JP6390132B2 - リペア処理方法、粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法 - Google Patents

リペア処理方法、粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リペア処理方法、粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法に関する。
代表的な画像表示用装置として液晶表示装置が例示される。液晶表示装置は、透明電極、画素パターン等を表面に形成した厚さ約1mm程度のガラス基板の間に数ミクロン程度のギャップを介して液晶を充填及びシールしてなる液晶セル、その外側両面に貼り付けた偏光板、及びバックライトシステム等の光源からなる液晶パネルを含むものである。
この液晶パネルを構成する偏光板は、薄くて傷付きやすいため、特に、携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラ、車載用途等では、液晶パネルの前面に一定の空間を置いて透明な前面板(保護パネル)を設けた構造の液晶表示装置が一般的に用いられている。
さらに、近年、携帯電話、ゲーム機、デジタルカメラ、車載部品、ノートパソコン、デスクトップパソコン、パソコン用モニター、大型液晶モニター等に、タッチパネルが搭載されるようになってきた。このような液晶表示装置は、保護パネル、タッチパネル、及び液晶パネルがこの順で積層された積層構造を有しており、保護パネルとタッチパネルとの間、タッチパネルと液晶パネルとの間に一定の空間が存在する。
上述の液晶表示装置における上記空間に空気のみが存在する場合、この空間が光の散乱を起こす原因となり、それに起因してコントラストや輝度、透過率が低下し、さらには二重映りによる画質の低下が起こり得る。
このような光の散乱を防止する方法として、特許文献1では、保護パネルと液晶パネルとの間の空間にオイル状材料を充填する方法が、特許文献2では、アクリルモノマーを共重合してなるシートを保護パネルと液晶パネルとの間に介在させる方法がそれぞれ提案されている。
また、フラットパネルディスプレイ(FPD)の一つであるプラズマディスプレイパネル(PDP)は、PDPの割れを防止するため、PDPから1〜5mm程度の空間を設け、厚さ3mm程度のガラス等の保護パネルを前面(視認面側)に設けている。
さらに、ディスプレイの割れや光の散乱等を防止する方法として、特許文献3及び4では、保護パネルとプラズマ表示板や液晶パネル等の画像表示ユニットとの間の空間、保護パネルとタッチパネルとの間の空間、及びタッチパネルと画像表示ユニットとの間の空間(以下、まとめて「保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間」ともいう。)に特定の樹脂からなる透明樹脂層を介在させる方法が提案されている。
特開平05−011239号公報 特開2004−125868号公報 特開2004−058376号公報 特開2009−024160号公報 特開2005−154581号公報
しかしながら、粘着層に起因する不良が発生した際に、特許文献1のようなオイル材料では、構成部材から剥がしやすい半面、構成部材へのオイル材料の染み出しやオイル材料の漏出の問題等の接着信頼性の面で問題があり、実用化に至らなかった。また、特許文献2〜4のような透明樹脂層は、十分な接着性を有するため、接着不良が生じた画像表示装置の構成部材の再利用、すなわちリペアできるようにするために、構成部材の間に使用される透明樹脂層を簡単に剥がすことが困難であった。つまり、文献2〜4の材料では、剥がそうとすると、構成部材に透明樹脂層が強固に付着しており、その結果、構成部材の変形が起こり、リペア性に問題があった。また、特許文献5の透明樹脂層は接着性が低いため、接着信頼性が不十分という問題があった。すなわち、透明樹脂層には、構成部材を強固に接着することと不具合の際には容易に剥がれる、相矛盾する特性の両立が求められていた。
そこで本発明は、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するために好適に適用し得、且つ、接着不良が生じた際に保護パネルと画像表示ユニット等とを、良好なリペア性を実現しつつ分離可能なリペア処理方法、粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明樹脂層と被着体が接着してなる部品において、粘着性組成物を硬化させてなる透明樹脂層にイオンを取り込ませて被着体を剥がすリペア処理方法を提供する。
本発明の処理方法は、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等の被着体との間の透明樹脂層を良好なリペア性を示しつつ分離できる。
上記透明樹脂層と被着体が接着してなる部品を、(B)イオンを含む水溶液と接触させても良い。これより、前記透明樹脂層のタック性が低下し、被着体を剥がし易くなる。
前記透明樹脂層と被着体が接着してなる部品と前記(B)イオンを含む水溶液を接触させる際又は接触させた後に、光照射、加温、冷却、加圧又は減圧を加えても良い。これより、前記透明樹脂層の接着性が低下し、被着体を剥がし易くなる。
前記透明樹脂層と被着体が接着してなる部品と前記(B)イオンを含む水溶液を接触させる際の水溶液に界面活性剤を加えても良い。これより、透明樹脂層と被着体との間に界面活性剤が浸透し、被着体を剥がし易くなる。
前記透明樹脂層と被着体を剥がす際に、物理的な力を加えても良い。これより、前記透明樹脂層のタック性が低下し、被着体を剥がし易くなる。
前記透明樹脂層と被着体を剥がした後に、被着体上の前記透明樹脂層の残渣を水又は有機溶剤で除去しても良い。これより、被着体のリペアがより容易となる。
上記(B)が水溶性金属塩でも良い。これより、透明樹脂層中にイオンが容易に導入されてタック性が低下し、被着体を剥がし易くなる。
上記(B)を含む水溶液とした時の水中の(B)イオンの濃度が、0.001〜2Mであることが良い。これより、透明樹脂層中にイオンが容易に導入されてタック性が低下し、被着体を剥がし易くなる。
本発明はまた、(C)重合性官能基を有する化合物及び(D)前記(B)イオンと錯体を形成可能な化合物を含有する粘着性組成物を含む。これより、該粘着性組成物は、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するために好適に適用し得、且つ、硬化物とした後で不良等の問題が生じた際に、保護パネルと画像表示ユニット等の被着体とを、上記の方法で処理すれば、良好なリペア性を実現しつつ分離できる。
上記(C)重合性官能基を有する化合物は、エチレン性不飽和化合物を含有しても良い。これにより、被着体に対して密着性が向上する。
