JP2016189736A - 保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】果汁入り紅茶飲料のようなpH4.6以下に調整された容器詰酸性茶飲料において、容器詰酸性茶飲料の長期保存や、透明容器による流通、保存時の光暴露による酸性茶飲料の劣化を有効に防止し、該劣化による酸味や苦渋味の発生を抑制して、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持した、容器詰酸性茶飲料を提供すること。【解決手段】酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させたことにより、酸性茶飲料の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料を提供する。本発明の容器詰酸性茶飲料においては、難消化性デキストリンの特定量の含有により、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持することができ、しかも、飲料の長期保存や、流通、保存時の光暴露による劣化を有効に抑制することができ、香味の良い、しかも劣化に対して安定した容器詰酸性茶飲料を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、保存による劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料に関し、より詳しくは、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下に調整された、果汁入り紅茶飲料のような嗜好性の容器詰酸性茶飲料において、劣化による酸味或いは苦渋味のような異香味の発生を抑制し、長期の保存に対しても茶飲料の本来の香味を保持した容器詰酸性茶飲料に関する。
茶飲料は、独特な香気と、苦味、渋味が醸し出す爽やかな風味から、古くから嗜好性飲料、健康飲料として親しまれてきた代表的な飲料である。近年、嗜好の多様化から、各種茶飲料が容器詰飲料として提供されており、該容器詰茶飲料は、その添加成分の組成や香味の観点から、様々なバリエーションの容器詰茶飲料が提供されている。容器詰茶飲料のバリエーションの中には、果汁入り紅茶飲料のように、各種嗜好性の茶飲料が提供されている。該茶飲料においては、香味上の関係から、容器詰茶飲料のpHを酸性(pH4.6以下)としたタイプの容器詰茶飲料が提供されている。
これらpHを酸性とした酸性茶飲料は、缶やペットボトルなどに充填された容器詰酸性茶飲料として提供されているが、容器詰茶飲料を酸性として長期間保存すると、劣化により、茶飲料本来の苦味や渋味と相違する苦渋味や、酸味が発生するという問題がある。また、酸性茶飲料をPETボトルのような透明の容器で流通、保存すると、光暴露による劣化により、顕著な酸味や、苦渋味を発生する問題がある。
従来より、各種容器詰茶飲料においては、缶詰、ペットボトル詰、又は紙パック等の容器詰飲料として流通に供されているが、該容器詰茶飲料の製造、保存、流通時の加熱や長期保存において、茶飲料の劣化による香味や飲料液の性状に変化を生じ、沈殿、色変、或いは香味の変更が発生する問題があった。そこで、該劣化を抑制する方法として、各種の方法が開示されている。例えば、容器詰茶飲料の製造時等の加熱による茶飲料の味や香りの劣化を防止するために、特開平7−327601号公報には、緑茶の抽出時又は抽出後、緑茶に対して活性炭を添加して、加熱臭を低減して加熱による劣化を防止する方法が、特開2002−101818号公報には、乳脂肪分を含有する紅茶飲料等において、糖アルコールを添加含有させることにより、加熱殺菌若しくは高温での保存時に生じる乳脂肪分の劣化を抑制する方法が、特開2002−159263号公報には、紅茶飲料の製造工程において、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムを溶解した温水水溶液を用いて抽出することにより、紅茶葉由来の香気の劣化を軽減する方法が、特開2004−147606号公報には、緑茶飲料の製造方法において、緑茶抽出液にグリコシダーゼのような配糖体分解酵素を添加することにより加熱臭の要因となる香気成分化合物を変化させる方法が開示されている。
