子群以外のセンサ素子群」に相当する。
これにより、異常なセンサ素子2bのセンサ値を使用せず、且つ、使用可能なセンサ値を最大限に使用して、差分演算及び微分演算を適正に実行することができる。
これにより、異常なセンサ素子2bのセンサ値を使用せず、また、単純な演算の切替えで、差分演算及び微分演算を適正に実行することができる。
これにより、処理(2)と同様の効果を得つつ、さらに、差分演算に用いられない正常なセンサ値を有効に活用することができる。
(ア)第1〜第5実施形態に対し、センサ装置は三つ以上のセンサ素子を有し、各センサ素子に対応するセンサ信号を、送信周期の間で互いにタイミングを所定期間ずらして送信してもよい。また、第6実施形態に対し、センサ装置は三つ以上のセンサ素子群を有し、各センサ素子群に対応するセンサ信号を、送信周期の間で互いにタイミングを所定期間ずらして送信してもよい。それに応じて、受信回路72は、各センサ素子又は各センサ素子群に対応するセンサ信号を、タイミングをずらして取得可能である。
しかし、例えばサンプリング間隔や微分演算における微分時間等を都度切り替える制御をすれば、送信間隔を不等間隔とすることも可能である。
また、上記図の方法では、S1受信値とS2受信値とを同一のセンサ計算値として演算している。この方法の他、S1受信値を物理量に換算した値S1*とS2受信値を物理量に換算した値S2*とを別々に保持し、センサ差分dSを演算する時、使用する値を適宜S1*、S2*から選択して使用する方法を取ってもよい。
(カ)本発明の通信システムは、電動パワーステアリング装置の他、検出したセンサ値に基づいて制御演算を行うどのような装置に適用されてもよい。
501、502・・・センサ装置、
51、52、61、62・・・センサ素子、
54・・・送信回路、
711、712・・・マイコン、
72・・・受信回路、
73・・・差分演算部、
75・・・微分演算部。
Claims (15)
- ある物理量についてのセンサ値を同一の検出対象から検出する複数のセンサ素子(51、52、61、62)、及び、前記センサ値の情報を含むセンサ信号を、各前記センサ素子について一定の送信周期でデジタル信号として送信する送信回路(54)を有するセンサ装置(501、502)と、
前記送信回路から信号線(Ls1、Ls2)を経由して送信された前記センサ信号を受信し前記センサ値を取得する受信回路(72)、複数の前記センサ値、又は前記センサ値に基づくセンサ計算値同士の差分値を演算する差分演算部(73)、及び、前記差分値を時間差分で除した微分値を演算する微分演算部(75)を有するマイコン(711、712)と、
を備え、
前記送信回路は、前記複数のセンサ素子のうち一つの前記センサ素子が検出した前記センサ値を含む前記センサ信号に対し、他の一つの前記センサ素子が検出した前記センサ値を含む前記センサ信号を、送信周期よりも短い所定期間ずらして送信し、
前記受信回路は、所定期間ずらして送信された前記センサ信号から取得した前記センサ値を異なるタイミングで更新し、
前記差分演算部は、複数の前記センサ素子のオフセット誤差を相殺し、又は傾きのばらつきによる変動を低減するように前記差分値を演算することを特徴とする通信システム。 - 前記送信回路は、送信周期の間に前記所定期間ずらして送信される前記センサ信号の数で送信周期を等分したタイミングで、前記センサ信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 前記差分演算部は、少なくとも一つの前記センサ素子について、同じ前記センサ素子によって検出された前記センサ値同士の差分値を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
- 前記差分演算部は、複数の前記センサ素子毎に、それぞれ同じ前記センサ素子によって検出された前記センサ値同士の差分値を演算することを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
- 前記差分演算部は、今回の前記センサ値と前回の前記センサ値との平均値同士の差分値を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
- 前記マイコンは、前記差分値又は前記微分値をフィルタ処理するフィルタ(74)をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の通信システム。
- 前記マイコンは、
複数の前記センサ素子のうち一部の前記センサ素子が故障したとき、
正常な前記センサ素子の前記センサ値を使用して前記差分値を演算するように演算を切り替えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の通信システム。 - 前記マイコンは、
複数の前記センサ素子のうち一部の前記センサ素子が故障し、前記差分演算部による差分演算、又は、当該差分演算に用いられる前記センサ計算値の演算を切り替えるとき、
前記センサ値に基づく演算のパラメータを切り替えることを特徴とする請求項7に記載の通信システム。 - 前記マイコンは、前記差分値又は前記微分値をフィルタ処理するフィルタ(74)をさらに有し、
前記パラメータは、前記フィルタのカットオフ周波数を含むことを特徴とする請求項8に記載の通信システム。 - 前記センサ装置(502)は、共通の信号線を経由して前記センサ信号が送信される複数の前記センサ素子を含むセンサ素子群(53、63)を複数有し、
前記送信回路は、
複数の前記センサ素子が検出した複数の前記センサ値を含む前記センサ信号を、
前記センサ素子群毎に前記所定期間ずらして前記マイコン(712)に送信することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の通信システム。 - いずれか一つ以上の前記センサ素子群の少なくとも一つの前記センサ素子の前記センサ値が異常であると判断されたとき、
前記マイコンは、当該前記センサ素子群を要処理センサ素子群と認定し、
前記要処理センサ素子群以外の前記センサ素子群について、全ての前記センサ素子の前記センサ値を使用して演算を行い、
前記要処理センサ素子群について、異常と判断された前記センサ素子以外の前記センサ素子の前記センサ値を前記要処理センサ素子群の前記センサ値として採用することを特徴とする請求項10に記載の通信システム。 - いずれか一つ以上の前記センサ素子群の少なくとも一つの前記センサ素子の前記センサ値が異常であると判断されたとき、
前記マイコンは、当該前記センサ素子群を要処理センサ素子群と認定し、
前記要処理センサ素子群以外の前記センサ素子群の前記センサ値のみを使用して演算を行い、
前記要処理センサ素子群の全ての前記センサ素子の前記センサ値の使用を中止することを特徴とする請求項10に記載の通信システム。 - いずれか一つ以上の前記センサ素子群の少なくとも一つの前記センサ素子の前記センサ値が異常であると判断されたとき、
前記マイコンは、当該前記センサ素子群を要処理センサ素子群と認定し、
前記要処理センサ素子群以外の前記センサ素子群の前記センサ値のみを使用して演算を行い、
前記要処理センサ素子群において異常と判断された前記センサ素子以外の前記センサ素子の前記センサ値を、前記要処理センサ素子群以外の前記センサ素子群からの前記センサ信号の異常判定に使用することを特徴とする請求項10に記載の通信システム。 - 前記センサ信号は、米国自動車技術会規格SAE−J2716に準拠した信号であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の通信システム。
- 車両の電動パワーステアリング装置(90)に用いられ、前記センサ装置は、運転者の操舵トルクを検出し、前記マイコンは、前記センサ装置が検出した操舵トルクに基づいてモータ(80)が出力するアシスト量を演算することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の通信システム。
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