JP6375128B2 - ビアテイスト飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、ビアテイスト飲料に関する。
ビールや発泡酒等の飲料は年々多様化してきており、生活スタイルに合わせた様々な商品が上市されている。中でも、消費者のニーズにより、香り、味わい、のど越しなどを通常のビール飲料に似せたビアテイスト飲料の需要が拡大している。
このような飲料において、例えば、ビール様アルコール飲料に、起泡・泡持ち向上物質として、キサンタンガム、プルラン、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、ペクチン、アラビアガム、タマリンド種子多糖類、寒天、タラガム、ジェランガム等の増粘剤を加えることが知られている(特許文献1)。また、あわヘッドを有する飲料の泡安定剤としてペクチンを用いることも知られている(特許文献2)。また、苦味物質を含む低pHの飲料において、呈味を改善する技術として、5〜2000ppmの増粘剤を含む、pH3.7以下である飲料も知られている(特許文献3)。
特開2005−124591号公報 特表平10−510420号公報 特開2014−55号公報
一方、本発明者は、ビアテイスト飲料においてエタノール含有量が低いものを開発すべく検討を行ったところ、ポリフェノール濃度を高めることで、エタノール含有量が低くてもビールテイスト飲料に要求されるビールらしさ、特にのど越しを向上させることができることを見出す一方で、保存時において色調変化が生じやすいことを新たに見出した。本発明の課題は、保存時の色調変化の抑制されたエタノール低含有のビアテイスト飲料を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み検討した結果、pHを特定範囲内に制御し、高濃度のポリフェノールと増粘剤とが共存した状態で加熱殺菌処理を施すことにより、良好なビール風味を有しつつ、保存時の色調変化が抑制されたエタノール低含有のビアテイスト飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)ポリフェノール 0.01〜0.3質量%
(B)増粘剤
を含有し、成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌された、pH3〜4であり、エタノール含有量が1質量%未満のビアテイスト飲料を提供するものである。
本発明によれば、良好なビール風味を有しつつ、保存時の色調変化が抑制されたエタノール低含有のビアテイスト飲料を提供することができる。
本明細書において「ビアテイスト飲料」とは、酵母等で発酵させて醸造された通常のビール飲料のような味わい、のど越しを有する発泡飲料をいい、製品にビールのような風味を有する旨が謳われていないものも、通常のビール飲料のような味わい、のど越しを有する発泡飲料であれば含まれる。
本発明のビアテイスト飲料は、成分(A)としてポリフェノールを含有する。ここで、本明細書において「ポリフェノール」とは、酒石酸鉄法により測定されるものをいう。成分(A)を本発明のビアテイスト飲料に含有させるには、例えば本発明のビアテイスト飲料にポリフェノールを含有する原料を用いればよく、その原料の種類は特に限定されない。例えば、茶葉、麦芽、ホップ、コーヒー豆、リンゴ果実、ヒマワリ種子、シモン葉、マツ球果、マツ種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナス果皮、ウメ果実、フキタンポポ、ブドウ果皮、ブドウ種子等を挙げることができる。これら植物由来のポリフェノールの具体例としては、茶由来のポリフェノールとして、例えば、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、テアフラビン等のフラバノール;プロアントシアニジン、アントシアニン等のアントシアニン類が挙げられ、麦芽由来のポリフェノールとして、例えば、プロアントシアニジン等のアントシアニン類;ケルセチン、ミリセチン等のフラボノールが挙げられ、ホップ由来のポリフェノールとして、例えば、プロアントシアニジン等のアントシアニン類;ケルセチン、ケンフェロール等のフラボノール;キサントフモール等のプレニルフラボノイドが挙げられ、コーヒー由来のポリフェノールとしては、例えば、モノカフェオイルキナ酸、モノフェルラキナ酸、ジカフェオイルキナ酸等のクロロゲン酸が挙げられる。中でも、茶由来のポリフェノール、とりわけ緑茶由来のポリフェノールの場合に、本発明の効果が顕著に表れる観点から好ましい。
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)ポリフェノールの含有量は、0.01〜0.3質量%であるが、良好なビール風味を奏する観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、0.15質量%以上が更に好ましく、そして、0.28質量%以下が好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.23質量%以下が更に好ましい。かかる成分(A)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.05〜0.3質量%であり、より好ましくは0.08〜0.28質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.25質量%であり、更に好ましくは0.15〜0.23質量%である。なお、ここでいう成分(A)の含有量は、酒石酸鉄法により測定される、ビアテイスト飲料中のポリフェノールの総量であり、ポリフェノールの分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のビアテイスト飲料は、成分(B)として増粘剤を含有する。成分(B増粘剤は保存時の色調変化を抑制する。
成分(B)増粘剤としては、例えば、デンプン、デキストリン、グリコーゲン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キサンタンガム、キシログルカン、ローカストビーンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム等の増粘多糖類が好ましい。成分(B)は、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
