JP2013203883A - 基材剥離方法、及びそれを用いた光学モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学モジュール等の積層体の貼合におけるリワークを容易に行なうことができ、基材の廃棄ロスを低減して歩留りを大幅に向上できる基材剥離方法等を提供する。
【解決手段】本発明の基材剥離方法は、粘着層10を挟んで両面に基材11、12が積層されている積層体1を、界面活性剤を含有する剥離水溶液に浸漬する工程と、この剥離水溶液中で泡を発生する工程と、両工程の後に、積層体1から基材11、12同士を剥離する工程とを含む。泡の発生は、発泡剤の投入によってもよいし、超音波の振動によってもよい。また、これらの両方であってもよい。上記基材剥離方法を光学モジュールの製造方法に適用する場合、光学部材同士の貼合せを再度やり直すリワーク工程で用いることが好ましく、上記基材剥離方法の使用後に、基材11、12表面に残存する粘着層10を除去する洗浄処理を行うことがより好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材を積層してなる光学モジュールを組み込んだディスプレイ等の製造工程において好適に用いられる基材剥離方法、及びそれを用いた光学モジュールの製造方法に関する。
タッチパネルモジュールを始めとするディスプレイモジュールは各種フィルム、ガラスの積層構造にて構成されており、ガラスとガラス、フィルムとガラス、フィルムとフィルムの貼り合わせには光学粘着テープ(以下「OCA」という。)がよく用いられている。
ところで、各種フィルム、ガラスを貼り合わせる際、粘着層に気泡が入ったり、貼り合わせの位置にズレが生じたりすること等の不具合が生じる場合がある。各種フィルム、ガラスは高価であるため、貼り合わせの際に不具合が生じた場合、これらを廃棄することはせず、一方の各種フィルム、ガラスを他方の各種フィルム、ガラスから剥がすこと(以下「リワーク」という。)が行われる。
粘着層に接する層のうち一方がフィルムである場合、少なくとも一方は軟質体であるため、軟質体を屈曲させて引っ張ることにより、もう一方の部材からリワークできる。しかしながら、粘着層に接する層の両方がガラスである場合、両方が硬質体であるため、この硬質体を屈曲させて引っ張ることが難しい。そのため、リワーク作業が著しく困難となり、不具合が生じた積層体を廃棄せざるを得なくなる。
このような問題を改善するため、温水に浸漬することで膨張する熱膨張性樹脂粒子を、粘着層を構成する粘着剤組成物に含めることが提案されている(特許文献1参照)。また、石鹸水又はオレイン酸ナトリウム水溶液等の脂肪酸アルカリ塩、水、脂肪酸アルカリ塩水溶液、リモネン及び非イオン界面活性剤を含有する粘着物剥離用液状組成物が提案されている(特許文献2参照)。
特開平11−228921号公報 特開平4−33985号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、熱膨張性樹脂粒子を粘着層中に含有させる。このため、粘着層自体の特性である、粘着力や光学特性等に影響を低下させる恐れがある。
また、特許文献2に記載の液状組成物は、ガム等の異物である付着物を表面から剥がすための剥離剤であり、剥離液は異物全面に塗布することができ、これによって容易に表面に浸透して剥離可能となる。しかしながら、上記のように粘着層を介して両面に基材がある積層体においては、端面からしか剥離液が浸透せず、剥離が非常に困難であり、これに対応する剥離方法が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来公知のOCAを介してガラスのような硬質体同士を貼り合わせた場合であっても、光学モジュール等の積層体の貼合せ工程におけるリワークを容易に行なうことができ、基材の廃棄ロスを低減して歩留りを大幅に向上できる基材剥離方法、及びそれを用いた光学モジュールの製造方法を提供することである。
本発明者らは、界面活性剤を含有する剥離水溶液中に浸漬する工程と、剥離を容易にするための剥離補助手段を併用することにより、短時間で確実に基材同士の剥離が可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、粘着層を挟んで両面に基材が積層されている積層体を、界面活性剤を含有する剥離水溶液に浸漬する工程と、前記剥離水溶液中で泡を発生する工程と、両工程の後に、前記積層体から前記基材同士を剥離する工程とを含む、基材剥離方法である。
(2)また、本発明は、前記剥離水溶液中で泡を発生する工程が前記剥離水溶液に発泡剤を投入する工程である、(1)に記載の基材剥離方法である。
(3)また、本発明は、前記剥離水溶液中で泡を発生する工程が超音波の振動によって泡を発生させる工程である、(1)又は(2)に記載の基材剥離方法である。
