JP2017016834A - 点火プラグおよび点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグにおいて、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させる。
【解決手段】点火プラグは、先端側から後端側へと軸線方向に延びた中心電極と;有底筒状を成し、中心電極の先端を内包する絶縁体と;軸線方向に延びた筒状を成し、先端側に絶縁体が突出する状態で絶縁体を保持する主体金具とを備える。絶縁体は、主体金具から先端側に突出する部分の外表面より中心電極へと通じる貫通孔を有する。貫通孔の直径は、5μm以上100μm以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、点火プラグおよび点火装置に関する。
内燃機関の燃焼室における混合気に点火する点火装置として、非平衡プラズマを用いて点火する点火装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。このような点火装置は、中心電極を内包する絶縁体を有する点火プラグを備え、交流電圧または複数回のパルス電圧を中心電極に印加することによって、絶縁体の表面に非平衡プラズマを発生させる。
特開2014−123435号公報
特許文献1の点火装置は、比較的に高い圧力下(例えば、0.2MPa)では、混合気の点火に十分な生成量の非平衡プラズマを生成できるものの、比較的に低い圧力下(例えば、0.05MPa)では、絶縁体の表面における空気の密度が低いため、非平衡プラズマの生成量を十分に確保できないという課題があった。非平衡プラズマの生成量が不十分である場合、混合気の燃焼速度が低下する。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態は、先端側から後端側へと軸線方向に延びた中心電極と;有底筒状を成し、前記中心電極の先端を内包する絶縁体と;前記軸線方向に延びた筒状を成し、前記先端側に前記絶縁体が突出する状態で前記絶縁体を保持する主体金具とを備える点火プラグを提供する。この点火プラグにおいて、前記絶縁体は、前記主体金具から前記先端側に突出する部分の外表面より前記中心電極へと通じる貫通孔を有し;前記貫通孔の直径は、5μm以上100μm以下である。この形態によれば、貫通孔に入り込んだ空気が十分な電気絶縁性を有する密度となる比較的に高い圧力下では、中心電極が絶縁体の外側から絶縁されるため、混合気の点火に十分な生成量の非平衡プラズマを生成できる。一方、貫通孔に入り込んだ空気の電気絶縁性が不十分となる比較的に低い圧力下では、絶縁体の貫通孔を通じてアーク放電を発生させることができる。そのため、非平衡プラズマの生成量が不十分となる状況において、アーク放電を用いた点火を行うことができる。したがって、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
(2)上記形態の点火プラグにおいて、前記貫通孔は、前記絶縁体の底部に位置してもよい。この形態によれば、絶縁体の側部に貫通孔が位置する場合と比較して、火炎が絶縁体に接触することによる消炎作用を抑制できるため、アーク放電による着火性を向上させることができる。
(3)上記形態の点火プラグは、更に、前記主体金具の先端から前記先端側へ延びた接地電極を備えてもよい。この形態によれば、非平衡プラズマによる着火性を向上させることができる。
(4)上記形態の点火プラグにおいて、前記接地電極は1本であってもよい。この形態によれば、接地電極が2本以上である場合と比較して、火炎が接地電極に接触することによる消炎作用を抑制できるため、非平衡プラズマによる着火性をいっそう向上させることができる。
(5)上記形態の点火プラグにおいて、前記貫通孔は、前記接地電極より前記先端側の外表面に位置してもよい。この形態によれば、絶縁体および接地電極に火炎が接触することによる消炎作用を抑制できるため、アーク放電による着火性を向上させることができる。
(6)本発明の一形態は、点火装置を提供する。この点火装置は、上記形態の点火プラグと;交流電圧または複数回のパルス電圧を前記中心電極に印加することによって、前記絶縁体の表面に非平衡プラズマを発生させる電圧印加部とを備える。この形態によれば、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
(7)上記形態の点火装置において、前記電圧印加部は、複数回のパルス電圧を前記中心電極に印加し;前記電圧印加部が1回のパルス電圧を印加する時間は、1ns以上250ns以下であってもよい。この形態によれば、非平衡プラズマを効果的に発生させることができる。
本発明は、点火プラグおよび点火装置とは異なる種々の形態で実現可能であり、例えば、点火プラグの部品、ならびに点火方法などの形態で実現可能である。
