JP6390432B2 - Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、Cu−Ga合金円筒型鋳塊、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法 - Google Patents

Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、Cu−Ga合金円筒型鋳塊、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Cu−Ga合金の薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊、及び、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法、Cu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法に関するものである。
従来、化合物半導体からなる薄膜太陽電池として、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を備えたCIGS系太陽電池が広く提供されている。
ここで、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、蒸着法が知られている。蒸着法においては、成膜された光吸収層を備えた太陽電池のエネルギー交換効率が高くなるといった利点を有しているものの、成膜速度が遅く、生産効率が低いといった問題があった。
そこで、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、In膜とCu−Ga膜との積層膜を形成し、この積層膜をSe雰囲気中で熱処理して、上述の積層膜をセレン化する方法が提供されている。ここで、In膜及びCu−Ga膜を形成する際には、Inスパッタリングターゲット及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が適用される。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットとしては、例えば特許文献1、2には、溶解法によって製造されたスパッタリングターゲットが提案されている。
特許文献1においては、バッチ式の一方向凝固法によって、平板型スパッタリングターゲットの素材となる板状鋳塊を製造している。また、特許文献2においては、連続鋳造法によって、平板型スパッタリングターゲットの素材となる板状鋳塊を製造している。
ここで、円筒型スパッタリングターゲットは、その外周面がスパッタ面とされており、ターゲットを回転しながらスパッタを実施することから、平板型スパッタリングターゲットを用いた場合に比べて連続成膜に適しており、かつ、スパッタリングターゲットの使用効率に優れるといった利点を有している。
特開2012−144787号公報 国際公開第2013/031381号
ところで、特許文献1においては、バッチ式の一方向凝固法によって板状鋳塊を製造していることから、生産効率が悪く、スパッタリングターゲットを効率良く製造することができないといった問題があった。また、一方向凝固法においては、円筒型スパッタリングターゲットの素材となる円筒状鋳塊を得ることは非常に困難であった。
また、特許文献2においては、連続鋳造法によってスパッタリングターゲットの素材となる板状鋳塊を製造していることから、スパッタリングターゲットは「スパッタ面からスパッタ面に平行な中心面の方向に成長した柱状組織」(特許文献2請求項1参照)を有するものとされている。すなわち、特許文献2に記載されたスパッタリングターゲットにおいては、柱状晶がスパッタ面側とスパッタ面に対向する側の面からそれぞれ成長し、中心面においてこれらの柱状晶が対向することになり、特許文献2の「中心面」は、柱状晶の対向面に該当する。
ここで、上述の柱状晶の対向面は、鋳塊における最終凝固部であることから、ガスホール、介在物、偏析等の鋳造欠陥が発生しやすい。この対向面がスパッタ面に露出した場合、異常放電が発生しやすくなる。
また、対向面において互いに対向する柱状晶同士は、その成長条件が異なっており、結晶粒径等に差が生じることになる。スパッタリングターゲットにおいては、マグネットの配置等のスパッタ条件によってスパッタ面の一部が優先的に消費されることがある。このとき、スパッタ面の一部が前記対向面を超えるように消費された場合には、スパッタ面に局所的に結晶粒径が異なる部位が存在することになり、異常放電が発生しやすくなるおそれがあった。
上述のCu−Ga合金は、脆性材料であることから、鋳造後に熱間加工等によって結晶組織を制御することが難しいため、鋳塊段階において結晶組織を制御することが重要である。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、スパッタ時の異常放電の発生を抑制でき、安定して成膜を実施することが可能なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊、及び、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法、Cu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットは、軸線に沿って延在する円筒状をなし、スパッタ面となる円筒外面と、バッキングチューブが接合される円筒内面と、を有するCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであって、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満であり、前記円筒外面から前記円筒内面に向けて成長した柱状晶組織からなることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットによれば、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物から構成されている。Gaが15原子%未満の場合、太陽電池の発電効率が低下してしまう。また、Gaが35原子%超えの場合、脆性相であるガンマ相が多くなり、研削加工が難しくなるという問題がある。そのため、本発明では、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲で含むこととした。
