JP6243892B2 - 容器詰飲料 - Google Patents

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本発明は、容器詰飲料に関する。
近年、健康志向の高まりから、ポリフェノールの生理効果が注目されている。例えば、ポリフェノールの一つである非重合体カテキン類について、コレステロール上昇作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されており、これらを強化した非重合体カテキン類含有容器詰飲料が開発されている。しかしながら、非重合体カテキン類強化容器詰飲料においては、配合する他の成分によっては濁りが発生して嗜好性が低下することがある。
一方、ビールや発泡酒等の飲料は年々多様化してきており、生活スタイルに合わせた様々な商品が上市されている。中でも、消費者のニーズにより、香り、味わい、のど越しなどを通常のビール飲料に似せたビアテイスト飲料の需要が拡大している。
このような消費者ニーズに応えるべく、アルコール低含有のビアテイスト飲料として、例えば、非重合体カテキン類及び麦芽エキスを一定量配合し、非重合体カテキン類とカリウムとの量比、並びに非重合体カテキン類とアルコールとの量比を一定に制御することにより、苦味及び後味のキレを改善し、渋味の抑制されたビール風味飲料が提案されている(特許文献1)。また、麦由来成分及び水溶性食物繊維を含有するビールテイスト飲料に対し、塩類の含有量を300〜1000ppmに調整することにより、ビールテイスト飲料のコク及びキレを改善できることが報告されている(特許文献2)。
特開2012−147778号公報 特開2014−166168号公報
本発明者らは、非重合体カテキン類を含有する飲料にプロリンが含有されると、エタノール含有量が比較的高いときには濁りが生じにくいものの、エタノール含有量を1質量%未満に低減したときに特異的に大きな濁りが生ずることを見出した。
本発明の課題は、非重合体カテキン類及びプロリンを含有するにも拘わらず、濁りの生じ難いエタノール含有量が1質量%未満の容器詰飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討した結果、エタノール含有量が1質量%未満の容器詰飲料において、所定量の非重合体カテキン類及びプロリンとともに、塩化物イオンを含有させ、非重合体カテキン類と、塩化物イオンとの質量比を特定範囲内に制御することにより、濁りの生じ難い容器詰飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)非重合体カテキン類 0.001〜0.5質量%、及び
(B)塩化物イオン
(D)プロリン 0.000001〜0.1質量%
を含有し、
成分(A)の含有量と、成分(B)の含有量との質量比[(B)/(A) ]が0.01〜15であり、かつ
エタノール含有量が1質量%未満である容器詰飲料を提供するものである。
本発明によれば、非重合体カテキン類及びプロリンを含有するにも拘わらず、濁りの生じ難いエタノール含有量が1質量%未満の容器詰飲料を提供することができる。
本発明の容器詰飲料は、成分(A)として非重合体カテキン類を含有する。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称である。成分(A)の含有量は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の容器詰飲料中の成分(A)の含有量は0.001〜0.5質量%であるが、生理効果発現の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上が更に好ましく、0.04質量%以上がより更に好ましく、0.05質量%以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.4質量%以下が好ましく、0.3質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下が更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.01〜0.4質量%であり、より好ましくは0.02〜0.4質量%であり、更に好ましくは0.03〜0.3質量%であり、より更に好ましくは0.04〜0.2質量%であり、殊更に好ましくは0.05〜0.2質量%である。なお、成分(A)の含有量は、液体クロマトグラフィーで分析することが可能であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。
また、本発明の容器詰飲料は、該飲料の濁りを抑制するために、成分(B)として塩化物イオンを含有する。なお、成分(B)は、本発明の容器詰飲料中に塩化物の形態で配合することができる。塩化物としては、本発明の飲料中にて塩化物イオンに解離するものであればよく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の一価の金属との塩化物や、塩化マグネシウム等の二価の金属との塩化物が挙げられ、これらのうち少なくとも1種を含有させることができる。中でも、一価の金属との塩化物がより一層の濁りの抑制の観点から好ましい。
