JP2017122173A - 液状硬化性樹脂組成物、画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法 - Google Patents

液状硬化性樹脂組成物、画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法 Download PDF

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古川 直樹
Naoki Furukawa
直樹 古川
鈴木 健司
Kenji Suzuki
健司 鈴木
石川 洋平
Yohei Ishikawa
洋平 石川
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Abstract

【課題】画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するために好適に適用し得、硬化物としての接着性能を満足し、誘電率及び弾性率が低く、画像表示用装置の構成部材として用いた場合の表示ムラの発生を抑制できる液状硬化性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、主鎖に炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマー由来の構造単位を有し、かつ、主鎖の側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂(A)と、可塑剤(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する液状硬化性樹脂組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、液状硬化性樹脂組成物、これを用いた画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法に関する。
代表的な画像表示用装置として液晶表示装置が例示される。液晶表示装置は、透明電極、画素パターン等を表面に形成した厚さ約1mm程度のガラス基板の間に数ミクロン程度のギャップを介して液晶を充填及びシールしてなる液晶セルと、その外側両面に貼り付けた偏光板、及びバックライトシステム等の光源からなる液晶パネルを含むものである。
この液晶パネルを構成する偏光板は、薄くて傷付き易いため、特に、携帯電話、ゲーム機、デジカメ、車載用途等では、液晶パネルの前面に一定の空間を置いて透明な前面板(保護パネル)を設けた構造の液晶表示装置が一般的に用いられている。
近年、携帯電話、ゲーム機、デジカメ、車載部品、ノートパソコン、デスクトップパソコン、パソコン用モニター、大型液晶モニター等に、タッチパネルが搭載されるようになってきている。このような液晶表示装置は、保護パネル、タッチパネル及び液晶パネルがこの順で積層された積層構造を有しており、保護パネルとタッチパネルとの間、タッチパネルと液晶パネルとの間に一定の空間が存在する。
上述の液晶表示装置における上記空間に空気のみが存在する場合、この空間が光の散乱を起こす原因となり、それに起因してコントラスト、輝度及び透過率が低下し、さらには二重映りによる画質の低下が起こり得る。このような光の散乱を防止する方法として、特許文献1では、保護パネルと液晶パネルとの間の空間にオイル状材料を充填する方法が、特許文献2では、アクリルモノマーを共重合してなるシートを保護パネルと液晶パネルとの間に介在させる方法がそれぞれ提案されている。
また、フラットパネルディスプレイ(FPD)の一つであるプラズマディスプレイパネル(PDP)は、PDPの割れを防止するため、PDPから1〜5mm程度の空間を設け、厚さ3mm程度のガラス等の保護パネルを前面(視認面側)に設けている。このようなディスプレイの割れ、光の散乱等を防止する方法として、特許文献3では、保護パネルとプラズマ表示板、液晶パネル等の画像表示ユニットとの間の空間、保護パネルとタッチパネルとの間の空間、及び、タッチパネルと画像表示ユニットとの間の空間(以下、まとめて「保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間」ともいう。)に特定の樹脂からなる光学フィルムを介在させる方法が提案されている。
特開平05−011239号公報 特開2004−125868号公報 特開2009−024160号公報
しかしながら、特許文献1で使用されているオイル状材料は、漏れを防ぐためのシールが難しく、また、液晶パネルに使用されている材料を侵す可能性があり、更に、保護パネルが割れた場合にオイル状材料が漏れ出すという問題がある。
一方、特許文献2及び3に開示されているような光学フィルム(シート)は、オイル状材料を用いたときのような漏出の問題は無いものの、より大型化された液晶表示装置等の画像表示用装置に適用した場合に改善の余地がある。すなわち、大型の画像表示用装置に対応する大面積の光学フィルムを均一に作製することが困難であり、更にそのような光学フィルムを作製できたとしても、大面積の光学フィルムを均一に大型画像表示用装置上に積層することは難しい。光学フィルムを均一に積層することができないと、色ムラ等の表示ムラの発生の原因となり得る。
上述したような、光学フィルムを均一に積層することができないという問題を改善する方法として、液状の光硬化性樹脂組成物を用いて空間を充填したのち、光照射により該組成物を硬化させる方法が考えられる。しかしながら、従来の光硬化性樹脂組成物では、該組成物の硬化物が、熱膨張等の外部から加わった応力を貯め込み易く、それを発散する能力が低いため、応力が集中した部分で表示ムラが発生し易くなるという問題がある。
また、近年、タッチパネルの普及に伴い、タッチパネルにはより高性能化が求められるため、光硬化性樹脂組成物の硬化物には低誘電率化が求められる。誘電率はタッチパネルの応答性に関わっており、誘電率が高いと誤作動が起きる可能性がある。
そこで、本発明は、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するために好適に適用し得、硬化物としての接着性能を満足し、誘電率及び弾性率が低く、画像表示用装置の構成部材として用いた場合の表示ムラの発生を抑制できる液状硬化性樹脂組成物、それを用いた画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の成分を含有する液状硬化性樹脂組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の〔1〕〜〔8〕を提供する。
