JP5809585B2 - 点火システム - Google Patents

点火システム Download PDF

Info

Publication number
JP5809585B2
JP5809585B2 JP2012050099A JP2012050099A JP5809585B2 JP 5809585 B2 JP5809585 B2 JP 5809585B2 JP 2012050099 A JP2012050099 A JP 2012050099A JP 2012050099 A JP2012050099 A JP 2012050099A JP 5809585 B2 JP5809585 B2 JP 5809585B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal fitting
coil
insulator
spark plug
tip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012050099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013186999A (ja
Inventor
浩平 鬘谷
浩平 鬘谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Spark Plug Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2012050099A priority Critical patent/JP5809585B2/ja
Publication of JP2013186999A publication Critical patent/JP2013186999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5809585B2 publication Critical patent/JP5809585B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Spark Plugs (AREA)

Description

本発明は、交流電圧の印加によりコロナ放電を発生させる点火システムに関する。
従来、内燃機関等の燃焼装置においては、火花放電(アーク放電)により混合気へと着火する点火プラグが使用されている。また近年では、着火性の更なる向上を図るべく、交流電圧を点火プラグに印加することで、中心電極を起点とするコロナ放電を発生させ、混合気への着火を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
このようなコロナ放電を発生させる点火システムは、一般に、軸孔を有する絶縁体、前記軸孔に挿通される中心電極、前記絶縁体の外周に設けられる筒状の金具、及び、前記中心電極と直列的に接続され前記金具内に配置される共振コイルを有するユニットと、当該ユニットに対して交流電圧を印加する交流電源とを具備している。
特開2009−8100号公報
ところが、上述の点火システムにおいては、使用等に伴い中心電極や絶縁体に破損が生じた場合に、金具や共振コイルが正常であっても、ユニット全体を交換する必要が生じる。従って、交換に要するコストが割高となってしまい、経済性に劣る。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、中心電極や絶縁体のみを交換可能とすることで、交換に要するコストの低減を図ることができ、経済性に優れる点火システムを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火システムは、交流電圧を出力する交流電源と、
前記交流電源と電気的に接続される共振コイルを有するコイル収容体と、
軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体、及び、前記軸孔に挿設され前記共振コイルに対し電気的に接続される中心電極を具備し、自身の少なくとも一部が前記コイル収容体よりも前記軸線方向先端側に配置される点火プラグとを備え、
前記中心電極に交流電圧を印加することで、前記中心電極を起点とするコロナ放電を発生させる点火システムであって、
前記コイル収容体には、前記中心電極の後端部に設けられた被接続部に対して前記共振コイルを電気的に接続可能な接続部が設けられるとともに、前記被接続部に対して前記接続部が着脱可能であり、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体が着脱可能であり、
前記中心電極と前記被接続部とは、導電性シール材によって固定されており、
前記点火プラグは、前記絶縁体と、前記中心電極と、前記被接続部と、前記導電性シール材とのみからなることを特徴とする。
上記構成1によれば、中心電極の後端部に設けられた被接続部に対して、コイル収容体に設けられた接続部が着脱可能とされており、中心電極及び絶縁体を有する点火プラグに対して、共振コイルを有するコイル収容体が着脱可能とされている。従って、使用等に伴い点火プラグに破損が生じたときには、破損が生じた点火プラグのみを交換すればよく、コイル収容体をそのまま利用することができる。その結果、交換に要するコストを低減することができ、優れた経済性を実現することができる。
また、点火プラグは、絶縁体と、中心電極と、被接続部と、中心電極及び被接続部を固定する導電性シール材とのみから構成されている。すなわち、上記構成1の点火プラグは、一般的な点火プラグにおいて設けられる主体金具や接地電極を具備しないものとされている。従って、点火プラグの製造コストを削減することができ、結果として、点火プラグの交換コストをより低減することができる。
構成2.本構成の点火システムは、上記構成1において、前記コイル収容体は、
前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された絶縁性の材料からなる中間部材とを具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記金具の先端よりも前記軸線方向後端側に前記中間部材が位置することを特徴とする。
上記構成2によれば、共振コイルとその外周に配置される金具との間には、絶縁性の材料からなる中間部材が設けられている。従って、共振コイルと金具との間の絶縁性を高めることができる。その結果、共振コイルを介して中心電極へと交流電圧をより確実に印加することができ、コロナ放電をより確実に発生させることができる。
加えて、上記構成2によれば、点火プラグにコイル収容体を装着した状態において、金具の先端よりも後端側(燃焼室の中心から離間する側)に中間部材が位置するように構成されている。従って、内燃機関等の動作に伴う熱による中間部材の破損をより確実に防止することができる。
構成3.本構成の点火システムは、上記構成1又は2において、前記コイル収容体は、
前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された中間部材とを具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記中間部材の先端部が前記絶縁体に接触することを特徴とする。
