JP2020197636A - 剥離装置 - Google Patents

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建郎 馬場
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恒二 小板橋
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Abstract

【課題】前進中にブレードが受ける抵抗力を低減できる、技術を提供する。【解決手段】第1板、粘着層及び第2板をこの順番で有する積層体を、前記第1板と、前記粘着層及び前記第2板とに剥離する剥離装置であって、前記第2板を上に向けて前記第1板を下方から平坦に支持する支持台と、前記第1板と前記粘着層との間に挿入され、前記支持台の前記第1板を支持する支持面に対して平行に前進するブレードと、前記ブレードの前端である刃先よりも後方にて前記粘着層を下方から支持し、前記粘着層と前記ブレードとの接触を抑制する抑制部材と、前記ブレードと連動して、前記抑制部材を前進させる連動機構とを有する、剥離装置。【選択図】図2A

Description

本開示は、剥離装置に関する。
従来から、粘着層を介して第1板と第2板とを貼合することがある。第2板は例えば画像を表示する表示装置であり、表示装置は液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又はプラズマディスプレイ等である。一方、第1板は、例えば表示装置の画像表示面を保護する透明板である。表示装置は、粘着層を介して透明板と貼合されたうえで出荷されてもよいし、出荷された後に、粘着層を介して透明板である窓ガラス等に貼合されてもよい。ユーザは、透明板と透明な粘着層を介して、表示装置に表示される画像を見る。
粘着層を介して透明板と表示装置とを貼合した後に、透明板又は表示装置を新しいものに交換する、又は不要になった表示装置を窓ガラス等から取り除く等の目的で、透明板と表示装置とを剥離することがある。しかし、位置ずれや脱落を防ぐべく粘着層が用いられており、貼合した透明板と表示装置との剥離は容易ではない。剥離に要する力が大き過ぎると、透明板又は表示装置が破損することがある。
特許文献1には、粘着層を介して貼合された透明板と表示装置とを剥離すべく、粘着層にイオンを取り込ませる方法が提案されている。この方法では、イオンを含む水溶液に積層体を浸漬させ、粘着層の露出している側面からイオンを取り込ませる。
しかし、特許文献1に記載の方法では、粘着層の中心付近にはイオンが充分に取りこまれない。そのため、剥離性が充分ではなく、粘着層の面積が大きくなるにつれて剥離性が悪くなる。
また、特許文献1に記載の方法では、粘着層が透明板及び表示装置のそれぞれの表面に残る。そのため、剥離した透明板又は表示装置を再利用する場合には、表面に残る粘着層を除去することになり、作業が煩雑である。
さらに、特許文献1に記載の方法では、粘着層がイオンと錯体形成可能な化合物を含むものに限られ、適用対象が制限される。
特許文献2には、粘着層を介して透明板と表示装置とを貼合した表示ユニットを、透明板と表示装置とに分離する剥離装置が開示されている。この剥離装置は、表示装置の画像表示面と平行に粘着層を切断する金属板を有する。金属板の厚さは粘着層の厚さよりも薄く、粘着層は厚さ方向中央で切断される。
特開2015−178068号公報 特開2016−38436号公報
ところで、粘着層を介して貼合された第1板と第2板とを剥離すべく、第1板と粘着層との間、又は第2板と粘着層との間にブレードの前端である刃先を挿入し、ブレードを前進させることが考えられる。この場合、ブレードが第2板と第1板とに挟まれて押し潰され、ブレードの前進が妨げられてしまう。
本開示の一態様は、前進中にブレードが受ける抵抗力を低減できる、技術を提供する。
本開示の一態様に係る剥離装置は、
第1板、粘着層及び第2板をこの順番で有する積層体を、前記第1板と、前記粘着層及び前記第2板とに剥離する剥離装置であって、
前記第2板を上に向けて前記第1板を下方から平坦に支持する支持台と、
前記第1板と前記粘着層との間に挿入され、前記支持台の前記第1板を支持する支持面に対して平行に前進するブレードと、
前記ブレードの前端である刃先よりも後方にて前記粘着層を下方から支持し、前記粘着層と前記ブレードとの接触を抑制する抑制部材と、
前記ブレードと連動して、前記抑制部材を前進させる連動機構とを有する。
また、本開示の別の一態様に係る剥離装置は、
第1板、粘着層及び第2板をこの順番で有する積層体を、前記第2板と、前記粘着層及び前記第1板とに剥離する剥離装置であって、
前記第2板を上に向けて前記第1板を下方から平坦に支持する支持台と、
前記第2板と前記粘着層との間に挿入され、前記支持台の前記第1板を支持する支持面に対して平行に前進するブレードと、
前記ブレードの前端である刃先よりも後方にて前記第2板を下方から支持し、前記第2板と前記ブレードとの接触を抑制する抑制部材と、
前記ブレードと連動して、前記抑制部材を前進させる連動機構とを有する。
本開示の一態様によれば、前進中にブレードが受ける抵抗力を低減できる。
図1は、一実施形態に係る剥離装置によって剥離される積層体を示す図である。 図2Aは、一実施形態に係る剥離装置をY軸方向から見た図である。 図2Bは、図2Aに示す剥離装置をZ軸方向から見た図である。 図3は、一実施形態に係るブレードユニットを示す断面図である。 図4Aは、一実施形態に係る剥離装置の動作を示す図である。 図4Bは、図4Aに続く動作の一例を示す図である。 図4Cは、図4Bに続く動作の一例を示す図である。 図5は、一実施形態に係るブレードと第1ロールと第2ロールと第3ロールとの位置関係を示す図である。 図6は、一実施形態に係る第1ロールを示す断面図である。 図7Aは、図2Aの一部を拡大して示す図である。 図7Bは、図2Bの一部を拡大して示す図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の又は対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略することがある。また、各図面においてX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は互いに垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は、支持台20の透明板2を支持する支持面21に対し平行な方向である。X軸方向はブレード31の進退方向であり、X軸正方向が前進方向、X軸負方向が後退方向である。Y軸方向は水平方向である。Z軸方向は、支持面21に対し垂直な方向である。
図1は、一実施形態に係る剥離装置によって剥離される積層体を示す図である。積層体1は、透明板2と表示装置3とを粘着層5を介して貼合したものである。積層体1は、透明板2と、粘着層5と、表示装置3とをこの順番で有する。Z軸方向視にて、透明板2は、粘着層5及び表示装置3と同じ大きさを有するが、異なる大きさを有してもよい。Z軸方向視にて、透明板2と表示装置3とは、どちらが大きくてもよい。
本実施形態では、透明板2が特許請求に範囲に記載の第1板に相当し、表示装置3が特許請求の範囲に記載の第2板に相当する。なお、第1板及び第2板は板状のものであればよく、例えば第1板が表示装置3であり、第2板が透明板2であってもよい。
透明板2は、例えば表示装置3の画像表示面を保護する保護パネルである。透明板2の厚さは、表示装置3の厚さよりも厚くてよい。そのため、透明板2は、表示装置3に比べて変形しにくい。透明板2は、Z軸方向視で矩形状であり、X軸方向に対して平行な2つの長辺と、Y軸方向に対して平行な2つの短辺とを有する。