中でも、保存時の色調変化を抑制する観点から、ペクチンが好ましい。ペクチンは、野菜や果実に細胞壁成分として存在する、α−D−ガラクツロン酸を主成分とする酸性多糖類であり、例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等の柑橘、馬鈴薯,甘藷,甜菜等の根菜、リンゴ等を原料として調製される。中でも、柑橘由来のペクチンが好ましい。
また、ペクチンを構成するガラクツロン酸は、部分的にメチルエステル化されており、本発明で使用するペクチンのエステル化度(DE)は、保存時の色調変化抑制の観点から、5%以上が好ましく、10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましく、50%以上がより更に好ましく、60%以上がより更に好ましく、66%以上がより更に好ましく、そして80%以下が好ましく、78%以下がより好ましく、75%以下が更に好ましく、70%以下がより更に好ましい。かかるエステル化度の範囲としては、好ましくは5〜80%、より好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜80%、より更に好ましくは20〜78%、より更に好ましくは30〜75%、殊更に好ましくは50〜70%であり、殊更に好ましくは60〜70%であり、殊更に好ましくは66〜70%である。このようなペクチンとして、LM-5CSJ、LM-106AS-YA-J、AS Confetionery-J、DD Slow Set-J、YH-150-LJ(以上、ゲニュー社製)、AYD5110SB(カーギル社製)等の市販品を使用することができる。なお、ペクチンのエステル化度は、例えば、滴定法等により測定することができる。
また、本発明のビアテイスト飲料中の成分(B)の含有量は、保存時の色調変化の抑制の観点から、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、0.1質量%以上が殊更に好ましく、また保存時の色調変化の抑制及び口当たりの観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましく、0.35質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.005〜1質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%、更に好ましくは0.05〜0.4質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.35質量%である。なお、成分(B)の含有量は、例えば、比色定量法、滴定法等により測定することができる。
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(B)との含有質量比〔(B)/(A)〕は、保存時の色調変化抑制の観点から、0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上が更に好ましく、また保存時の色調変化抑制と口当たりの観点から、3以下が更に好ましく、2.5以下がより更に好ましく、2以下がより更に好ましい。かかる質量比〔(B)/(A)〕の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.1〜3であり、より更に好ましくは0.3〜2.5であり、より更に好ましくは0.5〜2である。
また、本発明のビアテイスト飲料は、成分(C)としてα酸及びイソα酸を含有することができる。(C)α酸及びイソα酸は、主にホップに由来するものであるが、ホップ以外の配合成分に由来するものであってもよい。ここで、本明細書において「α酸」とは、 フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン及びプレフムロンの総称であり、また「イソα酸」とは、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン及びイソプレフムロンの総称である。本発明においては、上記5種のα酸及び上記5種のイソα酸のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、α酸及びイソα酸の含有量は、上記10種の合計量に基づいて定義される。
本発明のビアテイスト飲料中の成分(C)の含有量は、ビール風味付与及び保存時の色調変化抑制の観点から、0.000001質量%以上が好ましく、0.000005質量%以上がより好ましく、0.00001質量%以上が更に好ましく、0.00005質量%以上が殊更に好ましく、また苦味の観点から、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下が更に好ましく、0.005質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.000001〜0.1質量%、より好ましくは0.000005〜0.05質量%、更に好ましくは0.00001〜0.01質量%であり、殊更に好ましくは0.00005〜0.005質量%である。
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(A)〕は、ビール風味及び保存時の色調変化抑制の観点から、0.00003以上が好ましく、0.00005以上がより好ましく、0.0001以上が更に好ましく、0.0005以上が殊更に好ましく、また苦味の観点から、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.01以下が更に好ましい。かかる含有質量比〔(C)/(A)〕の範囲としては、好ましくは0.00003〜0.1、より好ましくは0.00005〜0.05、更に好ましくは0.0001〜0.01であり、殊更に好ましくは0.0005〜0.01である。
本発明のビアテイスト飲料は、エタノールの含有量が1質量%未満であるが、エタノール低減の観点から、0.7質量%未満が好ましく、0.6質量%未満がより好ましく、0.3質量%未満が更に好ましく、0.1質量%未満が更に好ましく、0.00質量%であってもよい。ここで、本明細書において「エタノール含有量が0.00質量%」とは、後掲の実施例に記載の「エタノールの分析」において、エタノール含有量を質量%で示した時にエタノール含有量が少数点二桁未満において検出限界以下である場合も包含する概念である。
