JP2020114075A - 通電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源異常判定条件を柔軟に変更可能とする通電制御装置を提供する。【解決手段】通電制御装置10は、電力バス5、8に通電される電流や電流を検出する検出部として、それぞれ別個に設けられた電流検出回路15と、スイッチ端子電圧検出回路27とを有している。このように、別個に設けられて搭載環境が異なることなどにより、ノイズ等の外乱が発生したときに、電流検出回路15とスイッチ端子電圧検出回路27とに対する外乱の影響度合いを異ならせることができる。そして、電流検出回路15の検出結果とスイッチ端子電圧検出回路27の検出結果の少なくとも一方に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を変更することで、種々の状況に適した電源異常判定条件となるように、電源異常判定条件を柔軟に変更することが可能となる。【選択図】図26
Description
本発明は、電源から機器へ電力バスを介して電流を通電する通電システムに適用され、電力バスにおける電源異常を検出し、安全処置を施す通電制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、車載電源として、オルタネータによって充電される鉛蓄電池と、この鉛蓄電池に対して電気的に並列に接続されたリチウム蓄電池とを有し、鉛蓄電池とリチウム蓄電池とを接続する電力バスに、通電および遮断を切り替える複数のMOS−FETからなる開閉手段を設けた電源装置が記載されている。
例えば、上述した電源装置において、鉛蓄電池とリチウム蓄電池とを接続する電力バスが、いずれかの箇所で地絡するような電源失陥が生じた場合、それぞれの蓄電池から地絡地点へ向けて過大な電流が流れる。このような過大な電流の通電を放置しておくと、短時間のうちに各蓄電池の容量が低下し、車載機器が動作するための電流を通電できなくなってしまう。
そのため、電力バスに過大な電流が流れたことを検出できるように構成し、過大な電流を検出したときには、開閉手段(MOS−FET)により電力バスを遮断することが考えられる。これにより、少なくとも開閉手段を介して地絡地点に電流が流れる蓄電池からの電流の漏出を停止させることができ、その蓄電池から電流を供給される車載機器は動作を継続することが可能となる。
ここで、例えば、電力バスにノイズが重畳した場合、そのノイズを電源失陥による過大な電流と誤って検出することを防止するために、所定閾値を超える電流が予め定めたフィルタ時間継続することを電源異常判定条件とすることが考えられる。しかしながら、この場合、フィルタ時間は、実際に電源異常が発生したときに、電源異常を判定して安全処置を施すまでの遅れ時間となる。そのため、過大な電流が流れる時間が長くなることで、上述した電流の漏出や各部の発熱などを悪化させる虞がある。そこで、フィルタ時間をできるだけ短くなるように設定すると、上述したノイズ等の外乱を電源失陥と誤検出する可能性が高くなってしまう。このように、固定的な異常判定条件によって電源異常の発生を判定する場合、種々の状況に適切に対応することが困難である。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、電源異常判定条件を柔軟に変更可能とすることで、上記の問題点を解消することが可能な通電制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による通電制御装置は、電源(1、6)から機器(3、4、7)へ電力バス(5、8)を介して電流を通電する通電システムに適用され、電力バスにおける電源異常を検出し、安全処置を施す通電制御装置(10)であって、
電力バスに設けられ、電力バスにおける電流の通電と遮断とを切り替え可能な切替スイッチ(11、12)と、
切替スイッチを導通状態と遮断状態との間で切り換えるように駆動するスイッチ駆動部(13)と、
電力バスに通電される電流を検出する第1検出部(15)と、
第1検出部とは別個に設けられ、電力バスにおける電圧または電流を検出する第2検出部(27、34、35、40)と、
第1検出部によって検出された電流と、第2検出部によって検出された電圧または電流の少なくとも一方に基づき、電力バスにおける電源異常を判定すると、切替スイッチを遮断状態に駆動するようスイッチ駆動部に指示する異常制御部(16、19、28)と、を備え、
異常制御部は、第1検出部の検出結果と第2検出部の検出結果の少なくとも一方に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を変更することを特徴とする。
電力バスに設けられ、電力バスにおける電流の通電と遮断とを切り替え可能な切替スイッチ(11、12)と、
切替スイッチを導通状態と遮断状態との間で切り換えるように駆動するスイッチ駆動部(13)と、
電力バスに通電される電流を検出する第1検出部(15)と、
第1検出部とは別個に設けられ、電力バスにおける電圧または電流を検出する第2検出部(27、34、35、40)と、
第1検出部によって検出された電流と、第2検出部によって検出された電圧または電流の少なくとも一方に基づき、電力バスにおける電源異常を判定すると、切替スイッチを遮断状態に駆動するようスイッチ駆動部に指示する異常制御部(16、19、28)と、を備え、
異常制御部は、第1検出部の検出結果と第2検出部の検出結果の少なくとも一方に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を変更することを特徴とする。
上記のように、本発明による通電制御装置は、電力バスに通電される電流や電流を検出する検出部として、それぞれ別個に設けられた第1検出部と、第2検出部とを有している。このように、第1検出部と第2検出部とが別個に設けられて搭載環境が異なることなどにより、ノイズ等の外乱が発生したときに、第1検出部と第2検出部とに対する外乱の影響度合いを異ならせることができる。そのため、例えば、一方の検出部だけで電源異常に相当する検出結果が得られた場合、ノイズ等の外乱による影響である可能性が高いと言える。従って、例えば、一方の検出部における電源失陥に相当する検出結果が、相対的に長く設定したフィルタ時間継続することを異常判定条件とすることで、ノイズ等の外乱を電源異常と誤って検出することを防止することができる。一方、例えば、両検出器により電源失陥に相当する検出結果が検出された場合には、それらの検出結果が、相対的に短く設定したフィルタ時間継続することを異常判定条件とすることで、より短い時間で電源の異常判定を行うことができる。これらの例に示すように、第1検出部の検出結果と第2検出部の検出結果の少なくとも一方に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を変更することで、種々の状況に適した電源異常判定条件となるように、電源異常判定条件を柔軟に変更することが可能となる。
上記括弧内の参照番号は、本開示の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
以下に、図面を参照しながら本発明の複数の実施形態を説明する。各実施形態において先行する実施形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の実施形態を適用することができる。各実施形態において、具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を全体として、および/または部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る、電源異常としての過電流の防止機能を備えた通電制御装置10を含む通電システム全体の概略構成を示す構成図である。本実施形態では、通電制御装置10が、車両用通電システムに適用された例について説明する。ただし、通電制御装置10は、車両用以外の通電システムに適用することも可能である。まず、通電制御装置10が適用される車両用通電システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る、電源異常としての過電流の防止機能を備えた通電制御装置10を含む通電システム全体の概略構成を示す構成図である。本実施形態では、通電制御装置10が、車両用通電システムに適用された例について説明する。ただし、通電制御装置10は、車両用以外の通電システムに適用することも可能である。まず、通電制御装置10が適用される車両用通電システムについて説明する。
図1に示す車両用通電システムは、車載電源として、主電源1とサブ電源6とを有している。図1では、1つの主電源1と1つのサブ電源6しか示していないが、車載電源として、複数の主電源1、および/または複数のサブ電源6を設けてもよい。
これらの主電源1およびサブ電源6は、例えば約12Vの電圧を発生する二次電池である。主電源1およびサブ電源6は、図示しないシステムメインリレーおよび第1および第2の電力バス5、8を介して、各種の車載コンポーネント(第1コンポ3、第2コンポ4、第3コンポ7など)と接続されている。例えば車両の起動スイッチが操作されることに応じてシステムメインリレーがオンされると、主電源1およびサブ電源6は、各種の車載コンポーネントに動作電力を供給する。
主電源1は、サブ電源6の電池容量以上の電池容量を有している。また、主電源1は、図1に示すように、車両に搭載された発電機(オルタネータ)2と直接的に接続されており、発電機2によって充電することが可能となっている。サブ電源6は、後述する切替スイッチ11、12が導通状態となっているとき、発電機2および/または主電源1によって充電可能となる。なお、例えば、車両が、動力源としてエンジンと駆動モータとを有するハイブリッド車両や、動力源として駆動モータを有する電気車両であって、駆動モータの電源として高圧電源を有している場合には、その高圧電源の電圧をDC−DCコンバータによって降圧して主電源1等を充電可能に構成してもよい。
本実施形態において、車載電源として、主電源1およびサブ電源6のように複数の電源を設けている理由は、1つの電源が故障したり、第1および第2の電力バス5、8がいずれかの箇所で地絡したりといった電源失陥が生じても、それによって、すべての車載コンポーネントが動作不能に陥ることを回避するためである。車載コンポーネントは、例えばエンジンおよび/または駆動モータを駆動するためのコンポーネント、ブレーキ装置を駆動するためのコンポーネント、パワーステアリング装置を駆動するためのコンポーネント、計器装置を駆動するためのコンポーネント、空調装置を駆動するためのコンポーネント、オーディオ機器を駆動するためのコンポーネントなど、車両に搭載された各種装置を駆動するためのコンポーネントである。例えば、図1に示す構成において、サブ電源6に接続された第2の電力バス8が地絡した場合、切替スイッチ11、12を導通状態から遮断状態に切り替えることにより、主電源1から第1および第2コンポ3,4への電力供給は正常に継続することができる。これにより、例えば、第1コンポ3が、車両のエンジンおよび/または駆動モータを駆動するための、アクチュエータ、駆動回路、およびコントローラなどを含む車載コンポーネントであり、第2コンポ4が、車両の制動装置を駆動するためのアクチュエータ、駆動回路、およびコントローラなどを含む車載コンポーネントである場合、第2の電力バス8が地絡したとしても、車両は走行を継続することが可能となる。
なお、図1には、1セットの切替スイッチ11、12しか図示していない。しかしながら、第1の電力バス5および第2の電力バス8に、切替スイッチ11、12のセットを複数設けてもよい。その際、第1の電力バス5や第2の電力バス8において、各車載コンポーネントへの電力バスの分岐点を間に挟むように複数セットの切替スイッチ11、12を設けることができる。切替スイッチ11、12のセットを複数設けることにより、電源失陥が生じた場合に、その発生箇所に近い切替スイッチ11、12のセットを遮断することが可能となる。それにより、ある箇所で電源失陥が生じた場合に、電源供給を継続可能な車載コンポーネントの数をできるだけ増やすことも可能になる。
また、図1では、主電源1とサブ電源6とが、1本の電力バス5,8によって接続された構成を示しているが、主電源1とサブ電源6との間で、第1の電力バス5と第2の電力バス8とがリング状となるように、すなわち、2本の電力バスが並列に接続されてもよい。さらに、主電源1とサブ電源6との間で、3本以上の電力バスが並列に接続されてもよい。
次に、本実施形態に係る通電制御装置10について説明する。通電制御装置10は、図1に示すように、1セットの切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ両端電圧検出回路17、電圧判定回路18、およびコントローラ19を備えている。各回路の具体的な構成の一例を、図2に基づいて説明する。
本実施形態では、1セットの切替スイッチ11、12が、第1の電力バス5と第2の電力バス8との間に接続されている。1セットの切替スイッチ11、12は、それぞれ、MOSFETからなる半導体スイッチング素子によって構成される。MOSFETは、その構造上、ドレインーソース間にボディダイオード(寄生ダイオード)が形成される。このため、MOSFETを遮断しても、ボディダイオードを介して電流が流れるので、1つのMOSFETだけでは、双方向の電流を遮断することができない。車両用通電システムでは、第1の電力バス5と第2の電力バス8との間で双方向に電流が流れる可能性がある。そのため、本実施形態では、ボディダイオードの順方向となる向きを互いに逆方向とした1対のMOSFETを、1セットの切替スイッチ11、12として採用している。これにより、電源失陥が生じたときに、1セットの切替スイッチ11、12をともに遮断状態とすることで、電流の流れる方向によらず、電流を完全に遮断することができる。
なお、切替スイッチとして、MOSFETに限らず、他の半導体スイッチング素子を採用してもよい。この際、いわゆるIGBTなどボディダイオードが存在しない半導体スイッチング素子を採用する場合には、その半導体スイッチング素子単独で切替スイッチとして用いることが可能である。
駆動回路13は、コントローラ19からの切替スイッチオン・オフ駆動信号に従い、切替スイッチ11,12の制御端子(MOSFETの場合、ゲート端子)に、切替スイッチ11、12をオンするためのオン駆動信号を出力したり、オフするためのオフ駆動信号を出力したりする。
シャント抵抗14は、切替スイッチ11、12の第1の電力バス5側に接続され、切替スイッチ11、12を介して第1の電力バス5および第2の電力バス8を流れる電流の大きさに応じた電圧を発生する。図2に示すように、切替スイッチ11、12の第2の電力バス8側の電圧をV1、切替スイッチ11、12とシャント抵抗14との間の電圧をV2、シャント抵抗14の切替スイッチ11、12とは逆側の電圧をV3と表す。そして、例えば、シャント抵抗14の両端電圧V2、V3の電圧差を示す電圧信号をV23と表す。なお、シャント抵抗14は、切替スイッチ11、12の第2の電力バス8側に設けても良いし、2個の切替スイッチ11、12の間に設けてもよい。
電流検出回路15は、差動増幅器15aを有し、シャント抵抗14の両端電圧V2、V3の電圧差に応じた電圧信号V23を、第1の電力バス5および第2の電力バス8を流れる電流の大きさとして検出して出力する。図2に示すように、差動増幅器15aの非反転入力端子には、基準電圧Vref−aが入力されている。これにより、差動増幅器15aは、電圧V3が電圧V2よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも高い電圧信号V23を出力する。一方、差動増幅器15aは、電圧V2が電圧V3よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも低い電圧信号V23を出力する。つまり、基準電圧Vref−aは、電圧V2と電圧V3との大小関係によらず、1つの差動増幅器15aが、両電圧V2、V3の電圧差に応じた電圧信号V23を出力できるようにするためのものである。ただし、第1の電力バス5から第2の電力バス8へ流れる電流の大きさを検出する電流検出回路(差動増幅器)と、第2の電力バス8から第1の電力バス5へ流れる電流の大きさを検出する電流検出回路(差動増幅器)とを別々に設けてもよい。
電流判定回路16は、2つのコンパレータ16a、16bを備えている。一方のコンパレータ16aは、電流検出回路15から出力された電圧信号V23と閾値電圧Vth1(+)とを比較し、他方のコンパレータ16bは、その電圧信号V23と閾値電圧Vth1(−)とを比較する。閾値電圧Vth1(+)と基準電圧Vref−aとの差の絶対値は、閾値電圧Vth1(−)と基準電圧Vref−aとの差の絶対値に等しい。
上述したように、電流検出回路15は、電圧V3が電圧V2よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも高い電圧信号V23を出力する。電流判定回路16のコンパレータ16aは、閾値電圧Vth1(+)に基づき、このときに出力された電圧信号V23に含まれる、基準電圧Vref−aに上乗せされた電圧差が過電流に相当するレベルであるか否かを判定する。コンパレータ16aは、電圧信号V23が閾値電圧Vth1(+)よりも大きくなると、過電流に相当するレベルであることを示すHiレベルの信号をコントローラ19に出力する。一方、電流検出回路15は、電圧V2が電圧V3よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも低い電圧信号V23を出力する。電流判定回路16のコンパレータ16bは、閾値電圧Vth1(−)に基づき、このときに出力された電圧信号V23に含まれる、基準電圧Vref−aから差し引かれた電圧差が過電流に相当するレベルであるか否かを判定する。コンパレータ16aは、電圧信号V23が閾値電圧Vth1(−)よりも小さくなると、過電流に相当するレベルであることを示すHiレベルの信号をコントローラ19に出力する。このように、電流判定回路16は、2つのコンパレータ16a、16bにおいて、電圧信号V23を閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)と比較することで、電流の通電方向によらず、電圧信号V23が過電流に相当するレベルであるか、通常動作における正常電流に相当するレベルであるかを判定することができる。
また、電流判定回路16は、閾値出力回路16cを備えている。この閾値出力回路16cは、コントローラ19からの指示に応じて、2つのコンパレータ16a、16bで使用される閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)を変更する。この閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)の変更は、本実施形態における、過電流の誤検出を回避するように過電流検出条件を変更する一手法に該当する。コントローラ19からの指示に基づく閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)の変更に関しては、後に詳しく説明する。
スイッチ両端電圧検出回路17は、差動増幅器17aを有し、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に応じた電圧信号V12を出力する。図2に示すように、スイッチ両端電圧検出回路17の差動増幅器17aの非反転入力端子にも、基準電圧Vref−bが入力されている。これにより、差動増幅器17aは、電圧V2が電圧V1よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−bよりも高い電圧信号V12を出力する。一方、差動増幅器17aは、電圧V1が電圧V2よりも高いときには、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−bよりも低い電圧信号V12を出力する。
