JP6098116B2 - ゲル状硬化性樹脂組成物、画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法 - Google Patents
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Description
このような光の散乱を防止する方法として、特許文献1では、保護パネルと液晶パネルの間の空間に液状材料を充填する方法が、特許文献2では、アクリルモノマーを共重合してなるシートを保護パネルと液晶パネルとの間に介在させる方法がそれぞれ提案されている。
このようなディスプレイの割れの防止や光の散乱等を防止する方法として、特許文献3及び4では、保護パネルとプラズマ表示板や液晶パネル等の画像表示ユニットとの間の空間、保護パネルとタッチパネルとの間の空間、及びタッチパネルと画像表示ユニットとの間の空間(以下、まとめて「保護パネルと画像表示ユニット等との間の空間」ともいう。)に特定の樹脂からなる光学フィルムを介在させる方法が提案されている。
本発明は、上記問題を解決し、ダム材を形成せずとも漏出し難く、高温での信頼性に優れ、かつ所望の形状に成型できるゲル状硬化性樹脂組成物、このゲル状硬化性樹脂組成物を用いた画像表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、下記の〔1〕〜〔11〕を提供する。
〔1〕(A)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(B)オイルゲル化剤、及び(C)重合開始剤、を含有するゲル状硬化性樹脂組成物であって、(B)オイルゲル化剤の含有量が0.5〜5質量%である、ゲル状硬化性樹脂組成物。
〔2〕さらに、(D)可塑剤を含む、〔1〕に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔3〕(A)成分として、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体を含む、〔1〕又は〔2〕に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔4〕(A)成分の含有量が、前記ゲル状硬化性樹脂組成物の総量に対して、10〜90質量%である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔5〕(A)成分として、(A1)分子内にエチレン性不飽和結合を有する重合体、及び(A2)分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔6〕前記ゲル状硬化性樹脂組成物の総量中の(A2)成分の含有量が、0.5〜30質量%である、〔5〕に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔7〕オイルゲル化剤(B)が、12−ヒドロキシステアリン酸である、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
〔8〕画像表示部を有する画像表示ユニットと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、前記樹脂層が、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
〔9〕画像表示部を有する画像表示ユニットと、タッチパネルと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記タッチパネルとの間及び前記タッチパネルと前記保護パネルとの間の少なくとも一方に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、前記樹脂層の少なくとも1層が、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
〔10〕画像表示ユニットと保護パネルとを備える画像表示用装置の製造方法であって、前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、前記保護パネル面側からの光照射及び前記ゲル状硬化性樹脂組成物の加熱の少なくとも一方を実施することにより前記ゲル状硬化性樹脂組成物を硬化させる工程とを有する、画像表示用装置の製造方法。
〔11〕画像表示ユニットとタッチパネルと保護パネルとを備える画像表示用装置の製造方法であって、前記画像表示ユニットと前記タッチパネルとの間及び/又は前記タッチパネルと前記保護パネルとの間に〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のゲル状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、前記保護パネル面側からの光照射及び前記ゲル状硬化性樹脂組成物の加熱の少なくとも一方を実施することにより前記ゲル状硬化性樹脂組成物を硬化させる工程とを有する、画像表示用装置の製造方法。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