尚、「中間部材の先端部が絶縁体に接触する」とあるのは、中間部材が絶縁体に対して直接的に接触している場合のみならず、例えば、後述するパッキン等を介して、中間部材の先端部が絶縁体に対して間接的に接触している場合も含む。
上記構成3によれば、点火プラグに対してコイル収容体を装着した状態において、中間部材の先端部が絶縁体に接触するように構成されている。従って、中間部材を介して絶縁体及びこれに挿通される中心電極の熱を効率よく引くことができ、熱による絶縁体や中心電極の破損をより確実に防止することができる。その結果、点火システムの長寿命化を図ることができ、経済性を一層向上させることができる。
構成4.本構成の点火システムは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、前記被接続部に対して前記接続部がねじ接続されることを特徴とする。
上記構成4によれば、点火プラグに対してコイル収容体をより安定した状態で装着することができる。また、点火プラグに対してコイル収容体を容易に着脱することができ、交換時の作業性を向上させることができる。
構成5.本構成の点火システムは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の外周には、前記点火プラグへと前記コイル収容体を装着する際に所定の工具を係合可能な工具係合部が設けられることを特徴とする。
上記構成5によれば、絶縁体の外周には、所定の工具を係合可能な工具係合部が設けられている。従って、点火プラグに対してコイル収容体を装着する際に、点火プラグを回転させたり、点火プラグの回転を規制したりすることが容易に可能となる。そのため、点火プラグに対するコイル収容体の装着をより確実に、かつ、より容易に行うことができる。
構成6.本構成の点火システムは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体と前記金具の先端面との間に環状のパッキンが設けられることを特徴とする。
上記構成6によれば、金具の先端面と絶縁体との間には、環状のパッキンが設けられている。従って、コイル収容体及び点火プラグ間の気密性を高めることができる。
また、金具の先端面と絶縁体との間で前記パッキンを挟み込むことにより、パッキンから点火プラグに対して軸線方向先端側に向けた押圧力が加わることとなる。そのため、接続部に対して軸線方向先端側に向けた力が加わることとなり、接続部及び被接続部がねじ接続される場合においては、接続部に設けられた雄ねじ(又は雌ねじ)の山が、被接続部に設けられた雌ねじ(又は雄ねじ)の山に圧接し、両者の間で生じる摩擦力が増加する。従って、内燃機関等の動作時の振動等に起因するねじの緩みを生じにくくすることができ、長期間に亘って接続部(コイル収容体)と被接続部(点火プラグ)とを安定的に接続することができる。
構成7.本構成の点火システムは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、
前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された中間部材とを具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体と前記中間部材の先端面との間に環状のパッキンが設けられることを特徴とする。
上記構成7によれば、上記構成6と同様の作用効果が奏されることとなる。
構成8.本構成の点火システムは、上記構成1乃至7のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態で、大気中において、前記中心電極に直流電圧を印加したとき、前記中心電極及び前記金具間で前記絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧が15kV以上とされることを特徴とする。
上記構成8によれば、大気中において、中心電極に直流電圧を印加したとき、中心電極及び金具間で絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値が15kV以上となるように構成されている。従って、中心電極へと印加される交流電圧を増大させた場合であっても、アーク放電の発生を効果的に抑制することができ、コロナ放電をより確実に発生させることができる。
また、アーク放電を発生させることなく、コロナ放電を発生可能な電圧範囲の上限値が上がるため、中心電極に対してより大きな交流電圧を印加することができる。その結果、着火性の向上を図ることができる。
尚、アーク放電が発生する際の電圧値を15kV以上とする手法としては、例えば、絶縁体の表面を這った中心電極及び金具間の最短距離(沿面距離)を大きなものとする手法や、絶縁体のうち金具の先端よりも先端側に位置する部位の最大外径を、金具の先端の内径よりも大きくする手法などを挙げることができる。
構成9.本構成の点火システムは、上記構成1乃至8のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体の先端は、前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置し、
前記中心電極の少なくとも一部は、前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の内周に配置されており、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記軸線方向に沿った前記金具の先端から前記絶縁体の先端までの距離が10mm以下とされることを特徴とする。
前記沿面距離の増大を図るために、点火プラグにコイル収容体を装着した状態において、軸線方向先端側に向けた金具先端に対する絶縁体先端の突出長を比較的大きなものとすることが考えられる。しかしながら、前記突出長を過度に大きくしてしまうと、絶縁体のうち金具の先端から突出する部位が過熱されてしまい、ひいては前記絶縁体の内周に位置する中心電極も過熱されてしまうおそれがある。中心電極が過熱されてしまうと、点火プラグのインピーダンスが変化してしまうため、共振周波数がずれてしまい、中心電極への投入電力が低下してしまうおそれがある。その結果、高温環境下において、良好な着火性を維持できないことが懸念される。
この点、上記構成9によれば、点火プラグにコイル収容体を装着した状態において、軸線に沿った金具の先端から絶縁体の先端までの距離が10mm以下とされている。従って、絶縁体のうち金具の先端から突出する部位の過熱をより確実に防止することができ、ひいては前記部位の内周に位置する中心電極の過熱もより確実に防止することができる。その結果、点火プラグにおけるインピーダンスの変化を抑制することができ、高温環境下においても良好な着火性を維持することができる。
構成10.本構成の点火システムは、上記構成1乃至9のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の外周には、前記絶縁体の周方向に沿って延びる環状の突部、及び、前記絶縁体の周方向に沿って延びる環状の溝部のうちの少なくとも一方が設けられることを特徴とする。