点火装置の構成を示す説明図である。 点火プラグの構成を示す説明図である。 点火プラグの詳細構成を示す説明図である。 点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。 第2実施形態における点火プラグを示す説明図である。 第3実施形態における点火プラグを示す説明図である。 第4実施形態における点火プラグを示す説明図である。 第5実施形態における点火プラグを示す説明図である。 点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。 点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。 試料として用意された点火プラグを示す説明図である。
A.第1実施形態
A1.点火装置の構成
図1は、点火装置20の構成を示す説明図である。点火装置20は、内燃機関90の燃焼室92における混合気に点火する装置である。点火装置20は、点火プラグ10と、電圧印加部22とを備える。
点火装置20の点火プラグ10は、内燃機関90に取り付けられている。点火プラグ10の先端は、燃焼室92の内側に露出している。点火プラグ10の後端は、電圧印加部22と電気的に接続されている。点火プラグ10の詳細についは後述する。
点火装置20の電圧印加部22は、交流電圧または複数回のパルス電圧を点火プラグ10に印加する。これによって、点火プラグ10の先端において、燃焼室92内の圧力に応じて非平衡プラズマおよびアーク放電の少なくとも一方が発生する。この非平衡プラズマおよびアーク放電によって、燃焼室92における混合気が着火する。本実施形態では、電圧印加部22は、鉛蓄電池から供給される電力を用いて、点火プラグ10に電圧を印加する。
本実施形態では、電圧印加部22が複数回のパルス電圧を点火プラグ10に印加する場合、電圧印加部22が1回のパルス電圧を印加する時間は、1ns以上250ns以下である。これによって、点火プラグ10の先端において非平衡プラズマを効果的に発生させることができる。
A2.点火プラグの構成
図2は、点火プラグ10の構成を示す説明図である。図2には、点火プラグ10の軸線ALを境界として、紙面右側に点火プラグ10の外観形状が図示され、紙面左側に点火プラグ10の断面形状が図示されている。本実施形態の説明では、点火プラグ10における図2の紙面下側を「先端側」といい、図2の紙面上側を「後端側」という。
図2には、XYZ軸が図示されている。図2のXYZ軸は、互いに直交する3つの空間軸として、X軸、Y軸およびZ軸を有する。本実施形態では、Z軸は、点火プラグ10の軸線ALに沿った軸である。X軸に沿ったX軸方向のうち、+X軸方向は、紙面手前から紙面奥に向かう方向であり、−X軸方向は、+X軸方向に対する逆方向である。Y軸に沿ったY軸方向のうち、+Y軸方向は、紙面右側から紙面左側に向かう方向であり、−Y軸方向は、+Y軸方向に対する逆方向である。Z軸に沿ったZ軸方向(軸線方向)のうち、+Z軸方向は、先端側から後端側に向かう方向であり、−Z軸方向は、+Z軸方向に対する逆方向である。図2のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
点火プラグ10は、中心電極100と、絶縁体200と、主体金具300とを備える。本実施形態では、点火プラグ10の軸線ALは、中心電極100と、絶縁体200と、主体金具300などの各部材の軸線でもある。
点火プラグ10の中心電極100は、導電性を有する部材である。本実施形態では、中心電極100は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル600(「INCONEL」は登録商標))から主に成る。中心電極100は、先端側から後端側へと軸線方向に延びた形状を成す。本実施形態では、中心電極100は、軸線ALを中心に延びた棒状を成す。
中心電極100は、絶縁体200の内側に設けられている。本実施形態では、中心電極100は、シール体160および端子180を介して絶縁体200の後端側へと電気的に接続されている。シール体160は、絶縁体200の内側に設けられ、中心電極100と端子180との間を接続する導体である。端子180は、絶縁体200から後端側へ突出し、電圧印加部22へと接続される導体である。中心電極100は、シール体160および端子180を介して電圧印加部22から電圧の印加を受ける。
点火プラグ10の絶縁体200は、電気絶縁性を有する部材である。本実施形態では、絶縁体200は、絶縁性材料(例えば、アルミナ)を焼成したセラミックスである。絶縁体200は、先端側に底を有する有底筒状を成す。絶縁体200は、中心電極100の先端を内包する。本実施形態では、絶縁体200は、軸線ALを中心に延びた軸孔290を有する。本実施形態では、軸孔290には、先端側から順に、中心電極100、シール体160および端子180が設けられている。
