JP6375169B2 - 靴下 - Google Patents

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Description

本発明は靴下およびその編成方法に関する。特に、靴下の履き口部にゴム糸を使用していない靴下に関するものである。
従来の靴下はずり落ち防止のために、履き口部にゴム糸を挿入して、靴下を着用した人の足を強く締め付けるようにしている。このため、着用者の足に靴下の履き口部の跡が付いたり、血行が悪くなったりするという問題があった。また、靴下を履く際には、履き口を広げなくてはならないが、ゴム糸の存在のために強い力で広げなくてはならず、履き難いという問題もあった。特に、足がむくみ易い人や年配者には締め付けの強い靴下は好まれない傾向がある。
このような問題を解決するために、履き口部にゴム糸を挿入しない靴下が提案されている。例えば、特許第4323789号公報(特許文献1)には、靴下の履口部は添え糸編みを基本としこれにスパイラルメッシュ編みを組み合わせて編み糸と弾性糸とによってかつ上記スパイラルメッシュ編みのあぜ目が2/1〜5/1となるように編成されることによって所望のフィット感が与えられる一方、上記履口部は少なくとも二重に折り返されることによってゴム糸を用いることなくずり落ちが阻止されることが開示されている。
また、特許第4600855号公報(特許文献2)には、靴下の締付部が踝部位より上の10cm以上のものからなり、該締付部にゴム糸を挿入せず、本糸に添え糸として40デニールより細いポリウレタン糸を使用し、前記締付部の編成方向に表目のコースを数コース並べ、次に裏目のコースを数コース並べて変性パール編組織を構成し、該表目のコースと裏目のコースで形成される凹凸ジャバラ状の大きな横畦柄組織にて、ウェール方向へ伸縮しうるようにしてズリ落ちを防止することが開示されている。
特許第4323789号公報 特許第4600855号公報
特許文献1記載の靴下では、履口部にスパイラルメッシュ編みのあぜ目が2/1〜5/1が形成されているが、あぜ(凸部)がループを形成する平編目で、みぞ(凹部)が直線状のフロート(すなわちループを作らない浮いた糸部)で形成される。例えば、2/1のあぜ目では平編目が縦方向に連続したウェール(全コースで、平編目が編成される)が2本と、フロートが縦方向に連続したウェール(全コースでその編針がウェルト位置となる)が1本との繰り返しである。また、縦方向(ウェール方向)にフロートが連続しているので、縦方向の伸びが悪い。
履き口を二重に折り返えさなければならないことで、この靴下は履き難いと言う問題がある。
また、一般的な靴下は履き口を折返したりしないので、特許文献1の靴下は一般的な靴下とは見た目が異なっているという問題がある。
特許文献2の靴下は、足首からふくらはぎまでの締付部が縦方向(ウェール方向)に10cm以上の長さに亘る凹凸ジャバラ状であり、弛ませて着用する脚ウォーマーのような外観であり、一般的な靴下とは見た目が異なっているという問題がある。また、靴下を履く際、履き口部を持って、爪先から入れて、引っ張り上げていくのが一般的な動作であるが、特許文献2の靴下では履き口部に形成された変性パール編組織の凹凸ジャバラ状部が縦方向に著しく伸びるので、伸び過ぎのために靴下が履き難いという問題がある。
本発明は、従来技術の靴下の問題を解決して、ゴムを挿入した一般的な靴下と同様の外観を有しており且つ履き口の不快な食い込み感を感じることなく、足にピッタリとフィットして、ずれ落ち難く且つ履き易い靴下を提供することを目的とする。
本発明は、靴下の履き口部にゴム糸が使用されておらず、履き口部の編組織が表糸と裏糸とからなる添糸編みであり、前記表糸は短繊維または長繊維からなる糸であり、前記裏糸はウレタン糸を芯糸とする弾性糸であり、前記表糸は、編目が全て平編で編成される平編コースと、1コース中に平編目とフロート部が交互する浮き編コースとにより編成され、前記裏糸は全て平編で編成され、前記履き口部の編目が脚部の編目よりも大きく、履き口部の横方向(コース方向)の伸びが脚部の横方向の伸びの1.3倍以上であり、履き口部の縦方向(ウェール方向)の伸びが脚部の縦方向の伸びの1.3倍以上であることを特徴とする靴下により前記目的を達成する。