本発明のビアテイスト飲料は、成分(D)として酸味料を含有することができる。
成分(D)は、有機酸でも、無機酸でもよく、それらの塩であってもよい。具体的には、例えば、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、フィチン酸、酢酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上を挙げることができる。中でも、グルコン酸、クエン酸、リン酸及びそれらの塩から選択される1種又は2種以上が良好なビール風味の観点から好ましい。なお、塩としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
本発明のビアテイスト飲料は、成分(E)として炭酸ガスを含有することができる。
本発明のビアテイスト飲料中に圧入する炭酸ガスは、保存時の色調変化抑制及び良好なビール風味の観点からガス容量比で1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2以上が更に好ましく、そして、3以下が好ましく、2.7以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましい。かかる成分(E)の含有量の範囲としては、ガス容量比で、好ましくは1〜3、より好ましくは1.5〜2.7、更に好ましくは2〜2.5である。ここで、本明細書において「ガス容量比(ガスボリューム)」とは、1気圧、20℃におけるビアテイスト飲料の容量に対する溶解している炭酸ガス容量の比率をいう。
本発明のビアテイスト飲料は、更に香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明のビアテイスト飲料の粘度(8℃)は、保存時の色調変化抑制及び良好なビール風味の観点から、2mPa・s以上が好ましく、2.2mPa・s以上がより好ましく、2.4mPa・s以上が更に好ましく、2.6mPa・s以上が更に好ましく、2.7mPa・s以上が殊更に好ましく、また喉越しの観点から、6mPa・s以下が好ましく、5.5mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以下が更に好ましく、4.5mPa・s以下が更に好ましく、4mPa・s以下が殊更に好ましく、3.5mPa・s以下が殊更に好ましい。かかるビアテイスト飲料の粘度の範囲としては、好ましくは2〜6mPa・s、より好ましくは2.2〜5.5mPa・s、更に好ましくは2.4〜5mPa・s、更に好ましくは2.6〜4.5mPa・s、殊更に好ましくは2.7〜4mPa・sであり、殊更に好ましくは2.7〜3.5mPa・sである。なお、粘度の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のビアテイスト飲料のpH(20℃)は3〜4であるが、保存時の色調変化抑制及び良好なビール風味の観点から、3.2以上が好ましく、3.4以上が更に好ましく、また保存時の色調安定性の観点から、3.9以下が好ましく、3.8以下が更に好ましい。かかるpHの範囲としては、好ましくは3.2〜3.9、更に好ましくは3.4〜3.8である。なお、pHは、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、温度調整をして測定するものとする。また、ビアテイスト飲料中に炭酸ガスが含まれる場合には、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、スターラーピースを入れてスターラーで激しく20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定するものとする。
また、本発明のビアテイスト飲料は、色調安定性の観点から、55℃で44時間保存した後のビアテイスト飲料のL値、a値、b値から、製造直後のビアテイスト飲料のL値、a値、b値における各差を2乗した和の平方根(ΔE)が7以下であることが好ましい。
ここで、「L値」とは、Lab表色系において明度を示す指標であり、L値の値が大きいほど明るいことを示す。また、「b値」とは、Lab表色系において黄〜青の軸で表される色相・彩度であり、b値が大きいほど黄色の色相が高く、b値が小さいほど青色の色相が高いことを意味する。「a値」とは、Lab表色系において赤〜緑の軸で表される色相・彩度であり、a値が大きいほど赤色の色相が高く、a値が小さいほど緑色の色相が高いことを意味する。なお、L値、a値及びb値の測定方法は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明のビアテイスト飲料は、例えば、成分(A)及び成分(B)、所望により成分(C)〜(E)、添加剤を配合し、成分(A)の濃度、エタノール濃度及びpHを調整し、加熱殺菌することにより製造することができる。
成分(A)の由来原料としては、例えば、カテキン製剤、麦芽エキス、ホップエキス等を使用することができる。カテキン製剤としては、例えば、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される茶葉から抽出により得られる抽出液又はその濃縮物が挙げられる。カテキン製剤として、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等の市販品を使用してもよい。また、カテキン製剤を、例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報、特開2007−282568号公報、特開2006−160656号公報、特開2008−079609号公報等に記載の方法により精製したものを使用することもできる。また、麦芽エキスとしては、例えば、大麦を発芽させた麦芽を糖化して得られる麦汁を濃縮又は乾燥したものが挙げられる。更に、ホップエキスとしては、例えば、ホップ、中でもホップの毬花から抽出により得られた抽出液又はその濃縮物が挙げられる。麦芽エキス、ホップエキスとして、市販品を使用することもできる。
ビアテイスト飲料には、発酵ビアテイスト飲料と非発酵ビアテイスト飲料がある。発酵ビアテイスト飲料とは、飲料製造工程中に発酵工程を経るものであり、例えば、麦芽の糖化液を主原料に酵母等を接種して発酵工程を経た後、エタノールを1質量%未満に低減することにより製造される。一方、非発酵ビアテイスト飲料は、飲料製造工程中に発酵工程を経ないものであり、例えば、水、麦汁、麦芽エキス、調味料、香料等に、酵母等を接種せず発酵工程を経ないで製造される。なお、非発酵ビアテイスト飲料は、飲料製造工程中に発酵工程を経るものの、エタノール発酵は抑制したものも含まれる。例えば、水、麦汁、麦芽エキス、調味料、香料等に、酵母等を接種して発酵工程を経るもののエタノール発酵は抑制して製造されるものも含まれる。本発明においては、非発酵ビアテイスト飲料が本発明の効果を十分に引き出す観点から好ましい。
本発明のビアテイスト飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶等の通常の包装容器に充填して、容器詰ビアテイスト飲料として提供することができる。
また、本発明のビアテイスト飲料は、成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌されている。成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌されされることで、保存時の色調変化が顕著に抑制されることを今般本発明者が見出した。加熱殺菌方法としては、成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱されるものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。また、飲料の容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌できる場合にあってはレトルト殺菌を採用することができる。また、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えば65〜130℃で0.1秒〜30分間、好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間、加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器、例えば熱耐圧性PETボトルに充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の飲料及び方法を開示する。
<1>
次の成分(A)及び(B);
(A)ポリフェノール 0.01〜0.3質量%
(B)増粘剤
を含有し、成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌された、pH3〜4であり、かつエタノール含有量が1質量%未満のビアテイスト飲料。
<2>
次の成分(A)及び(B);
(A)ポリフェノール 0.01〜0.3質量%
(B)増粘剤
を配合し、pHを3〜4に調整する工程を含む、成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌された、エタノール含有量が1質量%未満のビアテイスト飲料の保存時の色調変化の抑制方法。
<3>
成分(A)が、好ましくは植物由来のポリフェノールであり、より好ましくは茶葉、麦芽、ホップ、コーヒー豆、リンゴ果実、ヒマワリ種子、シモン葉、マツ球果、マツ種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナス果皮、ウメ果実、フキタンポポ、ブドウ果皮、及びブドウ種子から選ばれる1種又は2種以上の植物由来のポリフェノールである、前記<1>記載のビアテイスト飲料又は前記<2>記載の保存時の色調変化の抑制方法(以下、「ビアテイスト飲料又は保存時の色調変化の抑制方法」を「ビアテイスト飲料等」と称する)。
<4>
成分(A)が、好ましくは茶由来のポリフェノール、麦芽由来のポリフェノール、ホップ由来のポリフェノール、及びコーヒー由来のポリフェノールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは茶由来のポリフェノールであり、より好ましくは緑茶由来のポリフェノールであり、更に好ましくはフラバノールであり、より更に好ましくはカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート及びテアフラビンから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<5>
ビアテイスト飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であって、好ましくは0.28質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.23質量%以下である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<6>
ビアテイスト飲料中の成分(A)の含有量が、好ましくは0.05〜0.3質量%であり、より好ましくは0.08〜0.28質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.25質量%であり、更に好ましくは0.15〜0.23質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<7>
成分(B)が、好ましくは増粘多糖類であり、より好ましくはデンプン、デキストリン、グリコーゲン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キサンタンガム、キシログルカン、ローカストビーンガム、アラビアガム、トラガントガム、及びカラヤガムから選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくはペクチンである、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<8>
ペクチンが、好ましくは柑橘由来のペクチンであり、より好ましくはオレンジ、レモン、ライム、及びグレープフルーツから選ばれる柑橘由来のペクチンである、前記<7>記載のビアテイスト飲料等。
<9>
ペクチンのエステル化度(DE)が、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上、更に好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、より更に好ましくは66%以上であって、好ましくは80%以下、より好ましくは78%以下、更に好ましくは75%以下、より更に好ましくは70%以下である、前記<7>又は<8>記載のビアテイスト飲料等。
<10>
ペクチンのエステル化度(DE)が、好ましくは5〜80%、より好ましくは10〜80%、更に好ましくは15〜80%、より更に好ましくは20〜78%、より更に好ましくは30〜75%、殊更に好ましくは50〜70%であり、殊更に好ましくは60〜70%であり、殊更に好ましくは66〜70%である、前記<7>〜<9>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<11>
ビアテイスト飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以下である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<12>
ビアテイスト飲料中の成分(B)の含有量が、好ましくは0.005〜1質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%、更に好ましくは0.05〜0.4質量%であり、殊更に好ましくは0.1〜0.35質量%である、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<13>
ビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(B)との含有質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、更に好ましくは0.5以上であって、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下である、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<14>
ビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(B)との含有質量比〔(B)/(A)〕が、好ましくは0.1〜3であり、より好ましくは0.3〜2.5であり、更に好ましくは0.5〜2である、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<15>
好ましくは成分(C)としてα酸及びイソα酸を含有する、前記<1>〜<14>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<16>
α酸及びイソα酸が、好ましくはフムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン、プレフムロン、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン及びイソプレフムロンから選ばれる1種又は2種以上である、前記<15>記載のビアテイスト飲料等。
<17>
ビアテイスト飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.000005質量%以上、更に好ましくは0.00001質量%以上、より更に好ましくは0.00005質量%以上であって、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下、より更に好ましくは0.005質量%以下である、前記<15>又は<16>記載のビアテイスト飲料等。
<18>
ビアテイスト飲料中の成分(C)の含有量が、好ましくは0.000001〜0.1質量%、より好ましくは0.000005〜0.05質量%、更に好ましくは0.00001〜0.01質量%であり、殊更に好ましくは0.00005〜0.005質量%である、前記<15>〜<17>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<19>
ビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(A)〕が、好ましくは0.00003以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、より更に好ましくは0.0005以上であって、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下、更に好ましくは0.01以下である、前記<15>〜<18>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<20>
ビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(A)〕が、好ましくは0.00003〜0.1、より好ましくは0.00005〜0.05、更に好ましくは0.0001〜0.01、より更に好ましくは0.0005〜0.01である、前記<15>〜<19>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<21>
ビアテイスト飲料中のエタノールの含有量が、好ましくは0.7質量%未満、より好ましくは0.6質量%未満、更に好ましくは0.3質量%未満であり、更に好ましく、0.1質量%未満、また0.00質量%であってもよい、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<22>
好ましくは成分(D)として酸味料を含有する、前記<1>〜<21>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<23>
成分(D)が、好ましくは有機酸、無機酸、及びそれらの塩(好ましくはアルカリ金属塩)から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはグルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、フィチン酸、酢酸及びそれらの塩(好ましくはアルカリ金属塩)から選択される1種又は2種以上であり、更に好ましくはグルコン酸、クエン酸、リン酸及びそれらの塩(好ましくはアルカリ金属塩)から選ばれる1種又は2種以上である、前記<22>記載のビアテイスト飲料等。
<24>
好ましくは成分(E)として炭酸ガスを含有する、前記<1>〜<23>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<25>