点火プラグ10の主体金具300は、導電性を有する部材である。本実施形態では、主体金具300は、低炭素鋼から主に成る。主体金具300は、軸線方向に延びた筒状を成す。主体金具300は、先端側に絶縁体200が突出する状態で絶縁体200を保持する。本実施形態では、主体金具300は、パッキン410を介して絶縁体200の先端側を保持する。本実施形態では、主体金具300は、リング420とリング440との間に充填された滑石粉末430を介して、絶縁体200の後端側を保持する。本実施形態では、主体金具300は、先端部310と、雄ねじ部320と、胴部330と、工具係合部340とを有する。
主体金具300の先端部310は、主体金具300の先端を構成する。本実施形態では、先端部310は、X軸およびY軸に沿った+Z軸方向を向いた平面である。本実施形態では、先端部310は、中空円状の平面である。先端部310の中央からは、絶縁体200が先端側に突出する。
主体金具300の雄ねじ部320は、先端部310より後端側に形成され、雄ねじが外周に形成された円筒状の部位である。雄ねじ部320が内燃機関90に形成された雌ねじ(図示しない)に嵌まり合うことによって、点火プラグ10は、内燃機関90に固定される。本実施形態では、雄ねじ部320の呼び径は、M14である。他の実施形態では、雄ねじ部320の呼び径は、M14より小さくてもよいし(例えば、M10,M12)、M14より大きくてもよい。
主体金具300の胴部330は、雄ねじ部320より後端側に形成され、雄ねじ部320より外周方向に張り出した部位である。点火プラグ10を内燃機関90に取り付けた状態で、胴部330は、内燃機関90に対してガスケット500を押し当てる。
主体金具300の工具係合部340は、胴部330より後端側に形成され、外周方向に多角形状に張り出した部位である。工具係合部340は、点火プラグ10を内燃機関90に取り付けるための工具(図示しない)に係合する形状を成す。本実施形態では、工具係合部340の外周形状は、六角形を成す。
図3は、点火プラグ10の詳細構成を示す説明図である。図3には、点火プラグ10の先端側における詳細構成が図示されている。図3(A)には、−X軸方向から見た点火プラグ10の先端側が図示されている。図3(B)には、−Z軸方向から見た点火プラグ10の先端側が図示されている。
絶縁体200は、主体金具300から先端側に突出する突出部210を有する。突出部210は、先端側を向いた底部210bと、軸線ALに直交する方向を向いた側部210sとを備える。
突出部210には、突出部210の外表面より中心電極100へと通じる貫通孔230が形成されている。貫通孔230の直径は、5μm以上100μm以下であることが好ましい。本実施形態では、貫通孔230は、突出部210の底部210bに位置する。本実施形態では、貫通孔230の個数は、1つである。本実施形態では、貫通孔230は、突出部210の外表面より中心電極100へと直線状に通じている。
本実施形態では、貫通孔230は、切削加工によって形成された孔である。他の実施形態では、貫通孔230は、絶縁体200の元となる未焼結のセラミックス成形体に埋め込んだ部材(例えば、合成樹脂製部材、炭素繊維など)を、そのセラミックス成形体を焼成する際に焼失させることによって形成された孔であってもよい。
貫通孔230に入り込んだ空気が十分な電気絶縁性を有する密度となる比較的に高い圧力下(例えば、0.2MPa)では、中心電極100が絶縁体200の外側から絶縁される。この場合、点火装置20が中心電極100に電圧を印加することによって、突出部210の外表面に非平衡プラズマが発生する。一方、貫通孔230に入り込んだ空気の電気絶縁性が不十分となる比較的に低い圧力下(例えば、0.05MPa)では、点火装置20が中心電極100に電圧を印加することによって、絶縁体200の貫通孔230を通じてアーク放電が発生する。
A3.評価試験
図4は、点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。試験者は、絶縁体の仕様が異なる複数の点火プラグである試料S1〜S8を用意した。試験者は、試料の仕様ごとに5個の試料を用意し、これらの平均値から各試料の着火性を評価した。
試料S1は、貫通孔230が形成されていない点を除き、点火プラグ10と同様である。試料S2〜S8は、貫通孔230の直径が異なる点を除き、点火プラグ10と同様である。
試験者は、シュリーレン撮影法によって燃焼圧力波を可視化する定容燃焼可視化装置に各試料を取り付けた後、各試料による燃焼圧力波を観察した。各試料による試験条件は、次の通りである。
・燃料:プロパン
・空燃比(A/F):15.8(λ=1)
・混合気の圧力(低圧時):0.05MPa(メガパスカル)
・混合気の圧力(高圧時):0.2MPa
