JP6727819B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、カラー複写機が急速に普及された昨今、カラー複写機の使用用途も多種多様に広がり、従来よりも画像品質への要求が高まってきている。
通常のフルカラー用トナーは、シャープメルトで低分子量のポリエステル樹脂等を結着樹脂として使用し、定着工程で各色のカラートナーが充分混色するように設計されている。しかし、このようなシャープメルト性を有する樹脂は自己凝集力が弱く、定着ローラー等に溶融したトナーが付着する高温オフセット現象が生じるという問題がある。そこで従来より、オフセット防止のために低融点のワックスがトナー中に含有されたトナーが提案されている。
しかしながら、従来より使われている炭化水素系ワックスはトナーの結着樹脂として使用されるポリエステル樹脂やスチレンアクリル樹脂との相溶性が悪いため、トナー粒子中でのワックス分散不良が生じ、トナー間の均一性が悪く均一に帯電出来ないため、長期の耐久トリボダウンやカブリなどが発生し問題となる。
これを解決する手段として、ポリエステル樹脂と相溶性が高いエステルワックスとを組み合わせて、トナー間の均一性を高めたトナーの公知例があるが、相溶しすぎることによる定着性の悪化やブリードアウトが起こるなどの課題がある(特許文献1)。
一方、ポリエステルからなる結着樹脂、芳香族系石油樹脂、及び合成炭化水素ワックスを含むトナーが公知されている(特許文献2)。
しかしながら、近年の高速高画質化の流れから、高い着色力と高い濃度安定性を有するトナーの開発が求められているが、いまだ不十分であり改良の余地がある。
特開2002−221822号公報 特開2007−264222号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、トナー中のワックスの分散状態を制御することで、高い着色力と高い濃度安定性を有するトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
(1)該結着樹脂はポリエステル樹脂を含有し、
(2)該ワックスは炭化水素系ワックスであり、
(3)該トナー粒子は下記一般式(1)で表わされる化合物を含み、
(4)該着色剤は顔料を含有し、該顔料は、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 155、カーボンブラック、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Red 122およびC.I.Pigment Red 57の群から選ばれる1種類以上の顔料である、
ことを特徴とするトナーに関する。
Figure 0006727819
(式(1)中、R1、R2およびR3は、Hまたは炭素数1以上5以下であるアルキル基を表わし、R4およびR5は水素または炭素数1以上12以下のアルキル基を表わし、少なくともR 1 〜R 5 のいずれか1つは、アルキル基である。
本発明によれば、高い着色力と高い濃度安定性を有するトナーを提供することができる。
以下に本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー粒子を有する本発明のトナーは、
(1)該結着樹脂がポリエステル樹脂を含有すること
(2)該ワックスが炭化水素系ワックスであること
(3)該トナー粒子が下記一般式(1)で表わされる化合物を含むこと
を特徴としている。
Figure 0006727819
(式(1)中、R1、R2およびR3は、Hまたは炭素数1以上5以下であるアルキル基を表わし、R4およびR5は水素または炭素数1以上12以下のアルキル基を表わす。)
本発明の上記式(1)の一般式で表される化合物は、極性部のシアノ基と非極性部のアルキル鎖を有していることが重要である。
本発明では、炭化水素ワックスと上記一般式(1)の化合物を含有するポリエステル樹脂を有するトナー粒子を有するトナーにおいて、トナー中のワックスを微分散させると同時に、トナーの濃度安定性が向上されることが可能であった。本発明者らが検討した結果、以下のようなメカニズムが推定される。
炭化水素系ワックスを含有したポリエステル系のトナーの場合には、極性が高いポリエステル樹脂と非極性の炭化水素系ワックスとの相溶性が悪いためにトナー粒子中でのワックスは微分散できず、トナー粒子中にワックスの大きなドメインが存在する。粉砕工程では、大きいドメインを持つ部分から粉砕されやすいため、トナー粒子中にワックスの大きなドメインがあると、そのワックス部分で割れ、トナー粒子表面にワックスのドメインがむき出しになる。その結果、トナー粒子表面の材料の均一性が損なわれ、トナー粒子の均一帯電が出来なくなり、トナーの濃度耐久性が低下すると推定される。
上記式(1)の化合物は、非極性のアルキル鎖を有していることで、非極性の炭化水素ワックスとの親和性が向上している。また同時に、シアノ基の極性基を有しているので、極性が高いポリエステル樹脂との親和性が高い。そのため、上記一般式(1)の化合物は、トナー粒子中のワックスが微分散できると考えている。
ポリエステル樹脂中へワックスを微分散させる観点から、ポリエステル樹脂、炭化水素ワックス及び上記一般式(1)の化合物を含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕する工程を経て製造されることで、上記効果がより発現し易くなる。
本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
本発明における下記一般式(1)で表される構造を有する化合物の詳細について説明する。
Figure 0006727819
1、R2及びR3におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルプロピル基の如き飽和の直鎖状、若しくは分岐状の炭素数1〜5個の1級〜4級のアルキル基が挙げられる。
4及びR5におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,3−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基の如き飽和の直鎖状、分岐状、若しくは、環状の炭素数1〜12個の1級〜4級のアルキル基が挙げられる。
その中でも、R1がメチル基、R2がエチル基、R4及びR5が2−エチルヘキシル基であることが、ポリエステル中にワックスを微分散させ、濃度安定性を向上させるため、特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、トナーの結着樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下用いることが、ワックスの微分散効果を得る上で好ましい。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含有することが必要であり、結着樹脂の主成分がポリエステル樹脂(結着樹脂100質量部中、ポリエステル樹脂を50質量部以上含む。)である。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。
ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下の多価アルコールモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 0006727819
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
式(B)で示されるジオール類;
Figure 0006727819
が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下の多価カルボン酸モノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