本発明の容器詰飲料中の成分(B)の含有量は、濁り抑制の観点から、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、そして2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.005〜1質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。なお、容器詰飲料中における成分(B)の含有量は、添加された塩化物由来の塩化物イオンの量のみならず、その他配合成分に由来する量も含む。また、成分(B)の含有量は、通常知られている塩化物イオンの分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の硝酸銀滴定法のみならず、イオンクロマトグラフ法やイオン電極法でも分析することが可能である。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の容器詰飲料中の成分(A)と、成分(B)との質量比 [(B)/(A)]は0.01〜15であるが、より一層の濁りの抑制の観点から、0.02以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上が更に好ましく、0.1以上がより更に好ましく、そして10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.02〜10、より好ましくは0.03〜10、更に好ましくは0.05〜10、より更に好ましくは0.1〜5、殊更に好ましくは0.1〜2である。
本発明の容器詰飲料は、成分(C)としてカルボン酸及びその塩を含有することができる。カルボン酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、フィチン酸、酢酸等を挙げることができる。塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。成分(D)は、1種又は2種以上を含有することができる。中でも、成分(C)としては、濁り抑制、風味の観点から、グルコン酸、クエン酸、コハク酸及びそれらの塩から選択される少なくとも1種が好ましく、グルコン酸及びその塩から選択される少なくとも1種が更に好ましい。
本発明の容器詰飲料中の成分(C)の含有量は、濁り抑制の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.0001〜1質量%であり、より好ましくは0.0005〜0.5質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.1質量%である。なお、成分(C)の含有量は、通常知られているカルボン酸の分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。また、成分(C)が塩の形態である場合、成分(C)の含有量はその遊離酸量に換算した値とする。
本発明の容器詰飲料は、成分(D)としてプロリンを含有する。プロリンは、甘味と苦味の両方を兼ね備えたアミノ酸であり、例えば、大麦を発芽させた麦芽に含まれる成分であるが、麦芽に由来するものでも、麦芽以外の配合成分に由来するものでも、新たに加えられたものであってもよい。
本発明の容器詰飲料中の成分(D)の含有量は0.000001〜0.1質量%であるが、0.00001質量%以上が好ましく、0.00005質量%以上がより好ましく、0.0001質量%以上が更に好ましく、また風味バランスの観点から、0.01質量%以下が好ましく、0.005質量%以下がより好ましく、0.003質量%以下が更に好ましく、0.001質量%以下がより更に好ましく、0.0008質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(D)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.000001〜0.01質量%であり、より好ましくは0.00001〜0.005質量%であり、更に好ましくは0.00001〜0.003質量%であり、より更に好ましくは0.00005〜0.001質量%であり、殊更に好ましくは0.0001〜0.0008質量%である。
なお、成分(D)の含有量は、通常知られているアミノ酸分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することが可能である。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
更に、本発明の容器詰飲料は、成分(E)として炭酸ガスを含有することができる。圧入する炭酸ガスは、濁り抑制の観点から、本発明の容器詰飲料中に、ガス容量(GV)で1v/v以上が好ましく、1.5v/v以上がより好ましく、2v/v以上が更に好ましく、そして2.9v/v以下が好ましく、2.8v/v以下がより好ましく、2.7v/v以下が更に好ましい。本発明の容器詰飲料中の成分(E)の含有量の範囲としては、ガス容量比で、好ましくは1〜2.9v/v、より好ましくは1.5〜2.8v/v、更に好ましくは2〜2.7v/vである。ここで、本明細書において「ガス容量(GV)」とは、1気圧、0℃における容器詰飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比を表す。成分(E)の分析は、通常知られている炭酸ガスの測定方法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することができる。
本発明の容器詰飲料は、α酸、イソα酸及びβ酸から選択される少なくとも1種を更に含有することが可能であり、(F1)α酸及びイソα酸から選択される少なくとも1種と、(F2)β酸とを含有することも可能である。α酸、イソα酸及びβ酸は、ホップに含まれるものであるが、ホップに由来するものでも、ホップ以外の配合成分に由来するものでも、新たに加えられたものであってもよい。ここで、本明細書において「α酸」とは、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン及びプレフムロンの総称であり、また「イソα酸」とは、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン及びイソプレフムロンの総称であり、更に「β酸」とは、ルプロン、アドルプロン及びコルプロンの総称である。