また、本明細書における「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」の一方又は双方を意味する。同様に「(メタ)アクリルアミド」とは、「アクリルアミド」及びそれに対応する「メタクリルアミド」の一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」及びそれに対応する「メタクリロイル基」の一方又は双方を意味する。
また、本明細書において、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値であり、具体的には実施例に記載の方法により測定した値である。また、数平均分子量、重量平均分子量及び分散度は、以下のように定義される。ここで、Miは分子量であり、Niは分子量Miの分子のモル数である。
(a)数平均分子量(Mn)
Mn=Σ(NiMi)/ΣNi=ΣXiMi
(Xi=分子量Miの分子のモル分率=Ni/ΣNi)
(b)重量平均分子量(Mw)
Mw=Σ(NiMi 2)/ΣNiMi=ΣWiMi
(Wi=分子量Miの分子の重量分率=NiMi/ΣNiMi)
(c)分散度(分子量分布)
分散度=Mw/Mn
本発明のゲル状硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、(A)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、(B)オイルゲル化剤、及び(C)重合開始剤、を含有するゲル状硬化性樹脂組成物であって、(B)オイルゲル化剤の含有量が0.4〜5質量%である、ゲル状硬化性樹脂組成物である。また、本発明の液状ゲル状硬化性樹脂組成物は、更に(C)可塑剤を含むことが好ましく、必要に応じて、安定剤、チオール化合物等のその他の添加剤を含有することができる。
なお、本発明において、(A)(メタ)アクリロイル基を有する化合物を(A)成分といい、(B)オイルゲル化剤を(B)成分といい、(C)重合開始剤を(C)成分といい、(D)可塑剤を(D)成分ということがある。
なお、本発明に係るゲル状硬化性樹脂組成物において、「ゲル状」とは、(B)オイルゲル化剤を含有することにより、含有しない場合と比べてゲル化(高弾性化)していることを意味する。本発明のゲル状硬化性樹脂組成物は、25℃の室温で物理ゲル状であることが好ましい。
次に、各成分について説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)成分として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含有する。
(A)成分の含有量は、樹脂組成物を硬化してなる硬化物の硬化性の向上かつ他の成分による効果の発現の観点から、樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.5〜90質量%、より好ましくは1〜90質量%、更に好ましくは1〜70質量%、より更に好ましくは2〜60質量%である。
以下、(A1)成分、(A2)成分について説明する。
(A1)成分である分子内にエチレン性不飽和結合を有する重合体としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有するポリエステルオリゴマー、(メタ)アクリロイル基を有するウレタン重合体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体、及び(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体の少なくとも1種等が挙げられる。
これらの中でも、透明性、耐黄変性、及び種々の特性のバランスの観点から、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体及び(メタ)アクリロイル基を有するブタジエン重合体の少なくとも1種が好ましい。
pは、50〜1000であるが、好ましくは100〜800、より好ましくは150〜700、更に好ましくは200〜600である。
qは、1〜5であるが、好ましくは1.5〜4.0、より好ましくは2.0〜3.5、更に好ましくは2.0〜3.0である。
上記一般式(1)で表される化合物の市販品としては、UC−102、UC−203(共に製品名、株式会社クラレ製)等が挙げられる。
なお、「官能基数」とは(A1)成分の1分子中の官能基((メタ)アクリロイル基)の数を示し、「平均官能基数」とは、(A1)成分全体における分子当りの官能基数の平均値を示す。
(A1)成分の含有量が10質量%以上であれば、樹脂組成物の硬化性を向上させることができると共に、硬化物の耐湿熱信頼性を良好とすることができる。一方、(A1)成分の含有量が60質量%以下であれば、硬化収縮率が良好となると共に、硬化物の弾性率が大きくなり過ぎないため好ましい。
(A2)成分である分子内に1個のエチレン性不飽和基を有する単量体としては、常温(25℃)で液状であることが好ましく、下記一般式(3)で表されるアルキル(メタ)アクリレート(以下、「(A2−1)成分」ともいう)、並びに、分子内に(メタ)アクリロイル基を有しかつ水酸基、エーテル結合及びアミド基の少なくとも1つを有する化合物(以下、「(A2−2)成分」ともいう)の一方又は双方がより好ましく、(A2−2)成分が更に好ましい。