〔1〕 主鎖に炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマー由来の構造単位を有し、かつ、主鎖の側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂(A)と、可塑剤(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する、液状硬化性樹脂組成物、液状硬化性樹脂組成物。
〔2〕 上記アクリル樹脂(A)が、主鎖に極性基含有モノマー由来の構造単位を更に有する、〔1〕に記載の液状硬化性樹脂組成物。
〔3〕 極性基含有モノマーが、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマー及びアセトアセトキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1種以上のモノマーである、〔2〕に記載の液状硬化性樹脂組成物。
〔4〕 実質的に有機溶媒を含有せず、25℃における粘度が500〜10000mPa・sである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物。
〔5〕 反応性希釈剤として、(メタ)アクリロイル基と共重合可能なモノマーを更に含有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物。
〔6〕 画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、上記樹脂層が、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
〔7〕 画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に存在するタッチパネルと、タッチパネルと保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、上記樹脂層が、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
〔8〕 画像表示ユニットと、保護パネルと、樹脂層とを備える画像表示用装置の製造方法であって、画像表示ユニットと保護パネルとの間に〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、保護パネル面側から光照射して液状硬化性樹脂組成物を硬化させて樹脂層を形成する工程とを有する、画像表示用装置の製造方法。
本発明によれば、画像表示用装置における保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するために好適に適用し得、硬化物としての接着性能を満足し、誘電率及び弾性率が低く、画像表示装置に用いた場合にも表示ムラの発生を抑制できる液状硬化性樹脂組成物、それを用いた画像表示用装置及び画像表示用装置の製造方法を提供することができる。
本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示用装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。 本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示用装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示用装置を模式的に示す側面断面図である。 液状硬化性樹脂組成物の硬化物の密着力測定用試験片を模式的に示す側面断面図である。
以下、場合により図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明するが、この実施形態により本発明が限定されるものではない。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」の少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」等の他の類似の表現においても同様である。
本明細書において、ガラス転移温度(Tg)の値は、FOX式を用いて算出した値である。
(FOX式)
1/Tg=W/Tg+W/Tg+…+W/Tg+…+W/Tg
上記FOX式中、nは対象の共重合体を構成するモノマーの種類の数を示す。また、Tgi(K)は、各モノマー(i=1,2,・・・n)のホモポリマーのガラス転移温度を示す。更に、Wは、各モノマー(i=1,2,・・・n)の質量分率を示し、W+W+…+W+…W=1である。
本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトフラフィー(GPC)を使用して行い、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。以下にGPC条件を示す。
・測定機器:HLC−8320GPC(商品名、東ソー(株)製)
・分析カラム:TSKgel SuperMultipore HZ−H(3本連結)(商品名、東ソー(株)製)
・ガードカラム:TSKguardcolumn SuperMP(HZ)−H(商品名、東ソー(株)製)
・溶離液:THF
・測定温度:25℃
本明細書において、粘度は、JIS Z 8803に基づいて測定した値であり、具体的には、E型粘度計(東機産業製、商品名「PE−80L」)を用い、25℃で測定した値である。なお、粘度計の校正は、JIS Z 8809−JS14000に基づいて行うことができる。
[液状硬化性樹脂組成物]
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物は、主鎖に炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマー由来の構造単位を有し、かつ、主鎖の側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂(A)と、可塑剤(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有することを特徴とする。以下、液状硬化性樹脂組成物に含有される各成分について、説明する。
<アクリル樹脂(A)>
本実施形態に係るアクリル樹脂(A)は、炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルメタクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマーを含むモノマー成分を重合させることにより得られるアクリル樹脂であり、側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を有している。
炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートの例としては、n−デシルアクリレート、n−ウンデシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート(ラウリルアクリレート)、n−トリデシルアクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルメタクリレートの含有量は、アクリル樹脂(A)の主鎖を構成する全モノマー成分を基準として、好ましくは99.9質量%以下であり、より好ましくは30.0〜99.5質量%、更に好ましくは40.0〜95.0質量%である。
アクリル樹脂(A)が有する側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基は、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂と、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物とを反応させることにより導入してもよい。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物としては、例えば、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート、1,1−ビス(アクリロイロキシメチル)エチルイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。中でも光硬化性、汎用性及びコストの観点から、2−イソシアネートエチルメタクリレートが好ましい。
(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物の配合量は、(メタ)アクリロイル基を導入する前のアクリル樹脂100質量%に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物の配合量が0.1質量%以上であると液状硬化性樹脂組成物の硬化物の強度が向上し易くなり、10質量%以下であると液状硬化性樹脂組成物の硬化物の弾性率が低くなり、表示ムラが発生し難くなる。
側鎖及び/又は末端にヒドロキシル基、アミノ基又はカルボキシル基を有するアクリル樹脂と、(メタ)アクリロイル基含有イソシアネート化合物とを反応させる方法としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート等の有機スズ触媒下において、不活性ガス雰囲気下、室温(25℃)〜80℃の温度で2時間〜10時間反応させる方法がある。
アクリル樹脂(A)は、主鎖に極性基含有モノマー由来の構造単位を更に有していてもよい。すなわち、アクリル樹脂(A)の主鎖を構成するモノマー成分は、極性基含有モノマーを更に含むことができる。極性基含有モノマーの含有量は全モノマー成分を基準として0.1〜20質量%であることが好ましく、硬化物の接着力及び凝集力を高める観点から、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることが更に好ましい。一方で、極性基含有モノマーが多くなりすぎると、液状硬化性樹脂組成物の硬化物が硬くなり、また、粘度が上昇するため、極性基含有モノマーの含有量は、18質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
極性基含有モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマー又はアセトアセトキシ基含有モノマーが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性基と、カルボキシル基とを有する化合物を特に制限なく用いることができる。カルボキシル基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、カルボキシル基含有モノマーとして、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
ヒドロキシル基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性基と、ヒドロキシル基とを有する化合物を特に制限なく用いることができる。ヒドロキシル基含有モノマーの例としては、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(4−ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルシクロアルカン(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
窒素原子含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性基と、アミド基又はニトリル基とを有する化合物を特に制限なく用いることができる。アミド基含有モノマーの例としては、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。ニトリル基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
アセトアセトキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基又はビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性基と、アセトアセトキシ基とを有するものを特に制限なく用いることができる。アセトアセトキシ基含有モノマーの例としては、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシペンチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
これらの極性基含有モノマーの中では、アクリル樹脂(A)の側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を導入し易い、耐ITO電極腐食性を有する等の観点から、ヒドロキシル基含有モノマーが好ましい。
