JP6381231B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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該着色粒子の重量平均粒径が3μm以上11μm以下であり、
該無機微粒子の比表面積の値が、10m 2 /g以上50m 2 /g以下であり、
該混合工程が、混合槽と回転可能な撹拌羽根を含む混合装置を用いて該混合槽内で該撹拌羽根を回転することによって該材料を混合して、該無機微粒子が該着色粒子へ固着された混合物を得る工程であり、
該撹拌羽根は、その回転軸に直交する方向に伸び、かつ、両端部の形状が反り上がっているS0羽根を有し、
該撹拌羽根は、その表面が炭化クロムを含有するクロム合金層で被覆されたものであって、該表面の動摩擦係数が0.07以下であり、
該混合工程を経た混合物の最大圧密応力10.0kPa時における単軸崩壊応力が、2.5kPa以上3.5kPa以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明に用いる混合装置は、少なくとも混合槽とこの混合槽内に設置された回転可能な撹拌羽根を有し、該撹拌羽根の表面の動摩擦係数が0.07以下であることを特徴とする。動摩擦係数が0.07以下であることにより、撹拌羽根が着色粒子と衝突した際に擦れる力や着色粒子の変形圧縮が小さく、着色粒子は撹拌羽根の表面を滑って瞬時に攪拌羽根の表面から離れるため、これらの衝突エネルギーを小さくすることができ、さらに衝突により発生する熱を少量に抑えることができる。動摩擦係数が0.05以下であるとさらに衝突エネルギーが小さくなり好ましい。
本発明の製造方法によるトナーの着色粒子に使用される結着樹脂としては、特に限定されず、例えば、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂など。
本発明の製造方法によるトナーは、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を着色粒子中に含有することが好ましい。このような重合体としては、ビニル系樹脂成分にポリオレフィンがグラフトした構造を有する「グラフト重合体1」、又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したビニル系樹脂成分を有する「グラフト重合体2」が特に好ましい。これらの重合体は、着色粒子製造時の表面処理工程や、トナー製造時の混練工程において溶融した結着樹脂とワックスに対し界面活性剤的な働きをする。従って、該重合体は、着色粒子中へのワックスの一次平均分散粒径のコントロールや、必要に応じ熱風により着色粒子の表面処理を行う際のワックスの着色粒子の表面への移行速度のコントロールができるため好ましい。上記の2種類のグラフト重合体において、ポリオレフィンは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素系モノマーの重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができ、特にポリエチレン系、ポリプロピレン系の(共)重合体が好ましく用いられる。
本発明の製造方法によるトナーに用いられるワックスとしては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明の製造方法によるトナーの着色粒子に含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
本発明の製造方法によるトナーには、必要に応じて内添剤及び/または外添剤として荷電制御剤を含有させることができる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
本発明の製造方法によるトナーの内添剤及び/または外添剤として用いることのできるシリカ粒子としては、例えば、湿式法、火炎溶融法及び気相法など任意の方法で製造されたシリカ微粒子を挙げることができる。
本発明では、トナーの流動性向上や摩擦帯電量の調整のための外添剤として、少なくとも添加粒子剤が用いられる。該添加剤粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウムの如き無機微粒子が好ましい。該無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。シリカ粒子としては、先に[シリカ微粒子]の項に挙げたものの中から外添剤として利用可能なものを選択して用いることができる。
本発明のトナーの製造方法は、本発明の範囲であれば特に限定されることなく、公知の製造方法を用いることができる。ここでは、粉砕法を用いたトナーの製造方法を例に挙げて説明する。この製造方法は、〔1.着色粒子の製造〕、〔2.着色粒子の表面処理〕及び〔3.着色粒子と添加剤粒子との混合〕を順次行う方法である。
着色粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及び着色剤、並びに必要に応じてワックス、荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
特に、本発明では、上記製法により得られた着色粒子の表面にシリカ微粒子等の内添剤粒子を分散させ、その分散させた状態で熱風による表面処理により内添剤粒子を着色粒子の表面に固着させることが好ましい。例えば、図2で表される表面処理装置を用いて熱風により表面処理を行い、必要に応じて分級をすることにより着色粒子を得ることができる。該熱風による表面処理は、着色粒子を高圧エア供給ノズルからの噴射により噴出させ、該噴出させた着色粒子を、熱風中にさらすことにより行うことができる。該熱風の温度が、100℃以上450℃以下の範囲であることが特に好ましい。