電圧判定回路18も、電流判定回路16と同様に、2つのコンパレータ18a、18bを備えている。一方のコンパレータ18aは、スイッチ両端電圧検出回路17から出力された電圧信号V12と閾値電圧Vth2(+)とを比較し、他方のコンパレータ18bは、その電圧信号V12と閾値電圧Vth2(−)とを比較する。閾値電圧Vth2(+)と基準電圧Vref−bとの差の絶対値は、閾値電圧Vth2(−)と基準電圧Vref−bとの差の絶対値に等しい。そして、電圧判定回路18のコンパレータ18aは、電圧V2が電圧V1よりも高いとき、その電圧差に応じた電圧信号V12(すなわち、基準電圧Vref−bよりも大きい電圧信号V12)が閾値電圧Vth2(+)よりも大きくなると、電圧差が大きいことを示すHiレベルの信号をコントローラ19に出力する。逆に、電圧判定回路18のコンパレータ18bは、電圧V1が電圧V2よりも高いとき、その電圧差に応じた電圧信号V12(すなわち、基準電圧Vref−bよりも小さい電圧信号V12)が閾値電圧Vth2(−)よりも小さくなると、電圧差が大きいことを示すHiレベルの信号をコントローラ19に出力する。このように、電圧判定回路18は、2つのコンパレータ18a、18bにおいて、電圧信号V12を閾値電圧Vth2(+)、Vth2(−)と比較することで、電圧V1と電圧V2との大小関係によらず、電圧V1と電圧V2との電圧差に相当する電圧信号V12が閾値電圧Vth2(+)、Vth2(−)より大きい電圧差を有するか否かを判定することができる。なお、切替スイッチ11,12が遮断された状態において、概ね、主電源1が発生する電圧が、サブ電源6が発生する電圧よりも高い場合には、コンパレータ18bを省略してもよい。また、閾値電圧Vth2(+)と基準電圧Vref−bとの差の絶対値を閾値電圧Vth2(−)と基準電圧Vref−bとの差の絶対値よりも大きくするなど、閾値電圧Vth2(+)とVth2(−)の閾値としての大きさを異ならせてもよい。
例えば、車両の起動スイッチがオンされた後に、切替スイッチ11、12が遮断状態から導通状態に切り替えられるとき、遮断状態における切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差は、主電源1が発生する電圧とサブ電源6が発生する電圧との電圧差に依存する。換言すれば、コントローラ19が、切替スイッチ11、12を遮断状態から導通状態に切り替えようとするとき、導通状態に切り換える前のタイミングで、スイッチ両端電圧検出回路17は、主電源1の電圧とサブ電源6の電圧との電圧差に応じた電圧信号V12を出力することができる。切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差が相対的に大きい場合、切替スイッチ11、12が導通状態に切り換えられたとき、第1の電力バス5と第2の電力バス8との間で、切替スイッチ11、12を介して大電流が流れる可能性がある。本実施形態に係る通電制御装置10は、上述したスイッチ両端電圧検出回路17と電圧判定回路18とを備えているので、コントローラ19は、遮断状態における切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、切替スイッチ11、12を遮断状態から導通状態に切り換えたときに、大電流が流れる可能性があることを事前に検知することができる。
コントローラ19は、例えば、ソフトウエアを非一時的に記録した非遷移的かつ実体的な記憶媒体としてのメモリ、ソフトウエアを実行するプロセッサ、および入出力インターフェースなどを備えたマイクロコンピュータによって構成することができる。コントローラ19は、ソフトウエアにより、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づいて、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したかを判定し、条件が成立したと判定したことに応じて、その大電流を誤って過電流と検出することを回避するように過電流検出条件を変更するようプログラムされている。
なお、上述した実施形態では、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ両端電圧検出回路17、および電圧判定回路18をハードウエアによって構成した例について説明した。しかしながら、ハードウエアによって構成した各回路の機能も、コントローラ19が実行するようにソフトウエアをプログラムすることも可能である。例えば、電力バス5、8の各所の電圧V1、V2、V3を適宜のタイミングでA/D変換回路によってデジタル信号に変換してコントローラ19内に取り込み、コントローラ19において、電流検出、その検出した電流の大きさの判定などを実行してもよい。
次に、コントローラ19において実行される処理の一例について、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、図3のフローチャートに示す処理は、例えば車両の起動スイッチがオンされたときのように、切替スイッチ11、12が遮断状態から導通状態に切り換えられるときに実行される。
最初のステップS100では、コントローラ19は、電圧判定回路18の判定結果を取得する。上述したように、電圧判定回路18は、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差が閾値電圧Vth2(+)、Vth2(−)を超えた場合に、いずれかのコンパレータ18a、18bからHiレベルの信号をコントローラ19に出力する。従って、ステップS100では、コントローラ19は、電圧判定回路18の判定結果として、電圧判定回路18から出力される信号のレベルを取得する。続くステップS110では、コントローラ19は、取得した電圧判定回路18の出力信号のレベルに基づいて、スイッチ両端電圧V1、V2の電圧差に相当する電圧信号V12が閾値電圧Vth2(Vth2(+)、Vth2(−)を含む)を超えているか否かを判定する。超えている場合には、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされる。この場合、電力バス5、8に通電される大電流を誤って過電流と検出することを回避するように過電流検出条件を変更するために、ステップS120の処理に進む。一方、電圧信号V12が閾値電圧Vth2を超えていない場合には、ステップS120の処理をスキップしてステップS130の処理に進む。
ステップS120では、過電流の誤検出を回避するように過電流検出条件を変更する一手法として、過電流検出フィルタ時間を初期フィルタ時間T1から誤検出防止用フィルタ時間T2に切り替える。なお、過電流検出フィルタ時間は、図示しない初期処理により、初期フィルタ時間T1に設定されている。誤検出防止用フィルタ時間T2は、初期フィルタ時間T1よりも長いフィルタ時間を有する。フィルタ時間は、コントローラ19が電力バス5、8に過電流が通電されていると決定するための一要件をなす。具体的には、コントローラ19は、電流判定回路16による過電流のレベルに相当するとの判定がフィルタ時間だけ継続したときに、電力バス5、8に過電流が通電されていると決定する。フィルタ時間は、電力バス5、8にノイズが重畳した場合などに、誤って過電流と検出しないようにするためのものである。このフィルタ時間を、初期フィルタ時間T1から誤検出防止用フィルタ時間T2に切り替えることにより、電力バス5、8に大電流が通電されても、その大電流を過電流と誤検出する可能性を低減することができる。
なお、フィルタ時間は、初期フィルタ時間T1から誤検出防止用フィルタ時間T2へと2段階に切り替えることに限定されない。例えば、電圧判定回路18において、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に相当する電圧信号V12の大きさを多段階に層別し、その層別した電圧信号V12の大きさに応じて、フィルタ時間を多段階に切り替えるように構成してもよい。このようにすれば、過電流の誤検出を抑制しつつ、フィルタ時間を最適に設定することが可能となる。
ステップS130では、コントローラ19は、駆動回路13に切替スイッチオン駆動信号を出力する。これにより、駆動回路13から切替スイッチ11、12をオンするためのオン駆動信号が出力され、切替スイッチ11、12は、遮断状態から導通状態に切り換えられる。続くステップS140では、コントローラ19は、電流判定回路16の判定結果を取得する。上述したように、電流判定回路16は、電流検出回路15が出力するシャント抵抗14の両端電圧V2、V3の電圧差に応じた電圧信号V23が閾値電圧Vth1(+)を上回るか、またはVth1(−)を下回って過電流に相当するレベルであるとき、いずれかのコンパレータ16a、16bからHiレベルの信号を出力する。なお、以下の説明では、電圧信号V23が閾値電圧Vth1(+)を上回るか、またはVth1(−)を下回ることを、電圧信号V23が閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)を超えると言及することがある。従って、ステップS140では、コントローラ19は、電流判定回路16の判定結果として、電流判定回路16から出力される信号のレベルを取得する。
次のステップS150では、ステップS140において取得した電流判定回路16の出力信号のレベルに基づいて、電圧信号V23が閾値電圧Vth1(Vth1(+)、Vth1(−)を含む)を超えているか否かを判定する。ステップS150において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定すると、ステップS160に進んで、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えている時間をカウントするタイマをスタートさせる。一方、ステップS150において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定すると、ステップS170に進んで、上記タイマをリセットする。
ステップS180では、タイマのカウント時間がフィルタ時間(T1またはT2)よりも長いか否かを判定する。この判定処理において、タイマのカウント時間がフィルタ時間よりも長いと判定した場合、地絡や電源故障などの電源失陥が生じて、電力バス5,8に過電流が通電されている可能性が高い。そのため、ステップS190の処理に進んで、コントローラ19は、駆動回路13に切替スイッチオフ駆動信号を出力する。これにより、切替スイッチ11、12は、導通状態から遮断状態に切り替えられる。このため、いずれかの箇所で電源失陥が生じた場合であっても、すべての車載コンポーネントが動作不能に陥る事態を回避することができる。
なお、ステップS150〜S180の処理を、コントローラ19ではなく電流判定回路16で行わせることも可能である。例えば、電流判定回路16にフィルタ時間(T1またはT2)を計時するタイマと、そのタイマが計時するフィルタ時間に渡って、いずれかのコンパレータ16a、16bからHiレベルの信号の出力が継続されているか否かを判定する判定回路を設けることで、電流判定回路16は、ステップS150〜S190の処理を実行することができる。この場合、コントローラ19は、ステップS150〜S190の処理に代えて、電流判定回路16から判定結果を取得するとともに、その判定結果に基づき、駆動回路13にスイッチオフ駆動信号を出力するかどうかを判別する処理を行えばよい。あるいは、電流判定回路16とは別にフィルタ回路を設けて、電流判定回路16の判定結果をフィルタ回路に出力するように構成するとともに、フィルタ回路がステップS160〜S180の処理を行ってもよい。
ステップS200では、遮断状態の切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差によって、切替スイッチ11,12を導通状態に切り替えたときに大電流が流れ、その大電流を過電流と誤検出する可能性がある期間であるフィルタ時間切替期間が終了したか否かを判定する。このフィルタ時間切替期間は、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づく大電流の通電が終了する程度の期間として事前に設定されている。ただし、上述したフィルタ時間の多段階切替と同様に、フィルタ時間切替期間も、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に応じて他段階に切り替えてもよい。ステップS200において、フィルタ時間切替期間が終了したと判定すると、ステップS210において、過電流検出フィルタ時間を誤検出防止用フィルタ時間T2から初期フィルタ時間T1に戻す。なお、過電流検出フィルタ時間を誤検出防止用フィルタ時間T2に切り替えていなければ、ステップS210の処理が実行されても、過電流検出フィルタ時間は初期フィルタ時間T1のまま変化しない。
コントローラ19は、図3のフローチャートに示す処理と組み合わせて、もしくはその処理の代わりに、図4のフローチャートに示す処理を実行してもよい。図3のフローチャートの処理と図4のフローチャートの処理とを組み合わせて実行する場合、上述したフィルタ時間の切替処理とともに、後述するステップS121の閾値電圧の切替処理を実行すればよい。以下、図4のフローチャートに示す処理について説明する。ただし、図4のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S160、S170、およびS190の処理は、図3のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S160、S170およびS190の処理と同じであるため、説明を省略する。
図4のフローチャートのステップS110の判定結果から、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるときに実行されるステップS121では、過電流の誤検出を回避するように過電流検出条件を変更する一手法として、過電流検出閾値電圧を初期閾値電圧Vth1(Vth1(+)とVth1(−)とを含む)から誤検出防止用閾値電圧Vth1’(Vth1’(+)とVth1’(−)とを含む)に切り替える。具体的には、コントローラ19が電流判定回路16の閾値出力回路16cに閾値電圧の切替を指示する。誤検出防止用閾値電圧Vth1’は、初期閾値電圧Vth1よりも絶対値として大きい値に設定されている。従って、閾値出力回路16cがコントローラ19からの指示に応じて、過電流検出閾値電圧を、初期閾値電圧Vth1から誤検出防止用閾値電圧Vth1’に切り替えることにより、電力バス5、8に大電流が通電されても、その大電流を過電流と誤検出する可能性を低減することができる。
なお、閾値電圧も、初期閾値電圧Vth1と誤検出防止用閾値電圧Vth1’との2段階に切り替えることに限定されない。例えば、電圧判定回路18において、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に相当する電圧信号V12の大きさを多段階に層別し、その層別した電圧信号V12の大きさに応じて、閾値電圧を多段階に切り替えるように構成してもよい。このようにすれば、過電流の誤検出を抑制しつつ、閾値電圧を最適に設定することが可能となる。
そして、図4のフローチャートのステップS151では、ステップS140において取得した電流判定回路16の出力信号のレベルに基づいて、電圧信号V23が初期閾値電圧Vth1または誤検出防止用閾値電圧Vth1’を超えているか否かを判定する。ステップS151において、電圧信号V23が初期閾値電圧Vth1または誤検出防止用閾値電圧Vth1’を超えていると判定すると、ステップS160に進む。一方、ステップS151において、電圧信号V23が初期閾値電圧Vth1または誤検出防止用閾値電圧Vth1’を超えていないと判定すると、ステップS170に進む。
ステップS181では、ステップS160でスタートされ、ステップS170でリセットされるタイマのカウント時間がフィルタ時間T1よりも長いか否かを判定する。この判定処理において、タイマのカウント時間がフィルタ時間T1よりも長いと判定した場合、地絡や電源故障などの電源失陥が生じて、電力バス5,8に過電流が通電されている可能性が高い。そのため、ステップS190の処理に進んで、コントローラ19が、駆動回路13に切替スイッチオフ駆動信号を出力する。図3のフローチャートの説明で記載したと同様に、ステップS151〜S181の処理は、電流判定回路16や別途設けるフィルタ回路で行わせてもよい。
そして、ステップS201において、閾値電圧切替期間が終了したか否かを判定する。この閾値電圧切替期間は、上述したフィルタ時間切替期間と同様にして設定される。ステップS201において、閾値電圧切替期間が終了したと判定すると、ステップS211において、過電流検出閾値電圧を誤検出防止用閾値電圧Vth1’から初期閾値電圧Vth1に戻す。なお、過電流検出閾値電圧を誤検出防止用閾値電圧Vth1’に切り替えていなければ、初期閾値電圧Vth1のまま変化しない。
上述した図3のフローチャートに示す処理および図4のフローチャートに示す処理は、過電流の誤検出を回避するための過電流検出条件の変更として、過電流と判定するための要件であるフィルタ時間や閾値電圧を変更するものである。しかしながら、フィルタ時間や閾値電圧などの要件は変更せずに、過電流検出条件を変更することもできる。例えば、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるとき、コントローラ19は、所定のマクス時間の間、過電流検出を停止することで、過電流検出条件を変更してもよい。このようにしても、電力バス5、8に通電される大電流を誤って過電流と検出する可能性を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る通電制御装置について、図5〜図8を参照して説明する。上述した第1実施形態に係る通電制御装置10では、過電流検出条件の変更として、フィルタ時間や閾値電圧を変更したり、過電流の検出を停止するマスク時間を設定したりすることにより、過電流の誤検出の抑制を図るものであった。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10では、過電流検出条件の変更として、切替スイッチ11、12の駆動方式を切り替えることにより、過電流の誤検出の抑制を図るものである。以下、本実施形態に係る通電制御装置10に関して、第1実施形態に係る通電制御装置10との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態による切替スイッチ11、12の駆動方式の切り替えと、第1実施形態によるフィルタ時間および/または閾値電圧の変更、またはマスク時間の設定とは、組み合わせて実施してもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る通電制御装置について、図5〜図8を参照して説明する。上述した第1実施形態に係る通電制御装置10では、過電流検出条件の変更として、フィルタ時間や閾値電圧を変更したり、過電流の検出を停止するマスク時間を設定したりすることにより、過電流の誤検出の抑制を図るものであった。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10では、過電流検出条件の変更として、切替スイッチ11、12の駆動方式を切り替えることにより、過電流の誤検出の抑制を図るものである。以下、本実施形態に係る通電制御装置10に関して、第1実施形態に係る通電制御装置10との相違点を中心に説明する。なお、本実施形態による切替スイッチ11、12の駆動方式の切り替えと、第1実施形態によるフィルタ時間および/または閾値電圧の変更、またはマスク時間の設定とは、組み合わせて実施してもよい。
図5は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10も、第1実施形態に係る通電制御装置10とほぼ同様に構成され、切替スイッチ11、12、駆動回路13a、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ両端電圧検出回路17、電圧判定回路18、およびコントローラ19aを備えている。この内、駆動回路13aおよびコントローラ19aを除く回路部品や各電気回路は、第1実施形態と第2実施形態とで同様に構成される。ただし、電流判定回路16に関して、本実施形態では、閾値電圧を切り替える必要がないので、第1実施形態のように、閾値電圧を変更可能な閾値出力回路16cを備えていない点で若干相違する。