また、特開2001−245592号公報には、紅茶飲料の加温保存中に生成する濁り、褐変、風味劣化等の熱劣化を防止するために、紅茶抽出液にトレハロースを配合する方法が、特開2005−198531号公報には、透明容器充填の茶飲料において、長期保存、長期加温によってもオリの発生や、色、香味の劣化を防止するために、アスコルビン酸によりpH3.0〜5.0の範囲に調整された茶抽出液を炭酸水素ナトリウムからなるpH調節剤でpH5.5〜7.0に調整する方法が、特開2000−37164号公報には、果汁入り紅茶飲料のような容器詰茶飲料の経時劣化を防止するために、紅茶抽出液をタンナーゼ処理をする方法が、特開2011−155892号公報には、果汁入り容器詰紅茶飲料において、経時劣化を抑えるために、果汁のテオガリンを10〜24ppmに調整し、かつ、カリウムの含有量を0.015〜0.100に調整する方法が開示されている。
これら容器詰茶飲料の製造、保存、流通時の加熱や長期保存に対する茶飲料の劣化を抑制する方法は、それぞれの容器詰茶飲料おいて、各種の方法を採用することを開示するものであるが、容器詰茶飲料の茶本来の香味や、性状を保持しつつ、しかも、容器詰茶飲料の長期保存等に対して、効果的に茶飲料の劣化を抑制する方法としては、必ずしも十分なものとはなっていない。特に、果汁入り紅茶飲料のような、容器詰酸性茶飲料においては、容器詰酸性茶飲料の長期保存や、PETボトルのような透明の容器での流通、保存を行うに際しては、劣化による酸味や苦渋味の発生が問題となり、したがって、これらの容器詰酸性茶飲料においては、該飲料の長期保存や、PETボトルのような透明の容器での流通、保存に対して、香味の優れた容器詰酸性茶飲料を提供するためには、該流通、保存における劣化を防止する有効な方法の提供が課題となる。
一方で、容器詰茶飲料のような茶飲料の製造に際して、茶飲料へ難消化性デキストリンのような食物繊維を添加する方法が開示されている。例えば、特開2004−41118号公報には、高甘味度甘味料及び食物繊維を含有させ、カロリーを低く抑えた、コク味がある紅茶飲料のような嗜好性飲料が開示されている。また、特開2010−45994号公報には、飲料100ml当たり、100〜600mgの非重合体カテキン類を含み、pHが5〜7に調整された、容器詰茶飲料において、難消化性デキストリンを添加することにより、苦味と甘味のバランスに優れた茶飲料を提供することが開示されている。また、特開2007−28933号公報には、アントシアニンを含有し、PH5.5未満の赤色茶飲料において、色素の安定化剤として、α、β、γ−サイクロデキストリンを添加する方法が開示されている。
また、特開2013−73号公報、特開2014−18103号公報には、pH7.1以上に調整されたガレート型カテキンを含有した容器詰飲料において、安定剤として水溶性大豆食物繊維を含有させることにより、苦渋味の低減や不快味のないアルカリ性の容器詰飲料が開示されている。これら開示のものは、容器詰茶飲料のような茶飲料の製造に際して、茶飲料へ難消化性デキストリンのような食物繊維を添加するものであるが、該開示の方法は、果汁入り容器詰紅茶飲料のような、pHを酸性(pH4.6以下)に調整した容器詰酸性茶飲料の流通、保存における劣化を防止する方法を開示するものではない。
特開平7−327601号公報。 特開2000−37164号公報。 特開2001−245592号公報。 特開2002−101818号公報。 特開2002−159263号公報。 特開2004−41118号公報。 特開2004−147606号公報。 特開2005−198531号公報。 特開2007−28933号公報。 特開2010−45994号公報。 特開2011−155892号公報。 特開2013−73号公報。 特開2014−18103号公報。
本発明の課題は、果汁入り紅茶飲料のようなpH4.6以下に調整された容器詰酸性茶飲料において、容器詰酸性茶飲料の長期保存や、透明容器による流通、保存時の光暴露による酸性茶飲料の劣化を有効に防止し、該劣化による酸味や苦渋味の発生を抑制して、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持した、容器詰酸性茶飲料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、果汁入り紅茶飲料のように、その香味上、pH4.6以下に調整された容器詰酸性茶飲料において、該酸性とした茶飲料の長期保存や、流通、保存時の光暴露による劣化に対して、該劣化による酸味や苦渋味の発生を抑制する方法について、鋭意検討する中で、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを特定量含有させることにより、該容器詰酸性茶飲料の長期保存や、流通、保存時の光暴露による劣化に対して、該劣化を有効に抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させたことにより、酸性茶飲料の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料からなる。
