JP6382043B2 - 内燃機関用の点火プラグ - Google Patents

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本発明は、中心電極に高周波電圧を印加することによって、接地電極と中心電極との間に放電を生じさせる、内燃機関用の点火プラグに関する。
内燃機関用の点火プラグとして、中心電極に高周波電圧を印加することによって、接地電極と中心電極との間に放電を生じさせるものがある(特許文献1)。特許文献1に開示された点火プラグは、筒状の接地電極の内側に、先端が突出するように筒状の絶縁碍子が配置され、さらに絶縁碍子の内側に、先端が突出するように中心電極が配置されている。
特許文献1に開示の点火プラグにおいては、中心電極に高周波の交流電圧やパルス電圧を印加して、アーク放電が生ずるのを抑制しつつ、コロナ放電を発生させる。そして、当該点火プラグは、このコロナ放電によって混合気に着火する。
特開2013−186998号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、中心電極と接地電極との間におけるコロナ放電は絶縁碍子の先端の外表面に沿ったままであるため、冷損等が大きく、火炎が広がりにくく、十分な着火性が得られない。また、特許文献1には、絶縁碍子の先端の外表面に環状の突部及び溝部を設けることにより、コロナ放電の沿面距離を大きくして、アーク放電を抑制しつつ、コロナ放電を確実に発生させることが開示されている。そして、この場合において、着火性の向上を図るべく、絶縁碍子の先端の長さを短くすることが開示されている。しかし、この場合においても、コロナ放電は絶縁碍子の先端の外表面に沿ったままであるため、依然として十分な着火性は得られにくく、改良の余地がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、着火性に優れた内燃機関用の点火プラグを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の接地電極と、
該接地電極の内側に保持されるとともに、上記接地電極の先端よりも先端側へ突出した突出部とを有する筒状の絶縁碍子と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、上記突出部の先端よりも先端側へ突出した中心電極とを備え、
該中心電極に高周波電圧を印加することによって、上記接地電極と上記中心電極との間に、上記突出部の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電を生じさせるように構成された、内燃機関用の点火プラグであって、
上記突出部には、プラグ軸方向の両側に隣接する部位の外径と異なる外径を有する異径部が形成されており、
上記異径部は、プラグ軸方向の両側に隣接する部位の外径よりも大きい外径を有する拡径部から構成されており、
上記拡径部は、上記絶縁碍子のプラグ軸方向に対して傾斜した傾斜面を有し、該傾斜面のプラグ軸方向に対する傾斜角は、0〜45°であることを特徴とする内燃機関用の点火プラグにある。
また、本発明の他の一態様は、筒状の接地電極と、
該接地電極の内側に保持されるとともに、上記接地電極の先端よりも先端側へ突出した突出部とを有する筒状の絶縁碍子と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、上記突出部の先端よりも先端側へ突出した中心電極とを備え、
該中心電極に高周波電圧を印加することによって、上記接地電極と上記中心電極との間に、上記突出部の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電を生じさせるように構成された、内燃機関用の点火プラグであって、
上記突出部には、プラグ軸方向の両側に隣接する部位の外径と異なる外径を有する異径部が形成されており、
上記異径部は、周方向に形成された溝部から構成されており、
上記溝部は、複数形成されているとともに、プラグ軸方向に配列され、プラグ軸方向における上記溝部の両側に隣接する部分の間をプラグ軸方向に気中放電する場合の放電電圧が、上記溝部の壁面をプラグ軸方向に沿面放電する場合の放電電圧よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする内燃機関用の点火プラグにある。
上記内燃機関用の点火プラグにおいては、中心電極と接地電極との間において絶縁碍子における突出部の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電(以下、本明細書では「アーク放電等」ともいう)が生じるように構成されている。そして、突出部には、プラグ軸方向の両側に隣接する部位の外径と異なる外径を有する異径部が形成されている。当該異径部により、突出部の外表面に沿ったアーク放電等に作用する表面電界などの電磁気力を低減できる。これにより、当該アーク放電等は、内燃機関内の気流によって突出部の外表面から引き離されやすくなり、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
以上のごとく、本発明によれば、着火性に優れた内燃機関用の点火プラグを提供することができる。