試験者は、着火開始から5ms(ミリ秒)後における燃焼圧力波の面積から、各試料による低圧時および高圧時の燃焼速度をそれぞれ算出した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の着火性を評価した。
<着火性の評価基準>
優(◎):燃焼速度が6m/s(メートル毎秒)以上。
良(○):燃焼速度が4m/s以上6m/s未満。
可(△):燃焼速度が4m/s未満。
低圧時(0.05MPa)において、絶縁体200に貫通孔230を有する試料S2〜S8は、4m/s以上6m/s未満の燃焼速度となる良好な着火性を確保できた。この結果は、絶縁体200の貫通孔230からアーク放電が発生し、このアーク放電によって混合気が着火したことに起因する。これに対して、低圧時(0.05MPa)において、絶縁体200に貫通孔230を有しない試料S1は、燃焼速度が4m/s未満となる着火性に留まった。この結果は、絶縁体200の表面における空気の密度が低いため、バリア放電による非平衡プラズマの生成量を十分に確保できなかったとともに、絶縁体200に貫通孔230がないことからアーク放電が発生しなかったことに起因する。これらのことから、アーク放電を発生可能な貫通孔230によって、低圧時に良好な着火性を確保できることがわかった。
高圧時(0.2MPa)において、絶縁体200に貫通孔230を有しない試料S1は、混合気の点火に十分な生成量の非平衡プラズマをバリア放電によって生成できたため、燃焼速度が6m/s以上となる優れた着火性を確保できた。高圧時(0.2MPa)において、貫通孔230の直径が5μm〜100μmである試料S2〜S7は、試料S1と同様に、燃焼速度が6m/s以上となる優れた着火性を確保できた。この結果は、貫通孔230に入り込んだ空気が十分な電気絶縁性を有する密度となる比較的に高い圧力下では、中心電極100が絶縁体200の外側から絶縁されるため、混合気の点火に十分な生成量の非平衡プラズマをバリア放電によって生成できることに起因する。これに対して、高圧時(0.2MPa)において、貫通孔230の直径が125μmである試料S8は、4m/s以上6m/s未満の燃焼速度となる着火性に留まった。この結果は、貫通孔230の直径が大きすぎたために、絶縁体200の貫通孔230からアーク放電が発生し、非平衡プラズマをバリア放電によって生成できなかったことに起因する。これらのことから、貫通孔230の直径が100μm以下である場合、高圧時に貫通孔230を有しない場合と同等の着火性を実現できることがわかった。
A4.効果
以上説明した第1実施形態によれば、貫通孔230に入り込んだ空気が十分な電気絶縁性を有する密度となる比較的に高い圧力下では、中心電極100が絶縁体200の外側から絶縁されるため、混合気の点火に十分な生成量の非平衡プラズマを生成できる。一方、貫通孔230に入り込んだ空気の電気絶縁性が不十分となる比較的に低い圧力下では、絶縁体200の貫通孔230を通じてアーク放電を発生させることができる。そのため、非平衡プラズマの生成量が不十分となる状況において、アーク放電を用いた点火を行うことができる。したがって、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
また、貫通孔230は、絶縁体200の底部210bに位置するため、絶縁体200の側部210sに貫通孔230が位置する場合と比較して、火炎が絶縁体200に接触することによる消炎作用を抑制できるため、アーク放電による着火性を向上させることができる。
B.第2実施形態
図5は、第2実施形態における点火プラグ10Bを示す説明図である。図5には、点火プラグ10Bの先端側における詳細構成が図示されている。第2実施形態の点火プラグ10Bは、貫通孔230に代えて貫通孔230Bを備える点を除き、第1実施形態の点火プラグ10と同様である。貫通孔230Bは、突出部210の外表面より中心電極100へと直線状ではなく、折れ曲がった経路として通じている点を除き、第1実施形態の貫通孔230と同様である。第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
C.第3実施形態
図6は、第3実施形態における点火プラグ10Cを示す説明図である。図6には、点火プラグ10Cの先端側における詳細構成が図示されている。第3実施形態の点火プラグ10Cは、貫通孔230に代えて貫通孔230Cを備える点を除き、第1実施形態の点火プラグ10と同様である。貫通孔230Cは、側部210sに位置する点を除き、第1実施形態の貫通孔230と同様である。第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
D.第4実施形態