上記構成10によれば、絶縁体のうち金具の先端から突出する部位の外周には、絶縁体の周方向に沿って延びる環状の突部や溝部が設けられている。従って、前記沿面距離の増大を図ることができ、コロナ放電を一層確実に発生させることができる。
構成11.本構成の点火システムは、上記構成1乃至10のいずれかにおいて、前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
前記金具は、自身の外周に内燃機関への取付用のねじ部を有することを特徴とする。
一般に点火プラグは、内燃機関に対する取付のために、外周にねじ部を有する主体金具を備えている。しかしながら、上記構成11によれば、コイル収容体の金具に取付用のねじ部が設けられているため、点火プラグに主体金具を設ける必要はない。従って、点火プラグの製造コストを一層削減することができ、ひいては点火プラグの交換コストをさらに低減することができる。
点火システムの概略構成を示すブロック図である。 点火プラグユニットの構成を示す一部破断正面図である。 沿面経路の軸線と直交する方向に沿った長さを増大させることにより、電極間で粒子を移動させる際に必要な電力がより増大することを説明するための説明図である。 点火プラグの別例を示す一部破断拡大正面図である。 放電長X等を説明するためのサンプルの先端部の模式図である。 アーク放電発生電圧値の異なる各サンプルにおける、放電長Xを示すグラフである。 距離Lを種々変更したサンプルにおける放電長維持割合を示すグラフである。 (a)は、絶縁体の先端部を平坦状としたサンプルの模式図であり、(b)は、絶縁体の先端部に突部を設けたサンプルの模式図である。 (a)は、沿面経路の軸線に沿った長さを、沿面経路の軸線と直交する方向に沿った長さよりも大きくしたサンプルの模式図であり、(b)は、沿面経路の軸線と直交する方向に沿った長さを、沿面経路の軸線に沿った長さよりも大きくしたサンプルの模式図である。 別の実施形態における点火プラグの取付手法を示す一部破断正面図である。 別の実施形態における被接続部に対する接続部の接続手法を示す一部破断拡大正面図である。
以下に、一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、点火システム101の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、点火システム101は、内燃機関ENに取付けられた点火プラグユニット1と、交流電源51とを備えている。尚、図1では、点火プラグユニット1を1つのみ示しているが、実際の内燃機関ENには複数の気筒が設けられ、各気筒に対応して点火プラグユニット1が設けられる。そして、交流電源51からの電圧が、図示しないディストリビュータを介して各点火プラグユニット1に印加されるようになっている。
交流電源51は、点火プラグユニット1に対して比較的高周波数(例えば、50kHz〜100MHz)の交流電圧を印加するものである。また、交流電源51は、所定の電子制御装置(ECU)71により、点火プラグユニット1に対する交流電圧の印加タイミング(すなわち、コロナ放電の発生タイミング)が制御されるようになっている。
さらに、交流電源51及び点火プラグユニット1間の通電経路は、導電性金属からなる内部導体62と、当該内部導体62の外周に配置された導電性金属からなる筒状の外部導体63とを有する同軸ケーブル61により構成されている。同軸ケーブル61により交流電源51及び点火プラグユニット1間を接続することで、電力の反射防止が図られている。尚、本実施形態では、内部導体62が後述する共振コイル16に対して電気的に接続され、外部導体63が後述する金具12に対して電気的に接続されている。
次いで、点火プラグユニット1の構成について説明する。
点火プラグユニット1は、図2に示すように、コイル収容体11及び点火プラグ21が直列的に接続されることで構成されている。尚、図2では、点火プラグユニット1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を先端側、上側を後端側として説明する。
コイル収容体11は、筒状をなす金具12、この内部に配置される共振コイル16などから構成されるものでなる。
前記金具12は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグユニット1(金具12)を内燃機関の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)13が形成されている。また、ねじ部13よりも後端側には鍔状の座部14が形成されており、座部14よりも後端側には、金具12を内燃機関に取付ける際に所定の工具(例えば、レンチ等)が係合される断面六角形状の被係合部15が設けられている。
さらに、金具12の内部には、導電性金属が螺旋状に巻回されてなる前記共振コイル16が配置されている。共振コイル16は、前記内部導体62に対して直列的に接続されており、所定のインダクタンスを有している。そして、所定の静電容量を有する前記点火プラグ21と前記共振コイル16とにより直列共振回路が構成されている。当該直列共振回路により交流電源51から供給される交流電圧が昇圧され、昇圧された電圧が点火プラグ21へと印加されることで、後述する中心電極28を起点としてコロナ放電を発生可能となっている。
また、共振コイル16の先端部には、外周に雄ねじを有する接続部17が設けられている。そして、前記接続部17が後述する被接続部31に対して接続されることで、点火プラグ21に対してコイル収容体11が装着されている。
加えて、前記金具12の内周と前記共振コイル16の外周との間には、筒状の中間部材18が配置されている。中間部材18は、絶縁性の材料(例えば、フッ素樹脂等)からなり、金具12及び共振コイル16間を絶縁している。また、本実施形態では、点火プラグ21にコイル収容体11を装着した状態において、金具12の先端よりも軸線CL1方向後端側に中間部材18が位置するように構成されている。尚、前記共振コイル16の外周と中間部材18の内周との間に、さらに樹脂が充填される構成としてもよい。
前記点火プラグ21は、筒状をなす絶縁体22、これに挿通される中心電極28などから構成されるものである。
絶縁体22は、絶縁性セラミック(例えば、アルミナ等)を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部23と、当該後端側胴部23よりも先端側においてこれよりも大径に形成された中胴部24と、当該中胴部24よりも先端側において径方向外側に膨出形成された大径部25と、当該大径部25よりも先端側に形成された脚長部26とを備えている。加えて、点火プラグ21に対してコイル収容体11を装着した状態において、絶縁体22のうち、後端側胴部23及び中胴部24は、金具12の内部に収容される一方で、大径部25及び脚長部26は、金具12の先端から露出している。すなわち、点火プラグ21に対してコイル収容体11を装着した状態において、絶縁体22の先端は、金具12の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置している。
さらに、本実施形態では、金具12内に配置される中胴部24に対して前記中間部材18の先端部が接触するように構成されている。また、後端側胴部23は、中間部材18の先端部へと入り込むように構成されている。