アクリル樹脂(A)の重量平均分子量は、特に限定されないが、4000〜100000が好ましく、6000〜80000がより好ましく、10000〜50000が更に好ましい。(メタ)アクリル樹脂(A)の重量平均分子量が4000以上であると液状硬化性樹脂組成物の硬化物の強度が低下し難く、100000以下であると液状硬化性樹脂組成物の粘度が上昇し難く、液状硬化性樹脂組成物をハンドリングし易くなる。
アクリル樹脂(A)の主鎖を構成するモノマー成分としては、本発明の効果を阻害しない範囲において、その他のモノマーを用いることができる。その他のモノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシルメタクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、n−ウンデシルメタクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシルメタクリレート(ラウリルメタクリレート)、イソドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシルメタクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、デシルテトラデカニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テルペン(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メトキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン等のビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコール等のグリコール系アクリルエステルモノマー;含フッ素(メタ)アクリレート;シリコーン(メタ)アクリレート;ビニルエーテルモノマー;ケイ素原子を含有するシラン系モノマーなどが挙げられる。
シラン系モノマーの例としては、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
アクリル樹脂(A)の含有量は、液状硬化性樹脂組成物の粘度及び硬化物の弾性率を適度な範囲に調整する観点から、液状硬化性樹脂脂組成物の総量を基準として、30〜90質量%が好ましく、45〜80質量%がより好ましい。アクリル樹脂(A)の含有量が30質量%以上であると液状硬化性樹脂組成物の硬化物の強度が低下し難く、90質量%以下であると液状硬化性樹脂組成物の粘度が上昇し難く、液状硬化性樹脂組成物をハンドリングし易くなる。
<可塑剤(B)>
本実施形態に係る可塑剤(B)は、実質的に(メタ)アクリロイル基を有さず、25℃で液状の成分である。可塑剤(B)の重量平均分子量は、揮発性及び作業性の観点から、350〜30000が好ましく、400〜20000がより好ましく、1000〜15000が更に好ましい。
可塑剤(B)の粘度は、作業性の観点から、8000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がより好ましく、3000mPa・s以下が更に好ましい。可塑剤(C)の粘度の下限値は特に制限されず、500mPa・s以上であってもよい。
可塑剤(B)としては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、アクリル樹脂、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴムの液状物、ポリブテン等のポリα−オレフィン、水添ポリブテン等の水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレン等のポリビニル系オリゴマー;ビフェニル、トリフェニル等の芳香族系オリゴマー;水添液状ポリブタジエン等の水添ポリエン系オリゴマー;パラフィン油、塩化パラフィン油等のパラフィン系オリゴマー;ナフテン油等のシクロパラフィン系オリゴマー;ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチル,ノニル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレート等のアゼライン酸誘導体;ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等のセバシン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート等のマレイン酸誘導体;ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸誘導体;トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体;テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット酸誘導体;トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート等のクエン酸誘導体;モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート等のオレイン酸誘導体;メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;n−ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート等のステアリン酸誘導体;ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のその他の脂肪酸誘導体;トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート等のリン酸誘導体;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレート等のグリコール誘導体;グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート等のグリセリン誘導体、エポキシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシル等のエポキシ誘導体などが挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの可塑剤(B)の中では、アクリル樹脂(A)との相溶性の観点から、同系統の樹脂であるアクリル樹脂系の可塑剤(以下、アクリル樹脂(A)と区別するために、アクリル樹脂(D)と表記する。)が好ましい。