上記(D)前記(B)イオンと錯体を形成可能な化合物は、有機物に可溶となることがよい。これにより、硬化物とした時の透明性を確保できる。
上記(D)成分の含有量は、(A)粘着性組成物の総量100質量部を基準として、0.001〜20質量部であることが良い。これにより、前記の(B)イオンと接触して、容易に透明樹脂層中に(B)イオンを取り込むことができるため、被着体から剥がれ易くなる。
上記の(A)粘着性組成物は、(E)重合開始剤を含んでも良い。これより、被着体との剥離が容易になる。
上記の(A)粘着性組成物は、(F)可塑剤を含んでも良い。これにより、硬化物とした時に柔軟性を付与し、被着体との剥離を容易にすることができる。
本発明はまた、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルの間に配置された、上記(A)粘着性組成物の硬化物からなる樹脂層と、を備える画像表示用装置を提供する。
本発明はまた、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に配置されたタッチパネルと、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと保護パネルとの間に配置された、上記(A)粘着性組成物の硬化物からなる樹脂層と、を備える画像表示用装置を提供する。
本発明はまた、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルの間に配置された上記(A)粘着性組成物の硬化物からなる樹脂層と、を備える画像表示用装置の製造方法であって、画像表示ユニットと保護パネルとの間に上記樹脂組成物を介在させる工程と、保護パネル面側から光又は熱を加え、上記(A)粘着性組成物を硬化させて樹脂層を形成する工程とを有する、画像表示用装置の製造方法を提供する。
本発明はまた、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に配置されたタッチパネルと、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと保護パネルとの間に配置された上記(A)粘着性組成物の硬化物からなる樹脂層と、を備える画像表示用装置の製造方法であって、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、又は、タッチパネルと保護パネルとの間に上記粘着性組成物を介在させる工程と、保護パネル面側から光又は熱を加え、上記粘着性組成物を硬化させて樹脂層を形成する工程とを有する、画像表示用装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等の被着体と透明樹脂層を容易に剥がしてリペア可能となるリペア処理方法、且つ、剥離が容易となる粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法を提供することができる。
本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。 本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す側面断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明するが、この実施形態により本発明が限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、透明樹脂層と被着体が接着してなる部品において、粘着性組成物からなる透明樹脂層にイオンを取り込ませて被着体を剥がすリペア処理方法である。
また、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等の被着体と(A)粘着性組成物を硬化させてなる透明樹脂層から構成される画像表示装置において、その画像表示装置が不良となった場合、透明樹脂層に(B)イオンを取り込ませて、被着体を容易に剥がす。ここで、不良とは、例えば、保護パネルと画像表示ユニットとの間の位置ずれ、空気や異物の巻き込み、透明樹脂層のしわ、透明樹脂層内部から生ずる気泡等が発生した場合を指す。
また、(B)イオンは水に溶解した水溶液として、被着体と前記透明樹脂層からなる部材を浸漬して、前記透明樹脂層に取り込ませて良い。
また、前記透明樹脂層と(B)イオンを含んだ水溶液を接触させる際又は接触させた後で、光照射、加温、冷却、加圧又は減圧を加えても良い。
また、前記透明樹脂層と(B)イオンを含んだ水溶液を接触させる際の水溶液に界面活性剤を加えても良い。
また、前記透明樹脂層と被着体を剥がす際に、ワイヤーやピアノ線等を使用し物理的な力を加えても良い。
また、前記透明樹脂層と被着体を剥がした後に、被着体上に残った前記透明樹脂層を水又は有機溶剤で除去しても良い。
また(B)イオンが、水溶性金属塩でも良い。
また(B)イオンを含む水溶液とした時の水中のイオン(B)の濃度が、0.001〜2Mであることが好ましく、0.01〜1Mであることがより好ましい。0.001M以上であると、良好に剥離することができる。2M以下であると、得られた硬化物の透明性は高い。
<イオン(B)>
イオン(B)(以下、「(B)成分」ということがある。)としては、化合物(D)と錯形成できれば特に制限はなく、例えば、ナトリウム塩としては、酢酸ナトリウム、アルギンサンナトリウム、ナトリウムアミド、アンチモン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ビスマス酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、臭化ナトリウム、ブタンスルホン酸ナトリウム塩、酪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、塩化ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、クロロ酢酸ナトリウム、クロム酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、N−ドデカノイルサルコシン酸ナトリウム、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、グルコン酸ナトリウム、グルコール酸ナトリウム、ヘプトン酸ナトリウム、ヘプタフルオロ酪酸ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、馬尿酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、フマル酸水素ナトリウム、りんご酸水素ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヒドロキシ酪産ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、イソアスコルビン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メルカプト酢酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホスフィン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオグリコール酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。