前記表糸により、平編コースと浮き編コースが1コース置きに、または平編コースの1コースと浮き編コースの2コースとが交互に、編成されることが好ましい。
また、本発明においては、シングルシリンダー靴下編機で編成される靴下であって、前記履き口部の端部のメークアップ部は、編成コース数が4〜20コースであり、メークアップ部の仕上がり寸法が1〜2mmであることが好ましい。
本発明においては、シンカのプラットフォームがスロート側から自由端側に下向きに傾斜しているシンカを具備した靴下編み機を使用し、靴下の履き口部の編成時には、度目調整装置により編目を脚部の編目よりも大きくするように調整するとともに、シンカキャップを脚部編成時の位置よりもシリンダーの正回転方向に対して逆方向に回動して、シンカの動作タイミングを早めて、シンカに対する給糸位置をスロート側に移動させ、この状態で、短繊維または長繊維からなる表糸と、ウレタン糸を芯糸とする弾性糸を裏糸として添糸編みを編成し、前記添糸編みにおいて、編目が全て平編で編成される平編コースと、1コース中に平編とフロート部が交互する浮き編コースとを前記表糸で編成し、前記裏糸を全て平編で編成して、次の脚部の編成時には、度目を通常の編目の大きさに戻すように度目調整装置を調整するとともにシンカキャップの位置を通常の位置に戻して編成する。
本発明によれば、靴下の履き口部における糸使い、編組織および編目の大きさの組合せを特別なものとしたことにより、ゴムを挿入した一般的な一重の靴下と同様の外観を有しているにも拘らず、締め付け感が生じずに、足にピッタリとフィットして、ずれ落ちることがない。
すなわち、本発明によれば、履き口部の編組織が表糸と裏糸とからなる添糸編みであり、糸使いとしては、表糸は短繊維または長繊維からなる糸を使用し、裏糸はウレタン糸を芯糸とする弾性糸を使用する。添糸編みの編組織としては、裏糸は全て平編で編成され、表糸は、編目が全て平編で編成される平編コースと、1コース中に平編目とフロート部が交互する浮き編コースとにより編成される。平編コースと浮き編コースとは1コース置きに編成されるか、平編コース1コースと浮き編コース2コースが交互に編成される。また、履き口部の編目は脚部の編目よりも大きくしている。
従って、表糸がフロート部である箇所は、ウレタン糸を芯糸とする弾性糸である裏糸だけで編目が形成されるので、表糸と裏糸とが一緒に編まれた編目よりも、縦にも横にもより伸びることが可能であり、しかも、編目を通常よりも大きくしているのでフロートした糸も通常よりも長さにゆとりがあり、伸びを妨げない。また、ウェール方向においてはフロート部の前後のコースで編目(曲線状のループ)が形成されており、特許文献1の靴下と異なって、フロート部が縦方向(ウェール方向)に連続していないので、縦方向の伸びもよい。
このように、糸使い、編組織および編目を大きくしたことの相乗効果により、本発明の靴下においては履き口部の横方向(コース方向)の伸びが脚部の横方向の伸びの1.3倍以上、履き口部の縦方向(ウェール方向)の伸びが脚部の縦方向の伸びの1.3倍以上である。
また、本発明の靴下は、縦横斜めの全方向に伸縮性がよく、今までになく大きく伸びるとともにソフトに縮む(すなわち、フィット性とバックストレッチ性に富んでいる)。履き口部が軽い力でよく伸縮するので、容易に靴下を着脱することができる。特に、高齢者で握力の弱い人は、ゴム糸を挿入した締め付け力が強い靴下では履こうとして靴下の履き口を持って手で引っ張り上げようとしてもゴム糸の力に負けて、手が滑ってしまい、履くことが難しい。これに対して本発明の靴下は軽い力でよく伸びるので、履き口を持って手で引っ張り上げる際も手が滑ったりせずに履くことができる。