ビアテイスト飲料中の(E)炭酸ガスの含有量が、ガス容量比で、好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上であって、好ましくは3以下、より好ましくは2.7以下、更に好ましくは2.5以下である、前記<24>記載のビアテイスト飲料等。
<26>
ビアテイスト飲料中の(E)炭酸ガスの含有量が、ガス容量比で、好ましくは1〜3、より好ましくは1.5〜2.7、更に好ましくは2〜2.5である、前記<24>又は<25>記載のビアテイスト飲料等。
<27>
好ましくは香料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、各種エステル、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、及び品質安定剤から選ばれる添加剤の1種又は2種以上を更に含有する、前記<1>〜<26>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<28>
ビアテイスト飲料の粘度(8℃)が、好ましくは2mPa・s以上、より好ましくは2.2mPa・s以上、更に好ましくは2.4mPa・s以上、更に好ましくは2.6mPa・s以上、より更に好ましくは2.7mPa・s以上であって、好ましくは6mPa・s以下、より好ましくは5.5mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下、更に好ましくは4.5mPa・s以下、更に好ましくは4mPa・s以下、より更に好ましくは3.5mPa・s以下である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<29>
ビアテイスト飲料の粘度(8℃)が、好ましくは2〜6mPa・s、より好ましくは2.2〜5.5mPa・s、更に好ましくは2.4〜5mPa・s、更に好ましくは2.6〜4.5mPa・s、殊更に好ましくは2.7〜4mPa・sであり、殊更に好ましくは2.7〜3.5mPa・sである、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<30>
ビアテイスト飲料のpH(20℃)が、好ましくは3.2以上、更に好ましくは3.4以上であって、好ましくは3.9以下、更に好ましくは3.8以下である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<31>
ビアテイスト飲料のpH(20℃)が、好ましくは3.2〜3.9、更に好ましくは3.4〜3.8である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<32>
製造直後のビアテイスト飲料のLab表色系のL値、a値、b値と、55℃で44時間保存後のビアテイスト飲料のLab表色系のL値、a値、b値とから、下記式;
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb20.5
により求められるΔEが、好ましくは7以下である、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<33>
好ましくは発酵ビアテイスト飲料又は非発酵ビアテイスト飲料であり、より好ましくは非発酵ビアテイスト飲料である、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<34>
好ましくは容器詰ビアテイスト飲料である、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<35>
加熱殺菌条件が、好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、超高温殺菌(UHT)である、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<36>
飲料をあらかじめ加熱殺菌し、該加熱殺菌された飲料を無菌環境下で、殺菌処理された容器に充填したものである、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
<37>
加熱殺菌条件が、好ましくは65〜130℃で0.1秒〜30分間、より好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間である、前記<1>〜<36>のいずれか一に記載のビアテイスト飲料等。
1.ポリフェノールの分析
標準液として没食子酸エチルを用い、酒石酸鉄法により、没食子酸の換算量として求めた(「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10、社団法人菓子総合技術センター)。具体的には、試料1mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線からポリフェノール量を求めた。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
リン酸緩衝液の調製:1/15Mリン酸水素二ナトリウム溶液と、1/15Mリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
2.α酸及びイソα酸の分析
BCOJビール分析法 6.2.2α酸、β酸−HPLC法−に準じて分析した。
分析条件は以下の通りである。
分析用異動相;
A液 :メタノール/水/85質量%リン酸/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム=755mL/2255mL/17g/29.5g (pH3〜3.1)
B液 :メタノール
C液 :メタノール/水/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム/42.5質量%リン酸=465mL/135mL/17.7g/適量 (pH4.85)
検出 : 0−13分254nm(イソα酸)、13.1−22分326nm(α酸)、22.1−30分346nm(β酸)
試料量: 10.0μL
流速 : 1.5mL/min
カラム温度: 50℃
移動相のタイムプログラム:
0-8min A液
8.01 min C液
8.02-23min グラジェント 0-50質量%B液、100-50質量%C液
23.01-28min 50質量%B液、50質量%C液
28.01min A液
3.エタノールの分析
エタノールの分析は、次に示すガスクロマトグラフ法にしたがって行った。
分析機器は、GC-14B(島津製作所社製)を使用した。
分析機器の装置構成は次の通りである。
検出器 :FID
カラム :Gaskuropack55、80〜100mesh、φ3.2mm×3.1mm
分析条件は次の通りである。
温度 :試料注入口及び検出機250℃、カラム130℃
ガス圧力:ヘリウム(キャリアガス)140kPa、水素 60kPa、空気 50kPa
注入量 :2μL
以下の手順にて分析用試料を調製した。
検体5gを量りとり、これに水を加えて25mLに定容した。その溶液をディスクろ過し、試料溶液とした。調製した試料溶液をガスクロマトグラフ分析に供した。
4.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃程度(18〜22℃)まで温め、液温を均一にした。
2)試料を測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行った。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
5.粘度の測定
1)測定条件
装置 :粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS. INC.製) MODEL PVDV-It
Spindle:2
2)測定方法
8℃に調整したサンプル50mLをカップに注ぎ、spindle2をサンプルに浸漬後、60rpm、1.5分の条件にて得られた数値を粘度(mPa・s)とした。
6.色調変化の測定
分光色差計(SE−2000、日本電色工業社製)を用い、試料を光路長10mmの石英セルに入れてLab表色系のL値、a値及びb値を25℃にて測定した。製造直後のビアテイスト飲料のL値、a値、b値と、55℃で44時間保存後のビアテイスト飲料のL値、a値、b値から、両者のL値、a値、b値における各差分を求めた後、下記式によりΔEを算出した。
ΔE=(ΔL2+Δa2+Δb20.5
製造例1
カテキン製剤の製造
緑茶抽出液の濃縮物(ポリフェノンHG、三井農林(株)製)200gを、25℃にて250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次に、2号ろ紙で濾過した後、濾液に活性炭16gを添加し、再び2号ろ紙で濾過した。次に0.2μmメンブランフィルターで再濾過した。次に、40℃、減圧下にて濾液からエタノールを留去し、イオン交換水でポリフェノール濃度を調整してカテキン製剤を得た。当該カテキン製剤は、酒石酸鉄法により測定されるポリフェノール濃度が15.5質量%であった。
実施例1〜6及び比較例1
表1に示す各成分をイオン交換水に混合溶解し24gにした後、グルコン酸で所定のpH(最終製品pHが3.4〜3.5となるpH)に調整した。次に4℃に冷却した炭酸ガス容量比3.2の炭酸水と水で全量100g(炭酸ガスの容量比2.5)とし、耐熱耐圧性PETボトルに充填し(ポストミックス方式)65℃で20分間加熱殺菌してビアテイスト飲料を得た。得られたビアテイスト飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
比較例2
表1に示すペクチン以外の成分をイオン交換水に混合溶解し24gにした後、グルコン酸で所定のpH(最終製品pHが3.5となるpH)に調整した。次に4℃に冷却した炭酸ガス容量比3.2の炭酸水と水で全量100g(炭酸ガスの容量比2.5)とし、耐熱耐圧性PETボトルに充填し(ポストミックス方式)65℃で20分間加熱殺菌した。次いで、表1に示すペクチンを配合し、ビアテイスト飲料を得た。得られたビアテイスト飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
Figure 0006375128
表1から、高濃度のポリフェノールと増粘剤とを含有させた状態で加熱殺菌を施し、pHを特定範囲内に制御することで、良好なビール風味を有しつつ、保存時の色調変化の抑制されたビアテイスト飲料が得られることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. 次の成分(A)及び(B);
    (A)ポリフェノール 0.01〜0.3質量%
    (B)ペクチン
    を含有し、
    成分(B)のエステル化度が60〜69%であり、
    成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.3〜2であり、
    成分(A)及び(B)が共存した状態で加熱殺菌された、pH3〜4であり、かつ、エタノール含有量が1質量%未満のビアテイスト飲料。
  2. 成分(B)の含有量が0.005〜1質量%である、請求項記載のビアテイスト飲料。
  3. 更に成分(C)としてα酸及びイソα酸を含有する、請求項1又は2記載のビアテイスト飲料。
  4. 成分(A)と成分(C)との含有質量比〔(C)/(A)〕が0.00003〜0.1である、請求項1〜のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  5. ペクチンが柑橘由来のものである、請求項のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  6. 成分(A)が茶由来のポリフェノールである、請求項1〜のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  7. 加熱殺菌条件が65〜130℃で0.1秒〜30分間である、請求項1〜のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  8. Lab表色系におけるΔE値が5.6以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  9. エタノール含有量が0.00質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載のビアテイスト飲料。
  10. 更に成分(E)として炭酸ガスを含有し、該炭酸ガスの含有量がガス容量比で1〜3である、請求項1〜のいずれか一項に記載のビアテイスト飲料。
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