JP6081364B2 - ガラス基板積層体の加工方法 - Google Patents
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Description
これに対し、特許文献2では、フッ化アンモニウム等の緩衝剤を入れていないため、このような心配はないが、上述のように、フッ酸と硫酸との混酸をエッチング液に用いているため、酸の濃度を低くしてエッチング液の取り扱いに危険が生じないようにしている。
しかしながら、このようにエッチング液のフッ酸濃度を低くすると、それだけ長時間のエッチングが必要となるが、ガラス基板の端部領域に配線用等の金属パターンや印刷が形成されている場合、長時間のエッチングによって当該金属パターンや印刷にエッチング液が浸透しやすくなり、金属パターンや印刷を劣化させる可能性が高まる。
このように、ガラス基板等の硬質基板積層体の外形加工のためのエッチング処理における種々の問題を解決するための最適なエッチング時間についての議論がなされておらず、さらにそれに適したエッチング液の成分も開発が望まれる。
前記2枚以上の硬質基板同士の前記光硬化性接着剤による接着を、照射量10〜5000mJ/cm2の光照射によって前記接着剤を硬化させることで行う。
本実施形態では、限定的ではないが、硬質基板として、透光性硬質基板を用いる。図1は、切断加工や外形加工を行う前の大判の透光性硬質基板積層体10の模式図である。大判の透光性硬質基板積層体10を構成する大判の透光性硬質基板11は、基板表面に金属層、樹脂層、シリカ層、オルガノシリケート層、及び、透明電極層からなる群から選択されるいずれか1種又は2種以上を備えており、例えば、板ガラス(強化板ガラス、素材板ガラス、透明導電膜付きガラス基板、電極や回路が形成されたガラス基板等)、サファイア基板、石英基板、プラスチック基板、フッ化マグネシウム基板などが挙げられる。一枚の大判の透光性硬質基板11の大きさに特に制限はないが、典型的には10000〜250000mm2程度の面積を有し、0.1〜2mm程度の厚みを有する。積層される一枚ごとの大判の透光性硬質基板11は同じサイズであるのが一般的である。大判の透光性硬質基板積層体10は2枚以上の透光性硬質基板11が積層されている。大判の透光性硬質基板積層体10の全体の厚みが薄すぎると機械的強度が弱くなり、加工のために受け台に接着剤により固定した透光性硬質基板積層体10を剥離する際に割れやすくなることから、透光性硬質基板11の材質にもよるが、好ましくは5枚以上(基板11の合計の厚みとしては0.52mm以上)、より好ましくは10〜30枚程度(基板11の合計の厚みとしては1.5〜66mm程度)の透光性硬質基板11が光硬化性接着剤を介して積層される。
(A)多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマー/ポリマー末端又は側鎖に2個以上(メタ)アクロイル化された多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーや、2個以上の(メタ)アクロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。例えば、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーとしては、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製「TE−2000」、「TEA−1000」)、その水素添加物(例えば、日本曹達社製「TEAI−1000」)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製「BAC−45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成化学社製「UV−2000B」、「UV−3000B」、「UV−7000B」、根上工業社製「KHP−11」、「KHP−17」)、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成化学社製「UV−3700B」、「UV−6100B」)、又はビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらの中では、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
ここで、ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリオール化合物(以後、Xで表す)と有機ポリイソシアネート化合物(以後、Yで表す)とヒドロキシ(メタ)アクリレート(以後、Zで表す)とを反応(例えば、重付加反応)させることにより得られる、ウレタン(メタ)アクリレートをいう。
