JP6386464B2 - 五フッ化リンの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電解質である六フッ化リン酸リチウムをはじめ、リソグラフィーやフォトレジスト分野で有用な六フッ化リン酸銀や六フッ化リン酸カリウム、医薬中間体原料である六フッ化リン酸アンモニウム等の原料として用いられる五フッ化リンを高純度で製造する方法に関するものであり、五フッ化リンの精製方法に関するものである。
五フッ化リン(PF5)は、半導体分野や電池分野において、工業的に有用な材料である。
これらの分野では、製品原材料中の混合物が製品自身の性能や安全面に大きく悪影響を及ぼすことがある。そのため、それらの製品原材料の品質については、より高純度であることが求められている。
五フッ化リン(PF5)の製造方法については、従来から種々の方法が提唱されている。
しかしながら、効率的に高純度のPF5を入手するためには、PF5の原料や製造方法に由来する副生物等の混合物との分離が問題となる。特にPF5の原料であるHF若しくはSO3、PF5の製造の際に副生するHCl、POF3若しくはPF3又は原料であるHFに含まれるSO2若しくはH2S等の混合物との分離が問題となる。
特許文献1には、HPF6を高圧下で硫黄系の酸と反応させることでPF5を合成する方法が記載されている。しかしながら、この方法ではフルオロ硫酸(HSO3F)や三酸化硫黄(SO3)、HF等が副生する。PF5とこれらの副生物を分離するためには蒸留塔等を大型にした精製設備を必要とする。
特許文献2及び3には、液相及び気相のHFと五塩化リン(PCl5)を反応させることでPF5を合成する方法が記載されている。しかしながら、この方法ではPF5の5当量の塩化水素(HCl)ガスが副生する。HClは沸点が−84.9℃であり、PF5の沸点−84.8℃と近いため、通常の蒸留操作による分離は困難であり、工業的には不利となる。
上記の様に、PF5を製造する場合は、その原料中に含まれる、又は反応中の副生物に由来するHF、HCl、F2、Cl2、CO2、SO3、SO2、H2S、PF3、POF3、NO2、NO3及びNH3等が、混合物として、発生したPF5中に同伴されるという問題がある。しかしながら、腐食性が高く、水や大気に対して不安定であるPF5に対して使用できる精製方法は限定される。
特許文献4及び5には、HFをキャリアガスとしてリン原子及びフッ素原子からなる原料中に接触する事により、PF5を抽出する方法が記載されている。しかしながら、キャリアガスとして用いるHFを回収・分離するために、−50〜0℃の冷媒を用いて凝縮回収する設備が必要となる。
特許文献6及び7には、イオン性液体によりPF5とHClを分離する方法が記載されているが、吸着・脱着に高価なイオン性液体を使用する必要があり、経済的ではない。またHClをイオン性液体に吸着除去させるにあたり、HCl濃度がPF5に加えて大きい時には大量のHClを吸着させる必要があるため、効率的ではない。
この様に、沸点差や通常の気体の精製方法という一般的なPF5の合成法・製法から、原料中に含まれる、又は反応中の副生物に由来する混合物を簡便な設備にて除去し高純度のPF5を得ることは容易ではなかった。
US2001/0041158A1 特開昭60-251109号公報 特開平04-175216号公報 US2011/0189538A1 US2011/0286905A1 US2009/0242840A1 US2009/0211449A1
そこで、本発明の目的は、塩化水素(HCl)やフッ化水素(HF)等のガス混合物を含む五フッ化リン(PF5)から、半導体分野や電池分野等において、工業的に有用な材料である高純度のPF5を得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、HF、HCl、F2、Cl2、CO2、SO3、SO2、H2S、PF3、POF3、NO2、NO3及びNH3の混合物(不純物)を含む低純度の五フッ化リン(PF5)であっても、これを金属フッ化物(MFn、Mはn価の金属)と接触させることでPF5を六フッ化リン酸塩[M(PF6)n]として効率的且つ選択的に固定化することにより、その反応系気相部に残留したHF、HCl、F2、Cl2、CO2、SO3、SO2、H2S、PF3、POF3、NO2、NO3、又はNH3等の混合物を容易に反応系外に排気する事が出来、結果的に高純度の六フッ化リン酸塩が得られ、更に、得られた六フッ化リン酸塩を加熱分解することで、ついには高純度の五フッ化リンを簡便かつ選択的に分離・精製することが出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記1、好ましくは下記1と下記2〜7との組み合わせからなる。