本発明では結着樹脂として、ポリエステル樹脂を主成分とするならば他の樹脂成分を含有するハイブリッド樹脂であっても良い。例えば、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂とのハイブリッド樹脂が挙げられる。ハイブリッド樹脂のような、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニットとポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行う方法が好ましい。
例えば、ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
該ポリエステル樹脂は、帯電の安定性と言う観点から、酸価は1mgKOH/g以上10mgKOH/g以下であることが好ましい。10mgKOH/g以下であることにより、磁性トナーの帯電性が安定化しやすいため、特に高温高湿度環境下での現像効率が向上しやすい。
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。炭化水素系ワックスであり、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下で使用されることが好ましい。該ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温でのトナーの耐久性を維持に効率的に発揮することが可能となり易い。また、該ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上110℃以下であることが好ましい。
また、本発明におけるトナーでは、脂肪族系炭化水素ユニットとビニル系重合ユニットとが化学的に結合した樹脂組成物を含有することが樹脂中のワックスの分散性をさらに向上させるために好ましい。中でも、該ビニル系重合ユニットに脂肪族系炭化水素ユニットであるポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体を更に含有することが好ましい。
該樹脂組成物が含有された場合、該樹脂組成物が分散されているワックスに追従し、結着樹脂中に分散することで、キャリアや部材汚染による帯電の低下を抑制できる。また該樹脂組成物の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、上記の効果が発現しやすい。
ビニル系重合ユニットにポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体に関して、ポリオレフィンは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。
ビニル系重合ユニットを構成するモノマーとしては、例えば
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体などのスチレン系単位。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系単位。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系単位。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系単位。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位
が挙げられる。
ビニル系重合ユニットの構成単位として、スチレン、さらにはアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、またはメタクリル酸シクロヘキシルを含むのが好ましい。
着色剤としては以下のものが好ましく用いられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
特に効果的には、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Yellow 155、カーボンブラック、C.I.ピグメントブルー 15:3、C.I.ピグメントレッド 122、C.I.ピグメントレッド 57等と組み合わせて用いた場合である。これらの顔料は、単独でも、2種以上混合して用いても問題ない。
上記顔料の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m2/g以上400m2/g以下の無機微粉体が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m2/g以上50m2/g以下の無機微粉体であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。また、長期にわたり安定した画像が得られるという点でも好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
本発明のトナーの製造方法は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法であれば特に限定されないが、原材料分散の観点から溶融混練法が好ましい。
<製造方法>
溶融混練法は、トナー粒子の原材料であるトナー組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕することを特徴とする。製造方法の例を挙げて説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、ワックス、着色剤、並びに必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に他原材料等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイントターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について記載する。
<樹脂の軟化点の測定方法>
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:40℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<ポリエステル樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/Lの水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/Lの塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/Lの塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断微分値:50dE/dmL
終点検出範囲の設定:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<トナーの体積平均粒径(D4)の測定>
トナーの体積平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なう。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の(1)〜(7)の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mlの丸底ビーカー内に前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mlの平底ビーカー内に前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液中に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が体積平均粒径(D4)である。
<トナーのガラス転移点(Tg)の測定>
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、樹脂約5mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<樹脂の重量平均分子量の測定>