ポリオール化合物(X)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等のポリジエン系ポリオール、ポリジメチルシロキサンポリオール等のシリコーンポリオール等が挙げられる。これらの中では、ポリエーテルポリオール及び/又はポリエステルポリオールがより好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物(Y)としては、格別に限定される必要はないが、例えば芳香族系、脂肪族系、環式脂肪族系、脂環式系等のポリイソシアネートが使用でき、中でもトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H−MDI)、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(m−TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)等のポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、これらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物等が好適に用いられる。これらの中では、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)及び/又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましい。
ヒドロキシ(メタ)アクリレート(Z)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ブチルヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましい。
多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーの重量平均分子量は、7000〜60000が好ましく、13000〜40000がより好ましい。第1の実施例においては、重量平均分子量は、下記の条件にて、溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソ−社製SC−8010)を使用し、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して求めた。
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、および東ソー社製「TSK−GELMULTIPOREHXL−M」7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、
サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm2
検出器:RI検出器
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられる。4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートの中では、効果が大きい点で、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマー及び/又は2官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することがより好ましい。多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレートモノマーを併用する場合の含有割合は、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーと2官能(メタ)アクリレートモノマーの合計100質量部中、質量比で、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマー:2官能(メタ)アクリレートモノマー=10〜90:90〜10が好ましく、25〜75:75〜25がより好ましく、40〜65:60〜35が最も好ましい。
(A)多官能(メタ)アクリレートは、疎水性のものが好ましい。疎水性の多官能(メタ)アクリレートとは、水酸基を有さない(メタ)アクリレートをいう。水溶性の場合には、切削加工時に組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし、加工精度が劣る懼れがあるため好ましくない。親水性であっても、その組成物の硬化体が水により大きく膨潤又は一部溶解することがなければ、使用してもよい。
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)(メタ)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8モル変性)(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、n−(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタルイミド、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートの中では、効果が大きい点で、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましい。フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレートと、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートとを併用することがより好ましい。
フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレートと、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートとを併用する場合の含有割合は、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートの合計100質量部中、質量比で、フェノールエチレンオキサイド2モル変性(メタ)アクリレート:2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート=5〜80:95〜20が好ましく、15〜60:85〜40がより好ましく、20〜40:70〜60が最も好ましい。