果汁入り紅茶飲料のような茶飲料においては、果汁等の添加により、嗜好性のある茶飲料を提供するものであるが、味覚設計上、通常、該飲料は、pH4.6以下に調整された容器詰酸性飲料として提供される。しかしながら、茶飲料の場合には、pH4.6以下に調整された容器詰酸性飲料として提供すると、該酸性とした茶飲料の長期保存や、流通、保存時の光暴露により劣化が起こり、該劣化による酸味や苦渋味の発生の問題が起こる。そこで、本発明においては、該茶飲料の長期保存や流通、保存時の光暴露による劣化に対して、難消化性デキストリンを特定量含有させることにより、その劣化を有効に抑制することができることを見出した。本発明の容器詰酸性茶飲料においては、難消化性デキストリンの特定量の含有により、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持することができ、しかも、飲料の長期保存や、流通、保存時の光暴露による劣化を有効に抑制することができ、香味の良い、劣化に対して安定した容器詰酸性茶飲料を提供することができる。
本発明の容器詰酸性茶飲料は、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlである酸性茶飲料として特徴づけられる。
ここで、本発明の酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量とは、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p.252に記載の公定法(酒石酸鉄法)に従って求めることができる。
本発明の容器詰酸性茶飲料において、該茶飲料のpHは、4.6以下に調整されるが、より好ましくは、pH4.6未満、更に好ましくはpH1.5以上4.6未満の範囲に調整され、更に好ましくはpH4.2〜2に調整される。本発明の容器詰酸性茶飲料に含有させる難消化性デキストリンは、0.5重量%以上の範囲で添加、含有させるが、より好ましくは、0.5〜5重量%の範囲、更に好ましくは、1〜5重量%の範囲で添加、含有させる。
本発明の容器詰酸性茶飲料において、茶飲料に用いられる茶の種類は特に制限はないが、酸性にしたときの香味特性から発酵茶が好ましく、該発酵茶としては、紅茶を挙げることができる。本発明の容器詰酸性茶飲料は、充填する容器としては、瓶、缶、プラスチック容器(PET)、紙パックを挙げることができるが、特に、瓶、プラスチック容器(PET)のような透明容器に充填された容器詰酸性茶飲料である場合に、その顕著な効果を得ることができる。
本発明は、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料の製造において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させることを特徴とする酸性飲料成分の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料の製造方法の発明を包含する。
すなわち、具体的には本発明は、[1]酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させたことを特徴とする酸性茶飲料の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料や、[2]酸性茶飲料に対する難消化性デキストリンの含有量が0.5〜5重量%であることを特徴とする上記[1]に記載の容器詰酸性茶飲料や、[3]茶飲料が、発酵茶であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の容器詰酸性茶飲料や、[4]発酵茶が紅茶であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰酸性茶飲料や、[5]容器詰酸性茶飲料が、透明容器に充填されてなる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰酸性茶飲料や、[6]酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料の製造において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させることを特徴とする酸性飲料成分の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料の製造方法からなる。