上記一般式(2)で表されるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
分子内に(メタ)アクリロイル基を有しかつ水酸基、エーテル結合及びアミド基の少なくとも1つを有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有(メタ)アクリルアミド;ジエチレングリコールやトリエチレングリコール等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールやトリプロピレングリコール等のポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート;ジブチレングリコールやトリブチレングリコール等のポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;アクリロイルモルホリン等のモルホリン基含有(メタ)アクリレート;ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド(イソボルニルアクリレート)等の(メタ)アクリルアミド;ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート等のエーテル結合含有(メタ)アクリレート;ノナンジオールジアクリレート等のエステル結合含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、耐湿熱信頼性及び塗布時の作業性の観点から、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート及びノナンジオールジアクリレートの1種又は2種が好ましい。
(A2)成分の含有量が0.5質量%以上であれば、適度な粘度を有する樹脂組成物とすることができ、塗布時の作業性を良好とすることができると共に、硬化収縮率を低くすることができる。また、得られる樹脂組成物の遮光部における硬化性を良好とすることができると共に、硬化物の透明性を向上させることができる。
(A2)成分の含有量が30質量%以下であれば、硬化収縮率、弾性率が高くなりすぎることを抑えることができ、画像表示用装置に用いた場合に、表示ムラの発生を抑制することができる。
前記(B)オイルゲル化剤(以下、「(B)成分」ということがある。)としては、ヒドロキシステアリン酸特に12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシ脂肪酸、n−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,β−ジブチルアミド、ジ−p−メチルベンジリデンソルビトールグルシトール、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−O−(4−メチルベンジリデン)−D−ソルビトール、ビス(2−エチルヘキサノアト)ヒドロキシアルミニウム、下記一般式(3)〜(14)で表わされる化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、12−ヒドロキシステアリン酸が好ましい。
一般式(4)中、R2は炭素数1〜20の飽和炭化水素基、Y1は結合手又はベンゼン環である。
一般式(5)中、R3は炭素数1〜20の飽和炭化水素基、Y2は結合手又はベンゼン環である。
一般式(6)中、R4は炭素数1〜20の飽和炭化水素基である。
一般式(8)中、R5及びR6は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の飽和炭化水素基である。
一般式(9)中、R7は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基である。
一般式(10)中、R8は、炭素数1〜20の飽和炭化水素基である。
一般式(12)中、R9及びR10は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の飽和炭化水素基である。
(B)オイルゲル化剤の含有量は、樹脂組成物全量に対して、0.4〜5質量%である。0.4質量%以上であると、十分にゲル化することができ、5質量%以下であると、相対的に光重合性官能基を有する化合物(A)の含有量が多くなり、十分に硬化することができる。この観点から、0.5〜5質量%であることが好ましく、0.7〜5質量%であることがより好ましい。
(C)成分の重合開始剤は、紫外線、電子線、α線、β線等の活性エネルギー線の照射によりラジカルを発生させ、樹脂組成物の硬化反応を促進させる重合開始剤の一種であることが好ましい。
(C)成分である重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン系化合物;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系化合物など挙げられる。これらの中でも特に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン又は2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
