JP6383621B2 - 硬化性組成物、ドライフィルム、硬化物、プリント配線板およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
開始剤を含有することが好ましい。
(A)カルボキシル基含有樹脂としては、特に、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂が、アルカリ現像を行う感光性の組成物として、光硬化性や耐現像性の面からより好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸若しくはメタアクリル酸、または、それらの誘導体由来のものが好ましい。
また、上記カルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。カルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g以上の場合、塗膜の密着性が良好となり、アルカリ現像が良好となる。一方、酸価が200mgKOH/g以下の場合には、現像液による露光部の溶解を抑制できるために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離したりすることを抑制して、良好にレジストパターンを描画することができる。
本発明の硬化性組成物は、(B)光重合開始剤を含有する。(B)光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アミノアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、アシルホスフィンオキシド系、オキシムエーテル系、オキシムエステル系、チタノセン系などの公知慣用の化合物が挙げられる。
R1およびR2により表されるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、アルキル鎖中に1個以上の酸素原子を含んでいてもよい。また、1個以上の水酸基で置換されていてもよい。
R1およびR2により表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましい。
R1およびR2により表されるアルカノイル基としては、炭素数2〜20のアルカノイル基が好ましい。
R1およびR2により表されるベンゾイル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数が1〜6のアルキル基、フェニル基等が挙げられる。
Arは、単結合、又は、炭素数1〜10のアルキレン基、ビニレン基、フェニレン基、ビフェニレン基、ピリジレン基、ナフチレン基、アントリレン基、チエニレン基、フリレン基、2,5−ピロール−ジイル基、4,4’−スチルベン−ジイル基、4,2’−スチレン−ジイル基を表す。
nは0〜1の整数を表す。
R23により表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましい。
R23により表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜17)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1〜8)またはジアルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1〜8)等が挙げられる。
R23により表されるナフチル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、R23により表されるフェニル基が有し得る上記置換基と同様の基が挙げられる。
R21およびR22により表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましい。
R21およびR22により表されるフェニル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜17)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1〜8)またはジアルキルアミノ基(好ましくはアルキル基の炭素数1〜8)等が挙げられる。
R21およびR22により表されるナフチル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、R21およびR22により表されるフェニル基が有し得る上記置換基と同様の基が挙げられる。
(C)希釈剤としては、有機溶剤および光重合性モノマーの少なくとも何れか一方を使用できる。
(C)希釈剤として使用される有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤などを使用することができる。これらの有機溶剤は、単独で、または、2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物は、組成物に耐熱性を付与するだけでなく、下地との密着性が向上することが確認されている。
(E)黒色着色剤は、有機系着色剤でも無機系着色剤でもよい。例えば、C.I.Pigment black 6、7、9、18等のカーボンブラック系の顔料、C.I.Pigment black 8、10等の黒鉛系の顔料、C.I.Pigment black 11、12、27、Pigment Brown 35等の酸化鉄系の顔料;例えば、戸田工業社製KN−370の酸化鉄、三菱マテリアル社製 13M−Tのチタンブラック、C.I.Pigment black 20等のアンスラキノン系の顔料、C.I.Pigment black 13、25、29等の酸化コバルト系の顔料、C.I.Pigment black 15、28等の酸化銅系の顔料、C.I.Pigment black 14、26等のマンガン系の顔料、C.I.Pigment black 23等の酸化アンチモン系の顔料、C.I.Pigment black 30等の酸化ニッケル系の顔料、C.I.Pigment black 31、32、BASFジャパン社製Lumogen Black FK4280のペリレン系の顔料、Pigment Black 1のアニリン系の顔料および硫化モリブデンや硫化ビスマスも好適な顔料として例示できる。特に好ましいのは、カーボンブラック系およびペリレン系の顔料である。カーボンブラック系およびペリレン系の顔料の場合、ab値の絶対値が、より0に近づくため、黒色化し易く好ましい。これらの着色剤は、単独で、または、適宜組み合わせて使用される。