また、円筒外面から円筒内面に向けて成長した柱状晶組織からなり、スパッタリングターゲットの内部に柱状晶の対向面が形成されていないので、スパッタ面の一部が優先的に消費された場合であっても、スパッタ面の結晶組織が局所的に大きく異なる箇所が存在せず、異常放電の発生を抑制することができる。また、最終凝固部がスパッタリングターゲット内に残存していないので、鋳造欠陥に起因する異常放電を防止することができる。よって、Cu−Ga合金の薄膜を安定して成膜することが可能となる。
また、Fe、Mn、Ni、P、Sn、Znといった元素がCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層に混入した場合には、太陽電池の変換効率が低下するおそれがある。そこで、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、不純物元素であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量をそれぞれ10質量ppm未満に制限することにより、成膜されたCu−Ga薄膜にFe、Mn、Ni、P、Sn、Znといった元素が混入することを抑制している。
本発明に係るCu−Ga合金円筒型鋳塊は、軸線に沿って延在する円筒状をなし、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材として用いられるCu−Ga合金円筒型鋳塊であって、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、鋳塊外周面から鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在していることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型鋳塊によれば、鋳塊外周面から鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在しているので、切削加工等により鋳塊内周面側を4mm以上除去することにより、最終凝固部となる柱状晶の対向面を除去することができ、上述した本発明のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを得ることが可能となる。
ここで、本発明のCu−Ga合金円筒型鋳塊においては、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満であることが好ましい。
鋳造時に用いる耐火物を選定すること等により、Fe、Mn、Ni、P、Sn、Znといった元素の含有量をそれぞれ10質量ppm未満に制限することで、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットの素材とすることができる。
本発明に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法は、上述のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを製造するCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、連続鋳造装置を用いて、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなる組成のCu−Ga合金円筒型鋳塊を得る連続鋳造工程と、鋳塊外周面及び鋳塊内周面の表層を除去する加工工程と、を有し、前記連続鋳造工程では、鋳塊外周面側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面側からの抜熱を抑制することにより、前記鋳塊外周面から前記鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在したCu−Ga合金円筒型鋳塊を得て、前記加工工程では、前記鋳塊内周面の表層を4mm以上除去することを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法によれば、連続鋳造装置を用いてCu−Ga合金円筒型鋳塊を得る連続鋳造工程と、鋳塊外周面及び鋳塊内周面の表層を除去する加工工程と、を備えているので、円筒外面から円筒内面に向けて成長した柱状晶組織からなるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを得ることができる。
本発明に係るCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法は、上述のCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造するCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法であって、連続鋳造装置を用いて、鋳塊外周面側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面側からの抜熱を抑制することにより、前記鋳塊外周面から前記鋳塊内周面に向けて柱状晶組織を成長させることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法によれば、連続鋳造装置を用いて、鋳塊外周面側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面側からの抜熱を抑制することにより、前記鋳塊外周面から前記鋳塊内周面に向けて柱状晶組織を成長させているので、鋳塊外周面から鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在したCu−Ga合金円筒型鋳塊を得ることができる。