(4)また、本発明は、複数の光学部材同士の積層を、粘着層を介して行うモジュール化工程を備える光学モジュールの製造方法であって、前記モジュール化工程において、(1)から(3)のいずれかに記載の基材剥離方法を、前記光学部材同士の貼合せを再度やり直すリワーク工程中で使用する光学モジュールの製造方法である。
(5)また、本発明は、前記リワーク工程において、前記基材剥離方法の使用後に、基材表面に残存する前記粘着層を除去する洗浄処理を行う(4)に記載の光学モジュールの製造方法である。
本発明によれば、光学モジュール等の積層体の貼合せ工程におけるリワークを容易に行なうことができ、基材の廃棄ロスを低減して歩留りを大幅に向上できる。
本発明の基材剥離方法の適用対象である積層体の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明に係る基材剥離方法、剥離液、及び光学モジュールの製造方法について説明する。
<積層体>
図1に、本発明の基材剥離方法の適用対象である積層体の一例を示す。この積層体1は、粘着層10を介して、その両面に基材11、12が配置されている。すなわち、板状又はシート状の基材11、12の間に粘着層10が挟まれて形成されている構成である。
[粘着層]
粘着層10は従来公知の粘着組成物からなる粘着層を用いることができ特に限定されない。積層体1を光学部材として用いる場合には、粘着層10としては粘着力、光学特性等の観点から、アクリル系粘着組成物、ウレタン系粘着組成物、シリコーン系粘着組成物、ポリエステル系粘着組成物が好ましく、特にアクリル系粘着組成物からなる粘着層が好ましい。
粘着層がアクリル系粘着組成物からなる場合、主剤樹脂としては、例えば、アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリルアミド等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記アクリル酸エステルの中でも、アクリル酸−n−ブチル及びアクリル酸−2−エチルヘキシルが、耐熱性、耐湿熱性、耐久性、透明性に優れる点において好ましい。他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ヒドロキシルエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチル、アクリル酸プロピレングリコール、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸−tert−ブチルアミノエチル、メタクリル酸−n−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着層がアクリル系粘着組成物からなる場合、粘着組成物は、主剤樹脂と硬化剤とを含有する熱硬化性粘着組成物であってもよいし、主剤樹脂とエネルギー線重合性モノマー又はオリゴマーとを含有するエネルギー線硬化性粘着組成物であってもよい。エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられるが、硬化速度、照射装置の入手容易さ、価格等の観点において、紫外線照射による硬化が好ましい。
粘着組成物が熱硬化性である場合、粘着組成物は硬化剤を含有する。硬化剤として、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤が広く用いられる。イソシアネート系硬化剤として、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、該ウレタンプレポリマーの3量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。エポキシ系硬化剤として、例えば、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂;エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン及び1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
粘着組成物がエネルギー線硬化性である場合、粘着組成物はエネルギー線重合性モノマー又はオリゴマーを含有する。エネルギー線重合性モノマー又はオリゴマーは、エネルギー線の照射により重合し得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合性のモノマー又はオリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができるからである。