(B)単官能(メタ)アクリレートは、(A)同様に疎水性のものがより好ましい。疎水性の多官能(メタ)アクリレートとは、水酸基を有さない(メタ)アクリレートをいう。水溶性の場合には、切削加工時に組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし、加工精度が劣る懼れがあるため好ましくない。親水性であっても、その組成物の硬化体が水によって膨潤又は一部溶解することがなければ、使用してもよい。
(A)多官能(メタ)アクリレートの使用量は、(A)及び(B)の合計量100質量部中、15〜95質量部が好ましく、20〜50質量部が好ましい。15質量部以上であれば、組成物の硬化体を温水に浸漬した時に被着物より当該硬化体が剥離する性質(以下、単に「剥離性」という)が充分に助長されるし、組成物の硬化体がフィルム状に剥離できる。95質量部以下であれば、初期の接着性が低下する懼れもない。
(C)光重合開始剤は、可視光線や紫外線の活性光線により増感させて樹脂組成物の光硬化を促進するために配合するものであり、公知の各種光重合開始剤が使用可能である。具体的にはベンゾフェノン又はその誘導体;ベンジル又はその誘導体;アントラキノン又はその誘導体;ベンゾイン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体;ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;2−ジメチルアミノエチルベンゾエート;p−ジメチルアミノエチルベンゾエート;ジフェニルジスルフィド;チオキサントン又はその誘導体;カンファーキノン;7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン誘導体;ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシポスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及び/又はオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル等が挙げられる。光重合開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、効果が大きい点で、ベンジルジメチルケタール、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステルからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。
(C)光重合開始剤の含有量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に得られるし、20質量部以下で充分な硬化速度を得ることができる。(C)成分を1質量部以上添加することは、光照射量に依存なく硬化可能となり、さらに組成物の硬化体の架橋度が高くなり、切削加工時に位置ずれ等を起こさなくなる点や剥離性が向上する点で、さらに好ましい。
粒状物質(D)の使用量は、接着性、加工精度、剥離性の観点から、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜10質量部がより好ましく、0.2〜6質量部が最も好ましい。
光硬化性接着剤には、貯蔵安定性向上のため重合禁止剤(E)を添加することができる。重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール及び2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
重合禁止剤(E)の使用量は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜2質量部がより好ましい。0.001質量部以上であれば、貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下であれば、良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
光硬化性接着剤は、有機過酸化物等の熱重合開始剤も併用することができる。
続いて、大判の透光性硬質基板積層体10を受け台に固定した後、図1に示した切断線13に沿って厚み方向に切断し、所望の数の分割された、接着剤層12’により貼り合わされた複数の透光性硬質基板11’からなる透光性硬質基板積層体14を形成する。図2に、この切断加工により切り出された透光性硬質基板積層体14の模式図を示す。分割方法は特に制限はないが、円板カッター(ダイヤモンドディスク、超硬合金ディスク)、固定砥粒式又は遊離砥粒式ワイヤソー、レーザービーム、エッチング(例:フッ酸や硫酸等を用いた化学エッチングや電解エッチング)、ウォータージェット、及び赤熱帯(ニクロム線)などの切断手段をそれぞれ単独で又は組み合わせて使用して、同サイズの直方体形状に分割する方法が挙げられる。エッチングは分割後の切断面の表面処理に用いることもできる。このように、透光性硬質基板積層体14は大判の透光性硬質基板積層体10を準備した後にそれを分割することで作製しているため、製造効率が良好となる。