本発明の容器詰飲料中の成分(F1)の含有量は、濁りの抑制の観点から、0.0000001質量%以上が好ましく、0.000001質量%以上がより好ましく、0.00001質量%以上が更に好ましく、そして0.001質量%以下が好ましく、0.0005質量%以下がより好ましく、0.0001質量%以下が更に好ましい。かかる成分(F1)の含有量の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0.0000001〜0.001質量%、より好ましくは0.000001〜0.0005質量%、更に好ましくは0.00001〜0.0001質量%である。なお、成分(F1)の含有量は上記5種のα酸及び上記5種のイソα酸の合計量に基づいて定義され、成分(F1)は上記10種のうち少なくとも1種を含有すればよい。成分(F1)の含有量は、液体クロマトグラフィーで分析することが可能であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の容器詰飲料中の成分(F2)の含有量は、濁りの抑制の観点から、0.001質量%以下が好ましく、0.0005質量%以下がより好ましく、0.0001質量%以下が更に好ましく、殊更にはより一層の濁りの抑制の観点からは実質的に0質量%であるものが好ましい。ここで、「実質的に0質量%」とは、後掲の実施例に記載の「α酸、イソα酸及びβ酸の分析」において、β酸が小数点3桁未満において検出限界以下である場合も包含する概念である。なお、成分(F2)の含有量は上記3種のβ酸の合計量に基づいて定義され、成分(F2)は上記3種のうち少なくとも1種を含有すればよい。成分(F2)の含有量は、液体クロマトグラフィーで分析することが可能であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法で分析することが可能である。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
また、本発明の容器詰飲料は、成分(F2)と、成分(F1)及び成分(F2)の総量との質量比〔(F2)/[(F1)+(F2)]〕が、濁りの抑制の観点から、0.99以下が好ましく、0.98以下がより好ましく、0.96以下が更に好ましい。かかる質量比〔(F2)/[(F1)+(F2)]〕の範囲としては、本発明の容器詰飲料中に、好ましくは0〜0.99、より好ましくは0〜0.98、更に好ましくは0〜0.96であり、殊更にはより一層の濁りの抑制の観点からは実質的に〔(F2)/[(F1)+(F2)]〕が0であるものが好ましい。
本発明の容器詰飲料は、(G)エタノールの含有量が1質量%未満であるが、0.7質量%未満が好ましく、0.5質量%未満がより好ましく、0.3質量%未満が更に好ましく、0.00質量%がより更に好ましい。なお、「エタノール含有量が0.00質量%」とは、後掲の実施例に記載の「エタノールの分析」において、エタノールの含有量が小数点二桁未満において検出限界以下である場合も包含する概念である。なお、成分(G)の含有量は、通常知られているエタノール分析法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定することが可能である。
本発明の容器詰飲料のpH(20℃)は、濁りの抑制の観点から、2以上が好ましく、2.5以上がより好ましく、2.8以上が更に好ましく、3.1以上がより更に好ましく、そして4以下が好ましく、3.9以下が更に好ましく、3.8以下が更に好ましい。pHの範囲としては、好ましくは2〜4、より好ましくは2.5〜4、更に好ましくは2.8〜3.9、より更に好ましくは3.1〜3.8である。なお、pHは、容器詰飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、温度調整をして測定するものとする。また、容器詰飲料中に炭酸ガスが含まれる場合には、容器詰飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、スターラーピースを入れてスターラーで激しく20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定するものとする。
本発明の容器詰飲料は、更に香料、甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、エステル、色素、乳化剤、保存料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の容器詰飲料は、例えば、成分(A)、(B)及び(D)、所望により他の成分を配合し、成分(A)及び(D)の各含有量、質量比[(B) /(A) ]及びエタノール濃度を特定範囲内に調整することにより製造することができる。
例えば、(A)非重合体カテキン類を含有させるために、茶抽出物等を配合しても良い。茶抽出物としては、例えば、茶から得られた抽出物が挙げられる。茶としては、例えば、Camellia属、例えば、C. sinensis var.sinensis(やぶきた種を含む)、C. sinensis var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉(Camellia sinensis)が好適に使用される。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、碾茶、釜入り茶、茎茶、棒茶、芽茶等の緑茶が挙げられる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカ等の紅茶が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、緑茶が好適である。また、抽出方法としては、攪拌抽出、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。
また、茶抽出物として、例えば、市販されているものを使用してもよい。市販品としては、三井農林社製の「ポリフェノン」、伊藤園社製の「テアフラン」、太陽化学社製の「サンフェノン」等が例示される。