本発明は、果汁入り紅茶飲料のようなpH4.6以下に調整された容器詰酸性茶飲料において、容器詰酸性茶飲料の長期保存や、透明容器による流通、保存時の光暴露による酸性茶飲料の劣化を有効に防止し、該劣化による酸味や苦渋味の発生を抑制して、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持した、容器詰酸性茶飲料を提供する。
本発明は、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させたことにより、酸性茶飲料の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料を提供することからなる。
本発明の容器詰酸性茶飲料において、茶飲料に用いられる茶の種類は特に制限はないが、酸性にしたときの香味特性から発酵茶が好ましく、該発酵茶としては、紅茶を挙げることができる。該紅茶のような発酵茶に、他の茶をブレンドすることもできる。本発明の容器詰酸性茶飲料において、該茶飲料としては、果汁等を添加し、酸性に調整された、果汁入り紅茶飲料等を挙げることができる。該紅茶飲料等に加えられる果汁の種類は特に限定されるものではない。例えばオレンジ、ピーチ、ホワイトグレープ、りんご、レモン、いちご、グレープフルーツ、マンゴー、梨、赤ブドウ、みかん、さくらんぼ、日向夏などから調製される各種の果汁を挙げることができる。
本発明の容器詰酸性茶飲料において、該茶飲料のpHは、4.6以下に調整されるが、より好ましくは、pH4.6未満、更に好ましくはpH1.5以上4.6未満の範囲に調整され、更に好ましくはpH4.2〜2に調整される。該pHの調整は、適宜、アスコルビン酸のような有機酸や無機酸の添加により調整することができる。
茶は、緑茶、半発酵茶(ウーロン茶)、発酵茶(紅茶)と、発酵度が高くなるにしたがって、単量体のカテキンの重合が進み、テアフラビン等、重合カテキンの形成が進む。茶葉には、茶ポリフェノールとしてタンニンが含まれ、該タンニンの一種として、カテキンがある。本発明の容器詰酸性茶飲料は、酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlである酸性茶飲料として特徴づけられる。
本発明の容器詰酸性茶飲料に含有させる難消化性デキストリンは、0.5重量%以上の範囲で添加、含有させる。より好ましくは、0.5〜5重量%の範囲、更に好ましくは、1〜5重量%の範囲で添加、含有させる。
ここで本発明における難消化性デキストリンとは、とうもろこし、小麦、米、豆類、イモ類、タピオカなどの植物由来の澱粉を加酸及び/又は加熱して得た焙焼デキストリンを、必要に応じてαアミラーゼ及び/又はグルコアミラーゼで処理した後、必要に応じて脱塩、脱色した水溶性食物繊維であり、難消化性の特徴を持つものをいう。この難消化性デキストリンは、例えば、澱粉に微量の塩酸を加えて加熱し、酵素処理して得ることができ、衛新第13号(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」)に記載の食物繊維の分析方法である高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)で測定される難消化性成分を含むデキストリン、好ましくは85〜95質量%の難消化性成分を含むデキストリンなどをいう。本発明の容器詰紅茶飲料に含まれる難消化性デキストリンには、水素添加により製造される難消化性デキストリンの還元物も含まれる。なお、難消化性デキストリンとその還元物(還元難消化性デキストリン)は市販されているものを用いても良い。市販のものの例としては、ファイバーソル2(松谷化学工業社製)等が挙げられる。
難消化性デキストリンの測定には、食品の栄養表示基準制度 第2版(平成11年7月1日発行、編集 財団法人日本健康・栄養食品協会・栄養食品部、46頁〜51頁)に記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)を使用することができる。
