JP6395436B2 - 画像形成装置及び収容装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像が形成されたシートを一旦収容する収容部を有する画像形成装置及び収容装置に関するものである。
従来、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、画像が形成されたシートを装置内に一旦収容する収容部を備えたものがある。
特許文献1には、装置本体の上面に設けられた複数のユーザーが共同して使用する通常の排出トレイとは別に、画像が形成されたシートを装置内に一旦収容する複数の収容部を備えた画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、ユーザー毎に異なる収容部へシートを振り分ける。そして、収容部に収容されたシートを取り出す際には、例えばIDカードを用いてユーザー認証を行う。ユーザーが装置に設けられたIDカード読み取り手段に自分のIDカードを読み取らせることによって、ユーザー認証が行われる。ユーザー認証が正常に行われると、排出を指示したユーザーのシートが装置の外部に排出される。これによりユーザーは、画像が形成された自分のシートのみを取り出すことができる。
特開平7−125909号公報
しかし、特許文献1のような装置内に収容部を設ける構成においては、スペースの都合上、収容できるシートの枚数に限界がある。そのため、ユーザーが1つの収容部に収容できる枚数より多くのシートの印刷を指示した場合、そのユーザーが印刷を指示したシートを複数の収容部にまたがって収容する場合がある。特許文献1に記載の画像形成装置では、装置内の複数の収容部に収容されたシートを取り出すために、ユーザーが複数回シート排出の指示を行う必要がある。ゆえに、ユーザーの取り出したいシートが収容されている収容部が複数ある場合は、それだけシート排出の指示を行う回数が多くなるため、シートを取り出すのに手間がかかってしまう。
本発明の目的は、ユーザーが手間をかけずに複数の収容部に収容されたシートを取り出せる画像形成装置及び収容装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の画像形成装置は、開口部が形成された装置本体と、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部によって画像が形成されたシートを前記装置本体の内部に収容する複数の収容部と、記収容部に収容されたシートを移動させ、前記開口部から前記シートの一部が前記装置本体の外部に露出した露出状態で前記シートを停止させるシート移動手段と、記露出状態にあるシートの有無を検知する検知手段と、を有し、複数の収容部のうち第1の収容部に第1のシートが収容され、第2の収容部に第2のシートが収容され、前記第1のシートの画像形成を指示したユーザーと前記第2のシートの画像形成を指示したユーザーが同じ状態において、前記ユーザーによるシートの排出指示が通知された場合、前記シート移動手段は、第1の収容部に収容された第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化すると、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記第1の収容部とは異なる第2の収容部に収容された第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記第2のシートを停止させることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザーが手間をかけずに複数の収容部に収容されたシートを取り出せる画像形成装置及び収容装置を提供することができる。
本発明の実施例における画像形成装置の構成を示す図である。 本発明の実施例における収容装置の構成を示す図である。 本発明の実施例における収容部の斜視図である。 本発明の実施例における画像形成装置の制御部と機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施例における収容装置制御部の詳細図である。 本発明の実施例におけるシート印刷時のフローチャートである。 本発明の実施例におけるシート露出時の収容装置の様子を示す図である。 本発明の実施例におけるシート露出時の画像形成装置の斜視図である。 本発明の実施例1における動作に関するフローチャートである。 本発明の実施例1における具体例を示す図である。 本発明の実施例2における具体例を示す図である。 本発明の実施例3における動作に関するフローチャートである。 本発明の実施例3における具体例を示す図である。
(実施例1)
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
(画像形成装置の構成図)
図1は、本発明の第1の実施例に係る収容部を備えた画像形成装置の構成を示した図である。なお、本実施例では画像形成装置として、レーザビームプリンタの例を示す。
画像形成装置100は、画像形成部101と、シートSを画像形成部101に供給する供給部102と、画像形成部101によって画像が形成されたシートSを排出する排出部104を有している。ここで、シートSとは画像形成部101によって画像が形成されるものであって、例えば、紙、OHPシート、布等が含まれる。また、画像形成装置100は、画像が形成されたシートSを装置内に一旦収容する複数の収容部201〜203を備えた収容装置200を画像形成部101の上方に有している。さらに画像形成装置100は、画像が形成されたシートSを収容装置200へ搬送する搬送手段105を有している。
画像形成部101は、図1において時計回り(CW方向)に回転する感光ドラム111と、ドラム111の表面を帯電する帯電ローラ112と、ドラム111に光を照射して静電潜像を形成する露光装置113を有している。さらに画像形成部101は、静電潜像にトナーを付着させて、ドラム111にトナー像を形成する現像装置114と、搬送されてきたシートSにトナー像を転写する転写ローラ115を有している。さらに画像形成部101は、定着ローラ116と、定着ローラ116に当接した加圧ローラ117と、定着排出ローラ118を有しており、シートSに転写されたトナー像をシートSに定着させる。画像形成部101は、このような電子写真画像形成プロセスによってシートSにトナー像を形成する。ここで、本実施例の画像形成装置100においては、感光ドラム111、帯電ローラ112、現像装置114、トナーを収容するトナー収容部(不図示)がカートリッジCとして一体化されており、画像形成装置本体に対して着脱可能になっている。ユーザーはトナーがなくなると、カートリッジCを新しいカートリッジCと交換することができる。これによって、サービスマンによらずに、ユーザー自身で装置のメンテナンスを行うことができる。また、本発明はこのようなカートリッジタイプの画像形成装置100に限定されず、感光ドラム111、帯電ローラ112、現像装置114等の部材が画像形成装置100に据え付けられた構成(部材の交換が不要なタイプ)にも適用することができる。
供給部102は、画像形成に用いられるシートSが複数枚、積層状態で収納されている供給カセット106と、供給ローラ107と、搬送ガイド109と、レジストレーションローラ110を有している。
排出部104は、第1の切り換え部材120と、搬送ローラ121と、排出ガイド122と、排出ローラ123と、排出トレイ124を有している。切り換え部材120は、画像形成後のシートSを収容装置200に向かわせる図1の実線で示した位置と、排出トレイ124に向かわせる破線で示した位置に不図示のアクチュエータによって切り換え可能な構成となっている。排出トレイ124は画像形成装置100の上面に設けられており、複数のユーザーが共同して使用することができる。排出トレイ124には画像が形成された面(表面)が下向きの状態(フェイスダウン)でシートが排出される。
搬送手段105は、シートSの搬送先を切り換えるための第2の切り換え部材133、第3の切り換え部材134、そして各収容部201〜203へとシートSをガイドする搬送ガイド128〜132を有している。ここで、切り換え部材133と切り換え部材134は、図1中の実線の位置と破線の位置に不図示のアクチュエータによって切り換え可能な構成となっている。例えば、収容部201にシートSを搬送する場合には、切り換え部材133と切り換え部材134をそれぞれ図1中の実線にて示された位置に位置させる。シートSは、搬送ガイド128から、搬送ガイド129、130の順に通過して、収容部201に搬送される。また、収容部202にシートSを搬送する場合には、切換え部材134のみを破線にて示された位置に切換える。この場合、シートSは、搬送ガイド128、129、131の順に通過して、収容部202に搬送される。なお、排出トレイ124と同様に、各収容部201〜203にもシートSはフェイスダウンの状態で収容される。
(収容装置の構成図)
図2は、収容装置200の構成を示した図である。本実施例の収容装置200においては、複数段の収容部201〜203が鉛直方向に積み重なって構成されている。それぞれの収容部の構成は同じであり、ここでは、収容部201の構成について説明する。
収容部201は、シートSを搬送するための搬送ローラ211と、シートSを積載し一旦収容するための積載トレイ221と、積載トレイ221上にシートSが収容されているか否かを検知するシート有無センサ231を有している。さらに収容部201は、収容されたシートSの後端(シートSの搬送方向の上流側の端部)を押圧し、収容されたシートSの一部を装置100の外部に露出させるシート移動手段241を有している。シート移動手段241はユーザーがシートSを受け取ることができる位置まで、すなわち、シートSの先端(シートSの搬送方向の下流側の端部)が開口部250を通過するまで、シートSを移動させる。これにより、シートSを装置100の外部に所定の長さの分、露出させることができる。なお、シートSを装置100の外部に露出させる所定の長さは、本実施例では30mmに設定している。この所定の長さは一例であり、ユーザーが露出したシートSを掴むことができ、かつ、シートSが大きくたわまないような長さに設定すればよい。
また、トレイ221は、収容部201に収容しうる最大サイズのシートSを積載した場合にも、シートSの先端が開口部250から露出しないような長さに設定されている。トレイ221にシートSが積載されて、積載されたシートSによってシート有無センサ231を破線の位置まで倒すと、シート有無センサ231はオンの状態となる。シート移動手段241によりシートSが移動されて、シート有無センサ231が実線の位置まで戻ると、シート有無センサ231はオフの状態となる。また、移動されたシートSの先端が、開口部250付近に設置されている開口部センサ236を破線の位置まで倒すことによって、開口部センサ236はオンの状態となる。装置100の外部に露出されたシートSが取り除かれて、開口部センサ236が実線の位置まで戻ると、開口部センサ236はオフの状態となる。シート移動手段241は、収容部201にシートSが順次搬送されている場合には、実線で示した積載位置に位置している。一方、収容されたシートSを露出させる時は、シート移動手段241がシートSの搬送方向に沿って開口部250に向かって移動し、破線で示した露出位置へと移動可能な構成となっている。露出位置の場所、すなわちシート移動手段241の移動する距離はシートSを露出させる長さとシートSの搬送方向のサイズに応じて決定される。
図3は、収容部201の斜視図である。図3において、シート移動手段241は、積載位置と露出位置との間に位置している。シート移動手段241は、シートSの幅方向において2つのシート後端押圧部241a及び241bを有している。また、シート移動手段241は、一体的にラック246を有し、ラック246はピニオン247と噛みあい、ピニオン247は図3においては不図示の駆動手段であるアクチュエータに接続されている。アクチュエータを正方向又は逆方向に駆動させることによって、シート移動手段241は積載位置と露出位置の間で往復運動することができる。
(制御部と機能構成のブロック図)
図4は、本実施例における制御部と機能構成を示すブロック図である。画像形成装置100は制御部として画像形成装置制御部301を有しており、制御部301は、コントローラ302、エンジン制御部303、収容装置制御部304を備えている。
コントローラ302は、ホストコンピュータ等の外部機器300と通信を行って印刷データ352を受信し、受信した印刷データ352を、メモリ305(例えば、RAM等)に記憶する。コントローラ302は、メモリ305に記憶した印刷データ352を解析して印刷条件を作成する。印刷条件とは、シートSの供給枚数、画像が形成されたシートSの排出先(排出トレイ124又は収容装置200)、印刷する画像濃度等を示す情報である。そして、コントローラ302はシリアルI/Fにより、エンジン制御部303に対して印刷データ352から作成した印刷条件を指定する。エンジン制御部303は、コントローラ302から受信した印刷条件に従って各機構を制御する。具体的には、画像形成部101を制御してシートSに画像を形成し、供給部102や排出部104を制御してシートSの供給や排出を行う。
また、コントローラ302は、メモリ305に記憶した印刷データ352を解析して各収容部201〜203の収容条件や排出条件を作成する。そして、コントローラ302はシリアルI/Fにより、収容装置制御部304に対して印刷データ352から作成した収容条件や排出条件を指定する。収容条件とは、画像が形成されたシートSの収容先、収容するシートSの枚数等の情報である。また、排出条件とは、開口部250からシートSを露出させるためにシート移動手段241〜243を移動させる距離等の情報である。収容装置制御部304は、コントローラ302から受信した収容条件や排出条件に従って各機構を制御する。具体的には、搬送手段105を制御して画像形成されたシートを各収容部201〜203へ搬送し、シート移動手段241を有する収容装置200を制御して各収容部201〜203に収容されたシートを開口部250まで移動させる。また、操作表示部コントローラ306は、ユーザーが操作表示部307にて各種設定や、排出指示を行ったものをコントローラ302に通知する制御を行う。
(収容装置制御部の詳細)
図5は、本実施例における収容装置制御部304の詳細図である。収容装置制御部304はCPU350を有しており、シリアル通信手段351を介してコントローラ302と通信する。通信手段351は、CPU350とコントローラ302を複数の信号線で接続する。本実施例では、以下に説明する搬入予告信号353、収容先信号354、排出指示信号357送信するための3本の信号線を有している。
収容装置200にシートSを収容する際の制御について説明する。外部機器300を通じて印刷データ352がコントローラ302に通知されると、コントローラ302はメモリ305に印刷データ352を一旦記憶する。その後、コントローラ302は記憶した印刷データ352を解析し、通信手段351を介して搬入予告信号353、収容先信号354をCPU350に通知する。CPU350は通知された信号をもとに後述する各アクチュエータを制御し、印刷したシートSを各収容部201〜203へ搬送する。
次に、収容装置200からシートSを露出させる際の制御について説明する。ユーザーが外部機器300又は操作表示部307にて収容部に収容されたシートSの排出を指示すると、排出指示信号357がコントローラ302に通知される。コントローラ302は排出する収容部を決定した後、通信手段351を介してCPU350に排出指示信号357を通知し、該当する収容部の排出を指示する。CPU350は通知された収容部のシートSを開口部250から装置外に露出させるように後述する各アクチュエータを制御する。
次にCPU350に接続される各アクチュエータについて説明する。
CPU350の出力端子には、モータドライバ358が接続されている。モータドライバ358は搬送モータ359を駆動する。モータ359が回転することにより、搬送ローラ211、212、213が回転し、シートSを各収容部201〜203へ搬送する。
CPU350の出力端子には、モータドライバ360が接続されている。モータドライバ360は排出モータ361を駆動する。モータ361を時計回り(CW方向)に回転させると、収容部201のシート移動手段241は開口部250に向かって移動する。モータ361を反時計回り(CCW方向)に回転させると、収容部201のシート移動手段241は開口部250とは反対の方向に向かって移動する。また同様に、CPU350の出力端子には、モータドライバ362、364が接続されており、それぞれ排出モータ363、365を駆動する。モータ363は収容部202のシート移動手段242を制御し、モータ365は収容部203のシート移動手段243を制御する。
シート有無センサ231は、プルアップ抵抗366を使用し、バッファ367を介して収容部201にシートSが収容されているか否かの情報をCPU350に入力する。また同様に、センサ232は収容部202にシートSが収容されているか否かの情報をCPU350に入力し、センサ233は収容部203にシートSが収容されているか否かの情報をCPU350に入力する。
開口部センサ236は、プルアップ抵抗375を使用し、バッファ376を介して開口部250から装置100の外部にシートSが露出されているか否かの情報をCPU350に入力する。
CPU350の出力端子には、第2の切り換え部材133を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続されている。アクチュエータがONの状態では、シートSが搬送ガイド129の方向に搬送されるように切り換え部材133が切り換わる。アクチュエータがOFFの状態では、シートSが搬送ガイド132の方向に搬送されるように切り換え部材133が切り換わる。また、同様にCPU350の出力端子には第3の切り換え部材134を切り換えるアクチュエータ(不図示)が接続される。アクチュエータがONの状態ではシートSを搬送ガイド130の方向に搬送するように、OFFの状態では搬送ガイド131の方向に搬送するように切り換え部材134が切り換わる。CPU350はコントローラ302から通知される収容先信号354に基づいて、切り換え部材133と134を切り換える。
(収容装置の動作の説明)
以上、説明した画像形成装置において、ユーザーは外部機器300又は操作表示部307から、収容装置200にシートSを一旦収容させるバッファモード、又は排出トレイ124にシートSを排出させる通常モードのどちらか一方を選択することができる。選択されたモードはメモリ305に記憶される。ユーザーがシートSの印刷を指示した時のフローチャートを図6に示す。なお、これらのフローチャートに基づく制御は、図4で説明したコントローラ302等がメモリ305に記憶されているプログラムに基づき実行する。
まず、ユーザーが外部機器300を通じてシートSの印刷を指示すると、印刷データ352がコントローラ302に送信される(S401)。印刷データ352を受信すると、コントローラ302はメモリ305に記憶されている情報を参照し、バッファモードが選択されているかを確認する(S402)。バッファモードが選択されている場合、コントローラ302は収容装置200にシートSを一旦収容させる(S403)。通常モードが選択されている場合、コントローラ302は排出トレイ124にシートSを排出させる(S404)。以上で本フローチャートの制御は終了する。また、図6のフローチャートにおいては、予めユーザーがモードを選択する構成を前提としていたがこれに限定されない。例えば、ユーザーが印刷を指示する度にどちらのモードで排出させるかを決定する構成であってもよい。
本実施例において、収容装置200にシートSを収容する際は、シートSのジョブ番号毎に異なる収容部へシートSを振り分ける。また、収容装置200からシートSを露出させる際は、シートSの排出を指示したユーザーのシートSを開口部250から装置外に露出させる。ユーザーは外部機器300又は操作表示部307に、予め設定しておいたパスワードを入力することによって排出指示を出すことができる。または、IDカード読み取り手段308に自分のIDカードを読み取らせ、ユーザー認証を行うことによって排出指示を出すこともできる。本実施例においては上記の通り、各収容部201〜203にそれぞれのシート移動手段241〜243を駆動する個別のアクチュエータが設けられている。したがって、複数の収容部に同じユーザーのシートSが収容されている場合にも、それぞれのアクチュエータを駆動させることで、ユーザーがまとめてシートSを受け取ることが可能である。また、シートSのジョブ番号やシートSの印刷を指示したユーザーの情報等はコントローラ302に設けられたメモリ305に記憶されている。コントローラ302はユーザーが排出を指示するのに応じて、メモリ305を参照して排出対象のシートSを特定して収容装置200に対して排出を指示する。
図7は、収容装置200の動作例を示す図である。図7の(a)において、収容部201にはユーザーAのシートSが収容されており、収容部203にはユーザーBのシートSが収容されている。収容部202にはシートSが収容されていない。図7の(b)において、ユーザーBのシートSの排出が指示されると、収容部203のシート移動手段243が開口部250に向かって移動し、シートの束SBを開口部250から露出させる。このように、シートの一部が収容部の内部にあり、シートが開口部250から外部に露出している状態を露出状態と定義する。
図8に、このときの画像形成装置100の斜視図を示す。開口部250からは収容部203から露出されたシートの束SBの先端SB2が露出している。ユーザーは、この装置外に露出した先端SB2を掴んで引き抜くことでシートの束SBを受け取ることができる。
また、ユーザーが1つの収容部に収容できる枚数よりも多くのシートSを収容する指示を出した場合は、同じジョブ番号であっても異なる収容部へシートSを振り分ける。例えば、図7の(a)において、収容部203にはジョブ番号1のユーザーBのシートSが収容されているが、ジョブ番号1のシート枚数が収容部203の上限枚数よりも多い場合、収容部202にもジョブ番号1のシートSを振り分ける。ただし、このとき収容部202には他のシートSが収容されていないことが前提である。他のシートとは、異なるジョブ番号をもつシート、異なるユーザーのシートなどがあてはまる。
ここで、収容装置200はシートSを搬送するための搬送口(不図示)と収容したシートSを露出させるための開口部250を除いて、周囲を囲まれている。そして、収容装置200の周囲を囲む部材は不透明な材質でできている。従って、各収容部201〜203に収容されている状態では、各収容部のシートSに印刷された情報はユーザーには見ることができない。これによって、ユーザーは自分のシートSに印刷された情報を他のユーザーに見られることがなくなり、情報の機密性を高めることができる。
一方、情報の機密性を高めるという意味では、IDカード等によってユーザー認証を行った後に画像形成を開始する画像形成装置が存在する。しかし、このような装置と比べて本実施例の画像形成装置100は、既に画像が形成されたシートSを各収容部201〜203から露出させる動作だけでよい。従って、ユーザー認証を行った後、画像が形成される時間を待つことなく素早くシートSを取り出すことができる。
さらに、ユーザーが画像形成装置100に対して排出を指示すると、自分のシートのみを取り出すことができる。これにより、ユーザーは自分のシートと他人のシートが混載した排出トレイ124から自分のシートを探す手間が無くなる。
(複数の収容部からシートを露出させる動作の説明)
次に、複数の収容部からシートを露出させる動作について説明する。本実施例においては、ユーザーが複数のジョブの画像形成を行い、全てのシートSの収容が完了したところで、収容したシートSを排出するよう指示した場合の制御について説明する。本実施例のフローチャートを図9に示す。なお、このフローチャートに基づく制御は、図4で説明したコントローラ302等がメモリ305に記憶されているプログラムに基づき実行する。
図9のフローチャートは、主に収容装置200からシートSを排出する際の制御に関するものである。ユーザーが外部機器300又は操作表示部307、IDカード読み取り手段308から収容部に収容されたシートSの排出指示を出すと、コントローラ302は排出する収容部を確定する(S501)。コントローラ302が排出する収容部を確定する際には、現在の収容装置200のシートSの収容状態を把握する。シートSの収容状態とは、各収容部201〜203に収容されているシートSの有無、シートSのジョブ番号、各収容部へのシートの収容が完了しているか否かを示す情報などである。
各収容部201〜203にシートSが収容されているか否かはシート有無センサ231〜233によって検知できる。また、各収容部201〜203に収容されているシートのジョブ番号はメモリ305に記憶されており、ジョブが切り替わる度に順次切り替わる。ジョブ番号は、印刷指示を受けたジョブごとに固有の番号を持っており、印刷指示を受けた順にジョブ番号が大きくなっていく。ジョブ番号は、ジョブ番号が付与された全てのシートの排出処理が行われるとメモリ305でクリアされる。各収容部へのシートの収容が完了しているか否かは、収容部に対して追加で収容するシートSの有無、つまりシートを収容中であるか否かによってコントローラ302が判断する。コントローラ302は収容部が空であるまたはシートSを収容中であれば収容が完了していないと判断する。また、コントローラ302は収容部が満載もしくはジョブの最後のシートSを積載した時点で収容が完了したと判断する。例えば、15枚のシートを印刷して収容装置200に収容する場合、最初の10枚は収容部202に収容し、残りの5枚は収容部201に収容するとする。この場合、収容部202は10枚のシートを収容した時点で満載となり収容が完了したと判断される。収容部201は残りの5枚のシートSを収容中の場合は収容が完了していないと判断され、残りの5枚のシートSを全部収容した時点で収容が完了したと判断される。本実施例ではこのようなコントローラ302によってシートの収容が完了したと判断された収容部を排出対象の収容部とする。
このようなシートSの収容状態を把握したところで、コントローラ302は印刷が完了した複数の収容部のうち、ジョブ番号が大きいまたは小さい順に、収容部からシートを排出していく。ジョブ番号が同じ収容部があれば、同時にまとめて排出する。本実施例ではジョブ番号が小さい順にシートを排出することにすると、ジョブ番号が小さいかつジョブ番号が同じ収容部を排出対象とする。シートSが収容されていない空の収容部や、まだシートSを収容することができる収容部は排出対象としない。ただし、もう収容するシートSが残されておらず、全てのシートSを収容し終わっている場合は、収容部が満載でなくとも排出対象とする。
排出対象となる収容部がない場合、コントローラ302は再度S501を実行し、排出対象となる収容部があらわれるまで待機する(S502)。排出対象となる収容部がある場合、コントローラ302は排出対象の収容部に収容されたシートSを排出する指示を制御部304に出し、シート移動手段が開口部250からシートSの一部を露出させる(S503)。コントローラ302は制御部304を介して得られたセンサ236の検知結果によって、露出させたシートSが取り出されたかどうかを判断する(S504)。シートSが取り出されたことは、センサ236がオンの状態からオフの状態に変化したことにより制御部304が判断する。シートSが取り出された場合、コントローラ302は全てのシートSの排出が完了したかを判断する(S505)。全てのシートSの排出が完了したと判断された場合は、本フローチャートを終了する。一方、コントローラ302がまだ排出しなければならないシートSが残っていると判断した場合は、再度S501を実施する。
具体的な例を図10に示す。図10(a)において、収容装置200は3つの収容部201〜203を有しており、全ての収容部が空いている。各収容部にはそれぞれ10枚のシートSを収容することができる(各収容部に収容できるシートSの上限枚数は10枚である)。図10(b)に示すように、収容部201、202、203にそれぞれジョブ番号1、2、3のシートSを搬送し、収容する。これらのジョブは全て同一ユーザーAによって印刷が指示されたジョブである。収容完了後にユーザーAから排出指示が出されると、コントローラ302は排出対象となる収容部を確定する。収容部201、202、203はシートの収容が完了しており全て排出可能であるが、ここではジョブ番号が一番小さいシートが収容されている収容部201が排出対象となる。そのため、図10(c)に示すように、シート移動手段241は積載位置から露出位置に移動し、収容部201に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段241は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ231によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部201は新たなシートSを収容可能な状態となる。また、後続してシートが開口部250から露出される旨をユーザーに通知する画面を操作表示部307などに表示させてもよい。
その後、再度コントローラ302は排出対象となる収容部を確定する。収容部202、203は印刷が完了しており全て排出可能であるが、ここではジョブ番号が一番小さいシートが収容されている収容部202が排出対象となる。そのため、図10(d)に示すように、シート移動手段242は積載位置から露出位置に移動し、収容部202に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段242は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ232によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部202は新たなシートSを収容可能な状態となる。図10(e)に示すように、収容部203も同様にシートSの排出を行い、シートの束が取り出され、収容部203にシートSが積載されていないことを検知すると、収容部203は新たなシートSを収容可能な状態となる。本実施例においては、ユーザーAから排出指示が出されたことに伴って、上記の制御を自動的に最後まで実行する。すなわち、ユーザーAは開口部250から自分のシートを連続して取り出すことができる。したがって、各収容部に収容された自分のシートを取り出すために、その都度排出指示を出す手間がなくなり、ユーザビリティが向上する。
また、図10においてはシートSの収容を開始する前の時点で、全ての収容部が空いている場合について説明した。しかし、この時点で例えば収容部201に他のユーザーBのシートSが収容されていた場合は、その収容部を使用することができない。そのため、その時点で収容することができる収容部は収容部202と収容部203となる。その場合は、収容部202と収容部203に対して上記の制御を適用することができる。
以上、説明したように本実施例によれば、ユーザーが手間をかけずに複数の収容部に収容されたシートを取り出せる画像形成装置を提供することができる。
また、本実施例においては、収容部が排出対象となるための条件で、ジョブ番号が小さいジョブを優先して排出していた。しかし、必ずしもジョブ番号の大きさに依存しなくてもよい。ジョブの枚数などジョブが持つ要素で優先順位をつけてもよい。
また、本実施例においては、シート移動手段241〜243を駆動する個別のアクチュエータが設けられている構成について説明した。しかし、例えばクラッチ(不図示)等の駆動伝達切り替え手段を設けることで、1つのアクチュエータで複数のシート移動手段を選択的に移動させる構成としてもよい。特に小型のアクチュエータが1つだけ設けられた構成で、同時に複数のシート移動手段241〜243を駆動できないような場合に本実施例は有用である。また、開口部250が狭く、露出させることができるシートの枚数に制限がある場合、例えば1つの収容部に収容できる上限枚数のシートしか同時に露出できない等の場合に本実施例は有用である。
(実施例2)
実施例1では、全てのシートSの印刷と収容が完了した時点でユーザーから排出指示が出された場合の制御について説明した。本実施例では、ユーザーが複数のジョブの印刷指示を出し、収容部へのシートSの収容中にユーザーから排出指示が出された場合の制御について説明する。
本実施例の画像形成装置100の構成、収容装置200の構成、それらの機能構成のブロック図は実施例1と同様であるため、説明を省く。また、本実施例における収容装置200からシートSを排出する際の制御に関するフローチャートも実施例1と同じであり、図9におけるS501で定義するシートSの収容状態が一部異なる。本実施例におけるシートSの収容状態について説明する。
図9におけるS501では、ユーザーが外部機器300又は操作部307、IDカード読み取り手段308から収容部に収容されたシートSの排出指示を出すと、コントローラ302は排出する収容部を確定する。コントローラ302が排出する収容部を確定する際には、現在の収容装置200のシートSの収容状態を把握する。
本実施例におけるシートSの収容状態とは、各収容部201〜203に収容されているシートSの有無、シートSのジョブ番号、ジョブ単位のシートの収容が完了しているか否かを示す情報などである。各収容部201〜203に収容されているシートSの有無、シートSのジョブ番号は実施例1と同じである。ジョブ単位のシートの収容が完了しているか否かはコントローラ302が判断する。ジョブの最後のシートSの印刷と収容が完了するまでは、コントローラ302はジョブ単位のシートの収容が完了していないと判断する。ジョブの最後のシートSの印刷と収容が完了した時点で、コントローラ302はジョブ単位のシートの収容が完了したと判断する。例えば、同一ジョブである15枚のシートを印刷して収容装置200に収容する場合、最初の10枚は収容部202に収容し、残りの5枚は収容部201に収容するとする。この場合、収容部202は10枚のシートを収容した時点で満載となるが、収容部201に残りの5枚(所定枚数)のシートSを収容中の場合は、収容部201及び202はジョブ単位のシートの収容が完了していないと判断される。そして、収容部201に残りの5枚のシートSを全部収容した時点でジョブ単位のシートの収容が完了したと判断される。本実施例ではこのようなコントローラ302によってジョブ単位のシートの収容が完了したと判断された収容部を排出対象の収容部とする。
このようなシートSの収容状態を把握したところで、コントローラ302は印刷が完了した複数の収容部のうち、ジョブ番号が一番小さく、ジョブ番号が同じ収容部を排出対象とする。シートSが収容されていない空の収容部や、まだシートSを収容することができる収容部は排出対象としない。ただし、もう収容するシートSが残されておらず、全てのシートSを収容し終わっている場合は、収容部が満載でなくとも排出対象とする。
本実施例の具体的な例を図11に示す。図11(a)において、収容装置200は3つの収容部201〜203を有しており、全ての収容部が空いている。各収容部にはそれぞれ10枚のシートSを収容することができる(上限枚数が10枚である)。そのため、図11(a)の状態においては、合計15枚のシートを収容する場合、2つの収容部を要する。図11(b)においては、収容部203にジョブ番号1のシートSが5枚収容されている。そして、収容部202にジョブ番号2のシートSが10枚収容されており、収容部201にはジョブ番号2の残りのシートSが搬送されている途中である。このタイミングでユーザーから排出指示が出されると、コントローラ302は排出対象となる収容部を確定する処理を行う。収容部203はジョブ単位のシートの収容が完了している状態なので排出対象となる。そのため、図11(c)に示すように、シート移動手段243は積載位置から露出位置に移動し、収容部203に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。このとき、搬送手段105は継続して収容部201へシートSを搬送している。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段243は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ233によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部203は新たなシートSを収容可能な状態となる。
図11(d)は収容部203のシートSを排出した後、ジョブ番号2のシートの収容が完了するまで排出を止めている状態を示している。ここでまだ印刷中のシートがある旨をユーザーに通知する画面を操作表示部307などに表示させてもよい。ジョブ番号2のシートは収容中のため、収容部201及び202は排出対象とはならない。ジョブ番号2のシートの収容が完了したところで、収容部201及び202は排出対象となる。そのため、図11(e)に示すようにシート移動手段241と242は積載位置から露出位置に移動し、収容部201と202に収容されていたシートSを開口部250から装置外に重ねて露出させる。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段241と242は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ231と232によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部201と202は新たなシートSを収容可能な状態となる。
また、収容部201と収容部202に収容されたシートを排出している際、収容部203は空で収容可能な状態であるため、コントローラ302に別のジョブの印刷指示があれば、収容部203にシートの収容を行ってもよい。
また、ジョブ番号2のシートの枚数が20枚以上で、全てのシートSを収容するには3つの収容部を要する場合、収容部201が満載になったところで、空の収容部203にシートSの収容を切り替えてもよい。
以上、説明したように本実施例によれば、ユーザーが手間をかけずに複数の収容部に収容されたシートを取り出せる画像形成装置を提供することができる。また、収容部にシートSを収容している途中でユーザーがシートSの排出指示をした時でも、既に印刷が完了したシートを素早く収容装置200から取り出すことができる。また、ジョブ単位のシートの収容が完了した収容部を排出対象とすることで、ユーザーはジョブ単位でシートを取り出すことができる。
また、本実施例においてはコントローラによってジョブ単位のシートの収容が完了したと判断された収容部を排出対象としていたが、実施例1と同様に各収容部へのシートの収容が完了しているか否かに基づいて排出対象となる収容部を決定してもよい。すなわち、本実施例の図11(d)では、収容部201へのジョブ番号2のシートの収容が完了するまで、収容部202に収容されたシートの排出を停止していた。しかし、ジョブ番号2のシートの収容が完了する前に収容部202に収容されたシートを排出させてもよい。これにより、ユーザーは印刷が完了したシートを素早く収容装置200から取り出すことができる。
(実施例3)
実施例1や実施例2では、収容部に収容されているシートSに対して、ユーザーが排出指示を行うと、コントローラ302は排出可能なシートを選択し、排出していた。その際、排出の順番は任意であった。一方で、ユーザーが外部機器300より排出指示を出してから、開口部250から露出されたシートを受け取りに行く構成の場合、先行して露出されるシートが他のユーザーによって誤って取り出されてしまう可能性がある。ゆえに、ジョブ毎にセキュリティレベルを付与している場合、セキュリティレベルの高いシートを先行して露出させてしまうと、他のユーザーによって誤って取り出された際の影響が大きい。
本実施例では、シートの排出指示を受けた際、シートのセキュリティレベルに応じて排出する順番を決定する制御について説明する。セキュリティレベルの低いものから排出し、かつセキュリティレベルが規定以上のシートに対しては、シートを受け取る際にユーザー認証を行う。これにより、セキュリティレベルの高いシートが他のユーザーに誤って取られることなく、セキュリティレベルの低いシートは直ぐに排出できるようにする。本実施例のフローチャートを図12に示す。なお、このフローチャートに基づく制御は、図4で説明したコントローラ302等がメモリ305に記憶されているプログラムに基づき実行する。また、本実施例の画像形成装置100の構成、収容装置200の構成、それらの機能構成のブロック図は実施例1と同様であるため説明を省く。
図12のフローチャートは、主に収容装置200からシートSを排出する際の制御に関するものである。ユーザーが外部機器300から収容部に収容されたシートSの排出指示を出すと、コントローラ302は排出する収容部を確定する(S601)。コントローラ302が排出する収容部を確定する際には、現在の収容装置200のシートSの収容状態を把握する。シートSの収容状態とは、各収容部201〜203に収容されているシートSの有無、シートSのジョブ番号、ジョブ単位のシートの収容が完了しているか否かを示す情報、セキュリティレベルなどである。各収容部201〜203に収容されているシートSの有無、ジョブ番号、ジョブ単位のシートの収容が完了しているか否かを示す情報については実施例2と同じである。セキュリティレベルはジョブまたはシートSに付与されるものであり、レベルの大きさはユーザーによって決定される。本実施例ではジョブごとにセキュリティレベルを付与するとともに、セキュリティレベルを5段階に分ける。セキュリティレベルはレベル1が最もセキュリティが低く、レベル5が最もセキュリティが高い。セキュリティレベルは付与しているジョブに対応するシートSが排出されるとメモリ305でクリアされる。
このようなシートSの収容状態を把握したところで、コントローラ302は複数の収容部のうち、セキュリティレベルの低い順から排出していく。コントローラ302はセキュリティレベルが低い、かつセキュリティレベルが同じ収容部を排出対象とする。本実施例では、排出対象の選定においてジョブの収容完了よりもセキュリティレベルの順番に排出することを優先する。そのため、収容が完了したジョブAのセキュリティレベルが、収容中のジョブBのセキュリティレベルよりも高い場合、排出指示を受けても収容が完了したジョブAに対応するシートを排出しない。そして、セキュリティレベルの低いジョブBに対応するシートの収容が完了するまで待つ。ジョブBに対応するシートの収容が完了し、排出した後にジョブAに対応するシートを排出する。シートSが収容されていない空の収容部や、まだシートSを収容することができる収容部は排出対象としない。ただし、もう収容するシートSが残されておらず、全てのシートSを収容し終わっている場合は、収容部が満載でなくとも排出対象とする。
排出対象となる収容部がない場合、コントローラ302は再度S601を実行し、排出対象となる収容部があらわれるまで待機する(S602)。排出対象となる収容部がある場合、操作表示部307にてユーザー認証が必要であることを表示し、ユーザーの認証を行う(S603)。
ユーザーは操作表示部307に対して排出指示をしたユーザーであることを認識させる必要がある。ユーザーは操作表示部307に予め設定しておいたパスワードを入力することによってユーザーの認証を行うことができる。または、IDカード読み取り手段308に自分のIDカードを読み取らせ、ユーザー認証を行うこともできる。本実施例ではユーザーが予め設定しておいたパスワードを入力することによってユーザーの認証を行うことにする。セキュリティレベルが既定のレベル以上ならば、外部機器300より排出指示をした場合でも排出はせず、操作表示部307よりパスワードを入力されたことを検知したところで排出を行う。セキュリティレベルが既定のレベル未満ならば、外部機器300より排出指示をすると、排出対象となる収容部のシートSを排出する(すなわちS603を省略する)。また、セキュリティ認証を行った後は、ユーザーがシートを受け取る場所にいると判断し、その後のセキュリティ認証をスキップする。
排出指示をしたユーザーであることを認証できない場合、再度S603を実行する。排出指示をしたユーザーであることを認証できた場合、コントローラ302は排出対象の収容部に収容されたシートSを排出する指示を制御部304に出し、シート移動手段が開口部250からシートSの一部を露出させる(S604)。コントローラ302は制御部304を介して得られたセンサ236の検知結果によって、排出したシートSが取り出されたかどうかを判断する(S605)。シートSが取り出されたことは、センサ236がオンの状態からオフの状態に変化したことにより制御部304が判断する。シートSが取り出された場合、コントローラ302は全てのシートSの排出が完了したかを判断する(S606)。全てのシートSの排出が完了したと判断された場合は、本フローチャートを終了する。一方、コントローラ302がまだ排出しなければならないシートSが残っていると判断した場合は、再度S601を実施する。
具体的な例を図13に示す。図13では、収容部201〜203に収容されるジョブは同一ユーザーのものとする。図13(a)において、収容装置200は3つの収容部201〜203を有しており、全ての収容部が空いている。各収容部にはそれぞれ10枚のシートSを収容することができる(上限枚数が10枚である)。図13(b)に示すように、収容部203にジョブ番号1のシートSを10枚、収容部202にジョブ番号2のシートSが10枚収容されており、収容部201にはジョブ番号3のシートSを収容中である。ジョブ番号1のセキュリティレベルは1、ジョブ番号2のセキュリティレベルは3、ジョブ番号3のセキュリティレベルは2となっている。本実施例ではジョブ番号ごとにセキュリティレベルを付与する。
このタイミングでユーザーから排出指示が出されると、コントローラ302は排出対象となる収容部を確定する。収容部203はジョブ番号1のシートの収容が完了しており、セキュリティレベルも収容されている3つのジョブのうち最も低いため、排出対象となる。そのため、図13(c)に示すように、シート移動手段243は積載位置から露出位置に移動し、収容部203に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。このとき、搬送手段105は継続して収容部201へシートSを搬送している。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段243は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ233によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部203は新たなシートSを収容可能な状態となる。
ジョブ番号1の次にセキュリティレベルが低いのはジョブ番号3である。そのため、次の排出対象は収容部201となる。しかし、この時点でジョブ番号3のシートは収容中である。本実施例では、排出対象の選定においてジョブの収容完了よりもセキュリティレベルの順番に排出することを優先する。そのため、収容が完了しているジョブ番号2のシートを先に排出することはせず、ジョブ番号3のシートの収容が完了するまで収容部202は排出対象とならない。図13(d)に示すように、ジョブ番号3のシートの収容が完了するまで待機する。このとき、シートを印刷中である旨をユーザーに通知する画面を操作表示部307などに表示させてもよい。
図13(e)に示すように、ジョブ番号3のシートの収容が完了したところで、収容部201が排出対象となる。本実施例においてはセキュリティレベル2以上のジョブについてはユーザー認証が必要であるとする。ジョブ番号3のジョブはセキュリティレベルが2以上であるため、操作表示部307等を介してユーザーにその旨を通知する。正常にユーザー認証が行われると、図13(f)に示すようにシート移動手段241は積載位置から露出位置に移動し、収容部201に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段241は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ231によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部201は新たなシートSを収容可能な状態となる。
ジョブ番号3のシートの排出が完了したところで、収容部202が排出対象となる。このとき、ジョブ番号3のジョブはセキュリティレベルが2以上であるが、既にユーザー認証が行われているためスキップされる。そして、図13(g)に示すようにシート移動手段242は積載位置から露出位置に移動し、収容部202に収容されていたシートSを開口部250から装置外に露出させる。センサ236がオンの状態からオフの状態に変化することによって、シートの束が取り出されたことを検知すると、シート移動手段242は露出位置から積載位置へ移動する。さらに、センサ232によってシートSが積載されていないことを検知すると、収容部202は新たなシートSを収容可能な状態となる。
以上、説明したように本実施例によれば、ユーザーが手間をかけずに複数の収容部に収容されたシートを取り出せる画像形成装置を提供することができる。また、セキュリティレベルの低いものから排出することで、他のユーザーによって誤って取り出された時の影響を軽減することができる。
また、排出をキャンセルしたい場合、ユーザーは外部機器300または操作表示部307で排出キャンセルを指示することで、コントローラ302はメモリ305に記憶されているキャンセルプログラムを実行し、排出処理をキャンセルする。
また、上記の実施例ではセキュリティレベルを5段階に分けていたが、必ずしもそうでなくてよい。セキュリティレベルは任意に何段に分けてもよい。
また、上記の実施例ではセキュリティレベルをジョブに付与していたが、シートSに付与してもよい。
また、上記の実施例では、外部機器300より排出指示をした場合について説明したが、操作表示部307から又はIDカード読み取り手段308からシートの排出指示を出した場合であっても適用できる。
また、上記の実施例では、セキュリティ認証を行った後は、ユーザーがシートを受け取る場所にいると判断し、その後のセキュリティ認証をスキップしていたが、必ずしもそうでなくてよい。排出対象が確定したところで、毎回セキュリティ認証を行ってもよい。
また、上記の実施例では、収容が完了したジョブAのセキュリティレベルが、収容中のジョブBのセキュリティレベルよりも高い場合、排出指示を受けても収容が完了したジョブAに対応するシートを排出しなかった。そして、セキュリティレベルの低いジョブBに対応するシートの収容が完了するまで待機していた。ジョブの収容完了よりもセキュリティレベルを優先して判断していたためであるが、必ずしもそうでなくてよい。セキュリティレベルよりもジョブの収容完了を優先して判断し、排出指示を受けたところで収容が完了したジョブAを先に排出してもよい。
上記の実施例においては、メモリ305に記憶してある収容部の収容上限枚数は10枚に固定されていた。しかし、この収容上限枚数はシートSの厚みに応じて変化させてもよい。シートSの厚みを検知するセンサとしては、シートSに光を照射してその透過光の光量を検知するセンサなどがある。さらに、厚みに関連する情報として、シートSの坪量(1平方メートル当たりの重量(単位g/m2))を検知するセンサを用いることも可能である。坪量を検知するセンサとしては超音波センサが知られており、超音波をシートSに照射し、シートSを介して減衰した超音波を受信することで坪量を検知することができる。これらのセンサをシートSの搬送路中に設け、動的に収容上限枚数を変化させる構成であってもよい。また、シートSの厚みや坪量の情報はユーザーからの印刷指示を受ける際に指定されるシートの種類(厚紙、普通紙、薄紙等の指定)によっても取得することができる。
また、上記の実施例において、複数のユーザーのシートを連続して開口部250から露出させることも可能である。例えば、操作表示部307から入力されたパスワードやIDカード読み取り手段308から取得されたID情報などに基づいて、コントローラ302がユーザー個人を特定する。そして、そのユーザーが属するグループ(同じ課、同じチーム等)のユーザーのシートを露出させることができる構成であってもよい。
また、上記の実施例においては、各収容部のシート移動手段について個別のアクチュエータを有しているため、それらを同時に駆動させることで、複数の収容部に収容されたシートを重ねて露出させることができる。一方で、アクチュエータを収容部の数よりも少ない数だけ設け、例えばクラッチ(不図示)等の駆動伝達切り替え手段を設けることで、1つのアクチュエータで複数のシート移動手段を選択的に移動させる構成としてもよい。
また、上記の実施例においては、コントローラ302にメモリ305が設けられていた。しかし、メモリ305はエンジン制御部303、収容装置制御部304に設けられていてもよい、又は画像形成装置制御部301内で独立して設けられていてもよい。
また、上記の実施例においては、エンジン制御部303と収容装置制御部304を分けて構成していたが、エンジン制御部303と収容装置制御部304をまとめて構成してもよい。その場合は、エンジン制御部303が搬送手段105と収容装置200を制御すればよい。
また、上記の実施例においては、各収容部の下流側でシートの搬送路が合流しており、開口部を1つだけ有する構成を説明したが、複数の開口部を別途設けてもよい。そして、各収容部に収容されたシートをそれぞれ別の開口部から露出させる構成でもよい。
また、上記の実施例においては、3つの収容部が設けられている構成について説明したが、収容部の個数は3つに限定されるものではない。装置本体が使用される環境、共同して使用するユーザーの人数あるいは装置本体のスペックに合わせて、収容部の個数を設定すればよい。
また、上記の実施例においては、収容装置200が画像形成装置100と一体となって構成されている例について説明した。一方で、収容装置200が画像形成装置100に対して着脱可能又は装着可能な状態で設けられていてもよい。その場合は、画像形成装置100に設けられた制御部が収容装置200の動作を制御してもよい。また、収容装置200に独立した制御部を設けて、画像形成装置100に設けられた制御部と通信して動作を制御してもよい。
また、上記の実施例においては、レーザビームプリンタの例を示したが、本発明を適用する画像形成装置はこれに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等、他の印刷方式のプリンタ、又は複写機でもよい。
100 画像形成装置
101 画像形成部
201、202、203 収容部
241、242、243 シート移動手段
236 開口部センサ
250 開口部

Claims (9)

  1. 開口部が形成された装置本体と、
    シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって画像が形成されたシートを前記装置本体の内部に収容する複数の収容部と、
    記収容部に収容されたシートを移動させ、前記開口部から前記シートの一部が前記装置本体の外部に露出した露出状態で前記シートを停止させるシート移動手段と、
    記露出状態にあるシートの有無を検知する検知手段と、を有し、
    複数の収容部のうち第1の収容部に第1のシートが収容され、第2の収容部に第2のシートが収容され、前記第1のシートの画像形成を指示したユーザーと前記第2のシートの画像形成を指示したユーザーが同じ状態において、前記ユーザーによるシートの排出指示が通知された場合、前記シート移動手段は、第1の収容部に収容された第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化すると、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記第1の収容部とは異なる第2の収容部に収容された第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記第2のシートを停止させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成部によって画像が形成されたシートを前記複数の収容部のいずれかに搬送する搬送手段と、を有し、
    ユーザーによる第1の画像形成の指示に応じて、前記画像形成部によって画像が形成されたシートが前記搬送手段によって前記第1の収容部に搬送され、前記第1の画像形成の指示を出した前記ユーザーによる第2の画像形成の指示に応じて、前記画像形成部によって画像が形成されたシートが前記搬送手段によって前記第2の収容部に搬送され、前記排出指示として前記ユーザーに関する情報が通知されると、前記シート移動手段は、前記第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化すると、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記第2のシートを停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成部によって画像が形成されたシートを前記複数の収容部のいずれかに搬送する搬送手段と、を有し、
    ユーザーによる画像形成の指示に応じて、前記画像形成部によって画像が形成されたシートが前記搬送手段によって前記第1の収容部と前記第2の収容部に搬送され、前記排出指示として前記ユーザーに関する情報が通知されると、前記シート移動手段は、前記第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化すると、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記第2のシートを停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成部によって画像が形成されたシートを前記複数の収容部のいずれかに搬送する搬送手段と、を有し、
    ユーザーによる画像形成の指示に応じて、前記画像形成部によって画像が形成され、前記搬送手段によって所定枚数のシートが前記第2の収容部へ収容される場合、前記第2の収容部に前記所定枚数のシートが収容されていない状態で、前記排出指示として前記第1のシート及び前記所定枚数の前記第2のシートの画像形成を指示したユーザーに関する情報が通知されると、前記シート移動手段は、前記第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化し、かつ、前記搬送手段によって前記所定枚数の前記第2のシートが前記第2の収容部に搬送された後で、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記所定枚数の前記第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記所定枚数の前記第2のシートを停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記収容部に収容されたシートに関する情報を記憶する記憶手段と、を有し、
    前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記シート移動手段は先行して前記開口部からシートを露出させる前記第1の収容部と、前記第1の収容部の次に前記開口部からシートを露出させる前記第2の収容部を選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記記憶手段は、ユーザーによって画像の形成が指示され、前記収容部に収容されたシートの順番を記憶し、前記順番に基づいて、前記シート移動手段は先行して前記開口部からシートを露出させる前記第1の収容部と、前記第1の収容部の次に前記開口部からシートを露出させる前記第2の収容部を選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記記憶手段は、ユーザーによって画像の形成が指示され、前記収容部に収容されたシートの枚数を記憶し、前記枚数に基づいて、前記シート移動手段は先行して前記開口部からシートを露出させる前記第1の収容部と、前記第1の収容部の次に前記開口部からシートを露出させる前記第2の収容部を選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  8. 前記記憶手段は、ユーザーによって画像の形成が指示され、前記収容部に収容されたシートのセキュリティレベルを記憶し、前記セキュリティレベルに基づいて、前記シート移動手段は先行して前記開口部からシートを露出させる前記第1の収容部と、前記第1の収容部の次に前記開口部からシートを露出させる前記第2の収容部を選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  9. シートに画像を形成する画像形成装置に対して装着可能なシート収容装置において、
    開口部が形成された装置本体と、
    前記画像が形成されたシートを前記装置本体の内部に収容する複数の収容部と、
    記収容部に収容されたシートを移動させ、前記開口部から前記シートの一部が前記装置本体の外部に露出した露出状態で前記シートを停止させるシート移動手段と、
    記露出状態にあるシートの有無を検知する検知手段と、を有し、
    複数の収容部のうち第1の収容部に第1のシートが収容され、第2の収容部に第2のシートが収容され、前記第1のシートの画像形成を指示したユーザーと前記第2のシートの画像形成を指示したユーザーが同じ状態において、前記ユーザーによるシートの排出指示が通知された場合、前記シート移動手段は、第1の収容部に収容された第1のシートを移動させ、前記露出状態で前記第1のシートを停止させ、前記検知手段が前記第1のシートを検知している状態から前記第1のシートを検知していない状態へと変化すると、新たな前記排出指示が通知されなくても、前記シート移動手段は前記第1の収容部とは異なる第2の収容部に収容された第2のシートを移動させ、前記露出状態で前記第2のシートを停止させることを特徴とするシート収容装置。
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