併せて、前記大径部25は、その外径が金具12の先端内径よりも大きくなるように構成されている。すなわち、絶縁体22のうち金具12の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置する部位の最大外径は、金具12の先端の内径よりも大きくされている。尚、本実施形態では、後端側胴部23の外周面と中間部材18の内周面との間に、絶縁性のグリスが塗布されており、共振コイル16や中心電極28を流れる電流のリーク防止が図られている。
また、脚長部26の外周には、絶縁体22の周方向に沿って延びる環状の突部26Aが少なくとも1つ(本実施形態では、1つ)設けられており、絶縁体22の表面を這って金具12の先端と中心電極28の先端部との間を最短で結ぶ経路(沿面経路)の長さ(沿面距離)が比較的大きなもの(例えば、12mm以上)とされている。その結果、大気中において、中心電極28に直流電圧を印加したとき、中心電極28及び金具12間で絶縁体22の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値(アーク放電発生電圧値)が15kV以上とされている。
尚、アーク放電発生電圧値を大きくするにあたっては、上述の通り、絶縁体22のうち金具12の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置する部位の最大外径を、金具12の先端の内径よりも大きくし、前記沿面経路の軸線CL1と直交する方向に沿った長さを増大させることが特に有効である。これは、次の理由による。例えば、図3に示すように、電極ER1,ER2間に、表面に段差が形成された絶縁体INが配置される構成である場合、絶縁体INの表面を這った両電極ER1,ER2間の沿面経路CRは、両電極ER1,ER2間で最短距離を形成する線分の延びる方向(いわば軸線CL1方向)と交差する方向に沿って延びる沿面経路CR1(図3中、太線で示す部位)を有することとなる。ここで、電極ER1,ER2間への電圧印加に伴い、電荷を有する粒子(電子やイオン)が前記沿面経路CRに沿って移動する際に、沿面経路CR1においては粒子同士の衝突等に起因する摩擦が発生することとなる。そのため、粒子を沿面経路CR1に沿って移動させる際には、両電極ER1,ER2間で最短距離を形成する線分の延びる方向(軸線CL1方向)に沿って粒子を移動させる場合と比較して、より多くの電力(エネルギー)が必要となる。従って、沿面経路の軸線CL1と直交する方向に沿った長さを増大させることで、アーク放電発生電圧値をより増大させることができ、アーク放電をより発生しにくくすることができる。
尚、図4に示すように、突部26Aに代えて、絶縁体22の周方向に沿って延びる環状の溝部26Bを脚長部26の外周に設けることとしてもよい。また、突部26A及び溝部26Bの双方を省略し、脚長部26を平坦状としてもよい。
図2に戻り、本実施形態では、軸線CL1と直交する断面において、前記突部26Aは断面六角形状をなしており、点火プラグ21に対してコイル収容体11を装着する際に所定の工具(例えば、レンチ等)を係合可能となっている。すなわち、突部26Aは、本発明における「工具係合部」にも相当する。
加えて、上記のようにアーク放電発生電圧値が15kV以上とされる一方で、本実施形態では、軸線CL1に沿った金具12の先端から絶縁体22の先端までの距離Lが10mm以下とされており、絶縁体22及び中心電極28が燃焼室の中心側に向けて過度に突出しないように構成されている。
さらに、絶縁体22には、軸線CL1に沿って延びる軸孔27が貫通形成されており、当該軸孔27の先端側には、前記中心電極28が挿設されている。中心電極28は、全体として棒状をなしており、その先端部は、軸線CL1方向先端側に向けて先細るテーパ状とされている。また、中心電極28は、熱伝導性に優れる金属〔例えば、銅や銅合金、純ニッケル(Ni)等〕からなる内層28Aと、Niを主成分とする合金からなり、前記内層28Aを覆う外層28Bとを備えている。
加えて、中心電極28は、その先端部が絶縁体22の先端から軸線CL1方向先端側へと突出しており、結果として、中心電極28の一部は、絶縁体22のうち金具12の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置する部位の内周に配置されている。さらに、中心電極28の先端部には、Ni、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、又は、これらの金属のうちの少なくとも一種を主成分とする合金からなるチップ29が設けられており、耐久性の向上が図られている。
また、中心電極28の後端部には、ガラス成分や導電性金属を含む導電性シール材30により固定された金属製の被接続部31が設けられている。被接続部31は、軸孔27に挿通されるとともに、少なくともその後端部は筒状をなし、当該後端部の内周には、前記接続部17の外周に形成された雄ねじを螺合可能な雌ねじが形成されている。そして、接続部17は、その雄ねじが被接続部31の雌ねじに螺合されることで、被接続部31に対してねじ接続されている。そのため、被接続部31に対して接続部17は着脱可能となり、ひいては点火プラグ21に対してコイル収容体11が着脱可能となっている。
尚、本実施形態では、内燃機関ENに対して点火プラグユニット1を取付けるにあたり、点火プラグ21にコイル収容体11を装着した上で、金具12のねじ部13を内燃機関ENの取付孔に設けられた雌ねじ部(図示せず)に螺合することにより、点火プラグユニット1が内燃機関ENに対して取付けられるようになっている。
加えて、本実施形態において、点火プラグ21は、絶縁体22と、中心電極28と、被接続部31と、導電性シール材30とのみによって構成されている。すなわち、本実施形態の点火プラグ21は、火花放電により混合気へと着火するタイプの点火プラグにおいて一般的に設けられる接地電極を具備しない構成とされている。
加えて、本実施形態では、点火プラグ21にコイル収容体11を装着した状態において、絶縁体22と金具12の先端面との間に、所定の金属(例えば、鉄系金属等)からなる環状のパッキン32が配設されている。尚、前記パッキンを、絶縁体22と中間部材18の先端面との間に配設することとしてもよい。
また、本実施形態では、金具12に対する中間部材18及び絶縁体22の挿通容易性を高めるという観点から、中間部材18の外周面及び絶縁体22(中胴部24)の外周面と金具12の内周面との間には、若干の隙間(空気層)が形成されている。そして、本実施形態では、絶縁体22及び中間部材18のうち、金具12との間で隙間を形成する部位が、所定の金属材料からなる金属層33,34(尚、図2では、金属層33,34を実際よりも厚く示している)で覆われている。より詳しくは、金属層33は、中間部材18の外周面に設けられており、金属層34は、絶縁体22の外周面に設けられている。そして、両金属層33,34は、金具12と電気的に接続されており、金具12と等電位とされている。金属層33,34を設けることにより、絶縁体22及び中間部材18と金具12との間の隙間(空気層)における誘電体バリア放電の発生を防止することができ、中心電極28を起点とするコロナ放電をより確実に発生させることができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、被接続部31に対して接続部17が着脱可能とされており、中心電極28及び絶縁体22を有する点火プラグ21に対して、共振コイル16を有するコイル収容体11が着脱可能とされている。従って、使用等に伴い点火プラグ21に破損が生じたときには、破損が生じた点火プラグ21のみを交換すればよく、コイル収容体11をそのまま利用することができる。その結果、交換に要するコストを低減することができ、優れた経済性を実現することができる。