本実施形態では、コントローラ19aが、図5に示すように、駆動回路13aに対し、切替スイッチオン・オフ駆動信号に加えて、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したか否かに従って、切替スイッチ駆動方式切替信号を出力する。
図6は、本実施形態の通電制御装置10が備える駆動回路13aの特徴的な構成の一例を示す構成図である。駆動回路13aは、図6に示すように、切替スイッチ11(12)の制御端子に駆動信号を伝送する伝送線に、抵抗R1と抵抗R2との並列回路が挿入されている。さらに、その並列回路において、抵抗R1と直列に時定数切替スイッチが接続されている。駆動回路13aは、図示していないが、切替スイッチ11(12)の制御端子に、上述した伝送線を介して駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、コントローラ19aからの切替スイッチ駆動方式切替信号に応じて、時定数切替スイッチをオンオフする時定数切替スイッチ駆動回路とを備えている。
コントローラ19aは、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件は成立しないとみなされる場合、駆動回路13aに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、時定数切替スイッチをオンするように指示するオン指示信号を出力する、すると、駆動回路13aにおいて、時定数切替スイッチがオンされるので、伝送線の抵抗成分は(R1×R2)/(R1+R2)となる。一方、コントローラ19aは、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされる場合、駆動回路13aに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、時定数切替スイッチをオフするように指示するオフ指示信号を出力する。すると、駆動回路13aにおいて、時定数切替スイッチがオフされるので、伝送線の抵抗成分はR2となる。
このように、時定数切替スイッチをオンしたときの方が、オフしたときと比較して、伝送線の抵抗成分が小さくなる。このため、時定数切替スイッチがオンされたときに、駆動信号出力回路から切替スイッチ11(12)の制御端子に駆動信号が出力されると、伝送線には相対的に大きな電流が流れる。その結果、図7に示すように、切替スイッチ11(12)の制御端子の電圧VGSは急峻に上昇する。そのため、切替スイッチ11(12)が導通状態へ切り替えられるまでの時間(時定数)が相対的に短くなる。この場合、図7に示すように、切替スイッチ11(12)が導通状態となったときに流れる電流(突入電流)が大きくなる傾向がある。一方、時定数切替スイッチがオフされているときに、駆動信号出力回路から切替スイッチ11(12)の制御端子に駆動信号が出力されると、伝送線には相対的に小さな電流が流れる。その結果、図7に示すように、切替スイッチ11(12)の制御端子の電圧VGSは緩やかに上昇する。そのため、切替スイッチ11(12)が導通状態へ切り替えられるまでの時間(時定数)が相対的に長くなる。換言すれば、切替スイッチ11(12)を構成する半導体スイッチング素子が遮断状態から導通状態へ遷移する時間が相対的に長くなる。これにより、図7に示すように、切替スイッチ11(12)が導通状態に切り替えられたときの突入電流を抑制することができる。その結果、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差が大きく、切替スイッチ11、12の導通状態への切り替え時に大電流が流れる状況であっても、その大電流を誤って過電流として検出してしまうことを抑制することができる。
図8は、本実施形態のコントローラ19aにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。以下、図8のフローチャートを参照して、コントローラ19aによって実行される処理について説明する。ただし、図8のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S150、S160、S170、S181、およびS190の処理は、図3、図4のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S150、S160、S170、S181およびS190の処理と同じであるため、説明を省略する。
図8のフローチャートのステップS110の判定結果から、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるときに実行されるステップS122では、過電流の誤検出を回避するように過電流検出条件を変更する一手法として、切替スイッチ11、12の制御端子に接続されて駆動信号を伝送する伝送線の抵抗成分を通常よりも高くする。具体的には、コントローラ19aが、駆動回路13aに時定数切替スイッチをオフするように指示するオフ指示信号を出力する。駆動回路13aの時定数スイッチがオフされると、上述したように、伝送線の抵抗成分は通常の抵抗成分よりも高くなる。
一方、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立しないとみなされるときに実行されるステップS123では、切替スイッチ11、12の駆動信号を伝送する伝送線の抵抗成分を通常通りの低い抵抗成分とする。具体的には、コントローラ19aが、駆動回路13aに時定数切替スイッチをオンするように指示するオン指示信号を出力する。時定数スイッチがオンされると、上述したように、伝送線の抵抗成分は、過電流防止用の抵抗成分よりも低い通常の抵抗成分となる。
従って、ステップS130において、駆動回路13aに切替スイッチオン駆動信号を出力したとき、駆動回路13aは、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したか否かに応じた時定数で切替スイッチ11、12を導通状態に切り替えることができる。そのため、電力バス5,8に流れる大電流を誤って過電流として検出してしまう可能性を低減することができる。
そして、図8のフローチャートのステップS202では、時定数切替スイッチ切替期間が終了したか否かを判定する。この時定数切替スイッチ切替期間は、第1実施形態において説明したフィルタ時間切替期間と同様にして設定される。ステップS202において、時定数切替スイッチ切替期間が終了したと判定すると、ステップS212において、駆動回路13aに時定数切替スイッチをオンするように指示するオン指示信号を出力する。これにより、伝送線の抵抗成分は、過電流防止用の抵抗成分よりも低い通常の抵抗成分となり、切替スイッチ11、12に切替スイッチオフ信号を出力した際に、切替スイッチを迅速に遮断状態に切り替えることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る通電制御装置について、図9〜図12を参照して説明する。上述した第2実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12の駆動信号を伝送する伝送線の抵抗成分の切り替えによって、切替スイッチの駆動方式を切り替えて、過電流の誤検出の抑制を図るものであった。それに対して、本実施形態の通電制御装置10は、切替スイッチ11、12を電圧駆動するか、定電流駆動するかを切り替えることで、切替スイッチの駆動方式を切り替えて、過電流の誤検出の抑制を図るものである。以下、本実施形態に係る通電制御装置10に関して、第2実施形態に係る通電制御装置10との相違点を中心に説明する。
次に、本発明の第3実施形態に係る通電制御装置について、図9〜図12を参照して説明する。上述した第2実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12の駆動信号を伝送する伝送線の抵抗成分の切り替えによって、切替スイッチの駆動方式を切り替えて、過電流の誤検出の抑制を図るものであった。それに対して、本実施形態の通電制御装置10は、切替スイッチ11、12を電圧駆動するか、定電流駆動するかを切り替えることで、切替スイッチの駆動方式を切り替えて、過電流の誤検出の抑制を図るものである。以下、本実施形態に係る通電制御装置10に関して、第2実施形態に係る通電制御装置10との相違点を中心に説明する。
図9は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、第2実施形態に係る通電制御装置10と同様に構成され、切替スイッチ11、12、駆動回路13b、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ両端電圧検出回路17、電圧判定回路18、およびコントローラ19bを備えている。この内、駆動回路13bおよびコントローラ19bを除く回路部品や各電気回路は、第2実施形態と同様に構成される。
本実施形態においても、第2実施形態と同様に、コントローラ19bが、図9に示すように、駆動回路13bに対し、切替スイッチオン・オフ駆動信号に加えて、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したか否かに応じて、切替スイッチ駆動方式切替信号を出力する。
図10は、本実施形態の通電制御装置10が備える駆動回路13bの特徴的な構成の一例を示す構成図である。駆動回路13bは、図10に示すように、切替スイッチ11(12)を電圧駆動と定電流駆動とのいずれかで駆動できるように構成されている。例えば、駆動回路13bは、図示しないが、切替スイッチ11(12)の制御端子に駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、コントローラ19bからの切替スイッチ駆動方式切替信号に応じて、電圧駆動スイッチと定電流駆動スイッチとのいずれか一方をオンし、他方をオフするスイッチ駆動回路とを備えている。駆動回路13bにおいて、電圧駆動スイッチがオンされ、定電流駆動スイッチがオフされた場合、駆動信号出力回路が出力する駆動信号は、電圧駆動スイッチおよび抵抗R1、R2の並列回路を介して切替スイッチ11(12)の制御端子に印加される。この場合、切替スイッチ11(12)は駆動信号によって電圧駆動される。一方、駆動回路13bにおいて、電圧駆動スイッチがオフされ、定電流駆動スイッチがオンされた場合、駆動信号出力回路が出力する駆動信号は、定電流駆動スイッチを介して定電流回路に供給される。この場合、切替スイッチ11(12)の制御端子には、定電流回路が発生する定電流が供給され、切替スイッチ11(12)は定電流駆動される。
コントローラ19bは、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件は成立しないとみなされる場合、駆動回路13aに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、電圧駆動を指示する電圧駆動指示信号を出力する。すると、駆動回路13bにおいて、電圧駆動スイッチがオンされ、定電流駆動スイッチがオフされる。一方、コントローラ19bは、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされる場合、駆動回路13bに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、定電流駆動を指示する定電流駆動指示信号を出力する。すると、駆動回路13bにおいて、電圧駆動スイッチがオフされ、定電流駆動スイッチがオンされる。
本実施形態では、図11に示すように、電圧駆動されたときに、切替スイッチ11(12)が遮断状態から導通状態に切り換わる時間(時定数)が相対的に短くなり、定電流駆動されたときに、時定数が長くなるように設定されている。このため、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差が大きくなく、切替スイッチ11、12が導通状態への切り替えられたときにそれほど大きな電流が流れない状況においては、電圧駆動を採用することにより、迅速に、切替スイッチ11、12を導通状態に切り替えることができる。一方、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差が大きく、切替スイッチ11、12の導通状態への切り替え後に大電流が流れる状況においては、定電流駆動を採用する。本実施形態では、定電流駆動による、切替スイッチ11、12が導通状態に切り換わるまでの時定数は、電圧駆動による時定数よりも長くしているので、切替スイッチ11、12が導通状態に切り替えられるときの突入電流を抑制することができ、その突入電流を誤って過電流として検出してしまう可能性を低減することができる。
なお、上述した例では、電圧駆動による切替スイッチ11、12の導通状態への切替時定数が、定電流駆動による切替スイッチ11、12の導通状態への切替時定数よりも短くなるように設定した。しかしながら、定電流駆動による切替スイッチ11、12の導通状態への切替時定数が、電圧駆動による切替スイッチ11、12の導通状態への切替時定数よりも短くなるように設定することも可能である。
図12は、本実施形態のコントローラ19bにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。以下、図12のフローチャートを参照して、コントローラ19bによって実行される処理について説明する。ただし、図12のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S150、S160、S170、S181およびS190の処理は、図8のフローチャートのステップS100、S110、S130、S140、S150、S160、S170、S181およびS190の処理と同じであるため、説明を省略する。
図12のフローチャートのステップS110の判定結果から、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるときに実行されるステップS124では、過電流の誤検出を回避するように過電流検出条件を変更する一手法として、切替スイッチ11、12の駆動方式を定電流駆動に変更する。具体的には、コントローラ19bが、駆動回路13bに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、定電流駆動を指示する定電流駆動指示信号を出力する。これにより、駆動回路13bでは、電圧駆動スイッチがオフされ、定電流駆動スイッチがオンされて、切替スイッチ11,12を定電流駆動するための準備が実施される。
一方、切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立しないとみなされるときに実行されるステップS125では、切替スイッチ11、12の駆動方式を電圧駆動とする。具体的には、コントローラ19bが、駆動回路13bに、切替スイッチ駆動方式切替信号として、電圧駆動を指示する電圧駆動指示信号を出力する。これにより、駆動回路13bでは、電圧駆動スイッチがオンされ、定電流駆動スイッチがオフされて、切替スイッチ11,12を電圧駆動するための準備が実施される。
従って、ステップS130において、コントローラ19bが駆動回路13bに切替スイッチオン駆動信号を出力したとき、駆動回路13bは、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したか否かに応じて、電圧駆動と定電流駆動とのいずれかを実行して、切替スイッチ11、12を導通状態に切り替えることができる。そのため、電力バス5,8に流れる大電流を誤って過電流として検出してしまう可能性を低減することができる。
そして、図12のフローチャートのステップS203では、駆動方式切替期間が終了したか否かを判定する。この駆動方式切替期間は、上述したフィルタ時間切替期間と同様にして設定される。ステップS203において、駆動方式切替期間が終了したと判定すると、ステップS213において、駆動回路13bに電圧駆動スイッチをオンするとともに、定電流駆動スイッチをオフするように指示する。これにより、切替スイッチ11、12に切替スイッチオフ信号を出力した場合に、切替スイッチを迅速に遮断状態に切り替えることが可能となる。
なお、切替スイッチを導通状態に切り替える際の時定数を変更する手法は、上述した第2、第3実施形態に限定されない。例えば、駆動回路13における駆動信号出力回路を、駆動信号として、最初から所定電圧の駆動信号を出力するか、所定電圧に向かって段階的に電圧が上昇する駆動信号を出力するかを切り替えられるように構成する。そして、切替スイッチ11、12が導通状態に切り替えられる時定数を短くする場合には、切替スイッチ11、12の制御端子に所定電圧の駆動信号を印加し、時定数を長くする場合には、切替スイッチ11、12の制御端子に、所定電圧に向かって段階的に電圧が上昇する駆動信号を印加してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る通電制御装置について、図13〜図17を参照して説明する。上述した第1〜第3実施形態に係る通電制御装置10では、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したか否かを、遮断状態での切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づいて判定した。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10は、少なくとも1つの車載機器が、その車載機器を駆動する車載コンポーネントによって、当該車載コンポーネントに大電流が通電される態様で駆動されるとき、換言すれば、車載コンポーネントを車載機器の一部とみなした場合には、少なくとも1つの車載機器が、その車載機器に大電流が通電される態様で作動されるとき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなす。
次に、本発明の第4実施形態に係る通電制御装置について、図13〜図17を参照して説明する。上述した第1〜第3実施形態に係る通電制御装置10では、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したか否かを、遮断状態での切替スイッチ11、12の両端電圧V1、V2の電圧差に基づいて判定した。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10は、少なくとも1つの車載機器が、その車載機器を駆動する車載コンポーネントによって、当該車載コンポーネントに大電流が通電される態様で駆動されるとき、換言すれば、車載コンポーネントを車載機器の一部とみなした場合には、少なくとも1つの車載機器が、その車載機器に大電流が通電される態様で作動されるとき、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなす。
そして、本実施形態に係る通電制御装置10は、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるときに、過電流検出条件の変更として、フィルタ時間および/または閾値電圧の変更、マスク時間の設定、切替スイッチの駆動方式の変更の少なくとも1つを実施する。この点については、上述した第1〜第3実施形態に係る通電制御装置10と同様である。
図13は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。図13に示すように、本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、コントローラ19c、コンポコントローラ20、およびコンポアクチュエータ21を備えている。この内、コントローラ19c、コンポコントローラ20およびコンポアクチュエータ21を除く回路部品や各電気回路は、第1実施形態と同様に構成される。このため、これら同様の構成についての説明は省略する。なお、図13には、車載コンポーネントとしてのコンポコントローラ20とコンポアクチュエータ21とのセットが1セットしか示されていないが、実際には、コンポコントローラとコンポアクチュエータとのセットが複数セット設けられる。