アクリル樹脂(D)は、各種(メタ)アクリレート化合物を用いて合成することができ、例えば、アクリル樹脂の合成において例示したモノマー成分を重合させることにより合成してもよい。アクリル樹脂(D)を構成するモノマー成分は、アクリル樹脂(A)との相溶性の点から、適時、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤(B)の含有量は、液状硬化性樹脂組成物の粘度、硬化物の弾性率を適度な範囲に調整する観点から、液状硬化性樹脂組成物の総量を基準として、好ましくは3〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。可塑剤(B)の含有量が3質量%以上であると、液状硬化性樹脂組成物の粘度が低くなり、液状硬化性樹脂組成物をハンドリングし易くなり、40質量%以下であると液状硬化性樹脂組成物の硬化物の強度を向上し易くなる。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C)としては、光重合を開始するものであれば特に制限されず、通常用いられる光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤(C)として、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を用いることができる。
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名「イルガキュア651」、BASF社製)、アニソールメチルエーテル等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名「ダロキュア1173」、BASF社製)、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤(C)の含有量は、液状硬化性樹脂組成物100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましい。
光重合開始剤(C)の使用量が0.01質量部より少ないと、重合反応が不十分になる場合がある。一方で、光重合開始剤(C)の使用量が5質量部を超えると、光重合開始剤が紫外線を吸収することにより、紫外線が内部まで届かなくなる場合がある。この場合、液状硬化性樹脂組成物の硬化物の凝集力が低くなり、強度が低下する。なお、光重合開始剤(C)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物は、耐湿熱信頼性を向上し、硬化物中の気泡発生を抑制する観点から、実質的に有機溶媒(溶剤)を含有しないことが好ましい。ここで「実質的に有機溶媒を含有しない」とは、意図的に有機溶媒を添加しないという意味であり、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の光硬化後の特性を著しく低下させない程度であれば、微量の有機溶媒が存在していてもよい。具体的には、樹脂組成物中の有機溶媒の含有量が、樹脂組成物の総量に対して、1000ppm以下であればよく、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは有機溶媒を全く含有しない。なお、本発明において「有機溶媒」とは、(メタ)アクリロイル基を有さず、25℃において液状であり、且つ、大気圧における沸点が250℃以下の有機化合物を意味する。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物には、粘度調節のための反応性希釈剤を配合してもよい。反応性希釈剤としては、(メタ)アクリロイル基と共重合可能なモノマーであり、例えば、上述したモノマー成分で例示された各種(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
反応性希釈剤の添加量としては、液状硬化性樹脂組成物の総量に対し、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。反応性希釈剤の添加量が、液状硬化性樹脂組成物の総量に対し、30質量%を超えると、硬化物の硬化収縮が大きくなり、表示ムラの原因になり易い。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、その他の添加剤を更に配合することができる。その他の添加剤としては、亜燐酸トリフェニル等の安定剤、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール化合物等が挙げられる。チオール化合物を配合することにより、保護パネル等に遮光部が設けられた部分がある場合でも、硬化を十分に進行させることができる。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の25℃における粘度は、500〜10000mPa・sが好ましく、1000〜7000mPa・sがより好ましく、3000〜6000mPa・sが更に好ましい。粘度が500mPa・s未満の場合、塗布厚みを制御することが困難であり、10000mPa・sを超えるとハンドリング性が悪くなる。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃、100kHzでの誘電率は、3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。誘電率が3.5を超えるとタッチパネルを搭載する画像表示用装置に液状硬化性樹脂組成物の硬化物を用いた場合、タッチパネルが誤作動を起こす可能性がある。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率は1000Pa〜6000Paであることが好ましく、2500Pa〜4000Paであることがより好ましい。貯蔵弾性率が1000Pa未満であると硬化物の強度が弱く、6000Paを超えると、表示ムラが発生し易くなる。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率と損失弾性率の比であるtanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)は0.2〜1.0であることが好ましく、0.3〜1.0であることがより好ましい。tanδが0.2未満であると表示ムラが発生し易く、1.0を超えると硬化物の強度が弱くなる傾向にある。
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃における硬化収縮率は、2.0%未満であることが好ましく、1.5%未満であることがより好ましい。硬化収縮率が2.0%以上であると、表示ムラが発生し易くなる。