加えて、共振コイル16とその外周に配置される金具12との間には、中間部材18が設けられている。従って、共振コイル16と金具12との間の絶縁性を高めることができる。その結果、共振コイル16を介して中心電極28に対して交流電圧をより確実に印加することができ、コロナ放電をより確実に発生させることができる。
さらに、本実施形態では、点火プラグ21にコイル収容体11を装着した状態において、金具12の先端よりも後端側(燃焼室の中心から離間する側)に中間部材18が位置するように構成されている。従って、内燃機関等の動作に伴う熱による中間部材18の破損をより確実に防止することができる。
併せて、点火プラグ21に対してコイル収容体11を装着した状態において、中間部材18の先端部が絶縁体22(中胴部24)に接触するように構成されている。従って、中間部材18を介して絶縁体22及びこれに挿通される中心電極28の熱を効率よく引くことができ、熱による絶縁体22や中心電極28の破損をより確実に防止することができる。その結果、点火システム101の長寿命化を図ることができ、経済性を一層向上させることができる。
さらに、本実施形態では、被接続部31に対して接続部17がねじ接続されている。従って、点火プラグ21に対してコイル収容体11をより安定した状態で装着することができる。また、点火プラグ21に対してコイル収容体11を容易に着脱することができ、交換時の作業性を向上させることができる。
加えて、絶縁体22の外周には、所定の工具を係合可能な突部26Aが設けられている。従って、点火プラグ21に対してコイル収容体11を装着する際に、点火プラグ21を回転させたり、点火プラグ21の回転を規制したりすることが容易に可能となる。そのため、点火プラグ21に対するコイル収容体11の装着をより確実に、かつ、より容易に行うことができる。
さらに、金具12の先端面と絶縁体22(大径部25)との間には、パッキン32が設けられている。従って、コイル収容体11及び点火プラグ21間の気密性を高めることができる。また、金具12の先端面と絶縁体22との間で前記パッキン32を挟み込むことにより、パッキン32から点火プラグ21に対して軸線CL1方向先端側に向けた押圧力が加わることとなる。そのため、接続部17に対して軸線CL1方向先端側に向けた力が加わることとなり、接続部17に設けられた雄ねじの山が、被接続部31に設けられた雌ねじの山に圧接し、両者の間で生じる摩擦力が増加する。従って、振動等に起因するねじの緩みを生じにくくすることができ、長期間に亘って接続部17(コイル収容体)と被接続部31(点火プラグ21)とを安定的に接続することができる。
併せて、大気中において、中心電極28に直流電圧を印加したとき、中心電極28及び金具12間で絶縁体22の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値が15kV以上となるように構成されている。従って、中心電極28へと印加される交流電圧を増大させた場合であっても、アーク放電の発生を効果的に抑制することができ、コロナ放電をより確実に発生させることができる。
また、アーク放電を発生させることなく、コロナ放電を発生可能な電圧範囲の上限値が上がるため、中心電極28に対してより大きな交流電圧を印加することができる。その結果、着火性の向上を図ることができる。
加えて、本実施形態では、点火プラグ21にコイル収容体11を装着した状態において、前記距離Lが10mm以下とされている。従って、絶縁体22のうち金具12の先端から突出する部位の過熱をより確実に防止することができ、ひいては前記部位の内周に位置する中心電極28の過熱もより確実に防止することができる。その結果、点火プラグ21におけるインピーダンスの変化を抑制することができ、高温環境下においても良好な着火性を維持することができる。
さらに、絶縁体22のうち金具12の先端から突出する部位(脚長部26)の外周には、環状の突部26Aが設けられている。従って、前記沿面距離の増大を図ることができ、コロナ放電を一層確実に発生させることができる。
また、点火プラグ21は、絶縁体22と、中心電極28と、被接続部31と、導電性シール材30とのみから構成されており、金具12に取付用のねじ部13が設けられている。そのため、点火プラグ21は、接地電極やねじ部を有する主体金具を具備しないものとされている。従って、点火プラグ21の製造コストを削減することができ、結果として、点火プラグ21の交換コストをより低減することができる。
加えて、本実施形態では、絶縁体22のうち金具12の先端よりも先端側に位置する部位の最大外径が、金具12の先端の内径よりも大きくされている。従って、絶縁体22の表面を這った金具12及び中心電極28間の沿面経路は、絶縁体22の先端部に設けられた、外径が金具12の先端の内径よりも大きい部位(大径部25や突部26A)を回り込む経路となる。従って、沿面距離を一層増大させることができ、コロナ放電をより一層確実に発生させることができる。さらに、沿面経路の軸線CL1と直交する方向に沿った長さを増大できるため、単に沿面経路を長くする場合と比較して、アーク放電の発生をより確実に防止でき、ひいてはコロナ放電をより一層確実に発生させることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、図5に示すように、金具と電気的に接続された、脚長部の表面を覆う金属被膜MCの軸線に沿った長さKを種々変更することで、大気中において中心電極に直流電圧を印加したときにおける、中心電極及び金具(金属被膜)間で絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値(アーク放電発生電圧値)を種々異なるものとした点火プラグユニットのサンプルを作製し、各サンプルについて放電長測定試験を行った。放電長測定試験の概要は次の通りである。すなわち、サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、サンプルに対してアーク放電が発生しない電圧範囲での最大の交流電圧を印加した。そして、交流電圧の印加に伴い発生した、中心電極の先端を起点とするコロナ放電COの軸線に沿った最大長(放電長)X(mm)を測定した。尚、放電長Xが大きいほど、着火性に優れるということができる。
図6に、アーク放電発生電圧値の異なる各サンプルにおける、放電長Xを表すグラフを示す。尚、サンプルは、脚長部の外径Cを2mm又は3mmとした。また、図6においては、脚長部の外径Cを2mmとしたサンプルの試験結果を丸印で示し、脚長部の外径Cを3mmとしたサンプルの試験結果を三角印で示す。さらに、当該試験において、交流電源は、発振周波数を5MHz、出力電力(投入される電力量の1秒当たりの平均値)を500Wとし、点火プラグに対して1msの間交流電圧を印加した。