透明板2は、表示装置3に向いた第1主表面6と、表示装置3とは反対向きの第2主表面7とを有する。透明板2の第1主表面6は、透明な粘着層5を介して、表示装置3の画像表示面と貼合される。表示装置3は、粘着層5を介して透明板2と貼合されたうえで出荷されてもよいし、出荷された後に、粘着層5を介して透明板2である窓ガラス等に貼合されてもよい。ユーザは、透明板2及び透明な粘着層5を介して、表示装置3の表示画面を見る。
透明板2の第1主表面6には、表示装置3の配線等をユーザから見えないように隠す遮光層が形成されてもよい。ユーザから見て、遮光層は、枠状に形成され、その内周縁は表示装置3の画像を表示する画像表示領域の外周縁と重なるように形成される。また、透明板2の第1主表面6には、ミラーとして機能する金属層が形成されてもよい。
一方、透明板2の第2主表面7には、低反射層や防汚層などの機能層が形成されてもよい。低反射層及び防汚層のうち、いずれか1つのみが形成されてもよいし、両方が形成されてもよい。後者の場合、透明板2の第2主表面7には、低反射層と防汚層とがこの順で形成される。
低反射層は、外光の反射を抑制するものである。低反射層は、例えば屈折率の異なる複数の層を積層した構造を有する。外光の映り込みを防止する防眩性を向上でき、表示装置3で表示される画像の視認性を向上できる。
防汚層は、汚れが付くことを抑制するものである。表示装置3がタッチパネルである場合に、指紋などの付着を防止できる。防汚層は、フッ素含有有機ケイ素化合物などで形成される。フッ素含有有機ケイ素化合物は、防汚性、撥水性、撥油性などを有する。
また、透明板2の第2主表面7には、太陽光や照明光などの外光を拡散反射する凹凸面が形成されてもよい。外光の映り込みを防止する防眩性を向上でき、表示装置3で表示される画像の視認性を向上できる。凹凸面は、エッチング処理などによって形成される。この凹凸面に、低反射層や防汚層が形成されてもよい。
透明板2は、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、無アルカリガラス等の無機ガラスで形成されてよい。無機ガラスは、強度向上の観点から、強化ガラスであってもよい。強化ガラスは、化学強化ガラス、物理強化ガラスのいずれでもよい。
化学強化ガラスは、アルカリ金属を含むガラス、具体的には、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどで形成される。化学強化ガラスは、ガラス表面のイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(例えばNaイオン)をイオン半径が大きいアルカリ金属イオン(例えばKイオン)に置換することにより、ガラス表面に圧縮応力層を形成したものである。
なお、透明板2は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の有機ガラスで形成されてもよい。また、透明板2は、複数のガラス板が貼り合わされた合わせガラスであってもよい。
表示装置3は、Z軸方向視で、矩形状であり、X軸方向に対して平行な2つの長辺と、Y軸方向に対して平行な2つの短辺とを有する。表示装置3は、例えば液晶ディスプレイである。液晶ディスプレイは、液晶パネル及びバックライトを有し、液晶パネルを透過する光の透過率を画素毎に制御することにより、画像を表示する。
液晶パネルは、例えば、アレイ基板と、液晶層と、カラーフィルタ基板とをこの順で有する。アレイ基板は、液晶層側に、TFTなどのスイッチング素子と、透明な画素電極とを有する。カラーフィルタ基板は、液晶層側に、カラーフィルタと、透明な対向電極とを有する。
液晶パネルは、アレイ基板の液晶層とは反対側に設けられる第1偏光板と、カラーフィルタ基板の液晶層とは反対側に設けられる第2偏光板とを有する。第1偏光板の偏光軸と第2偏光板の偏光軸とは、例えば90°で交差する。
バックライトは、液晶パネルの画像表示面とは反対側から液晶パネルを照らす。バックライトは、エッジライト型のもの、直下型のものいずれでもよい。バックライトは、発光素子に加えて、各種の光学フィルムを有してもよい。光学フィルムは、光の強度を均一化したり、視野角を変更したり、光の利用効率を改善したりする。
なお、表示装置3はタッチセンサを含むものでもよい。タッチセンサは、透明板2に対する指などの物体の接触又は接近を検出する。表示装置3は、液晶パネル及びバックライトを支持するフレームやケース等を有してもよい。また、表示装置3は、液晶ディスプレイには限定されず、例えば有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパー又はLEDディスプレイ等であってもよい。
粘着層5は、透明板2と表示装置3とを接着する。粘着層5の材料としては、表示装置3等の分野で公知のものが用いられてよい。粘着層5は、典型的には、硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。粘着層5は、単層構造でもよく多層構造でもよい。多層構造の場合、同一の材料を積層した構造でもよく、異なる材料を積層した構造でもよい。粘着層5が多層構造である場合、粘着層5を構成する層の数は2層以上であればよい。
周波数1Hz、25℃における粘着層5の貯蔵弾性率G´は、5×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であるとより好ましい。G´が5×10Pa以上であれば、粘着層5が充分な硬度を有しているため、後述のブレード31が粘着層5を突き破ることなく粘着層5と透明板2との間に侵入できる。また、ブレード31が剥離界面を安定して進行できる。一方で、G´は1×10Pa以下であることが好ましく、1×10Pa以下がより好ましい。G´が1×10Pa以下であれば、透明板2と表示装置3との貼合時に、表示装置3と粘着層5との界面又は透明板2と粘着層5との界面等において気泡が発生したとしても、その気泡が短時間で消失しやすい。また、粘着層5がある程度軟らかいため、ブレード31を粘着層5と透明板2との間に容易に侵入でき、容易に剥離起点を拡大できる。さらに、粘着層5の引張伸びが大きく、透明板2を粘着層5から剥離した後、表示装置3から粘着層5を引っ張って剥離する場合にも、剥離の途中で粘着層5が切れにくく、粘着層5全体を一度に剥離できる。
粘着層5が多層構造の場合、多層構造を構成する複数の層それぞれの貯蔵弾性率G´は、5×10Pa以上であることが好ましく、1×10Pa以上であることがより好ましい。また、粘着層5が多層構造の場合、多層構造を構成する複数の層それぞれの貯蔵弾性率G´は、1×10Pa以下であることが好ましく、1×10Pa以下であることがより好ましい。
粘着層5のゲル分率は、1%以上50%以下が好ましく、10%以上40%以下がより好ましい。粘着層5のゲル分率が1%以上であれば、粘着層5の耐熱性がより優れる。粘着層5のゲル分率が50%以下であれば、粘着層5を用いて透明板2と表示装置3とを貼合した際に、表示装置3又は透明板2と粘着層5との間に段差があっても段差追従性が優れて、段差で気泡が発生しにくくなる。
粘着層5のゲル分率は、下記の測定方法により測定される。60mm角のPET(ポリエチレンテレフタレート)製メッシュフィルムを二枚用意し、2枚の間に50mm角の粘着層(質量A)を挟み、周囲をホッチキスでとめ、粘着層の流出を抑止する。これをトルエンに1日間浸漬したのち、トルエンを交換する。これを2回繰り返し、トルエンを含んだ状態の質量(質量B)を測定する。トルエンを含んだゲル状の粘着層を加熱により十分乾燥させた後、再び質量(質量C)を測定する。質量A(初期質量)と質量C(乾燥後ゲル量)との比(100×C/A)からゲル分率を算出する。
粘着層5の主表面の面積は、10000mm以上が好ましく、50000mm以上がより好ましい。粘着層5の主表面の面積が大きいほど、粘着層5と表示装置3との接触面積又は粘着層5と透明板2との接触面積が大きく、本実施形態の剥離装置10の有用性が高い。粘着層5の主表面の面積の上限は、特に限定されないが、例えば1000000mmであってよい。