本発明の容器詰酸性茶飲料において、容器詰酸性茶飲料自体は、難消化性デキストリンを特定量で添加、含有させる点を除いて、その添加配合成分及びその製造方法及び製造条件において、通常の容器詰酸性茶飲料と変わるところはない。該容器詰酸性茶飲料の製造において、通常用いられている糖類、甘味料、香料、酸味料、pH調整剤、果汁等は自由に添加することができる。
本発明の容器詰酸性茶飲料は、充填する容器としては、瓶、缶、プラスチック容器(PET)、紙パックを挙げることができるが、特に、瓶、プラスチック容器(PET)のような透明容器に充填された容器詰酸性茶飲料である場合に、その顕著な効果を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例によって制限されるものではない。
[(1)難消化性デキストリンの添加による、容器詰酸性紅茶飲料の香味への影響]
容器詰酸性紅茶飲料における難消化性デキストリンの香味への影響を試験した。
(1.紅茶抽出物の調製)
スリランカ産主体紅茶葉100gを、70℃のイオン交換水4000gに入れ、8分間抽出した。得られた茶葉入りの抽出液は、固液分離(濾過)処理し、その後室温で遠心分離処理して、上清を、紅茶抽出液(紅茶抽出物)として得た。
(2.難消化性デキストリン入り紅茶飲料の調製)
下記表1及び表2に示す配合で、定法に従って、原料を混合し、得られた混合液をUHTにて殺菌、PETに充填を行い、容器詰酸性紅茶飲料を得た(試験例1〜6)。具体的には、上記の(1.紅茶抽出物の調製)の方法で紅茶葉から抽出した紅茶抽出物に、香料、高甘味度甘味料(ショ糖換算6.4%)、ビタミンC、クエン酸及び水を添加して混合液を調製した。混合液の酒石酸鉄吸光光度法を用いて測定した総ポリフェノール量は50mg/100ml、pHは3.6であった。難消化性デキストリンの添加量は、表2となるように、それぞれ配合した。
得られた試験例1〜6の容器詰酸性紅茶飲料について、光安定性試験器(EYELA社製LST−2000:3000ルクス設定)及び加温条件による保管試験を行った。すなわち、試験例1〜6を3セット用意し、1セットについては20℃で、1セットについては光安定性試験器で、1セットについては60℃にそれぞれ2週間保管した。
(3.官能評価試験)
保管期間が終了した容器詰酸性紅茶飲料について官能評価試験を行った。訓練を受けたパネリストを5人選定し、これらのパネリストに試験例1〜6の20℃保管品と光照射品を提示して、これらの試験例の「酸味を伴う苦渋味」を、20℃保管品と60℃保管品を提示して、これらの試験例の「苦渋味」を、後述の評価基準により評価した。「酸味を伴う苦渋味」とは、保存に伴って目立つ酸性紅茶特有の酸味を伴った紅茶由来の苦渋味を、「苦渋味」とは、保存に伴って目立つ紅茶由来の苦渋味を評価した。
(官能評価試験の評価基準)
光安定性試験器での保存は、売り場での冷蔵ショーケースでの蛍光灯の照射を想定しており、光照射品を20℃保管品と比較することで、その試験例の光照射による「酸味を伴う苦渋味」の程度を評価することができる。60℃での保管はいわゆる加速劣化試験に該当するものであり、60℃保管品を20℃保管品と比較することで、その試験例の長期保存による「苦渋味」の程度を評価することができる。試験例1〜6のそれぞれについて光照射品及び60℃保管品を20℃保管品と比較することによって、試験例1〜6それぞれについて、「酸味を伴う苦渋味」及び「苦渋味」の程度を評価した。試験例1(難消化性デキストリン無添加)の「酸味を伴う苦渋味」「苦渋味」の程度をコントロールとして、試験例2〜6における「酸味を伴う苦渋味」「苦渋味」の程度がそのコントロールと比較して以下の表3の評価基準のいずれに該当するかを評価した。
かかる官能評価試験の結果を表4に示す。
表4の結果から分かるように、難消化性デキストリンを添加すると、容器詰酸性紅茶飲料における光照射により目立つ酸味を伴う苦渋味が改善され、香味が保持されることが分かった。また、難消化性デキストリンを添加すると、容器詰酸性紅茶飲料における保存により目立つ苦渋味が改善され、香味が保持されることが分かった。これは、容器詰酸性紅茶飲料に難消化性デキストリンを添加すると、容器詰酸性紅茶飲料に全体的に濃度感が付与され、酸味や苦渋味が感じにくくなり、かつ、オフフレーバーがマスキングされることによるものであった。