(C)成分の含有量は、樹脂組成物の総量に対して、0.1〜5.0質量%であるが、上記観点から、好ましくは0.2〜3.0質量%、より好ましくは0.25〜2.5質量%、更に好ましくは0.3〜2.0質量%である。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジアセチルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ系化合物等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は(D)成分として可塑剤を含んでもよい。
本発明で(D)成分として用いる可塑剤は、実質的に(メタ)アクリロイル基を有さない25℃で液状の成分であることを意味する。
(D)成分の数平均分子量は、樹脂組成物の粘度の調整の観点、及び揮発性、作業性の観点から、好ましくは350〜30000、より好ましくは400〜10000、更に好ましくは1500〜9000である。
ポリブテン等のポリα−オレフィン、水添ポリブテン等の水添α−オレフィンオリゴマー、アタクチックポリプロピレン等のポリビニル系オリゴマー;
ビフェニル、トリフェニル等の芳香族系オリゴマー;
水添液状ポリブタジエン等の水添ポリエン系オリゴマー;
パラフィン油、塩化パラフィン油等のパラフィン系オリゴマー;
ナフテン油等のシクロパラフィン系オリゴマー;
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジ(ヘプチル,ノニル,ウンデシル)フタレート、ベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジノニルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸誘導体;
ジメチルイソフタレート、ジ−(2−エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等のイソフタル酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ−n−オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸誘導体;
ジ−n−ブチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸誘導体;
ジ−(2−エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート、ジ−n−ヘキシルアゼレート等のアゼライン酸誘導体;
ジ−n−ブチルセバケート、ジ−(2−エチルヘキシル)セバケート等のセバシン酸誘導体;
ジ−n−ブチルマレート、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)マレート等のマレイン酸誘導体;
ジ−n−ブチルフマレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレート等のフマル酸誘導体;
トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリ−n−ヘキシルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート等のトリメリット酸誘導体;
テトラ−(2−エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット酸誘導体;
トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−(2−エチルヘキシル)シトレート等のクエン酸誘導体;
モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ−(2−エチルヘキシル)イタコネート等のイタコン酸誘導体;
ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート等のオレイン酸誘導体;
メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸誘導体;
n−ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート等のステアリン酸誘導体;
ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のその他の脂肪酸誘導体;
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート等のリン酸誘導体;
ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−(2−エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ−(2−エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレート等のグリコール誘導体;
グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート等のグリセリン誘導体、エポキシ化大豆油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシル等のエポキシ誘導体;25℃で液状のアクリル樹脂等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ブタジエン重合体は、硬化収縮率及び誘電率が低い点で好ましい。