光ラジカル重合性のモノマーとして、例えば、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)アクリル酸トリメチロールメタン、(メタ)アクリル酸トリメチロールエタン、(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸テトラメチロール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、ペンタ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等が挙げられる。光ラジカル重合性のオリゴマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ポリウレタン、(メタ)アクリル酸ポリエステル、(メタ)アクリル酸ポリオール、(メタ)アクリル酸ポリエーテル等が挙げられる。
粘着組成物がエネルギー線硬化性である場合、エネルギー線重合性モノマー又はオリゴマーの感応性を高めエネルギー線による重合硬化時間やエネルギー線照射量を低減するため、粘着組成物が重合開始剤を含有することが好ましい。
その他、必要に応じて、可塑剤、金属キレート剤、シランカップリング剤、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等を添加してもよい。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、粘着層に求められる性能に応じて、適宜選択される。
なお、本発明においては、後述する剥離水溶液と剥離補助手段の併用によって剥離が可能となることから、リワーク性を高める目的で粘着層10自体に特殊な剤を配合する必要はない。
[基材]
基材11、12としては、ガラス、フィルム、金属等特に限定されないが、本発明の基材剥離方法が特に好適に用いられるのは、ガラスやプラスチック製の板状の硬質体であり、好ましくは基材11、12が共に硬質体の場合である。この場合、基材の剛性が高く撓み難いので剥離が困難な積層構成である。本発明の基材剥離方法は、このような硬質体同士を、粘着層10を介して積層した積層体1をリワークする際、すなわち基材11と基材12とを剥離する際に好適に使用できる。
なお、積層体の構成は、ガラス/粘着層/ガラスや、フィルム/粘着層/フィルムのように基材11、12が同一であってもよく、ガラス/粘着層/フィルムのように基材11、12が異なっていてもよい。また、図1のように基材11、12が単独層の場合に限られず、基材11、12が積層された複数層からなる積層体も本発明の基材剥離方法の剥離対象である。
<基材剥離方法>
本発明の基材剥離方法は、粘着層10を挟んで両面に基材11、12が積層されている積層体1を、界面活性剤を含有する剥離水溶液に浸漬する工程と、この剥離水溶液中で泡を発生する工程と、両工程の後に、積層体1から基材11、12同士を剥離する工程とを含む。本発明では、剥離水溶液中に発生する泡が粘着層10に作用し、その結果、基材11、12が積層体1から剥がれ易くなっているものと予想される。
剥離水溶液中で泡を発生する一例は、剥離水溶液に発泡剤を投入することであり、他の例は、超音波の振動によって泡を発生させることである。発泡剤の投入と、超音波をかけることとは、単独又は組み合わせて使用できる。
[剥離水溶液]
ベースとなる剥離水溶液としては、従来公知の界面活性剤水溶液を用いることができる。界面活性剤としては特に限定されず、親水性部分がイオン性(カチオン性・アニオン性・両性)であってもよいし、非イオン性(ノニオン性)であってもよい。
カチオン性界面活性剤は、第4級アンモニウム塩型、アルキルアミン塩型及びピリジン環を有する物質のいずれであってもよい。第4級アンモニウム塩型の例として、塩化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。アルキルアミン塩型の例として、モノメチルアミン塩酸塩等が挙げられる。ピリジン環を有する物質の例として、塩化ブチルピリジニウム等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤は、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型のいずれであってもよい。カルボン酸型の例として、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム等が挙げられる。スルホン酸型の例として、1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。硫酸エステル型の例として、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。