本発明の靴下の一実施例を示す平面図である。 本発明の靴下を編成するための編機におけるシリンダ上部、シンカおよびシンカキャップを示す断面図である。 図3はシンカキャップの平面図であり、図3(a)はシンカキャップ回動機構が不作用である状態を示し、図3(b)はシンカキャップ回動機構が作用している状態を示す。なお、シンカキャップの裏側(シンカに面する側)にはカムによりカム溝が設けられており、表側からは見えないが、図3においては、分かり易くするためにカムを実線で描いており、また、図3(a)にはカム溝とシンカおよび編針との関係も模式的に示している。 編針の上下方向の運動とシンカの編針に対する前後方向の運動との関連を説明するための線図である。 編針とシンカの位置関係を示す説明図であり、図5(a)は通常の編目を編成する場合の編針とシンカの位置関係を示し、図5(b)は本発明における編目を大きくする場合の編針とシンカの位置関係を示し、図5(c)は通常の編目を編成する時と大きな編目を編成する時のシンカに対する給糸位置(すなわち、編針が下降して給糸された糸がシンカに接する位置)の違いとループ長の差について説明するための模式的な図である。 本発明の編組織の実施例であり、図6(a)は表糸が浮き編コースにおいて1飛び(1針分、すなわち1ウェール分)でフロートしている編組織を編目で表わした編組織図であり、図6(b)は表糸の1飛びのフロート部が千鳥状に配置されている編組織図である。
以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説明する。
本発明の靴下10は図1に示すように、履き口部、脚部、踵部、足甲部、底部および爪先部からなるものであるが、従来の靴下と異なって、靴下10の履き口部11にはゴム糸を使用していない。なお、図1において、履き口部11を分かり易く示すために斜線を施した。
本発明の靴下10の特徴は履き口部11が縦横斜めにバランスよく、大きく伸縮できることである。そのために、以下に説明するように、本発明においては靴下10の履き口部11における編目の大きさ、糸使いおよび編組織の組合せを特別なものとしている。
本発明の靴下10は、K式シングルシリンダー靴下編機で、シンカ3(図5参照)のプラットフォーム31がスロート32側から自由端33側に下向きに傾斜しているシンカ3を設けた靴下編機を使用して編成する。
図2に示すように、靴下編機は回転するシリンダ1に編針2が上下動可能に配列される。シリンダ1の上部にシンカベッド4が取付けられており、シンカベッド4の放射状溝にシンカ3が編針2に対して前後動可能に配列されている。シンカキャップ5がシンカベッド4上に嵌合されている。
靴下編機における度目調整装置はシリンダ2の下方に設置されており、シリンダ2を上下させる、あるいは、度山を上下させることで、シンカのプラットフォーム31と下降した編針2のフックとの距離を変えて、度目(編目の密度、従って、編目の大きさ)を調節するものである。
本発明においては、靴下10の履き口部11の編成時には、度目調整装置により編目を脚部12の編目よりも大きくするように調整するとともに、脚部12の編成時には、度目を通常の編目の大きさに戻すように度目調整装置を調整する。
更に、本発明においては、靴下10の履き口部11の編目をもっと大きくするために、度目調整装置により編目を大きくするように調整するとともに、シンカキャップ5を脚部編成時の位置よりもシリンダ1の正回転方向に対して逆方向に回動して、シンカ3の動作タイミングを早めて、シンカ3に対する給糸位置をスロート32(図5参照)側に移動させ、この状態で編成する。そして、靴下10の脚部12の編成時には、度目を通常の編目の大きさに戻すように度目調整装置を調整するとともにシンカキャップ5の位置を通常の位置に戻して編成する。
