以下に本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の印刷システム100の構成例を示す図である。印刷システム100は、図1に示すように、一又は複数の情報端末装置10と、一又は複数の印刷装置20と、一又は複数のくるみ製本装置30とを含み、印刷システム100を構成する情報端末装置10と印刷装置20は、ネットワークNWを介して相互に通信可能に接続されている。
また、印刷システム100を構成する印刷装置20の少なくとも一部は、製本機能に対応した印刷装置20であり、製本機能に対応した印刷装置20は、図1に示すように、くるみ製本装置30と連結されて製本システム1を構成している。本実施形態における製本システム1は、製本機能に対応している印刷装置20にくるみ製本装置30を連結することで、印刷装置20で印刷した表紙用紙P1と本文用紙P2とに基づく冊子Bの作製を可能とする。
なお、以下においては、印刷システム100を構成する情報端末装置10のユーザが、図2に例示するくるみ製本印刷設定を設定することで生成される印刷ジョブを、製本システム1を構成する印刷装置20が受信したものとして説明する。また、以下においては、作製する冊子Bの部数は1部であるものとして説明する。ここで、図2は、本実施形態におけるくるみ製本印刷設定画面の例を示す図である。
本実施形態におけるくるみ製本印刷設定は、図2に示すように、「手差し給紙」の設定項目と、「手差し給紙の指定ページ」の設定項目と、を含んでいる。「手差し給紙」は、「有り」を選択することで、複数の用紙からなるカタログなどの媒体(用紙束)TGを手差し給紙し、冊子Bの本文の一部として挿入することを可能とする。「手差し給紙の指定ページ」は、手差し給紙される媒体(用紙束)TGの挿入直後のページを指定するものであり、「手差し給紙」の設定が「有り」の場合に設定可能となる。なお、「手差し給紙の指定ページ」は、手差し給紙される媒体(用紙束)TGの挿入直前のページを指定するものとしてもよい。
例えば、図2を参照して、「手差し給紙の指定ページ」が、“3”と“7”と“8”の場合は、本文部分の3ページ目と7ページ目と8ページ目の直前に手差し給紙による媒体(用紙束)TGの挿入を、ユーザが望んでいることを示している。また、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを、最後の本文用紙の後に挿入する場合には、例えば、X1、X2、・・・のように「手差し給紙の指定ページ」欄に入力することで、手差し給紙の処理が実行されるように構成されている。ここで、Xkの“k”は、最後の本文用紙の後に挿入する手差し給紙対象の順番を示している。
図3乃至図5を参照して、さらに詳細に本実施形態における製本システム1について説明する。図3は、本実施形態おける製本システム1の物理的構成の概略図である。図4は、本実施形態における製本システム1を構成する印刷装置20の構成例を示す機能ブロック図である。図5は、本実施形態における製本システム1を構成するくるみ製本装置30の構成例を示す機能ブロック図である。
なお、以下において、図3の紙面方向にユーザが位置するものとし、図3に示すように、ユーザから見て、上下左右を上下左右方向とする。また、図3においては、図4に示す印刷装置20の機能部の内で、第1通信部201と第2通信部202と記憶部203と制御部212については不図示とし、図5に示すくるみ製本装置30の機能部の内で、通信部301と記憶部302と制御部308については不図示とする。
印刷装置20は、図3に示すように、筐体21を備えており、図3と図4に示すように、第1通信部201と、第2通信部202と、記憶部203と、表示部204と、操作部205と、本文用紙給紙部206と、表紙用紙給紙部207と、印刷搬送部208と、印刷部209と、スイッチバック部210と、連絡搬送部211と、制御部212と、を備えて構成されている。
第1通信部201は、通信モジュールなどで構成され、ネットワークNWを介して接続されている情報端末装置10などの装置との間で通信を行う。例えば、第1通信部201は、情報端末装置10より出力された印刷ジョブを受信する。
第2通信部202は、インターフェースなどで構成され、連結されているくるみ製本装置30との間で通信を行う。例えば、第2通信部202は、くるみ製本装置30より出力される各種の通知(詳しくは後述)を受信する。また、例えば、第2通信部202は、通知部212c(詳しくは後述)により生成される各種の通知(詳しくは後述)をくるみ製本装置30に送信する。
記憶部203は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリなどで構成され、制御部212を構成するCPU(Central Processing Unit)のワークエリア、印刷装置20全体を制御するための動作プログラムなどの各種プログラムを格納するプログラムエリア、各種の指示画面のテンプレートデータなど各種データを格納するデータエリアとして機能する。
表示部204は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)などの表示装置などで構成され、図3に示すように、筐体21の上部に配置されている。表示部204は、各種の機能ボタンや各種の指示画面などを表示画面上に表示する。
操作部205は、テンキ−や表示部204の表示画面上に表示されるタッチパネルなどで構成され、図3に示すように、筐体21の上部に配置されている。ユーザは、操作部205を操作して、印刷装置20への指示を入力することで、所望の処理を実行させることが可能である。
本文用紙給紙部206は、本文用紙P2を印刷部209へ給紙するものであり、図3に示すように、筐体21内における印刷部209の下側に設けられている。本文用紙給紙部206は、本文用紙P2を積載する給紙トレイ13と、給紙トレイ13に積載されている本文用紙P2を印刷部209側へ送り出す給紙ローラ14と、を備えている。また、本文用紙給紙部206は、給紙トレイ13と印刷搬送路7との間に設けられている給紙搬送路15と、給紙搬送路15に沿って配置され、本文用紙P2を印刷部209側へ搬送する複数のローラ(不図示)などを備えている。
表紙用紙給紙部207は、表紙用紙P1を印刷部209へ給紙するものであり、図3に示すように、筐体21の左側部に設けられている。表紙用紙給紙部207は、表紙用紙P1を積載する給紙トレイ9と、給紙トレイ9に積載されている表紙用紙P1を印刷部209側へ送り出す給紙ローラ10と、を備えている。また、表紙用紙給紙部207は、給紙トレイ9と印刷搬送路7との間に設けられている給紙搬送路11と、給紙搬送路11に沿って配置され、表紙用紙P1を印刷部209側へ搬送する複数のローラ(不図示)などを備えている。
印刷搬送部208は、本文用紙給紙部206(あるいは、表紙用紙給紙部207)により搬出された本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を搬送するための印刷搬送路7を備えている。印刷搬送路7は、図3に示すように、印刷部209を囲むように設けられているループ状の搬送路である。また、印刷搬送部208は、印刷搬送路7に沿って配置され、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を搬送する複数のローラ(不図示)などを備えている。
印刷部209は、印刷制御部212f(詳しくは後述)により生成されるラスタデータに基づいて、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)に印刷処理を行うものであり、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクをそれぞれ吐出するライン型のインクジェットヘッド6A〜6Dを備えている。
スイッチバック部210は、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を一時的に収容するものであり、図3に示すように、印刷搬送路7の左側上部に設けられている。また、スイッチバック部210は、図3に示すように、筐体21内の左側部からスイッチバック部210内にかけて設けられているスイッチバック搬送路17などを備えている。スイッチバック搬送路17は、両面印刷時において、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を表裏反転させて印刷部209側へ搬送するためのものである。
連絡搬送部211は、図3に示すように、筐体21内の右側部に設けられ、印刷部209で印刷された後に印刷搬送路7から送り出された印刷済みの本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)をくるみ製本装置30へ搬送するため連絡搬送路18を備えている。また、連絡搬送部211は、連絡搬送路18に沿って配置され、印刷済みの本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を搬送する複数のローラ(不図示)などを備えている。
制御部212は、CPUなどで構成され、記憶部203のプログラムエリアに格納されている動作プログラムを実行して、図4に示すように、判定部212aと、解析部212bと、通知部212cと、給紙制御部212dと、搬送制御部212eと、印刷制御部212fと、表示制御部212gとしての機能を実現すると共に、印刷装置20全体を制御する制御処理や詳しくは後述の印刷処理などの処理を実行する。
判定部212aは、各種の判定処理を行う。例えば、判定部212aは、印刷ジョブを受信したか否かを判定する。また、判定部212aは、解析部212bの解析結果に基づいて、「手差し給紙」の指定が有るか否かを判定する。
また、判定部212aは、次の本文用紙P2の前に手差し給紙するか否かを判定する。より具体的には、通知部212cにより特定された、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入直後の本文用紙P2が、それぞれ、何枚目の本文用紙P2であるかを示す番号に基づいて、判定部212aは、次に処理する本文用紙P2の前に手差し給紙するか否かを判定する。つまり、次に処理する本文用紙P2が特定された番号に対応する本文用紙P2であれば、判定部212aは、手差し給紙すると判定する。但し、次に処理する本文用紙P2の前に手差し給紙する場合であっても、それらの手差し給紙が全て完了している場合には、判定部212aは、手差し給紙しないと判定する。