リン酸エステル型の例として、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤は、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アミンオキシド型のいずれであってもよい。アルキルベタイン型の例として、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。脂肪酸アミドプロピルベタイン型の例として、コカミドプロピルベタイン等が挙げられる。アルキルイミダゾール型の例として、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。アミノ酸型の例として、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。アミンオキシド型の例として、ラウリルジメチルアミンN−オキシド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤は、エステル型、エーテル型、エステルエーテル型、アルカノールアミド型、アルキルグリコシド、高級アルコールのいずれであってもよい。エステル型の例として、ラウリン酸グリセリン等が挙げられる。エーテル型の例として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル等が挙げられる。エステルエーテル型の例として、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。アルカノールアミド型の例として、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。アルキルグリコシドの例として、オクチルグルコシド、デシルグルコシド及びラウリルグルコシド等が挙げられる。高級アルコールの例として、セタノール、ステアリルアルコール及びオレイルアルコール等が挙げられる。
界面活性剤の濃度は特に限定されないが、一例を挙げれば水溶液中で0.1質量%から50質量%である。
[泡の発生その1:発泡剤]
本発明において、剥離水溶液中で泡を発生させるための一例である発泡剤は、上記剥離水溶液中に添加される。水溶液中で泡状の気体となって存在し、剥離水溶液が、基材と粘着剤層間の界面への浸透を促進する補助的役割を担う。このため、発泡剤は結果として気泡を発生するものであればよく、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の発泡性粉体はもちろんのこと、二酸化炭素、酸素、窒素等の気体そのものも本発明の発泡剤に含まれる。
発泡剤の量は発泡剤の種類や気体発生量等によって適宜決定できるが、一例を挙げれば、発泡剤として炭酸ナトリウムを用いる場合、水溶液1リットルあたり1gから200gが例示できる。なお、界面活性剤と発泡剤とを含有する剥離水溶液そのものも本発明の一つである。
[泡の発生その2:超音波処理]
本発明において、剥離水溶液中で泡を発生させるための他の例である超音波処理は、積層体1を上記の界面活性剤を含有する剥離水溶液へ超音波照射することにより行われる。水溶液中で積層体1を振動させ、剥離水溶液が、基材と粘着剤層間の界面への浸透を促進する補助的役割を担う。
超音波処理の条件は適宜決定できるが、一例を挙げれば、照射強度で10kHzから100kHz程度が例示できる。なお、超音波処理は浸漬中の一部又は全部の時間において行えばよい。また、超音波処理は連続的でも間欠的でもよい。この態様においても、超音波処理の併用によって剥離時間を大幅に短縮することができる。一例を挙げれば、温度10℃から80℃の場合に、1時間から6時間程度で剥離することができる。
発泡剤を用いた本発明の基材剥離方法は、上記の積層体1を剥離水溶液中に浸漬する。ここで発泡剤はあらかじめ剥離水溶液中に含有させてもよく、浸漬の途中で含有させてもよい。すなわち、浸漬中の一部又は全部の時間において発泡させればよい。
浸漬時間は適宜設定できるが、発泡剤の併用によって剥離時間を大幅に短縮することができる。一例を挙げれば、温度10℃から80℃の場合に、1時間から6時間程度で剥離することができる。なお、剥離とは、手で容易に剥離できる程度の剥離力を意味し、具体的には、引張り試験機を用いて、下記に説明する「剥がし易さの評価」に記載の方法で積層体を引っ張った際に、基材が破損することなく、基材が粘着層から剥離されている状態をいう。
<光学モジュールの製造方法>
上記の剥離補助手段を併用した本発明の基材剥離方法は、複数の光学部材間の積層を、粘着層を介して行うモジュール化工程を備える光学モジュールの製造方法において好適に使用される。