[画像表示用装置]
以下、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を用いて製造することが可能な画像表示用装置の一例である液晶表示装置について説明する。
本実施形態の画像表示用装置は、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する態様をとることができる。また、本実施形態の画像表示用装置は、画像表示ユニットと、保護パネルと、画像表示ユニットと保護パネルとの間に存在するタッチパネルと、タッチパネルと保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する態様をとることができる。本実施形態の画像表示用装置において、上記樹脂層が、上述した本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなることを特徴とする。
図1は、本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。図1に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル10及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット1と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、その表面に設けられた透明保護基板(保護パネル)40とから構成される。なお、透明樹脂層32は、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化体から構成される。
図2は、本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示装置の一実施形態である、タッチパネルを搭載した液晶表示装置を模式的に示す側面断面図である。図2に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル10及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット1と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、透明樹脂層32の上面に設けられたタッチパネル30と、タッチパネル30の上面に設けられた透明樹脂層31と、その表面に設けられた透明保護基板40とから構成される。
なお、図2の液晶表示装置においては、画像表示ユニット1とタッチパネル30との間、及びタッチパネル30と透明保護基板40との間の両方に透明樹脂層が介在しているが、透明樹脂層はこれらの少なくとも一方に介在していればよい。また、タッチパネルがオンセルとなる場合は、タッチパネルと液晶表示セルが一体化される。その具体例としては、図1の液晶表示装置の液晶表示セル10が、オンセルで置き換えられたものが挙げられる。
図1及び2に示す液晶表示装置は、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物の硬化物を透明樹脂層31又は32として備えているため、耐衝撃性を有し、二重写りがなく鮮明でコントラストの高い画像が得られる。
液晶表示セル10は、当技術分野で周知の液晶材料から構成されるものを使用することができる。また、液晶材料の制御方法によって、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super−twisted nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Place−Switching)方式等に分類されるが、本実施形態では、いずれの制御方法を使用した液晶表示セルであってもよい。
偏光板20及び22としては、当技術分野で一般的な偏光板を使用することができる。偏光板の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、偏光板の片面に対して、又はその両面に対して実施されていてよい。また、タッチパネル30としては、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができる。
透明樹脂層31又は32は、例えば0.02mm〜3mmの厚さで形成することができる。特に、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物は、厚膜形成が容易であり、0.1mm以上の透明樹脂層31又は32を形成する場合に好適である。
透明保護基板40としては、一般的な光学用透明基板を使用することができる。透明保護基板としては、例えば、ガラス板、石英板等の無機物の板、アクリル板、ポリカーボネート板等の樹脂板、厚手のポリエステルシート等の樹脂シート等が挙げられる。これらの中でも、高い表面硬度が必要とされる場合には、ガラス板、アクリル板が好ましく、ガラス板がより好ましい。なお、透明保護基板40の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、透明保護基板の片面に対して、又は両面に対して実施されていてよい。また、透明保護基板は、複数枚の基板を組み合わせて使用することもできる。
バックライトシステム50としては、その構成に特に制限はないが、一般的には反射板等の反射手段とランプ等の照明手段とから構成される。これらの反射手段及び照明手段は、通常の画像表示用装置で適用される公知の手段・構成を適用することができる。
[画像表示用装置の製造方法]
本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を用いた、上記の図1、2に示されたような画像表示用装置は、以下の方法により製造することができる。
まず、図1に示されたような、画像表示ユニットと、保護パネルとを備える画像表示用装置は、画像表示ユニットと保護パネルとの間に、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を介在させる工程(以下、「工程(1a)」ともいう)と、当該保護パネル面側から光照射して液状硬化性樹脂組成物を硬化させ、透明樹脂層を形成する工程(以下、「工程(2a)」ともいう)とを経て製造することができる。