本発明の硬化性組成物は、(F)黒色以外の着色剤を含有する。使用する着色剤としては、赤、青、緑、黄、白などの慣用公知の着色剤を使用することができ、顔料、染料、色素のいずれでもよい。具体例として、下記のようなカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of
Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。但し、環境負荷低減並びに人体への影響の観点からハロゲンを含有しないことが好ましい。
赤色着色剤としては、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがあり、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。
ジスアゾ系:Pigment Red 37,38,41;
モノアゾレーキ系:Pigment Red 48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,53:2,57:1,58:4,63:1,63:2,64:1,68;
ベンズイミダゾロン系:Pigment Red 171,175,176,185,208;
ぺリレン系:Solvent Red 135,179,Pigment Red 123,149,166,178,179,190,194,224;
ジケトピロロピロール系:Pigment Red 254,255,264,270,272;
縮合アゾ系:Pigment Red 144,166,214,220,221,242;
アントラキノン系:Pigment Red 168,177,216,Solvent Red 149,150,52,207;
キナクリドン系:Pigment Red 122,202,206,207,209
青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、コバルト系等の、顔料系はピグメント(Pigment)、染料系はソルベント(Solvent)に分類されている化合物などがあり、具体的には、下記のようなカラーインデックス番号が付されているものを挙げることができる。また、これら以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。
染料系:Solvent Blue 35,45,63,67,68,70,83,87,94,97,104,122,136
黄色着色剤としては、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等があり、具体的には以下の着色剤が挙げられる。
ジスアゾ系:Pigment Yellow 12,13,14,16,17,55,63,81,83,87,126,127,152,170,172,174,176,188,198;
縮合アゾ系:Pigment Yellow 93,94,95,128,155,166,180;
ベンズイミダゾロン系:Pigment Yellow 120,151,154,156,175,181;
イソインドリノン系:Pigment Yellow 109,110,139,179,185;
アントラキノン系:Solvent Yellow 163,Pigment Yellow 24,108,193,147,199,202;
緑色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、具体的には、Pigment Green 7,36,Solvent Green 3,5,20,28等を使用することができる。上記以外にも金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。緑色着色剤の配合量は、(A)カルボキシル基含有樹脂100質量部に対し、0.2〜2.0質量部であることが好ましい。0.2質量部以上の場合、黒色化し易い。2.0質量部以下の場合、光透過性が悪くなりにくい。
紫色着色剤としては、具体的には、Pigment Violet 19,29,32,36,38,42;Solvent Violet 13,36等が挙げられる。
橙色着色剤としては、具体的には、Pigment Orange 1,5,13,14,16,17,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73等が挙げられる。
茶色着色剤としては、具体的には、Pigment brown23,25等が挙げられる。
白色着色剤としては、Pigment white 4に示される酸化亜鉛、Pigment white 6に示される酸化チタン、Pigment white 7に示される硫化亜鉛が挙げられ、着色力と無毒性の点から特に酸化チタンが好ましく、例えば、富士チタン工業社製TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、石原産業社製R−550、R−580、R−630、R−820、CR−50、CR−60、CR−90、チタン工業社製KR−270、KR−310、KR−380等のルチル型酸化チタン、富士チタン工業社製TA−100、TA−200、TA−300、TA−500、石原産業社製 A100、A220、チタン工業社製KA−15、KA−20、KA−35、KA−90等のアナターゼ型酸化チタンが挙げられる。白色着色剤は少量、例えば、本発明の硬化性組成物中に0.1〜3質量%となるよう添加すれば黒色度を高める効果が期待できる場合がある。
本発明の硬化性組成物には、さらに、熱硬化触媒を含有することが好ましい。熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などを挙げることができる。また、市販されているものとしては、例えば、四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物およびその塩)などが挙げられる。さらに、これらには限られず、エポキシ樹脂やオキセタン化合物の熱硬化触媒、若しくはエポキシ基および/またはオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであれば使用することができ、これらは単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくは、これら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