本発明によれば、スパッタ時の異常放電の発生を抑制でき、安定して成膜を実施することが可能なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊、及び、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法、Cu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの概略説明図である。(a)が正面図、(b)が側面図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの縦断面における結晶組織の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型鋳塊の縦断面における結晶組織の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造する際に用いられる連続鋳造装置の一例を示す説明図である。 図5に示す連続鋳造装置で使用されるマンドレルの説明図である。(a)が正面図、(b)が側面図である。 実施例においてCu−Ga合金円筒型鋳塊の軸線方向のGa濃度を測定した結果を示すグラフである。(a)が測定位置、(b)が測定結果である。 実施例においてCu−Ga合金円筒型鋳塊の深さ方向(径方向)のGa濃度を測定した結果を示すグラフである。(a)が測定位置、(b)が測定結果である。 実施例においてCu−Ga合金円筒型鋳塊の結晶粒径を測定した結果を示すグラフである。(a)が測定位置、(b)が測定結果である。 実施例においてCu−Ga合金円筒型鋳塊の表層組織の厚さを測定した結果を示すグラフである。ここで、表層組織とは鋳塊外周面の表層、鋳塊内周面の表層に存在するチル層、偏析組織等の鋳塊外周面から鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織とは異なる組織を指し、(a)がその測定位置、(b)が測定結果である。
以下に、本発明の実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10、及び、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊20について、添付した図を参照して説明する。
本実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、例えば太陽電池のCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成するために、Cu−Ga合金薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるものである。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、図1に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなしており、例えば外径Rが140mm≦R≦200mmの範囲内、内径rが80mm≦r≦170mmの範囲内、軸線O方向長さLが100mm≦L≦5000mmの範囲内とされている。
ここで、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の外周面が、スパッタ面とされる。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、成膜される薄膜に応じた組成とされており、具体的には、Gaの含有量が15原子%以上35原子%以下の範囲内とされ、残部がCu及び不可避不純物とされている。
また、本実施形態では、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満に制限されている。
そして、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、図2に示すように、円筒外面11から円筒内面12に向けて成長した柱状晶組織によって構成されている。すなわち、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10には、柱状晶組織が対向する対向面が存在していないのである。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、軸線O方向に沿った断面における結晶粒の平均粒径が5mm以下の範囲内とされており、円筒外面11側と円筒内面12側とで平均結晶粒径に大きな差がなく、その最大差が3mm以下とされている。また、円筒外面11側の平均結晶粒径Dと円筒内面12側の平均結晶粒径Dとの比D/Dが、1≦D/D≦5の範囲内とされている。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊20は、上述のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10と同一の組成を有しており、連続鋳造法によって製造されたものである。
このCu−Ga合金円筒型鋳塊20は、図3に示すように、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が鋳塊内周面22から3mm以内の領域まで延在している。
ここで、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20においては、鋳塊外周面21側の表層組織の厚さが4mm以下とされ、鋳塊内周面22側の表層組織の厚さが4mm以下とされている。
また、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の軸線方向におけるGa濃度の最大差が2原子%以下の範囲内とされている。