シンカキャップ5はその裏側(シンカ3に面する側)にカム溝51が設けられている(なお、図3に示したシンカキャップ5は複数個のカム52によりカム溝51が規定されているが、シンカキャップ5は図示したものに限定されるものではない)。
シンカキャップ5には、シリンダ1と一緒に回転しないように、調整ネジ54を有する2つの突当て部53が設けられている。2つの突当て部53の間に機台に固定した支柱7が位置する。シンカキャップ5は突当て部53の調整ネジ54が支柱7に当接するまではシリンダ1の回転に追随するが、支柱7に当接すると回転は阻止される。なお、2つの突当て部53が存在するのはシリンダ1が靴下10の踵部を編成する際は正転と逆転を繰り返すからである。
靴下10の脚部12を編成する通常の状態では図3(a)に示すように、シンカキャップ5の一方の突当て部53の調整ネジ54が支柱7に当接している。
本発明によれば、シンカキャップ5を脚部編成時の位置よりもシリンダ1の正回転方向に対して逆方向に回動するシンカキャップ回動機構が設けられている。
図3に示した実施例では、シンカキャップ回動機構6は、シンカキャップ5の突当て部53に取付けられた支持部材62と、この支持部材62に摺動可能に設けられた押出し部材61と、この押出し部材61を作動させるアクチュエータ(図示せず)からなる。なお、シンカキャップ回動機構6は図示したものに限られず、押出し部材61の支持部材62を機台側に設置し、シンカキャップ5の突起部(例えば、突当て部53)を押出し部材61がその作動時に押すようにしてもよい。また、押出し部材61を作動させるのに、空気によるアクチュエータではなく、機械的に作動させてもよい。
図3(a)ではシンカキャップ回動機構の押出し部材61が引っ込んでいる不作用状態であり、押出し部材61が支柱7に接触していない通常の編成状態である。これに対して図3(b)では、押出し部材61が突出している作用状態であり、押出し部材61は支柱7に接触している。この状態は図3(a)に示した状態よりもシリンダ1の正回転方向(反時計方向)に対して逆方向(時計方向)に回動した状態であり、本発明の靴下10の履き口部11を編成する際の状態である。
シンカ3は、その端部のバット35(図5参照)がシンカキャップ5のカム溝51に係合し、シリンダ1の回転とともに針2に対して前後動し、針2の上下動による編目形成時に編目の保持や給糸量の決定を補助するものである。一方、シンカキャップ5を回動することにより、カム溝51によるシンカ3の前後運動のタイミングがずれることになる。
図4は編針2の上下方向の運動とシンカ3の編針2に対する前後方向の運動との関連を説明するための線図であり、シンカ・レベルはシンカのプラットフォームの高さであり、この高さに対して針がどのように上下動するかを示すラインが針の運動ラインである(針のフックの高さで示している)。一方、針の位置はシリンダ上の針の位置を基準として、この針に向かって前進するか後退するかを示すのがシンカの運動ラインである。
図4において、シンカ・レベルに対する針の上下運動は図3(a)に示したシンカキャップ回動機構が不作用である通常の編成状態でも、図3(b)に示したシンカキャップ回動機構が作用している状態の履き口部11編成状態でも同じである。しかし、針の位置とシンカの前後方向の運動は異なっているので、図4において、図3(a)に示したシンカキャップ回動機構が不作用である通常の編成状態におけるシンカの運動ラインを点線で示し、図3(b)に示したシンカキャップ回動機構が作用している状態の履き口部11編成状態におけるシンカの運動ラインを実線で示した。
通常の編成状態における針2とシンカ3との関係を、図4の状態1〜12に基いて説明する。なお、シリンダの回転(すなわち、時間の経過)とともに状態1から状態12へと変化して行く。
状態1ではシンカは針の位置より少し前進した位置で停止しており、針に掛かっている既成のループをシンカのフックで押えており、一方、針はシンカ・レベルよりも高い位置にあり、ループが針のベラに引っ掛かっている。シリンダが回転して状態2になると針は更に上昇し、ループから針のベラが外れようとする。状態3では針は最高位置まで上昇しており、完全にループからベラが外れてクリヤー状態となる。