図13に示す本実施形態に係る通電制御装置10には、スイッチ両端電圧検出回路17および電圧判定回路18が設けられていない。しかしながら、本実施形態に係る通電制御装置10が、これらの構成も備えて、上述した第1〜第3実施形態に係る通電制御装置10と同様の過電流の誤検出の抑制のための制御を行うことも可能である。つまり、本実施形態に係る通電制御装置10は、第1〜第3実施形態に係る通電制御装置10と組み合わせて実施してもよい。
コンポコントローラ20は、車両の運転者の操作や、車両やアクチュエータの状態に応じて、コンポアクチュエータ21にアクチュエータ駆動信号を出力して、コンポアクチュエータ21の動作を制御する。コンポアクチュエータ21は、上述したように、例えばパワーステアリング装置やブレーキ装置などの車載機器を駆動するためのアクチュエータである。コンポアクチュエータ21は、アクチュエータによる駆動対象車載機器の動作状態(例えば、ステアリング操作量やブレーキ操作量)を検出するセンサを有し、そのセンサによって検出された検出信号をコントローラ19cおよびコンポコントローラ20に出力する。
コンポコントローラ20は、コンポアクチュエータ21に対して、例えばパワーステアリング装置に急ハンドルを行わせるアクチュエータ駆動信号や、ブレーキ装置に急ブレーキを行わせるアクチュエータ駆動信号を出力する際には、その出力前、もしくはその出力と同時に、コントローラ19cに急ハンドル信号や急ブレーキ信号を出力する。パワーステアリング装置に急ハンドルを行わせたり、ブレーキ装置に急ブレーキを行わせたりする場合などは、車載コンポーネントに大電流が通電される態様で、対応する車載機器が駆動されることになる。そのため、コントローラ19cは、コンポコントローラ20から急ハンドル信号や急ブレーキ信号を受信すると、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなす。なお、急ハンドル信号や急ブレーキ信号は単なる例示であって、コントローラ19cは、他の車載機器の車載コンポーネントに大電流が通電されることを示す信号(例えば、駆動モータによる急加速を行う急加速信号や空調装置におけるマックスクール信号など)を受信して、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなすことももちろん可能である。
そして、コントローラ19cは、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるとき、第1〜第3実施形態において説明したのと同様の過電流検出条件の変更を行う。このため、車載機器の通常の動作によって電力バス5、8に大電流が流れるときでも、その大電流を誤って過電流として検出する可能性を低減することができる。
なお、上述した第1〜第3実施形態の通電制御装置10は、車載電源として複数の電源を備えることを前提としている。つまり、複数の電源によって発生される電圧の電圧差が大きいか否かによって、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したか否かを判定している。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10は、車載機器(コンポアクチュエータ)の動作に大電流が必要となるとの情報に基づいて、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなす。このため、本実施形態に係る通電制御装置10は、主電源1とサブ電源6のように複数の電源を有する車両用通電システムだけでなく、1つの電源のみを有する車両用通電システムに適用することも可能である。
図14のフローチャートは、コントローラ19cが、急ハンドル信号や急ブレーキ信号などに基づき、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなした場合に、フィルタ時間を変更することによって過電流検出条件を変更する場合の処理を示している。
すなわち、ステップS300で、コンポコントローラ20から急ハンドル信号、急ブレーキ信号の1つ以上を受信したと判定すると、コントローラ19cは、ステップS310の処理に進み、過電流検出フィルタ時間を誤検出防止用フィルタ時間T2にセットする。一方、ステップS300で、急ハンドル信号、急ブレーキ信号の1つ以上を受信していないと判定すると、コントローラ19cは、ステップS310をスキップして、ステップS320の処理に進む。
なお、図14のフローチャートのステップS320〜S390の処理は、図3のフローチャートのステップS140〜S210の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、図14のフローチャートでは、継続的に、コンポコントローラ20から急ハンドル信号や急ブレーキ信号などが出力されたかを判定する必要がある。このため、ステップS380で否定判定された場合、およびステップS390の処理が終了した場合、ステップS300の処理に戻る。
図15のフローチャートは、コントローラ19cが、急ハンドル信号や急ブレーキ信号などに基づき、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなした場合に、閾値電圧を変更することによって過電流検出条件を変更する場合の処理を示している。
すなわち、ステップS300で、急ハンドル信号、急ブレーキ信号の1つ以上を受信したと判定すると、コントローラ19cは、ステップS315の処理に進み、過電流検出閾値電圧を誤検出防止用閾値電圧Vth1’(Vth1’(+)とVth1’(−)とを含む)にセットする。一方、ステップS300で、急ハンドル信号、急ブレーキ信号の1つ以上を受信していないと判定すると、コントローラ19cは、ステップS315の処理をスキップして、ステップS320の処理に進む。
なお、図15のフローチャートのステップS320、S335、S340、S350、S365、S370、S385、およびS395の処理は、図4のフローチャートのステップS140、S151、S160、S170、S181、S190、S201、およびS211の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、図15のフローチャートでは、継続的に、コンポコントローラ20から急ハンドル信号や急ブレーキ信号などが出力されたかを判定する必要がある。このため、ステップS385で否定判定された場合、およびステップS395の処理が終了した場合、ステップS300の処理に戻る。
本実施形態に係る通電制御装置10のコントローラ19cは、図13に示すように、コンポコントローラ20からの急ハンドル信号や急ブレーキ信号に加えて、もしくは代えて、コントローラ19c自身でコンポアクチュエータ21のセンサから出力されるステアリング操作量やブレーキ操作量などに基づいて、急ハンドルや急ブレーキが実行される状況であることを判定してもよい。
また、本実施形態に係る通電制御装置10のコンポコントローラ20は、図13に示すように、急ハンドルを行わせるアクチュエータ駆動信号や、ブレーキ装置に急ブレーキを行わせるアクチュエータ駆動信号を出力する際、その出力前、もしくはその出力と同時に、コントローラ19cに、急ハンドル信号や急ブレーキ信号ではなく、大電流の通電期間に相当する時間だけ過電流検出マスク信号を出力するようにしてもよい。これにより、コントローラ19cは、大電流の通電期間は、過電流の検出を停止するので、過電流の誤検出を防止することができる。
また、本実施形態に係る通電制御装置10のように、コントローラ19cとコンポコントローラ20とを備えることで、過電流検出以外の異常検出(温度異常、過電圧異常など)についても、適宜コンポコントローラ20から、コントローラ19cにマスク指示をすることで、過電流以外の異常に対する誤検出の可能性についても、低減できる。また、切替スイッチを遮断することが望ましくないタイミングにおいて、コントローラ19cにリセットがかかって、切替スイッチが遮断されてしまうことがないようにすることが可能となる。具体的には、所定のリセット条件が成立した場合、図示しないリセット回路からコントローラ19cにリセット信号が出力される。リセット回路からリセット信号が出力される前に、リセット回路からリセット信号の出力情報を事前にコンポコントローラ20が受信するように構成する。コンポコントローラ20は、各箇所の電圧レベル等から、切替スイッチ11、12を一時的に遮断しても問題のないシステム状態であるか否かに基づき、リセットの可否を判定し、その判定結果信号をリセット回路に送信する。リセット回路ははリセットが可能との判定結果信号を受信すると、コントローラ19cにリセット信号を出力し、コントローラ19cはリセットされる。
あるいは、コントローラ19cにリセットがかけられても、そのリセット期間中、駆動回路13からオン駆動信号の出力を保持する保持回路を設けてもよい。
さらに、第4実施形態に係る通電制御装置10は、図16に示すように変形して実施してもよい。図16に示す通電制御装置10では、図13に示す通電制御装置10のコントローラ19cとコンポコントローラ20とが1つのコントローラ22に統合されている。このようにすれば、コントローラ19cとコンポコントローラ20との通信が不要となるので、処理速度を早めることができる。
また、第4実施形態に係る通電制御装置10は、図17に示すように変形して実施してもよい。図17に示す通電制御装置10では、コントローラ19eに、コンポコントローラ20からの急ハンドル信号、急ブレーキ信号に加えて、ADASコントローラ23から急ハンドル予告信号、急ブレーキ予告信号が入力される。
ADASコントローラ23は、各種のセンサ郡24と接続され、いわゆるLIDARや画像センサによって車両の周囲の状況を検出するとともに、車速センサ、ステアリングセンサ、アクセルセンサなどから車両の運転状況を把握して、車両が周囲の物体と接触することを防止、軽減する制御を実行するものである。このADASコントローラ23は、例えば、車両前方の物体との接触を回避、軽減するためにブレーキを作動させたり、ステアリングを作動させたりすることが必要と判定すると、急ハンドル予告信号や急ブレーキ予告信号をコントローラ19eに出力する。コントローラ19eは、このようなADASコントローラ23からの急ハンドル予告信号や急ブレーキ予告信号を受信した場合、大電流が通電される態様で車載機器(コンポアクチュエータ)が作動されることが予測されるので、電力バス5、8に大電流が通電される条件が成立したとみなして、過電流検出条件を変更してもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る通電制御装置について、図18〜図21を参照して説明する。図18は、本実施形態に係る、電源異常としての過電流の防止機能を備えた通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
次に、本発明の第5実施形態に係る通電制御装置について、図18〜図21を参照して説明する。図18は、本実施形態に係る、電源異常としての過電流の防止機能を備えた通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
本実施形態に係る通電制御装置10は、図18に示すように、第1実施形態において説明したのと同様の構成を有する車両用通電システムに適用されうる。また、本実施形態に係る通電制御装置10の基本的な構成は、第1実施形態に係る通電制御装置10と同じである。ただし、第1実施形態に係る通電制御装置10においては、電流判定回路16が2つのコンパレータ16a、16bを備え、電圧V3が電圧V2よりも高いときの電圧信号V23が閾値電圧Vth1(+)を超えると、コンパレータ16aは通電電流が過電流に相当するレベルであることを示すHiレベルの信号を出力し、電圧V2が電圧V3よりも高いときの電圧信号V23が閾値電圧Vth1(−)を超えると、コンパレータ16bは通電電流が過電流に相当するレベルであることを示すHiレベルの信号を出力するものとして説明した。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10では、本実施形態の通電制御装置10の特徴点をより明確化するため、図18に示すように、コンパレータ16aを正方向判定回路16aとして表し、コンパレータ16bを負方向判定回路16bとして表している。その他の回路、すなわち、駆動回路13、電流検出回路15、スイッチ両端電圧検出回路17、電圧判定回路18については、第5実施形態に係る通電制御装置10も、第1実施形態に係る通電制御装置10と同様に構成される。
第1実施形態に係る通電制御装置10では、電力バス5,8を流れる電流の方向が異なっていても、同じ判定条件を用いて、電力バス5,8を流れる電流が過電流に相当するか否かを判定していた。この場合に生じる課題ついて、図19を用いて説明する。なお、図19における「正方向電流」とは、図18に示すように、主電源1からサブ電源6へ向かう方向に電力バス5、8を流れる電流を意味する。また、図19における「負方向電流」とは、図18に示すように、サブ電源6から主電源1へ向かう方向に電力バス5、8を流れる電流を意味する。
第1実施形態において説明したように、主電源1は、サブ電源6の電池容量以上の電池容量を有している。また、主電源1は、車両に搭載された発電機(オルタネータ)2と直接的に接続されており、発電機2が発電したとき、その発電電力によって充電される。このような理由から、電力バス5、8には、主として主電源1からサブ電源6に向かう方向に電流が流れる場合が多くなるとともに、正方向電流は負方向電流よりも大きくなる傾向がある。図19のグラフは、このような正方向電流と負方向電流との大きさの関係を比較可能に描いたものである。
より具体的には、切替スイッチ11、12が遮断状態となっているときの主電源1とサブ電源6との電圧差は、負方向電流を流す電圧差よりも正方向電流を流す電圧差の方が大きくなる傾向がある。そのため、切替スイッチ11、12が遮断状態から導通状態に切り替えられ、電力バス5、8に電流が流れ始めると、図19に示すように、正方向電流の大きさが、負方向電流の大きさよりも大きくなる可能性が高い。図19に示す例では、遮断状態における切替スイッチ11、12の両端電圧の電圧差が大きい場合には、切替スイッチ11、12が遮断状態から導通状態に切り替えられたとき、所定の期間T(+)、T(−)(第1実施形態のフィルタ時間切替期間などに相当)が経過するまでは、電力バス5、8に流れる大電流を誤って過電流と検出しないように、第1過電流検出処理が行われる。この第1過電流検出処理では、正方向電流および負方向電流に対して、同じ大きさの閾値電流Ith1(+)、Ith1(−)(第1実施形態の過電流防止用閾値電圧Vth1’(+)、Vth1’(−)に相当)、同じ長さのフィルタ時間t1(+)、t1(−)(第1実施形態の誤検出防止用フィルタ時間T2に相当)による判定条件を用いて過電流検出を行っている。さらに、所定の期間T(+)、T(−)が経過して、電力バス5、8を流れる電流の大きさが平常時の大きさに収束した後の第2過電流検出処理においても、正方向電流および負方向電流に対して、同じ大きさの閾値電流Ith2(+)、Ith2(−)(第1実施形態の初期閾値電圧Vth1(+)、Vth1(−)に相当)、同じ長さのフィルタ時間t2(+)、t2(−)(第1実施形態の初期フィルタ時間T1に相当)による判定条件を用いて過電流検出を行っている。
上述したように、第1過電流検出処理および第2過電流検出処理において、正方向電流および負方向電流に対して、同じ判定条件を用いて過電流検出を行った場合、図19から明らかなように、相対的に小さい負方向電流に対する閾値電流Ith1(−)、Ith2(−)の、過電流と誤検出しないための余裕度が過剰となってしまう。その結果、負方向電流が過大となったことを検出する検出感度の低下を招いてしまう。なお、図19のグラフにおいて、第1および第2過電流検出処理における正方向電流に対する閾値電流Ith1(+)、Ith2(+)と、過電流によって通電制御装置10に故障が発生する可能性が生じる領域とのマージンα1、α2は、第1および第2過電流検出処理における負方向電流に対する閾値電流Ith1(−)、Ith2(−)と、過電流によって通電制御装置10に故障が発生する可能性が生じる領域とのマージンβ1、β2とそれぞれ等しくなっている。
それに対し、本実施形態の通電制御装置10では、図20に示すように、閾値出力回路16cが、正方向判定回路としてのコンパレータ16aと、負方向判定回路としてのコンパレータ16bとに、絶対値として異なる大きさの閾値電圧Vth1a(+)、Vth1b(−)を出力するように構成される。より詳細には、第1および第2過電流検出処理において、それぞれ、閾値電圧Vth1a’(+)、Vth1a(+)の絶対値は、閾値電圧Vth1b’(−)、Vth1b(−)の絶対値よりも大きく設定される。これにより、図21に示すように、第1および第2過電流検出処理における、正方向電流の過電流判定に用いる閾値電流Ith1(+)、Ith2(+)の大きさは、負方向電流の過電流判定に用いる閾値電流Ith1’(−)、Ith2’(−)の大きさよりも、絶対値として大きくなる。逆に言えば、負方向電流の過電流判定に用いる閾値電流Ith1’(−)、Ith2’(−)の絶対値としての大きさが、相対的に小さい負方向電流の大きさに適応するように、減少される。
さらに、本実施形態では、コントローラ19fにおいて、正方向電流の過電流判定に用いるフィルタ時間と、負方向電流の過電流判定に用いるフィルタ時間とが異なるように、第1および第2過電流検出処理におけるフィルタ時間が設定されえる。具体的には、図21に示すように、第1および第2過電流検出処理における、正方向電流の過電流判定に用いるフィルタ時間t1(+)、t2(+)の長さは、それぞれ、負方向電流の過電流判定に用いるフィルタ時間t1(−)、t2(−)の長さよりも長く設定される。加えて、コントローラ19fにおいて、図21に示すように、正方向電流に対して第1過電流検出処理を実行する所定の期間T(+)を、負方向電流に対して第1過電流検出処理を実行する所定の期間T(−)よりも長くしている。これにより、フィルタ時間および第1過電流検出処理の実行期間についても、正方向電流および負方向電流の大きさおよびその変化に適応したものとすることができる。
なお、遮断状態の切替スイッチ11、12の両端電圧の電圧差が大きい場合に、切替スイッチ11、12が遮断状態から導通状態に切り替えられたときに実行される第1過電流検出処理では、閾値の変更と、フィルタ時間の変更との少なくとも一方が行われるだけであってもよい。また、第1過電流検出処理の実行する期間を、正方向電流と負方向電流とで相違させることも任意である。つまり、同じ期間だけ第1過電流検出処理を実行してもよい。さらに、第1過電流検出処理は、大電流が通電される態様で車載機器(車載コンポーネント)が動作されるときに実行されてもよい。
本実施形態に係る通電制御装置10によれば、上述したように、正方向電流が過電流に相当するか否かの判定と、負方向電流が過電流に相当するか否かの判定とに、異なる判定条件が用いられる。換言すれば、それぞれの方向の電流に対して、平時の電流の大きさやその変化に応じた判定条件を設定することができる。従って、それぞれの方向の電流に適した検出感度にて過電流を検出することが可能になる。さらに、負方向電流に対して検出感度を適合させた結果として、図21に示すように、通電制御装置10に故障が発生する可能性が生じる領域とのマージンβ’1、β’2を拡大することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る通電制御装置10ついて、図22〜24を参照して説明する。図22は、本実施形態に係る通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
次に、本発明の第6実施形態に係る通電制御装置10ついて、図22〜24を参照して説明する。図22は、本実施形態に係る通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