前記25℃で液状のアクリル樹脂としては、アルキル基の炭素数が4〜18のアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位を含むアクリル樹脂が好ましい。また、アルキル基の炭素数が4〜18のアルキル(メタ)アクリレート由来の構成単位、並びに、スチレン若しくはベンジル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル樹脂がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、更にその他の添加剤を配合することができる。
その他の添加剤としては、亜燐酸トリフェニル等の安定剤、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール化合物等が挙げられる。
ここで「実質的に有機溶媒を含有しない」とは、意図的に有機溶媒を添加しないという意味であり、本発明の樹脂組成物の硬化後の特性を著しく低下させない程度であれば、微量の有機溶媒が存在していてもよい。
具体的には、樹脂組成物中の有機溶媒の含有量が、樹脂組成物の総量に対して、1000ppm以下であればよく、好ましくは500ppm以下、より好ましくは100ppm以下、更に好ましくは有機溶媒を全く含有しない。
なお、本発明において「有機溶媒」とは、(メタ)アクリロイル基を有さず、25℃において液状であり、且つ、大気圧における沸点が250℃以下の有機化合物を意味する。
なお、本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物中における(A)〜(D)成分の合計量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは99質量%以上であり、更に好ましくは100質量%である。
本発明の樹脂組成物の25℃における粘度は、ブリードアウトの抑制及び作業性の観点から、好ましくは500〜5000mPa・s、より好ましくは1000〜4700mPa・s、更に好ましくは2200〜4000mPa・sである。
なお、ここでいう25℃における粘度は、JIS Z 8803に基づいて測定した値であり、具体的には、B型粘度計(東機産業製、BL2)により測定した値を意味する。
なお、粘度計の校正は、JIS Z 8809−JS14000に基づいて行うことができる。
本発明の樹脂組成物の硬化収縮率は、画像表示用装置の構成部材として使用した場合に、保護パネル、画像表示ユニット等の基板の反りをさらに高度に抑制する観点から、好ましくは3.0%未満、より好ましくは1.5%未満である。硬化収縮率が3.0%未満である場合、表示ムラの発生の原因ともなり得る、基板の反りを十分に抑制することができる。
また、本発明のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化物の弾性率は、加熱したときに硬化物から液状物が分離したり、垂れ落ちたりしない程度であれば弾性率の下限値に限りはないが、好ましくは1000Pa以上である。
なお、本発明において、樹脂組成物の硬化物の弾性率は、膜厚t=1mm、10mm幅の硬化物を、チャック間距離25mmでオートグラフ(島津製作所社製、製品名「EZ Test」)を用いて、25℃で測定した引張り弾性率の値を意味する。
以下、本発明のゲル状硬化性樹脂組成物を用いて製造することが可能な画像表示用装置の一例である液晶表示装置について説明する。
図1は、本発明の画像表示用装置の一例である液晶表示装置の一実施形態を模式的に示す側面断面図である。図1に示す液晶表示装置は、バックライトシステム50、偏光板22、液晶表示セル10及び偏光板20がこの順で積層されてなる画像表示ユニット1と、液晶表示装置の視認側となる偏光板20の上面に設けられた透明樹脂層32と、その表面に設けられた透明保護基板(保護パネル)40とから構成される。なお、透明樹脂層32は、本発明のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化体から構成される。
偏光板の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、偏光板の片面に対して、又はその両面に対して実施されていてよい。
また、タッチパネル30としては、当技術分野で一般的に用いられているものを使用することができる。
透明保護基板としては、例えば、ガラス板、石英板等の無機物の板、アクリル板、ポリカーボネート板等の樹脂板、厚手のポリエステルシート等の樹脂シート等が挙げられる。
これらの中でも、高い表面硬度が必要とされる場合には、ガラス板、アクリル板が好ましく、ガラス板がより好ましい。
なお、透明保護基板40の表面には、反射防止、防汚、ハードコート等の処理がなされていてもよい。そのような表面処理は、透明保護基板の片面に対して、又は両面に対して実施されていてよい。また、透明保護基板は、複数枚の基板を組み合わせて使用することもできる。