更に、茶抽出物として、茶抽出物を精製したものを使用することもできる。精製方法としては、例えば、下記(i)及び(ii)のいずれかの方法、あるいは2以上の組み合わせが挙げられる。
(i)茶抽出物を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去する方法(例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報)。
(ii)茶抽出物を活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
上記(i)及び(ii)の方法において、茶抽出物としてタンナーゼ処理したものを使用することも、(i)及び(ii)の処理後、タンナーゼ処理することもできる。ここで、「タンナーゼ処理」とは、茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいう。なお、タンナーゼ処理における具体的な操作方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法を挙げることができる。
また、例えば、成分(D)を含有させるために、麦汁や麦芽エキス等の麦芽由来原料を配合しても良い。なお、麦汁とは、 麦芽を糖化させて得られるものであり、より具体的には、麦類に水を加えて発芽させ、乾燥したものに、温水を加えて常法で処理して麦類に含まれる 酵素の働きでデンプン質を分解(糖化)し、圧搾又は抽出して得られるものである。麦汁の形態としては、例えば、液体、濃縮物、又は粉末状のものがある。また、麦汁として、麦芽を糖化した後に酵母を接種して発酵させたものを使用することも可能であるが、ノンアルコール飲料を簡便に製造する観点、及び新鮮な麦芽の香りを付与する観点から、非発酵のものが好ましい。非発酵の麦汁は、例えば、麦類に水を加えて発芽させ乾燥した後、必要により焙煎し温水で抽出するか、又は必要により焙煎し糖化した後に温水で抽出して得ることもできる。非発酵の麦汁はまた、例えば、酵母を接種するがアルコール発酵は抑制したものも含む。発芽に使用する麦類としては、二条大麦、六条大麦等の大麦を挙げることができる。また、発芽方法としては、例えば、Kasten発芽法、Wanderhaufen発芽法、Flexibox発芽法、Tower発芽法、Trommel発芽法等が挙げられ、適宜選択することができる。また、麦芽の糖化は、α-アミラーゼやグルコアミラーゼ等の糖化酵素を添加して行ってもよい。
本発明においては、麦汁として、麦芽エキス(モルトエキス)を使用することもできる。麦芽エキス(モルトエキス)は、例えば、麦汁を濃縮することで調製される。
本発明の容器詰飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料等の茶飲料、ビアテイスト飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤、炭酸飲料等の非重合体カテキン類を含有した非アルコール飲料であってもよい。本発明の効果を十分に享受しやすい点で、例えばビアテイスト飲料のような、エタノール1%未満の酒風味飲料であると更に好ましい。
本明細書において「ビアテイスト飲料」とは、酵母等で発酵させて醸造された通常のビール飲料のような味わいを有する飲料をいい、製品名称、表示にかかわらず、香味上ビールを想起させる呈味を有するものであればビアテイスト飲料に包含される。
なお、ビアテイスト飲料には、発酵ビアテイスト飲料と非発酵ビアテイスト飲料がある。発酵ビアテイスト飲料とは、飲料製造工程中に発酵工程を経るものであり、例えば、麦芽の糖化液を主原料に酵母等を接種して発酵工程を経た後、エタノールを1質量%未満に低減することにより製造される。一方、非発酵ビアテイスト飲料は、飲料製造工程中に発酵工程を経ないものであり、例えば、水、麦芽エキス、調味料、香料等に、酵母等を接種せず発酵工程を経ないで製造される。なお、非発酵ビアテイスト飲料は、飲料製造工程中に発酵工程を経るものの、エタノール発酵は抑制したものも含まれる。例えば、水、麦芽
エキス、調味料、香料等に、酵母等を接種して発酵工程を経るものの、エタノール発酵は抑制して製造されるものも含まれる。本発明においては、非発酵ビアテイスト飲料が本発明の効果を十分に引き出す観点から好ましい。
本発明の容器詰飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、瓶等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌されていてもよく、加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)、充填後殺菌法(パストリゼーション)等を挙げることができる。
また、加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶、瓶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌(例えば60〜140℃、1〜60分)できる場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。充填後殺菌法(パストリゼーション)の場合、例えば65℃で1〜60分間、好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間で加熱殺菌することができる。
また、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件(例えば65〜140℃で0.1秒〜30分間、好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間)で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