さらに、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の深さ方向(径方向)におけるGa濃度の最大差が2原子%以下の範囲内とされている。
次に、上述した構成のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法の一実施形態について、図4のフロー図を参照して説明する。
本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法は、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20を鋳造する連続鋳造工程S01と、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20に対して機械加工を行う加工工程S02と、加工後にボンディングを行うボンディング工程S03を備えている。
連続鋳造工程S01においては、縦型連続鋳造装置や横型連続鋳造装置等の各種連続鋳造装置を用いて、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20を連続的に製出し、所定の長さに切断する。
この連続鋳造工程S01においては、鋳塊外周面21側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面22側からの抜熱を抑制することにより、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて柱状晶組織を成長させている。
ここで、連続鋳造工程S01において用いられる連続鋳造装置30について図5及び図6を参照して説明する。
この連続鋳造装置30は、鋳造炉31と、鋳造炉31に連結された連続鋳造用鋳型40と、連続鋳造用鋳型40から製出されたCu−Ga合金円筒型鋳塊20を引き抜くピンチロール39と、を備えている。
鋳造炉31は、溶解原料を加熱溶解して所定の組成の銅溶湯を製出して保持するものであり、溶解原料及び銅溶湯が保持される坩堝32と、この坩堝32を加熱する加熱ヒータ33と、を備えている。
本実施形態では、鋳造炉31は、チャンバー34内に収容されている。チャンバー34内は、チャンバー34の側壁及び蓋部35から不活性ガス(本実施形態では窒素ガス)が導入されることによって、不活性ガス雰囲気とされている。
また、坩堝32の上部には、坩堝32の損耗を抑制するために、セラミックス製の坩堝カバー37が配置されている。
ピンチロール39は、連続鋳造用鋳型40から製出されるCu−Ga合金円筒型鋳塊20を挟み込み、引き抜き方向Fへ引き抜くものである。本実施形態では、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20を間欠的に引き抜く構成とされている。
連続鋳造用鋳型40は、供給された銅溶湯が注入される筒状のモールド41と、このモールド41内に挿入されるマンドレル50と、モールド41を冷却する冷却部48と、を備えている。ここで、本実施形態では、図5に示すように、連続鋳造用鋳型40は、アダプタ49を介して鋳造炉31に装着されている。
冷却部48は、図5に示すように、モールド41の外周側に配設された水冷ジャケットとされており、冷却水を循環させることでモールド41を冷却する構成とされている。
モールド41は、概略筒状をなしており、一方側から他方側に向けて貫通する貫通孔が設けられている。この貫通孔の一方側からマンドレル50が挿入されている。マンドレル50は、モールド41の貫通孔の内壁から間隔をあけて配置され、モールド41内には、断面円環状をなすキャビティが画成されることになる。なお、本実施形態においては、モールド41は、黒鉛で構成されている。
マンドレル50は、図6(b)に示すように、一方側端部に形成されたフランジ部51と、このフランジ部51から他方側に向けて延在する円柱状のマンドレル本体55と、を備えている。
フランジ部51には、坩堝32内の銅溶湯を前記キャビティ内に導入する溶湯供給用切欠部52が複数箇所形成されている。
そして、マンドレル本体55には、フランジ部51側から軸線方向に向けて延在する溶湯保持部56が穿設されている。
ここで、本実施形態においては、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量をそれぞれ10質量ppm未満とするために、溶湯が接触する箇所の耐火物の材質を選択している。具体的には、蛍光X線分析によって耐火物中のFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量を測定し、Fe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量がそれぞれ0.1mass%未満の耐火物を選択して使用している。
次に、上述した連続鋳造装置30を用いて本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20を製造する手順について説明する。
まず、鋳造炉31の坩堝32内に溶解原料を投入し、加熱ヒータ33によって坩堝32内に装入された溶解原料を加熱して溶解し、所定の組成に調製された銅溶湯を製出する。この銅溶湯は、坩堝32内において所定の温度にまで加熱されて保持される。そして、この銅溶湯が、連続鋳造用鋳型40へと供給される。
銅溶湯は、フランジ部51の溶湯供給用切欠部52を介してモールド41内に画成されたキャビティへ供給される。また、銅溶湯の一部がマンドレル本体55の溶湯保持部56内に供給される。これにより、マンドレル本体55の温度が高温で保持されることになり、マンドレル本体55側(鋳塊内周面22側)の抜熱が抑制される。
モールド41内に供給された銅溶湯は、冷却部48によってモールド41の外周側(鋳塊外周面21側)から抜熱され、凝固してCu−Ga合金円筒型鋳塊20となる。このCu−Ga合金円筒型鋳塊20を、ピンチロール39で間欠的に引き出すことによって、モールド41内に銅溶湯が順次供給され、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20が連続的に製造される。