また、判定部212aは、くるみ製本装置30より送信される各種の通知(指示)を受信したか否かを判定する。また、判定部212aは、全ての本文用紙P2に処理したか否かを判定する。また、判定部212aは、全ての本文用紙P2を処理したと判定した場合には、更に、未処理の手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが有るか否かを判定する。つまり、判定部212aは、最後の本文用紙P2の後に挿入される手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが未処理の場合に、未処理の手差し給紙対象が有ると判定する。
また、判定部212aは、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGがくるみ製本装置30のスタックトレイ34に直接載置されたか否かを判定する。より具体的には、判定部212aは、表示部204の表示画面上に表示された載置指示画面(図7(A)に例示)の「続行」ボタンが選択された場合に、載置されたと判定する。
また、判定部212aは、くるみ製本装置30の給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが収納されたか否かを判定する。より具体的には、判定部212aは、表示部204の表示画面上に表示された収納指示画面(図7(B)に例示)の「続行」ボタンが選択された場合に、収納されたと判定する。
また、判定部212aは、くるみ製本装置30の給紙トレイ36から、自動給紙できない媒体(用紙束)TGが除去されたか否かを判定する。より具体的には、判定部212aは、表示部204の表示画面上に表示された除去指示画面(図7(C)に例示)の「続行」ボタンが選択された場合に、除去されたと判定する。
解析部212bは、受信した印刷ジョブを解析し、ユーザにより設定された設定内容を特定する。
通知部212cは、各種の通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する。例えば、通知部212cは、印刷ジョブを受信すると、本文部分の枚数(本文用紙P2の必要枚数)を示す本文枚数通知を生成する。この際、通知部212cは、判定部212aにより、手差し給紙の指定が有ると判定された場合には、くるみ製本印刷設定で設定された指定ページに基づいて、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入直後の本文用紙P2が、それぞれ、何枚目の本文用紙P2であるかを特定する。そして、通知部212cは、指定ページ毎に特定した番号を対応付けた挿入位置情報を含む本文枚数通知を生成する。なお、指定ページとして、最後の本文用紙P2の後に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを挿入する指定が有る場合には、通知部212cは、その指定ページXkを挿入位置情報に含めるようする。
例えば、図6(A)を参照して、印刷部209で印刷処理される本文部分のページ数が9ページであり、指定ページが、“3”と“7”と“8”である場合には、通知部212cは、図6(A)に示すように、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入直後の本文用紙P2が、それぞれ、2枚目、4枚目、5枚目であることを特定する。4枚目の本文用紙P2に示すように、4枚目の裏面に8ページ目を印刷すると、8ページ目の直前に手差し対象の媒体(用紙束)TGを挿入することができなくなることから、印刷制御部212fにより4枚目の裏面には空白ページが割り付けられ、5枚目に8ページ目と9ページ目が割り付けられることとなる。
また、例えば、図6(B)を参照して、印刷部209で印刷処理される本文部分のページ数が9ページであり、指定ページが、“2”と“7”と“8”である場合には、通知部212cは、図6(B)に示すように、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入直後の本文用紙P2が、それぞれ、2枚目、5枚目、6枚目であることを特定する。1枚目の本文用紙P2に示すように、1枚目の裏面に2ページ目を印刷すると、2ページ目の直前に手差し対象の媒体(用紙束)TGを挿入することができなくなることから、印刷制御部212fにより1枚目の裏面には空白ページが割り付けられ、2枚目に2ページ目と3ページ目が割り付けられることとなる。
そして、4枚目の本文用紙P2に示すように、4枚目の裏面に7ページ目を印刷すると、7ページ目の直前に手差し対象の媒体(用紙束)TGを挿入することができなくなることから、印刷制御部212fにより4枚目の裏面には空白ページが割り付けられ、5枚目の表面に7ページ目が割り付けられることとなる。そして、5枚目の本文用紙P2に示すように、5枚目の裏面に8ページ目を印刷すると、8ページ目の直前に手差し対象の媒体(用紙束)TGを挿入することができなくなることから、印刷制御部212fにより5枚目の裏面には空白ページが割り付けられ、6枚目に8ページ目と9ページ目が割り付けられることとなる。つまり、手差し給紙の指定が有る場合には、設定されている指定ページにより、本文用紙P2の必要枚数が変わってくる。したがって、通知部212cは、この点を考慮して、本文枚数通知を生成する。ここで、図6(A)と(B)は、いずれも、手差し給紙対象の挿入位置を説明するための図である。
また、通知部212cは、判定部212aにより、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGがくるみ製本装置30のスタックトレイ34に直接載置されたと判定された場合に、媒体(用紙束)TGがスタックトレイ34に直接載置されたことを示す載置済み通知を生成する。
また、通知部212cは、判定部212aにより、くるみ製本装置30の給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが収納されたと判定された場合に、媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36に収納されたことを示す収納済み通知を生成する。
また、通知部212cは、判定部212aにより、くるみ製本装置30の給紙トレイ36から、自動給紙できない媒体(用紙束)TGが除去されたと判定された場合に、自動給紙できない媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36から除去されたことを示す除去済み通知を生成する。
給紙制御部212dは、本文用紙給紙部206(あるいは、表紙用紙給紙部207)を制御し、給紙トレイ13(あるいは、給紙トレイ9)から積載されている本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を1枚ずつ搬出させる。そして、給紙制御部212dは、給紙搬送路15(あるいは、給紙搬送路11)を介して、搬出させた本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を印刷部209側へ搬送させる。
搬送制御部212eは、印刷搬送部208とスイッチバック部210と連絡搬送部211を制御し、本文用紙給紙部206(あるいは、表紙用紙給紙部207)から搬出された本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を印刷部209に搬送させ、印刷処理が施された本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)をくるみ製本装置30へ搬送させる。
印刷制御部212fは、印刷部209を制御して、受信した印刷ジョブに基づいて、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)に対する印刷処理を実行させる。より具体的には、印刷制御部212fは、受信した印刷ジョブに基づいてページ割り付けを行い、その後、ラスタデータを生成する。この際、手差し給紙の指定が有る場合には、印刷制御部212fは、図6(A)と(B)を参照して説明したように、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの指定ページを考慮したページ割り付けを行う。つまり、印刷制御部212fは、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの指定ページが本文用紙P2の裏面に割り付けられるページである場合には、その裏面に空白ページを割り付けることで、指定ページが本文用紙P2の表面に割り付けられるようにする。
そして、印刷制御部212fは、印刷部209を制御して、生成したラスタデータに基づいて、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)に対する印刷処理を実行させる。
表示制御部212gは、表示部204を制御して、表示画面上に各種の指示画面などを表示させる。例えば、表示制御部212gは、くるみ製本装置30より送信される載置指示を受信すると、記憶部203のデータエリアに格納されている載置指示画面のテンプレートデータと載置指示に含まれるページ情報とに基づいて、図7(A)に例示する載置指示画面を生成し、生成した載置指示画面を表示画面上に表示させる。なお、図7(A)に例示する載置指示画面は、載置指示に含まれるページ情報が示すページが“7ページ”の場合の例である。
また、表示制御部212gは、くるみ製本装置30より送信される収納指示を受信すると、記憶部203のデータエリアに格納されている収納指示画面のテンプレートデータに基づいて、図7(B)に例示する収納指示画面を生成し、生成した収納指示画面を表示画面上に表示させる。
また、表示制御部212gは、くるみ製本装置30より送信される除去指示を受信すると、記憶部203のデータエリアに格納されている除去指示画面のテンプレートデータに基づいて、図7(C)に例示する除去指示画面を生成し、生成した除去指示画面を表示画面上に表示させる。
ここで、図7(A)は、本実施形態における載置指示画面の例を示す図であり、図7(B)は、本実施形態における収納指示画面の例を示す図であり、図7(C)は、本実施形態における除去指示画面の例を示す図である。
図3と図5に戻り、くるみ製本装置30は、印刷装置20で印刷された印刷用紙(表紙用紙P1と本文用紙P2)などに製本処理を施して冊子Bを作製するものであり、本実施形態においては、くるみ製本装置30は、冊子Bの本文の一部を手差し給紙可能なように構成されている。
くるみ製本装置30は、図3に示すように、筐体31を備えており、図3と図5に示すように、通信部301と、記憶部302と、搬送部303と、手差し給紙部304と、整合部305と、くるみ綴じ機構306と、排出部307と、制御部308と、を備えて構成されている。
