JP2020196975A - 靴下 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常の長さと伸ばすと膝下まで達する丈にすることが可能で、伸ばしても温かな靴下を提供する。【解決手段】履き口部1と、履き口部に続いて編成された、ふくらはぎを覆うレッグ部2と、レッグ部に続いて編成された、爪先31から足首32までを覆い且つ踵部33が形成されたフット部3とを有する靴下であって、レッグ部はフット部より長さ方向に伸び易く、レッグ部が表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目Kと、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目Sにより構成されており、レッグ部において履き口部側の上方部分21とフット部側の下方部分22では編組織が異なっており、所定コース数におけるスパイラル編目の数がレッグ部の下方部分よりも上方部分の方が多い。【選択図】図1
Description
本発明は靴下に関するものであり、特にレッグ部の長さを調節することのできる靴下に関するものである。
従来、靴下はレッグ部の長さが一定である。例えば、ビジネスソックスはふくらはぎの中程までを覆う丈である。通常はこの長さでよいが、寒さの厳しい場所では膝下まで覆うことができるロング丈のものであると、温かく過ごせる。しかし、この問題を解決するには2種類の丈の靴下を準備しなければならず、不経済であり、また、仮に2種類の丈の靴下を持っていても、外出先等では靴下を履き替えることができない。
また、ブーツ等の靴の長さ(ショート/ロング・ブーツ)やボトム(ズボン)の長さに対応して靴下の丈を調節できれば、複数種類の丈の靴下を容易しなくてもよいので、経済的に好ましい。
特許第5216420号公報(特許文献1)には、踵部(ヒール部)がなく且つ筒状に編成した靴下において、履き口部と爪先との間に平編目の編目ループの長さを小さくして緊締力を大としたストッパー用バンド部を設け、ストッパー用バンド部の両側の編地の平編目の編目ループの長さを長くして伸びやすくした靴下が開示されている。この靴下においては、着用時にストッパー用バンド部の位置を土踏まずの位置としてショートタイプの靴下とし、ストッパー用バンド部の位置を足首位置に位置させてロングタイプの靴下としている。
前述した特許文献1に開示された靴下は、爪先から履き口まで筒状に編成されて、踵部が形成されていないため、靴下の着用時にずれや捩れが発生し易いという問題点がある。また、ストッパー用バンド部と履き口部の間の編目は大きな平編目ループで編成されており、伸ばした状態ではより一層編目が大きくなり、温かさの観点から言えば、編目が大きいため冷たい空気に触れ易く、温かさの点では問題があった。
なお、特許文献1の靴下では、ストッパー用バンド部の位置を土踏まずの位置とすると共に、ストッパー用バンド部の位置を足首位置に位置させることが必要なため、靴下に踵部(すなわち、靴下の着用者の踵を収容するためのふくらみ部)を設けることができない。
本発明は、通常の長さと、伸ばすと膝下まで達する丈にすることが可能であるとともに、伸ばしても温かな靴下を提供することを目的とする。
本発明は、履き口部と、該履き口部に続いて編成された、ふくらはぎを覆うレッグ部と、該レッグ部に続いて編成された、爪先から足首までを覆い且つ踵部が形成されたフット部とを有する靴下であって、前記レッグ部は前記フット部より長さ方向(ウェール方向)に伸び易く、前記レッグ部が表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目と、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目により構成されており、前記レッグ部において履き口部側の上方部分とフット部側の下方部分では編組織が異なっており、所定コース数における前記スパイラル編目の数が前記レッグ部の下方部分よりも上方部分の方が多く、前記レッグ部は下方部分よりも上方部分が伸び易く構成されてなる靴下により前記目的を達成する。
本発明によれば、通常の長さと伸ばすと膝下まで達する丈にすることが可能であるとともに、伸ばしても温かな靴下を提供することができる。
以下、図面に示した実施例に基いて本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、実施例に示す靴下は、履き口部1と、履き口部1に続いて編成された、ふくらはぎを覆うレッグ部2(図1では斜線を施して示した)と、レッグ部2に続いて編成された、爪先31から足首32までを覆い且つ踵部33が形成されたフット部3とを有する靴下である。
図1に示すように、実施例に示す靴下は、履き口部1と、履き口部1に続いて編成された、ふくらはぎを覆うレッグ部2(図1では斜線を施して示した)と、レッグ部2に続いて編成された、爪先31から足首32までを覆い且つ踵部33が形成されたフット部3とを有する靴下である。
踵部33は一般的な靴下と同様に、靴下の編成時に編機におけるシリンダの往復動回転と共に編目の減少および増加を行なうことにより形成され、編目の減少および増加する際にゴアライン34が形成される。
靴下のレッグ部2は、フット部3よりも長さ方向(すなわち、ウェール方向)に伸び易く編成されている。レッグ部2は履き口部1の緊締力により伸ばした状態と伸ばしていない状態とを維持することができる。なお、履き口部1は一般的なソックスと同様に、履き口部1のずり落ちが生じない程度の緊締力を有し、例えばダブルウェルト編により編成される。