例えば、タッチパネルモジュールを始めとするディスプレイモジュールの積層工程においては、ガラス/粘着層/ガラス、等の貼合せ工程があり、ここで、泡噛みや位置ズレ等によって貼合せを再度やり直すリワーク工程が必須である。従来、ガラス/粘着層/ガラスのような硬質体同士の貼合せ後の積層体は剥離が困難でリワークできず、このために高価な基材が廃棄されていた。
ここで、本発明の基材剥離方法をリワーク工程に用いることで、ガラス/粘着層/ガラスのように硬質体同士を貼合せた積層体であっても短時間で簡単に剥離することができ、リワークすることが可能になった点に本発明の優れた効果がある。
なお、剥離後の基材の一方又は両方には粘着層が残っているが、水洗等従来公知の洗浄工程を経て残存する粘着層は基材表面から完全に除去されて基材として再生される。その後、再度粘着層を基材の表面に形成することでリワークに供することが可能となる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
Figure 2013203883
<粘着剤組成物の作製>
アクリル系粘着剤(商品名:SKダイン2971,アクリル酸−n−ブチルからなるアクリル系粘着剤,重量平均分子量:37万,固形分:42%,綜研化学社製)100質量部と、イソシアネート系硬化剤(商品名:TD−75,キシリレンジイソシアネート,固形分:75%,綜研化学社製)0.3質量部と、シランカップリング剤(商品名:A−50,固形分:50%,綜研化学社製)0.15質量部とを、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒(商品名:KT−11,質量費1:1、DICグラフィクス社製)25質量部に溶解させて粘着剤組成物を得た。
<積層体の作製>
この粘着剤組成物のほか、2つのガラス基材(商品名:ゴリラガラス#1737,厚み:0.7mm,コーニング社製」)を用いて積層体を作製した。一方のガラス基材の一面に、上記粘着剤組成物を、80℃10分の乾燥条件にて乾燥後の粘着層膜厚が175μmとなるようにアプリケータを用いて塗布し、上記の乾燥条件で粘着剤組成物を乾燥した。その後、ガラス基材の粘着層が形成された面に、剥離フィルム(PETセパレーター,商品名:セラピールMFA,膜厚:100μm,東レフィルム加工社製)をラミネートし、25℃50%RHの環境下に7日間放置しエージング処理を行った。エージング処理後、剥離フィルム(PETセパレーター,商品名:セラピールMFA,膜厚:100μm,東レフィルム加工社製)を剥がし、もう一方のガラス基材をラミネートし、オートクレーブ装置を用いてラミネートの際に混入した気泡を脱泡し、積層体を作製した。(加工条件:0.6MPa,80℃,0.5時間)
<実施例1>
アニオン性界面活性剤(商品名:アデカコール,リン酸エステル,ADEKA社製)20質量%を水80質量%に溶かした剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例2>
界面活性剤がノニオン性界面活性剤(商品名:アデカトール,ラウリルアルコールアルコキシレート,ADEKA社製)であること以外は、実施例1と同じ方法で調製した剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例3>
界面活性剤が両イオン性界面活性剤(商品名:アデカアンホート,ラウリルアミノ酢酸ベタイン,ADEKA社製)であること以外は、実施例1と同じ方法で調製した剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<比較例1>
界面活性剤を含有しない代わりに、水100質量%に対して10質量%の発泡剤(炭酸ナトリウム,純正化学社製)を溶かした剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例4>
実施例1と同じ剥離水溶液に上記積層体を漬浸し、浸漬液に対して超音波を照射した。超音波発生装置は、US−3KS(装置名,エスエヌディ社製)を用い、照射条件は、38kHz BLTとした。漬浸は、25℃で2時間行い、漬浸している間は継続して超音波を照射した。
<実施例5>
剥離水溶液が実施例2と同じ剥離水溶液であること以外は、実施例4と同じ条件で積層体を剥離水溶液に漬浸した。
<実施例6>
剥離水溶液が実施例3と同じ剥離水溶液であること以外は、実施例4と同じ条件で積層体を剥離水溶液に漬浸した。
<比較例2>
剥離水溶液が比較例1と同じ剥離水溶液であること以外は、実施例4と同じ条件で積層体を剥離水溶液に漬浸した。
<実施例7>
実施例1の水溶液に、上記発泡剤を10質量部溶かした液を剥離水溶液とし、この剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例8>