ここで、本実施形態では、マンドレル本体55側(鋳塊内周面22側)の抜熱が抑制されるとともに、冷却部48によってモールド41の外周側(鋳塊外周面21側)から抜熱されているので、図3に示すように、鋳塊外周面21側から鋳塊内周面22側に向けて成長し、鋳塊内周面22から4mm以内の領域まで延在した柱状晶組織を有するCu−Ga合金円筒型鋳塊20を得ることが可能となる。
上述のようにして製造された本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20は、加工工程S02において、鋳塊外周面21及び鋳塊内周面22の表層部分が除去される。本実施形態では、切削加工により、鋳塊外周面21側及び鋳塊内周面22側の表層組織を4mm以上除去する。これにより、図2に示すように、円筒外面11側から円筒内面12側に向けて成長した柱状晶組織によって構成されたCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10を得ることが可能となる。
以上のような構成とされた本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、図2に示すように、円筒外面11から円筒内面12に向けて成長した柱状晶組織からなり、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の内部に柱状晶の対向面が形成されていないので、スパッタ面(円筒外面11)の一部が優先的に消費された場合であっても、スパッタ面の結晶組織が局所的に大きく異なる箇所が存在せず、異常放電の発生を抑制することができる。また、鋳塊における最終凝固部がCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10内に残存していないので、鋳造欠陥に起因する異常放電を防止することができる。よって、Cu−Ga合金の薄膜を安定して成膜することが可能となる。
また、本実施形態では、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満に規制されているので、成膜されたCu−Ga膜にこれらの不純物が混入することを抑制でき、変換効率に優れた太陽電池を構成することが可能となる。これらの不純物は、溶湯と接触する耐火物等から還元されて溶湯中に混入するおそれがある。このため、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znは、単に原料を選定しただけでは除去できない。本実施形態では、耐火物を選定することで、これらFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量を確実に抑制することができ、高品質なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10を提供することが可能となる。
さらに、本実施形態のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、軸線O方向に沿った断面における結晶粒の平均粒径が5mm以下の範囲内とされているので、均一なCu−Ga膜を成膜することができる。
また、本実施形態では、円筒外面11側と円筒内面12側とで平均結晶粒径に大きな差がなく、その最大差が3mm以下とされており、円筒外面11側の平均結晶粒径Dと円筒内面12側の平均結晶粒径Dとの比D/Dが、1≦D/D≦5の範囲内とされているので、スパッタ面が不均一に消耗した場合であっても、異常放電の発生を抑制でき、安定して成膜を行うことができる。
また、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20においては、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が鋳塊内周面22から4mm以内の領域まで延在しているので、切削加工等により鋳塊内周面22側を4mm以上除去することにより、最終凝固部となる柱状晶の対向面を除去することができ、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10を得ることが可能となる。
さらに、本実施形態のCu−Ga合金円筒型鋳塊20においては、鋳塊外周面21側の表層組織の厚さが4mm以下とされ、鋳塊内周面22側の表層組織の厚さが4mm以下とされているので、鋳塊内周面22側からの冷却が十分に抑制され、鋳塊外周面21側からの抜熱が促進されており、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて柱状晶を十分に成長させることができる。
また、本実施形態では、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の軸線O方向におけるGa濃度の最大差が2原子%以下の範囲内とされており、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の深さ方向(径方向)におけるGa濃度の最大差が2原子%以下の範囲内とされているので、Ga濃度のばらつきが少なく、均一な組成のCu−Ga薄膜を成膜することが可能となる。
さらに、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法においては、連続鋳造装置30を用いてCu−Ga合金円筒型鋳塊20を得る連続鋳造工程S01と、鋳塊外周面21及び鋳塊内周面22の表層を除去する加工工程S02と、を備えているので、円筒外面11から円筒内面12に向けて成長した柱状晶組織からなるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10を製造することができる。また、上述のように、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20のGa濃度のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20の製造方法によれば、マンドレル本体55側(鋳塊内周面22側)の抜熱が抑制されるとともに、冷却部48によってモールド41の外周側(鋳塊外周面21側)から抜熱されることにより、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて柱状晶組織を成長させているので、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が鋳塊内周面22から4mm以内の領域まで延在したCu−Ga合金円筒型鋳塊20を得ることができる。
特に、本実施形態では、マンドレル50に溶湯保持部56を設けており、鋳塊内周面22側からの抜熱を抑制していることから、鋳塊外周面21から鋳塊内周面22に向けて柱状晶の成長を促進することが可能となる。
また、本実施形態では、蛍光X線分析によってFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量がそれぞれ0.1mass%未満の耐火物を選択して使用しているので、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20にこれらの不純物が混入することを確実に抑制することができ、Fe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量をそれぞれ10質量ppm未満とすることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、太陽電池においてCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成するために、Cu−Ga合金薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるものとして説明したが、これに限定されることなく、他の用途に使用されるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであってもよい。
また、本実施形態では、図5に示すように、鋳塊を水平方向に引き抜く連続鋳造装置によってCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、鋳塊を下方へ引き抜く連続鋳造装置や鋳塊を上方へ引き抜く連続鋳造装置を用いて、Cu−Ga合金円筒型鋳塊を製造してもよい。
さらに、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの外径、内径、軸線O方向長さLは、本実施形態で規定したものに限定されることはなく、スパッタリング装置等に応じて任意のサイズとすることができる。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
図5に示す連続鋳造装置により、外径:160mm、内径:130mm、軸線方向長さ:2000mmのCu−Ga合金円筒型鋳塊を連続鋳造した。このとき、銅溶湯温度を1200℃、鋳造速度を30mm/minとした。なお、比較例においては、溶湯保持部を有していないマンドレルを用いた。
このCu−Ga合金円筒型鋳塊に機械加工を施し、外径R:150mm、内径r:135mm、軸線方向長さL:450mmのCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを製造した。
<Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの組成分析>
作製されたCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの組成分析を次のように実施した。測定結果を表1に示す。
Ga濃度は、蛍光X線分析によって測定した。
不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量は、各鋳塊の先端から500、1000、1500mmからサンプリングを行い、ICP−MSにて測定を行った平均値である。
<Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの組織観察>
作製されたCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの軸線方向に沿った断面において、結晶組織観察を行った。観察面について、耐水研磨紙で機械研磨を行った後、ダイヤモンドペーストを用いて仕上げ研磨を行い、その後にエッチングを行い、光学顕微鏡を用いて観察した。円筒外面から円筒内面に向けて成長した柱状晶組織からなるものを「○」、円筒外面から成長する柱状晶と円筒内面から成長する柱状晶との対向面を有するものを「×」と評価した。評価結果を表1に示す。
<スパッタ時の異常放電>
作製されたCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを用いて、以下の条件でスパッタ試験を実施し、スパッタ装置に付属されたアーキングカウンターを用いて、異常放電回数をカウントした。評価結果を表1に示す。
電源:直流方式
スパッタ出力:5000W
スパッタ圧:0.5Pa
スパッタ時間:1時間
到達真空度:5×10−5Pa
雰囲気ガス組成:Arガス
表1に示すように、本発明例1−6においては、比較例1−3と比較して異常放電回数が少なくなっていることが確認された。
上述の本発明例1のCu−Ga合金円筒型鋳塊を用いて、Ga濃度のばらつき、平均結晶粒径、表層組織厚さについて、以下のように評価した。
<Ga濃度の軸線方向ばらつき>
図7(a)に示すように、軸線方向長さ500mm,1100mm,1400mm、1700mmの位置でCu−Ga合金円筒型鋳塊を切断し、鋳造時における上側部分、下側部分、水平位置部分の3か所か分析サンプルを採取し、蛍光X線分析によってGa濃度を測定した。測定結果を図7(b)に示す。
各測定位置において、Ga濃度の最大差が0.7原子%以下であり、軸線方向の濃度ばらつきが小さいことが確認された。