通信部301は、インターフェースなどで構成され、連結されている印刷装置20との間で通信を行う。例えば、通信部301は、印刷装置20より送信される載置済み通知などの各種の通知を受信する。また、例えば、通信部301は、通知部308e(詳しくは後述)により生成された各種の通知(詳しくは後述)を送信する。
記憶部302は、RAM、ROMなどで構成され、制御部308を構成するCPUのワークエリア、くるみ製本装置30全体を制御するための動作プログラムなどの各種プログラムを格納するプログラムエリア、詳しくは後述する自動給紙可否管理テーブルT1など各種データを格納するデータエリアとして機能する。
ここで、図8を参照して、本実施形態における自動給紙可否管理テーブルT1について説明する。図8は、本実施形態における自動給紙可否管理テーブルT1の構成例を示す図である。自動給紙可否管理テーブルT1は、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入位置と試し給紙(詳しくは後述)の結果(自動給紙の可否)を手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGごとに管理しているテーブルである。
また、自動給紙可否管理テーブルT1は、試し給紙制御部308c(詳しくは後述)により管理されており、図8に示すように、「指定ページ」毎に、「挿入位置」と「フラグ」とが対応付けられているテーブルである。
「指定ページ」は、くるみ製本印刷設定においてユーザにより設定された「手差し給紙の指定ページ」に対応するものであり、受信した本文枚数通知に含まれる挿入位置情報に基づいて、試し給紙制御部308cにより登録される。
「挿入位置」は、対応する「指定ページ」が何枚目の本文用紙P2に割り付けられるかを示すものであり、受信した本文枚数通知に含まれる挿入位置情報に基づいて、試し給紙制御部308cにより登録される。
「フラグ」は、対応する手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが自動給紙可能か否かを示すフラグであり、試し給紙制御部308cにより設定される。本実施形態においては、フラグ値“0”は、自動給紙不可であることを示し、フラグ値“1”は、自動給紙可能であることを示す。
図3と図5に戻り、搬送部303は、印刷装置20の連絡搬送路18から送り出された印刷済みの本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を上部製本搬送路35へ搬送するための導入搬送路32を備えている。また、搬送部303は、導入搬送路32に沿って配置され、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を搬送する複数のローラ(不図示)を備えている。
また、搬送部303は、筐体31内の上部に設けられ、導入搬送路32から送り出された印刷済みの本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を整合部305(あるいは、手差し給紙部304)へ搬送などするための上部製本搬送路35を備えている。また、搬送部303は、上部製本搬送路35に沿って配置され、本文用紙P2(あるいは、表紙用紙P1)を搬送する複数のローラ(不図示)を備えている。このうち、上部製本搬送路35に沿って給紙トレイ36の左側に配置されている複数のローラは、印刷済みの表紙用紙P1の搬送方向を反転させて、下部製本搬送路55側へ搬送できるようになっている。
また、搬送部303は、筐体31内における上部製本搬送路35の下側に設けられている下部製本搬送路55を備えている。下部製本搬送路55は、上部製本搬送路35から送り出された印刷済みの表紙用紙P1を本文部分の用紙束(以下、本文用紙束という)PSの背面PSaに合わせて折り曲げるために所定の位置へ搬送するための搬送路である。また、搬送部303は、下部製本搬送路55に沿って配置され、表紙用紙P1を所定の位置へ搬送する複数のローラ(不図示)を備えている。
手差し給紙部304は、筐体31の上部中央に設けられ、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを収納するための給紙トレイ36を備えている。給紙トレイ36は、印刷済みの表紙用紙P1を一時的に待機させる機能も有している。また、手差し給紙部304は、図9に示すように、収納されている手差し給紙対象の媒体(用紙束)TG(あるいは、印刷済みの表紙用紙P1)を給紙トレイ36から搬出し、上部製本搬送路35側へ送り出す搬出ローラRと、搬出ローラRを駆動させるモータ(不図示)などを備えている。搬出ローラRを駆動させるモータは、例えば、ステッピングモータである。ここで、図9は、本実施形態における手差し給紙部304を説明するための図である。
また、手差し給紙部304は、図9に示すように、搬送ローラRの中心から上部製本搬送路35側に所定距離L(mm)離れた位置に配置されている媒体検知センサC1を備えている。媒体検知センサC1は、給紙トレイ36に収納されている媒体(用紙束)TGを試し給紙した際に、試し給紙した媒体(用紙束)TGを自動給紙することが可能か否かを判定するためのセンサであり、例えば、透過型センサや反射型センサなどである。また、手差し給紙部304は、図9に示すように、給紙トレイ36の内部に収納検知センサC2を備えている。収納検知センサC2は、給紙トレイ36に媒体が収納されているか否かを判定するためのセンサであり、例えば、マイクロスイッチや透過型センサなどである。なお、所定距離L(mm)が長くなるほど所定時間TM(詳しくは後述)が長くなることから、所定距離L(mm)は短い方が好ましい。なぜなら、試し給紙した媒体(用紙束)TGの厚みが搬出可能な許容量を超えしまっている場合において、所定時間TM(s)が長いと、搬出ローラRによる削り痕が酷くなるからである。
図3と図5に戻り、整合部305は、筐体31内の右側上部に設けられ、印刷済みの本文用紙P2と手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを整合して本文用紙束PSを形成するためのスタックトレイ34を備えている。スタックトレイ34は、例えば、水平な軸心周りに回転することで、本文用紙束PSをくるみ綴じ機構306へ送り出し可能になっている。また、筐体31の上面には、カバー(以下、上面カバーという)(不図示)が設けられており、上面カバーを開けることで、スタックトレイ34に媒体(用紙束)TGを直接載置可能になっている。
くるみ綴じ機構306は、整合部305で形成された本文用紙束PSの背面PSaと側面PSbの一部とに接着剤Gを塗布し、手差し給紙部304から送り出された印刷済みの表紙用紙P1を、接着剤Gが塗布済みの本文用紙束PSと合わせて折り曲げることで冊子Bを作製する機構であり、筐体31内の中央部に設けられている。
より具体的には、くるみ綴じ機構306は、図3に示すように、本文用紙束PSを保持して移動可能な一対のクランパ41A,41Bと、一対のクランパ41A,41Bを開閉、上下左右方向に移動させる各種のモータ(不図示)と、を備えている。また、くるみ綴じ機構306は、スタックトレイ34の下側に配置されている、接着剤Gを収容する接着剤収容トレイ46を備えている。接着剤収容トレイ46内には、本文用紙束PSの背面PSaと側面PSbの一部とに接着剤Gを塗布する塗布ローラ47が設けられている。塗布ローラ47は、接着剤収容トレイ46の内側において、回転軸48により回転可能に支持されている。
また、くるみ綴じ機構306は、一対の背折りプレート51A,51Bと、背折りプレート51A,51Bの下側に設けられた突き当てプレート52と、を備えている。背折りプレート51A,51Bは、互いに接近、離間するように、突き当てプレート52上で左右方向に移動可能になっている。背折りプレート51A,51Bは、図3に示すように、互いに対向する押圧面51a,51bを有している。押圧面51a,51bは、略水平な突き当てプレート52の上面に略直交する鉛直面である。突き当てプレート52は、左右方向に移動可能になっている。接着剤Gが塗布済みの本文用紙束PSの背面PSaが表紙用紙P1を介して突き当てプレート52に当接した状態で、左右から背折りプレート51A,51Bの押圧面51a,51bが表紙用紙P1を介して本文用紙束PSを押圧することで、表紙用紙P1が折り曲げられるようになっている。
排出部307は、くるみ綴じ機構306により作製された冊子Bを筐体31の外に排出するためのものであり、図3に示すように、ガイド部材57,58の下側に設けられている。排出部307は、くるみ綴じ機構306から落下した冊子Bを受け取り、冊子Bを左側へ搬送して下方に落下させる搬送コンベア60と、搬送コンベア60の下側に設けられた排出コンベア61と、を備えている。排出コンベア61は、搬送コンベア60から落下した冊子Bを受け取り、冊子Bを右側へ搬送して筐体31の外に送り出すものである。また、排出部307は、排出コンベア61の下流側に設けられ、排出コンベア61から送り出された冊子Bを受け取る受取台62を備えている。
制御部308は、CPUなどで構成され、記憶部302のプログラムエリアに格納されている動作プログラムを実行して、図5に示すように、判定部308aと、搬送制御部308bと、試し給紙制御部308cと、給紙制御部308dと、通知部308eと、機構制御部308fと、排出制御部308gとしての機能を実現すると共に、くるみ製本装置30全体を制御する制御処理や詳しくは後述の試し給紙処理などの処理を実行する。
判定部308aは、各種の判定処理を行う。例えば、判定部308aは、連結されている印刷装置20より送信される各種の通知を受信したか否かを判定する。また、判定部308aは、本文枚数通知を受信すると、挿入位置情報が含まれているか否かに基づいて、指定ページが有るか否かを判定する。より具体的には、判定部308aは、挿入位置情報が含まれている場合には、指定ページが有ると判定し、挿入位置情報が含まれていない場合には、指定ページは無いと判定する。
また、判定部308aは、給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが収納されているか否かを判定する。より具体的には、判定部308aは、収納検知センサC2が媒体を検知している場合に、給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが収納されていると判定する。