また、上述のナトリウム塩と同様に、リチウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、チタニウム塩、等が挙げられるこれらは1種または2種以上を併用して用いても良い。
<(A):粘着性組成物>
本発明における(A)粘着性組成物(以下、「(A)成分」ということがある。)は、(C):重合性官能基を有する化合物及び(D):(B)成分と錯体を形成可能な化合物を含む。さらに、必要に応じて、(E):重合開始剤、(F):可塑剤、その他の添加剤を含んでもよい。
<重合性官能基を有する化合物(C)>
重合性官能基を有する化合物(C)(以下、「(C)成分」ということがある。)としては、光又は熱で硬化可能なものであれば特に制限はなく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等の、ラジカルを発生する光又は熱重合開始剤で硬化可能なエチレン性の不飽和基を含む化合物;エポキシ基等の、酸を発生する光酸発生剤、酸無水物、フェノール、又はアミン等の熱硬化剤の併用で硬化可能な環状エーテル基を含む化合物等が好ましいが、硬化性及び透明性の点からは、エチレン性の不飽和基を含む化合物が好ましく、(メタ)アクリロイル基を含む化合物がより好ましい。エチレン性の不飽和基を含む化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリロイル基を有するポリマ、ビニル基を有する化合物、アリル基を有する化合物等が好適である。次にこれらの化合物及びポリマについてこの順に説明する。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」又はそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味し、「(メタ)アクリロイル」とは「アクリロイル」又はそれに対応する「メタクリロイル」を意味する。
((メタ)アクリレート化合物)
(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アミド;(メタ)アクリロイルモルホリン;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(n−ラウリル(メタ)アクリレート)、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンの炭素数が1〜18のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を分子内に3つ以上有する多官能(メタ)アクリレート;グリシジルメタクリレート;3−ブテニル(メタ)アクリレート等のアルケニル基の炭素数が2〜18のアルケニル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート;メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシオクタエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘプタプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;2−(2−メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;イソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリレート;シロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート、ポリブタン(メタ)アクリレート、水添ポリブタン(メタ)アクリレート、ポリプレン(メタ)アクリレート等のゴム系化合物を骨格に有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
((D):(B)成分と錯体を形成可能な化合物)
化合物(D)(以下、「(D)成分」ということがある。)としては、(B)と錯形成できれば特に制限はない。なお、錯体とは2種またはそれ以上の化学種の弱い会合によって生じた固有の特性を持った化学種を指し、有機酸、環状配位子、鎖状配位子、イオン交換が可能な有機塩など、有機や無機の金属塩と錯体を形成可能な化合物であれば良い。例えば、吉草酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和カルボン酸、ソルビン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、α―リノレン酸、γ―リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、エルカ酸2、プラシジン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸等のカルボン酸、モノアルキル硫酸、アルキルポリオキシエチレン硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸やモノアルキルリン酸等の有機酸;ポリエチレングリコール、ポリエチレングルコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルキレングリコール骨格を有する化合物;12−クラウン―4、15−クラウン―5、18−クラウン―6、ジベンゾ―18−クラウン―6、ジアザ―18−クラウン―6、2,2,1−クリプテート、2,2,2−クリプテート等の環状配位子:アセチルアセトン、エチレンジアミン四酢酸誘導体、2,2´−ビピリジン、フェナントロリン等の鎖状配位子;イオン交換が可能な長鎖アルキルアンモニウムカチオンを持つテトラブチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用しても良い。また、重合可能な化合物については、重合体として含有していても良い。これらの中でも、有機物に良好な溶解性を示し、被着体の剥離に効果の高い、環状配位子、鎖状配位子、4級アンモニウム塩が好ましく、環状配位子がより好ましい。