実施例1における、点火プラグの一部断面正面図。 実施例1における、点火プラグの先端側から見た平面図。 実施例1における、点火プラグの先端部の一部断面正面図。 実施例1における、点火プラグの先端部の一部断面正面拡大図。 実施例1における、放電時の点火プラグの先端部の一部正面模式図。 実施例2における、点火プラグの先端部の一部断面正面図。 実施例2における、放電時の点火プラグの先端部の一部正面模式図。 実施例2における、沿面放電及び気中放電の飛火電圧と距離との関係図。 実施例2における、点火プラグの先端部に形成された溝部の断面模式図。
上記点火プラグは、例えば、自動車等の車両用の内燃機関における着火手段として用いることができる。
上記内燃機関用の点火プラグにおいて、燃焼室へ挿入される側を先端側、その反対側を基端側とする。
また、本明細書において、プラグ軸方向とは、点火プラグの軸方向を意味し、径方向とは、点火プラグの径方向を意味し、周方向とは、点火プラグの周方向を意味する。
上記異径部は、プラグ軸方向の両側に隣接する部位の外径よりも大きい外径を有する拡径部から構成されることとすることができる。この場合には、拡径部の外表面は、プラグ軸方向の両側に隣接する部位に比べて中心電極から離隔することとなるため、当該隣接する部位に比べて拡径部の外表面における表面電界が低減する。これにより、突出部の外表面に沿うアーク放電等は、拡径部において、内燃機関内の気流によって突出部の外表面から引き離されやすくなり、一層、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
上記異径部は、周方向に形成された溝部から構成されていることとすることができる。この場合には、突出部の外表面に沿うアーク放電等は、突出部の外表面において溝部を飛び越すように進展することができ、突出部の外表面に沿うアーク放電等が絶縁碍子の表面から受ける電磁気力を低減することができる。その結果、当該アーク放電等は、内燃機関内の気流によって突出部の外表面から引き離されやすくなり、一層、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
(実施例1)
本例の実施例に係る内燃機関用の点火プラグにつき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の内燃機関用の点火プラグ1は、筒状の接地電極2と、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4とを備える。
筒状の絶縁碍子3は、接地電極2の内側に保持されると共に、接地電極2の先端よりも先端側へ突出した突出部31を有する。
中心電極4は、絶縁碍子3の内側に保持されると共に、突出部31の先端よりも先端側へ突出している。
内燃機関用の点火プラグ1は、中心電極4に高周波電圧を印加することによって、接地電極2と中心電極4との間に、突出部31の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電を生じさせるよう構成されている。そして、突出部31には、プラグ軸方向Zの両側に隣接する部位(突出基端部311、突出先端部312)の外径と異なる外径を有する異径部32が形成されている。
以下、本例の点火プラグ1について、詳述する。
図1に示すごとく、本例では、接地電極2は、点火プラグ1のハウジング11も兼ねており、ハウジング11の外周面には内燃機関に螺合するための取付ネジ部111が形成されている。図1、図2に示すごとく、中心電極4は円柱形状を有し、絶縁碍子3は中心電極4と中心軸を共有する円筒形状を有する。ハウジング11でもある接地電極2は、中心電極4及び絶縁碍子3と中心軸を共有する略円筒形状を有する。
図3に示すように、絶縁碍子3は、接地電極2の先端から突出する突出部31を有する。突出部31は円筒形状であって、その先端の角部は曲面を成している。突出部31のプラグ軸方向Zの長さLは、着火性が確保できる範囲内であれば特に限定されず、本例では、3.0mmである。
図3に示すように、突出部31の一部には、異径部32が形成されている。本例では、異径部32としての拡径部321が形成されている。拡径部321は、プラグ軸方向Zの両側に隣接する部位(突出基端部311、突出先端部312)の外径よりも大きい外径を有する。拡径部321は、突出部31のプラグ軸方向Zにおける略中央部に形成されている。拡径部321の厚さ(拡径量)tは、本例では0.5mmであり、拡径部321の径は、突出基端部311及び突出先端部312の径よりも1.0mm大きくなっている。拡径部321のプラグ軸方向Zの長さL1は、特に限定されないが、本例では、0.75mmである。
図3に示すように、拡径部321は、プラグ軸方向Zに対して傾斜した傾斜面321a、321bを備える。図4に示すように、傾斜面321aはプラグ軸方向Zの先端側に面しており、傾斜面321bはプラグ軸方向Zの基端側に面している。プラグ軸方向Zに対する傾斜面321aの傾斜角(すなわち、絶縁碍子3の中心軸と平行な仮想線zと傾斜面321aとのなす角)αは、0°より大きく45°以下であることが好ましく、本例では30°である。また、傾斜面321bの傾斜角βも傾斜面321aの傾斜角αと同様である。なお、本例では、突出部31において、拡径部321よりも基端側には拡径部321の外径よりも小さい外径を有する突出基端部311が形成されている。また、突出部31において、拡径部321よりも先端側には拡径部321の外径よりも小さい外径を有する突出先端部312が形成されている。そして、図4に示すように、アーク放電等Aは突出部31の外表面に沿うように構成されている。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記内燃機関用の点火プラグ1によれば、中心電極4と接地電極2との間において絶縁碍子3における突出部31の外表面に沿ってアーク放電等(アーク放電又はグロー放電)が生じるように構成されている。そして、突出部31には、プラグ軸方向Zの両側に隣接する部位(突出基端部311、突出先端部312)の外径と異なる外径を有する異径部32が形成されている。当該異径部32により、突出部31の外表面に沿ったアーク放電等に作用する表面電界などの電磁気力を低減できる。これにより、図5に示すように、突出部31の外表面を沿うアーク放電等Aは、内燃機関内の気流によって、符号A1で示すごとく突出部31の外表面から引き離されやすくなり、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
そして、本例では、異径部32は、プラグ軸方向Zの両側に隣接する部位(突出基端部311、突出先端部312)の外径よりも大きい外径を有する拡径部321から構成されている。これにより、拡径部321の外表面は、突出基端部311及び突出先端部312に比べて中心電極4から離隔することとなるため、突出基端部311及び突出先端部312に比べて当該外表面における表面電界が低減する。そのため、突出部31の外表面に沿うアーク放電等は、内燃機関内の気流によって突出部31の外表面から引き離されやすくなり、一層、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
また、本例では、拡径部321は、絶縁碍子3のプラグ軸方向Zに対して傾斜した傾斜面321a、321bを有し、傾斜面321a、321bのプラグ軸方向Zに対する傾斜角α、βはともに、0〜45°とすることができ、本例では30°である。これにより、突出部31(例えば、突出基部311)の外表面に生じたアーク放電等が、先端側に進展する際に、拡径部321に乗り上がりやすくなる。そして、拡径部321に乗り上がったアーク放電等は、中心電極4から拡径部321の厚さtの分だけ離隔することになるため、当該アーク放電等に作用する表面電界などの電磁気力が低減することとなる。これにより、当該アーク放電等は、内燃機関内の気流によって突出部31の外表面から一層引き離されやすくなり、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を一層向上することができる。
本例では、傾斜面321a、321bのプラグ軸方向Zに対する傾斜角α、βはいずれも同一としたが、互いに異なっていてもよい。また、本例では、一つの拡径部321が形成されていることとしたが、これに限らず、複数の拡径部321が形成されていてもよい。複数の拡径部321が形成されている場合には、複数の拡径部321の厚さtや傾斜面の傾斜角α、βは同一であってもよいし、複数の拡径部321に異なる厚さt又は傾斜角α、βを有するものが含まれていてもよい。
本例では、突出部31において、拡径部321よりも基端側には、突出基端部311が形成されている。突出部基端部311の外径は拡径部321の外径よりも小さいため、突出基端部311は、拡径部321に比べて、アーク放電等が発生しやすくなっている。これにより、突出基端部311においてアーク放電等の発生が促進され、着火性の向上に寄与する。
本例では、拡径部321は、突出部31のプラグ軸方向Zにおける中央部に形成されている。これにより、拡径部321に沿うアーク放電等は、内燃機関内の気流の影響を受けやすくなり、図5に示すごとく、当該アーク放電等が拡径部321から一層引き離されやすくなる。その結果、着火性をさらに向上することができる。
本例では、拡径部321の傾斜面321a、321bを、図3に示すように、プラグ軸方向Zを含む断面において、平面となっている。これに替えて、傾斜面321a、321bを、当該断面において湾曲面としてもよい。
以上のごとく、本例によれば、着火性に優れた内燃機関用の点火プラグ1を提供することができる。
(実施例2)
本例の点火プラグ1は、実施例1における異径部32としての拡径部321(図3を参照)に替えて、図6に示す異径部32としての溝部322を備える。その他の構成要素は実施例1の場合と同様であり、本例においても実施例1の場合と同一の符号を用いてその説明を省略する。
図6に示すように、突出部31の一部には、異径部32としての溝部322が形成されている。本例では溝部322は複数形成されている。各溝部322は、突出部31の一部を周方向に溝状に形成したものであって、プラグ軸方向Zに配列されている。隣り合う溝部322の間には、溝間部313が形成されている。溝部322の外径は、プラグ軸方向Zの両側に隣接する部位(溝間部313、突出基端部311又は突出先端部312)の外径よりも小さくなっている。