本発明の容器詰飲料は、このような構成を採用することにより、ヘイズ値を、好ましくは16以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは14以下とすることができる。ここで「ヘイズ値」とは、光路長10mmのガラスセルを透過した透過光と散乱光をあわせた状態で測定される値で、0〜100の値をもち、値が小さいほど透明性が高いことを意味し、水は0とする。なお、ヘイズ値は、後掲の実施例に記載の方法により測定することができる。
前述の実施形態に関し、本発明は更に以下の容器詰飲料及び方法を開示する。
<1>
次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)非重合体カテキン類 0.001〜0.5質量%、及び
(B)塩化物イオン
(D)プロリン 0.000001〜0.1質量%
を含有し、
成分(A)の含有量と、成分(B)の含有量との質量比[(B)/(A) ]が0.01〜15であり、かつ
エタノール含有量が1質量%未満である
容器詰飲料
<2>
次の成分(A)、(B)及び(D);
(A)非重合体カテキン類 0.001〜0.5質量%、及び
(B)塩化物イオン
(D)プロリン 0.000001〜0.1質量%
を配合し、成分(A)の含有量と、成分(B)の含有量との質量比[(B)/(A) ]を0.01〜15に、エタノール含有量を1質量%未満に、それぞれ調整する、容器詰飲料の濁りの改善方法。
<3>
成分(A)が、好ましくはカテキン、ガロカテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートから選択される1種又は2種以上である、前記<1>記載の容器詰飲料、又は前記<2>記載の容器詰飲料の濁りの改善方法(以下、「容器詰飲料、又は容器詰飲料の濁りの改善方法」を「容器詰飲料等」と称する)。
<4>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上、より更に好ましくは0.04質量%以上、殊更に好ましくは0.05質量%以上であって、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<5>
成分(A)の含有量が、好ましくは0.01〜0.4質量%、より好ましくは0.02〜0.4質量%、更に好ましくは0.03〜0.3質量%、より更に好ましくは0.04〜0.2質量%、殊更に好ましくは0.05〜0.2質量%である、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<6>
成分(B)が、好ましくは塩化物に由来するものであり、より好ましくは一価の金属との塩化物、及び二価の金属との塩化物から選択される少なくとも1種に由来するものであり、更に好ましくは一価の金属との塩化物に由来するものである、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<7>
一価の金属との塩化物が、好ましくは塩化ナトリウム及び塩化カリウムから選択される少なくとも1種であり、二価の金属との塩化物が、好ましくは塩化マグネシウムである、前記<6>記載の容器詰飲料等。
<8>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であって、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<9>
成分(B)の含有量が、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.005〜1質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<10>
成分(A)と成分(B)との質量比 [(B)/(A)]が、好ましくは0.02以上、より好ましは0.03以上、更に好ましくは0.05以上、より更に好ましくは0.1以上であって、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<11>
成分(A)と成分(B)との質量比 [(B)/(A)]が、好ましくは0.02〜10、より好ましくは0.03〜10、更に好ましくは0.05〜10、より更に好ましくは0.1〜5、殊更に好ましくは0.1〜2である、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<12>
好ましくは成分(C)としてカルボン酸及びその塩を更に含有する、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<13>
成分(C)が、好ましくはクエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、フィチン酸、酢酸及びそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩)から選択される少なくとも1種であり、より好ましくはグルコン酸、クエン酸、コハク酸及びそれらの塩から選択される少なくとも1種であり、更に好ましくはグルコン酸及びその塩から選択される少なくとも1種である、前記<12>記載の容器詰飲料等。
<14>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である、前記<12>又は<13>記載の容器詰飲料等。
<15>
成分(C)の含有量が、好ましくは0.0001〜1質量%、より好ましくは0.0005〜0.5質量%、更に好ましくは0.001〜0.1質量%である、前記<12>〜<14>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<16>