図22に示すように、本実施形態に係る通電制御装置10は、主電源1と第4コンポ9との間の第1の電力バス5に接続された、切替スイッチ11,12およびシャント抵抗14を有する。また、本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12を駆動する駆動回路13、シャント抵抗14の両端電圧から電力バス5の双方向に流れる電流の大きさを検出する電流検出回路15、および、電流検出回路15の検出結果に基づいて電流判定を行う電流判定回路16gを有する。
電流判定回路16gは、正方向電流I1(+)が過電流に相当するレベルであるか判定する正方向判定回路16aと、負方向電流I1(−)が過電流に相当するレベルであるか判定する負方向判定回路16bと、を含む。また、本実施形態では、電流検出回路15から、第1の電力バス5を流れる電流の向きおよび大きさの情報を含む、シャント抵抗14の両端電圧の電圧差を示す電圧信号が、コントローラ19gにも入力されるように構成されている。コントローラ19gは、この電圧信号をA/D変換して取り込むことにより、電力バス5に流れる電流の向きおよび大きさを把握することができる。つまり、電流検出回路15では、第1実施形態と同様に、差動増幅器15aの非反転入力端子に、例えば、基準電圧Vref−aが入力される。このため、差動増幅器15aは、シャント抵抗14の両端に、正方向に電流を流す電圧差が生じている場合、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも高い電圧信号を出力する。一方、差動増幅器15aは、シャント抵抗14の両端に、負方向に電流を流す電圧差が生じている場合、その電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−aよりも低い電圧信号を出力する。従って、コントローラ19gは、電流検出回路15から出力される電圧信号に基づき、第1の電力バス5を流れる電流の向きおよび大きさを把握することができる。
このように、本実施形態の通電制御装置10は、コントローラ19gが、電力バス5のいずれかの方向に過電流に相当するレベルの電流が流れていることを検出することに加え、第1の電力バス5における電流の大きさおよびその通電方向を検出できるように構成されている。なお、図22において、L1は、第1の電力バス5の配線インダクタンスを表している。
さらに、本実施形態に係る通電制御装置10は、図22に示すように、サブ電源6と第4コンポ9との間の第2の電力バス8に接続された、切替スイッチ111,112およびシャント抵抗114を有する。また、本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ111、112を駆動する駆動回路113、シャント抵抗114の両端電圧から電力バス5の双方向に流れる電流の大きさを検出する電流検出回路115、および、電流検出回路115の検出結果に基づいて電流判定を行う電流判定回路116gを有する。
電流判定回路116gも、上述した電流判定回路16gと同様の構成を有する。すなわち、電流判定回路116gは、正方向電流I2(+)が過電流に相当するレベルであるか判定する正方向判定回路116aと、負方向電流I2(−)が過電流に相当するレベルであるか判定する負方向判定回路116bと、を含む。また、本実施形態では、電流検出回路115から、第2の電力バス8を流れる電流の向きおよび大きさの情報を含む、シャント抵抗114の両端電圧の電圧差を示す電圧信号が、コントローラ19gに入力されるように構成されている。コントローラ19gは、この電圧信号をA/D変換して取り込むことにより、第2の電力バス8に流れる電流の向きおよび大きさを把握することができる。
このように、本実施形態の通電制御装置10は、第2の電力バス8のいずれかの方向に過電流に相当するレベルの電流が流れていることを検出することに加え、第2の電力バス8における電流の大きさおよびその通電方向を検出できるように構成されている。なお、図22において、L2は、第2の電力バス8の配線インダクタンスを表している。
主電源1とサブ電源6との間の電力バス5、8に接続された第4コンポ9は、主電源1および/またはサブ電源6から電流を通電されて動作する。この第4コンポ9の電力バス5、8からの通電経路にシャント抵抗25が接続されている。さらに、第4コンポ9に通電される負荷電流ILの大きさを、シャント抵抗25の両端電圧の電圧差に応じた電圧信号によって検出する負荷電流検出回路26が設けられている。負荷電流検出回路26からの電圧信号はコントローラ19gに入力される。コントローラ19gは、負荷電流検出回路26からの電圧信号に基づき、負荷電流ILの大きさを把握することができる。
上述したように、本実施形態に係る通電制御装置10においては、コントローラ19gが、第1の電力バス5を流れる電流の大きさとその通電方向、第2の電力バス8を流れる電流の大きさとその通電方向、および負荷電流ILの大きさを把握することができるように構成されている。コントローラ19gは、これらの電流の大きさと通電方向に基づいて、通電制御装置10における電流異常を検出することができる。つまり、車両用通電システムのシステム構成、電流検出回路15、26、115による検出位置などが決定されると、各電流検出回路15、26、115によって検出される電流の向きおよび大きさの相互関係等は、車載コンポーネントの動作状態や各電源1、6からの電源供給状態によって定まる。
図23は、図22に示すように車両用通電システムおよび通電制御装置10を構成した場合の、各電源1、6からの給電状態、および車載コンポーネントである第4コンポ9の動作状態に応じて、各部に流れる電流の向きおよび電流の大きさの相互関係等を示す図表である。
例えば、主電源1の発生する電圧がサブ電源6の発生する電圧よりも高い場合、主電源1からサブ電源6、または主電源1からサブ電源6および第4コンポ9へ給電されることになる。この場合、図23に示すように、第4コンポ9がスリープしており、負荷電流ILが零であれば、第1の電力バス5には、正方向電流I1(+)が流れ、第2の電力バス8には、正方向電流I1(+)と等しい正方向電流I2(+)が流れる。一方、第4コンポ9がウェイクしており、その作動状態に応じた負荷電流ILが第4コンポ9に流れる場合には、第1の電力バス5には正方向電流I1(+)が流れ、第2の電力バス8には正方向電流I1(+)から負荷電流ILを減算した結果に等しい正方向電流I2(+)が流れる。
また、主電源1の発生する電圧とサブ電源6の発生する電圧とが等しい場合、第4コンポ9がスリープしていると、各電力バス5、8に電流は通電されない。一方、第4コンポ9がウェイクしていると、主電源1およびサブ電源6から第4コンポ9に給電される。このとき、図23に示すように、第1の電力バス5には、正方向電流I1(+)が流れる。第2の電力バス8には、負方向電流I2(−)が流れる。そして、第1の電力バス5の正方向電流I1(+)と第2の電力バス8の負方向電流I2(−)との間には、I2(−)=I1(+)×(L1/L2)の関係が成り立つ。また、負荷電流ILを考慮すると、第1の電力バス5の正方向電流I1(+)と第2の電力バス8の負方向電流I2(−)との間には、I1(+)+I2(−)=ILの関係が成り立つ。
従って、このような電流の向きや大きさの相互関係を満足しない電流が検出された場合、車両用通電システムあるいは通電制御装置10において電流異常が発生した蓋然性が高いといえる。そこで、本実施形態による通電制御装置10のコントローラ19gは、各電源1、6からの給電状態、および車載コンポーネントである第4コンポ9の動作状態に応じて予め定めた電流の向きと大きさの相互関係を用いて、電流異常を検出することとした。以下に、コントローラ19gが電流異常を検出するために実行する処理の一例を図24のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS400では、給電状態が、主電源1からサブ電源6へ給電される状態であるか否かを判定する。例えば、給電状態は、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)と負方向電流I1(−)のどちらが流れているか、あるいは、電流がながれていないか、および第2の電力バス8に正方向電流I2(+)と負方向電流I2(−)のどちらが流れているか、あるいは、電流が流れていないかに基づき判定することができる。つまり、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)が流れ、かつ第2の電力バス8にも正方向電流I2(+)が流れている場合、給電状態は、主電源1からサブ電源6へ給電される状態であると判定することができる。ただし、給電状態の判定に関しては、例えば、コントローラ19gが、主電源1が発生する電圧、およびサブ電源6が発生する電圧を読み込んで判定することも可能である。ステップS400にて、主電源1からサブ電源6へ給電される給電状態であると判定した場合、ステップS410の処理に進む。一方、ステップS400にて、主電源1からサブ電源6へ給電される給電状態ではないと判定した場合、ステップS450の処理に進む。
ステップS410では、コントローラ19gが、例えば、第4コンポ9のコントローラと通信して第4コンポ9の動作状態に関する情報を取得することにより、第4コンポ9がスリープしているか否かを判定する。第4コンポ9がスリープしていると判定した場合には、ステップS420の処理に進む。一方、第4コンポ9がスリープしていないと判定した場合には、ステップS430の処理に進む。
ステップS420では、コントローラ19gは、検出した各部の電流の向きおよび大きさに基づいて、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)が流れ、かつ第2の電力バス8には、第1の電力バス5の正方向電流I1(+)と等しい正方向電流I2(+)が流れているとの関係が成立しているか否かを判定する。この関係が成立していると判定した場合、電流異常は発生していないので、コントローラ19gは、ステップS400の処理に戻る。一方、この関係が成立していないと判定すると、ステップS440に進んで、電流異常が発生していると判定する。
ステップS430では、コントローラ19gは、検出した各部の電流の向きおよび大きさに基づいて、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)が流れ、第2の電力バス8には、第1の電力バス5の正方向電流I1(+)から負荷電流ILを減算した結果に等しい正方向電流I2(+)が流れているとの関係が成立しているか否かを判定する。この関係が成立していると判定すると、電流異常は発生していないので、コントローラ19gは、ステップS400の処理に戻る。一方、この関係が成立していないと判定すると、ステップS440に進んで、電流異常が発生していると判定する。
コントローラ19bは、電流異常と判定したとき、例えば、切替スイッチ11,12、および/または切替スイッチ111、112を遮断状態に切り替えて、通電制御装置10の故障の発生や第4コンポ9の誤作動などを回避することが好ましい。
ステップS450では、給電状態が、主電源1およびサブ電源6から第4コンポ9に給電される状態であるか否かを判定する。例えば、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)が流れ、かつ第2の電力バス8に負方向電流I2(+)が流れている場合、給電状態は、主電源1およびサブ電源6から第4コンポ9に給電される状態であると判定することができる。ステップS450にて、主電源1およびサブ電源6から第4コンポ9へ給電される給電状態と判定した場合、ステップS460の処理に進む。一方、ステップS450にて、主電源1およびサブ電源6から第4コンポ9へ給電される給電状態ではないと判定した場合、図示しない別の給電状態の判定処理に進む。
ステップS460では、第4コンポ9がスリープしているか否かを判定する。第4コンポ9がスリープしていると判定した場合には、ステップS470の処理に進む。一方、第4コンポ9がスリープしていないと判定した場合には、ステップS480の処理に進む。
ステップS470では、コントローラ19gは、検出した各部の電流の向きおよび大きさに基づいて、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)も負方向電流I1(−)も流れておらず、かつ第2の電力バス8にも正方向電流I2(+)も負方向電流I2(−)も流れていないとの関係が成立しているか否かを判定する。この関係が成立していると判定すると、電流異常は発生していないので、ステップS400の処理に戻る。一方、この関係が成立していないと判定すると、ステップS490に進んで、電流異常が発生していると判定する。
ステップS480では、コントローラ19gは、検出した各部の電流の向きおよび大きさに基づいて、第1の電力バス5に正方向電流I1(+)が流れ、第2の電力バス8には、第1の電力バス5の正方向電流I1(+)と合算した結果が負荷電流ILに等しい負方向電流I2(−)が流れているとの関係が成立しているか否かを判定する。この関係が成立していると判定すると、電流異常は発生していないので、コントローラ19gは、ステップS400の処理に戻る。一方、この関係が成立していないと判定すると、ステップS490に進んで、電流異常が発生していると判定する。
このように、本実施形態に係る通電制御装置10によれば、検出した各部の電流の向きおよび大きさが、各電源1、6からの給電状態、および第4コンポ9の動作状態に応じて予め定めた電流の向きと大きさの相互関係を満たしているか否かにより電流異常を検出することが可能になる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る通電制御装置10ついて、図25〜29を参照して説明する。図25は、本実施形態に係る通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
次に、本発明の第7実施形態に係る通電制御装置10ついて、図25〜29を参照して説明する。図25は、本実施形態に係る通電制御装置10を含む車両用通電システム全体の概略構成を示す構成図である。
上述した第1〜第4実施形態に係る通電制御装置10は、電力バス5,8に大電流が通電される条件が成立したとみなされるときに、その大電流を誤って過電流として検出しないように、過電流検出条件を変更したり、切替スイッチの駆動方式を変更したりするものであった。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10は、電力バス5,8に実際に過電流が通電されたときに、誤検出を抑制しつつ、過電流が通電されたことを極力早期に検出できるようにしたものである。
本実施形態に係る通電制御装置10は、図25に示すように、第1実施形態において説明したのと同様の構成を有する車両用通電システムに適用されうる。また、本実施形態に係る通電制御装置10は、図25に示すように、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、フィルタ回路28およびコントローラ19hを備えている。この内、コントローラ19h、スイッチ端子電圧検出回路27、およびフィルタ回路28を除く回路部品や各電気回路は、第1実施形態と同様に構成される。
図26は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。スイッチ端子電圧検出回路27は、切替スイッチ11、12の第2の電力バス8側の端子電圧V1が所定の閾値電圧Vth3よりも大きいか否かを検出する。つまり、スイッチ端子電圧検出回路27は、端子電圧V1が所定の閾値電圧Vth3よりも大きいときLoレベルの信号を出力し、所定の閾値電圧Vth3よりも大きくないときHiレベルの信号を出力する。つまり、スイッチ端子電圧検出回路27は、端子電圧V1が低下して閾値電圧Vth3を下回ったときに電源異常としての電圧異常を検出する。なお、スイッチ端子電圧検出回路27は、端子電圧V1ではなく、切替スイッチ11、12の中間点の電圧VM、第1の電力バス5側の端子電圧V2、または、シャント抵抗14を跨いだ端子電圧V3を検出するものであってもよい。これらの電圧は、切替スイッチ11、12またはシャント抵抗14を介して低抵抗ショートされているので、ほぼ同電位とみなすことができるためである。
フィルタ回路28は、電流判定回路16の2つのコンパレータ16a、16bのいずれかからHiレベルの信号が出力されたときに、Hiレベルの信号を出力するOR回路29と、OR回路29の出力信号を一方の入力とし、スイッチ端子電圧検出回路27からの出力信号を他方の入力とするAND回路30とを有している。また、フィルタ回路28には、第1フィルタ31、第2フィルタ32、および第3フィルタ33が設けられている。第1フィルタ31は、OR回路29の出力信号を入力信号VA_INとし、その入力信号VA_INのHiレベルの継続期間が所定の第1フィルタ時間taに達すると、電源異常が生じていることを示すHiレベルの信号をコントローラ19hに出力する。第2フィルタ32は、スイッチ端子電圧検出回路27の出力信号を入力信号VB_INとし、その入力信号VB_INのHiレベルの継続期間が所定の第2フィルタ時間tbに達すると、電源異常を示すHiレベルの信号をコントローラ19hに出力する。第3フィルタ33は、AND回路30の出力信号を入力信号VC_INとし、その入力信号VC_INのHiレベルの継続期間が所定の第3フィルタ時間tcに達すると、電源異常を示すHiレベルの信号をコントローラ19hに出力する。第1フィルタ31、第2フィルタ32、第3フィルタ33のそれぞれのフィルタ時間ta、tb、tcは、ta≧tb>tcの関係を満足するように定められている。
コントローラ19hは、第1フィルタ31〜第3フィルタ33のいずれかからHiレベルの信号を入力すると、電力バス5、8に過電流が通電されている電源異常、および/または、電力バス5、8の電圧が異常に低下する電源異常が発生していると判定し、駆動回路13に切替スイッチ11,12をオフするための切替スイッチオフ駆動信号を出力する。これに応じて、駆動回路13は、切替スイッチ11,12の制御端子に、切替スイッチ11、12をオフするためのオフ駆動信号を出力する。
このように、本実施形態に係る通電制御装置10は、電力バス5、8に通電される電流を検出する電流検出回路15と、切替スイッチの端子電圧V1を検出するスイッチ端子電圧検出回路27とを有している。このように、電流検出回路15とスイッチ端子電圧検出回路27とが別個に設けられ、それぞれの搭載環境が異なり、また、それぞれの検出方式も異なることから、電力バス5,8にノイズ等の外乱が重畳したときに、それぞれに対する影響度合いを異ならせることができる。
ここで、第1フィルタ31は、上述したように、電流検出回路15によって検出された電流が、電源失陥が生じた際の過電流に相当するレベルであると電流判定回路16によって判定される期間が、第1フィルタ時間taに達したときに電源異常を示すHiレベルの信号を出力する。また、第2フィルタ32は、スイッチ端子電圧検出回路27によって検出された端子電圧V1が、電源失陥が生じた際の異常な電圧低下に相当するレベルである期間が、第2フィルタ時間tbに達したときに電源異常を示すHiレベルの信号を出力する。