また、判定部308aは、試し給紙した手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGは自動給紙することが可能であるか否かを判定する。より具体的には、判定部308aは、試し給紙制御部308cの制御の下、搬出ローラRの駆動が開始されて所定時間TM(s)経過する以前に、媒体検知センサC1が媒体を検知した場合に、自動給紙することが可能であると判定する。一方、判定部308aは、媒体検知センサC1が媒体を検知しない場合に、自動給紙することはできないと判定する。ここで、所定時間TM(s)は、搬出ローラRの外周長(mm)[あるいは、搬出ローラRの一回転当たりにおける搬出対象の媒体の移動量(mm)]をZ、試し給紙時の搬出ローラRの回転数(rps)をLSとすると、TM≧L/(Z×LS)を満たすように定義されている。なお、式中のLは、図9に示されている所定距離L(mm)である。
また、判定部308aは、試し給紙の結果、自動給紙が可能であると判定された媒体(用紙束)TGが、給紙制御部308dの制御の下、給紙トレイ36から給紙されたか否かを判定する。また、判定部308aは、未処理の指定ページが有るか否かを判定する。つまり、判定部308aは、まだ試し給紙していない媒体(用紙束)TGが有るか否かを判定する。より具体的には、指定ページの数分の試し給紙を行っていれば、判定部308aは、未処理の指定ページは無いと判定し、指定ページの数分の試し給紙をまだ行っていなければ、未処理の指定ページが有ると判定する。
また、判定部308aは、自動給紙可否管理テーブルT1の「挿入位置」欄を検索して、次に印刷装置20から送り出されてくる本文用紙P2の前に手差し給紙するか否かを判定する。この際、次に送り出されてくる本文用紙P2の前に手差し給紙する場合であっても、それらの手差し給紙が全て完了している場合には、判定部308aは、手差し給紙しないと判定する。例えば、図8を参照して、「挿入位置」が、“3”と“7”と“8”であることから、この場合には、判定部308aは、次に送り出されてくる本文用紙P2が3枚目と7枚目と8枚目の内のいずれかである場合に、手差し給紙すると判定する。
また、判定部308aは、手差し給紙すると判定した場合には、更に、自動給紙可否管理テーブルT1の「フラグ」欄を検索して、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGに対応するフラグ値が“1”であるか否かを判定する。また、判定部308aは、全本文用紙P2をスタックトレイ34に搬送したか否かを判定する。より具体的には、判定部308aは、受信した本文枚数通知が示す枚数分の本文用紙P2をスタックトレイ34に搬送した場合には、全本文用紙P2を搬送したと判定し、スタックトレイ34に搬送した本文用紙P2の枚数が受信した本文枚数通知が示す枚数に到達していなければ、全本文用紙P2を搬送していないと判定する。
また、判定部308aは、全本文用紙P2をスタックトレイ34に搬送したと判定した場合には、更に、未処理の手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが有るか否かを判定する。つまり、判定部308aは、最後の本文用紙P2の後に挿入される手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが有り、それらの媒体(用紙束)TGが未処理の場合に、未処理の手差し給紙対象が有ると判定する。
搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、印刷済みの本文用紙P2などの媒体を所定の位置へと搬送させる。例えば、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、印刷装置20から送り出された印刷済みの本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる。また、例えば、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、給紙トレイ36から搬出された媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ搬送する。
試し給紙制御部308cは、手差し給紙部304を制御し、給紙トレイ36に収納されている手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの試し給紙を行わせる。試し給紙は、給紙トレイ36に収納されている手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを、それぞれ、自動給紙することが可能か否かを判定するために実行される。そのため、試し給紙は、実際の給紙より前に実行される。
より具体的には、試し給紙制御部308cは、搬出ローラRを駆動するモータ(不図示)を制御し、通常の給紙時と比較して低速で搬出ローラRを回転(回転速度LS(r/s))させる。つまり、通常の給紙時の回転速度(r/s)をHSとすると、HS>LSとなる。そして、搬出ローラRの駆動開始から所定時間TM(s)経過する以前に、媒体検知センサC1が、媒体を検知した場合には、試し給紙制御部308cは、検知した時点で、搬出ローラRの駆動を停止させる。そして、試し給紙制御部308cは、搬出ローラRを逆回転させて、給紙トレイ36に試し給紙した媒体(用紙束)TGを戻す処理を行わせる。
一方、搬出ローラRの駆動開始から所定時間TM(s)経過する以前に、媒体検知センサC1が、媒体を検知しない場合には、試し給紙制御部308cは、所定時間TM(s)経過した時点で、搬出ローラRの駆動を停止させる。
また、試し給紙制御部308cは、自動給紙可否管理テーブルT1の管理を行う。より具体的には、受信した本文枚数通知に挿入位置情報が含まれている場合に、試し給紙制御部308cは、挿入位置情報に基づいて、自動給紙可否管理テーブルT1のエントリを登録する。この際、挿入位置情報に指定ページXkが含まれている場合には、試し給紙制御部308cは、指定ページXkに対応する「挿入位置」欄は空欄として登録する。そして、試し給紙の結果、自動給紙することが可能な場合には、自動給紙可否管理テーブルT1の対応するフラグのフラグ値を“1”にセットし、自動給紙できない場合には、対応するフラグのフラグ値を“0”にセットする。
給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、自動給紙することが可能と判定された媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36から搬出させる。この際、搬出ローラRの回転数はHS(rps)に制御される。また、給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、給紙トレイ36に一時的に待機させている印刷済みの表紙用紙P1を搬出させる。
通知部308eは、各種の通知を生成し、通信部301を介して、生成した通知を連結されている印刷装置20へ送信する。例えば、通知部308eは、判定部308aにより、給紙トレイ36に媒体(用紙束)TGが収納されていないと判定された場合に、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36に収納するよう指示する収納指示を生成する。また、例えば、通知部308eは、判定部308aにより、試し給紙の結果、自動給紙できないと判定された場合に、自動給紙できないと判定された媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36から除去するよう指示する除去指示を生成する。
また、例えば、通知部308eは、判定部308aにより、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGに対応するフラグ値が“0”であると判定された場合に、つまり、給紙トレイ36からの自動給紙ができない場合に、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34に直接載置するよう指示する載置指示を生成する。載置指示には、スタックトレイ34に直接載置させる媒体(用紙束)TGに対応する指定ページを示すページ情報が含まれる。また、例えば、通知部308eは、給紙トレイ36から手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが搬出され、スタックトレイ34へ搬送されると、給紙済みであることを示す給紙済み通知を生成する。
機構制御部308fは、整合部305を制御し、整合部305から本文用紙束PSを送り出させ、くるみ綴じ機構306を制御して、給紙トレイ36から送り出された表紙用紙P1と整合部305から送り出させた本文用紙束PSとに基づいて、冊子Bを作製させる。そして、機構制御部308fは、くるみ綴じ機構306を制御して、作製させた冊子Bを排出部307へ落下させる。
搬出制御部308gは、排出部307を制御し、くるみ綴じ機構306から落下してきた冊子Bを受取台62へ搬送させ、作製された冊子Bを筐体31の外へ排出させる。
次に、図10と図11を参照して、本実施形態における印刷処理の流れについて説明する。図10と図11は、それぞれ、本実施形態における印刷処理のフローを説明するためのフローチャートの例の一部と、他の一部である。本印刷処理は、印刷装置20側で実行され、印刷ジョブの受信をトリガとして開始される。
判定部212aは、印刷ジョブを受信したか否かを判定する(ステップS001)。判定部212aにより、印刷ジョブを受信していないと判定された場合には(ステップS001;NO)、処理はステップS001の処理を繰り返し、印刷ジョブの受信を待つ。
一方、判定部212aにより、印刷ジョブを受信したと判定された場合には(ステップS001;YES)、解析部212bは、受信した印刷ジョブを解析し、設定内容などを特定する(ステップS002)。そして、判定部212aは、受信した印刷ジョブに手差し給紙の指定が有るか否かを判定する(ステップS003)。
判定部212aにより、手差し給紙の指定が有ると判定された場合には(ステップS003;YES)、通知部212cは、挿入位置情報を含む本文枚数通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した本文枚数通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する(ステップS004)。そして、処理は、後述のステップS006の処理へと進む。
一方、判定部212aにより、手差し給紙の指定は無いと判定された場合には(ステップS003;NO)、通知部212cは、挿入位置情報を含まない本文枚数通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した本文枚数通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する(ステップS005)。