また、図2に示されたような、画像表示ユニットと、タッチパネルと、保護パネルとを備える画像表示用装置は、画像表示ユニットとタッチパネルとの間、及び/又は、タッチパネルと保護パネルとの間に、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を介在させる工程(以下、「工程(1b)」ともいう)と、保護パネル面側から光照射して液状硬化性樹脂組成物を硬化させ、透明樹脂層を形成する工程(以下、「工程(2b)」ともいう)とを経て製造することができる。
工程(1a)及び(1b)において、画像表示ユニットと保護パネルとの間等に、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を介在させる方法としては、例えば、ディスペンサーを用いて、画像表示ユニット又は保護パネル上に当該樹脂組成物を塗布した後に、真空(減圧)又は大気圧で貼合する方法、一定の間隔を開けて配置された画像表示ユニット及び保護パネルの間に、当該樹脂組成物を注型する方法等が挙げられる。なお、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を注型する際には、画像表示ユニット及び保護パネルの周囲にダムを形成してもよい。
工程(2a)及び(2b)における光照射は、紫外線、電子線、α線、β線等の活性エネルギー線を照射することで行われ、例えば、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、商品名「US5−X0401」)を用いて行うことができる。なお、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物は、露光量が1000mJ/cm以上で硬化物を得ることができ、露光量は2000〜10000mJ/cmが好ましい。なお、露光量とは、紫外線照射装置(オーク社製、商品名「UV−M02(受光器:UV−36)」)等で測定される照度に、照射時間(秒)を掛けた値をいう。
紫外線照射用の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ等が挙げられる。これらの中でも、高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましい。なお、光照射の際には、保護パネル面側からの照射と、側面から照射を併用してもよい。また、光照射と同時に硬化性樹脂組成物を含む積層体を加熱する等して、硬化を促進させることもできる。
以上のように、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を用いることにより製造することが可能な画像表示用装置の一つである液晶表示装置について説明したが、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を用いることにより製造することが可能な画像表示用装置はこれに限られない。例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ、3Dディスプレイ、電子ペーパー等に適用することも可能である。特に、画像表示用装置が10インチサイズ以上において、本実施形態の液状硬化性樹脂組成物を用いて透明樹脂層を作製することがより好適である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<アクリル樹脂(A)>
表1に示す主鎖を構成するモノマー成分を配合して、アクリル樹脂を合成した後、2−イソシアネートエチルメタクリレートを反応させて、側鎖にメタクリロイル基を有するアクリル樹脂(A1)〜(A2)を合成した。
<アクリル樹脂(D)>
表1に示す主鎖を構成するモノマー成分を配合して、アクリル樹脂系の可塑剤であるアクリル樹脂(D1)及び(D2)を合成した。
<アクリル樹脂(E)>
表1に示す主鎖を構成するモノマー成分を配合して、アクリル樹脂(E1)及び(E2)を合成した。(E1)は、炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレート由来の構造単位を有しないアクリル樹脂であり、(E2)は、メタクリロイル基を有しないアクリル樹脂である。
上記アクリル樹脂(A)、アクリル樹脂(D)及びアクリル樹脂(E)の合成は、溶液重合、塊状重合等の各種ラジカル重合などの公知の製造方法を適宜選択して行った。また、これらの樹脂のMwは、上述した方法で測定した結果を表1に示す。
Figure 2017122173
表1中、LAは、ラウリルアクリレート(大阪有機化学社製)、HEMAは、ヒドロキシエチルメタクリレート(和光純薬社製)、BAは、ブチルアクリレート(和光純薬社製)、ACMOは、アクリロイルモルホリン(興人社製)、MOIは、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工社製)を示す。
<実施例1〜4及び比較例1〜3>
表2に示す配合比(質量部)で各成分を配合し、90℃で30分間混合して、実施例1〜4及び比較例1〜3の液状硬化性樹脂組成物を調製した。
各実施例及び各比較例で得られた液状硬化性樹脂組成物及び硬化物について、以下に示す試験を行い、各特性を評価した。その結果を表2に示す。
(粘度)
E型粘度計(東機産業(株)製、商品名「RE−80L」、コーン角度3度)を用いて、回転数1.0rpmの条件にて、各実施例及び各比較例で調製した液状硬化性樹脂組成物の25℃における粘度(mPa・s)を測定した。
(誘電率)
表面が離型処理されたPETフィルム(ニッパ(株)製、商品名「KX−4」)に、各実施例及び各比較例で調製した液状硬化性樹脂組成物を滴下し、該樹脂組成物の硬化後の膜厚が1mmとなるように、もう一枚のPETフィルムを貼り合わせた。そして、一方のPETフィルム側から、紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)、商品名「US5−X0401」)を用いて、露光量6000mJ/cmの紫外線を照射して、樹脂組成物を硬化させ、硬化物を作製した。
次いで、PETフィルムを剥がし、硬化物を外径56mm、厚さ1.2mmの寸法の円形アルミ電極に貼合せた後、硬化物のもう一方の面に外径54mm、厚さ80μmの寸法の銅箔を貼合せ、誘電率測定用の試験片を作製した。次いで、試験片のほぼ中央部に端子を接触させて、誘電率測定装置(Agilent Technologies製、商品名「LCR meter E4980」)により、25℃、周波数100kHzの条件で静電容量(C)を測定し、次式に代入することで誘電率εを求めた。ここで、εは真空の誘電率、dは粘着層の厚さである。
C=ε×ε×(18mm×18mm)/d
(貯蔵弾性率及びtanδ)