図6に示すように、アーク放電発生電圧値を15kV以上としたサンプルは、放電長Xが顕著に増大し、極めて優れた着火性を有することが分かった。これは、コロナ放電を発生可能な電圧範囲の上限がより大きなものとなったため、点火プラグユニットに対してより大きな交流電圧を印加可能となったことによると考えられる。
上記試験の結果より、アーク放電を発生させることなく、コロナ放電をより確実に発生可能とし、ひいては点火プラグユニットに対して比較的大きな交流電圧を印加可能とし、着火性の向上を図るという点から、大気中において、中心電極に直流電圧を印加したとき、中心電極及び金具間で絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値を15kV以上とすることが好ましいといえる。
次に、脚長部の外径Cを2mm又は3mmとした上で、軸線に沿った金具の先端から絶縁体の先端までの距離Lを種々変更した点火プラグユニットのサンプルを作製し、各サンプルについて、加熱時着火性試験を行った。加熱時着火性試験の概要は次の通りである。すなわち、常温、かつ、大気雰囲気下において、コロナ放電を発生可能な電圧範囲での最大電圧をサンプルに対して印加し、前記放電長(加熱前放電長X1)を測定した。次いで、サンプルを水冷チャンバーに取付けた上で、絶縁体のうち金具の先端から突出する部位を所定のバーナーにて加熱した。そして、加熱直後に、コロナ放電を発生可能な電圧範囲での最大電圧をサンプルに対して印加し、放電長(加熱時放電長X2)を測定するとともに、前記加熱前放電長X1に対する前記加熱時放電長さX2の割合(放電長維持割合)を算出した。ここで、放電長維持割合が大きいほど、高温環境下で着火性の低下が生じにくく、内燃機関の動作時等における高温環境下にて高着火性を維持できるといえる。
図7に、当該試験の結果を示す。尚、図7においては、脚長部の外径Cを2mmとしたサンプルの試験結果を丸印で示し、脚長部の外径Cを3mmとしたサンプルの試験結果を三角印で示す。また、バーナーによる加熱条件は、外径Cを3mmとし、距離Lを6mmとしたサンプルにおいて、中心電極の先端部が650℃となる条件とした。
図7に示すように、距離Lを10mm超としたサンプルは、高温環境下において着火性がやや低下しやすいことが分かった。これは、絶縁体及びこれに挿通された中心電極が過熱されたことにより、点火プラグのインピーダンスが変化し、共振周波数がずれてしまったことで、中心電極への投入電力が低下してしまったためであると考えられる。
これに対して、距離Lを10mm以下としたサンプルは、高温環境下においても優れた着火性を有することが確認された。
上記試験の結果より、高温環境下において良好な着火性を維持すべく、点火プラグに対してコイル収容体を装着した状態において、軸線方向に沿った金具の先端から絶縁体の先端までの距離Lを10mm以下とすることが好ましいといえる。
次いで、図8(a)に示すように、脚長部の外径Cを4mm、前記距離Lを8mmとした上で、脚長部の外周面を軸線CL1と平行な平坦状とした点火プラグユニットのサンプルPと、図8(b)に示すように、前記外径Cを4mm、前記距離Lを8mmとした上で、脚長部の外周に、絶縁体の周方向に沿って延びる環状の突部26Aを3つ設けた点火プラグユニットのサンプルQとを作製した。そして、各サンプルについて、大気中において中心電極に直流電圧を印加し、絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧値(アーク放電発生電圧値)を測定した。尚、サンプルQにおいては、突部の外径E(mm)を5.5mmとした。
上記サンプルP,Qについてアーク放電発生電圧値を測定したところ、サンプルQは、そのアーク放電発生電圧値がサンプルPのアーク放電発生電圧値よりも3kV増大し、アーク放電の抑制効果により優れることが分かった。これは、金具及び中心電極間の沿面距離がより増大したことによると考えられる。尚、絶縁体の周方向に沿って延びる環状の溝部を設けた場合においても、突部を設ける場合と同様の作用効果が奏されると考えられる。
上記試験の結果より、アーク放電の発生を抑制し、コロナ放電をより一層確実に発生させるためには、絶縁体のうち金具の先端よりも軸線方向先端側に位置する部位の外周に、絶縁体の周方向に沿って延びる環状の突部、及び、絶縁体の周方向に沿って延びる環状の溝部のうちの少なくとも一方を設けることが好ましいといえる。
尚、突部や溝部を設けることは、高温環境下において良好な着火性を維持すべく、距離Lが10mm以下とされ、軸線に沿った金具の先端から絶縁体の先端までの距離を大きくすることによる沿面距離の増大が難しい点火プラグユニットに対して、特に好適である。
次に、図9(a)に示すように、絶縁体の表面を這った金具及び中心電極間の沿面経路のうち、軸線と直交する方向に延びる経路の長さAを2mmとし、前記沿面経路のうち軸線方向に延びる経路の長さBを10mmとした点火プラグユニットのサンプルRと、図9(b)に示すように、絶縁体のうち金具の先端よりも先端側に位置する部位の最大外径を金具の先端の内径よりも大きくすることで、前記長さAを5mmとし、前記長さBを7mmとした(すなわち、サンプルRの沿面距離と同一の沿面距離とした)点火プラグユニットのサンプルSとを作製し、両サンプルR,Sについてアーク放電発生電圧値を測定した。
上記サンプルR,Sについてアーク放電発生電圧値を測定したところ、サンプルSは、そのアーク放電発生電圧値がサンプルRのアーク放電発生電圧値よりも大きなものとなり、沿面距離が同一の大きさであるにも関わらず、アーク放電がより発生しにくいことが分かった。これは、沿面経路のうち軸線と交差する方向に沿った経路を粒子が移動する際には、粒子が軸線に沿って移動する際と比較して、より大きな電力(エネルギー)が必要となることに起因すると考えられる。
上記結果より、アーク放電をより確実に防止し、コロナ放電をより一層確実に発生させるためには、絶縁体のうち金具の先端よりも軸線方向先端側に位置する部位の最大外径を、金具の先端の内径よりも大きくし、沿面経路の軸線と直交する方向に沿った長さAをより大きなものとすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、点火プラグ21にコイル収容体11を接続した上で、金具12のねじ部13を内燃機関ENの取付孔に設けられた雌ねじ部に螺合することにより、点火プラグユニット1が内燃機関ENに対して取付けられるようになっている。これに対して、図10に示すように、コイル収容体11のねじ部13を内燃機関ENの取付孔HOに設けられた雌ねじ部FSに対して螺合した上で、燃焼室側から点火プラグ41をコイル収容体11に対して装着することとしてもよい。この場合には、絶縁体42のうち金具12の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置する部位の外径を取付孔HOの内径よりも大きくすることができる。そのため、絶縁体22の表面を這った中心電極28及び金具12間におけるアーク放電の発生をより確実に防止することができる。