前記(D)の含有量は、(A)粘着性組成物の総量100質量部に対して、0.001質量部以上であることが好ましく、0.002質量部以上であることがより好ましく、0.003質量部以上であることが更に好ましい。(D)の含有量が0.001質量部以上であると、良好に剥離することができる。さらに、(D)の含有量は、粘着性組成物の総量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、12質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。(D)の含有量が15質量部以下であると、得られた硬化物の透明性は高い。
<(E)重合開始剤>
本発明の樹脂組成物は、(E)重合性開始剤(以下、「(E)成分」ということがある。)を含有することが好ましい。これにより、(C)成分を重合することができ、密着性と剥離性の両立に寄与する。
(E−1)光重合開始剤
この(E)成分のうち、(E−1)光重合開始剤(以下、「(E−1)成分」ということがある。)は、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進むものである。ここで活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
光重合開始剤には特に制限はなく、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル
系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩など公知の材料を使用することが可能である。
具体的には、ベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4,4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物、β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸のエステル化合物、9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン等のα-アミノアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)などが挙げられる。
また、特に、光硬化性樹脂組成物を着色させない重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)又はこれらを組み合わせたものが好ましい。
光重合開始剤(E−1)の含有量は、(A)成分の総量100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることが更に好ましい。(E−1)成分の含有量が粘着性組成物の総量に対して0.1質量部以上であると、光重合を良好に開始することができる。さらに、光重合開始剤(E)の含有量は、粘着性組成物の総量に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることが更に好(E−1)成分の含有量が粘着性組成物の全量に対して5質量部以下であると、剥離を良好に行なうことができる。
(E−2)熱重合開始剤
また、(E)成分は、(E−2)熱重合開始剤(以下、「(E−2)成分」ということがある。)でもよい。熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4´−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2´−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物などが挙げられる。
(E−2)成分を含有する場合、(E−2)成分の含有量は、(A)成分の総量100質量部を基準として、好ましくは0.01質量部〜1質量部である。
<(F)可塑剤>
また、本発明の樹脂組成物は、(F)可塑剤(以下、「(F)成分」ということがある。)をさらに含んでいてもよい。25℃で液状の化合物(F)は、剥離性を損なわない範囲で、目的に応じて添加すればよい。
(F)成分としては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムの液状物;ポリブテン等のポリα−オレフィン、水添ポリブテン等の水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレン等のポリビニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニル等の芳香族系オリゴマー;水添液状ポリブタジエン等の水添ポリエン系オリゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン油等のパラフィン系オリゴマー;ナフテン油等のシクロパラフィン系オリゴマー;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチル,ノニル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレート等のアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等のセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート等のマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット酸誘導体;トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート等のクエン酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート等のオレイン酸誘導体;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;n−ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート等のステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のその他の脂肪酸誘導体;トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート等のリン