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流量で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せ。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料50mgをTHF10ml中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。尚、THF中における放置時間の合計が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例4と実施例10は参考例である。
<化合物D1の合成>
Figure 0006727819
上記スキームに従いアミン化合物0.721gのメタノール(MeOH)20mL溶液を5℃に冷却し、濃硫酸2mL、ニトロシル硫酸(40質量%)1.4mLを滴下した(ジアゾ化A液)。また別途、ピリドン化合物(P1)0.496gのメタノール(MeOH)20mL溶液を5℃に冷却し、これにジアゾ化A液を5℃以下の温度に維持されるようにゆっくりと滴下し、氷浴中で20分撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、pHを6に中和した後、クロロホルムで中止した。その後、溶媒を留去して得られた固体をカラムクロマトグラフィーにより精製(展開溶媒:ヘプタン/酢酸エチル)し、さらにヘプタン溶液で再結晶して0.8gの上記式(S1)の構造の化合物D1を得た。
尚、得られた化合物D1の同定は、MALDI MS(autoflex装置、ブルカ―・ダルトニクス社製)を用いた分析方法によって行った。MALDI MSにおいて検出イオンはネガティブモードを採用した。
MALDI MSによる質量分析:m/z=618.612(M−H)
<化合物D2の合成>
Figure 0006727819
ピリドン化合物(P1)であったところを上記ピリドン化合物(P2)にした以外は、化合物1と同様にして上記式(S2)の構造の化合物D2を得た。
<化合物D3乃至D6>
化合物D3乃至D6は、下記一般式1のR1乃至R5が表1となるように、アミン化合物とピリドン化合物を選択し、化合物D1のように合成した。
Figure 0006727819
Figure 0006727819
<非晶性ポリエステル樹脂の製造例>
[非晶性低分子量ポリエステル樹脂L1の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 28.0質量部
17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら常圧環境下で徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1.5時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が96℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性低分子量ポリエステル樹脂L1を得た。得られた非晶性低分子量樹脂L1の酸価は4.5mgKOH/g、重量平均分子量5,000、軟化点(Tm)は96℃、ガラス転移温度(Tg)は57℃であった。
[非晶性低分子量ポリエステル樹脂L2の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 28.0質量部
(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら常圧環境下で徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1.5時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が87℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性低分子量ポリエステル樹脂L2を得た。得られた非晶性低分子量樹脂L2の酸価は4.5mgKOH/g、重量平均分子量4,000、軟化点(Tm)は87℃、ガラス転移温度(Tg)は55℃であった。
[非晶性低分子量ポリエステル樹脂L3の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 28.0質量部
(0.17モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら常圧環境下で徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、6時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:3質量部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して4.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1.5時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が103℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性低分子量ポリエステル樹脂L3を得た。得られた非晶性低分子量樹脂L3の酸価は4.5mgKOH/g、重量平均分子量6,000、軟化点(Tm)は103℃、ガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
[非晶性高分子量ポリエステル樹脂H1の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 23.0質量部
(0.14モル;多価カルボン酸総モル数に対して70.0mol%)
・アジピン酸 5.0質量部
(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら常圧環境下で徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、18時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が155℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性高分子量ポリエステル樹脂H1を得た。得られた非晶性高分子量樹脂H1の酸価は20.0mgKOH/g、重量平均分子量200,000、軟化点(Tm)は155℃、ガラス転移温度(Tg)は61℃であった。
[非晶性高分子量ポリエステル樹脂H2の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 23.0質量部
(0.14モル;多価カルボン酸総モル数に対して70.0mol%)
・アジピン酸 5.0質量部
(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、1時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、18時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が150℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性高分子量ポリエステル樹脂H2を得た。得られた非晶性高分子量樹脂H2の酸価は20.5mgKOH/g、重量平均分子量150,000、軟化点(Tm)は150℃、ガラス転移温度(Tg)は59℃であった。
[非晶性高分子量ポリエステル樹脂H3の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 23.0質量部
(0.14モル;多価カルボン酸総モル数に対して70.0mol%)