1.(1)混合物を含む五フッ化リン(PF5)と比表面積が1.0m2/g以上である金属フッ化物(MFn)とを40〜150℃で接触させ、五フッ化リンを六フッ化リン酸塩(M(PF6)n、Mはn価の金属)として固定化する固定化工程、(2)前記固定化工程(反応系)気相部に残留した混合物を反応系外に排気することにより、六フッ化リン酸塩から混合物を分離する混合物分離工程、及び(3)当該混合物分離後の六フッ化リン酸塩を150〜400℃で加熱し、−0.1MPa・G以上+0.1MPa・G以下の圧力下で五フッ化リンを得る加熱分解工程、を含み構成される五フッ化リンの精製方法。
2.上記(1)固定化工程において、五フッ化リン(PF5)に含まれる混合物が、HF、 HCl、 F2、 Cl2、CO2、 SO3、 POF3、 SO2、 H2S、 PF3、 NO2、 NO3 及びNH3の中から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
3.上記(1)固定化工程において、接触温度40〜150℃、0〜1.5MPa・Gの圧力で実施することを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
4.上記(1)固定化工程において、金属フッ化物(MFn)が、一価の金属のフッ化物であり、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びセシウムの群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
5.上記(2)混合物分離工程において、気相部に残留した混合物を反応系外に排気することにより固体状のM(PF6)nから混合物を分離することを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
6.上記(3)加熱分解工程において、−0.1MPa・G以上+0.1MPa・G以下の圧力下で、混合物の含有量を低減した五フッ化リンを発生させ、選択的に反応系外に取り出すことを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
7.上記(3)加熱分解工程において得られた金属フッ化物MFnを、上記(1)固定化工程に再利用することを特徴とする、前記五フッ化リンの精製方法。
本発明によれば、HClやHF等のガス混合物を含む五フッ化リン(PF5)から、半導体分野や電池分野において、工業的に有用な材料である高純度のPF5を得る方法を提供できる。
図1は、本願発明の精製方法の実施に使用される装置の一例を示す模式図である。
以下、高純度の五フッ化リンを得る方法について記述する。
本発明は、
(1)混合物を含む五フッ化リン(PF5)と比表面積が1.0m2/g以上である金属フッ化物(MFn)とを40〜150℃で接触させ、五フッ化リンを六フッ化リン酸塩(M(PF6)n、Mはn価の金属)として固定化する固定化工程、(2)前記固定化工程(反応系)気相部に残留した混合物を反応系外に排気することにより、六フッ化リン酸塩から混合物を分離する混合物分離工程、及び(3)当該混合物分離後の六フッ化リン酸塩を150〜400℃で加熱し、−0.1MPa・G以上+0.1MPa・G以下の圧力下で五フッ化リンを得る加熱分解工程、を含み構成される五フッ化リンの精製方法である。
以下、各工程順に説明する。
<(1)固定化工程>