状態4では針は最高位置にあり、一方シンカは後退し始めている。状態5では針は最高位置にあり、シンカが後退し終り、次の給糸を待つ状態となる。更に、シリンダが回転して状態6になると、針が下降し始め、給糸された糸を針のフックの下部に受ける。このときシンカはシンカのフック(図5に符号34で示した)に給糸された糸が引っ掛からない後退位置に止まっている。状態7では針の下降中に、給糸された糸が針のフックに引っ掛かり、一方、既成のループがベラを起こし始めている。シンカは後退位置に止まっている。
状態8では針がシンカ・レベルまで更に下がり、ベラは完全に閉じてフック内の糸を保持し、シンカは後退位置から針の位置まで前進してくる。状態9では針がシンカ・レベルより下の最下降位置となり、既成ループの中に針が通ることにより新しいループが形成され、既成ループは完全に針から外れて前進してくるシンカによりシリンダの内側に向かって押出される。このとき針が最下降位置であるので、編目の大きさが決まる。
状態10では針が少し上昇し、シンカが既成ループを完全に押し切った最前進位置となって、編目の安定をはかっている。状態11では、新しくできたループの中を通って針が上昇し、一方、シンカは新しいループが針と一緒に持ち上がらないように最前進位置でシンカのフックで新しいループを押えている。状態12では、針は更に上昇し、一方、シンカは少し後退するが、針の位置より前方に止まり、新しくできたループを押えている。その後は状態1に戻って、連続的に編地が編成される。
そして、図4に示すように、図3(b)に示した履き口部11の編成状態におけるシンカの運動ライン(実線で示した)を点線で示した通常の編成状態シンカの運動ラインを比較すると、針の運動ラインに対して、実線で示したシンカの運動ラインの方が点線で示したシンカの運動ラインよりも進んでいる。すなわち、履き口部11の編成時のシンカ3の動作タイミングは、脚部12の編成時のシンカ3の動作タイミングよりも早められている。
従って、状態8では、給糸された糸をフックに掛けたまま針がシンカ・レベルまで下がるが、履き口部11の編成時においては、既にシンカが針の位置よりも前方に前進しており、その位置で糸と接することになる。すなわち、シンカ3に対する給糸位置(給糸された糸がシンカに接する位置)が、通常の編成時よりもシンカ3のスロート32側に移動していることとなる。
図5は、状態8における針とシンカの位置関係を示し、図5(a)は通常の編目を編成する場合の針とシンカであり、点線aで糸の位置を示している。図5(b)はシンカキャップ回動機構が作用した状態で履き口部11を編成する場合の針とシンカと糸の位置(二点鎖線bで示した)を示している。図5に示すように、通常の編成時の給糸位置aよりも、シンカ3の作動タイミングを早めた履き口部の編成時の給糸位置bの方がシンカ3のスロート32に近い。そして本発明においては、シンカ3のプラットフォーム31がスロート32側から自由端33側に下向きに傾斜しているので、図5(c)に示すように、高さ方向において、点線aとプラットフォーム31が接する位置よりも二点鎖線bとプラットフォーム31が接する位置の方が距離L分だけ高い。
編機の高さ方向に関して、シンカに対する給糸位置(シンカ・レベル)が同じ高さであれば、針の最下降位置で編目の大きさは決まる。一方、針の最下降位置が同じ高さである場合、図5(a)と図5(b)のようにシンカに対する給糸位置(シンカ・レベル)が変わると、編目の大きさ(ループ長)は変化し、給糸位置が高い方がループ長が長くなり、編目が大きくなる。