溝部322の深さdは、絶縁碍子3と中心電極4との間で絶縁破壊が生じない範囲で適宜選択することができ、本例では0.5mmである。溝部322の幅wは1.0mm以下であることが好ましく、本例では0.5mmである。そして、溝部322が形成される間隔(ピッチ)pは、2.0mm以下であることが好ましく、本例では1.0mmである。複数の溝部322は、プラグ軸方向Zに等間隔に配列している。
本例の点火プラグ1によれば、異径部32は、周方向に形成された溝部322を有しているため、突出部31の外表面に沿うアーク放電等は、突出部31の外表面において溝部322を飛び越すように進展することができ、当該アーク放電等が突出部31の表面から受ける電磁気力を低減することができる。その結果、図7に示すように、当該アーク放電等Aは、内燃機関内の気流によって突出部の外表面から引き離されやすくなり、符号A1で示すごとく、一層、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性を向上することができる。
また、本例では、溝部322は複数形成されているとともに、プラグ軸方向Zに配列されている。これにより、突出部31の外表面をプラグ軸方向Zに沿って沿面放電する際に、突出部31の表面から受ける電磁気力が繰り返し低減されるため、突出部31の外表面に沿うアーク放電等は、内燃機関内の気流によって突出部31の外表面からより一層引き離されやすくなり、さらに、気中に伸長されやすくなる。その結果、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を低減でき、着火性をより一層向上することができる。
溝部322は、プラグ軸方向Zにおける溝部322の両側に隣接する部分(溝間部313)の間をプラグ軸方向Zに気中放電する場合の放電電圧が、溝部322の壁面をプラグ軸方向Zに沿面放電する場合の放電電圧よりも小さくなるように構成されている。例えば、溝部322の深さdは、(溝部322の絶縁碍子の厚さ)>(印加電圧)/(絶縁碍子3の形成材料の絶縁破壊電圧)となるような範囲とすることができる。本例では、絶縁碍子3の形成材料はアルミナであって、アルミナの絶縁破壊電圧は10kV/mmである。
溝部322を上述の如く、気中放電する場合の放電電圧と沿面放電する場合の放電電圧とを比較して、気中放電する場合の放電電圧の方が低くなる構成を採用することにより、突出部31の外表面に沿ったアーク放電等が溝部322を飛び越すように進展しやすくなる。その結果、突出部31の外表面から当該アーク放電等が受ける電磁気力をより低減することができる。これにより、当該アーク放電等またはアーク放電等により生じた火炎に対する冷損を一層低減でき、着火性をより一層向上することができる。
気中放電と沿面放電はメカニズムが異なるため、両者の放電距離に対する放電電圧の関係が異なる。気体圧力1MPa、温度1000K、純空気の雰囲気条件における気中放電及び沿面放電の放電電圧を算出してプロットした結果を図8に示す。各放電電圧は以下の式1及び式2に基づいて算出した。
Figure 0006382043
Figure 0006382043
図8に示すように、気中放電では、放電距離の増加に対しおおむね比例して放電電圧が増加していく。一方、沿面放電では、放電距離が所定距離までは気中放電の場合よりも、放電距離の増加に対する放電電圧の増加の割合が大きいが、放電距離が所定距離以上になると当該増加の割合が小さくなって放電電圧が増加しにくいという特徴がある。両者の放電距離に対する放電電圧の関係をプロットすることにより、ある気中距離での気中放電電圧よりも沿面放電電圧を高くするために必要な沿面距離dを知ることができる。そして、溝322の幅wおよび深さdを調整して、溝部322を沿面放電する場合の沿面距離をd以上とすることにより、気中放電する場合の放電電圧が沿面放電する場合の放電電圧よりも低い状態にすることができる。かかる状態においては、突出部31の外表面に沿っていたアーク放電等は、積極的に気中放電して溝部322を飛び越すように進展することとなる。
例えば、気中放電ギャップ(気中放電距離)が1.0mmの場合を考えると、図8に示すように、沿面放電距離が2.5mm以上の場合において、気中放電する場合の放電電圧V1が沿面放電する場合の放電電圧よりも低い状態となる。ここで沿面放電距離は、気中放電ギャップ(すなわち、溝322の幅w)+溝322の深さd×2から算出される。溝322は深すぎると絶縁碍子3の厚みが過度に減少して絶縁破壊が起こりやすくなるため、絶縁破壊が起こらないような範囲に溝322の深さdを設定する必要がある。そして、絶縁碍子3に用いられるアルミナの絶縁破壊電圧はおよそ10〜15kVmm程度であることから、アーク放電等の生成には最低10kV程度が必要であることを考慮すると、絶縁碍子3の厚みは少なくとも0.75mmは必要である。
そこで、絶縁碍子3の径を4.75mm、中心電極4の径を1.7mm程度である場合を考えると、図9に示すように、絶縁碍子3(溝間部313)の厚みeはおよそ1.5mmとなり、溝部322における絶縁碍子3の厚みe1を0.75mm残すためには溝322の深さdは最大で0.75mmとなる。また、溝322の深さdが最大0.75mmの場合、気中ギャップ幅(すなわち、溝322の幅w)は1.0mmが最大となる。したがって、かかる条件においては、溝322の幅wは1.0mm以下とするのが好ましい。