粘着層5の厚さは、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上1.5mm以下がより好ましく、0.5mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。粘着層5の厚さが0.2mm以上であれば、ブレード31の侵入による表示装置3の過度な変形を抑制でき、好ましい。また、透明板2を粘着層5から剥離した後、表示装置3から粘着層5を引っ張って剥離する場合に、剥離の途中で粘着層5が切れにくい。一方、粘着層5の厚さが1.5mm以下であれば、剥離工程において表示装置3を適度に変形できるほか、ブレード31が粘着層5を突き破ることなく粘着層5と透明板2との間に容易に侵入でき、容易に剥離起点を拡大できる。
粘着層5は、例えば、光硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、光及び熱硬化性樹脂組成物等を硬化して得られる。これらの硬化性樹脂組成物は、予め硬化され、シートの形態で、表示装置3と透明板2との間に挿入されてよい。
「光硬化性樹脂組成物」とは、露光により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「熱硬化性樹脂組成物」とは、加熱により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「光及び熱硬化性樹脂組成物」とは、露光及び加熱により硬化し得る樹脂組成物を意味する。「露光」は、紫外線等の光を照射することを意味する。
硬化性組成物としては、低温で硬化でき、硬化速度が速い点から、光硬化性樹脂組成物が好ましい。
光硬化性樹脂組成物は、溶剤を除去するための加熱を行う必要がない点で、無溶剤型であることが好ましい。「無溶剤型」とは、溶剤を含まない、又は溶剤の含有割合が、光硬化性樹脂組成物の総質量(100質量%)のうち、5質量%以下であることを意味する。「溶剤」とは、沸点が150℃以下の液体(揮発性希釈剤)を意味する。
光硬化性樹脂組成物は、乾燥工程が省ける点、時間とエネルギーを省くことができる点で、溶剤を含まないことが最も好ましい。
硬化性組成物は、典型的には、硬化性基を有する硬化性化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを含む。必要に応じて、光重合開始剤(B)以外の他の非硬化性成分が含まれてもよい。非硬化性成分としては、非硬化性ポリマー(C)、連鎖移動剤(D)、他の添加剤等が挙げられる。
硬化性化合物(A)としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系等の化合物が挙げられる。中でも、粘着層5の貯蔵弾性率G´を5×10Pa以上1×10Pa以下の範囲内に調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、シリコーン系又はウレタンアクリレート系が好ましい。さらに、粘着層5のゲル分率を1%以上50%以下の範囲内に調整しやすい点で、硬化性化合物(A)は、ウレタンアクリレート系がより好ましい。
図2Aは、一実施形態に係る剥離装置をY軸方向から見た図である。図2Bは、図2Aに示す剥離装置をZ軸方向から見た図である。剥離装置10は、積層体1を、透明板2と、表示装置3及び粘着層5とに剥離する。剥離後の透明板2には粘着層5の残渣がほとんど付着しないので、残渣の除去が容易である。
剥離装置10は、例えば、支持台20と、ブレードユニット30と、傾斜角度調整機構40と、第1ロール51Aと、第2ロール51Bと、第3ロール51Cと、ヒータ60と、連動機構70とを有する。なお、本実施形態では図2Bに示すように第1ロール51Aと第2ロール51Bと第3ロール51CとがX軸方向に間隔をおいて配置されるが、X軸方向に間隔をおいて配置されるロールの数は3つには限定されず、1つでもよいし、4つ以上でもよい。
支持台20は、図3に示すように表示装置3を上に向けて透明板2を下方から平坦に支持する支持面21を有する。その支持面21の上には、透明板2と粘着層5と表示装置3とがこの順番で配置される。支持台20は、透明板2と表示装置3との剥離の間、透明板2を平坦に支持し続けるので、透明板2の破損を抑制できる。支持台20は、透明板2を単に載置するものであって透明板2を吸着するものではないが、透明板2を吸着するものであってもよい。
図3は、一実施形態に係るブレードユニットを示す断面図である。ブレードユニット30は、ブレード31と、ブレードホルダ32とを含む。ブレード31は、透明板2と粘着層5との間、又は粘着層5と表示装置3との間に挿入される。以下、ブレード31を透明板2と粘着層5との間に挿入する例を説明する。透明板2と粘着層5との間にはブレード31の刃先33よりも薄いシムプレート8が挿入され、シムプレート8によって隙間が形成されており、その隙間にブレード31の刃先33が挿入される。その後、シムプレート8が透明板2と粘着層5との間から引き抜かれると、傾斜角度調整機構40が支持台20を図2Aに示す水平状態から図4Aに示す傾斜状態(前下がりの状態)にし、ブレード31が重力によって前進させられる。
ブレード31は、第1面である平行面34と、第2面である傾斜面35とを有する。平行面34は支持台20の支持面21に対し略平行ないし若干の傾斜を有して透明板2の第1主表面6に線で接触し、傾斜面35は平行面34に対し傾斜し、平行面34と傾斜面35とは刃先33で交わる。Y軸方向視にて平行面34と傾斜面35とのなす角を、刃先角度αとも呼ぶ。刃先角度αは、例えば1°以上60°以下である。
傾斜面35は、粘着層5と接触しうるので、粘着層5との密着性を低減すべく、粗面化される。粗面化の方法として、例えばショットブラスト法、研磨、エッチング、スパッタ、蒸着、又は放電処理などが用いられる。傾斜面35の表面粗さRaは、例えば0.7μm以上であってよい。表面粗さRaは、日本工業規格(JIS B0601:2013)に記載の算術平均粗さのことである。傾斜面35の表面粗さRaが0.5μm以上あれば、ブレード31と粘着層5との密着性を低減でき、ブレード31を円滑に前進できる。傾斜面35の表面粗さRaは、好ましくは0.8μm以上である。また、傾斜面35の表面粗さRaは、加工性の観点から、50μm以下であってよい。
傾斜面35は、上記の通り、粘着層5と接触しうる。そこで、傾斜面35には、コーティング膜36が形成されてもよい。コーティング膜36の材料として、ブレード31の材料よりも大きい水接触角を有するものが用いられるので、ブレード31と粘着層5との剥離性を向上でき、ブレード31を円滑に前進できる。ブレード31の材料は、例えば金属、又はセラミックである。一方、コーティング膜36の材料は、例えば、シリコーン系樹脂、又はフッ素系樹脂である。
コーティング膜36の厚みは、例えば2μm以上200μm以下である。コーティング膜36の厚みが2μm以上であれば、コーティング膜36が破れにくいため、コーティング膜36の耐久性が良好である。一方、コーティング膜36の厚みが200μm以下であれば、コーティング膜36の表面は、粗面化済みの傾斜面35に倣うので、傾斜面35と同じ表面粗さRaを有する。
なお、粗面化及びコーティングは、ブレード31の表面全体に施されることが好ましいが、少なくとも粘着層5に接する面に施されればよい。すなわち、ブレード31が透明板2と粘着層5との間に挿入される場合、粗面化及びコーティングは、少なくとも図3における傾斜面35に施されればよい。一方、ブレード31が粘着層5と表示装置3との間に挿入される場合、粗面化及びコーティングは、少なくとも平行面34に施されればよい。また、粗面化及びコーティングは、図3に示すようにブレードホルダ32にも施されてもよい。ブレードホルダ32も、ブレード31と同様に、粘着層5と接触し得るからである。