また、本発明の硬化性組成物には、さらに、硬化物の密着性、機械的強度、線膨張係数などの特性を向上させる目的で、無機フィラーまたは有機フィラーを配合することができる。このようなフィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉などの公知慣用のフィラーが使用できる。
本発明の硬化性組成物には、さらに、必要に応じて、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の重合禁止剤、微粉シリカ、有機ベントナイト、モンモリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系などの消泡剤およびレベリング剤の少なくとも何れか1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等のシランカップリング剤、酸化防止剤、光重合増感剤、光安定剤、分散剤、硬化促進剤、難燃剤、難燃助剤、(D)多官能エポキシ化合物以外の熱硬化成分などのような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート600gにオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂〔大日本インキ化学工業株式会社製、EPICLON N−695、軟化点95℃、エポキシ当量214、平均官能基数7.6〕1070g(グリシジル基数(芳香環総数):5.0モル)、アクリル酸360g(5.0モル)、およびハイドロキノン1.5gを仕込み、100℃に加熱攪拌し、均一溶解した。
次いで、トリフェニルホスフィン4.3gを仕込み、110℃に加熱して2時間反応後、120℃に昇温してさらに12時間反応を行った。得られた反応液に、芳香族系炭化水素(ソルベッソ150)415g、テトラヒドロ無水フタル酸456.0g(3.0モル)を仕込み、110℃で4時間反応を行い、冷却し、感光性のカルボキシル基含有樹脂溶液(固形分酸価89mgKOH/g、固形分65%)を得た。これを樹脂溶液A−1とする。
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製、商品名「ショウノールCRG951」、OH当量:119.4)119.4g、水酸化カリウム1.19gおよびトルエン119.4gを仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。
次に、プロピレンオキシド63.8gを徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cm2で16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56gを添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0g、アクリル酸43.2g、メタンスルホン酸11.53g、メチルハイドロキノン0.18gおよびトルエン252.9gを、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6gの水が留出した。
その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35gで中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート118.1gで置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。
次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5gおよびトリフェニルホスフィン1.22gを、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8gを徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、感光性のカルボキシル基含有樹脂溶液(固形分酸価88mgKOH/g、固形分71%)を得た。これを樹脂溶液A−2とする。
ダイセル社製サイクロマーACA Z320(固形分酸価135gKOH/g、固形分39%)を用いた。これを樹脂溶液A−3とする。
カルボキシル基含有樹脂溶液A−2:ワニスA−2(固形分:71%、酸価:88mgKOH/g)
カルボキシル基含有樹脂溶液A−3:ワニスA−3(ダイセル社製サイクロマー(ACA)Z320(固形分:39%、酸価:135mgKOH/g))
光重合開始剤B−1:BASFジャパン社製イルガキュア907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)
光重合開始剤B−2:カルバゾール構造を有する2量体のオキシムエステル系光重合開始剤(上記化合物No.1)
光重合開始剤B−3:オキシムエステル系光重合開始剤
希釈剤C−1:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)
希釈剤C−2:新中村化学社製NKエステル A−9550(多官能アクリレート)
多官能エポキシ化合物D−1:DIC社製N870−75EA(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
多官能エポキシ化合物D−2:TEPIC−HP
黒色着色剤E−1:レジノカラー社製CKT−7198(カーボンブラック)
青色着色剤F−1:ε‐フタロシアニンブルー
赤色着色剤F−2:PY8025
紫色着色剤F−3:ジオキサジンバイオレット Violet B
黄色着色剤F−4:クロモフタルイエロー AGR
橙色着色剤F−5:ジケトピロロピロールオレンジ Orange TR
硬化触媒G−1:メラミン
硬化触媒G−2:ジシアンジアミド
添加剤H−1:信越シリコーン社製KS−66(シリコーン系消泡剤)
フィラーI−1:堺化学社製B−30(硫酸バリウム)
フィラーI−2:SiO2
<a*値およびb*値>
各実施例および各比較例の硬化性組成物を、それぞれ洗浄した銅べた基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、熱風循環式乾燥炉において80℃で10分乾燥させて乾燥塗膜を形成し、次いで、オーク製作所社製メタルハライドランプを搭載した露光機により感度7段となる露光量で露光した。その後、1wt%Na2CO3水溶液によりスプレー圧0.1MPaで1分間現像し、次いで、熱風循環式乾燥炉を用いて150℃で60分間熱硬化処理を施すことにより、硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜について、分光測色計(コニカミノルタ社製,CM−2600d)を用いて、塗膜上のL*a*b*表色系の値をJIS Z 8729に従って測定し、明度を表わす指数であるL*a*b*値を黒色度の指標として評価した。a*、b*値がともに0に近いほど黒色度に優れることを意味する。得られた結果を下記表2に示す。