本発明のゲル状硬化性樹脂組成物を用いた、上記の図1、2に示されたような画像表示用装置は、以下の方法により製造することができる。
まず、図1に示されたような、画像表示ユニットと、保護パネルと、を備える画像表示用装置は、画像表示ユニットと保護パネルとの間に、本発明のゲル状硬化性樹脂組成物を介在させる工程(以下、「工程(1a)」ともいう)と、当該保護パネル面側からの光照射及び前記ゲル状硬化性樹脂組成物の加熱の少なくとも一方を実施することによりゲル状硬化性樹脂組成物を硬化させ、透明樹脂層を形成する工程(以下、「工程(2a)」ともいう)とを経て製造することができる。
なお、本発明の樹脂組成物を注型する際には、画像表示ユニット及び保護パネルの周囲にダムを形成してもよい。
なお、露光量とは、紫外線照射装置(オーク社製、製品名「UV−M02(受光器:UV−36)」)等で測定される照度に、照射時間(秒)を掛けた値をいう。
紫外線照射用の光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプ等が挙げられる。これらの中でも、高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましい。
なお、光照射の際には、保護パネル面側からの照射と、側面から照射を併用してもよい。また、光照射と同時に樹脂組成物を含む積層体を加熱する等して、硬化を促進させることもできる。
例えば、プラズマディスプレイ(PDP)、陰極線管(CRT)、電界放出ディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ、3Dディスプレイ、電子ペーパー等に適用することも可能である。
特に、画像表示用装置が10インチサイズ以上において、本発明のゲル状硬化性樹脂組成物を用いて透明樹脂層を作製することがより好適である。
また、以下の実施例において使用した化合物の数平均分子量(Mn)は、以下の方法に基づいて測定した値である。
〔数平均分子量(Mn)の測定法〕
テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトフラフィー(GPC)を使用して行い、ポリスチレンを標準物質として検量線を作成して決定した。
検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuickMP−H, PStQuick B[東ソー(株)製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HCL−8320GPC(検出器:示差屈折計又はUV)
(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35ml/分
試料濃度:10mg/THF5ml
注入量:20μl
表1に示す配合比で、(A)〜(D)成分を配合し、90℃で30分間加熱攪拌混合して、実施例1〜14のゲル状硬化性樹脂組成物を調製した。なお表1中の、(A)〜(D)成分についての数値の単位は質量部である。
なお、表1中に示した各成分のうち、(A)成分、(B)成分及び(D)成分の詳細は以下のとおりである。
「(メタ)アクリロイル基を有する化合物」
・FA−129AS:ノナンジオールジアクリレート、日立化成工業(株)製、商品名
・FA−512AS:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、日立化成工業(株)製、商品名
・UC−102:一般式(1)の化合物、株式会社クラレ製、平均官能基数=2、数平均分子量17,000、商品名
・ポリブタジエン1
冷却管、温度計、攪拌装置、滴下漏斗及び空気注入管を備える反応容器内に、α,ω−ポリブタジエングリコール(日本曹達株式会社製 商品名「ポリブタジエングリコールG−3000」、〔1,2−構造単位/1,4構造単位〕の含有割合=90/10、水酸基価=27mgKOH/g)を978.2質量部、重合禁止剤として、p−メトキシフェノールを0.5質量部、及び触媒として、ジブチル錫ジラウレート(東京ファインケミカル株式会社製、商品名「L101」)を0.05質量部添加した。そして、反応容器内に空気を流しながら70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつ、2−イソシアナトエチルメタクリレート(昭和電工(株)製 商品名「カレンズMOI」)20.3質量部を1時間かけて均一に滴下し、反応を行った。
滴下終了後、5時間反応させたところで、IR(赤外吸収分析)測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、末端にメタクリロイル基を有するポリブタジエンメタクリレート(重量平均分子量7,700)を得た。このポリブタジエンメタクリレートの1分子あたりのメタクリロイル基の平均値(平均官能基数)は0.5(仕込み量からの計算値)であった。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して行い、下記の装置及び測定条件を用いて標準ポリスチレンの検量線を使用して換算することによって決定した値である。検量線の作成にあたっては、標準ポリスチレンとして5サンプルセット(PStQuick MP−H, PStQuick B[東ソー(株)製、商品名])を用いた。
装置:高速GPC装置 HCL−8320GPC(検出器:示差屈折計又はUV)
(東ソー(株)製、商品名)
使用溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
カラム:カラムTSKGEL SuperMultipore HZ−H
(東ソー(株)製、商品名)
カラムサイズ:カラム長が15cm、カラム内径が4.6mm
測定温度:40℃
流量:0.35ml/分
試料濃度:10mg/THF5ml
注入量:20μl
「オイルゲル化剤」
・HSA:和光純薬株式会社製、12−ヒドロキシステアリン酸
「重合開始剤」
・i−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASFジャパン株式会社製
・TPO :2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、LAMBSON社製、商品名:SPEEDCURE TPO
「可塑剤」
・ベンジル/ラウリル共重合体
スクリュー管にベンジルアクリレート(日立化成工業株式会社製、「FA-BZA」)4g、ラウリルアクリレート(日立化成工業株式会社製、「FA-112A」)6g、n−オクチルメルカプタン(和光純薬工業株式会社製)0.15g及びパーブチルO(日油株式会社)0.05gを入れ、攪拌後に80℃の水バスに入れ、4時間加熱した。次いで、100℃のオーブンで1時間加温し、25℃で液状のアクリル樹脂(D)(数平均分子量2000)を得た。
・スチレン/ラウリル共重合体
25℃で液状のアクリル樹脂(D)を、次の操作により製造した。
スクリュー管にスチレン(和光純薬工業株式会社製)4g、ラウリルアクリレート(日立化成工業株式会社製、「FA-112A」)6g、n−オクチルメルカプタン(和光純薬工業株式会社製)0.15g及びパーブチルO(日油株式会社)0.05gを入れ、攪拌後に80℃の水バスに入れ、4時間加熱した。次いで、100℃のオーブンで1時間加温し、25℃で液状のアクリル樹脂(D)(数平均分子量2000)を得た。
・LBR−307:株式会社クラレ製、製品名。数平均分子量(Mn)=8000。
・Polyvest110:エボニック デグサ ジャパン株式会社、 製品名。Mn=2900
・RICON−130:一般式(15)の化合物、CRAY VALLEY社製、商品名
2mlのスクリュー管に下記表1の配合にて調製したゲル状硬化性樹脂組成物を加え、100℃のオーブン中(送風定温恒温器 DN−400、ヤマト科学(株)製)でオイルゲル化剤が溶解するまで放置した。次いで、自公転ミキサーARE−250((株)THINKY製)で2000rpm、20秒間の条件で溶液を素早く均一にし、25℃で30分間放置した。その後、スクリュー管を約60度傾けて3分間放置し、自己組織化性を評価した。
(評価基準)
4:樹脂組成物が流動せず、形状維持する
3:樹脂組成物の全体がゲル状態を保っているが、流動性が若干ある
2:樹脂組成物がゲル状態と液状態に分離する
1:樹脂組成物の全てが液状で流動性がある
2mlのスクリュー管に樹脂組成物2gを加え、100℃のオーブン中(送風定温恒温器 DN−400、ヤマト科学(株)製)でオイルゲル化剤が溶解するまで放置した。次いで、自公転ミキサーARE−250((株)THINKY製)で2000rpm、20秒間の条件で溶液を素早く均一にし、25℃で30分間放置した。そのスクリュー管の内容物の透明性を評価した。
(評価基準)
4: 蛍光灯に透かしても濁りが見られない
3: 蛍光灯に透かすと濁っていることがわかる
2: うっすらと濁っている
1: 観察側から見てその反対側がはっきり見えない程度に濁っている
58mm×86mm×0.7mm(厚さ)のガラス基板Aと、当該ガラス基板Aの表面の外周部に沿って厚さ60μmになるように枠状に印刷することにより表面に段差部が形成されたガラス基板B(段差60μm)とを用意した。なお、このガラス板Bの枠状の印刷部は、ガラス基板A及びBと同一の外寸法を有し、内寸法45mm×68mmの開口部を有する。
上記ガラス基板Aの表面に、5mlのシリンジに封入したゲル状硬化性樹脂組成物を塗布した。
次いで、このガラス基板Aのうちゲル状硬化性樹脂組成物の塗布面に、上記ガラス板Bの段差部を有する面を対面させ、ゲル状硬化性樹脂組成物をこれらガラス板A及びBで挟み込むように貼合機を用いて貼り合わせた。
上記ガラス基板を、情報入力装置又は画像表示ユニットの代用として用いて、埋め込み性の評価を行った。
(評価基準)
○:樹脂組成物が、段差部に空隙なく且つ漏出なく埋め込める
×:樹脂組成物がガラス基板上から周囲に流出する
枠形状を有し、枠内の空間の寸法が20mm×20mm×0.3mm(厚さ)であるスペーサを、100mm×100mm×30mm(厚さ)のガラス基板の中央上に形成した。次いで、このスペーサの空間内に、100℃のオーブン中(送風定温恒温器 DN−400、ヤマト科学(株)製)でオイルゲル化剤が溶解するまで放置した樹脂組成物をその液位がスペーサ上面に達するまで流し込んだあと、この樹脂組成物の上面に25mm×25mm×0.7mm(厚み)のガラス基盤を張り合わせた。その後、25℃で30分放置したあとスペーサをガラス基板から外すことにより、ガラス基板と、その上に形成された20mm×20mm×0.3mm(厚さ)のゲル状硬化性樹脂組成物と、その上に形成されたガラス基盤とからなる積層体を得た。得られた積層体のガラス基盤上に、ゲル状硬化性樹脂組成物の中心に位置するようにして50gの重りを1分間乗せた後、ゲル状硬化性樹脂組成物の端部が水平方向にどれだけ移動したかを観察し、はみ出し性を評価した。なお、○及び△は、はみ出しが実用上問題ないレベルである。