上記硬化物を10mm×10mmに切り出し、レオメータ((株)アントンパール社製、商品名「MCR−301」)を用いて、1Hz、25℃の条件で、測定治具PP08を用いて貯蔵弾性率及び損失弾性率の測定を行った。また、貯蔵弾性率と損失弾性率との比(損失弾性率/貯蔵弾性率)から損失正接(tanδ)を算出した。
(硬化収縮率)
液状硬化性樹脂組成物をメスシリンダーの標線まで加えて重量を測り、液状硬化性樹脂組成物の比重を測定した。次に、紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)、商品名「US5−X0401」)を用いて、露光量6000mJ/cmの紫外線を照射して、液状硬化性樹脂組成物を硬化させ、10mm×10mm×1mmの硬化物を作製し、水中での重量を測り、液状硬化性樹脂組成物の硬化物の比重を測定した。これらの測定値を用い、以下の式により硬化収縮率を算出した。
硬化収縮率(%)=((硬化物の比重―樹脂組成物の比重)/硬化物の比重)×100
(密着力)
まず、スライドガラスS1112(松浪硝子工業(株)製)液状硬化性樹脂組成物をスライドガラスS1112(松浪硝子工業(株)製)を2枚用意した。次いで、図3に示すように、液状硬化性樹脂組成物をスライドガラス62に滴下した後、液状硬化性樹脂組成物が外径10mm、厚さ150μmとなるよう調整しながら、上面をスライドガラス64で覆い、紫外線照射装置(アイグラフィックス(株)製、商品名「US5−X0401」)を用いて、露光量6000mJ/cmの紫外線を照射して液状硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物60を形成し、図3に示した構造の試験片を作製した。
上記試験片について、AUTOGRAPH EZ−TEST EZ−S((株)島津製作所製)を用い、スライドガラス62を固定した状態でスライドガラス64を10mm/minの速度で引き上げ、せん断強度を測定した。そして、せん断強度を液状硬化性樹脂組成物の硬化物60の密着力とした。
Figure 2017122173
表2中、TPOは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製)を示し、1.6−HX−Aは、ヘキサンジオールジアクリレート(共栄社化学社製)を示す。
実施例1〜4の液状硬化性樹脂組成物は、硬化物の誘電率が低いため、タッチパネルを搭載する画像表示用装置に用いると、タッチパネルの誤作動を抑制でき、また、硬化物の貯蔵弾性率及び硬化収縮率が低く、tanδが高いため、表示ムラの発生を抑制することが可能である。
一方で、比較例1の液状硬化性樹脂組成物は、硬化物の貯蔵弾性率が高く、tanδが非常に低いので表示ムラが発生し易い。比較例2の液状硬化性樹脂組成物は、硬化物の誘電率が高いため、タッチパネルを搭載する画像表示用装置に用いると、タッチパネルが誤作動を起こし易い。比較例3の液状硬化性樹脂組成物は、硬化物の密着力が低く、樹脂層の剥離又は基材のズレが生じ易い。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた密着性を有し、誘電率、弾性率及び硬化収縮率が低く、tanδが高いため、画像表示用装置の構成部材として用いた場合の表示ムラの発生を抑制することができる。よって、本発明の液状硬化性樹脂組成物は、液晶表示装置等の画像表示用装置における、保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間を充填するための構成部材として好適に使用し得る。
1…画像表示ユニット、10…液晶表示セル、20,22…偏光板、30…タッチパネル、31,32…透明樹脂層、40…保護パネル、50…バックライトシステム、60…硬化物、62,64…スライドガラス。

Claims (8)

  1. 主鎖に炭素数10〜13の直鎖状アルキル基を有するアルキルアクリレートからなる群より選ばれた1種以上のモノマー由来の構造単位を有し、かつ、前記主鎖の側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイル基を有するアクリル樹脂(A)と、可塑剤(B)と、光重合開始剤(C)と、を含有する、液状硬化性樹脂組成物。
  2. 前記アクリル樹脂(A)が、主鎖に極性基含有モノマー由来の構造単位を更に有する、請求項1に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. 前記極性基含有モノマーが、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、窒素原子含有モノマー及びアセトアセトキシ基含有モノマーからなる群より選ばれる1種以上のモノマーである、請求項2に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  4. 実質的に有機溶媒を含有せず、25℃における粘度が500〜10000mPa・sである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  5. 反応性希釈剤として、(メタ)アクリロイル基と共重合可能なモノマーを更に含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状硬化性樹脂組成物。
  6. 画像表示ユニットと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に存在する樹脂層と、を含む積層構造を有する画像表示用装置であって、
    前記樹脂層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
  7. 画像表示ユニットと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に存在するタッチパネルと、前記タッチパネルと前記保護パネルとの間に存在する樹脂層と、を含む積層構造を有する画像表示用装置であって、
    前記樹脂層が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
  8. 画像表示ユニットと、保護パネルと、樹脂層とを備える画像表示用装置の製造方法であって、
    前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、
    前記保護パネル面側から光照射して前記液状硬化性樹脂組成物を硬化させて前記樹脂層を形成する工程と、
    を有する、画像表示用装置の製造方法。
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