・アジピン酸 5.0質量部
(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、18時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が160℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性高分子量ポリエステル樹脂H3を得た。得られた非晶性高分子量樹脂H3の酸価は19.5mgKOH/g、重量平均分子量250,000、軟化点(Tm)は160℃、ガラス転移温度(Tg)は62℃であった。
[非晶性高分子量ポリエステル樹脂H4の製造例]
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 72.0質量部
(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸 23.0質量部
(0.14モル;多価カルボン酸総モル数に対して70.0mol%)
・アジピン酸 5.0質量部
(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒) 0.5質量部
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、0.5時間反応させた。さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:6.5質量部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して15.0mol%)
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、18時間反応させ、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が135℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、非晶性高分子量ポリエステル樹脂H4を得た。得られた非晶性高分子量樹脂H4の酸価は21.0mgKOH/g、重量平均分子量130,000、軟化点(Tm)は135℃、ガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
<ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が化学的に結合した構造を有する樹脂組成物B1>
・低密度ポリエチレン 20.0質量部
(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃)
・スチレン 50.0質量部
・n−ブチルアクリレート 10.0質量部
・アクリロニトリル 20.0質量部
をオートクレーブに仕込み、系内をN2置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した樹脂組成物B1を得た。
<ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が化学的に結合した構造を有する樹脂組成物2>
キシレン 300質量部
炭化水素ワックス(最大吸収ピーク90℃) 10質量部
を温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、入れ充分溶解し、窒素置換後、
スチレン 76.5質量部
メタクリル酸シクロヘキシル 13.5質量部
キシレン 250質量部
の混合溶液を180℃で3時間滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、樹脂組成物B2を得た。
<スチレンアクリル樹脂(樹脂A)>
温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した2リットルのガラス製の四つ口フラスコにキシレン850gを入れ、窒素置換後150℃に昇温した。
・スチレン 1700質量部
・n−ブチルアクリレート 250質量部
・ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン 50質量部
・ジクミルパーオキサイド 80質量部
その後、上記の材料の混合物を滴下ロートより、4時間かけて滴下し、150度のまま4時間熟成させた。その後、200度まで昇温し、減圧下でキシレンを留去して、スチレンアクリル樹脂(樹脂A)を得た。(スチレン:n−ブチルアクリレート=75:25(質量比)の共重合物)(Mw=30,000、Tg=55℃)
〔実施例1〕
<トナー1の製造例>
・非晶性低分子量ポリエステル樹脂L1 70.0質量部
・非晶性高分子量ポリエステル樹脂H1 30.0質量部
・炭化水素系ワックス 5.0質量部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピーク90℃)
・樹脂組成物B1 5.0質量部
・化合物D1(表1記載の化合物) 1.0質量部
・C.I.ピグメント・イエロー180 6.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス株式会社製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイントターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15.0質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子0.5質量部、及びヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次平均粒子径15nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM−75型)で混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー1を得た。
<磁性コア粒子1の製造例>
・工程1(秤量・混合工程):
Fe23 62.7質量部
MnCO3 29.5質量部
Mg(OH)2 6.8質量部
SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂1の調製>
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量部
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量部
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量部
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量部
メチルエチルケトン 31.3質量部
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量部
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1の30質量部を、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液1の調製>
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量部
トルエン 66.4質量部
カーボンブラック 0.3質量部
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散をおこなった。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過をおこない、被覆樹脂溶液1を得た。
<磁性キャリア1の製造例>
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を磁性コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