本例では、複数の溝322がそれぞれ環状に形成されていることとしたが、これに限らず、例えば、溝322が突出部31の外表面において、基端部側から先端部側に亘って、らせん状に形成されていてもよい。すなわち、複数の溝322がらせん状に繋がった状態であってもよい。この場合にも、本例と同等の作用効果を奏する。
また、本例では、溝322は周方向全体に連続した全環状となっているが、これに限らず、溝322の一部に環状の溝322を周方向において分断する領域(周方向の一部に溝322が形成されていない領域)が設けられていてもよい。すなわち、溝322はC字型等の部分環状に形成されていてもよい。なお、溝322を周方向において分断する領域は複数設けられていてもよい。
以上のごとく、本例によっても、着火性に優れた内燃機関用の点火プラグ1を提供することができる。
1 内燃機関用の点火プラグ
2 接地電極
3 絶縁碍子
31 突出部
313 溝間部
32 異径部
321 拡径部
322 溝部
4 中心電極

Claims (6)

  1. 筒状の接地電極(2)と、
    該接地電極(2)の内側に保持されるとともに、上記接地電極(2)の先端よりも先端側へ突出した突出部(31)とを有する筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子(3)の内側に保持されると共に、上記突出部(31)の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)とを備え、
    該中心電極(4)に高周波電圧を印加することによって、上記接地電極(2)と上記中心電極(4)との間に、上記突出部(31)の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電を生じさせるように構成された、内燃機関用の点火プラグ(1)であって、
    上記突出部(31)には、プラグ軸方向(Z)の両側に隣接する部位(311、312、313)の外径と異なる外径を有する異径部(32)が形成されており、
    上記異径部(32)は、プラグ軸方向(Z)の両側に隣接する部位(311、312)の外径よりも大きい外径を有する拡径部(321)から構成されており、
    上記拡径部(321)は、上記絶縁碍子(3)のプラグ軸方向(Z)に対して傾斜した傾斜面(321a、321b)を有し、該傾斜面(321a、321b)のプラグ軸方向(Z)に対する傾斜角(α、β)は、0〜45°であることを特徴とする内燃機関用の点火プラグ(1)。
  2. 上記異径部(32)は、周方向に形成された溝部(322)から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用の点火プラグ(1)。
  3. 上記溝部(322)は、複数形成されているとともに、プラグ軸方向(Z)に配列されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用の点火プラグ(1)。
  4. 筒状の接地電極(2)と、
    該接地電極(2)の内側に保持されるとともに、上記接地電極(2)の先端よりも先端側へ突出した突出部(31)とを有する筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子(3)の内側に保持されると共に、上記突出部(31)の先端よりも先端側へ突出した中心電極(4)とを備え、
    該中心電極(4)に高周波電圧を印加することによって、上記接地電極(2)と上記中心電極(4)との間に、上記突出部(31)の外表面に沿ってアーク放電又はグロー放電を生じさせるように構成された、内燃機関用の点火プラグ(1)であって、
    上記突出部(31)には、プラグ軸方向(Z)の両側に隣接する部位(311、312、313)の外径と異なる外径を有する異径部(32)が形成されており、
    上記異径部(32)は、周方向に形成された溝部(322)から構成されており、
    上記溝部(322)は、複数形成されているとともに、プラグ軸方向(Z)に配列され、プラグ軸方向(Z)における上記溝部(322)の両側に隣接する部分(313)の間をプラグ軸方向(Z)に気中放電する場合の放電電圧が、上記溝部(322)の壁面をプラグ軸方向(Z)に沿面放電する場合の放電電圧よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする内燃機関用の点火プラグ(1)。
  5. 上記異径部(32)は、プラグ軸方向(Z)の両側に隣接する部位(311、312)の外径よりも大きい外径を有する拡径部(321)から構成されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用の点火プラグ(1)。
  6. 上記拡径部(321)は、上記絶縁碍子(3)のプラグ軸方向(Z)に対して傾斜した傾斜面(321a、321b)を有し、該傾斜面(321a、321b)のプラグ軸方向(Z)に対する傾斜角(α、β)は、0〜45°であることを特徴とする請求項に記載の内燃機関用の点火プラグ(1)。
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