靴下は、通常の伸ばさない状態ではビジネスソックスと同様の丈であり、伸ばした状態では靴下の上端が膝裏まで達するハイソックス丈となる。
靴下は、通常の伸ばさない状態ではビジネスソックスと同様の丈であり、伸ばした状態では靴下の上端が膝裏まで達するハイソックス丈となる。
図1の実施例では、レッグ部2は編成中にファッショニングにより編目の大きさを変えて、テーパー状にしたものを示している。例えば、履き口部1における幅E1が26cmで、レッグ部2の幅は上方の幅E2が26cm、中間の幅E3がテーパー状に26cmから22cmまで変化し、下方の幅E4が22cm、フット部3の幅E5が22cmとしている。このように、レッグ部2における編目の大きさを変化させて、レッグ部2の下方部分22の下端から履き口部1に向かって連続的に、または段階的に編目の大きさが大きくなるようにしてもよい。
しかし、上述した幅の例は一例であり、当然ながら靴下の幅はこれに限定されるものではない。また、靴下のレッグ部2はファッショニングを行なわずに、同一の幅で編成してもよい。
しかし、上述した幅の例は一例であり、当然ながら靴下の幅はこれに限定されるものではない。また、靴下のレッグ部2はファッショニングを行なわずに、同一の幅で編成してもよい。
この実施例に示す靴下の編糸は履き口部1およびフット部3は従来から使用されているものと同様なものを使用できる。例えば、フット部3の編糸を表糸とFTY糸からなる裏糸で平編目に編成した場合、表糸は特に限定されず、天然繊維からなる糸や合成繊維からなる糸を使用できる。例えば表糸として32番手の綿糸を用いる。裏糸のFTY糸も太さ等については特に限定されない。例えば、裏糸として芯糸は30デニールのポリウレタン芯糸でこれに75デニールの被覆糸を巻き付けたFTY糸などを使用すればよい。
これに対して、本発明によれば、レッグ部2は表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目と、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目により構成される。表糸は特に限定はなく、綿等の天然繊維からなる編糸でも、ナイロンやアクリル等の合成繊維からなる編糸でもよい。例えば、フット部3の表糸と同様に、32番手の綿糸を用いる。一方、レッグ部2の裏糸はフット部3の裏糸よりも太い方が好ましい。例えば、裏糸のFTY糸は40デニールのポリウレタン芯糸に150デニールのナイロン、またはポリエステルの被覆糸を巻き付けたものとする。このように被覆糸を太くして、裏糸(FTY糸)を太くすると、スパイラル編目の個所が透け難くなるので好ましい。
レッグ部2は履き口部1側の上方部分21とフット部3側の下方部分22では編組織が異なっている。所定コース数におけるスパイラル編目の数が下方部分22よりも上方部分21の方が多く、レッグ部2は下方部分22よりも上方部分21が伸び易く構成されている。
図2および図3にレッグ部2の編組織の一実施例を示している。図2はレッグ部2の上方部分21の編組織の一例であり、図3はレッグ部2の下方部分22の編組織の一例である。図2および図3において、記号Kは表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目を表し、記号Sは表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目を表す。また、記号Cは横方向のコースを表し、記号Wは縦方向のウェールを表している。
図2に示した実施例の編地によれば、レッグ部2の上方部分21においては1列のウェールにおいてパイラル編目と平編目が交互に編成されると共に、隣接するウェール(例えば、1Wと2W)ではスパイラル編目Sと平編目Kが1コース分ずれて交互に編成されて、スパイラル編目Sがカノコ状に配置されている。
図3に示した実施例の編地によれば、レッグ部2の下方部分22においては、全部の編目が平編目である平編目ウェール1W,3W,5Wと、スパイラル編目Sと平編目Kが交互する混合編目ウェール2W、4W、6Wとで編成されている。また、レッグ部2の下方部分22において平編目ウェール1W,3W,5Wを挟んで隣り合う混合編目ウェール例えば2Wと4Wまたは4Wと6Wはスパイラル編目Sと平編目Kが1コース分ずれて編成されている。
レッグ部2の上方部分21は下方部分22よりもスパイラル編目Sが多く配置されていることにより、伸び易くなっている。伸び易さの観点から、上方部分21の長さが下方部分22よりも長いことが好ましい。例えば、レッグ部2の上方部分21の長さはレッグ部2の長さ(全長)の1/2〜2/3であり、下方部分22の長さはレッグ部2の長さの1/2〜1/3であることが好ましい。
このように、上記の靴下は、レッグ部には踵部が形成されているので、特許文献1の靴下のように着用時にずれや捩れ生じることがない。
また、レッグ部が表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目と、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目により構成されているので、特別に編目ループの長さを長くしなくとも、スパイラル編目により伸びやすくなっている。さらに、スパイラル編目は表糸がフロートしているので、伸ばした状態においても大きな編目の穴(隙間)ができた状態にならない。従って、靴下を伸ばした状態でも温かさが保たれる。