先ず(1)固定化工程について述べる。本工程では、HF、HCl、F2、Cl2、CO2、SO3、SO2、H2S、PF3、POF3、NO2、NO3、又はNH3の中から選択される少なくとも1種類以上を混合物として含む低純度の五フッ化リンを、金属フッ化物(MFn)と加熱下で接触させ、六フッ化リン酸塩として固定化する。このことにより、続く(2)の工程において、選択的に上記混合物を除去することが容易となる。この工程において、PF5を固定化させるMFn(Mはn価の金属)の種類は、特に限定されないが、好ましくは、上記Mとしては、特に一価の金属イオンが好ましく、より具体的には、MはLi、Na、K、及びCsの中から選択される少なくとも何れか1種以上の原子であることが好ましい。
このような混合物を含む五フッ化リンと金属フッ化物との接触は、固-気接触に使用される一般的な装置(容器)と、それを加熱するための装置(設備)とを組み合わせることにより実施することができる。
具体的には、図1に示すようなMFn(9)を入れる反応器(1)、加熱装置(2)、原料PF5ガスを導入する為の導入口(5)、排出口(7)、及び圧力計(3)、温度計(4)等の計測装置を設置することが選択でき、このように各装置の配置を組み立てることが望ましい。反応形態としては、MFn(9)を内部に入れ、混合物を含む五フッ化リンを導入-固定化後、その混合物を除去する操作を繰り返すバッチ型や、あるいは、内部にMFn(9)を入れておき、混合物を含む五フッ化リンを入り口から導入通過させる流通型のどちらでも選択することができる。また次の工程としての(2)混合物分離工程、及び(3)熱分解工程を実施する為に、不活性ガスを導入する導入口(6)と、不活性ガスと共に混合物を排気するための混合物ガス排気口(10)、並びに真空ポンプ(8)等により反応器内(1)を減圧するラインを設置しておくこともできる。
反応器(1)としては、ハステロイ、インコネル、モネル、又はステンレス等のフッ化水素、塩化水素や五フッ化リン等による酸化、並びに腐食に抵抗性がある材料によって構成されるものを用いることが好ましい。
加熱装置(2)としては、カンタルヒーター、マントルヒーター、熱媒体等を使用することができる。
混合物を含むPF5を製造する方法としては、特に限定されないが、経済的に有利な原料を使用する方法、例えば、フッ化水素(HF)と五塩化リン(PCl5)との反応等による製法を選択することができる。
また、MFnに固定化反応させるPF5中に含まれる、塩化水素やフッ化水素等の混合物の量としては、どのような割合、例えば、0.1〜99.9%の割合であっても、五塩化リンとフッ化水素の反応においては、生成する五フッ化リンの5当量相当の塩化水素が副生し、塩化水素過剰な組成となるが、このような混合物においても、PF5はM(PF6)nとして固定化される為、容易に塩化水素等の混合物を分離することができる。
この反応の際の温度は、40〜150℃であり、中でも60〜100℃が好ましい。40℃より低いと、HF、HCl、F2、Cl2、CO2、SO3、SO2、H2S、PF3、POF3、NO2、NO3、あるいはNH3の少なくとも1種の混合物(不純物)が、金属フッ化物(MFn)に取り込まれてしまい、精製効率が悪くなる。また、150℃より高いと、六フッ化リン酸塩の分解反応が促進される。
また更に、この際の圧力としては0.0〜1.5MPa・Gが好ましく、中でも0.0〜0.2MPa・Gが特に好ましい。1.5MPa・Gよりも高圧での反応は、設備が高い耐圧を持つ必要であり、経済的及び安全面的に好ましくない。
混合物を含むPF5と接触させる金属フッ化物MFnは、顆粒状や塊状等様様な形状のものを適宜使用することができるが、その比表面積は1.0 m2/g以上であり、10.0m2/g以上であることが好ましい。1.0m2/g未満であると、PF5との接触反応効率が悪く、多量の金属フッ化物を使用することとなり、経済的ではない。この比表面積は大きければ大きいほど良く、上限は特に制限されない。
MFnの必要量は、理論的には接触させるPF5の当モル量であるが、固気接触効率や、MFnの比表面積の関係から、1.5当量以上が好ましい。上限は特に制限されないが、経済的には10当量以下が好ましい。より好ましくは1.5当量以上2.0当量以下である。
<(2)混合物分離工程>
次に(2)混合物分離工程について述べる。本工程では、(1)固定化工程においてPF5を接触・固定化させて固体の六フッ化リン酸塩M(PF6)nとした後に、残留した気相の混合物(不純物)を系外に排気する。このことにより固体状のM(PF6)nから混合物を容易に除くことが出来、結果的に高純度の六フッ化リン酸塩が得られる。(2)の工程が、(1)工程の後工程として配置されている理由は、この点にある。