次に、受け台に分割された透光性硬質基板積層体14を固定し、受け台上の透光性硬質基板積層体14に所望の外形加工を行う。図3に、外形加工線15が示された透光性硬質基板積層体14の模式図を示す。この工程では、分割された透光性硬質基板積層体14毎に目的とする板状製品の形状に一体的に加工を行うことができるため、板状製品の生産速度を格段に高められるという利点がある。外形加工は公知の任意の手段によって行えばよいが、例えば回転砥石による研削、超音波振動ドリルによる孔開け、回転ブラシによる研磨加工等が挙げられる。
次に、透光性硬質基板積層体14の端面加工としてエッチングを行う。エッチング工程は、上述のように大判の透光性硬質基板積層体10を切断加工した後に続いて行っても良く、当該切断加工後に別途切削加工を行い、その後に行っても良い。エッチング液としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム等のフッ化物塩の水溶液、フッ酸水溶液、リン酸、リン酸アンモニウム塩の水溶液が挙げられる。
エッチング液が高濃度の場合、エッチング工程は以下の通りである。エッチング工程としては、まず、図4に示すように、フッ酸濃度が30質量%以上であり、18℃〜30℃の間に制御されたエッチング液31及び網台32を設けたエッチング槽30を準備し、エッチング槽30内の網台32に透光性硬質基板積層体14を複数並べて設ける。続いて、エッチング槽30内の透光性硬質基板積層体14に対し、20〜120秒間のエッチングを行う。本発明のエッチング工程は、このようにエッチング液31のフッ酸濃度を30質量%以上という高濃度で行い、且つ、エッチング時間を20〜120秒間という短時間で行っているため、透光性硬質基板積層体14の各基板の端部領域に配線用等の金属パターンや印刷塗料等が形成されている場合であっても、当該金属パターンや印刷塗料等にエッチング液が浸透して、金属パターンや印刷塗料等を劣化させてしまうことを良好に抑制することができる。また、エッチング液31の濃度を49〜55質量%とし、エッチング液温度を20〜27℃、エッチング時間を20〜60秒間とするのがより好ましい。
エッチング液が低濃度の場合、エッチング工程は以下の通りである。エッチング工程としては、まず、図4に示すように、フッ酸濃度が30質量%以下であり、18℃〜30℃の間に制御されたエッチング液31及び網台32を設けたエッチング槽30を準備し、エッチング槽30内の網台32に透光性硬質基板積層体14を複数並べて設ける。続いて、エッチング槽30内の透光性硬質基板積層体14に対し、2分を超え40分間以下のエッチングを行う。本発明のエッチング工程は、このようにエッチング液31のフッ酸濃度を30質量%以下という低濃度で行い、且つ、エッチング時間を2分を超え40分間以下という長時間で行っているため、側面形状を曲面に加工することでガラス曲げ強度を安定化させるとともに、ガラス面エッチング液浸入はあるものの、低濃度であるがため、長時間処理でも反応速度が遅く、ITOパターンを欠損することなく加工することができる。また、エッチング液31の濃度を3〜20質量%とし、エッチング液温度を20〜27℃、エッチング時間を10〜40分間とするのがより好ましい。また、エッチング液31の濃度を3〜10質量%とし、エッチング液温度を20〜27℃、エッチング時間を30〜40分間とするのがより好ましい。
このように端面加工が行われた後の透光性硬質基板積層体20の平面模式図を図5に示す。図5に示すように、上記エッチング工程によって、透光性硬質基板積層体14の端面の縁部に生じたチッピング、ヒビ、マイクロクラック、又は、欠け等が一度に効率良く、且つ、良好に除去される。
また、別の実施形態として、面取りが行われた硬質基板積層体には、厚さ方向に貫通する切り欠き22(孔)及び/又は切り欠き23(凹部)が形成されていてもよい。このような切り欠き22,23が形成されている部位は、通常のブラシ研磨で端面加工を行う場合に、当該部位に生じたチッピング、ヒビ、マイクロクラック、又は、欠け等を良好に除去することが困難である。これに対し、本発明に係るエッチング工程によれば、このような切り欠き22,23が形成されている部位でも何ら問題無く良好にチッピング、ヒビ、マイクロクラック、又は、欠け等を良好に除去することができる。図6に切り欠き22,23が形成されている端面加工後の透光性硬質基板積層体20’の平面模式図を示す。
また、エッチング液31に含まれる緩衝剤の濃度は10質量%以下であるのが好ましい。緩衝剤の濃度は、エッチング速度を調整する点で、0.1%以上が好ましい。緩衝剤としては、フッ化アンモニウム等が挙げられる。このような構成によれば、エッチング液のアルカリの基板内への浸透が緩やかになるため、透光性硬質基板積層体14の各基板の端部領域に配線用等の金属パターンや印刷塗料等が形成されている場合であっても、当該金属パターンや印刷塗料等にエッチング液が浸透して、金属パターンや印刷塗料等を劣化させてしまうことを良好に抑制することができる。
クランプ治具33は、少なくとも透光性硬質基板積層体14の各表面の面積以上の面積を有する板状部34と、ボルト部35と、ナット部36とを備える。板状部34は、それぞれ4隅付近に貫通孔(図示せず)を備えており、この貫通孔に4体のボルト部35がそれぞれ差し込まれ、板状部34の外側でナット部36により固定されている。
板状部34、ボルト部35及びナット部36の形成材料は、エッチング液に対する耐腐食性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
クランプ治具33によるナットの締め込みトルクは10〜40N・mが好ましい。