ブレード31は図2Bに示すようにY軸方向に間隔をおいて複数並べられ、ブレードホルダ32は複数のブレード31を保持する。ブレードユニット30は櫛歯状に形成される。隣り合うブレード31同士の間には隙間が形成され、粘着層5のY軸方向一部のみがブレード31と接触するので、前進中にブレード31が粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。粘着層5のY軸方向全体の10%以上50%以下がブレード31と接触してよい。
なお、ブレードユニット30が櫛歯状の形状を採らず、1枚のブレード31から構成されていてもよい。その場合、ブレード31の刃先33から1mm以上30mm以下の部分が粘着層5と接触してよい。
ブレード31を前進させる駆動力としては、モータ等の駆動力を利用してもよいが、本実施形態では重力を利用する。この場合、ブレード31に対し取外し可能に重りが取付けられてよい。ブレード31及びブレード31と共に前進する全ての部材の合計の重さが大きくなるほど、ブレード31を前進させる駆動力が大きくなる。
図4Aは、一実施形態に係る剥離装置の動作を示す図である。図4Bは、図4Aに続く動作の一例を示す図である。図4Cは、図4Bに続く動作の一例を示す図である。傾斜角度調整機構40は、支持台20の支持面21の水平面に対する傾斜角度βを調整する。支持面21が水平面に対し平行であるとき傾斜角度βは0°であり、支持面21が水平面に対し垂直であるとき傾斜角度βは90°である。傾斜角度βが大きいほど、重力のX軸方向における分力が大きく、ブレード31を前進させる駆動力が大きくなる。
傾斜角度調整機構40は、支持台20の回転中心線であるピン41を有する。ピン41はY軸方向に平行に配置される。また、傾斜角度調整機構40は、第1リンク42と、第2リンク43とを有する。第1リンク42は水平に固定され、第2リンク43には支持台20が固定される。ピン41は、第1リンク42に対して第2リンク43を回転自在に連結する。第1リンク42と第2リンク43とのなす角が傾斜角度βである。
傾斜角度調整機構40は、第2リンク43を回転させる駆動源として、例えば伸縮シリンダ45を有する。伸縮シリンダ45は、例えば油圧シリンダ又は空気圧シリンダなどの流体圧シリンダである。伸縮シリンダ45は、一端部にて第1リンク42に対して回転自在に連結され、他端部にて第2リンク43に対して回転自在に連結される。伸縮シリンダ45の伸縮に応じて傾斜角度βが変化する。傾斜角度βの調整後、傾斜角度βが固定される。
図5は、一実施形態に係るブレードと第1ロールと第2ロールと第3ロールとの位置関係を示す図である。第1ロール51Aは、ブレード31の前端である刃先33よりも後方にて粘着層5を下方から支持し、粘着層5とブレード31との接触を抑制する抑制部材の一例である。
第1ロール51Aは、ブレード31と連動して前進するので、刃先33から第1ロール51Aまでの、表示装置3及び粘着層5の自重変形を一定に維持できる。その結果、表示装置3及び粘着層5と、透明板2とがくさび状に開かれるので、前進中にブレード31が受ける抵抗力を低減できる。また、粘着層5とブレード31との接触を常に抑制でき、前進中にブレード31が粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。
なお、透明板2は、粘着層5とは異なり粘着性を有しない。従って、前進中にブレード31が透明板2から受ける抵抗力(例えば摩擦抵抗)は、前進中にブレード31が粘着層5から受ける抵抗力に比べて無視できるほど小さい。それゆえ、ブレード31は、透明板2と接触してよい。
なお、ブレード31が粘着層5と表示装置3との間に挿入される場合、第1ロール51Aは、ブレード31の前端である刃先33よりも後方にて表示装置3を下方から支持し、表示装置3とブレード31との接触を抑制する抑制部材として用いられる。この場合も、第1ロール51Aは、ブレード31と連動して前進するので、刃先33から第1ロール51Aまでの、表示装置3の自重変形を一定に維持できる。その結果、表示装置3と、粘着層5及び透明板2とがくさび状に開かれるので、前進中にブレード31が受ける抵抗力を低減できる。
第1ロール51Aは図2Bに示すようにY軸方向に間隔をおいて複数配置され、複数の第1ロール51Aで第1ロール群50Aが構成される。隣り合う第1ロール51A同士の間には隙間が形成され、粘着層5のY軸方向一部のみが第1ロール51Aと接触するので、前進中に第1ロール51Aが粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。
第1ロール51Aは、円筒状であるので、粘着層5と線で接触する。抑制部材として多角柱状のものが用いられ、抑制部材と粘着層5とが面で接触する場合に比べて、抑制部材と粘着層5との接触面積を低減でき、前進中に抑制部材が粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。なお、第1ロール51Aは、円柱状であってもよい。この場合も、第1ロール51Aと粘着層5とは線で接触するので、同様の効果が得られる。
第2ロール51Bは、ブレード31と連動して前進し、抑制部材(例えば第1ロール51A)よりも後方にて粘着層5を下方から支持し、粘着層5と透明板2との再付着を防止する隔離部材の一例である。
第2ロール51Bは、ブレード31と連動して前進するので、第1ロール51Aから第2ロール51Bまでの、表示装置3及び粘着層5の自重変形を一定に維持できる。その結果、粘着層5と透明板2との再付着を抑制できる。
第2ロール51Bは図2Bに示すようにY軸方向に間隔をおいて複数配置され、複数の第2ロール51Bで第2ロール群50Bが構成される。隣り合う第2ロール51B同士の間には隙間が形成され、粘着層5のY軸方向一部のみが第2ロール51Bと接触するので、前進中に第2ロール51Bが粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。
第2ロール51Bは、円筒状であるので、粘着層5と線で接触する。隔離部材として多角柱状のものが用いられ、隔離部材と粘着層5とが面で接触する場合に比べて、隔離部材と粘着層5との接触面積を低減でき、前進中に隔離部材が粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。なお、第2ロール51Bは、円柱状であってもよい。この場合も、第2ロール51Bと粘着層5とは線で接触するので、同様の効果が得られる。
なお、ブレード31が粘着層5と表示装置3との間に挿入される場合、第2ロール51Bは、ブレード31と連動して前進し、抑制部材(例えば第1ロール51A)よりも後方にて表示装置3を下方から支持し、表示装置3と粘着層5との再付着を防止する隔離部材として用いられる。
第3ロール51Cは、ブレード31と連動して前進し、抑制部材(例えば第1ロール51A)よりも後方にて粘着層5を下方から支持し、粘着層5と透明板2との再付着を防止する隔離部材の一例である。第3ロール51Cは、第2ロール51Bよりも後方に配置される。
第3ロール51Cは、ブレード31と連動して前進するので、第2ロール51Bから第3ロール51Cまでの、表示装置3及び粘着層5の自重変形を一定に維持できる。その結果、粘着層5と透明板2との再付着を抑制できる。
第3ロール51Cは図2Bに示すようにY軸方向に間隔をおいて配置され、複数の第3ロール51Cで第3ロール群50Cが構成される。隣り合う第3ロール51C同士の間には隙間が形成され、粘着層5のY軸方向一部のみが第3ロール51Cと接触するので、前進中に第3ロール51Cが粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。
第3ロール51Cは、円筒状であるので、粘着層5と線で接触する。隔離部材として多角柱状のものが用いられ、隔離部材と粘着層5とが面で接触する場合に比べて、隔離部材と粘着層5との接触面積を低減でき、前進中に隔離部材が粘着層5から受ける抵抗力を低減できる。なお、第3ロール51Cは、円柱状であってもよい。この場合も、第3ロール51Cと粘着層5とは線で接触するので、同様の効果が得られる。