<二成分系現像剤1の製造例>
磁性キャリア1の92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(株式会社ダルトン製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
以下の方法(1)〜(3)に従って、トナーの性能評価を行った。評価結果を表3に示す。
(1)耐久後のカブリの評価方法
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255の改造機(連続複写速度:A4 65枚/分)を用い、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。評価環境は、常温常湿環境下(NN;23℃、50%RH)、高温高湿環境下(HH;30℃、80%RH)とし、評価紙は、コピー用紙GF−640(A4、坪量64.0g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
各環境における、耐久前後での白地部のカブリを測定した。
画出し前の評価紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。
画像比率40%のチャートで耐久後(5000枚目)の、00H画像部(白地部)の反射率Ds(%)を測定した。得られたDr及びDsより、下記式を用いてカブリ(%)を算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:0.35未満 (非常に優れている)
B:0.35以上0.55未満(良好である)
C:0.55以上 (従来技術レベル)
(2)トナーの着色力の評価方法
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255の改造機を用い、定着温度を150℃となるように改造して、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入して、評価を行った。
評価環境は、常温常湿環境下(23℃、50%RH)とし、評価紙は、コピー用紙GF−640(A4、坪量64.0g/m2)キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
まず評価環境において、自動階調補正を2回行い、紙上の画像濃度を調整した。
imageRUNNER ADVANCE C5255用のトナーボトルにトナー1を600g入れ、本体にセットした。評価紙に画像比率40%のチャートを出力し、出力枚数をカウント[×1000枚]した。
(評価基準)
A:9.0以上 (非常に優れている)
B:8.0以上9.0未満 (良好である)
C:7.0以上8.0未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:7.0未満 (従来技術レベル)
〔実施例2乃至16及び21〕
表2に示す通り、材料の種類、材料の添加部数を変更しトナー2乃至16及び21を作製し、実施例1と同様に二成分系現像剤2乃至16及び21を作製した。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔実施例17〕
<結着樹脂微粒子分散液(1)>
非晶性低分子量ポリエステル樹脂L1 100質量部をテトラヒドロフラン150質量部に溶解した。このテトラヒドロフラン溶液を室温においてホモジナイザー(IKAジャパン製:ウルトラタラクス)にて10000rpmで2分間撹拌しながら、界面活性剤として水酸化カリウム5質量部およびドデシルベンゼン−スルホン酸ナトリウム10質量部を添加したイオン交換水1000質量部を滴下した。この混合溶液を約75℃に加温することによりテトラヒドロフランを除去した。その後、固形分が8%になるようにイオン交換水で希釈し、体積平均粒径0.09μmの結着樹脂微粒子分散液(1)を得た。
<結着樹脂微粒子分散液(2)>
非晶性高分子量ポリエステル樹脂H1 100質量部をテトラヒドロフラン150質量部に溶解した。このテトラヒドロフラン溶液を室温においてホモジナイザー(IKAジャパン製:ウルトラタラクス)にて10000rpmで2分間撹拌しながら、界面活性剤として水酸化カリウム5質量部およびドデシルベンゼン−スルホン酸ナトリウム10質量部を添加したイオン交換水1000質量部を滴下した。この混合溶液を約75℃に加温することによりテトラヒドロフランを除去した。その後、固形分が8%になるようにイオン交換水で希釈し、体積平均粒径0.09μmの結着樹脂微粒子分散液(2)を得た。
<色材微粒子の製造>
・C.I.ピグメント・イエロー180 8.0質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 1.5質量部
・イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて約1時間分散して、色材を分散させてなる色材微粒子の水系分散液を調製した。また、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装社製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<離型剤微粒子の製造>
・炭化水素ワックス 10質量部
(フィッシャートロプシュワックス、最大吸熱ピーク90℃)
・化合物D1(表1記載の化合物) 2.0質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 1質量部
・イオン交換水 89質量部
以上を撹拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断撹拌部位にて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて撹拌し、60分間分散処理した後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の水系分散液を得た。また、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
<トナー17の製造例>
・結着樹脂微粒子分散液(1) 70質量部(樹脂L1相当分)
・結着樹脂微粒子分散液(2) 30質量部(樹脂H1相当分)
・色剤微粒子 6質量部(色剤相当分)
・離型剤微粒子 5質量部(離型剤相当分)
・1.5質量%硫酸マグネシウム水溶液 10質量部
上記を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた。続いて、0.1N水酸化ナトリウム水溶液でpHを8.1に調整した。その後、加熱用ウォーターバス中で45℃まで撹拌翼にて撹拌しながら加熱した。45℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。5質量%クエン酸三ナトリウム水溶液40質量部加えた後、撹拌を継続しながら85℃まで昇温して90分間保持しコア粒子を融合させた。次いで、撹拌を継続しながら、ウォーターバス内に水を入れ、25℃まで冷却した。また、コア粒子の粒径をコールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定したところ、体積基準のメジアン径は5.5μmであった。
その後、ろ過・固液分離した後、水酸化ナトリウムでpHを8に調整した800質量部のイオン交換水を固形分に加え30分間撹拌洗浄した。その後再びろ過・固液分離を行った。続いて、800質量部のイオン交換水を固形分に加え30分間撹拌洗浄した。その後再びろ過・固液分離を行い、これを5回繰り返した。次に、得られた固形分を乾燥させることにより、トナー粒子を得た。
該トナー粒子 100質量部に、一次平均粒子径15.0nmのシリカ微粒子 1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型)で回転数31.6s-1、回転時間5min混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー17得た。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔実施例18乃至20〕