そして、印刷制御部212fは、受信した印刷ジョブに基づいて、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの指定ページを考慮したページ割り付けを行い、その後、ラスタデータを生成する(ステップS006)。そして、判定部212aは、次に処理する本文用紙P2の前に手差し給紙するか否かを判定する(ステップS007)。この際、次に処理する本文用紙P2の前に手差し給紙する場合であっても、それらの手差し給紙が全て完了している場合には、判定部212aは、手差し給紙しないと判定する。
手差し給紙すると判定した場合には(ステップS007;YES)、判定部212aは、更に、給紙済み通知を受信したか否かを判定する(ステップS008)。判定部212aにより、給紙済み通知を受信したと判定された場合には(ステップS008;YES)、処理は後述のステップS017の処理へと進む。
一方、給紙済み通知を受信していないと判定した場合には(ステップS008;NO)、判定部212aは、更に、載置指示を受信したか否かを判定する(ステップS009)。判定部212aにより、載置指示を受信していないと判定された場合には(ステップS009;NO),処理は、ステップS008の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
一方、判定部212aにより、載置指示を受信したと判定された場合には(ステップS009;YES)、表示制御部212gは、記憶部203のデータエリアに格納されている載置指示画面のテンプレートデータと載置指示に含まれるページ情報とに基づいて、図7(A)に例示する載置指示画面を生成し、表示部204を制御して、生成した載置指示画面を表示画面上に表示させる(ステップS010)。この際、他の報知手段を併用し、ユーザに載置指示画面が表示されたことを報知させるように構成してもよい。
そして、判定部212aは、スタックトレイ34に媒体(用紙束)TGが直接載置されたか否かを判定する(ステップS011)。判定部212aにより、まだ載置されていないと判定された場合には(ステップS011;NO)、処理はステップS011の処理を繰り返し、スタックトレイ34に媒体(用紙束)TGが直接載置され、載置指示画面の「続行」ボタンが選択されるのを待つ。
一方、判定部212aにより、載置されたと判定された場合には(ステップS011;YES)、通知部212cは、載置済み通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した載置済み通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する(ステップS012)。そして、処理は、後述のステップS017の処理へと進む。
ステップS007の処理において、判定部212aにより、手差し給紙しないと判定された場合には(ステップS007;NO)、給紙制御部212dは、本文用紙給紙部206を制御して、給紙トレイ13から本文用紙P2を1枚搬出させ(ステップS013)、給紙制御部212dは、搬送制御部212eと連係して、搬出させた本文用紙P2を印刷部209へ搬送させる(ステップS014)。
そして、印刷制御部212fは、搬送制御部212eと連係して、印刷部209などを制御して、生成したラスタデータに基づいて、搬送された本文用紙P2を印刷する(ステップS015)。そして、搬送制御部212eは、連絡搬送部211を制御して、印刷済みの本文用紙P2を連結されているくるみ製本装置30への搬送を開始する(ステップS016)。
そして、判定部212aは、全ての本文用紙P2を処理したか否かを判定する(ステップS017)。判定部212aにより、全ての本文用紙P2を処理していないと判定された場合には(ステップS017;NO)、処理は、ステップS007の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
一方、全ての本文用紙P2を処理したと判定した場合には(ステップS017;YES)、判定部212aは、更に、未処理の手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが有るか否かを判定する(ステップS018)。判定部212aにより、未処理の手差し給紙対象が有ると判定された場合には(ステップS018;YES)、処理は、ステップS008の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
一方、判定部212aにより、未処理の手差し給紙対象は無いと判定された場合には(ステップS018;NO)、給紙制御部212dは、表紙用紙給紙部207を制御して、給紙トレイ9から表紙用紙P1を1枚搬出させ(ステップS019)、給紙制御部212dは、搬送制御部212eと連係して、搬出させた表紙用紙P1を印刷部209へ搬送させる(ステップS020)。
そして、印刷制御部212fは、搬送制御部212eと連係して、印刷部209などを制御して、生成したラスタデータに基づいて、搬送された表紙用紙P1を印刷する(ステップS021)。そして、搬送制御部212eは、連絡搬送部211を制御して、印刷済みの表紙用紙P1を連結されているくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS022)。そして、処理は、ステップS001の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
次に、図12を参照して、本実施形態における試し給紙処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態における試し給紙処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本試し給紙処理は、くるみ製本装置30側で実行され、本文枚数通知の受信をトリガとして開始される。
判定部308aは、本文枚数通知を受信したか否かを判定する(ステップS101)。判定部308aにより、本文枚数通知を受信していないと判定された場合には(ステップS101;NO)、処理は、ステップS101の処理を繰り返し、本文枚数通知の受信を待つ。
一方、本文枚数通知を受信したと判定した場合には(ステップS101;YES)、判定部308aは、更に、受信した本文枚数通知に挿入位置情報が含まれているか否かに基づいて、指定ページが有るか否かを判定する(ステップS102)。判定部308aにより、指定ページは無いと判定された場合には(ステップS102;NO)、処理は、ステップS101の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
一方、判定部308aにより、指定ページが有ると判定された場合には(ステップS102;YES)、試し給紙制御部308cは、受信した本文枚数通知に含まれる挿入位置情報に基づいて、自動給紙可否管理テーブルT1のエントリを登録する(ステップS103)。そして、判定部308aは、給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが収納されているか否かを判定する(ステップS104)。
判定部308aにより、収納されていないと判定された場合には(ステップS104;NO)、通知部308eは、収納指示を生成し、通信部301を介して、生成した収納指示を連結されている印刷装置20へ送信する(ステップS105)。そして、判定部308aは、収納済み通知を受信したか否かを判定する(ステップS106)。
判定部308aにより、収納済み通知を受信していないと判定された場合には(ステップS106;NO)、処理は、ステップS106の処理を繰り返し、収納済み通知の受信を待つ。一方、判定部308aにより、収納済み通知を受信したと判定された場合には(ステップS106;YES)、処理は、後述のステップS107の処理へと進む。
ステップS104の処理において、判定部308aにより、収納されていると判定された場合には(ステップS104;YES)、試し給紙制御部308cは、手差し給紙部304を制御し、給紙トレイ36に収納されている一番下の媒体(用紙束)TGの試し給紙を行わせる(ステップS107)。
そして、判定部308aは、試し給紙した媒体(用紙束)TGは自動給紙することが可能であるか否かを判定する(ステップS108)。判定部308aにより、自動給紙できないと判定された場合には(ステップS108;NO)、試し給紙制御部308cは、自動給紙可否管理テーブルT1の対応するフラグのフラグ値を“0”にセットする(ステップS109)。そして、通知部308eは、除去指示を生成し、通信部301を介して、生成した除去指示を連結されている印刷装置20へ送信する(ステップS110)。
そして、判定部308aは、除去済み通知を受信したか否かを判定する(ステップS111)。判定部308aにより、除去済み通知を受信していないと判定された場合には(ステップS111;NO)、処理は、ステップS111の処理を繰り返して、除去済み通知の受信を待つ。
一方、除去済み通知を受信したと判定した場合には(ステップS111;YES)、判定部308aは、更に、未処理の指定ページがまだ有るか否かを判定する(ステップS112)。判定部308aにより、未処理の指定ページがまだ有ると判定された場合には(ステップS112;YES)、処理は、ステップS104の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。一方、判定部308aにより、未処理の指定ページは無いと判定された場合には(ステップS112;NO)、処理は、ステップS101の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
ステップS108において、判定部308aにより、自動給紙することが可能であると判定された場合には(ステップS108;YES)、試し給紙制御部308cは、自動給紙可否管理テーブルT1の対応するフラグのフラグ値を“1”にセットする(ステップS113)。
そして、判定部308aは、試し給紙の結果、自動給紙することが可能であると判定された媒体(用紙束)TGが、給紙制御部308dの制御の下、給紙トレイ36から給紙されたか否かを判定する(ステップS114)。判定部308aにより、まだ給紙トレイ36から給紙されていないと判定された場合には(ステップS114;NO)、処理は、ステップS114の処理を繰り返して、自動給紙することが可能であると判定された媒体(用紙束)TGが、給紙トレイ36から給紙されるのを待つ。一方、判定部308aにより、給紙トレイ36から給紙されたと判定された場合には(ステップS114;YES)、処理は、ステップS112の処理へと進む。