従って、本発明においては靴下10の履き口11の編成時には、度目調整装置により編目を脚部12の編目よりも大きくするように調整するとともに、シンカキャップ回動機構6によりシンカキャップ5を脚部編成時の位置よりもシリンダ1の正回転方向に対して逆方向に回動して、シンカ3の動作タイミングを早めて、図5(b)に示すように、シンカ3に対する給糸位置をスロート32側に移動させて、編目を大きくする。
そして、脚部の編成時には、度目を通常の編目の大きさに戻すように度目調整装置を調整するとともにシンカキャップ回動機構6を不作用としてシンカキャップの位置を通常の位置に戻して編成する。その他の靴下の部分は、通常と同様に編成すればよい。
本発明の靴下10は履き口部11が表糸Y1と裏糸Y2とを使用する添糸編みであり、表糸としては短繊維または長繊維からなる編糸であれば、特に限定されず、夏物用、冬物用、紳士用、婦人物用など用途に合せて適宜選択することができる。裏糸としては、ウレタン糸を芯糸とする弾性糸を使用する。例えば、FTYのようにスパンデックスにウーリーナイロン糸を巻き付けた糸を使用する。
靴下10の他の部分(脚部、踵部、足甲部、底部および爪先部)も同じ編糸を使用して編成すればよい。
図6に本発明の靴下10の履き口部11の編組織の実施例を示した。図6において表糸Y1は実線で示し、裏糸Y2は点線で示した。
履き口部11において、裏糸Y2は全て平編で編成する。他方、表糸Y1は全て平編で編成される平編コースCaと、1コース中に平編Pとフロート部Fが交互する浮き編コースCbとを1コース置きに編成する。
図6(a)に示した編組織では、裏糸Y2は全て平編であり、表糸Y1により、全て平編で編成される平編コースCaと、平編Pとフロート部Fが1/1(平編目が1つと、1飛びのフロート)で繰り返されている浮き編コースCbが1コース置きに編成されている。
図6(b)に示した編組織は、浮き編コースCbにおいて1飛びのフロート部Fが千鳥状に配置されている点で、図6(a)の編組織と異なっているだけである。
なお、本発明においては、図6に示した編組織では平編コースCaと浮き編コースCbが1コース置きに編成されるが、平編コースCa1コースと1/1の浮き編コースCb2コースとが交互に編成されるような編組織としてもよい。
フロート部Fの長さ、すなわちループを形成せずに直線的に浮いている糸の長さ、が長くなり過ぎると、コース方向の伸びが悪くなる傾向があるので、本発明に編目を大きくしても、フロート部Fは1飛びとすることが好ましい。
また、一般に、K式シングルシリンダー靴下編機における、編始めであるメークアップ部はウェルト編成により袋編となっており、履き口部の端部が丸まらないように通常は袋編が長さ方向(ウェール方向)に2cm以上になるように編成されている。しかし、袋編は編地が2重になっているので、脚部への締め付けを少なくするためにメークアップ部の長さが短い方が好ましい。
本発明においては履き口部の端部のメークアップ部は、編成コース数を4〜20コースとして、メークアップ部の仕上がり寸法が1〜2mmとした。また、履き口部の端部の丸まりを防ぐために、芯糸を太めなものとしたFTY糸をメークアップ部の編成に使用することが好ましい。
本発明において、履き口部と脚部の伸びの比較は、4Kgの荷重がかかった時の長さを例えば履き口部Acm、脚部Bcmとすると、A/B=C倍として表わした。測定には奈良県香芝市磯壁3‐119の大竹工作所製造の「ニットストレッチ測定器」を使用した。この測定器では、固定部材と可動部材とで生地を引っ張り、設定荷重(3〜5Kg)に達すると可動部材が自動的に停止し、その時の長さを測定できるようになっている。
なお、以下に説明する実施例においては、コース方向(すなわち、横方向、幅方向)の伸びについては履き口部と脚部とは同数の編針で編まれるので、図1に示したように靴下を平らにした状態で、履き口部と脚部の全幅をそれぞれコース方向に引っ張って測定した。そして、ウェール方向(すなわち、縦方向、丈方向)の伸びについては、測定した靴下の履き口部の丈が6cmであったので、脚部もウェール方向に6cmの長さをとってその範囲とし、それぞれ、それらの両端をクランプして、引っ張って測定した。