また、レッグ部が表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目と、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目により構成されているので、特別に編目ループの長さを長くしなくとも、スパイラル編目により伸びやすくなっている。さらに、スパイラル編目は表糸がフロートしているので、伸ばした状態においても大きな編目の穴(隙間)ができた状態にならない。従って、靴下を伸ばした状態でも温かさが保たれる。
通常、ズボンを着用した状態で椅子に腰掛けたりすると、立っている時よりもズボンの裾が上方に持ち上がり、靴下が外から見える状態となる。しかし、この靴下はこの点を考慮して、靴下を伸ばした状態で着用していても、通常と変わらない外観としている。すなわち、レッグ部において履き口部側の上方部分とフット部側の下方部分では編組織を異ならせて、所定コース数における前記スパイラル編目の数がレッグ部の下方部分よりも上方部分の方を多くしている。これにより、レッグ部は下方部分よりも上方部分が伸び易く構成され、靴下を伸ばした状態ではレッグ部は上方部分が伸びて、編目が大きくなるが、レッグ部は下方部分は伸びが小さく、編目が大きくならず、透けないので、ズボンの裾から靴下が見えても、見た目が通常の状態と余り変わらず、好ましい着用状態となっている。
1 履き口部
2 レッグ部
3 フット部
21 レッグ部の上方部分
22 レッグ部の下方部分
31 爪先
32 足首
33 踵部
K 平編目
S スパイラル編目
C コース
W ウェール
2 レッグ部
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33 踵部
K 平編目
S スパイラル編目
C コース
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Claims (6)
- 履き口部と、該履き口部に続いて編成された、ふくらはぎを覆うレッグ部と、該レッグ部に続いて編成された、爪先から足首までを覆い且つ踵部が形成されたフット部とを有する靴下であって、
前記レッグ部は前記フット部より長さ方向(ウェール方向)に伸び易く、前記レッグ部が表糸とFTY糸からなる裏糸で編成されると共に、表糸と裏糸が一緒に編目ループを形成する平編目と、表糸がフロートし且つ裏糸が編目ループを形成するスパイラル編目により構成されており、
前記レッグ部において履き口部側の上方部分とフット部側の下方部分では編組織が異なっており、所定コース数における前記スパイラル編目の数が前記レッグ部の下方部分よりも上方部分の方が多く、前記レッグ部は下方部分よりも上方部分が伸び易く構成されてなる靴下。 - 前記レッグ部の上方部分においては1列のウェールにおいてパイラル編目と平編目が交互に編成されると共に、隣接するウェールではスパイラル編目と平編目が1コース分ずれて交互に編成されて、スパイラル編目がカノコ状に配置され、前記レッグ部の下方部分においては全部の編目が平編目である平編目ウェールと、スパイラル編目と平編目が交互する混合編目ウェールとで編成されていることを特徴とする請求項1に記載の靴下。
- 前記レッグ部の下方部分において平編目ウェールを挟んで隣り合う混合編目ウェールはスパイラル編目と平編目が1コース分ずれて編成されていることを特徴とする請求項2に記載の靴下。
- 前記レッグ部の上方部分の長さはレッグ部の長さの1/2〜2/3であり、下方部分の長さはレッグ部の長さの1/2〜1/3であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の靴下。
- 前記レッグ部における編目の大きさが、前記レッグ部の下方部分の下端から履き口部に向かって連続的にまたは段階的に大きくなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の靴下。
- 前記フット部は編目の増減により形成されたゴアラインを有する踵部を具備していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の靴下。
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JP2001200411A (ja) * | 2000-01-17 | 2001-07-27 | Abaante:Kk | 介護用筒編地 |
JP2010084254A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Gunze Ltd | ストッキング |
JP2016033276A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 福助株式会社 | 靴下およびその編成方法 |
JP3211919U (ja) * | 2017-05-31 | 2017-08-10 | 福助株式会社 | 靴下 |
JP2018119246A (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 吉谷靴下株式会社 | フットカバー |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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坂田信正 山本恒二, くつ下読本, vol. 初版, JPN6020035101, 20 March 1964 (1964-03-20), JP, pages 54 - 57, ISSN: 0004477905 * |
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