(評価基準)
○:端部の移動距離が0mm以上から1mm未満
△:端部の移動距離が1mm以上から3mm未満
×:端部の移動距離が3mm以上
枠形状を有し、枠内の空間の寸法が20mm×20mm×0.3mm(厚さ)であるスペーサを、100mm×100mm×30mm(厚さ)のガラス基板の中央上に形成した。次いで、このスペーサの空間内に、100℃のオーブン中(送風定温恒温器 DN−400、ヤマト科学(株)製)でオイルゲル化剤が溶解するまで放置した樹脂組成物をその液位がスペーサ上面に達するまで流し込んだあと、この樹脂組成物の上面に25mm×25mm×0.7mm(厚み)のガラス基盤を張り合わせた。その後、UV硬化し(1000mJ/cm2)スペーサをガラス基板から外すことにより、ガラス基板と、その上に形成された20mm×20mm×0.3mm(厚さ)のゲル状硬化性樹脂組成物と、その上に形成されたガラス基盤とからなる積層体を得た。得られた積層体のガラス基盤上に、ゲル状硬化性樹脂組成物の中心に位置するようにして50gの重りを乗せた後、60℃のオーブンに60分間静置し、ゲル状硬化性樹脂組成物の端部が水平方向にどれだけ移動したかを観察し、はみ出し性を評価した。なお、○及び△は、はみ出しが実用上問題ないレベルである。
(評価基準)
○:端部の移動距離が0mm以上から1mm未満
△:端部の移動距離が1mm以上から3mm未満
×:端部の移動距離が3mm以上
10 液晶表示セル
20、22 偏光板
30 タッチパネル
31、32 樹脂層
40 保護パネル
50 バックライトシステム
Claims (10)
- (A)(メタ)アクリロイル基を有する化合物、
(B)オイルゲル化剤、及び
(C)重合開始剤、
を含有するゲル状硬化性樹脂組成物であって、
(B)オイルゲル化剤の含有量が0.4〜5質量%であり、
(A)成分として、(メタ)アクリロイル基を有するイソプレン重合体を含む、ゲル状硬化性樹脂組成物。 - さらに、(D)可塑剤を含む、請求項1に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
- (A)成分の含有量が、前記ゲル状硬化性樹脂組成物の総量に対して、1〜90質量%である、請求項1又は2に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
- (A)成分として、(A1)分子内にエチレン性不飽和結合を有する重合体、及び(A2)分子内に1個のエチレン性不飽和結合を有する単量体を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
- 前記ゲル状硬化性樹脂組成物の総量中の(A2)成分の含有量が、0.5〜30質量%である、請求項4に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
- オイルゲル化剤(B)が、12−ヒドロキシステアリン酸である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物。
- 画像表示部を有する画像表示ユニットと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、 前記樹脂層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。
- 画像表示部を有する画像表示ユニットと、タッチパネルと、保護パネルと、前記画像表示ユニットと前記タッチパネルとの間及び前記タッチパネルと前記保護パネルとの間の少なくとも一方に存在する樹脂層とを含む積層構造を有する画像表示用装置であって、
前記樹脂層の少なくとも1層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物の硬化物よりなる、画像表示用装置。 - 画像表示ユニットと保護パネルとを備える画像表示用装置の製造方法であって、
前記画像表示ユニットと前記保護パネルとの間に請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、
前記保護パネル面側からの光照射及び前記ゲル状硬化性樹脂組成物の加熱の少なくとも一方を実施することにより前記ゲル状硬化性樹脂組成物を硬化させる工程とを有する、画像表示用装置の製造方法。 - 画像表示ユニットとタッチパネルと保護パネルとを備える画像表示用装置の製造方法であって、前記画像表示ユニットと前記タッチパネルとの間及び/又は前記タッチパネルと前記保護パネルとの間に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲル状硬化性樹脂組成物を介在させる工程と、前記保護パネル面側からの光照射及び前記ゲル状硬化性樹脂組成物の加熱の少なくとも一方を実施することにより前記ゲル状硬化性樹脂組成物を硬化させる工程とを有する、画像表示用装置の製造方法。
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