表4の結果についてより詳細に述べると、難消化性デキストリンの添加により試験例2〜6の官能評価が改善し、試験例3〜6の官能評価がよりよく改善された。しかし、試験例6は難消化性デキストリン由来の紙臭がやや目立った。また、難消化性デキストリン添加量が飲料1000g当たり2.5gでは効果がなかった。このことから、容器詰酸性紅茶飲料1000g当たりの難消化性デキストリンの添加量として、5g(0.5重量%)以上が好ましく、5〜50g(0.5〜5重量%)がより好ましく、10〜50g(1〜5重量%)が更に好ましいことが導かれた。
[(2)総ポリフェノール量・pHの変更による難消化性デキストリン入り紅茶の検討]
総ポリフェノール量・pHを変更した容器詰酸性紅茶飲料における、難消化性デキストリンの香味への影響を検討した。上記実施例1の[(1)難消化性デキストリンの添加による、容器詰酸性紅茶飲料の香味への影響]に記載された調製方法と同様の調製方法にしたがい、以下の表5に示す配合で、難消化性デキストリン入り紅茶飲料を得た。なお、試験例7〜8の総ポリフェノール量は20mg/100ml、pHは3.3であった。試験例9〜10については、クエン酸ではなく、クエン酸三ナトリウムを添加した。総ポリフェノール量は50mg/100ml、pHは4.2であった。
得られた容器詰酸性紅茶飲料について、上記[(1)難消化性デキストリンの添加による、容器詰酸性紅茶飲料の香味への影響]における試験と同様に20℃と光安定性試験器、60℃で2週間の保管試験を行い、その後に官能評価試験を行った。ただし、官能評価試験の評価基準については以下の基準を用いた。
(官能試験の評価基準)
試験例7〜10のそれぞれについて光照射品及び60℃保管品を20℃保管品と比較することによって、試験例7〜10それぞれについて、「酸味を伴う苦渋味」等の程度を評価した。試験例8については試験例7の「酸味を伴う苦渋味」等の程度を、試験例10については試験例9の「酸味を伴う苦渋味」等の程度をそれぞれのコントロールと比較して以下の表6の評価基準のいずれに該当するかを評価した。
かかる官能評価試験の結果を表7に示す。
表7の結果から分かるように、紅茶の添加率を変更し総ポリフェノール量を低減させた場合や、pHを変更した場合であっても、難消化性デキストリンを添加すると、容器詰酸性紅茶飲料における「酸味を伴う苦渋味」や「苦渋味」が改善され、香味が保持されることが分かった。より詳細に述べると、表7の試験例8と表4の試験例3を対比すると、総ポリフェノール量によらず「酸味を伴う苦渋味」や「苦渋味」の程度を改善することが分かり、表7の試験例10と表4の試験例3を対比すると、pHによらず「酸味を伴う苦渋味」や「苦渋味」の程度を改善することが分かった。
本発明は、果汁入り紅茶飲料のようなpH4.6以下に調整された容器詰酸性茶飲料において、容器詰酸性茶飲料の長期保存や、透明容器による流通、保存時の光暴露による酸性茶飲料の劣化を有効に防止し、該劣化による酸味や苦渋味の発生を抑制して、酸性茶飲料特有の本来の香味を保持した、容器詰酸性茶飲料を提供する。

Claims (6)

  1. 酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させたことを特徴とする酸性茶飲料の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料。
  2. 酸性茶飲料に対する難消化性デキストリンの含有量が0.5〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の容器詰酸性茶飲料。
  3. 茶飲料が、発酵茶であることを特徴とする請求項1又は2に記載の容器詰酸性茶飲料。
  4. 発酵茶が紅茶であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰酸性茶飲料。
  5. 容器詰酸性茶飲料が、透明容器に充填されてなる、請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰酸性茶飲料。
  6. 酒石酸鉄吸光光度法で測定される飲料中の総ポリフェノール量が1〜100mg/100mlであり、pH4.6以下の酸性茶飲料の製造において、該酸性茶飲料に対して、難消化性デキストリンを0.5重量%以上含有させることを特徴とする酸性飲料成分の保存劣化が抑制された容器詰酸性茶飲料の製造方法。
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