成分(D)の含有量が、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.00005質量%以上、更に好ましくは0.0001質量%以上であって、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下、更に好ましくは0.003質量%以下、より更に好ましくは0.001質量%以下、殊更に好ましくは0.0008質量%以下である、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<17>
成分(D)の含有量が、好ましくは0.000001〜0.01質量%、より好ましくは0.00001〜0.005質量%、更に好ましくは0.00001〜0.003質量%、より更に好ましくは0.00005〜0.001質量%、殊更に好ましくは0.0001〜0.0008質量%である、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<18>
好ましくは成分(E)として炭酸ガスを更に含有する、前記<1>〜<17>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<19>
成分(E)の含有量が、ガス容量(GV)として、好ましくは1v/v以上、より好ましくは1.5v/v以上、更に好ましくは2v/v以上であって、好ましくは2.9v/v以下、より好ましくは2.8v/v以下、更に好ましくは2.7v/v以下である、前記<18>記載の容器詰飲料等。
<20>
成分(E)の含有量が、ガス容量(GV)として、好ましくは1〜2.9v/v、より好ましくは1.5〜2.8v/v、更に好ましくは2〜2.7v/vである、前記<18>又は<19>記載の容器詰飲料等。
<21>
好ましくはα酸、イソα酸及びβ酸から選択される少なくとも1種を更に含有し、より好ましくは(F1)α酸及びイソα酸から選択される少なくとも1種と、(F2)β酸とを更に含有する、前記<1>〜<20>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<22>
α酸が、好ましくはフムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン及びプレフムロンから選択される少なくとも1種であり、イソα酸が、好ましくはイソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン及びイソプレフムロンから選択される少なくとも1種であり、β酸が、好ましくはルプロン、アドルプロン及びコルプロンから選択される少なくとも1種である、前記<21>記載の容器詰飲料等。
<23>
成分(F1)の含有量が、好ましくは0.0000001質量%以上、より好ましくは0.000001質量%以上、更に好ましくは0.00001質量%以上であって、好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、更に好ましくは0.0001質量%以下である、前記<21>又は<22>記載の容器詰飲料等。
<24>
成分(F1)の含有量が、好ましくは0.0000001〜0.001質量%、より好ましくは0.000001〜0.0005質量%、更に好ましくは0.00001〜0.0001質量%である、前記<21>〜<23>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<25>
成分(F2)の含有量が、好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0005質量%以下、更に好ましくは0.0001質量%以下、殊更に好ましくは実質的に0質量%である、前記<21>〜<24>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<26>
成分(F2)と、成分(F1)及び成分(F2)の総量との質量比〔(F2)/[(F1)+(F2)]〕が、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.98以下、更に好ましくは0.96以下である、前記<21>〜<25>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<27>
成分(F2)と、成分(F1)及び成分(F2)の総量との質量比〔(F2)/[(F1)+(F2)]〕が、好ましくは0〜0.99、より好ましくは0〜0.98、更に好ましくは0〜0.96、殊更に好ましくは実質的に0である、前記<21>〜<26>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<28>
(G)エタノールの含有量が、好ましくは0.7質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満、更に好ましくは0.3質量%未満、殊更に好ましくは0.00質量%である、前記<1>〜<27>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<29>
好ましくはノンアルコール容器詰飲料である、前記<1>〜<28>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<30>
pH(20℃)が、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは2.8以上、殊更に好ましくは3.1以上であって、好ましくは4以下、より好ましくは3.9以下、更に好ましくは3.8以下である、前記<1>〜<29>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<31>
pH(20℃)が、好ましくは2〜4、より好ましくは2.5〜4、更に好ましくは2.8〜3.9、より更に好ましくは3.1〜3.8である、前記<1>〜<30>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<32>