図7は、第4実施形態における点火プラグ10Dを示す説明図である。図7には、点火プラグ10Dの先端側における詳細構成が図示されている。第4実施形態の点火プラグ10Dは、貫通孔230に代えて複数の貫通孔230Dを備える点を除き、第1実施形態の点火プラグ10と同様である。複数の貫通孔230Dは、突出部210の複数箇所に位置する点を除き、第1実施形態の貫通孔230と同様である。本実施形態では、複数の貫通孔230Dは、突出部210の底部210bから側部210sにわたる複数箇所に位置する。他の実施形態では、複数の貫通孔230Dは、底部210bにおける複数箇所に位置してもよいし、側部210sにおける複数箇所に位置してもよい。複数の貫通孔230Dは、2つ以上の貫通孔であればよく、本実施形態では、3つの貫通孔である。第4実施形態によれば、第1実施形態と同様に、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。
E.第5実施形態
図8は、第5実施形態における点火プラグ10Eを示す説明図である。図8には、点火プラグ10Eの先端側における詳細構成が図示されている。第8実施形態の点火プラグ10Eは、接地電極390を備える点を除き、第1実施形態の点火プラグ10と同様である。
点火プラグ10Eの接地電極390は、導電性を有する部材である。本実施形態では、接地電極390は、ニッケル(Ni)を主成分とするニッケル合金(例えば、インコネル600(「INCONEL」は登録商標))から主に成る。接地電極390は、主体金具300の先端部310から先端側へ延びた形状を成す。本実施形態では、接地電極390は、主体金具300の先端部310から先端側へ延びた後、絶縁体200の突出部210へ向けて湾曲した形状を成す。本実施形態では、接地電極390は1本である。他の実施形態では、接地電極390は2本以上であってもよい。本実施形態では、貫通孔230は、接地電極390より先端側の外表面に位置する。他の実施形態では、貫通孔230は、軸線方向において接地電極390と同じ位置であってもよい。
図9は、点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。試験者は、接地電極390の仕様が異なる複数の点火プラグである試料S10〜S3を用意した。試験者は、試料の仕様ごとに5個の試料を用意し、これらの平均値から各試料の着火性を評価した。
試料S10は、接地電極390が設けられていない第1実施形態の点火プラグ10と同様である。試料S11は、1本の接地電極390が設けられた点火プラグ10Eと同様である。試料S12は、絶縁体200を間に挟むように配置された2本の接地電極390を備える点を除き、点火プラグ10Eと同様である。試料S13は、先端部310に等間隔で配置された4本の接地電極390を備える点を除き、点火プラグ10Eと同様である。試料S10〜S13における貫通孔230の直径は10μmである。
試験者は、シュリーレン撮影法によって燃焼圧力波を可視化する定容燃焼可視化装置に各試料を取り付けた後、各試料による燃焼圧力波を観察した。各試料による試験条件は、次の通りである。
・燃料:プロパン
・空燃比(A/F):15.8(λ=1)
・混合気の圧力:0.2MPa
試験者は、着火開始から5ms後における燃焼圧力波の面積から、各試料による低圧時および高圧時の燃焼速度をそれぞれ算出した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の着火性を評価した。
<着火性の評価基準>
優(◎):燃焼速度が6m/s(メートル毎秒)以上。
良(○):燃焼速度が4m/s以上6m/s未満。
可(△):燃焼速度が4m/s未満。
接地電極390が設けられていない試料S10と、1本の接地電極390が設けられている試料S11との対比から、接地電極390によって非平衡プラズマによる着火性が向上することが確認された。この結果は、接地電極390によってバリア放電が強化されたことに起因する。
1本の接地電極390が設けられている試料S11と、2本以上の接地電極390が設けられている試料S12,S13との対比から、2本以上の接地電極390では、非平衡プラズマによる着火性が低下することが確認された。この結果は、接地電極390の本数が増えるに従って、火炎が接地電極390に接触することによる消炎作用を受けやすくなることに起因する。したがって、接地電極390の本数は1本が好ましい。
図10は、点火プラグの着火性を評価した結果を示す表である。試験者は、接地電極390の仕様が異なる複数の点火プラグである試料S11,S14を用意した。試験者は、試料の仕様ごとに5個の試料を用意し、これらの平均値から各試料の着火性を評価した。試料S11は、1本の接地電極390が設けられた点火プラグ10Eと同様である。試料S11における貫通孔230の直径は10μmである。
図11は、試料S14として用意された点火プラグ10Fを示す説明図である。図11には、点火プラグ10Fの先端側における詳細構成が図示されている。試料S14である点火プラグ10Fは、貫通孔230に代えて、軸線方向において接地電極390と同じ位置に貫通孔230Fが設けられている点を除き、点火プラグ10Eと同様である。貫通孔230Fの直径は10μmである。