また、斜め方向の伸びについては、履き口部の上端部における幅方向の端と履き口部の下端部における幅方向の反対端とを対角線にクランプして、引っ張って測定した。脚部については幅方向の一端部とそこから丈方向に6cm距離を開けた位置の幅方向の反対端とを対角線にクランプして、引っ張って測定した。
〔実施例1〕
下記の糸を使用して、本発明の方法により、靴下を編成した。
履き口部は、表糸としてアクリル80%、ナイロン15%、ウール5%の約357dtex×2本(約714dtex)からなる混紡糸を使用し、裏糸(添え糸)としてウレタン芯糸(44dtex)にナイロン被覆糸(78dtex)からなる弾性糸を使用した。履き口部の編組織は図6(a)に示したもの、すなわち、平編コースと平編目とフロート部が1/1の浮き編コースが1コース置きに編成されるものであった。
脚部の表糸としては履き口部と同じ糸を使用し、裏糸(添え糸)としてはウレタン芯糸(33dtex)にポリエステル被覆糸(83dtex)からなる弾性糸を使用した。編組織は表糸および裏糸とも全部平編みであった。
この実施例の靴下に4Kgの荷重を掛けて伸ばした時の長さを測定した。
コース方向の長さは、履き口部が32cm、脚部が22cmであった。
ウェール方向の長さは、履き口部が23cm、脚部が15cmであった。
斜め方向の長さは、履き口部が32cm、脚部が24cmであった。
この実施例では履き口部のコース方向の伸びは脚部のそれの1.45倍であり、履き口部のウェール方向の伸びは脚部のそれの1.53倍であった。斜めの方向にもよく伸びた。
〔実施例2〕
この実施例2においては、糸使いは履き口部および脚部ともに実施例1と同じである。履き口部の編組織が異なっており、平編コースの1コースと、1/1の浮き編コースの連続2コースとが交互に編成されたものであった。
この実施例2の靴下に4Kgの荷重を掛けて伸ばした時の長さを実施例と同様に測定した。
コース方向の長さは、履き口部が29cm、脚部が22cmであった。
ウェール方向の長さは、履き口部が22cm、脚部が15cmであった。
斜め方向の長さは、履き口部が29cm、脚部が24cmであった。
この実施例では履き口部のコース方向の伸びは脚部のそれの1.31倍であり、履き口部のウェール方向の伸びは脚部のそれの1.46倍であった。斜めの方向にもよく伸びた。
1 シリンダ
2 針
3 シンカ
4 シンカベッド
5 シンカキャップ
6 シンカキャップ回動機構
Y1 表糸
Y2 裏糸
F フロート
P 平編目
Ca 平編コース
Cb 浮き編コース

Claims (4)

  1. 靴下の履き口部にゴム糸が使用されておらず、履き口部の編組織が表糸と裏糸とからなる添糸編みであり、前記表糸は短繊維または長繊維からなる糸であり、前記裏糸はウレタン糸を芯糸とする弾性糸であり、前記表糸は、編目が全て平編で編成される平編コースと、1コース中に平編目とフロート部が交互する浮き編コースとにより編成され、前記裏糸は全て平編で編成され、前記履き口部の編目が脚部の編目よりも大きく、履き口部のコース方向の伸びが脚部のコース方向の伸びの1.3倍以上であり、履き口部のウェール方向の伸びが脚部のウェール方向の伸びの1.3倍以上であることを特徴とする靴下。
  2. 前記表糸により、前記平編コースと前記浮き編コースが1コース置きに編成されていることを特徴とする請求項1記載の靴下。
  3. 前記表糸により、前記平編コースの1コースと、前記浮き編コースの2コースとが交互に編成されている特徴とする請求項1記載の靴下。
  4. シングルシリンダー靴下編機で編成される靴下であって、前記履き口部の端部のメークアップ部は、編成コース数が4〜20コースであり、メークアップ部の仕上がり寸法が1〜2mmであることを特徴とする請求項1記載の靴下。
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