(b)上記実施形態では、被接続部31に対して接続部17がねじ接合されるように構成されているが、被接続部31に対する接続部17の接続態様はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図11に示すように、被接続部43の後端部に径方向外側に突出する鍔状の突起部44を設ける一方で、接続部45の先端部を筒状としつつ、当該先端部の外周に径方向に沿って弾性変形可能なリングバネ46を設け、接続部45の内周に対して被接続部43を嵌入することで、被接続部43に対して接続部45を接続することとしてもよい。この場合には、リングバネ46から被接続部43に対して径方向内側に向けた力が加わるとともに、突起部44がリングバネ46に係止される。そのため、被接続部43に対して接続部45を容易に接続することができるとともに、両者間において良好な接続信頼性を確保することができる。
(c)上記実施形態では、絶縁体22及び中間部材18のうち、金具12との間で隙間を形成する部位に金属層33,34が設けられている。これに対して、絶縁体22及び中間部材18のうち前記隙間を形成する部位の一部のみに金属層を設けることとしてもよい。また、金属層を省略することとしてもよい。
(d)上記実施形態における、点火プラグ21に対する共振コイル16の相対配置位置は例示であって、点火プラグ21に対する共振コイル16の相対配置位置はこれに限定されるものではない。従って、例えば、共振コイル16を、より軸線CL1方向後端側(中心電極28から離間する側)に配置してもよく、内燃機関に設けられた取付孔の開口側や取付孔の中間部などに配置してもよい。
(e)上記実施形態では、交流電源51からの電圧がディストリビュータを介して各点火プラグユニット1に印加されるようになっているが、点火プラグユニット1ごとに交流電源51を設けることとしてもよい。
(f)上記実施形態では、中心電極28の先端部にチップ29が設けられているが、チップ29を設けなくてもよい。
(g)上記実施形態において、工具係合部に相当する突部26Aは、断面六角形状とされているが、工具係合部の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、断面矩形状や断面楕円形状であってもよい。
11…コイル収容体
12…金具
13…ねじ部
16…共振コイル
17…接続部
18…中間部材
21…点火プラグ
22…絶縁体
26A…突部
26B…溝部
27…軸孔
28…中心電極
30…導電性シール材
31…被接続部
32…パッキン
51…交流電源
101…点火システム
CL1…軸線

Claims (11)

  1. 交流電圧を出力する交流電源と、
    前記交流電源と電気的に接続される共振コイルを有するコイル収容体と、
    軸線方向に延びる軸孔を有する筒状の絶縁体、及び、前記軸孔に挿設され前記共振コイルに対し電気的に接続される中心電極を具備し、自身の少なくとも一部が前記コイル収容体よりも前記軸線方向先端側に配置される点火プラグとを備え、
    前記中心電極に交流電圧を印加することで、前記中心電極を起点とするコロナ放電を発生させる点火システムであって、
    前記コイル収容体には、前記中心電極の後端部に設けられた被接続部に対して前記共振コイルを電気的に接続可能な接続部が設けられるとともに、前記被接続部に対して前記接続部が着脱可能であり、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体が着脱可能であり、
    前記中心電極と前記被接続部とは、導電性シール材によって固定されており、
    前記点火プラグは、前記絶縁体と、前記中心電極と、前記被接続部と、前記導電性シール材とのみからなることを特徴とする点火システム。
  2. 前記コイル収容体は、
    前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
    前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された絶縁性の材料からなる中間部材とを具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記金具の先端よりも前記軸線方向後端側に前記中間部材が位置することを特徴とする請求項1に記載の点火システム。
  3. 前記コイル収容体は、
    前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
    前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された中間部材とを具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記中間部材の先端部が前記絶縁体に接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の点火システム。
  4. 前記被接続部に対して前記接続部がねじ接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火システム。
  5. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の外周には、前記点火プラグへと前記コイル収容体を装着する際に所定の工具を係合可能な工具係合部が設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火システム。
  6. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体と前記金具の先端面との間に環状のパッキンが設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火システム。
  7. 前記コイル収容体は、
    前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具と、
    前記共振コイルの外周及び前記金具の内周の間に配置された中間部材とを具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体と前記中間部材の先端面との間に環状のパッキンが設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の点火システム。
  8. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態で、大気中において、前記中心電極に直流電圧を印加したとき、前記中心電極及び前記金具間で前記絶縁体の表面を這ったアーク放電が発生するときの電圧が15kV以上とされることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の点火システム。
  9. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記絶縁体の先端は、前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置し、