実施例2の水溶液に、上記発泡剤を10質量部溶かした液を剥離水溶液とし、この剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例9>
実施例3の水溶液に、上記発泡剤を10質量部溶かした液を剥離水溶液とし、この剥離水溶液に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<実施例10>
実施例7と同じ剥離水溶液に上記積層体を漬浸し、浸漬液に対して超音波を照射した。浸漬条件と超音波の照射条件は、実施例4と同じであった。
<実施例11>
実施例8と同じ剥離水溶液に上記積層体を漬浸し、浸漬液に対して超音波を照射した。浸漬条件と超音波の照射条件は、実施例4と同じであった。
<実施例12>
実施例9と同じ剥離水溶液に上記積層体を漬浸し、浸漬液に対して超音波を照射した。浸漬条件と超音波の照射条件は、実施例4と同じであった。
<比較例3>
水に上記積層体を25℃で2時間漬浸した。
<比較例4>
水に上記積層体を漬浸し、浸漬液に対して超音波を照射した。浸漬条件と超音波の照射条件は、実施例4と同じであった。
<剥がし易さの評価>
剥がし易さの評価は、次のようにして行った。漬浸後の積層体を、温度23℃、相対湿度50%RHの雰囲気中にて長さ100mm、幅25mmに切断し、一方のガラス板がT字となるように引張り試験機(装置名:テンシロンRTF−1150H、エーアンドディー社製)で引っ張り(速度:50mm/min、剥離角:0°)、そのときの剥離形態を剥がし易さとした。結果を表2に示す。引張り試験中にガラスが破損せずにガラスと粘着層とを全部剥離できた場合を“優良”とし、引張り試験中にガラスが破損せずにガラスと粘着層とを一部剥離できた場合を“良”とし、引張り試験中にガラスと粘着層とを剥離できず、引張り試験機にチャックしたガラスが破損した場合を“不良”とした。
Figure 2013203883
界面活性剤を含有する剥離水溶液中に積層体を浸漬した場合、両面の基材が共に硬質体であったとしても、浸漬しない場合に比べて著しく短い時間で基材を容易に剥離できることが確認された(実施例1〜12)。特に、浸漬工程の一部又は全部において、浸漬液に対して超音波を照射した場合(実施例4〜6、9〜12)や、剥離水溶液中に発泡剤をさらに添加した場合(実施例7〜12)、基材をさらに容易に剥離できることが確認された。
このことから、界面活性剤を含有する剥離水溶液中に積層体を浸漬することで、従来公知のOCAを介してガラスのような硬質体同士を貼り合わせた場合であっても、光学モジュール等の積層体の貼合せ工程におけるリワークを容易に行なうことができ、基材の廃棄ロスを低減して歩留りを大幅に向上できる。
一方、界面活性剤を含有しない剥離水溶液中に積層体を浸漬した場合、2時間という短い時間では基材を適切に剥離できない可能性があることが確認された(比較例1〜4)。
1 積層体
10 粘着層
11 基材
12 基材

Claims (5)

  1. 粘着層を挟んで両面に基材が積層されている積層体を、界面活性剤を含有する剥離水溶液に浸漬する工程と、
    前記剥離水溶液中で泡を発生する工程と、
    両工程の後に、前記積層体から前記基材同士を剥離する工程とを含む、基材剥離方法。
  2. 前記剥離水溶液中で泡を発生する工程が前記剥離水溶液に発泡剤を投入する工程である、請求項1に記載の基材剥離方法。
  3. 前記剥離水溶液中で泡を発生する工程が超音波の振動によって泡を発生させる工程である、請求項1又は2に記載の基材剥離方法。
  4. 複数の光学部材同士の積層を、粘着層を介して行うモジュール化工程を備える光学モジュールの製造方法であって、
    前記モジュール化工程において、請求項1から3のいずれかに記載の基材剥離方法を、前記光学部材同士の貼合せを再度やり直すリワーク工程中で使用する光学モジュールの製造方法。
  5. 前記リワーク工程において、前記基材剥離方法の使用後に、基材表面に残存する前記粘着層を除去する洗浄処理を行う請求項4に記載の光学モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015178068A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 日立化成株式会社 リペア処理方法、粘着性組成物、これを用いた画像表示用装置、及び画像表示用装置の製造方法
WO2021024741A1 (ja) * 2019-08-02 2021-02-11 日東電工株式会社 積層体および剥離方法
JP7442332B2 (ja) 2020-02-07 2024-03-04 株式会社ディスコ ウエーハの生成方法

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