なお、ブレード31が粘着層5と表示装置3との間に挿入される場合、第3ロール51Cは、ブレード31と連動して前進し、抑制部材(例えば第1ロール51A)よりも後方にて表示装置3を下方から支持し、表示装置3と粘着層5との再付着を防止する隔離部材として用いられる。
図6は、一実施形態に係る第1ロールを示す断面図である。なお、第2ロール51Bの断面図及び第3ロール51Cの断面図は、第1ロール51Aの断面図(図6)と同様であるので、図示を省略する。
第1ロール51Aは、外周の曲面52Aにて粘着層5と接触する。曲面52Aは、粘着層5と接触するので、粘着層5との密着性を低減すべく、粗面化される。曲面52Aの表面粗さRaが0.5μm以上であれば、第1ロール51Aと粘着層5との密着性を低減でき、第1ロール51Aを円滑に前進できる。曲面52Aの表面粗さRaは、好ましくは0.8μm以上である。また、曲面52Aの表面粗さRaは、加工性の観点から、50μm以下であってよい。
第1ロール51Aの外周の曲面52Aは、上記の通り、粘着層5と接触する。そこで、曲面52Aには、コーティング膜53Aが形成されてもよい。コーティング膜53Aの材料として、第1ロール51Aの材料よりも大きい水接触角を有するものが用いられるので、第1ロール51Aと粘着層5との剥離性を向上でき、第1ロール51Aを円滑に前進できる。第1ロール51Aの材料は、例えば金属、又はセラミックである。一方、コーティング膜53Aの材料は、例えば、シリコーン系樹脂、又はフッ素系樹脂である。
コーティング膜53Aの厚みは、例えば2μm以上200μm以下である。コーティング膜53Aの厚みが2μm以上であれば、コーティング膜53Aが破れにくいため、コーティング膜53Aの耐久性が良好である。一方、コーティング膜53Aの厚みが200μm以下であれば、コーティング膜53Aの表面は、粗面化済みの曲面52Aに倣うので、曲面52Aと同じ表面粗さRaを有する。
なお、粗面化及びコーティングは、第2ロール51Bの外周の曲面、及び第3ロール51Cが外周の曲面にも施されてもよい。第2ロール51B及び第3ロール51Cも、外周の曲面にて粘着層5と接触するからである。
図7Aは、図2Aの一部を拡大して示す図である。図7Bは、図2Bの一部を拡大して示す図である。ヒータ60は、シート状であり、図7Bに示すように少なくとも刃先33よりも前方にて表示装置3に上方から接触し、粘着層5を上方から加熱する。粘着層5は、加熱されると軟化するので、ブレード31を前進させる時に、ブレード31を受け入れるように変形しやすい。
ヒータ60は、表示装置3と同様に、図7Bに示すようにZ軸方向視で矩形状である。ヒータ60のY軸方向寸法は表示装置3のY軸方向寸法よりも大きく、ヒータ60は表示装置3のY軸方向全体を加熱する。一方、ヒータ60のX軸方向寸法は表示装置3のX軸方向寸法よりも小さく、ヒータ60は表示装置3のX軸方向一部のみを加熱する。
ヒータ60は、可撓性を有するので、図7Aに示すようにブレード31の傾斜面35に乗り上がるように変形できる。従って、ヒータ60は、図7Bに示すように刃先33よりも後方においても表示装置3に上方から接触できる。ヒータ60として、例えばシリコンラバーヒータが用いられる。
ヒータ60の温度は、特に限定されないが、例えば40℃以上230℃以下である。
連動機構70は、ブレード31と連動して、第1ロール51A、第2ロール51B、第3ロール51C、及びヒータ60を前進させる。なお、連動機構70は、ブレード31と連動して、少なくとも第1ロール51Aを移動させればよい。以下、主に図7A及び図7Bを参照して連動機構70の詳細について説明する。
連動機構70は、ガイド71と、スライダ72とを有する。ガイド71と、スライダ72とは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。一対のガイド71は、それぞれ、支持台20に対して固定され、X軸方向に平行に配置される。一対のスライダ72は、一対のガイド71に沿ってX軸方向にスライドする。ブレードホルダ32は、一対のスライダ72に架け渡され、一対のスライダ72と共にX軸方向にスライドする。その結果、ブレード31がX軸方向に進退する。
連動機構70は、高さ調整ピン73を有する。高さ調整ピン73は、一対のスライダ72のそれぞれに設けられ、Z軸方向に平行に配置される。ブレードホルダ32にはブレードホルダ32をZ軸方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に高さ調整ピン73が挿し通される。一対の高さ調整ピン73に対応して一対の貫通穴が形成される。ブレードホルダ32は一対の高さ調整ピン73に沿ってZ軸方向にスライドする。その結果、支持台20の支持面21に対するブレード31の高さを調整できる。ブレード31の高さは、透明板2の厚さに応じて決められる。
連動機構70は第1回転支持機構75Aを有し、第1回転支持機構75Aが第1ロール51Aを回転自在に支持する。第1ロール51Aは、回転自在であるので、回転しながら前進する。第1ロール51Aの回転によって、第1ロール51Aに対して粘着層5が相対的に後方に送り出される。一般的に転がり抵抗は滑り抵抗に比べて著しく小さいので、第1ロール51Aが回転しない場合に比べて、第1ロール51Aを円滑に前進できる。
第1回転支持機構75Aは例えば第1回転軸76Aを有し、第1回転軸76Aが第1ロール51Aを回転自在に支持する。第1ロール51Aには第1ロール51AをY軸方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に第1回転軸76Aが挿し通される。第1回転軸76Aは、円筒状の第1ロール51Aを径方向内側から回転自在に支持する。
第1回転軸76Aは、第1ロール51Aと共に回転してもよいが、本実施形態では第1ロール51Aと共に回転しない。第1回転軸76Aが回転しないので、イナーシャが小さく、第1ロール51Aが回転しやすい。また、第1回転軸76Aが回転しないので、複数の第1ロール51Aが独立に回転できる。
なお、第1回転軸76Aが第1ロール51Aと共に回転する場合、第1回転支持機構75Aは軸受をさらに有してよく、軸受が第1回転軸76Aを回転自在に支持し、第1ロール51Aを回転自在に支持する。
連動機構70は第1距離調整機構77Aを有し、第1距離調整機構77Aがブレード31の進退方向(X軸方向)における、刃先33と第1ロール51Aとの第1距離LA(図5参照)を調整する。第1距離LAは、例えば刃先33と第1ロール51Aの中心とのX軸方向における距離である。
第1距離LAは、例えば表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5がブレード31と接触しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第1距離LAが短く設定される。第1距離LAが短いほど、表示装置3が垂れ下がりにくいからである。第1距離LAは、特に限定されないが、例えば20mm以上280mm以下である。
第1距離調整機構77Aは、例えば、第1距離調整ガイド78Aと、第1距離調整スライダ79Aと、第1距離調整クランパ80Aとを有する。第1距離調整ガイド78Aと、第1距離調整スライダ79A、第1距離調整クランパ80Aとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第1距離調整ガイド78Aは、スライダ72に対して固定され、X軸方向に平行に配置される。第1距離調整スライダ79Aは、スライダ72の後方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。ブレード31はスライダ72と共にX軸方向に移動し、第1ロール51Aは第1距離調整スライダ79Aと共にX軸方向に移動する。