ただし、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、スイッチ端子電圧検出回路27による異常な電圧低下に相当するレベルとの検出結果とのいずれか一方のみが得られた場合、ノイズ等の外乱による影響を受けての結果である可能性も否定できない。このため、本実施形態では、第1フィルタ31の第1フィルタ時間taおよび第2フィルタ32の第2フィルタ時間tbを、第3フィルタ33の第3フィルタ時間tcよりも長くなるように定めている。これにより、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、スイッチ端子電圧検出回路27による異常な電圧低下に相当するレベルとの検出結果とのいずれか一方のみに基づいて電源異常を検出する際の誤検出の可能性を低減することができる。それに対して、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、スイッチ端子電圧検出回路27による異常な電圧低下に相当するレベルとの検出結果との両方が同時に得られた場合には、ノイズ等の外乱による影響ではなく、実際に電源失陥等の異常が発生した可能性が高い。そこで、本実施形態では、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、スイッチ端子電圧検出回路27による異常な電圧低下に相当するレベルとの検出結果との両方が同時に得られた場合、AND回路30を介してHiレベルの入力信号VC_INが第3フィルタ33に入力されるように構成されている。第3フィルタ33の第3フィルタ時間tcは、上述したように、第1フィルタ31の第1フィルタ時間taおよび第2フィルタ32の第2フィルタ時間tbよりも短く設定されている。従って、第3フィルタ33を備えることで、より短い時間で電源異常の検出を行うことができる。
ここで、本実施形態に係る通電制御装置10において、電流検出回路15とスイッチ端子電圧検出回路27とを設け、それぞれの異常検出信号に基づき、第1フィルタ31と第2フィルタ32とが電源異常を検出する理由について、図27および図28を参照して説明する。図27(a)は、サブ電源6の近傍の第2の電力バス8が地絡したときに、第1の電力バス5および切替スイッチ11、12を流れる地絡電流を概念的に示している。この場合、図27(b)に示すように、主として、電力バス5,8の配線インピーダンスL1、L2の影響によって、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下するまでの時間は、シャント抵抗14に流れる電流の大きさに対応する電圧信号V23が閾値電圧Vth1を上回るまでの時間よりも長くなる。一方、図28(a)は、スイッチ端子電圧検出回路27の近傍の第2の電力バス8が地絡したときに、第1の電力バス5および切替スイッチ11、12を流れる地絡電流を概念的に示している。この場合、図28(b)に示すように、即座に切替スイッチ11、12の端子電圧V1が低下するので、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下するまでの時間は、シャント抵抗14に流れる電流の大きさに対応する電圧信号V23が閾値電圧Vth1を上回るまでの時間よりも短くなる。このように地絡箇所によって、電源異常の検出時期(検出感度)が、電流検出に基づく場合と、電圧検出に基づく場合とで異なる。従って、電流検出回路15とスイッチ端子電圧検出回路27の各々の異常検出信号に基づき、第1フィルタ31と第2フィルタ32とが電源異常を検出するように構成することで、地絡箇所によらず、電源異常を高感度に検出することが可能になる。
次に、電源異常を検出するために、通電制御装置10において実行される処理流れの一例を図29のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS500では、電流判定回路16において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えているか否かが判定される。ステップS500において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定されると、ステップS510の処理に進む。一方、ステップS500において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されると、ステップS580の処理に進む。
ステップS510では、スイッチ端子電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS510において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS520の処理に進む。一方、ステップS510において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS560の処理に進む。
ステップS520では、第3フィルタ33において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS520において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであると判定されると、ステップS530に進んで電源異常と判定し、第3フィルタ33がコントローラ19hに電源異常信号を出力する。一方、ステップS520において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS540の処理に進み、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS540において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS550に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19hに電源異常信号を出力する。一方、ステップS540において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS500の処理に戻る。
ステップS510において端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されたときに実行されるステップS560では、第1フィルタ31において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS560において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS570に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19hに電源異常信号を出力する。一方、ステップS560において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS500の処理に戻る。
ステップS500において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されたときに実行されるステップS580では、スイッチ端子電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS580において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS590の処理に進む。一方、ステップS580において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS500の処理に戻る。ステップS590では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS590において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS600に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19hに電源異常信号を出力する。一方、ステップS590において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS500の処理に戻る。
なお、上述した電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、およびフィルタ回路28における処理は、コントローラ19hが実行することも可能である。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態に係る通電制御装置について、図30および図31を参照して説明する。
次に、本発明の第8実施形態に係る通電制御装置について、図30および図31を参照して説明する。
図30は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、第1電圧検出回路27、第2電圧検出回路35、フィルタ回路28i、およびコントローラ19iを備えている。この内、コントローラ19i、フィルタ回路28i、および第2電圧検出回路35を除く回路部品や各電気回路は、第7実施形態と同様に構成される。つまり、本実施形態の第1電圧検出回路27は、第7実施形態のスイッチ端子電圧検出回路27と同様の構成を有する。
第2電圧検出回路35も、第1電圧検出回路27とほぼ同様に構成され、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth4よりも大きいか否かを検出する。ただし、第2電圧検出回路35の閾値電圧Vth4は、第1電圧検出回路27の閾値電圧Vth3よりも高く設定されている。例えば、閾値電圧Vth4は8(V)に設定され、閾値電圧Vth3は3(V)に設定することができる。このように、第2電圧検出回路35の閾値電圧Vth4を第1電圧検出回路27の閾値電圧Vth3よりも高く設定することで、第2電圧検出回路35によって電源異常の兆候を検出することができ、第1電圧検出回路27によって電源異常を検出することができる。換言すれば、端子電圧V1が第2電圧検出回路35の閾値電圧Vth4よりも低下しても、電源異常と断定することはできないが、電源異常に至る可能性を示唆するものと捉えることができる。それに対して、端子電圧V1が第1電圧検出回路27の閾値電圧Vth3よりも低下した場合は、電源失陥が生じた場合の電位低下に相当するレベルであり、電源異常として捉えることができる。第2電圧検出回路35は、端子電圧V1が閾値電圧Vth4よりも低下したときにHiレベルの信号を出力する。第2電圧検出回路35の出力信号は、セレクタ回路34に与えられる。
セレクタ回路34は、第1フィルタ31と第3フィルタ33からの信号を入力する。これら第1フィルタ31および第3フィルタ33は、第7実施形態のフィルタ回路28の第1フィルタ31および第3フィルタ33と同様の機能を備える。すなわち、第1フィルタ31は、入力信号VAC_INのHiレベルの継続期間が所定の第1フィルタ時間taに達すると、電源異常が生じていることを示すHiレベルの信号を出力する。第3フィルタ33は、入力信号VAC_INのHiレベルの継続期間が所定の第3フィルタ時間tcに達すると、電源異常が生じていることを示すHiレベルの信号を出力する。第1フィルタ時間taは、第3フィルタ時間tcよりも長く設定されている。
そして、セレクタ回路34は、第2電圧検出回路35からの出力信号のレベルに応じて、第1フィルタ31からの信号と第3フィルタ33からの信号のどちらをコントローラ19iに出力するかを切り替える。具体的には、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルがLoレベルであるとき、セレクタ回路34は、第1フィルタ31の信号をコントローラ19iに出力する。一方、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルがHiレベルであるとき、セレクタ回路34は、第3フィルタ33の信号をコントローラ19iに出力する。従って、電流判定回路16において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていると判定され、かつ、第2電圧検出回路35において電源異常の兆候が検出されている場合、第3フィルタ33からの信号に基づいて電源異常が生じているかどうかを判定する。従って、電源異常が生じている可能性が高い状況では、第7実施形態と同様に、より短い時間で電源異常の検出を行うことができる。一方、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていると判定されたが、第2電圧検出回路35では電源異常の兆候が検出されない場合、第1フィルタ31からの信号に基づいて電源異常が生じているかどうかを判定する。従って、電源異常が生じているか不確かな状況において、電源異常を誤検出の可能性を低減することができる。
さらに、本実施形態では、電源異常の兆候を検出する第2電圧検出回路35の出力信号のレベルに応じてセレクタ回路34が、いずれの入力信号をコントローラ19iに出力するかを切り替えるように構成している。このため、電源異常の発生から、その電源異常を検出するまでの時間をより短縮することができる。
ただし、セレクタ回路34は、第2電圧検出回路35の出力信号ではなく、第1電圧検出回路27の出力信号のレベルに応じて、いずれの入力信号を出力するかを切り替えるように構成してもよい。また、第1電圧検出回路27の出力信号を、第2フィルタ32および第3フィルタ33へ入力するとともに、セレクタ回路34が第2フィルタ32からの信号と第3フィルタ33からの信号を入力するように構成し、セレクタ回路34が、電流判定回路16からの出力信号(OR回路29の出力信号)に応じて、いずれの入力信号を出力するかを切り替えるように構成してもよい。
次に、電源異常を検出するために、本実施形態の通電制御装置10において実行される処理流れの一例を図31のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS700では、電流判定回路16において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えているか否かが判定される。ステップS700において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定されると、ステップS710の処理に進む。一方、ステップS700において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されると、ステップS840の処理に進む。
ステップS710では、第1電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS710において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS720の処理に進む。一方、ステップS710において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS790の処理に進む。
ステップS720では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS720において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS730に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19iに電源異常信号を出力する。一方、ステップS720において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS740の処理に進み、第3フィルタ33において、入力信号VAC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS740において、入力信号VAC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであると判定されると、ステップS750に進み、第2電圧検出回路35において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下しているか否かが判定される。ステップS750において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していると判定されると、ステップS760に進んで電源異常と判定し、第3フィルタ33がコントローラ19iに電源異常信号を出力する。一方、ステップS750において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していないと判定されると、ステップS770の処理に進む。ステップS770では、第1フィルタ31において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS770において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS780に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19iに電源異常信号を出力する。一方、ステップS770において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS700の処理に戻る。
ステップS710において端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されたときに実行されるステップS790では、第3フィルタ33において、入力信号VAC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS790において、入力信号VAC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであると判定されると、ステップS800に進む。一方、入力信号VAC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS700の処理に戻る。ステップS800では、第2電圧検出回路35において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下しているか否かが判定される。ステップS800において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していると判定されると、ステップS810に進んで電源異常と判定し、第3フィルタ33がコントローラ19iに電源異常信号を出力する。一方、ステップS800において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していないと判定されると、ステップS820の処理に進む。ステップS820では、第1フィルタ31において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS820において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS830に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19iに電源異常信号を出力する。一方、ステップS820において、入力信号VAC_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS700の処理に戻る。
ステップS700において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されたときに実行されるステップS840では、第1電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS840において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS850の処理に進む。一方、ステップS840において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS700の処理に戻る。ステップS850では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS850において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS860に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19hに電源異常信号を出力する。一方、ステップS850において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS700の処理に戻る。