(2)混合物分離工程の装置としては、固体のM(PF6)nと混合物を除去する為に、不活性ガスを導入するラインやポンプ等により減圧する為のラインを設置することが望ましい。例えば、上述したように、不活性ガスを導入する導入口(6)と、不活性ガスと共に混合物を排気するための混合物ガス排気口(10)、並びに真空ポンプ(8)等により反応器内(1)を減圧するラインを設置するが如く、(1)固定化工程に使用した反応器(1)をそのまま(2)混合物分離工程の装置として使用することもできる。
<(3)熱分解工程>
続いて、(3)熱分解工程について述べる。本工程では、(2)混合物分離工程において得られた混合物分離後の六フッ化リン酸塩(M(PF6)n)を加熱分解させて、高純度の五フッ化リン(PF5)を発生させて取り出す。この際の温度は、150〜400℃であり、150〜300℃が好ましい。150℃より低いと、PF5の発生速度が低下し、工業的ではない。400℃より高いと、エネルギー的に不利であり経済的ではない。
(3)熱分解工程の装置としては、固体のM(PF6)nと混合物を除去する為に、別途、(3)熱分解工程のためのラインを設置することもできるが、(1)固定化工程に使用した反応器(1)及び加熱装置(2)をそのまま(3)熱分解工程の装置として使用することができる。
本工程では、反応系内を減圧し、発生したPF5を系外へ取り出すことで、上記温度を下げるとともに、PF5の発生速度を上げることができる。減圧方法としては、ポンプやエジェクター等を用いることができる。具体的には、反応系内の圧力は、−0.1MPa・G 以上+0.1MPa・G以下であり、−0.1MPa・G 以上+0.0MPa・G以下とすることが好ましい。−0.1 MPa・G未満では、減圧するためにエネルギーをより多く必要とし、高真空度の減圧装置を必要とする。一方、+0.1MPa・Gを越える圧力では、PF5の生成速度が低下する。
これにより、加熱分解の温度は150〜300℃で充分となり、より経済的となる。これは、発生するPF5を反応系内から系外へ移すことにより、式1の平衡が右側へ移動して、PF5の生成速度が増加するためであると考えられる。
M(PF6)n → nPF5 + MFn (式1)
加熱分解を実施し、PF5を取り出した後のMFnについては、再度PF5を接触・固定化させて固体の六フッ化リン酸塩M(PF6)nとすることができる。この固定化-熱分解のサイクルはMFnが適切な比表面積を維持する間、くり返すことができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
温度計、圧力計と加熱装置を設置した1.5L容積のSUS製円筒形反応器内に、(平均)比表面積13.7m2/g のLiF: 9.3g (0.36mol)を仕込み80℃とした。PF5: 40.4g(0.32mol)とHCl及びHFとの混合ガス(PF5/HCl/HF=1/5/0.5(mol比)、PF5純度15.38mol%)を、100kPa・Gで反応器に導入した。導入後PF5ガスがLiFと反応し反応器内圧力が83kPa・Gまで減少したことを確認後、 残ったHCl及びHFガスを、反応器外へ排気した。この操作により固体: 41.5gを得た。
得られた固体を分析したところLiPF6: 38.4g(0.25mol)の生成を確認した。(固体中の酸分含量:中和滴定により1.1wt%)
次にこの反応器内に上記LiPF6: 38.4g(0.25mol)を入れ、真空ポンプにより反応器内部を減圧し-70kPa・Gとした。反応器内のLiPF6を100℃まで加熱してHFを除去し吐出ガスは除害した。
この後、反応器内のLiPF6を200℃まで加熱した。真空ポンプより排出されたガスをFT-IR(大塚電子製、IG-1000)により分析し、PF5が発生していることを確認した。この時発生したPF5:31.2g(0.25mol)をFT-IRにより分析したところ、混合物は、HCl<20ppm(20ppm未満)、HF<50ppm(50ppm未満)であり、PF5の純度は99.99 mol%であった。