<Ga濃度の深さ方向(径方向)ばらつき>
図8(a)に示すように、Cu−Ga合金円筒型鋳塊の軸線に直交する断面において、鋳造時における上側部分、下側部分、水平位置部分からそれぞれ分析サンプルを採取し、EPMA(電子線マイクロアナライザ)にて鋳塊の外周面から内周面側に向けて2、4、6、8、10、12、14mm深さ位置で幅5mmの線分析を行い、その平均値を各深さ位置のGa濃度とした。線分析は、加速電圧15kV、ビーム径100μm、停止時間1秒、インターバル10μmで行った。測定結果を図8(b)に示す。
各測定位置において、Ga濃度の最大差が1.5原子%以下であり、深さ方向(径方向)の濃度ばらつきが小さいことが確認された。
<結晶粒径>
Cu−Ga合金円筒型鋳塊のから鋳造時における上側部分、下側部分、水平位置部分からそれぞれ軸線方向長さ25mmの観察試料を採取した。この観察試料の縦断面(軸線方向に沿った断面)を観察面として、耐水研磨紙で機械研磨を行った後、ダイヤモンドペーストを用いて仕上げ研磨を行い、その後に硝酸でエッチングを行い、光学顕微鏡を用いて観察した。
図9(a)に示すように、鋳塊の外周面から深さ4mm、鋳塊中心部(中間)、鋳塊の内周面から深さ4mm位置で、軸線に平行な直線を描き、この直線と結晶粒界との交点をカウントし、カウント数を試料長さ(25mm)で除した値を、その深さ位置の平均結晶粒径とした。測定結果を図9(b)に示す。
平均結晶粒径は、鋳塊の外周面側から内周面側に向けて大きく変化しておらず、平均結晶粒径の最大差が2.5mm以下とされていることが確認された。
<表層組織の厚さ>
Cu−Ga合金円筒型鋳塊の鋳造時における上側部分、下側部分、水平位置部分からそれぞれ観察試料を採取した。この観察試料の縦断面(軸線方向に沿った断面)を観察面として、耐水研磨紙で機械研磨を行った後、ダイヤモンドペーストを用いて仕上げ研磨を行い、その後にエッチングを行い、光学顕微鏡を用いて観察した。
図10(a)に示すように、鋳塊の外周面からの表層組織の厚さ、及び、鋳塊の内周面からの表層組織の厚さを測定した。測定結果を図10(b)に示す。
鋳塊の内周面側の表層組織は1mm以下と非常に小さく、内周面側での冷却が抑制されていることが確認される。
以上のように、本発明のCu−Ga合金円筒型鋳塊においては、Ga濃度のばらつきが小さく、かつ、平均結晶粒径が鋳塊の外周面側から内周面側に向けて大きく変化していないことから、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材として適していることが確認された。
10 Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット
20 Cu−Ga合金円筒型鋳塊

Claims (5)

  1. 軸線に沿って延在する円筒状をなし、スパッタ面となる円筒外面と、バッキングチューブが接合される円筒内面と、を有するCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであって、
    Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満であり、
    前記円筒外面から前記円筒内面に向けて成長した柱状晶組織からなることを特徴とするCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット。
  2. 軸線に沿って延在する円筒状をなし、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材として用いられるCu−Ga合金円筒型鋳塊であって、
    Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、
    鋳塊外周面から鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在していることを特徴とするCu−Ga合金円筒型鋳塊。
  3. 不可避不純物であるFe、Mn、Ni、P、Sn、Znの含有量が、それぞれ10質量ppm未満であることを特徴とする請求項2に記載のCu−Ga合金円筒型鋳塊。
  4. 請求項1に記載のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを製造するCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、
    連続鋳造装置を用いて、Gaを15原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなる組成のCu−Ga合金円筒型鋳塊を得る連続鋳造工程と、鋳塊外周面及び鋳塊内周面の表層を除去する加工工程と、を有し、
    前記連続鋳造工程では、鋳塊外周面側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面側からの抜熱を抑制することにより、前記鋳塊外周面から前記鋳塊内周面に向けて成長した柱状晶組織を有し、当該柱状晶組織が前記鋳塊内周面から4mm以内の領域まで延在したCu−Ga合金円筒型鋳塊を得て、
    前記加工工程では、前記鋳塊内周面の表層を4mm以上除去することを特徴とするCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 請求項2又は請求項3に記載のCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造するCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法であって、
    連続鋳造装置を用いて、鋳塊外周面側からの抜熱を促進させるとともに鋳塊内周面側からの抜熱を抑制することにより、前記鋳塊外周面から前記鋳塊内周面に向けて柱状晶組織を成長させることを特徴とするCu−Ga合金円筒型鋳塊の製造方法。
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