次に、図13と図14を参照して、本実施形態における製本処理の流れについて説明する。図13と図14は、それぞれ、本実施形態における製本処理のフローを説明するためのフローチャートの例の一部と、他の一部である。本製本処理は、くるみ製本装置30側で実行され、本文枚数通知の受信をトリガとして開始される。
判定部308aは、本文枚数通知を受信したか否かを判定する(ステップS201)。判定部308aにより、本文枚数通知を受信していないと判定された場合には(ステップS201;NO)、処理は、ステップS201の処理を繰り返し、本文枚数通知の受信を待つ。
一方、本文枚数通知を受信したと判定した場合には(ステップS201;YES)、判定部308aは、更に、受信した本文枚数通知に挿入位置情報が含まれているか否かに基づいて、指定ページが有るか否かを判定する(ステップS202)。判定部308aにより、指定ページは無いと判定された場合には(ステップS202;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、印刷装置20から送り出された印刷済みの本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS203)。
そして、判定部308aは、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送したか否かを判定する(ステップS204)。判定部308aにより、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送していないと判定された場合には(ステップS204;NO)、処理は、ステップS203の処理へと戻り、全ての本文用紙P2がスタックトレイ34へ搬送される迄、前述の処理を繰り返す。
一方、判定部308aにより、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送したと判定された場合には(ステップS204;YES)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、印刷装置20から送り出された印刷済みの表紙用紙P1を給紙トレイ36へ搬送させる(ステップS205)。そして、給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、給紙トレイ36に一時的に待機させている印刷済みの表紙用紙P1を搬出させ(ステップS206)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、搬出させた印刷済みの表紙用紙P1をくるみ綴じ機構306の所定位置へ搬送させる(ステップS207)。
そして、機構制御部308fは、整合部305とくるみ綴じ機構306を制御して、表紙用紙P1と本文用紙束PSとに基づいて、冊子Bを作製させる(ステップS208)。そして、排出制御部308gは、排出部307を制御して、作製された冊子Bを筐体31の外に排出させる(ステップS209)。そして、処理は、ステップS201の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
ステップS202の処理において、指定ページが有ると判定した場合には(ステップS202;YES)、判定部308aは、更に、印刷装置20から次に送り出される本文用紙P2の前に手差し給紙するか否かを判定する(ステップS210)。この際、次に送り出されてくる本文用紙P2の前に手差し給紙する場合であっても、それらの手差し給紙が全て完了している場合には、判定部308aは、手差し給紙しないと判定する。
判定部308aにより、手差し給紙しないと判定された場合には(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、印刷装置20から送り出された印刷済みの本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。そして、処理は、後述のステップS218の処理へと進む。
一方、手差し給紙すると判定した場合には(ステップS210;YES)、判定部308aは、更に、自動給紙可否管理テーブルT1を参照して、対応するフラグのフラグ値が“1”であるか否かを判定する(ステップS212)。この際、処理対象の媒体(用紙束)TGに対応する、自動給紙可否管理テーブルT1の「フラグ」欄が空欄の場合には、少なくとも処理対象の媒体(用紙束)TGに対応するフラグ値がセットされるのを待つ。つまり、処理対象の媒体(用紙束)TGの試し給紙が実行され、自動給紙の可否が判定されるのを待つ。
判定部308aにより、フラグ値が“1”であると判定された場合には(ステップS212;YES)、給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、自動給紙することが可能と判定された媒体(用紙束)TG(一番下の媒体(用紙束)TG)を給紙トレイ36から搬出させる(ステップS213)。
そして、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、搬出された媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS214)。そして、通知部308eは、給紙済み通知を生成し、通信部301を介して、生成した給紙済み通知を連結されている印刷装置20へ送信する(ステップS215)。そして、処理は、後述のステップS218の処理へと進む。
ステップS212の処理において、判定部308aにより、フラグ値が“1”ではないと判定された場合には(ステップS212;NO)、通知部308eは、載置指示を生成し、通信部301を介して、生成した載置指示を連結されている印刷装置20へ送信する(ステップS216)。こうすることで、自動給紙できない媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34に直接載置させる。
そして、判定部308aは、載置済み通知を受信したか否かを判定する(ステップS217)。判定部308aにより、載置済み通知を受信していないと判定された場合には(ステップS217;NO)、処理は、ステップS217の処理を繰り返して、載置済み通知の受信を待つ。一方、載置済み通知を受信したと判定した場合には(ステップS217;YES)、判定部308aは、更に、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送したか否かを判定する(ステップS218)。
判定部308aにより、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送していないと判定された場合には(ステップS218;NO)、処理は、ステップS210の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。一方、全ての本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送したと判定した場合には(ステップS218;YES)、判定部308aは、更に、未処理の手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが有るか否かを判定する(ステップS219)。
判定部308aにより、未処理の手差し給紙対象が有ると判定された場合には(ステップS219;YES)、処理は、ステップS212の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。一方、判定部308aにより、未処理の手差し給紙対象は無いと判定された場合には(ステップS219;NO)、処理は、ステップS205の処理へと進む。
次に、図15を参照して、本実施形態における指示画面表示処理の流れについて説明する。図15は、本実施形態における指示画面表示処理のフローを説明するためのフローチャートの例である。本指示画面表示処理は、印刷装置20側で実行され、収納指示あるいは除去指示の受信をトリガとして開始される。
判定部212aは、収納指示を受信したか否かを判定する(ステップS301)。収納指示を受信していないと判定した場合には(ステップS301;NO)、判定部212aは、更に、除去指示を受信したか否かを判定する(ステップS302)。判定部212aにより、除去指示を受信していないと判定された場合には(ステップS302;NO)、処理は、ステップS301の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
一方、判定部212aにより、除去指示を受信したと判定された場合には(ステップS302;YES)、表示制御部212gは、記憶部203のデータエリアに格納されている除去指示画面のテンプレートデータに基づいて、図7(C)に例示する除去指示画面を生成し、表示部204を制御して、生成した除去指示画面を表示画面上に表示させる(ステップS303)。この際、他の報知手段を併用し、除去指示画面が表示されたことを、ユーザに報知するように構成してもよい。
そして、判定部212aは、除去指示画面上の「続行」ボタンが選択されたか否かに基づいて、自動給紙できない手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36から除去されたか否かを判定する(ステップS304)。判定部212aにより、除去されていないと判定された場合には(ステップS304;NO)、処理は、ステップS304の処理を繰り返して、自動給紙できない手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36から除去され、「続行」ボタンが選択されるのを待つ。
一方、判定部212aにより、除去されたと判定された場合には(ステップS304;YES)、通知部212cは、除去済み通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した除去済み通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する(ステップS305)。そして、処理は、ステップS301の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