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレート等のグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート等のグリセリン誘導体、エポキシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシル等のエポキシ誘導体などが挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、揮発性、粘度、作業性、耐黄変性、相溶性及び耐熱性の観点から、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリα−オレフィン、水添α−オレフィンオリゴマー、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートが好ましく、ブタジエンゴム、ポリα−オレフィン、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケートがより好ましい。
<水>
また、透明樹脂層と被着体が接着した部品とイオン(B)を含む水溶液を接触させる際に使用する水は、水道水、蒸留水、イオン交換水、RO水、地下水、温泉水、海水等いずれも使用することができる。
<界面活性剤>
また、本発明の水溶液には、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。これらの界面活性材は、剥離を加速させる目的で適宜添加すればよい。
界面活性剤成分としては、ポリジメチルシロキサン系化合物、フッ素系化合物、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル等の両性界面活性剤、アルキルポリグリコシド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
[その他添加剤]
本発明の(A)粘着性組成物には、必要に応じて上記の(C)〜(F)成分とは別に、各種添加剤を含有させてもよい。本発明において、含有可能な各種添加剤としては、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定化剤、シランカップリング剤、界面活性剤、レベリング剤、ゲル化剤、無機充填材、タッキファイヤー等が挙げられる。
重合禁止剤は、樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加され、パラメトキシフェノール等が挙げられる。
酸化防止剤は、樹脂組成物を光又は熱により硬化させて得られた硬化物の耐熱着色性を高める目的で添加され、トリフェニルホスファイトなどのリン系;フェノール系;チオール系の酸化防止剤が挙げられる。
光安定化剤は、紫外線など光に対しての耐性を高める目的で添加され、HALS(Hindered Amine Light Stabilizer)が挙げられる。
シランカップリング剤は、ガラスなどへの密着性を高めるために添加され、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等が挙げられる。
レベリング剤は、樹脂組成物の平坦性を付与するために添加され、シリコン系、フッ素系の表面張力を下げる化合物等が挙げられる。
ゲル化剤は、樹脂組成物の漏出を防ぐために添加され、ヒドロキシ脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸を主成分とする水添ひまし油、n−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,β−ジブチルアミド、ジ−p−メチルベンジリデンソルビトールグルシトール、1,3:2,4−ビス−0−ベンジリデン−D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−0−(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、ビス(2−エチルヘキサノアト)ヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。
無機充填剤は、光硬化性樹脂の漏出防止、強度向上、硬化収縮率低減等を付与するために配合され、例えば、破砕シリカ、溶融シリカ、マイカ、粘土鉱物、ガラス短繊維又は微粉末及び中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末、金属水和物等が挙げられる。
タッキファイヤーは、光硬化性樹脂の強度向上を付与するために配合され、例えば、テルペン系、ロジン系、アクリル系、スチレン系等が挙げられる。
<粘着性組成物の製造方法>
本発明における粘着性組成物の製造方法には特に制限はなく、上記(C)成分、(D)成分、並びに必要に応じて(E)、(F)成分及び上記添加剤を混合し撹拌することにより製造することができる。
また、各成分のいずれかが固状である場合、混合撹拌前、混合撹拌中、及び混合撹拌後の少なくとも1つのタイミングで固状成分を加温して溶解させることが好ましい。これにより、各成分が良好に分散し、その後、冷却することにより、粘着性組成物が得られる。
<画像表示装置>
次に、本発明の粘着性組成物を用いた画像表示装置について説明する。
本発明の粘着性組成物は、各種画像表示装置に適用することができる。画像表示装置としては、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ(OELD)、3Dディスプレイ、電子ペーパー(EP)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、前記画像表示装置を構成する各種の層を貼り合わせるために好適に使用することができる。各種の層としては、例えば、反射防止層、防汚層、色素層、ハードコート層等の機能性を有する機能層;これら機能層をポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜または積層してなる多層物;ガラス、アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン、ポリカーボネート等の透明保護板;これら透明保護板に各種機能を有する機能層を製膜または積層した多層物などが挙げられる。また、本発明の樹脂組成は、光硬化させて硬化物とし、このような多層物と組み合わせて光学フィルタとして使用することもできる。この場合、本発明の粘着性組成物を多層物に塗布、充填などしてから硬化することが好適である。
前記反射防止層は、可視光反射率が5%以下となる反射防止性を有している層であればよく、透明なプラスチックフィルム等の透明基材に既知の反射防止方法で処理された層を用いることができる。
また、前記防汚層は、表面に汚れがつきにくくするためのもので、表面張力を下げるためにフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂で構成される既知の層を用いることができる。
前記色素層は、色純度を高めるために使用されるもので、液晶表示ユニット等の画像表示ユニットから発する光の色純度が低い場合に不要な光を低減するために使用される。不要な部分の光を吸収する色素を樹脂に溶解させ、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等の基材フィルムに製膜または積層して得ることができる。
前記ハードコート層は、表面硬度を高くするために使用される。ハードコート層としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂などをポリエチレンフィルム等の基材フィルムに製膜または積層したものを使用することができる。同様に表面硬度を高めるために、ガラス、アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン、ポリカーボネート等の透明保護板にハードコート層を製膜または積層したものを使用することもできる。
本発明の粘着性組成物は、偏光板に積層して使用することができる。この場合、偏光板の視認面側に積層することもでき、その反対側に積層することもできる。
偏光板の視認面側に使用する場合には、粘着性組成物のさらに視認面側に反射防止層、防汚層、ハードコート層等を積層することができ、偏光板と液晶セルの間に使用する場合には、偏光板の視認面側に機能性を有する層を積層することができる。
このような積層物とする場合、粘着性組成物は、ロールラミネーター、貼合機、真空貼合機、また枚葉貼合機等を用いて積層することができる。
粘着性組成物は、画像表示装置の画像表示ユニットと視認側最前面の透明保護板(保護パネル)の間であって、視認側の適切な位置に配置されることが好ましい。具体的には、画像表示ユニットと透明保護板の間に適用されることが好ましい。
また、タッチパネルを画像表示ユニットに組み合わせた画像表示装置においては、タッチパネルと画像表示ユニットの間又はタッチパネルと前記透明保護板(保護パネル)の間に適用されることが好ましいが、画像表示装置の構成上、本発明の粘着性組成物が適用可能であれば、上記に記載した位置に限るものではない。
以下、画像表示装置の一つである液晶表示装置を例として、図1及び2を用いて詳細に説明する。
<図1の液晶表示装置>
図1は、本発明の液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル10及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、その表面に設けられた透明保護板(保護パネル)40とから構成される。透明保護板40の表面に設けられた段差部60は、透明樹脂層32により埋め込まれている。なお、透明樹脂層32が、基本的に本実施形態の光硬化性樹脂組成物に相当する。段差部60の厚さは、液晶表示装置の大きさ等により異なるが、厚さが30μm〜100μmである場合、本実施形態の粘着性組成物を用いることが特に有用である。
<図2の液晶表示装置>
図2は、本発明の液晶表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す断面図である。図2に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル10及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット7と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32の上面に設けられたタッチパネル30と、タッチパネル30の上面に設けられた透明樹脂層31と、その表面に設けられた透明保護板40とから構成される。透明保護板40の表面に設けられた段差部60は、透明樹脂層31により埋め込まれている。なお、透明樹脂層31及び透明樹脂層32が、基本的に本実施形態の透明樹脂層に相当する。
段差部60を設ける目的は、例えば、情報入力装置及び画像表示ユニットの周縁部分に入出力の配線を設ける際に、透明保護板側からこれらの配線を見えないように又は見え難くするためである。配線を見えないように又は見え難くする観点からは、段差部60は遮光性の材料であることが好ましい。ただし、段差部は装飾等の他の目的で設けてもよく、透明であってもよい。この段差部60は、透明保護板40の下面(透明樹脂層31と接する側の面)に設けられているが、上面(透明樹脂層31に遠い側の面)に設けられてもよい。この段差部60は、透明保護板40とは異なる材料からなっているが、同一材料からなっていてもよく、これらが一体形成されていてもよい。この段差部60は、透明保護板40の下面の外周縁に沿う枠形状を有しているが、これに限定されるものではなく、平面視形状が、一部又は全部が透明保護板40の下面の外周縁に沿わない枠形状、U字形状、L字形状、直線形状、波形、点線状、格子状、曲線状等の任意の形状とすることができる。図2の液晶表示装置の段差部60についても同様である。
なお、図2の液晶表示装置においては、画像表示ユニット7とタッチパネル30との間、及びタッチパネル30と透明保護板40との間の両方に透明樹脂層が介在しているが、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合は、タッチパネルと液晶表示セルが一体化される。その具体例としては、図2の液晶表示装置の液晶表示セル10が、オンセルで置き換えられたものが挙げられる。
また、近年、インセル型タッチパネルと呼ばれる、タッチパネル機能が組み込まれた液晶表示セルの開発が進んでいる。このような液晶表示セルを備えた液晶表示装置は、透明保護板、偏光板、及び液晶表示セル(タッチパネル機能付き液晶表示セル)で構成されており、本発明の粘着性組成物及びその硬化物である透明樹脂層は、このようなインセル型タッチパネルを採用している液晶表示装置にも好適に用いることができる。
<図1及び図2の液晶表示装置>
図1及び2に示す液晶表示装置によれば、本実施形態の透明樹脂層を透明樹脂層31又は32として備えるので、耐衝撃性を有し、二重写りがなく鮮明でコントラストの高い画像が得られる。