試験者は、シュリーレン撮影法によって燃焼圧力波を可視化する定容燃焼可視化装置に各試料を取り付けた後、各試料による燃焼圧力波を観察した。各試料による試験条件は、次の通りである。
・燃料:プロパン
・空燃比(A/F):15.8(λ=1)
・混合気の圧力:0.05MPa
試験者は、着火開始から5ms後における燃焼圧力波の面積から、各試料による低圧時および高圧時の燃焼速度をそれぞれ算出した。試験者は、次の評価基準に基づいて各試料の着火性を評価した。
<着火性の評価基準>
優(◎):燃焼速度が6m/s(メートル毎秒)以上。
良(○):燃焼速度が4m/s以上6m/s未満。
可(△):燃焼速度が4m/s未満。
試料S11と試料S14との対比から、接地電極390より先端側に貫通孔230が位置する試料S11の方が、アーク放電による着火性が向上することが確認された。この結果は、試料S14では、アーク放電の放電経路PDが絶縁体200と接地電極390との間に挟まれるため、絶縁体および接地電極に火炎が接触することによる消炎作用を受けやすくなることに起因する。したがって、貫通孔230は、接地電極390より先端側の外表面に位置することが好ましい。
以上説明した第5実施形態によれば、第1実施形態と同様に、非平衡プラズマの生成量が低下する比較的に低い圧力下における着火性を向上させることができる。また、接地電極390を備えるため、非平衡プラズマによる着火性を向上させることができる。また、接地電極390は1本であることから、接地電極390が2本以上である場合と比較して、火炎が接地電極390に接触することによる消炎作用を抑制できるため、非平衡プラズマによる着火性をいっそう向上させることができる。また、貫通孔230が接地電極390より先端側の外表面に位置することから、絶縁体200および接地電極390に火炎が接触することによる消炎作用を抑制できるため、アーク放電による着火性を向上させることができる。
F.他の実施形態
本発明は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせを行うことが可能である。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除することが可能である。
10,10B〜10F…点火プラグ
20…点火装置
22…電圧印加部
90…内燃機関
92…燃焼室
100…中心電極
160…シール体
180…端子
200…絶縁体
210…絶縁体
210b…底部
210s…側部
230,230B,230C,230D,230F…貫通孔
290…軸孔
300…主体金具
310…先端部
320…雄ねじ部
330…胴部
340…工具係合部
390…接地電極
410…パッキン
420…リング
430…滑石粉末
440…リング
500…ガスケット

Claims (7)

  1. 先端側から後端側へと軸線方向に延びた中心電極と、
    有底筒状を成し、前記中心電極の先端を内包する絶縁体と、
    前記軸線方向に延びた筒状を成し、前記先端側に前記絶縁体が突出する状態で前記絶縁体を保持する主体金具と
    を備える点火プラグであって、
    前記絶縁体は、前記主体金具から前記先端側に突出する部分の外表面より前記中心電極へと通じる貫通孔を有し、
    前記貫通孔の直径は、5μm以上100μm以下であることを特徴とする点火プラグ。
  2. 前記貫通孔は、前記絶縁体の底部に位置する、請求項1に記載の点火プラグ。
  3. 更に、前記主体金具の先端から前記先端側へ延びた接地電極を備える請求項1または請求項2に記載の点火プラグ。
  4. 前記接地電極は1本である、請求項3に記載の点火プラグ。
  5. 前記貫通孔は、前記接地電極より前記先端側の外表面に位置する、請求項3または請求項4に記載の点火プラグ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の点火プラグと、
    交流電圧または複数回のパルス電圧を前記中心電極に印加することによって、前記絶縁体の表面に非平衡プラズマを発生させる電圧印加部と
    を備える点火装置。
  7. 請求項6に記載の点火装置であって、
    前記電圧印加部は、複数回のパルス電圧を前記中心電極に印加し、
    前記電圧印加部が1回のパルス電圧を印加する時間は、1ns以上250ns以下である、点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020080280A (ja) * 2018-11-14 2020-05-28 日本特殊陶業株式会社 点火プラグ及び点火プラグの製造方法

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