ステップS301の処理において、判定部212aにより、収納指示を受信したと判定された場合には(ステップS301;YES)、表示制御部212gは、記憶部203のデータエリアに格納されている収納指示画面のテンプレートデータに基づいて、図7(B)に例示する収納指示画面を生成し、表示部204を制御して、生成した収納指示画面を表示画面上に表示させる(ステップS306)。この際、他の報知手段を併用し、収納指示画面が表示されたことを、ユーザに報知するように構成してもよい。
そして、判定部212aは、収納指示画面上の「続行」ボタンが選択されたか否かに基づいて、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36に収納されたか否かを判定する(ステップS307)。判定部212aにより、収納されていないと判定された場合には(ステップS307;NO)、処理は、ステップS307の処理を繰り返して、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが給紙トレイ36に収納され、「続行」ボタンが選択されるのを待つ。
一方、判定部212aにより、収納されたと判定された場合には(ステップS307;YES)、通知部212cは、収納済み通知を生成し、第2通信部202を介して、生成した収納済み通知を連結されているくるみ製本装置30に送信する(ステップS308)。そして、処理は、ステップS301の処理へと戻り、前述の処理を繰り返す。
次に、図2、図8、図10乃至図16を参照して、具体例に従って、製本システム1を構成する印刷装置20とくるみ製本装置30との間でやり取りされる通知の流れと本文用紙束PSの形成の流れについて説明する。図16(A)は、本実施形態における製本システム1を構成する印刷装置20とくるみ製本装置30との間でやり取りされる通知の流れと本文用紙束PSの形成の流れを説明するための図である。また、図16(B)は、図16(A)に示す処理により形成される本文用紙束PSの例を示す図である。なお、以下の説明の順序は、必ずしも時系列に沿ったものではない。
なお、図16(A)は、図2に例示したくるみ製本印刷設定における設定例に従って、製本システム1における通知の流れを説明したものである。また、図2に例示したくるみ製本印刷設定における設定例に対応する自動給紙可否管理テーブルT1が、図8に例示する自動給紙可否管理テーブルT1であるものとする。つまり、指定ページ“3”に対応する「挿入位置」は“2”であり、指定ページ“7”に対応する「挿入位置」は“4”であり、指定ページ“8”に対応する「挿入位置」は“5”である。また、本例において印刷処理される本文用紙P2の枚数は5枚とする。
印刷装置20側の印刷処理において、図2に例示したくるみ製本印刷設定に従って生成された印刷ジョブを受信すると、指定ページの設定が有ることから(S003;YES)、通知部212cは、挿入位置情報を含む本文枚数通知を生成し、生成した本文枚数通知をくるみ製本装置30に送信する(ステップS004)。この際の挿入位置情報は、上述したように、指定ページ毎に挿入位置(通知部212cにより特定された番号)が対応付けられている情報である。
1枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙しないことから(ステップS007;NO)、印刷装置20は、1枚目の本文用紙P2の印刷処理を行い、1枚目の本文用紙P2をくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS013〜S016)。そして、2枚目の本文用紙P2の前に指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGを手差し給紙することから(ステップS007;YES)、印刷装置20は、給紙済み通知、又は、載置指示の受信を待つ。
くるみ製本装置30側の試し給紙処理において、本文枚数通知を受信すると、受信した本文枚数通知に挿入位置情報が含まれていることから(ステップS102;YES)、試し給紙制御部308cは、挿入位置情報に基づいて、自動給紙可否管理テーブルT1のエントリを登録する(ステップS103)。つまり、試し給紙制御部308cは、図8に例示する自動給紙可否管理テーブルT1を生成する。但し、この時点では、各「フラグ」欄は空欄である。
給紙トレイ36に手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGが既に収納されているとすると(ステップS104;YES)、試し給紙制御部308cは、指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGに対し試し給紙を行う(ステップS107)。本例においては、試し給紙の結果、指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGの自動給紙が可能であるとすると(ステップS108;YES)、試し給紙制御部308cは、図8に示すように、自動給紙可否管理テーブルT1の指定ページ“3”に対応するフラグ値を“1”にセットする(ステップS113)。
くるみ製本装置30側の製本処理において、1枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙しないことから(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、1枚目の本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。そして、図8に示すように、2枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙し(ステップS210;YES)、手差し給紙対象の指定ページ“3”に対応するフラグ値が“1”であることから(ステップS212;YES)、給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36から搬出させる(ステップS213)。そして、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、搬出された指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS214)。
そして、通知部308eは、指定ページ“3”に対する給紙済み通知を生成し、生成した給紙済み通知を印刷装置20へ送信する(ステップS215)。
印刷装置20側の印刷処理において、指定ページ“3”に対する給紙済み通知を受信すると(ステップS008;YES)、2枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙が実行されたことから(ステップS007;NO)、印刷装置20は、2枚目の本文用紙P2の印刷処理を行い、2枚目の本文用紙P2をくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS013〜S016)。そして、3枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙しないことから(ステップS007;NO)、印刷装置20は、3枚目の本文用紙P2の印刷処理を行い、3枚目の本文用紙P2をくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS013〜S016)。そして、4枚目の本文用紙P2の前に指定ページ“7”に対応する媒体(用紙束)TGを手差し給紙することから(ステップS007;YES)、印刷装置20は、給紙済み通知、又は、載置指示の受信を待つ。
くるみ製本装置30側の試し給紙処理において、指定ページ“3”に対応する媒体(用紙束)TGが給紙され(ステップS114;YES)、未処理の指定ページが有ることから(ステップS112;YES)、試し給紙制御部308cは、指定ページ“7”に対応する媒体(用紙束)TGに対し試し給紙を行う(ステップS107)。本例においては、試し給紙の結果、指定ページ“7”に対応する媒体(用紙束)TGの自動給紙は不可であるとすると(ステップS108;NO)、試し給紙制御部308cは、図8に示すように、自動給紙可否管理テーブルT1の指定ページ“7”に対応するフラグ値を“0”にセットする(ステップS109)。そして、通知部308eは、指定ページ“7”に対する除去指示を生成し、生成した除去指示を印刷装置20へ送信する(ステップS110)。
印刷装置20側の指示画面表示処理において、指定ページ“7”に対する除去指示を受信すると(ステップS302;YES)、表示制御部212gは、除去指示画面を生成し、表示部204を制御して、生成した除去指示画面を表示画面上に表示させる(ステップS303)。そして、ユーザが、除去指示に従って、指定ページ“7”に対応する媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36から除去し、除去指示画面の「続行」ボタンを選択すると(ステップS304;YES)、通知部212cは、除去済み通知を生成し、生成した除去済み通知をくるみ製本装置30に送信する(ステップS305)。
くるみ製本装置30側の試し給紙処理において、除去済み通知を受信すると(ステップS111;YES)、未処理の指定ページがまだ有ることから(ステップS112;YES)、試し給紙制御部308cは、指定ページ“8”に対応する媒体(用紙束)TGに対し試し給紙を行う(ステップS107)。本例においては、試し給紙の結果、指定ページ“8”に対応する媒体(用紙束)TGの自動給紙が可能であるとすると(ステップS108;YES)、試し給紙制御部308cは、図8に示すように、自動給紙可否管理テーブルT1の指定ページ“8”に対応するフラグ値を“1”にセットする(ステップS113)。
くるみ製本装置30側の製本処理において、2枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙は実行されたことから(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、2枚目の本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。そして、3枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙しないことから(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、3枚目の本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。そして、図8に示すように、4枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙し(ステップS210;YES)、手差し給紙対象の指定ページ“7”に対応するフラグ値が“0”であることから(ステップS212;NO)、通知部308eは、指定ページ“7”に対応する載置指示を生成し、生成した載置指示を印刷装置20へ送信する(ステップS216)。