第1距離調整クランパ80Aは、第1距離調整スライダ79Aと共に第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向に移動し、所望の位置で第1距離調整ガイド78Aをクランプし、第1距離調整ガイド78Aに対して第1距離調整スライダ79Aを停止させる。その停止位置で第1距離LAが決まる。
ブレード31と連動して第1ロール51Aを前進させる時には、第1距離調整クランパ80Aが第1距離調整ガイド78Aをクランプする。クランプ力として、バネ等の弾性体の弾性復元力、油圧、又は空気圧などが用いられる。一方、第1距離LAを調整する時には、第1距離調整クランパ80Aが第1距離調整ガイド78Aのクランプを解除する。クランプの実行と解除は、手動で行われてもよいし、モータ又は流体圧シリンダ等の駆動源で行われてもよい。
第1距離LAを調整する時には、第1距離調整ガイド78Aに沿って第1距離調整スライダ79AをX軸方向に移動させる。その移動は、手動で行われてもよいし、モータ又は流体圧シリンダ等の駆動源で行われてもよい。第1距離調整スライダ79Aと共に第1ロール51AがX軸方向に移動し、第1距離LAを調整できる。複数の第1ロール51Aは、同時にX軸方向に移動し、同じ第1距離LAに配置される。
なお、第1距離調整機構77Aは、上記の構成には限定されない。例えば、第1ロール51Aがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第1距離調整スライダ79Aと共にX軸方向に移動してもよい。この場合、第1距離調整スライダ79Aは、スライダ72の前方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。
連動機構70は第1高さ調整機構81Aを有し、第1高さ調整機構81Aが支持台20の支持面21に対する、第1ロール51Aの第1高さHA(図5参照)を調整する。第1高さHAは、例えば第1ロール51Aが透明板2から粘着層5を持ち上げる高さである。
第1高さHAは、第1距離LAと同様に、表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5がブレード31と接触しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第1高さHAが高く設定される。第1高さHAは、特に限定されないが、例えば5mm以上100mm以下である。
第1高さ調整機構81Aは、例えば、第1高さ調整ガイド82Aと、第1高さ調整スライダ83Aと、第1高さ調整クランパ84Aとを有する。第1高さ調整ガイド82Aと、第1高さ調整スライダ83A、第1高さ調整クランパ84Aとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第1高さ調整ガイド82Aは、例えば第1距離調整スライダ79Aに対して固定され、Z軸方向に平行に配置される。第1高さ調整スライダ83Aは、第1高さ調整ガイド82Aに沿ってZ軸方向にスライドする。第1ロール51Aは第1高さ調整スライダ83Aと共にZ軸方向に移動する。
第1高さ調整クランパ84Aは、第1高さ調整スライダ83Aと共に第1高さ調整ガイド82Aに沿ってZ軸方向に移動し、所望の位置で第1高さ調整ガイド82Aをクランプし、第1高さ調整ガイド82Aに対して第1高さ調整スライダ83Aを停止させる。その停止位置で第1高さHAが決まる。
ブレード31と連動して第1ロール51Aを前進させる時には、第1高さ調整クランパ84Aが第1高さ調整ガイド82Aをクランプする。クランプ力として、バネ等の弾性体の弾性復元力、油圧、又は空気圧などが用いられる。一方、第1高さHAを調整する時には、第1高さ調整クランパ84Aが第1高さ調整ガイド82Aのクランプを解除する。クランプの実行と解除は、手動で行われてもよいし、モータ又は流体圧シリンダ等の駆動源で行われてもよい。
第1高さHAを調整する時には、第1高さ調整ガイド82Aに沿って第1高さ調整スライダ83AをZ軸方向に移動させる。その移動は、手動で行われてもよいし、モータ又は流体圧シリンダ等の駆動源で行われてもよい。第1高さ調整スライダ83Aと共に第1ロール51AがZ軸方向に移動し、第1高さHAを調整できる。複数の第1ロール51Aは、同時にZ軸方向に移動し、同じ第1高さHAに配置される。
なお、第1高さ調整機構81Aは、上記の構成には限定されない。例えば、上記の通り、第1ロール51Aがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第1距離調整スライダ79Aと共にX軸方向に移動してもよく、この場合、第1高さ調整ガイド82Aはスライダ72に対して固定される。
なお、ブレード31の前進中に第1高さHAは、本実施形態では固定されるが、変更されてもよい。ブレード31が前進し、未剥離の面積が狭くなると、応力集中が起きる。そこで、応力が過大にならないように、ブレード31が前進するほど、第1高さHAが連続的又は段階的に小さく変更されてもよい。
連動機構70は第2回転支持機構75Bを有し、第2回転支持機構75Bが第2ロール51Bを回転自在に支持する。第2ロール51Bは、回転自在であるので、回転しながら前進する。第2ロール51Bの回転によって、第2ロール51Bに対して粘着層5が相対的に後方に送り出される。一般的に転がり抵抗は滑り抵抗に比べて著しく小さいので、第2ロール51Bが回転しない場合に比べて、第2ロール51Bを円滑に前進できる。
第2回転支持機構75Bは例えば第2回転軸76Bを有し、第2回転軸76Bが第2ロール51Bを回転自在に支持する。第2ロール51Bには第2ロール51BをY軸方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に第2回転軸76Bが挿し通される。第2回転軸76Bは、円筒状の第2ロール51Bを径方向内側から回転自在に支持する。
第2回転軸76Bは、第2ロール51Bと共に回転してもよいが、本実施形態では第2ロール51Bと共に回転しない。第2回転軸76Bが回転しないので、イナーシャが小さく、第2ロール51Bが回転しやすい。また、第2回転軸76Bが回転しないので、複数の第2ロール51Bが独立に回転できる。
なお、第2回転軸76Bが第2ロール51Bと共に回転する場合、第2回転支持機構75Bは軸受をさらに有してよく、軸受が第2回転軸76Bを回転自在に支持し、第2ロール51Bを回転自在に支持する。
連動機構70は第2距離調整機構77Bを有し、第2距離調整機構77Bがブレード31の進退方向(X軸方向)における、刃先33と第2ロール51Bとの第2距離LB(図5参照)を調整する。第2距離LBは、例えば刃先33と第2ロール51Bの中心とのX軸方向における距離である。
第2距離LBは、例えば表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5が透明板2と再付着しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第2距離LBが短く設定される。第2距離LBが短いほど、表示装置3が垂れ下がりにくいからである。第2距離LBは、特に限定されないが、例えば300mm以上700mm以下である。
第2距離調整機構77Bは、例えば、第1距離調整機構77Aと同様に、第2距離調整スライダ79Bと、第2距離調整クランパ80Bとを有する。第2距離調整スライダ79B、第2距離調整クランパ80Bとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第2距離調整スライダ79Bは、スライダ72及び第1距離調整スライダ79Aの後方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。第1距離調整ガイド78Aは、第1距離調整スライダ79Aのみならず、第2距離調整スライダ79Bも案内する。但し、第2距離調整スライダ79Bに専用のガイドが設けられてもよい。いずれにしろ、第2ロール51Bは、第2距離調整スライダ79Bと共にX軸方向に移動する。