好ましくは香料、甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、エステル、色素、乳化剤、保存料及び品質安定剤から選択される1種又は2種以上の添加剤を含有する、前記<1>〜<31>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<33>
好ましくは茶抽出物、茶抽出物の濃縮物及び茶抽出物の精製物から選択される少なくとも1種を配合したものである、前記<1>〜<32>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<34>
好ましくは麦汁及び麦芽エキスから選択される少なくとも1種を配合したものであり、より好ましくは非発酵麦汁及び非発酵麦芽エキスから選択される少なくとも1種を配合したものである、前記<1>〜<33>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<35>
好ましくは茶飲料、又は非重合体カテキン類を含有した非アルコール飲料である、前記<1>〜<34>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<36>
茶飲料が、好ましくは緑茶飲料、烏龍茶飲料、又は紅茶飲料である、前記<35>記載の容器詰飲料等。
<37>
非重合体カテキン類を含有した非アルコール飲料が、好ましくはビアテイスト飲料、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤、又は炭酸飲料であり、更に好ましくはビアテイスト飲料である、前記<35>記載の容器詰飲料等。
<38>
好ましくは発酵ビアテイスト飲料又は非発酵ビアテイスト飲料であり、更に好ましくは非発酵ビアテイスト飲料がある、前記<1>〜<37>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<39>
容器が、好ましくは金属缶、瓶又はポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)である、前記<1>〜<38>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<40>
好ましくは加熱殺菌されたものである、前記<1>〜<39>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
<41>
加熱殺菌が、好ましくは適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであり、更に好ましくはレトルト殺菌、高温短時間殺菌(HTST)、超高温殺菌(UHT)、又は充填後殺菌(パストリゼーション)である、前記<40>記載の容器詰飲料等。
<42>
加熱殺菌が充填後殺菌法(パストリゼーション)の場合、好ましくは65℃で1〜60分間、より好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間である、前記<41>記載の容器詰飲料等。
<43>
好ましくは65〜140℃で0.1秒〜30分間、より好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填又はホットパック充填するものである、前記<40>又は<41>記載の容器詰飲料等。
<44>
ヘイズ値が、好ましくは16以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは14以下である、前記<1>〜<43>のいずれか一に記載の容器詰飲料等。
1.非重合体カテキン類の分析
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラムL−カラムTM ODS(4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、移動相B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
2.塩化物イオンの分析
試料5gに0.01mol/Lの塩酸1gを添加した後、イオン交換水で50gまでメスアップして測定試料とし、硝酸銀滴定法(上水試験法-2001 VI-2 4.3)に準じた方法で分析を行った。試料中の塩化物イオンの定量値は、塩酸のみを添加したブランク測定との差分から算出した。
3.カルボン酸の分析
試料10gに5%過塩酸5mLを加え、水で50mLに定容する。これを必要に応じて各種カルボン酸の検量線の範囲内に入るように水で希釈したものを試験溶液とする。試験溶液を高速液体クロマトグラフに注入し、電気伝導度を測定し、各種カルボン酸を検量線より算出する。
・分離カラム:Shim-pack SCR-102H(島津製作所製)
・移動相:5mmol/L p−トルエンスルホン酸
・検出試薬:5mmol/L p−トルエンスルホン酸、
100μmol/L EDTA、
20mmol/L Bis−Tris緩衝液
・注入量:10μL
・流量:0.8mL/分
・電気伝導度検出器:CDD−10AVP(島津製作所製)
・温度:40℃
4.プロリンの分析
試料をメンブレンフィルターで濾過し、得られたろ過について、LC/MS/MS測定を行い、プロリンを定量する。各条件は以下のとおりである。
・LC/MS/MS:UltiMate3000/TSQ QUANTUM ACCESS MAX(Thermo Fisher Scientific)
・カラム:Atlantis T3(4.6mmφ×150mm、5μm)
・移動相:ギ酸水溶液/メタノール
・モニターイオン:m/z 116.22 [M+H]+
・イオンスプレー電圧:3kV
・エバポレート温度:500℃
・キャピラリー温度:280℃
・流速:1.0mL/分
・注入量:10μL
・カラム温度:40℃
5.α酸、イソα酸及びβ酸の分析
BCOJビール分析法 6.2.2α酸、β酸−HPLC法−に準じて分析した。
分析条件は以下の通りである。
分析用移動相;