印刷装置20側の印刷処理において、指定ページ“7”に対応する載置指示を受信すると(ステップS009;YES)、表示制御部212gは、図7(A)に例示する載置指示画面を生成し、表示部204を制御して、生成した載置指示画面を表示画面上に表示させる(ステップS010)。そして、ユーザが、載置指示に従って、上面カバーを開け、指定ページ“7”に対応する媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34に直接載置し、載置指示画面の「続行」ボタンが選択されると(ステップS011;YES)、通知部212cは、載置済み通知を生成し、生成した載置済み通知をくるみ製本装置30に送信する(ステップS012)。そして、4枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙が実行されたことから(ステップS007;NO)、印刷装置20は、4枚目の本文用紙P2の印刷処理を行い、4枚目の本文用紙P2をくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS013〜S016)。そして、5枚目の本文用紙P2の前に指定ページ“8”に対応する媒体(用紙束)TGを手差し給紙することから(ステップS007;YES)、印刷装置20は、給紙済み通知、又は、載置指示の受信を待つ。
くるみ製本装置30側の製本処理において、4枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙は実行されたことから(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、4枚目の本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。そして、図8に示すように、5枚目の本文用紙P2の前に手差し給紙し(ステップS210;YES)、手差し給紙対象の指定ページ“8”に対応するフラグ値が“1”であることから(ステップS212;YES)、給紙制御部308dは、手差し給紙部304を制御し、指定ページ“8”に対応する媒体(用紙束)TGを給紙トレイ36から搬出させる(ステップS213)。そして、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、搬出された指定ページ“8”に対応する媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS214)。
そして、通知部308eは、指定ページ“8”に対する給紙済み通知を生成し、生成した給紙済み通知を印刷装置20へ送信する(ステップS215)。
印刷装置20側の印刷処理において、指定ページ“8”に対する給紙済み通知を受信すると(ステップS008;YES)、5枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙が実行されたことから(ステップS007;NO)、印刷装置20は、5枚目の本文用紙P2の印刷処理を行い、5枚目の本文用紙P2をくるみ製本装置30へ搬送する(ステップS013〜S016)。
くるみ製本装置30側の製本処理において、5枚目の本文用紙P2の前への全ての手差し給紙は実行されたことから(ステップS210;NO)、搬送制御部308bは、搬送部303を制御して、5枚目の本文用紙P2をスタックトレイ34へ搬送させる(ステップS211)。
以上に説明した製本システム1における処理により、図16(B)に示す本文用紙束PSが形成される。
上記実施形態によれば、くるみ製本装置30は、印刷装置20から搬送されてくる印刷済みの本文用紙P2を格納し、本文用紙束PSを形成する整合部305と、手差し給紙対象を収納し、給紙制御部308dの制御の下、収納されている手差し給紙対象を搬出する手差し給紙部304と、搬送制御部308bの制御の下、搬出された手差し給紙対象を、整合部305へ搬送する搬送部303と、手差し給紙部304を制御して、収納されている手差し給紙対象を搬出させる給紙制御部308dと、搬送部303を制御して、搬出された手差し給紙対象を、整合部305へ搬送させる搬送制御部308bと、を備えている。そして、給紙制御部308dは、搬送制御部308bと連係して、手差し給紙部304と搬送部303を制御して、印刷ジョブにより指定されたページの直前のページを含む本文用紙P2が整合部305に格納されてから、次の本文用紙P2が整合部305に格納される前までの間に、手差し給紙対象を整合部305へ搬送させる。このようにすることで、ユーザが所望するタイミングで作製する冊子の一部を手差し給紙することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、くるみ製本装置30は、媒体(用紙束)TGが手差し給紙部304の給紙トレイ36から搬出され、整合部305のスタックトレイ34へ搬送される前に、手差し給紙部304を制御して、媒体(用紙束)TGの試し給紙を実行させる試し給紙制御部308cと、試し給紙の結果、媒体検知センサC1が媒体(用紙束)TGを検知するか否かに基づいて、給紙トレイ36から媒体(用紙束)TGを自動給紙することが可能か否かを判定する判定部308aと、を備えている。そして、給紙制御部308dは、媒体(用紙束)TGを自動給紙することが可能であると判定された場合に、搬送制御部308bと連係して、手差し給紙部304と搬出部303を制御して、印刷ジョブにより指定されたページの直前のページを含む本文用紙P2が整合部305に格納されてから、次の本文用紙P2が整合部305に格納される前までの間に、手差し給紙対象を整合部305へ搬送させる。このようにすることで、媒体(用紙束)TGの自動給紙の失敗を未然に防止することが可能となる。
また、上記実施形態によれば、判定部308aは、印刷ジョブにより指定されたページの直前のページを含む本文用紙P2が整合部305に格納される前に、給紙トレイ36から媒体(用紙束)TGを自動給紙することが可能か否かを判定する。このようにすることで、印刷ジョブにより指定されたページの直前のページを含む本文用紙P2が整合部305に格納された後に試し給紙の判定処理を行う場合と比較して、時間を有効に利用することが可能となる。よって、冊子の作製効率を向上させることが可能となる。
また、上記実施形態によれば、手差し給紙部304は、給紙トレイ36から媒体(用紙束)TGを搬出するための搬出ローラRと、搬出ローラRを駆動させるモータ(不図示)と、を備えており、試し給紙制御部308cは、モータを制御して、媒体(用紙束)TGをストックトレイ34へ搬送させるために媒体(用紙束)TGを搬出させる場合と比較して、低速度で搬出ローラRを所定時間TM(s)回転させる。このようにすることで、媒体(用紙束)TGを自動給紙できない場合における搬出ローラRによる削り痕を軽減させることが可能となる。
また、上記実施形態によれば、くるみ製本装置30は、媒体(用紙束)TGを自動給紙できないと判定された場合に、媒体(用紙束)TGを搬出できない旨をユーザに報知するために、除去指示を生成し、生成した除去指示を印刷装置20へ送信する通知部308eと、ユーザが、自動給紙できない媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ直接格納することを可能とする上面カバーと、を備えている。このようにすることで、自動給紙できない媒体(用紙束)TGをスタックトレイ34へ直接格納させるので、冊子Bの作製を続行することが可能となる。
なお、上記実施形態における試し給紙において、搬出ローラRの駆動開始から所定時間TM(s)経過する以前に、媒体検知センサC1が媒体を検知するか否かに基づいて、手差し給紙対象を自動給紙することが可能か否かを判定すると説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、搬出ローラRを駆動させるモータをステッピングモータとし、搬出ローラRの駆動開始からのステップ数が所定ステップ数に到達する以前に、媒体検知センサC1が媒体を検知するか否かに基づいて、手差し給紙対象を自動給紙することが可能か否かを判定してもよい。
また、上記実施形態において、作製する冊子Bの部数が1部であるものとして説明したが、同じ内容の冊子Bを複数作製する場合であっても、本発明を適用することができる。
また、上記実施形態において、「手差し給紙の指定ページ」は、手差し給紙される媒体(用紙束)TGの挿入直後のページを指定するものであると説明したが、これに限定されるものではなく、手差し給紙される媒体(用紙束)TGの挿入直前のページを指定するものとしてもよい。この場合、通知部212cは、くるみ製本印刷設定で設定された指定ページに基づいて、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGの挿入直前の本文用紙P2が、それぞれ、何枚目の本文用紙P2であるかを特定すればよい。また、手差し給紙対象の媒体(用紙束)TGを、最初の本文用紙の前に挿入する場合には、例えば、X1、X2、・・・のように「手差し給紙の指定ページ」欄に入力することで、手差し給紙の処理が実行されるようにすればよい。
また、上記実施形態において、試し給紙を行うことで、手差し給紙対象を自動給紙することが可能か否かを判定すると説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、給紙トレイ36に収納された手差し給紙対象の平均重量を算出し、算出した平均重量に基づいて、手差し給紙対象の厚みを推定し、推定した厚みが、所定値を超えるか否かに基づいて、自動給紙することが可能か否かを判定してよい。平均重量は、例えば、重量センサを給紙トレイ36の内部に設け、検出された重量に基づいて算出することが可能である。また、超音波センサなどを用いて、手差し給紙対象の厚みを推定してもよい。
なお、上記動作を実行するための動作プログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶して配布し、これを印刷装置20などのコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行するように構成してもよい。さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを記憶しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。