第2距離調整クランパ80Bは、第2距離調整スライダ79Bと共に第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向に移動し、所望の位置で第1距離調整ガイド78Aをクランプし、第1距離調整ガイド78Aに対して第2距離調整スライダ79Bを停止させる。その停止位置で第2距離LBが決まる。
なお、第2距離調整機構77Bは、上記の構成には限定されない。例えば、第2ロール51Bがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第2距離調整スライダ79Bと共にX軸方向に移動してもよい。この場合、第2距離調整スライダ79Bは、スライダ72の前方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。
連動機構70は第2高さ調整機構81Bを有し、第2高さ調整機構81Bが支持台20の支持面21に対する、第2ロール51Bの第2高さHB(図5参照)を調整する。第2高さHBは、例えば第2ロール51Bが透明板2から粘着層5を持ち上げる高さである。
第2高さHBは、第2距離LBと同様に、表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5が透明板2と再付着しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第2高さHBが高く設定される。第2高さHBは、特に限定されないが、例えば20mm以上200mm以下である。
第2高さ調整機構81Bは、例えば、第2高さ調整ガイド82Bと、第2高さ調整スライダ83Bと、第2高さ調整クランパ84Bとを有する。第2高さ調整ガイド82Bと、第2高さ調整スライダ83B、第2高さ調整クランパ84Bとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第2高さ調整ガイド82Bは、例えば第2距離調整スライダ79Bに対して固定され、Z軸方向に平行に配置される。第2高さ調整スライダ83Bは、第2高さ調整ガイド82Bに沿ってZ軸方向にスライドする。第2ロール51Bは第2高さ調整スライダ83Bと共にZ軸方向に移動する。
第2高さ調整クランパ84Bは、第2高さ調整スライダ83Bと共に第2高さ調整ガイド82Bに沿ってZ軸方向に移動し、所望の位置で第2高さ調整ガイド82Bをクランプし、第2高さ調整ガイド82Bに対して第2高さ調整スライダ83Bを停止させる。その停止位置で第2高さHBが決まる。
なお、第2高さ調整機構81Bは、上記の構成には限定されない。例えば、上記の通り、第2ロール51Bがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第2距離調整スライダ79Bと共にX軸方向に移動してもよく、この場合、第2高さ調整ガイド82Bはスライダ72に対して固定される。
連動機構70は第3回転支持機構75Cを有し、第3回転支持機構75Cが第3ロール51Cを回転自在に支持する。第3ロール51Cは、回転自在であるので、回転しながら前進する。第3ロール51Cの回転によって、第3ロール51Cに対して粘着層5が相対的に後方に送り出される。一般的に転がり抵抗は滑り抵抗に比べて著しく小さいので、第3ロール51Cが回転しない場合に比べて、第3ロール51Cを円滑に前進できる。
第3回転支持機構75Cは例えば第3回転軸76Cを有し、第3回転軸76Cが第3ロール51Cを回転自在に支持する。第3ロール51Cには第3ロール51CをY軸方向に貫通する貫通穴が形成され、その貫通穴に第3回転軸76Cが挿し通される。第3回転軸76Cは、円筒状の第3ロール51Cを径方向内側から回転自在に支持する。
第3回転軸76Cは、第3ロール51Cと共に回転してもよいが、本実施形態では第3ロール51Cと共に回転しない。第3回転軸76Cが回転しないので、イナーシャが小さく、第3ロール51Cが回転しやすい。また、第3回転軸76Cが回転しないので、複数の第3ロール51Cが独立に回転できる。
なお、第3回転軸76Cが第3ロール51Cと共に回転する場合、第3回転支持機構75Cは軸受をさらに有してよく、軸受が第3回転軸76Cを回転自在に支持し、第3ロール51Cを回転自在に支持する。
連動機構70は第3距離調整機構77Cを有し、第3距離調整機構77Cがブレード31の進退方向(X軸方向)における、刃先33と第3ロール51Cとの第3距離LC(図5参照)を調整する。第3距離LCは、例えば刃先33と第3ロール51Cの中心とのX軸方向における距離である。
第3距離LCは、例えば表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5が透明板2と再付着しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第3距離LCが短く設定される。第3距離LCが短いほど、表示装置3が垂れ下がりにくいからである。第3距離LCは、特に限定されないが、例えば500mm以上1500mm以下である。
第3距離調整機構77Cは、例えば、第1距離調整機構77Aと同様に、第3距離調整スライダ79Cと、第3距離調整クランパ80Cとを有する。第3距離調整スライダ79C、第3距離調整クランパ80Cとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第3距離調整スライダ79Cは、スライダ72、第1距離調整スライダ79A及び第2距離調整スライダ79Bの後方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。第1距離調整ガイド78Aは、第1距離調整スライダ79Aのみならず、第3距離調整スライダ79Cも案内する。但し、第3距離調整スライダ79Cに専用のガイドが設けられてもよい。いずれにしろ、第3ロール51Cは、第3距離調整スライダ79Cと共にX軸方向に移動する。
第3距離調整クランパ80Cは、第3距離調整スライダ79Cと共に第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向に移動し、所望の位置で第1距離調整ガイド78Aをクランプし、第1距離調整ガイド78Aに対して第3距離調整スライダ79Cを停止させる。その停止位置で第3距離LCが決まる。
なお、第3距離調整機構77Cは、上記の構成には限定されない。例えば、第3ロール51Cがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第3距離調整スライダ79Cと共にX軸方向に移動してもよい。この場合、第3距離調整スライダ79Cは、スライダ72の前方において、第1距離調整ガイド78Aに沿ってX軸方向にスライドする。
連動機構70は第3高さ調整機構81Cを有し、第3高さ調整機構81Cが支持台20の支持面21に対する、第3ロール51Cの第3高さHC(図5参照)を調整する。第3高さHCは、例えば第3ロール51Cが透明板2から粘着層5を持ち上げる高さである。
第3高さHCは、第3距離LCと同様に、表示装置3の厚さ等に応じて決められる。表示装置3の厚さが薄いほど、表示装置3の曲げ剛性が低いので、表示装置3が垂れ下がりやすく、粘着層5が透明板2と再付着しやすい。従って、表示装置3の厚さが薄いほど、第3高さHCが高く設定される。第3高さHCは、特に限定されないが、例えば20mm以上200mm以下である。
第3高さ調整機構81Cは、例えば、第3高さ調整ガイド82Cと、第3高さ調整スライダ83Cと、第3高さ調整クランパ84Bとを有する。第3高さ調整ガイド82Cと、第3高さ調整スライダ83C、第3高さ調整クランパ84Bとは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。