    前記中心電極の少なくとも一部は、前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の内周に配置されており、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において、前記軸線方向に沿った前記金具の先端から前記絶縁体の先端までの距離が10mm以下とされることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の点火システム。
  10. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記点火プラグに対して前記コイル収容体を装着した状態において前記絶縁体のうち前記金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の外周には、前記絶縁体の周方向に沿って延びる環状の突部、及び、前記絶縁体の周方向に沿って延びる環状の溝部のうちの少なくとも一方が設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の点火システム。
  11. 前記コイル収容体は、前記共振コイルが内部に配置される筒状の金具を具備し、
    前記金具は、自身の外周に内燃機関への取付用のねじ部を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の点火システム。
JP2012050099A 2012-03-07 2012-03-07 点火システム Expired - Fee Related JP5809585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012050099A JP5809585B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 点火システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012050099A JP5809585B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 点火システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013186999A JP2013186999A (ja) 2013-09-19
JP5809585B2 true JP5809585B2 (ja) 2015-11-11

Family

ID=49388284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012050099A Expired - Fee Related JP5809585B2 (ja) 2012-03-07 2012-03-07 点火システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5809585B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6382043B2 (ja) * 2014-09-18 2018-08-29 株式会社Soken 内燃機関用の点火プラグ
JP6524136B2 (ja) * 2017-03-31 2019-06-05 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58216378A (ja) * 1982-06-11 1983-12-16 トヨタ自動車株式会社 スパ−クプラグ
JP2001035635A (ja) * 1999-07-22 2001-02-09 Yokogawa Denshikiki Co Ltd 高エネルギー放電型イグナイタプラグ
JP4818873B2 (ja) * 2006-10-25 2011-11-16 東洋電装株式会社 点火プラグ一体型多機能点火装置
JP2008121462A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の点火装置
US8151781B2 (en) * 2009-01-12 2012-04-10 Federal-Mogul Ignition Company Flexible ignitor assembly for air/fuel mixture and method of construction thereof
DE102009059649B4 (de) * 2009-12-19 2011-11-24 Borgwarner Beru Systems Gmbh HF-Zündeinrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013186999A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6238895B2 (ja) 温度制御機能を有するコロナ点火器
JP5887358B2 (ja) 改善された隙間制御を有するコロナ点火装置
US8907552B2 (en) High-frequency plasma spark plug
CN109155503A (zh) 可用于高频点火系统的火花塞
JP2009032409A (ja) 内燃機関の点火装置
JPWO2014203873A1 (ja) 点火プラグ及びプラズマ発生装置
JP5820313B2 (ja) 点火プラグ及び点火システム
JP5161995B2 (ja) プラズマジェット点火プラグの点火装置
JP5809585B2 (ja) 点火システム
EP2922158A1 (en) Spark plug and ignition system
JP5597219B2 (ja) 点火システム
JP2014041700A (ja) スパークプラグ
KR20150095852A (ko) 점화 플러그
JP5936101B2 (ja) 点火システム及びその制御方法
JP5422007B2 (ja) プラズマジェット点火プラグ及び点火システム
JP5820288B2 (ja) 点火装置
US9640952B2 (en) High power semi-surface gap plug
JP6592473B2 (ja) 点火プラグ
JP5537495B2 (ja) 点火装置及び点火システム
JP6467370B2 (ja) スパークプラグ
US10581226B2 (en) Spark plug
JP2018010756A (ja) 内燃機関用のスパークプラグ
WO2012169291A1 (ja) 接続装置及び点火装置並びに点火システム
JP2013060869A (ja) 点火システム
JP2018120682A (ja) スパークプラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150310

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150911

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5809585

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees