JP2016023361A - Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット及びCu−Ga合金円筒型鋳塊 - Google Patents

Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット及びCu−Ga合金円筒型鋳塊 Download PDF

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Abstract

【課題】Gaの濃度偏析が少なく、膜厚及び組成が均一な薄膜を安定して成膜可能なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】軸線Oに沿って延在する円筒状をなすCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであって、Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、軸線Oに対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、断面におけるGa濃度の平均値を算出し、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされている。【選択図】図1

Description

Cu−Ga合金の薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、及び、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊に関するものである。
従来、化合物半導体からなる薄膜太陽電池として、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を備えたCIGS系太陽電池が広く提供されている。
ここで、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、蒸着法により成膜する方法が知られている。蒸着法によって成膜された光吸収層を備えた太陽電池は、エネルギー交換効率が高いといった利点を有しているものの、成膜速度が遅く、生産効率が低いといった問題があった。
そこで、Cu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成する方法として、In膜とCu−Ga膜との積層膜を形成し、この積層膜をSe雰囲気中で熱処理して、上述の積層膜をセレン化する方法が提供されている。ここで、In膜及びCu−Ga膜を形成する際には、Inスパッタリングターゲット及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が適用される。
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットとしては、例えば特許文献1−3には、溶解法によって製造された平板型スパッタリングターゲット、及び、円筒型スパッタリングターゲットが提案されている。なお、特許文献2,3においては、連続鋳造法によって円筒型スパッタリングターゲットの素材となる円筒型鋳塊を製造している。
ここで、円筒型スパッタリングターゲットは、その外周面がスパッタ面とされており、ターゲットを回転しながらスパッタを実施することから、平板型スパッタリングターゲットを用いた場合に比べて連続成膜に適しており、かつ、スパッタリングターゲットの使用効率に優れるといった利点を有している。
特開2012−144787号公報 国際公開第2013/031381号パンフレット 特開2013−076129号公報
ところで、連続鋳造法によってCu−Ga合金スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金鋳塊を製造した場合、鋳造時における鋳付き及び鋳離れによって局所的に鋳塊と鋳型との間の熱伝達率が変化し、Gaの濃度偏析が発生することがある。特に、Ga濃度が高いCu−Ga合金においては、上述の濃度偏析が顕著となる。このため、特許文献2,3で得られるCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいては、Gaの濃度偏析が十分に解消されていなかった。また、Cu−Ga合金は、脆性材料であることから、鋳造後に熱間加工等によってGaの濃度偏析を解消することは難しく、鋳塊においてGaの濃度偏析を解消することが重要であるという知見を得た。
ここで、Cu−Ga合金は、Gaの含有量に応じてζ相、γ相などの金属間化合物相が生成することになる。このため、上述のようにCu−Ga合金スパッタリングターゲットにおいてGaの濃度偏析が生じた場合、スパッタ面においてζ相、γ相などの金属間化合物相の割合が局所的に変化してしまうおそれがあった。このようなCu−Ga合金スパッタリングターゲットを用いて成膜した場合、成膜された薄膜の膜厚及び組成にばらつきが生じ、太陽電池としての性能が確保できなくなるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、Gaの濃度偏析が少なく、膜厚及び組成が均一な薄膜を安定して成膜可能なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、及び、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットは、軸線に沿って延在する円筒状をなすCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであって、Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、前記軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、前記断面におけるGa濃度の平均値を算出し、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットによれば、軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされているので、円周上におけるGa濃度のばらつきが十分に抑制されており、Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内と比較的多く含有した場合であっても、ζ相、γ相などの金属間化合物相の割合が安定することになる。
そして、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされているので、軸線方向におけるGa濃度のばらつきが十分に抑制され、スパッタレートが安定することになり、膜厚及び組成が均一な薄膜を安定して成膜することが可能となる。また、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差は1.0原子%以下であることがより好ましい。
本発明に係るCu−Ga合金円筒型鋳塊は、軸線に沿って延在する円筒状をなし、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットとして用いられるCu−Ga合金円筒型鋳塊であって、Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、前記軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、前記断面におけるGa濃度の平均値を算出し、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明のCu−Ga合金円筒型鋳塊によれば、鋳塊の段階で、軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内と、Gaの濃度偏析が抑制されているので、上述したCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを確実に製造することが可能となる。
本発明によれば、Gaの濃度偏析が少なく、膜厚及び組成が均一な薄膜を安定して成膜可能なCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット、及び、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの概略説明図である。(a)が軸線方向に直交する断面図、(b)が側面図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの製造方法の一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造する際に用いられる連続鋳造装置の一例を示す説明図である。 実施例において、成膜したCu−Ga合金膜の膜厚を測定する方法を示す説明図である。
以下に、本発明の実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10、及び、このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の素材となるCu−Ga合金円筒型鋳塊20について、添付した図を参照して説明する。
本実施形態に係るCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、例えば太陽電池においてCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成するために、Cu−Ga合金薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるものである。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、図1に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなしており、例えば外径Dが100mm≦D≦200mmの範囲内、内径dが50mm≦d≦150mmの範囲内、軸線O方向長さLが100mm≦L≦3000mmの範囲内とされている。
ここで、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の外周面が、スパッタ面とされる。
このCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10は、成膜される薄膜に応じた組成とされており、具体的には、Gaの含有量が18原子%以上35原子%以下の範囲内とされ、残部がCu及び不可避不純物からなるCu−Ga合金で構成されている。
本実施形態では、上述のように、Gaの含有量が18原子%以上35原子%以下と比較的多くなっているので、Gaの濃度偏析が生じて、ζ相、γ相などの金属間化合物相の割合が変動するおそれがある。
ここで、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、軸線Oに対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされている。
本実施形態では、図1(a)に示すように、軸線Oに対して直交する断面の同一円周R上に位置する測定点1、測定点2、測定点3、測定点4におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされているのである。なお、本実施形態では、測定点1、測定点2、測定点3、測定点4は90°間隔に設定されている。
また、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10においては、軸線Oに対して直交する断面におけるGa濃度の平均値を算出した場合に、軸線O方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされている。
本実施形態では、図1(a),(b)に示すように、軸線Oに対して直交する断面Aの同一円周R上に位置する測定点1、2、3、4のGa濃度の平均値、軸線Oに対して直交する断面Bの同一円周R上に位置する測定点1、2、3、4のGa濃度の平均値、及び軸線Oに対して直交する断面Cの同一円周R上に位置する測定点1、2、3、4のGa濃度の平均値の差が、1.5原子%以下の範囲内とされている。なお、本実施形態では、断面A、断面B、断面Cは、軸線O方向に300mm間隔に設定されている。
次に、上述した構成のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法の一実施形態について、図2のフロー図を参照して説明する。
本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20を鋳造する鋳造工程S01と、このCu−Ga合金円筒型鋳塊20に対して熱処理を実施する熱処理工程S02と、熱処理工程S02を実施したCu−Ga合金円筒型鋳塊20に対して機械加工を行う機械加工工程S03と、を備えている。
鋳造工程S01においては、縦型連続鋳造装置や横型連続鋳造装置等の各種連続鋳造装置を用いて、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20を連続的に製出し、所定の長さに切断する。
ここで、鋳造工程S01において用いられる連続鋳造装置30について図3を参照して説明する。
この連続鋳造装置30は、鋳造炉31と、鋳造炉31に連結された連続鋳造用鋳型40と、連続鋳造用鋳型40から製出されたCu−Ga合金円筒型鋳塊20を引き抜くピンチロール38と、を備えている。
鋳造炉31は、溶解原料を加熱溶解して所定の組成の銅溶湯を製出して保持するものであり、溶解原料及び銅溶湯が保持される坩堝32と、この坩堝32を加熱する加熱手段(図示なし)と、を備えている。
ピンチロール38は、連続鋳造用鋳型40から製出されるCu−Ga合金円筒型鋳塊20を挟み込み、引き抜き方向Fへ引き抜くものである。本実施形態では、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20を間欠的に引き抜く構成とされている。
連続鋳造用鋳型40は、供給された銅溶湯が注入される筒状のモールド41と、このモールド41内に挿入されるマンドレル45と、モールド41を冷却する冷却部48と、を備えている。ここで、本実施形態では、図3に示すように、連続鋳造用鋳型40の一方側(図3において左側)に鋳造炉31が配置されている。
冷却部48は、図3に示すように、モールド41の外周側に配設された水冷ジャケットとされており、冷却水を循環させることでモールド41を冷却する構成とされている。
モールド41は、概略筒状をなしており、本実施形態では、図3に示すように、一方側(図3において左側)が大径部42とされ、他方側(図3において右側)が小径部43とされた2段筒状をなしている。なお、小径部43は、他方側に向かうにしたがい漸次径が小さくなるようにテーパ形状とされている。本実施形態では、図3に示すように、モールド41の小径部43の外周側に、上述の冷却部48が配設されている。
モールド41には、一方側から他方側に向けて貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔の一方側からマンドレル45が挿入されている。すると、マンドレル45は、モールド41の貫通孔の内壁から間隔をあけて配置され、モールド41内には、断面円環状をなすキャビティが画成されることになる。
ここで、本実施形態では、ピンチロール38によってCu−Ga合金円筒型鋳塊20が間欠的に引き抜かれており、間欠引き抜き条件は以下のように設定されている。
モールド41に対する瞬間移動速度V1(mm/sec)、モールド41に対する1周期当たりの移動距離M(mm)、停止時間T1(sec)とした場合に、X=(V1×M)/T1が、0.1≦X≦250の範囲内とされている。
上述のようにして製造された本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20においては、上述したCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10と同様に、軸線Oに対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、軸線O方向の複数の断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされている。すなわち、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の時点において、Gaの濃度偏析が抑制されているのである。
以上のような構成とされた本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10によれば、軸線Oに対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされており、具体的には、図1(a)に示すように、軸線Oに対して直交する断面の同一円周R上において90°間隔に位置する測定点1、測定点2、測定点3、測定点4におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされているので、円周上におけるGa濃度のばらつきが十分に抑制されており、Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含有した場合であっても、ζ相、γ相などの金属間化合物相の割合が安定することになる。
また、軸線O方向の複数の断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされており、具体的には、軸線O方向に300mm間隔で位置する複数の断面A,B,Cにおいて、上述の測定点1、測定点2、測定点3、測定点4で測定したGa濃度から算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされているので、軸線O方向におけるGa濃度のばらつきが十分に抑制され、ζ相、γ相などの金属間化合物相の割合が局所的に変化せずにスパッタレートが安定することになり、膜厚及び組成が均一な薄膜を安定して成膜することが可能となる。
さらに、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型鋳塊20によれば、軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされており、Cu−Ga合金円筒型鋳塊20の時点において、Gaの濃度偏析が抑制されているので、本実施形態であるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット10を確実に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、太陽電池においてCu−In−Ga−Se四元系合金薄膜からなる光吸収層を形成するために、Cu−Ga合金薄膜をスパッタによって成膜する際に用いられるものとして説明したが、これに限定されることなく、他の用途に使用されるCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであってもよい。
また、本実施形態では、図3に示すように、鋳塊を水平方向に引き抜く連続鋳造装置によってCu−Ga合金円筒型鋳塊を製造するものとして説明したが、これに限定されることはなく、鋳塊を下方へ引き抜く連続鋳造装置や鋳塊を上方へ引き抜く連続鋳造装置を用いて、Cu−Ga合金円筒型鋳塊を製造してもよい。
さらに、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットの外径、内径、軸線O方向長さLは、本実施形態で規定したものに限定されることはなく、スパッタリング装置等に応じて任意のサイズとすることができる。
また、Ga濃度の測定位置や測定数についても、本実施形態に限定されることはなく、要求される特性に応じて設定することが好ましい。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
図3に示す連続鋳造装置により、Cu−Ga合金円筒型鋳塊を連続鋳造し、外径D:170mm、内径d:120mm、軸線方向長さL:600mmのCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを製造した。なお、連続鋳造装置における間欠引き抜きの条件を変更することにより、Gaの濃度偏析を変動させた。
<Ga濃度測定>
上述のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットにおいて、図1(a),(b)に示す位置において、Ga濃度をそれぞれ測定し、各断面におけるGa濃度の平均値を算出した。なお、Ga濃度は、以下の手順で測定した。図1(a)において、φ((D+d)/2)となる同一円周上の1(0°)、2(90°)、3(180°)、4(270°)の各々4点からφ15の範囲内でボーリングサンプルを採取し、ICP質量分析装置にてGa濃度を測定し、同様の測定を図1(b)におけるA(0mm)、B(300mm)、C(600mm)の3箇所にて実施した。測定結果を表1に示す。
<膜厚のばらつき>
上述のCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットを用いて、Cu−Ga合金膜を成膜した。500mm×500mm厚み1.1mmのガラス(基板)の上に図4のようにマスクを施し、マグネトロンスパッタ装置を用いて、投入電力5kW/mの直流スパッタにより、目標膜厚500nmでCu−Ga合金膜を成膜した。なお、スパッタ時のAr圧力を0.5Paとし、ターゲット−基板間距離を60mmとし、成膜時の基板加熱を実施しなかった。
成膜後にマスクをはがし、成膜されたCu−Ga合金膜の膜厚を、膜の付着している箇所と膜の付着していない箇所の段差を段差計DEKTAK−XTにて読み取ることにより測定した。測定は図4の(1)〜(9)の9点で行い、目標膜厚(500nm)に対する膜厚の最大値と最小値の差を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2016023361
表1に示すように、Gaの濃度偏析が大きい比較例1−3においては、膜厚の最大値と最小値の差が目標膜厚に対して大きく、膜厚のばらつきが認められた。Gaの濃度偏析により、ζ相、γ相などの金属間化合物相の割合がスパッタ面内で変動しており、スパッタレートが部分的に異なっていたためと推測される。
これに対して、Gaの濃度偏析が抑制された本発明例1−3においては、膜厚のばらつきが十分に抑制されており、Cu−Ga合金膜を安定して成膜可能であることが確認された。
10 Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット
20 Cu−Ga合金円筒型鋳塊

Claims (2)

  1. 軸線に沿って延在する円筒状をなすCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットであって、
    Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、
    前記軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、
    前記断面におけるGa濃度の平均値を算出し、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされていることを特徴とするCu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲット。
  2. 軸線に沿って延在する円筒状をなし、Cu−Ga合金円筒型スパッタリングターゲットとして用いられるCu−Ga合金円筒型鋳塊であって、
    Gaを18原子%以上35原子%以下の範囲内で含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、
    前記軸線に対して直交する断面の同一円周上におけるGa濃度の測定値の差が1.0原子%以内とされるとともに、
    前記断面におけるGa濃度の平均値を算出し、前記軸線方向の複数の前記断面でそれぞれ算出されたGa濃度の平均値の差が1.5原子%以下の範囲内とされていることを特徴とするCu−Ga合金円筒型鋳塊。
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