・C液 :メタノール/水/85質量%リン酸/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム=755mL/2255mL/17g/29.5g (pH3〜3.1)
・D液 :メタノール
・E液 :メタノール/水/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム/42.5質量%リン酸=465mL/135mL/17.7g/適量 (pH4.85)
・検出 :
0−13分 254nm(イソα酸)
13.1−22分 326nm(α酸)
22.1−30分 346nm(β酸)
・試料量: 10.0μL
・流速 : 1.5mL/min
・カラム温度: 50℃
・移動相のタイムプログラム:
0−8min C液
8.01min E液
8.02−23minグラジェント 0−50容量%D液、100−50容量%E液
23.01−28min 50容量%D液、50容量%E液
28.01 C液
6.エタノールの分析
エタノールの分析は、次に示すガスクロマトグラフ法にしたがって行う。
分析機器は、GC-14B(島津製作所社製)を使用する。
分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :FID
・カラム :Gaskuropack55、80〜100mesh、φ3.2mm×3.1m
分析条件は次の通りである。
・温度 :試料注入口及び検出機250℃、カラム130℃
・ガス圧力:ヘリウム(キャリアガス)140kPa、水素60kPa、空気50kPa
・注入量 :2μL
以下の手順にて分析用試料を調製する。
検体5gを量りとり、これに水を加えて25mLに定容する。その溶液をディスクろ過し、試料溶液とする。調製した試料溶液をガスクロマトグラフ分析に供する。
7.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃まで温め、液温を均一にした。
2)ガスボリュームを測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行う。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
8.pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。なお、飲料中に炭酸ガスを含有する場合は、検体約100mLを300mLのビーカーに量り取り、ビーカー内にスターラーピースを入れ、スターラーで20分間攪拌して炭酸ガスを取り除いた後、20℃に温度調整をして測定した。
9.ヘイズ値の測定
株式会社 村上色彩技術研究所製のヘイズ・透過率計(型式HR-150)を用い、ガラスセル(光路長10mm 横35mm 縦40mm)に試料を入れてヘイズ値(H)を25℃で測定した。
製造例1
緑茶抽出物の精製物I
ポリフェノンG(三井農林社製)200gを、25℃にて250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。次に、2号ろ紙で濾過した後、濾液に活性炭16gを添加し、再び2号ろ紙で濾過した。次に0.2μmメンブランフィルターで再濾過した。次に、40℃、減圧下にて濾液からエタノールを留去し、イオン交換水で非重合体カテキン類濃度を15質量%に調整して、緑茶抽出物の精製物Iを得た。
実施例1〜4、6、7及び比較例1
表1に示す各成分を配合して飲料を調製した後、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
実施例5
表1に示す各成分をイオン交換水に混合溶解し45gにした後、10%グルコン酸でpH3.4に調整して、イオン交換水で全量を50gとした。次に、4℃に冷却したGV=3.1v/vの炭酸水で全量200g(GV=2.5v/v)とし、容量200mLのPETボトルに充填し加熱殺菌した(ポストミックス方式)。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られた容器詰飲料(非発酵ビアテイスト飲料)の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
Figure 0006243892
表1の実施例及び比較例の結果から、エタノール含有量が1質量%未満の容器詰飲料において、所定量の非重合体カテキン類及びプロリンとともに、塩化物イオンを含有させ、非重合体カテキン類と、塩化物イオンとの質量比を特定範囲内に制御することにより、濁りが抑制されることが分かる。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)、(B)、(D)、(F1)及び(F2);
    (A)非重合体カテキン類 0.001〜0.5質量%、
    (B)一価の金属との塩化物に由来する塩化物イオン、
    (D)プロリン 0.000001〜0.1質量%、
    (F1)α酸及びイソα酸から選択される少なくとも1種、及び
    (F2)β酸
    を含有し、
    成分(A)の含有量と、成分(B)の含有量との質量比[(B) /(A) ]が0.1〜2であり、
    成分(F1)及び成分(F2)の総量と、成分(F2)との質量比〔(F2)/((F1)+(F2))〕が0.98以下であり、かつ
    エタノール含有量が1質量%未満である、
    容器詰飲料。
  2. 成分(B)の含有量が0.001〜2質量%である、請求項1に記載の容器詰飲料。
  3. 更に成分(E)として炭酸ガスを含み、成分(E)の含有量がガスボリュームで1〜2.9v/vである、請求項1又は2に記載の容器詰飲料。
  4. ビアテイスト飲料である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
  5. 非発酵ビアテイスト飲料である、請求項4に記載の容器詰飲料。
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