なお、上述した電流判定回路16、第1電圧検出回路27、フィルタ回路28i、および第2電圧検出回路35におけるそれぞれの処理は、コントローラ19hが実行することも可能である。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態に係る通電制御装置について、図32および図33を参照して説明する。
次に、本発明の第9実施形態に係る通電制御装置について、図32および図33を参照して説明する。
図32は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16j、第1電圧検出回路27、第2電圧検出回路35、フィルタ回路28j、およびコントローラ19jを備えている。この内、電流判定回路16j、フィルタ回路28j、およびコントローラ19jを除く回路部品や各電気回路は、第8実施形態と同様に構成される。
電流判定回路16jは、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルに応じて、電圧信号V23と比較される閾値電圧Vth1を切替可能に構成される。例えば、図32に示すように、閾値電圧Vth1が、抵抗の直列回路によって電源電圧Vccを分圧することによって設定される場合、グランド側の抵抗と並列に抵抗を接続するとともに、その並列接続された抵抗と直列に切替スイッチを接続する。そして、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルがHiレベルであるときに切替スイッチがオンされ、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルがLoレベルであるときに切替スイッチがオフされるように構成する。このような構成により、第2電圧検出回路35によって電源異常の兆候が検出されると、閾値電圧Vth1が小さくなり、電流判定回路16jのコンパレータ16aにおいて、電力バス5,8に過電流が通電されたとの判定が行われやすくなる(すなわち、過電流異常の検出感度が高くなる)。その結果、電源異常が生じたとき、第1フィルタ31の入力信号VA_INのレベルが早いタイミングでHiレベルとなるので、電源異常を検出するまでの時間を短縮することが可能になる。
なお、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルに応じて、電流判定回路16jの閾値電圧Vth1を切り替えるための構成は、図32に示す構成に限られず、他の構成を採用してもよい。また、図32では、図が煩雑になることを避けるため、電流判定回路16jの負方向電流の大きさを判定するコンパレータ16bを省略している。この負方向電流の大きさを判定するコンパレータ16bの閾値電圧Vth1(−)は、第2電圧検出回路35の出力信号のレベルがHiレベルとなったとき、過電流を判定するための絶対値としての大きさを小さくするために、増大した値に切り替えられる。そして、コンパレータ16bの出力は、フィルタ回路28jのOR回路29の他方の入力端子に入力される。さらに、第2電圧検出回路35の出力信号ではなく、第1電圧検出回路27の出力信号のレベルに応じて、電流判定回路16jの閾値電圧Vth1を切り替えるように構成してもよい。また、電流判定回路16jの閾値電圧Vth1を切り替えるのではなく、電流判定回路16jの出力信号(OR回路29の出力信号)に応じて、第1電圧検出回路27の閾値電圧Vth3を切り替えてもよい。具体的には、電流判定回路16の出力信号(OR回路29の出力信号)がHiレベルとなったときには、Loレベルであるときに比較して、より高い閾値電圧に切り替えるようにしてもよい。
次に、電源異常を検出するために、本実施形態の通電制御装置10において実行される処理流れの一例を図33のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS900では、第2電圧検出回路35において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下しているか否かが判定される。ステップS900において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していると判定されると、ステップS910に進み、電流判定回路16jにおいて、閾値切替スイッチがオンされる。一方、ステップS900において、端子電圧V1が閾値電圧Vth4より低下していないと判定されると、ステップS980に進み、電流判定回路16jにおいて、閾値切替スイッチがオフされる。
ステップS910の処理の後に実行されるステップS920では、電流判定回路16jにおいて、閾値切替スイッチがオンされることにより、小さくされた閾値電圧Vth1を用いて、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えているか否かが判定される。ステップS920において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定されると、ステップS930の処理に進む。一方、ステップS920において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されると、ステップS950の処理に進む。
ステップS930では、第1フィルタ31において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS930において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS940に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19jに電源異常信号を出力する。一方、ステップS930において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。
ステップS950では、第1電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS950において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS960の処理に進む。一方、ステップS950において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。ステップS960では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS960において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS970に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19jに電源異常信号を出力する。一方、ステップS960において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。
ステップS980の処理の後に実行されるステップS990では、電流判定回路16jにおいて、閾値切替スイッチがオフされることにより、大きくされた閾値電圧Vth1を用いて、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えているか否かが判定される。ステップS990において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定されると、ステップS1000の処理に進む。一方、ステップS990において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されると、ステップS1020の処理に進む。
ステップS1000では、第1フィルタ31において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1000において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1010に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19jに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1010において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。
ステップS1020では、第1電圧検出回路27において、切替スイッチ11、12の端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下しているか否かが判定される。ステップS1020において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3よりも低下していると判定されると、ステップS1030の処理に進む。一方、ステップS1020において、端子電圧V1が閾値電圧Vth3より低下していないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。ステップS1030では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1030において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1040に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19jに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1030において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS900の処理に戻る。
なお、上述した電流判定回路16j、第1電圧検出回路27、フィルタ回路28j、および第2電圧検出回路35におけるそれぞれの処理は、コントローラ19hが実行することも可能である。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態に係る通電制御装置10ついて、図34および図35を参照して説明する。図34は、実施形態に係る通電制御装置の構成の一例を示す構成図である。また、図35は、本実施形態に係る通電制御装置において実行される、電源異常を検出するための処理流れの一例を示すフローチャートである。
次に、本発明の第10実施形態に係る通電制御装置10ついて、図34および図35を参照して説明する。図34は、実施形態に係る通電制御装置の構成の一例を示す構成図である。また、図35は、本実施形態に係る通電制御装置において実行される、電源異常を検出するための処理流れの一例を示すフローチャートである。
上述した第7実施形態に係る通電制御装置10は、電力バス5、8に通電される電流を検出する電流検出回路15と、切替スイッチ11、12の端子電圧V1を検出するスイッチ端子電圧検出回路27とを備え、それぞれの検出回路15、27の検出結果に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を異ならせるものであった。それに対して、本実施形態に係る通電制御装置10は、図34に示すように、電流検出回路15と、センス電流検出回路36とを備え、それぞれの検出回路15、27の検出結果に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を異ならせるものである。つまり、本実施形態に係る通電制御装置10は、第7実施形態に係る通電制御装置10のスイッチ端子電圧検出回路27に代えて、電力バスの電流異常(過電流)を検出するためのセンス電流検出回路36を備えている。
切替スイッチ11、12は、上述したように、MOSFETなどの半導体スイッチング素子によって構成される。本実施形態では、この半導体スイッチング素子を、メイン領域とセンス領域とを含むように構成する。そして、センス領域には、メイン領域を流れる電流の所定割合の電流が流れるように、センス領域とメイン領域とのサイズが定められている。
センス電流検出回路36は、切替スイッチ11を構成する半導体スイッチング素子のセンス領域を流れる電流を検出する。このように、電力バス5、8における電力異常を検出するための2つの検出回路は、ともに、電力バス5、8に流れる電流を検出するものであってもよい。なお、図示していないが、センス電流検出回路36は、正方向電流を検出する検出回路と、負方向電流を検出する検出回路とを備える。そして、正方向電流と負方向電流とのいずれかが閾値電圧Vth5を超えると、センス電流検出回路36は過電流に相当するレベルであることを示すHiレベルの信号を出力する。
本実施形態のフィルタ回路28kは、第7実施形態のフィルタ回路28と同様の構成を有している。従って、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、センス電流検出回路36による過電流に相当するレベルとの検出結果とのいずれか一方のみが得られた場合、相対的に長く設定された第1フィルタ時間taまたは第2フィルタ時間tbを用いて、過電流が通電されているか否かが判定される。それに対して、電流判定回路16による過電流に相当するレベルとの判定結果と、センス電流検出回路36による過電流に相当するレベルとの検出結果との両方が同時に得られた場合には、相対的に短く設定された第3フィルタ時間tcを用いて、過電流が通電されているか否かが判定される。
次に、電源異常を検出するために、通電制御装置10において実行される処理流れの一例を図35のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1100では、電流判定回路16において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えているか否かが判定される。ステップS1100において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えたと判定されると、ステップS1110の処理に進む。一方、ステップS1100において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されると、ステップS1180の処理に進む。
ステップS1110では、センス電流検出回路36において、センス電流V2Sの大きさに対応する電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えたか否かが判定される。ステップS1110において、電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えたと判定されると、ステップS1120の処理に進む。一方、ステップS1110において、電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えていないと判定されると、ステップS1160の処理に進む。
ステップS1120では、第3フィルタ33において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1120において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1130に進んで電源異常と判定し、第3フィルタ33がコントローラ19kに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1120において、入力信号VC_INが第3フィルタ時間tc継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS1140の処理に進み、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1140において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1150に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19kに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1140において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS1100の処理に戻る。
ステップS1110において電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えていないと判定されたときに実行されるステップS1160では、第1フィルタ31において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1160において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1170に進んで電源異常と判定し、第1フィルタ31がコントローラ19kに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1160において、入力信号VA_INが第1フィルタ時間ta継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS1100の処理に戻る。
ステップS1100において電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていないと判定されたときに実行されるステップS1180では、センス電流検出回路36において、電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えたか否かが判定される。ステップS1180において、電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えたと判定されると、ステップS1190の処理に進む。一方、ステップS1180において、電圧信号VM2が閾値電圧Vth5を超えていないと判定されると、ステップS1100の処理に戻る。ステップS1190では、第2フィルタ32において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであるか否かが判定される。ステップS1190において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルであると判定されると、ステップS1200に進んで電源異常と判定し、第2フィルタ32がコントローラ19kに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1190において、入力信号VB_INが第2フィルタ時間tb継続してHiレベルではないと判定されると、ステップS1100の処理に戻る。
なお、上述した電流判定回路16、センス電流検出回路、およびフィルタ回路28における処理は、コントローラ19hが実行することも可能である。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態に係る通電制御装置について、図36を参照して説明する。図36は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、センス電流検出回路36、フィルタ回路28l、およびコントローラ19lを備えている。このように、本実施形態に係る通電制御装置10は、電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、およびセンス電流検出回路36のいずれも有している。
次に、本発明の第11実施形態に係る通電制御装置について、図36を参照して説明する。図36は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、センス電流検出回路36、フィルタ回路28l、およびコントローラ19lを備えている。このように、本実施形態に係る通電制御装置10は、電流判定回路16、スイッチ端子電圧検出回路27、およびセンス電流検出回路36のいずれも有している。