その後、外添剤として、少なくとも添加剤粒子を加えて混合し、例えばトナーの流動性、帯電安定性を向上させる。本発明の製造方法は、回転可能な撹拌羽根を混合槽内に有する混合装置を用い該混合槽内で該撹拌羽根を回転することによって、着色粒子と添加剤粒子との混合を行うものである。このような混合装置の一例としては、スーパーミキサー(株式会社カワタ製)、ヘンシェルミキサー、COMPOSIおよびメカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ハイスピードミキサー(深江パウテック社製)などが挙げられる。
撹拌羽根の母材と同じ材質の金属板(φ65mm丸棒から加工した二面幅50mm、厚み5mm)に対して母材と同様にバフ研磨仕上げを施した後、攪拌羽根と同様の表面コートを施して、テストピースを作成する。ピンオンディスク型摩擦試験機にこのテストピースをセットし、ピン材質をWC(炭化タングステン)、ピン先端曲率半径5mm、ピン数3、摺動半径16mm、摺動速度30.9mm/s、垂直加重500N、無潤滑にて、摺動時間30分間の条件で、摩擦試験を行う。このテストピースの動摩擦係数を算出し、これを撹拌羽根の動摩擦係数とする。
動摩擦係数の測定の場合と同様にしてテストピースを作成する。小坂研究所製サーフコーダーSE−3500にこのテストピースをセットし、測定条件をカットオフ0.8mm、評価長さ8mm、送り速度0.5mm/sとして、表面粗さを測定する。JIS B0601(2001)の表面粗さに基づき、このテストピースの算術平均粗さを算出し、これを撹拌羽根の算術平均粗さ(Ra)とする。
添加剤粒子の固着率(%)は、下記数式(1)により算出される値である。
固着率=Wa2/Wa1×100 ・・・(1)
Wa1(g):混合工程を経た着色粒子と添加剤粒子の混合物中の添加剤粒子の質量。
Wa2(g):着色粒子の表面に固着されている添加剤粒子の質量。
Wa0(g):着色粒子の表面に固着されていない添加剤粒子の質量。
イオン交換水100ml中にスクロース160gを加え、湯せんしながら溶解させ、ショ糖溶液を調製する。上記ショ糖溶液23mlとノニオン系界面活性剤(好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業社製:商品名))を6.0ml加えて調製した溶液を、密閉できる50mlのポリエチレン製サンプルビンに入れ、測定試料(「混合物」)1.0gを加えて、密閉した容器を軽く振って撹拌したのち1時間静置する。1時間静置したサンプルを、KM shaker振とう機(イワキ産業:商品名)により350spmで20分間振とうする。この時、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダー(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。振とうしたサンプルを、速やかに遠心分離用の容器に移す。遠心分離用の容器に移し替えたサンプルを、高速冷却遠心機H−9R(コクサン製:商品名)にて、設定温度:20℃、加速減速:最短時間、回転数:3500rpm、回転時間:30分間、の条件で遠心分離する。最上部に分離した「着色粒子」を回収し、減圧濾過器で洗浄ろ過した後、真空乾燥器内で温度40℃で1時間以上乾燥した後、その質量Wc(g)を測定する。
前記測定試料である「混合物」1.0(g)中の添加剤粒子の質量Wa1、及び、前記「着色粒子」Wc(g)に固着している添加剤粒子の質量Wa2は、蛍光X線分析(XRF)で求められる添加剤粒子の元素強度から検量線を引き、算出する。
着色粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
(1)Multisizer 3専用のガラス製の250mlの丸底ビーカー内に前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mlの平底ビーカー内に前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、着色粒子と添加剤の混合物約10mgを少量ずつ前記電解水溶液中に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いて前記着色粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
着色粒子と、少なくとも添加剤粒子からなる外添剤との混合物中の体積基準の粗粉量(体積%)の増加率は、以下のようにして算出する。例えば、着色粒子の重量平均粒径の1.5倍以上の粒子を粗粉とする場合、前記測定装置のMultisizer 3による測定を行った後、以下の操作(1)〜(3)を行う。
(1)専用ソフトでグラフ/体積%に設定して測定結果のチャートを体積%表示とする。(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「>」にチェックを入れ、その下の粒径入力部に重量平均粒径を1.5倍した数字(a)を入力する。
(3)分析/体積統計値(算術平均)画面を表示したときの「>(a)μm」表示部の数値が、着色粒子の重量平均粒径の1.5倍以上の粒子の体積%である。
粗粉の増加率=(Wm―Wc)/Wc×100
[6.単軸崩壊応力の算出]
最大圧密応力と単軸崩壊応力とはシェアスキャン TS−12(Sci−Tec社製)により測定したものであり、シェアスキャンでは、Prof.Virendra M.Puriによって書かれた『CHARACTERIZING POWDER FLOWABILITY(2002.01.24発表)』に記載のモールクーロンモデルによる原理で測定を行う。尚、以下の説明において「断面方向」及び「垂直方向」とは、それぞれ、円柱状セルの中心軸に直交する断面の周方向及び中心軸に添った方向を意味する。