クランプ治具33によって透光性硬質基板積層体14を押圧して固定することで、エッチングの際に、エッチング液の透光性硬質基板積層体14の基板間への浸入を良好に抑制することができ、それによって基板剥離、基板上に形成された金属パターンや印刷塗料の腐食等が良好に抑制される。
続いて、透光性硬質基板積層体14から、貼り合わせられていた透光性硬質基板11’同士を剥離し、これを用いて複数の板状製品を形成する。
1.光硬化性接着剤1の作製
以下の(A)〜(E)の成分を混合して光硬化性接着剤1を作製した。
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本合成社製「UV−3000B」(ウレタンアクリレート以下「UV−3000B」と略す、重量平均分子量18000、ポリオール化合物はポリエステルポリオール、有機ポリイソシアネート化合物はイソホロンジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレートは2−ヒドロキシエチルアクリレート)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R−684」、以下「R−684」と略す、重量平均分子量18000、ポリオール化合物はポリエステルポリオール、有機ポリイソシアネート化合物はイソホロンジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレートは2−ヒドロキシエチルアクリレート))15質量部、
(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−140」、以下「M−140」と略す)50質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−101A」)15質量部、
(C)光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製「IRGACURE651」)、以下「BDK」と略す)10質量部、
(D)粒状物質として平均粒径100μmの球状架橋ポリスチレン粒子(ガンツ化成社製「GS−100S」)1質量部、
(E)重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(住友化学社製「スミライザーMDP−S」、以下「MDP」と略す)0.1質量部
2.板ガラス積層体の作製
透光性硬質基板として板ガラス(横530mm×縦420mm×厚み0.7mm)を10枚用意し、架橋ポリスチレン粒子を含有した上記光硬化性接着剤を介し、表1に記載の光照射量(365nmの受光器による積算照度計による測定)にてUV照射を行って貼り合わせ、板ガラスの積層体を作製した。また、各板ガラス表面の端部には、ITOパターンが形成されている。具体的には、1枚目の板ガラス上に上記光硬化性接着剤を26g塗布した後、1枚目の板ガラスの上に2枚目の板ガラスを貼り合わせて2枚目の板ガラスの表面側からUV照射し、上記光硬化性接着剤を硬化させた。UV照射時間は10秒とした。この手順を繰り返すことで、10枚の板ガラスからなる厚み7.9mm(この厚みは10枚の板ガラスを合計した積層体の厚みである)の板ガラス積層体を作製した。
次に、板ガラスの積層体を受け台に固定した後、円板カッターによって所定の切断線に沿って厚み方向に切断し、分割された板ガラスの積層体を作製した。このとき、各板ガラスは、横100mm×縦50mm×厚み0.7mm(この厚みは板ガラス1枚の厚みである)に分割された。
次に、受け台に分割された板ガラス積層体を固定し、受け台上の板ガラス積層体に回転砥石を用いて研削することで外形を加工した。このとき、板ガラスの縁部にはチッピング、ヒビ、マイクロクラック、及び/又は、欠けが発生したものもあった。
図4に示したようなエッチング槽内に板ガラス積層体を設け、表1〜2に記載のエッチング条件にてエッチングを行った。続いて、エッチング後の板ガラス積層体を温水槽に入れて、各板ガラスに温水剥離させた後、洗浄した。
各板ガラスのチッピング、ヒビ、マイクロクラック、及び/又は、欠けの状態(ガラス基板端面状態)、及び、端部のITOパターンの状態について、板ガラスを1枚ずつ確認し、それらの状態を以下の基準によって評価した。
ガラス基板端面状態の評価:実体顕微鏡を用いて倍率10倍に拡大した観察において、エッチング液による基板端部にチッピング、ヒビ、マイクロクラック、欠けがあるものを不良とする。
ITOパターン状態の評価:実体顕微鏡を用いて倍率10倍に拡大した観察において、エッチング液による基板面内ITOパターン浸食があるものを不良とする。
上述の試験条件及び評価結果を表1〜2に示す。なお、表1〜2の「ガラス基板端面状態」及び「ITOパターン状態」については、投入枚数(10枚)に対する、上記評価における不良枚数(N枚)、すなわち、N/10の数値で表している。
強度安定化評価:強度安定化評価として、3点曲げ強度評価試験を行った。3点曲げ強度評価試験は、図8に示すように、評価対象となるガラス基板をアルミ製の丸棒(φ5)で押し曲げ、そのときのガラス基板の破断強度を測定した。そして、評価数のうち、全ての測定値が平均値の±20%に入ること場合をOKとし、そうでない場合をNGとした。なお、図8に示すガラス基板は、外形加工や研磨により、縦および横方向について合計2mmずつ除去されている。
1.光硬化性接着剤2の作製
以下の(A)〜(E)の成分を混合して光硬化性接着剤2を作製した。