そして、フィルタ回路28lは、OR回路29の出力信号を一方の入力とし、スイッチ端子電圧検出回路27からの出力信号を他方の入力とするAND回路37と、OR回路29の出力信号を一方の入力とし、センス電流検出回路36からの出力信号を他方の入力とするAND回路38とを有している。さらに、フィルタ回路28lは、AND回路37の出力信号を一方の入力とし、AND回路38の出力信号を他方の入力とするAND回路39も有している。また、フィルタ回路28lには、第4フィルタ40、第5フィルタ41、および第6フィルタ42が設けられている。第4フィルタ40は、AND回路37の出力信号を入力信号VD_INとし、その入力信号VD_INのHiレベルの継続期間が所定の第4フィルタ時間tdに達すると、電源異常が生じていることを示すHiレベルの信号をコントローラ19lに出力する。第5フィルタ41は、AND回路38の出力信号を入力信号VE_INとし、その入力信号VE_INのHiレベルの継続期間が所定の第5フィルタ時間teに達すると、電源異常を示すHiレベルの信号をコントローラ19lに出力する。第6フィルタ42は、AND回路39の出力信号を入力信号VF_INとし、その入力信号VF_INのHiレベルの継続期間が所定の第6フィルタ時間tfに達すると、電源異常を示すHiレベルの信号をコントローラ19lに出力する。
第4フィルタ40、第5フィルタ41、第6フィルタ42のそれぞれのフィルタ時間td、te、tfは、tf<td、tf<teの関係を満足するように定められている。また、本実施形態における第4フィルタ時間tdは、第7実施形態における第3フィルタ時間tcに相当する。また、保実施形態における第5フィルタ時間teは、第10実施形態における第3フィルタ時間tcに相当する。第4フィルタ時間tdと第5フィルタ時間teとの大小関係は任意である。
コントローラ19hは、第4フィルタ40〜第6フィルタ42のいずれかからHiレベルの信号を入力すると、電力バス5、8に過電流が通電されている電源異常、および/または、電力バス5、8の電圧が異常に低下する電源異常が発生していると判定し、駆動回路13に切替スイッチ11、12をオフするための切替スイッチオフ駆動信号を出力する。
このように、本実施形態に係る通電制御装置10は、3つの検出回路によって電力バス5,8の電流または電圧を検出するとともに、検出結果が同時に電源異常を示す検出回路の数が多くなるほど、より短い時間で電力バス5,8に電源異常が生じたと判定するように異常判定条件を異ならせている。このため、より確実に電源異常が生じたとみなせる状況であるほど、より電源異常を検出するまでの時間を短くすることができる。
なお、図36に示す通電制御装置10において、電流判定回路16の出力信号、スイッチ端子電圧検出回路27の出力信号、およびセンス電流検出回路36の出力信号について、個別に、所定のフィルタ時間Hiレベルを継続したか否かを判定するフィルタ回路を追加してもよい。また、図36には、電流判定回路16の出力信号とスイッチ端子電圧検出回路27の出力信号との組み合わせ信号を第4フィルタ40に入力し、電流判定回路16の出力信号とセンス電流検出回路36の出力信号との組み合わせ信号を第5フィルタ41に入力する例を示した。しかしながら、信号の組み合わせ方は任意である。
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態に係る通電制御装置について、図37および図38を参照して説明する。図37は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13m、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、VM−V2間電圧検出回路43、VM−V2間電圧判定回路44、フィルタ回路28m、およびコントローラ19mを備えている。この内、駆動回路13m、VM−V2間電圧検出回路43、VM−V2間電圧判定回路44、フィルタ回路28m、およびコントローラ19mを除く回路部品や各電気回路は、第7実施形態と同様に構成される。
次に、本発明の第12実施形態に係る通電制御装置について、図37および図38を参照して説明する。図37は、本実施形態に係る通電制御装置10の構成の一例を示す構成図である。本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ11、12、駆動回路13m、シャント抵抗14、電流検出回路15、電流判定回路16、VM−V2間電圧検出回路43、VM−V2間電圧判定回路44、フィルタ回路28m、およびコントローラ19mを備えている。この内、駆動回路13m、VM−V2間電圧検出回路43、VM−V2間電圧判定回路44、フィルタ回路28m、およびコントローラ19mを除く回路部品や各電気回路は、第7実施形態と同様に構成される。
本実施形態では、コントローラ19mは、切替スイッチ11と切替スイッチ12とで、個別にオン、オフさせるよう駆動回路に指示することが可能となっている。つまり、コントローラ19mは、駆動回路13mに、切替スイッチ11用のオンオフ駆動信号と、切替スイッチ12用のオンオフ駆動信号とを個別に出力可能である。コントローラ19mは、切替スイッチ11,12がともにオンされているときに、電流判定回路16のコンパレータ16aからHiレベルの信号が入力されると、電力バス5,8の正方向に過電流に相当するレベルの電流が通電されていることを認識することができる。この場合、コントローラ19mは、遮断してもボディダイオードを介して電流が流れる側の切替スイッチ、すなわち、切替スイッチ12をオフするための駆動信号を駆動回路13mに出力する。逆に、コントローラ19mは、電流判定回路16のコンパレータ16bからHiレベルの信号が入力されると、負方向に過電流に相当するレベルの電流が通電されていること認識することができる。この場合、コントローラ19mは、切替スイッチ11をオフするための駆動信号を駆動回路13mに出力する。なお、図37には、負方向に電流が流れている状態を示している。
駆動回路13mは、コントローラ19mからの駆動信号に従って、切替スイッチ11、12をオン、オフする。図37の例に示すように、負方向に過電流が通電されている場合、駆動回路13mは、コントローラ19mからの指示に従って、切替スイッチ11をオフする。すると、電流は、切替スイッチ11のボディダイオードを介してのみ流れる。
VM−V2間電圧検出回路43は、電流検出回路15と同様に構成されている。VM−V2間電圧検出回路43は、差動増幅器43aを有し、切替スイッチ11の両端電圧V2、VMの電圧差に応じた電圧信号V2Mを、切替スイッチ11を流れる電流の大きさとして検出して出力する。図37に示すように、差動増幅器43aの非反転入力端子には、基準電圧Vref−cが入力されている。これにより、差動増幅器43aは、電圧VMが電圧V2よりも高い電圧差に応じた分だけ、基準電圧Vref−cよりも高い電圧信号V2Mを出力する。
VM−V2間電圧判定回路44は、VM−V2間電圧検出回路43から出力された電圧信号V2Mと閾値電圧Vth6とを比較して、電圧信号V2Mが閾値電圧Vth6よりも大きいときにHiレベルの信号を出力するコンパレータ44aを有している。VM−V2間電圧判定回路44の出力信号は、AND回路45に入力される。
AND回路45には、VM−V2間電圧判定回路44の出力信号に加えて、電流判定回路16のコンパレータ16bの出力信号も入力される。さらに、AND回路45には、コントローラ19mから切替スイッチ11のオンオフ駆動信号も反転端子を介して入力される。コントローラ19からの切替スイッチ11のオンオフ駆動信号は、切替スイッチ11のオンを指示するときにはHiレベルとなり、切替スイッチ11のオフを指示するときにはLoレベルとなる。
このため、コントローラ19mが、切替スイッチ11のオンを指示しているときには、AND回路45の出力信号は常にLoレベルとなる。一方、コントローラ19mが、切替スイッチ11のオフを指示しているときには、反転端子を介して入力される信号がHiレベルとなるので、AND回路45は、電流判定回路16およびVM−V2間電圧判定回路44の出力信号のレベルに応じた信号を出力可能となる。つまり、コントローラ19mは、まず、電流判定回路16の判定結果だけを取り込み、その取り込んだ判定結果が電源異常を示す場合に、電流判定回路16の判定結果とVM―V2間電圧判定回路の判定結果とを取り込むように異常判定条件を変更する。
そして、AND回路45は、反転端子を介して入力される信号がHiレベルとなっているときに、電流判定回路16のコンパレータ16bの出力信号のレベルと、VM―V2間電圧判定回路44の出力信号のレベルがともにHiレベルとなると、Hiレベルの信号を出力する。AND回路45の出力する信号は、第7フィルタ46の入力信号VG_INとなる。この入力信号VG_INが第7フィルタ時間tg継続してHiレベルであった場合、第7フィルタ46は、過電流が流れる電源異常が生じていることを示すHiレベル信号をコントローラ19mに出力する。このように、2つの判定回路16、44の判定結果に基づいて電源異常判定を行うことにより、過電流が通電されたことを誤って検出してしまう可能性を低減することができる。
なお、図37には、切替スイッチ11がオフされて、切替スイッチ11のボディダイオードのみに電流が通電されたときに、切替スイッチ11の両端電圧の電圧差を検出して、その電圧差に応じた電圧信号が所定の基準電圧を超えているか否かを判定するための回路構成のみを示した。しかしながら、本実施形態に係る通電制御装置10は、切替スイッチ12がオフされて、切替スイッチ12のボディダイオードのみに電流が通電されたときに、切替スイッチ12の両端電圧の電圧差を検出して、その電圧差に応じた電圧信号が所定の基準電圧を超えているか否かを判定するための回路構成も有している。
次に、本実施形態に係る通電制御装置10において実行される処理流れの一例を図38のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1300では、電流判定回路16において、シャント抵抗14の両端電圧の電圧差に相当する電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えるか否かが判定される。ステップS1300において、電圧信号V23が閾値電圧Vth1を超えていると判定されると、ステップS1310の処理に進む。ステップS1310では、コントローラ19mは、電流判定回路16のいずれのコンパレータ16a、16bからHiレベルの信号が出力されたかに基づき、電力バス5、8に通電されている電流の方向を判定する。ステップS1310において、電流の方向は負方向であると判定されると、ステップS1320の処理に進んで、コントローラ19mは切替スイッチ11をオフするよう指示する駆動信号を駆動回路13mに出力する。一方、ステップS1310において、電流の方向は正方向であると判定されると、ステップS1330の処理に進んで、コントローラ19mは切替スイッチ12をオフするよう指示する駆動信号を駆動回路13mに出力する。コントローラ19mからの駆動信号は、同時に、AND回路45にも入力される。
ステップS1340では、VM―V2間電圧判定回路44(または、図示しないVM―V1間電圧判定回路)において、切替スイッチ11の両端電圧V2M(または切替スイッチ12の両端電圧V1M)が閾値電圧Vth6よりも大きいか否かが判定される。さらに、ステップS1350では、第7フィルタ46において、両端電圧V2M(またはV1M)が閾値電圧Vth6よりも大きい期間が、第7フィルタ時間tg継続したか否かが判定される。両端電圧V2M(またはV1M)が閾値電圧Vth6よりも大きい期間が、第7フィルタ時間tg継続したと判定された場合には、ステップS1360に進んで電源異常と判定し、第7フィルタ46がコントローラ19mに電源異常信号を出力する。一方、ステップS1350において、両端電圧V2M(またはV1M)が閾値電圧Vth6よりも大きい期間が、第7フィルタ時間tg継続していないと判定された場合には、ステップS1300の処理に戻る。
なお、上述した電流判定回路16、VM−V2間電圧判定回路、AND回路45および第7フィルタ46などにおける処理は、コントローラ19mが実行することも可能である。
また、上述した第12実施形態に係る通電制御装置10では、第1検出部としての電流判定回路16の判定結果が電源異常を示す場合に、その電流判定回路16の判定結果とともに、第2検出部としてのVM−V2間電圧判定回路44(または、VM−V1間電圧判定回路)の判定結果も、第7フィルタ46に入力されるように構成した。しかしながら、第1検出部および第2検出部は、この第12実施形態で説明した例に限られず、上述した各実施形態で説明したスイッチ端子電圧検出回路、センス電流検出回路を含め、任意の組み合わせとすることができる。
本開示に記載のコントローラ及びその方法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを備える一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のコントローラ及びその方法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によって構成されるプロセッを備えた一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載のコントローラ及びその方法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路を組み合わせて構成されたプロセッサを備えた一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
1:主電源、2:発電機、3:第1コンポ、4:第2コンポ、5:第1の電力バス、6:サブ電源、7:第3コンポ、8:第2の電力バス、9:第4コンポ、10:通電制御装置、11:切替スイッチ、12:切替スイッチ、13:駆動回路、14:シャント抵抗、15:電流検出回路、16:電流判定回路、17:スイッチ両端電圧検出回路、18:電圧判定回路、19:コントローラ、20:コンポコントローラ、21:コンポアクチュエータ、22:コントローラ、23:ADASコントローラ、24:センサ郡、25:シャント抵抗、26:負荷電流検出回路、27:スイッチ端子電圧検出回路、28:フィルタ回路、35:第2電圧検出回路、36:センス電流検出回路、43:VM−V2間電圧検出回路、44:VM−V2間電圧判定回路、111:切替スイッチ、112:切替スイッチ、113:駆動回路、114:シャント抵抗、115:電流検出回路
Claims (10)
- 電源(1、6)から機器(3、4、7)へ電力バス(5、8)を介して電流を通電する通電システムに適用され、前記電力バスにおける電源異常を検出し、安全処置を施す通電制御装置(10)であって、
前記電力バスに設けられ、前記電力バスにおける電流の通電と遮断とを切り替え可能な切替スイッチ(11、12)と、
前記切替スイッチを導通状態と遮断状態との間で切り換えるように駆動するスイッチ駆動部(13)と、
前記電力バスに通電される電流を検出する第1検出部(15)と、
前記第1検出部とは別個に設けられ、前記電力バスにおける電圧または電流を検出する第2検出部(27、35、36、43)と、
前記第1検出部によって検出された電流と、前記第2検出部によって検出された電圧または電流の少なくとも一方に基づき、前記電力バスにおける電源異常を判定すると、前記切替スイッチを遮断状態に駆動するようスイッチ駆動部に指示する異常制御部(16、19、28)と、を備え、
前記異常制御部は、前記第1検出部の検出結果と前記第2検出部の検出結果の少なくとも一方に応じて、電源異常と判定するための異常判定条件を変更する通電制御装置。 - 前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の両方の検出結果が電源異常を示す場合には、前記第1検出部と前記第2検出部の一方のみの検出結果が電源異常を示す場合に比較して、より早期に前記電力バスに電源異常が生じたと判定するように、前記第1検出部と前記第2検出部の両方の検出結果が電源異常を示す場合と、前記第1検出部と前記第2検出部の一方のみの検出結果が電源異常を示す場合とで、異常判定条件を異ならせる請求項1に記載の通電制御装置。
- 前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の一方のみの検出結果が電源異常を示す場合、前記第1検出部の検出結果が電源異常を示す継続時間が所定の第1継続時間を超えるか、もしくは前記第2検出部の検出結果が電源異常を示す継続時間が所定の第2継続時間を超えると、前記電力バスに電源異常が生じたと判定する異常判定条件を用い、
前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の両方の検出結果が電源異常を示す場合、前記第1検出部と前記第2検出部の両方の検出結果が電源異常を示す継続時間が、前記第1継続時間および第2継続時間よりも短い第3継続時間を超えた時点で、前記電力バスに電源異常が生じたと判定する異常判定条件を用いる請求項2に記載の通電制御装置。 - 前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の一方の検出結果が電源異常またはその兆候を示したとき、前記電力バスに電源異常が生じたと判定するための、前記第1検出部と前記第2検出部の他方の検出結果が電源異常を示す継続時間に関する条件を、前記第1継続時間または前記第2継続時間から前記第3継続時間に切り替える請求項3に記載の通電制御装置。
- 前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の一方のみの検出結果が電源異常を示す場合、前記第1検出部の検出結果が電源異常を示す継続時間が所定の第1継続時間を超えるか、もしくは前記第2検出部の検出結果が電源異常を示す継続時間が所定の第2継続時間を超えると、前記電力バスに電源異常が生じたと判定する異常判定条件を用い、
前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の一方の検出結果が電源異常またはその兆候を示したとき、前記第1検出部と前記第2検出部の他方の検出結果を電源異常として検知する感度を高めることにより異常判定条件を変更する請求項2に記載の通電制御装置。 - 前記第2検出部(27、35)は、前記電力バスの任意の箇所の電位を検出するものであり、
前記異常制御部は、前記第2検出部が検出する電位が低下すると、前記第2検出部の検出結果が電源異常またはその兆候を示したものとみなす請求項1乃至5のいずれかに記載の通電制御装置。 - 前記切替スイッチは半導体スイッチング素子であり、
前記半導体スイッチング素子は、メイン領域とセンス領域とを含み、
前記第2検出部(36)は、前記半導体スイッチング素子のセンス領域を流れる電流を検出するものである請求項1乃至5のいずれかに記載の通電制御装置。 - 前記第2検出部は、複数の検出部を含み、
前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部の複数の検出部の中で、検出結果が同時に電源異常を示す検出部の数が多くなると、それよりも少ない場合に比較して、より短い時間で前記電力バスに電源異常が生じたと判定するように異常判定条件を変更する請求項2に記載の通電制御装置。 - 前記異常制御部は、前記第1検出部と前記第2検出部との一方の検出結果のみを取り込み、その取り込んだ検出結果が電源異常を示す場合、前記第1検出部と前記第2検出部との他方の検出結果も取り込むように異常判定条件を変更し、前記第1検出部と前記第2検出部の両方の検出結果が電源異常を示す場合、前記電力バスに電源異常が生じたと判定する請求項1に記載の通電制御装置。
- 前記切替スイッチは、並列接続された半導体スイッチング素子とダイオードとの並列回路が、各々のダイオードの順方向となる向きを互いに逆向きとなるように直列に接続されて構成され、
前記第2検出部は、各並列回路の半導体スイッチング素子の両端電圧をそれぞれ検出するものであって、
前記異常制御部は、前記第1検出部の検出結果が電源異常を示す場合、その際に電流が流れている方向を前記ダイオードの順方向とする並列回路の半導体スイッチング素子を遮断するように前記スイッチ駆動部に指示するとともに、その遮断した半導体スイッチング素子の両端電圧を前記第2検出部の検出結果として取り込む請求項9に記載の通電制御装置。
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