非晶性ポリエステル樹脂及び着色剤を表2に記載の様に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー18乃至20を作製し、同様に二成分現像剤18乃至20を作製した。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔比較例1〕
表2に示す通り、材料の種類、材料の添加部数を変更しトナー22を作製し、実施例1と同様にして、同様に二成分現像剤22を作製した。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔比較例2〕
・非晶性低分子量ポリエステル樹脂L1 70.0質量部
・非晶性高分子量ポリエステル樹脂H1 30.0質量部
・エステル系ワックス(最大吸収ピーク温度70℃) 5.0質量部
・樹脂組成物B1 5.0質量部
・化合物D1(表1記載の化合物) 1.0質量部
・C.I.ピグメント・イエロー180 6.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス株式会社製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイントターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15.0質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子0.5質量部、及びヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次平均粒子径15nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM−75型)で混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー23を得た。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
〔比較例3の製造例〕
・スチレンアクリル樹脂(樹脂A) 95.0質量部
(スチレン:n−ブチルアクリレート=75:25(質量比)の共重合物)(Mw=30,000、Tg=55℃)
・炭化水素系ワックス 5.0質量部
・化合物D1(表1記載の化合物) 1.0質量部
・C.I.ピグメント・イエロー180 6.0質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、日本コークス株式会社製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、フロイントターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が6.0μmであった。
得られたトナー粒子100.0質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15.0質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子0.5質量部、及びヘキサメチルジシラザン20.0質量%で表面処理した一次平均粒子径15nmの疎水性シリカ微粒子1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製FM−75型)で混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー24を得た。さらに、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0006727819
Figure 0006727819

Claims (6)

  1. 結着樹脂、ワックス及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    (1)該結着樹脂はポリエステル樹脂を含有し、
    (2)該ワックスは炭化水素系ワックスであり、
    (3)該トナー粒子は下記一般式(1)で表わされる化合物を含み、
    (4)該着色剤は顔料を含有し、該顔料は、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 155、カーボンブラック、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Red 122およびC.I.Pigment Red 57の群から選ばれる1種類以上の顔料である、
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 0006727819
    (式(1)中、R1、R2およびR3は、Hまたは炭素数1以上5以下であるアルキル基を表わし、R4およびR5は水素または炭素数1以上12以下のアルキル基を表わし、少なくともR 1 〜R 5 のいずれか1つは、アルキル基である。
  2. 該トナー粒子は樹脂組成物を含有し、該樹脂組成物は、脂肪族系炭化水素ユニットとビニル系重合ユニットとが化学的に結合した樹脂を含有し、該ビニル系重合ユニットは、スチレンまたはスチレン誘導体に由来する部分構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 顔料は、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 155の群から選ばれる1種類以上の顔料であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該トナー粒子は、混練粉砕トナーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 該一般式(1)で表わされる化合物が、以下の化合物D1〜D6からなる群より選択されるいずれかの化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー。
    化合物D1:
    該一般式(1)において、
    1 が−CH 3 であり、
    2 が−C 2 5 であり、
    3 がHであり、
    4 およびR 5 が−CH 2 CH(C 2 5 )C 4 9
    である化合物。
    化合物D2:
    該一般式(1)において、
    1 が−CH 3 であり、
    2 が−C 5 11 であり、
    3 がHであり、
    4 およびR 5 が−CH 2 CH(C 2 5 )C 4 9
    である化合物。
    化合物D3:
    該一般式(1)において、
    1 が−CH 3 であり、
    2 およびR 3 がHであり、
    4 およびR 5 が−C 6 13
    である化合物。
    化合物D4:
    該一般式(1)において、
    1 が−CH 3 であり、
    2 およびR 3 がHであり、
    4 およびR 5 が−C 12 25
    である化合物。
    化合物D5:
    該一般式(1)において、
    1 が−C 4 9 であり、
    2 〜R 4 がHであり、
    5 が−CH 2 CH(C 2 5 )C 4 9
    である化合物。
    化合物D6:
    該一般式(1)において、
    1 およびR 2 がHであり、
    3 が−C 5 11 であり、
    4 がHであり、
    5 が−CH 2 CH(C 2 5 )C 4 9
    である化合物。
  6. 該一般式(1)で表わされる化合物が、化合物D1であることを特徴とする請求項5に記載のトナー。
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