液晶表示セル10は、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。また、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−twisted nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、本発明では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20及び22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。それら偏光板の表面は、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。このような表面処理は、偏光板の片面に対して、又はその両面に対して実施されていてよい。
タッチパネル30としては、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができる。
透明樹脂層31又は32は、例えば0.02mm〜3mmの厚さで形成することができるが、段差埋め込み性及び作業性の観点から、0.1mm〜1mmが好ましく、0.15mm(1.5×10μm)〜0.5mm(5.0×10μm)がより好ましい。特に、本実施形態の光硬化性樹脂組成物においては、厚膜にすることでより一層優れた効果を発揮させることができ、0.1mm以上の透明樹脂層31又は32を形成する場合に好適に用いることができる。
また、透明樹脂層31又は32の可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることが好ましく、95%以上であることがさらに好ましい。
透明保護板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。その具体例としては、ガラス、石英等の無機物の板、アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン、ポリカーボネート等の樹脂板、厚手のポリエステルシート等の樹脂シートが挙げられる。高い表面硬度が必要とされる場合にはガラス、アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン等の板が好ましく、ガラス板がより好ましい。薄さや軽さが求められる場合には、アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。これらの透明保護板の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、透明保護板の片面に対して、又は両面に対して実施されていてよい。透明保護板は、その複数枚を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50は、代表的には反射板等の反射手段とランプ等の照明手段とから構成される。
段差部60の材料としては、例えば、黒色顔料を含むアクリル系樹脂組成物、金属酸化物を含む低融点ガラス等が用いられる。
<画像表示装置の製造方法>
(図1の液晶表示装置の製造方法)
上述の図1の液晶表示装置は、画像表示ユニット7と段差部60を有する透明保護板(保護パネル)40との間に上記本実施形態の光硬化性樹脂組成物を介在させる工程を備える製造方法により製造することができる。
すなわち、透明保護板(保護パネル)40のうち段差部60が形成された面側に、本発明の粘着性組成物を形成する。当該形成は、透明保護板(保護パネル)40の上に本発明の粘着性組成物を塗布することによって行ってもよい。また、予め剥離シート上にゲル状の粘着性組成物を形成しておき、ゲル状の粘着性組成物を透明保護板(保護パネル)40に当接させて押圧した後、剥離シートを剥離することによって行ってもよい。
その後、偏光板20の上面に重ね合わせ、前述の貼合機等を用いてこれらを積層する。
貼合機等を用いて積層後に、粘着性組成物に気泡が見られる場合には、オートクレーブ等を用い、所定の温度で加圧度合いを調整しながら、消泡することが好ましい。また、減圧で脱泡することもできる。
その後、光照射または加熱によって粘着性組成物を硬化して透明樹脂層32とすることにより、好適に図1の画像表示装置を製造することができる。光照射により粘着性組成物を硬化させる際は、透明保護板40側、画像表示ユニット7側、及び画像表示装置の側方から活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、高温高湿下における信頼性(気泡の発生低減、及び剥がれの抑制)、及び接着力をより向上できる。高温高湿下における信頼性を更に向上できる観点からは、段差部を有さない画像表示ユニット7側から活性エネルギー線を照射することが好ましい。活性エネルギー線として紫外線を用いる際の照射量は、特に制限がないが、5.0×10mJ/cm〜5.0×10mJ/cm程度であることが好ましい。
(図2の液晶表示装置の製造方法)
上述の図2の液晶表示装置は、画像表示ユニット7と前記タッチパネル30との間、又は、前記タッチパネル30と前記透明保護板(保護パネル)40との間に上記本実施形態の光硬化性樹脂組成物を介在させる工程を備える製造方法により製造することができる。
透明樹脂層31は、図1の透明樹脂層32と同様の方法によって製造することができる。透明樹脂層32は、透明保護板(保護パネル)40に代えてタッチパネル30に粘着性組成物を塗布すること以外は図1の透明樹脂層32と同様の方法によって製造することができる。
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[評価]
各実施例及び比較例で得られた粘着性組成物について、以下の試験方法で評価した。
透明性の評価
スライドグラス(松浪硝子工業株式会社製S7213)上に、76mm×26mm、厚み0.9mm〜1.2mmのスライドグラスと同じ大きさで、内寸法1cm×1cmの開口部を有する厚さ200μmのシリコーンシートを貼り合せた。次いで、粘着性組成物を開口部に流し込み、PETフィルム(東洋紡株式会社製、商品名:コスモシャインA4300)を被せ、ついで、ハイパワーメタルハライドランプを装着した露光機を用いて露光量1.0×10mJ/cmで露光し、粘着性樹脂を硬化させた。露光終了後、PETフィルム、次いでシリコーンシートを剥がし、スライドガラス上に、1cm×1cm×200μmの透明樹脂層を得た。
次いで、この硬化物ののったスライドガラスを、後に述べる方法で作製した剥離液を50ml入れてある100mlビーカーに入れて、室温(25℃)で浸漬でした。1h後、スライドガラスをビーカーから取り出し、目視で濁りを評価した。
(評価基準)
「透明」:透明樹脂層に全く濁りが見られない。
「濁」: 透明樹脂層に濁りが見えるが、硬化物の後ろが見える。
「白濁」:透明樹脂層は濁り、硬化物の後ろが全く見えない。
剥離性の評価
スライドグラス(松浪硝子工業株式会社製S7213)上に、スライドグラスと同じ大きさで、内寸法11mm×23mmの開口部を有する厚さ200μmのシリコーンシートを貼り合せた。次いで、光硬化性樹脂組成物を開口部に流し込み、PETフィルム(4100@東洋紡株式会社製)を被せ、露光機(アイグラフィックス株式会社製、形式 MQE3002GY)で露光量1.0×10mJ/cmで露光した。露光終了後、PETフィルム、次いでシリコーンシートを剥がし、スライドガラス上に、11mm×23mm×200μmの硬化物を得た。
次いで、この硬化物ののったスライドガラスの上に、新たにスライドガラス(76mm×26mm、厚み0.9mm〜1.2mm)を載せて、ローラーを使用して密着させた。その後、後で述べる方法で作製した剥離液を50ml入れてある100mlビーカーに入れて、室温(25℃)で浸漬した。1h後、スライドガラスをビーカーから取り出し、新たに乗せたスライドガラスを剥がした。
(評価基準)
「◎」: 新たに乗せたスライドガラスが、割れず、かつ時間をかけずに剥がせた。
「○」: 新たに乗せたスライドガラスが、割れずに剥がせたが、剥離に時間を要した。
「×」: 新たに乗せたスライドガラスが、割れて剥がせなかった。
[組成例1〜16]
<組成例>
表1及び表2に示す配合にしたがって、組成例1〜16の組成物を調整した。なお表1及び表2中の各成分(下記参照)の数値の単位は質量部である。
UC−102:株式会社クラレ製、商品名
FA−512M:日立化成株式会社製、商品名
FA−512AS:日立化成株式会社製、商品名
ACMO:アクリロイルモルホリン、株式会社興人製、商品名
FA−112A:日立化成株式会社製、商品名
G−1000:日本曹達株式会社製、商品名
LBR−307:株式会社クラレ製、商品名
B−1000:日本曹達株式会社製、商品名
IST:和光純薬工業株式会社製、イソステアリン酸
18−C−6:和光純薬工業株式会社製、18−クラウン−6
2,2’−Bpy:和光純薬工業株式会社製、2,2’−ビピリジン
TPO:BASF ジャパン製、LUCIRIN TPO
D−1173:BASF ジャパン製、DAROCUR 1173
MBF:BASF ジャパン製、DAROCUR MBF
<剥離液>
表3に示す配合にしたがって、配合例(1)〜(6)の剥離液を調整した。なお、表3中の濃度とは、イオン(B)の濃度である。また、表3におけるTDX−80Dは、第一工業製薬株式会社製の界面活性剤(商品名)であり、その濃度は、1質量%である。またNaSTとは、ステアリン酸ナトリウム(和光純薬株式会社製)である。
Figure 0006390132
Figure 0006390132
Figure 0006390132
<実施例1〜13>
表4に示す組成物と剥離液の組み合わせにしたがって、表1に示す組成1〜組成8の組成物からなる樹脂層の外観及び剥離性を評価した。表1中の各成分の数値の単位は質量部である。
<比較例1〜12>
表5に示す組成物と剥離液の組み合わせにしたがって、表2に示す組成9〜組成16の組成物からなる樹脂層の外観及び剥離性を評価した。表1中の各成分の数値の単位は質量部である。
Figure 0006390132
Figure 0006390132
実施例1〜13の樹脂組成物に関して、剥離液に浸漬前の透明性や剥離液に浸漬後の剥離性について、良好な特性を有している。比較例1〜12の樹脂組成物に関して、浸漬前の透明性は良好なものの、剥離性が不十分だった。組成1〜8の透明樹脂層に関して、実施例1〜13の剥離試験や外観評価試験において、良好な特性を有している。組成9〜16の透明樹脂層に関して、比較例1〜12の剥離試験や外観評価試験において、浸漬前の透明性は良好なものの、剥離性は不十分であった。
7 画像表示ユニット
10 液晶表示セル
20 偏光板
22 偏光板
30 タッチパネル
31 透明樹脂層
32 透明樹脂層
40 透明保護板(保護パネル)
50 バックライトシステム
60 段差部

Claims (14)

  1. 透明樹脂層と被着体が接着してなる部品において、粘着性組成物を硬化させてなる透明
    樹脂層にイオンを取り込ませて被着体を剥がすことを含み、
    前記粘着性組成物が、重合性官能基を有する化合物及びイオンと錯体を形成可能な化合
    物を含有し、
    前記イオンと錯体を形成可能な化合物が、環状配位子を含むリペア処理方法。
  2. 透明樹脂層を、イオンを含む水溶液に接触させる請求項1記載のリペア処理方法。
  3. 透明樹脂層とイオンを含む水溶液を接触させる際又は接触させた後に、外部刺激として
    、光照射、加温、冷却、加圧又は減圧を加える請求項1又は2に記載のリペア処理方法。
  4. 透明樹脂層とイオンを含む水溶液を接触させる際の水溶液に、界面活性剤を加える請求
    項2又は3に記載のリペア処理方法。
  5. 透明樹脂層と被着体を剥がす際に、物理的な力を加える請求項1〜4のいずれか一項に
    記載のリペア処理方法。
  6. 透明樹脂層と被着体を剥がした後に、被着体上の透明樹脂層の残渣を水又は有機溶剤で
    除去する請求項1〜5のいずれか一項に記載のリペア処理方法。
  7. イオンが水溶性金属塩を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のリペア処理方法。
  8. イオンを含む水溶液とした時の水中のイオンの濃度が、0.001〜2Mである請求項
    2〜7のいずれか一項に記載のリペア処理方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のリペア処理方法に用いる粘着性組成物であり、重
    合性官能基を有する化合物及びイオンと錯体を形成可能な化合物を含有し、前記イオンと
    錯体を形成可能な化合物が、環状配位子を含む粘着性組成物。
  10. 重合性官能基を有する化合物が、エチレン性不飽和基を有する化合物を含む請求項9に
    記載の粘着性組成物。
  11. イオンと錯体を形成可能な化合物が、有機物に可溶である化合物を含む請求項9又は1
    0に記載の粘着性組成物。
  12. イオンと錯体を形成可能な前記化合物の含有量が、粘着性組成物の総量100質量部に
    対して、0.001質量部〜20質量部である請求項9〜11のいずれか一項に記載の粘
    着性組成物。
  13. 更に、重合開始剤を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の粘着性組成物。
  14. 更に、可塑剤を含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載の粘着性組成物。
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