着色粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
ヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業株式会社製)の撹拌羽根であるS0羽根およびY1羽根(材質:SUS304、バフ研磨仕上げ)を母材とし、表面に炭化クロム合金(Cr23C6)を含むクロム(Cr)化合物を電気めっきで被覆形成した。この炭化クロムを含有するクロム合金めっきで表面被覆されたS0羽根およびY1羽根のセットを攪拌羽根Aとした。
製造例1と同様にしてクロム合金めっきで表面被覆した攪拌羽根に、ショット材料としてセラミックスを用い、ショット圧力0.5MPa、噴射時間30秒間で、ショットピーニング加工をおこない攪拌羽根Bを作成した。算術平均粗さ(Ra)は4.85μmであった。
ショットピーニング加工の条件を、噴射時間5秒間に変更したほかは、製造例2と同様にしてクロム合金めっきで表面被覆した攪拌羽根Cを作成した。算術平均粗さ(Ra)は0.35μmであった。
製造例1で用いた羽根母材と同様の母材に、炭化クロムの含有量が1%未満である硬質クロムめっき(工業用クロムめっき)で表面被覆した攪拌羽根Dを作成した。
製造例1で母材に用いたSUS材バフ仕上げの羽根母材をそのまま攪拌羽根Eとした。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン76.9質量部(0.167モル)、テレフタル酸24.1質量部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコ内に入れた。このフラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、このフラスコをマントルヒーター内においた。次にフラスコ内の雰囲気を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、3.5時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸2.0質量部(0.010モル)を添加し、180℃で1時間反応させた(第2反応工程)。このようにして結着樹脂b11を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン71.3質量部(0.155モル)、テレフタル酸24.1質量部(0.145モル)、及びチタンテトラブトキシド0.6質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れた。このフラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、このフラスコをマントルヒーター内においた。次にフラスコ内の雰囲気を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸5.8質量部(0.030モル)を添加し、180℃で9時間反応させた(第2反応工程)。このようにして結着樹脂b12を得た。
下記表1に示す種類及び量の材料をオートクレーブ内に仕込み、系内の雰囲気を窒素ガスで置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を4.5時間かけて連続的に滴下し、常温に冷却後、溶媒を分離除去し、低密度ポリエチレンにビニル系モノマーがグラフト重合した重合体p21を得た。この重合体の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)7000、数平均分子量(Mn)3000であった。さらに、45体積%メタノール水溶液に分散した分散液について、温度25℃で測定した600nmの波長における光透過率は68%であった。
下記表2に示す種類及び量の材料をオートクレーブ内に仕込み、系内の雰囲気を窒素ガスで置換後、昇温撹拌しながら170℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を4.5時間連続的に滴下し、常温に冷却後、溶媒を分離除去し、低密度ポリエチレンにビニル系モノマーがグラフト重合した重合体p22を得た。この重合体の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)6800、数平均分子量(Mn)2800であった。さらに、45体積%メタノール水溶液に分散した分散液について、温度25℃で測定した600nmの波長における光透過率は63%であった。
燃焼炉として、内炎と外炎が形成できる二重管構造の炭化水素−酸素混合型バーナーを備えた燃焼炉を用いた。この燃焼炉の操作方法は以下の通りである。バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが接地され、原料の珪素化合物が導入される。二流体ノズルの周囲から炭化水素−酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎及び外炎を形成する。可燃性ガスと酸素の量及び流量の制御により、雰囲気と温度、火炎の長さ等が調整される。火炎中において珪素化合物からシリカ微粒子が形成され、さらに所望の粒径になるまで融着させる。その後、冷却後、バグフィルター等により捕集することによってシリカ微粒子が得られる。原料の珪素化合物として、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを用いて、上記操作に従って一次平均粒子径110nmのシリカ微粒子を製造した。
製造例31において融着させる時間を変更した以外は製造例31と同様の手法で「シリカ微粒子s32」を得た。このシリカ微粒子の一次平均粒子径は280nmであった。