第3高さ調整ガイド82Cは、例えば第3距離調整スライダ79Cに対して固定され、Z軸方向に平行に配置される。第3高さ調整スライダ83Cは、第3高さ調整ガイド82Cに沿ってZ軸方向にスライドする。第3ロール51Cは第3高さ調整スライダ83Cと共にZ軸方向に移動する。
第3高さ調整クランパ84Bは、第3高さ調整スライダ83Cと共に第3高さ調整ガイド82Cに沿ってZ軸方向に移動し、所望の位置で第3高さ調整ガイド82Cをクランプし、第3高さ調整ガイド82Cに対して第3高さ調整スライダ83Cを停止させる。その停止位置で第3高さHCが決まる。
なお、第3高さ調整機構81Cは、上記の構成には限定されない。例えば、上記の通り、第3ロール51Cがスライダ72と共にX軸方向に移動し、ブレード31が第3距離調整スライダ79Cと共にX軸方向に移動してもよく、この場合、第3高さ調整ガイド82Cはスライダ72に対して固定される。
連動機構70はヒータ支持機構85を有し、ヒータ支持機構85はブレード31に連動してヒータ60を前進させる。ヒータ60は、ブレード31と連動して前進するので、剥離前線よりも遥か後方を無駄に加熱するのを防止でき、また、剥離前線よりも遥か前方を無駄に加熱するのを防止できる。ヒータ60の消費電力を低減できるので、電源の容量を小さくできる。
ヒータ支持機構85はヒータホルダ86を含み、ヒータホルダ86はヒータ60の前方に配置され、ヒータ60を引き連れて前進する。ヒータホルダ86は、ヒータ60が表示装置3に接触したまま、ヒータ60を前方に引き摺る。ヒータ60を後方から押して前進させる場合とは異なり、ヒータ60にテンションを印加できるので、ヒータ60のシワの発生を抑制でき、ヒータ60から表示装置3への伝熱を促進できる。
ヒータ支持機構85は、支持柱87と、支持アーム88とを有する。支持柱87と、支持アーム88とは、それぞれ、Y軸方向に間隔をおいて一対設けられる。支持柱87はスライダ72に対して固定され、支持アーム88は支持柱87よりも前方に張り出し、ヒータ60の前方においてヒータホルダ86を支持する。ヒータホルダ86は、一対の支持アーム88に架け渡され、スライダ75と共に前進する。
ヒータホルダ86は、ヒータ60に比べて硬いので、表示装置3を傷付けないように、表示装置3から離間して配置される。ヒータ支持機構85は可撓性シート89を含み、可撓性シート89がヒータホルダ86とヒータ60とを連結する。可撓性シート89が撓むので、ヒータ60のX軸方向全体が表示装置3に接触し、ヒータ60の熱が無駄なく表示装置3に伝わる。なお、可撓性シート89は、絶縁性を有し、発熱しない。
以上、本開示に係る剥離装置について説明したが、本開示は上記実施形態などに限定されない。特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更、修正、置換、付加、削除、及び組合わせが可能である。それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
1 積層体
2 透明板(第1板)
3 表示装置(第2板)
5 粘着層
10 剥離装置
20 支持台
21 支持面
31 ブレード
51A 第1ロール(抑制部材)
51B 第2ロール(隔離部材)
51C 第3ロール(隔離部材)
60 ヒータ
70 連動機構
75A 第1回転支持機構
77A 第1距離調整機構
81A 第1高さ調整機構
85 ヒータ支持機構
86 ヒータホルダ
89 可撓性シート

Claims (15)

  1. 第1板、粘着層及び第2板をこの順番で有する積層体を、前記第1板と、前記粘着層及び前記第2板とに剥離する剥離装置であって、
    前記第2板を上に向けて前記第1板を下方から平坦に支持する支持台と、
    前記第1板と前記粘着層との間に挿入され、前記支持台の前記第1板を支持する支持面に対して平行に前進するブレードと、
    前記ブレードの前端である刃先よりも後方にて前記粘着層を下方から支持し、前記粘着層と前記ブレードとの接触を抑制する抑制部材と、
    前記ブレードと連動して、前記抑制部材を前進させる連動機構とを有する、剥離装置。
  2. 前記ブレードと連動して前進し、前記抑制部材よりも後方にて前記粘着層を下方から支持し、前記粘着層と前記第1板との再付着を防止する隔離部材を有する、請求項1に記載の剥離装置。
  3. 第1板、粘着層及び第2板をこの順番で有する積層体を、前記第2板と、前記粘着層及び前記第1板とに剥離する剥離装置であって、
    前記第2板を上に向けて前記第1板を下方から平坦に支持する支持台と、
    前記第2板と前記粘着層との間に挿入され、前記支持台の前記第1板を支持する支持面に対して平行に前進するブレードと、
    前記ブレードの前端である刃先よりも後方にて前記第2板を下方から支持し、前記第2板と前記ブレードとの接触を抑制する抑制部材と、
    前記ブレードと連動して、前記抑制部材を前進させる連動機構とを有する、剥離装置。
  4. 前記ブレードと連動して前進し、前記抑制部材よりも後方にて前記第2板を下方から支持し、前記第2板と前記粘着層との再付着を防止する隔離部材を有する、請求項3に記載の剥離装置。
  5. 前記抑制部材は、円筒状又は円柱状のロールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剥離装置。
  6. 前記連動機構は、前記ロールを回転自在に支持する回転支持機構を含む、請求項5に記載の剥離装置。
  7. 前記抑制部材は、前記ブレードの進退方向に対して垂直な方向であって且つ前記支持台の前記支持面に対して平行な方向に、間隔をおいて複数配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の剥離装置。
  8. 前記連動機構は、前記ブレードの進退方向における、前記刃先と前記抑制部材との距離を調整する距離調整機構を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の剥離装置。
  9. 前記連動機構は、前記支持台の前記支持面に対する、前記抑制部材の高さを調整する高さ調整機構を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の剥離装置。
  10. 少なくとも前記刃先よりも前方にて前記第2板に上方から接触し、前記粘着層を上方から加熱するシート状のヒータを有し、
    前記連動機構は、前記ブレードに連動して前記ヒータを前進させるヒータ支持機構を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の剥離装置。
  11. 前記ヒータ支持機構は、前記ヒータの前方に配置され、前記ヒータを引き連れて前進するヒータホルダを含む、請求項10に記載の剥離装置。
  12. 前記ヒータホルダは、前記第2板から離間して配置され、
    前記ヒータ支持機構は、前記ヒータホルダと前記ヒータとを連結する可撓性シートを含む、請求項11に記載の剥離装置。
  13. 前記ブレードは、前記ブレードの進退方向に対して垂直な方向であって且つ前記支持台の前記支持面に対して平行な方向に、間隔をおいて複数配置される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の剥離装置。
  14. 前記第2板は、画像を表示する表示装置である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の剥離装置。
  15. 前記第1板は、前記表示装置の画像表示面を保護する透明板であり、
    前記粘着層は、透明である、請求項14に記載の剥離装置。
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