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本合成社製「UV−3000B」(ウレタンアクリレート以下「UV−3000B」と略す、重量平均分子量18000、ポリオール化合物はポリエステルポリオール、有機ポリイソシアネート化合物はイソホロンジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)アクリレートは2−ヒドロキシエチルアクリレート)20質量部、ジシクロペンタニルジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R−684」、以下「R−684」と略す)25質量部、
(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−5700」、以下「M−5700」と略す)35質量部、フェノールエチレンオキサイド2モル変性アクリレート(東亜合成社製「アロニックスM−101A」)20質量部、
(C)光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(BASF社製「IRGACURE651」)、以下「BDK」と略す)10質量部、
(D)粒状物質として平均粒径100μmの球状架橋ポリスチレン粒子(ガンツ化成社製「GS−100S」)1質量部、
(E)重合禁止剤として2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(住友化学社製「スミライザーMDP−S」、以下「MDP」と略す)0.1質量部
表3及び4に、実験例2の試験条件及び評価結果を示す。
比較例1−1〜1−11、比較例2−1〜2−11に係る硬質基板積層体は、エッチング時間が20〜120秒間の範囲内ではなかったため、いずれも、ガラス基板端面状態が不良である基板が10枚中2枚以下であったものの、ITOパターン状態が不良である基板が10枚中4枚以上という非常に好ましくない結果が得られた。
エッチング時間が長時間である場合、以下の傾向が認められた。実施例1−12〜1−15、実施例2−12〜2−15に係る硬質基板積層体は、エッチング液によって15〜40分間のエッチングが行われたため、いずれも、ガラスの端面形状を曲面加工することで、ガラス曲げ強度の安定化が可能であり、また低濃度での処理であることから、長時間処理にもかかわらず、ITOパターンに影響を与えないという良好な結果が得られた。
比較例1−12〜1−15、比較例2−12〜2−15に係る硬質基板積層体は、エッチング時間が15〜40分間の範囲内ではなかったため、いずれも、ガラス端面が曲面に加工できない、またチッピングなどを完全に除去できないため、ガラス曲げ強度バラツキが発生したという非常に好ましくない結果が得られた。
11 大判の透光性硬質基板
11’ 透光性硬質基板
12 大判の接着剤層
12’ 接着剤層
13 切断線
14 透光性硬質基板積層体
15 外形加工線
20 透光性硬質基板積層体
20’ 透光性硬質基板積層体
22 切り欠き
23 切り欠き
30 エッチング槽
31 エッチング液
32 網台
33 クランプ治具
34 板状部
35 ボルト部
36 ナット部
Claims (8)
- 2枚以上のガラス基板同士が接着剤で貼り合わせられ、前記ガラス基板の少なくとも1枚が基板表面に金属層、樹脂層、シリカ層、オルガノシリケート層、及び、透明電極層からなる群から選択されるいずれか1種又は2種以上を備え、且つ、所定の面取りが行われたガラス基板積層体を準備する工程と、
前記面取りが行われたガラス基板積層体に、エッチング液によって20〜120秒間のエッチングを行うことで、前記面取りで露出したガラス基板積層体の端面を加工する工程と、
を含み、
前記エッチング工程において、エッチング液のフッ酸濃度が30質量%以上、エッチング液温度が18〜30℃であるガラス基板積層体の加工方法。 - 前記エッチング工程において、エッチング液のフッ酸濃度が49〜55質量%であり、エッチング時間が20〜60秒間である請求項1に記載のガラス基板積層体の加工方法。
- 前記エッチング液に含まれる緩衝剤の濃度が10質量%以下である請求項1または2に記載のガラス基板積層体の加工方法。
- 前記面取りが行われたガラス基板積層体には厚さ方向に貫通する切り欠きが形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基板積層体の加工方法。
- 前記2枚以上のガラス基板同士が接着剤で貼り合わせられたガラス基板積層体を準備する工程において、前記ガラス基板積層体は、2枚以上のガラス基板同士を接着剤で貼り合わせた後、厚み方向に切断して分割することで形成される請求項1〜4のいずれかに記載のガラス基板積層体の加工方法。
- 前記ガラス基板が透光性基板であり、前記2枚以上のガラス基板同士を貼り合わせる接着剤が光硬化性接着剤であり、
前記2枚以上のガラス基板同士の前記光硬化性接着剤による接着を、照射量10〜5000mJ/cm2の光照射によって前記接着剤を硬化させることで行う請求項5に記載のガラス基板積層体の加工方法。 - 前記エッチング工程において、前記貼り合わせられたガラス基板積層体を、前記積層体の前記両表面の全面を厚さ方向に押圧するクランプ治具で固定した状態で、前記エッチング液に浸漬してエッチングを行う請求項1〜6のいずれかに記載のガラス基板積層体の加工方法。
- 前記ガラス基板が板ガラスで形成されている請求項1〜7のいずれかに記載のガラス基板積層体の加工方法。
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