下記表3に示す量の6種類の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業株式会社製)を用いて、回転数20/秒、混合時間5分間で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。この粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級ローター回転数を50.0/秒として分級を行い、分級粒子を得た。得られた「分級粒子」は、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
下記表3に示す通りに、ワックス及び重合体p21の添加量を変更した以外は、製造例41と同様にして分級粒子を得た。次いで、この「分級粒子」100質量部に対する、シリカ微粒子s32の添加量を3.5質量部とし、熱風温度を240℃とした以外は、製造例41と同様にして、「着色粒子c42」を得た。
下記表4に示す種類及び量の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20/秒、混合時間5分間で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。この粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級ローター回転数を50.0/秒として分級を行い、「着色粒子c43」を得た。この着色粒子は、重量平均粒径(D4)が6.4μmであった。
重合体p22及びまたはワックスの添加部数を表4に示す量に変更した以外は、製造例43と同様にして、着色粒子c44〜c48を得た。
混合装置としてヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス工業株式会社製、混合槽の容量75リットル)を用意し、その攪拌羽根を攪拌羽根Aに換えた。「着色粒子c41」100質量部に対して、添加剤粒子として、「TiO2微粒子61」0.2質量部と、「SrTiO3微粒子62」0.5部を添加した組成物7kgを品温20℃に調温した。ミキサージャケットに約10℃の冷却水を流した前記ヘンシェルミキサー内に、この組成物を入れ、攪拌回転数30/秒、混合時間10分間で混合した。
実施例1の攪拌羽根を表5に示す攪拌羽根に換え、混合時間を表5に示す時間としたほかは、実施例1と同様にして混合物を得た。得られた各混合物の単軸崩壊応力、粗粉増加率、固着率を表5に示す。
実施例1の着色粒子を着色粒子c42に換え、回転数及び混合時間を表5に示す条件に変更したほかは、実施例1と同様にして混合物を得た。得られた混合物の単軸崩壊応力、粗粉増加率、固着率を表5に示す。
実施例1の着色粒子を着色粒子c43に換え、表5に示す種類と量の添加剤粒子を添加した組成物7kgを用い、回転数、混合時間を表5に示す条件に変更したほかは実施例1と同様にして混合物を得た。得られた混合物の単軸崩壊応力、粗粉増加率、固着率を表5に示す。
着色粒子の種類、添加剤粒子の種類と使用量、及び撹拌羽根を表5に示す条件とし、また回転数、混合時間を表5に示す条件に変更したほかは、実施例5と同様にして混合物を得た。得られた各混合物の単軸崩壊応力、粗粉増加率、固着率を表5に示す。
最大圧密応力10.0kPa時における単軸崩壊応力が、0.7kPa以上3.5kPa以下である実施例1〜8においては、混合物は、粗粉増加率が20%以下であり、かつ固着率が70%以上であり、良好な結果を示した。本発明によれば、着色粒子への添加剤の固着強度が均一に高められたトナーを、混合工程での粗粉の増加を抑えたまま製造する方法を提供できる。
101:熱風供給口
102:気流噴射部材
103:冷風供給口
104:第二の冷風供給口
106:冷却ジャケット
114:トナー粒子
115:高圧エア供給ノズル
116:移送配管。
Claims (6)
- 結着樹脂及び着色剤を含有する着色粒子と無機微粒子とを含む材料を混合する混合工程を有するトナーの製造方法であって、
該着色粒子の重量平均粒径が3μm以上11μm以下であり、
該無機微粒子の比表面積の値が、10m 2 /g以上50m 2 /g以下であり、
該混合工程が、混合槽と回転可能な撹拌羽根を含む混合装置を用いて該混合槽内で該撹拌羽根を回転することによって該材料を混合して、該無機微粒子が該着色粒子へ固着された混合物を得る工程であり、
該撹拌羽根は、その回転軸に直交する方向に伸び、かつ、両端部の形状が反り上がっているS0羽根を有し、
該撹拌羽根は、その表面が炭化クロムを含有するクロム合金層で被覆されたものであって、該表面の動摩擦係数が0.07以下であり、
該混合工程を経た混合物の最大圧密応力10.0kPa時における単軸崩壊応力が、2.5kPa以上3.5kPa以下であることを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記撹拌羽根の表面の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以上5.0μm以下であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記結着樹脂がポリエステル樹脂である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記無機微粒子がシリカ微粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記トナーが更にワックスを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記ワックスの使用量が前記結着樹脂100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下である請求項5に記載のトナーの製造方法。
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