吸光度の測定には、紫外可視分光光度計(日本分光社製Ubest−V−570DS)、および積分球装置(日本分光社製ISN−470)を使用した。前記各実施例および各比較例の硬化性組成物をガラス板にアプリケーターを用いて塗布した後、熱風循環式乾燥炉を用いて80℃で30分乾燥し、硬化性組成物の乾燥塗膜をガラス板上に作製した。紫外可視分光光度計および積分球装置を用いて、硬化性組成物を塗布したガラス板と同一のガラス板で、500〜300nmにおける吸光度ベースラインを測定した。作製した乾燥塗膜付きガラス板の吸光度を測定し、ベースラインから乾燥塗膜の吸光度を算出し、目的の光の波長355nmにおける吸光度を得た。塗布膜厚のずれによる吸光度のずれを防ぐため、この作業をアプリケーターによる塗布厚を4段階に変えて行い、塗布厚と355nmにおける吸光度のグラフを作成し、その近似式から膜厚25μmの乾燥塗膜の吸光度を算出して、それぞれの吸光度とした。得られた結果を下記表2に示す。
各実施例および比較例の硬化性組成物を、洗浄した銅べた基板上にスクリーン印刷で乾燥後10μmとなるよう全面塗布し、熱風循環式乾燥炉において80℃で10分間乾燥させた。この塗膜上にStouffer社製のステップタブレット(41段)を当て、オーク製作所社製メタルハライドランプを搭載した露光機にて300mJ/cm2の露光量で露光し、1wt%Na2CO3水溶液によりスプレー圧0.1MPaで1分間現像した後における残存段数を調べた。残存段数が多いほど、感度が良好であり好ましい。得られた結果を下記表2に示す。
各実施例および比較例の硬化性樹脂組成物を銅べた基板上にスクリーン印刷で全面塗布し80℃30分乾燥させた。L/S=50/500のネガフィルムを用いて最適露光量で露光し、30℃の1%Na2CO3 水溶液をスプレー圧2kg/cm2の条件で60秒間現像を行い、パターンを得た。現像後、レリーフ形状を光学顕微鏡で観察し、下記のように評価した。得られた結果を下記表2に示す。実施例2、比較例2のレリーフ形状をそれぞれ図1、2に示す。
◎:パターンのヨレ、太り、及びアンダーカット(トップとボトムの寸法差)の何れも確認できない。
○:若干のパターンのヨレ、太り、及びアンダーカット(トップとボトムの寸法差)の何れかが確認された。
×:明らかなパターンのヨレ、太り、及びアンダーカット(トップとボトムの寸法差)の何れかが確認された。
各実施例および比較例の硬化性組成物を、パターン形成された銅箔基板上に、乾燥膜厚が20μmになるようにスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分間乾燥し、室温まで放冷した。この基板に高圧水銀灯を搭載した露光装置を用いて、最適露光量でパターンを露光した後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液により、スプレー圧0.2MPaの条件で、60秒間現像を行い、パターンを得た。この基板を、150℃・60分でポストキュアを行い、硬化物パターンの形成された評価基板を得た。
評価基板について、市販品の無電解ニッケルめっき浴および無電解金めっき浴を用いて、80〜90℃で、ニッケル5μm、金0.05μmの条件でめっきを行った。メッキされた評価基板において、目視にてめっきのしみ込みの有無を評価した後、テープピーリングによりレジスト層の剥がれの有無を評価した。それぞれの判定基準は以下のとおりである。得られた結果を下記表2に示す。
◎:めっき後にしみ込みが全く見られず、テープピーリング後に剥がれはない。
○:めっき後にしみ込みが僅かに見られるが、テープピーリング後に剥がれはない。
△:めっき後に僅かなしみ込みが確認され、テープピーリング後に僅かに剥がれる。
×:めっき後にしみ込みが確認され、テープピーリング後に剥がれも見られる。
Claims (9)
- (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物、(E)黒色着色剤、および、(F)黒色以外の着色剤を含有する組成物であって、
前記(F)黒色以外の着色剤として、紫色着色剤および橙色着色剤の少なくとも1種を含有し、
その乾燥塗膜の膜厚25μmあたりの波長365nmにおける吸光度が1.5以下、385nmにおける吸光度が1.0以下、かつ、波長405nmにおける吸光度が1.0以下であることを特徴とする硬化性組成物。 - (A)カルボキシル基含有樹脂、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物、(E)黒色着色剤、および、(F)黒色以外の着色剤を含有する組成物であって、
前記(B)光重合開始剤として、2量体のオキシムエステル系光重合開始剤を含有し、 その乾燥塗膜の膜厚25μmあたりの波長365nmにおける吸光度が1.5以下、385nmにおける吸光度が1.0以下、かつ、波長405nmにおける吸光度が1.0以下であることを特徴とする硬化性組成物。 - 前記(F)黒色以外の着色剤として、赤色着色剤、青色着色剤および黄色着色剤の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性組成物を、フィルム上に塗布、乾燥させて得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性組成物および請求項4記載のドライフィルムの樹脂層の少なくともいずれか一方を硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
- 請求項5記載の硬化物を備えることを特徴とするプリント配線板。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性組成物を用いることを特徴とするドライフィルムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性組成物を用いることを特徴とする硬化物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の硬化性組成物および請求項4記載のドライフィルムの少なくともいずれか一方を用いることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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