2時間後PF5の発生が停止したため加熱を停止し、残存LiF:9.2g(0.35mol)を取り出した。分析の結果、LiPF6のLiFへの転化率は99%であった。
〔実施例2〕
温度計、圧力計と加熱装置を設置した内径10mmSUS製反応管内に、(平均)比表面積13.7m2/g のLiF: 13.0g (0.50mol)を仕込み80℃に加熱した。PF5:39.6g(0.31mol) とSO3とHF の混合ガス(PF5/SO3/HF=1/0.2/0.5(mol比)、PF5純度58.82mol%)をSUS製反応管内に常圧で導入し通過させる事により、固体52.6gを得た。得られた固体を分析し、LiPF6: 38.2g(0.25mol)の生成を確認した。
次に上記LiPF6: 38.2g(0.25mol)を反応管に入れ、真空ポンプにより反応管内部を減圧することで-70kPa・Gとした。
更に反応管内のLiPF6を200℃まで加熱した。真空ポンプより排出されたガスをFT-IRにより分析し、PF5が発生していることを確認した。この時発生したPF5: 28.5g(0.23mol)中の混合物は、SO3<50ppm、HF<50ppmであり、PF5の純度は99.99mol%であった。
〔実施例3〕
温度計、圧力計と加熱装置を設置した内径10mmSUS製反応管内に、(平均)比表面積13.7m2/g のLiF: 10.1g (0.39mol)を仕込み100℃に加熱した。PF5:45.8g(0.36mol)と F2の混合ガス(PF5/F2=1/1(mol比)、PF5純度50.00mol%)をSUS製反応管内に常圧で導入し通過させる事により、固体43.8gを得た。得られた固体を分析し、LiPF6: 40.1g(0.26mol)の生成を確認した。
次に上記LiPF6: 40.1g(0.26mol) を反応管に入れ、真空ポンプにより反応管内部を減圧することで-70kPa・Gとした。
更に反応管内のLiPF6を200℃まで加熱した。真空ポンプより排出されるガスをFT-IRにより分析し、PF5が発生していることを確認した。この時発生したPF5: 32.6g(0.26mol) 中の混合物はF2<50ppm であり、PF5の純度は99.99mol%であった。
〔実施例4〕
温度計、圧力計と加熱装置を設置した内径10mmSUS製反応管内に、(平均)比表面積14.2m2/g のLiF: 10.0g (0.38mol)を仕込み80℃に加熱した。PF5:45.8g(0.36mol) とCO2の混合ガス(PF5/CO2=1/1(mol比)、PF5純度50.00mol%)をSUS製反応管内に常圧で導入し通過させる事により、固体44.8gを得た。得られた固体を分析し、LiPF6: 41.5g(0.27mol)の生成を確認した。
次に上記LiPF6: 41.5g(0.27mol) を反応管に入れ、真空ポンプにより反応管内部を減圧することで-70kPa・Gとした。
更に反応管内のLiPF6を200℃まで加熱した。真空ポンプより排出されるガスをFT-IRにより分析し、PF5が発生していることを確認した。この時発生したPF5: 33.7g(0.27mol)中の混合物はCO2<20ppmであり、PF5の純度は99.99mol%であった。
〔実施例5〕
LiFの代わりに平均比表面積10.2m2/gのNaF:10.1g(0.24mol)を使用して、実施例1と同様の操作を行い、NaPF6: 36.4g(0.23mol)を得た。次にこのNaPF6を反応器に入れ、真空ポンプにより反応器内部を減圧することで-70kPa・Gとした。
更に反応器内のNaPF6を380℃まで加熱した。ガス分離後、発生したPF5: 27.3g(0.22mol)中の混合物はHCl<20ppm、HF<50ppmであり、PF5の純度は99.99mol%であった。
〔実施例6〕
実施例1で加熱分解により得られたLiF: 6.8g(0.26mol)を原料として、再度実施例1と同様の操作によりPF5の固定化、加熱分解を実施した。このときLiPF6は27.2g(0.18mol)生成し、PF5 (0.17mol) を収率98%で得た。この時発生したPF5中の混合物はHCl<20ppm、HF<50ppmであり、PF5の純度は99.99mol% であった。
〔比較例1〕固定化工程での接触温度の効果
実施例1で、ガス導入温度を15℃にした以外は、実施例1と同様の操作を行い、LiPF6:37.1g(0.24mol)を得た(固体中の酸分含量:中和滴定により34wt%)。
次にこのLiPF6を反応器に入れ、真空ポンプにより反応器内部を減圧することで-70kPa・Gとし、反応器内のLiPF6を200℃まで加熱した。発生したPF5:30.1g(0.23mol)中にはHF>100ppmが含まれていた。
〔比較例2〕比表面積の効果(比表面積小の効果)
実施例1で、平均比表面積0.47m2/g のLiFを使用した以外は、実施例1と同様の操作を行った。PF5発生量は32.4g(0.26mol)であったが、導入後の圧力減少は、ほとんど観測されず、PF5中のHFは操作前の7.7mol% のままであった。この操作を10回繰り返したが、得られたLiPF6は 1.7g(0.01mol)に留まった。
〔比較例3〕分解工程での圧力の効果(減圧効果)
実施例1と同様の操作によりPF5を固定化したLiPF6:37.2g(0.24mol)を、200℃にて加熱した。+0.5MPa・Gにて3時間加熱したが、PF5発生量は10.8g(0.08mol)であった。
〔比較例4〕分解工程での温度の効果(低温効果)
実施例1で、熱分解の温度を100℃にて実施した以外は、実施例1と同様の操作を行った。1時間加熱したが、発生したPF5量は<50ppmであった。
1.反応器
2.加熱装置
3.温度計
4.圧力計
5.低純度PF5導入口
6.不活性ガス導入口
7.排出口
8.真空ポンプ
9.MFn
10.混合物ガス排気口
11.高純度PF5ガス捕集器

Claims (7)

  1. (1)混合物を含む五フッ化リン(PF5)と比表面積が1.0m2/g以上である金属フッ化物(MFn)とを40〜150℃で接触させ、五フッ化リンを六フッ化リン酸塩(M(PF6)n、Mはn価の金属)として固定化する固定化工程、(2)気相部に残留した混合物を系外に排気することにより、六フッ化リン酸塩から混合物を分離する混合物分離工程、及び(3)当該混合物分離後の六フッ化リン酸塩を150〜400℃で加熱し、−0.1MPa・G以上+0.1MPa・G以下の圧力下で五フッ化リンを得る加熱分解工程、を含み構成される五フッ化リンの精製方法。
  2. 上記(1)固定化工程において、五フッ化リン(PF5)に含まれる混合物が、HF、 HCl、 F2、 Cl2、CO2、 SO3、 POF3、 SO2、 H2S、 PF3、 NO2、 NO3 及びNH3の中から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の五フッ化リンの精製方法。
  3. 上記(1)固定化工程において、接触温度40〜150℃、0〜1.5MPa・Gの圧力で実施することを特徴とする、請求項1又は2に記載の五フッ化リンの精製方法。
  4. 上記(1)固定化工程において、金属フッ化物(MFn)が、一価の金属のフッ化物であり、リチウム、ナトリウム、カリウム、及びセシウムの群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の五フッ化リンの精製方法。
  5. 上記(2)混合物分離工程において、気相部に残留した混合物を系外に排気することにより固体状のM(PF6)nから混合物を分離することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の五フッ化リンの精製方法。
  6. 上記(3)加熱分解工程において、−0.1MPa・G以上+0.1MPa・G以下の圧力下で、混合物の含有量を低減した五フッ化リンを発生させ、選択的に反応系外に取り出すことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の五フッ化リンの精製方法。
  7. 上記(3)加熱分解工程において得られた金属フッ化物MFnを、上記(1)固定化工程に再利用することを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の五フッ化リンの精製方法。
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