JP5978466B1 - 容器詰果汁含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷えた状態で果汁感も感じられその風味が良好であり、液温が上昇して温くした場合でも果汁感が重たく感じられず、飲用後に口内におけるベタ付き感が生じ難く、且つ後味のキレの良好さを維持できる容器詰果汁含有飲料及びその製造方法の提供。【解決手段】ブリックス値が0.4〜5.0であり、茶由来ポリフェノール類(B)が10〜400ppmであり、且つ果汁由来ポリフェノール類(A)が0.6〜150ppmであると共に、甘味料が添加されていない容器詰果汁含有飲料及びその製造方法。芳香族親水性ポリフェノール類(C)を10〜100ppmを更に含み、茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)が0.010〜0.50である容器詰果汁含有飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、従来にはない新しいタイプの容器詰果汁含有飲料及びその製造法に関するものであり、より詳細には、ブリックス(Bx)値が0.4〜5.0であり、茶由来ポリフェノール類(B)が10〜400ppmであり、且つ果汁由来ポリフェノール類(A)が0.6〜150ppmであると共に、甘味料が添加されていないことを特徴とする容器詰果汁含有飲料及びその製造方法に関する。
消費者の食習慣の変化に伴い、欧米スタイルの食生活が広く定着している。例えば、欧米スタイルの朝食などでは、バゲットやクロワッサンなどのパンを主食として、ソーセージやベーコンなどの肉類や卵料理などの副食と合わせて食することが多く、かかる食事と共に飲用するものとしては、オレンジジュースやグレープフルーツジュースなどの果汁飲料を合わせることが多い。
欧米スタイルの食生活において果汁飲料を飲用する場合、果汁飲料を冷蔵庫等で冷やしてから飲用することが多い。冷温した果汁飲料は、欧米スタイルの食生活に合うばかりでなく、一定程度の果汁感もあり良好なものであった。
ところで、容器詰飲料の開発により、缶やPETボトルなどの各種容器に飲料を充填・密封することにより、比較的長期に保存することができ、購入直後にそのままの形態で飲用するが可能になった。そして、容器詰飲料が広く普及するにつれて、果汁含有飲料の分野においても、いわゆるネクターやエードなどの容器詰飲料が多数登場するようになった。欧米スタイルの食生活が日常生活に浸透するに伴い、従来のオレンジジュースやグレープフルーツジュースなどの果汁飲料の代替品としての容器詰果汁含有飲料も登場するようになり、これらが食事と共に飲用される機会も増加している。
容器詰飲料は、ペットボトルに代表されるように再栓(リキャップ)できるため持ち運びや一時保管に便利であり、開封後も一気には飲まずに、食事終了後にも飲用されることがある。とりわけ、女性消費者の場合、飲料を食事中に飲み切ることができず、飲みかけの飲料を再栓(リキャップ)し、一定時間経過後に再び開栓して飲用するようなこともある。さらには、食事後にテレビや映画鑑賞、その他レジャーや勉強等の合間に少しずつ飲用する形態(いわゆる「ちびだら飲み」)が普及してきており、飲料を開栓直後に一気に飲み切らずに時間をかけて飲用されることも多くなった。
しかし、かかる飲用スタイルにおいては、冷蔵により初期段階では容器詰飲料の内容液が十分に冷えており飲用に適していたものの、飲料が時間をかけて飲用される場合には、外気温の影響等により内容液温度が徐々に上昇していき温くなってしまう。容器詰果汁含有飲料(いわゆるネクターやエードなど)は、冷えた状態では果汁感も一定程度に感じられるためその風味は良好であったものの、内容液温度が上昇して温くなった果汁含有飲料は、果汁感が温度変化により極めて重たく感じられるようになり、飲用後においては口内にベタ付き感が残りがちになり後味のキレが極めて悪くなる。また、飲用初期段階における果汁の良好な風味も損なわれてしまうため好ましいものではない。
ところで、欧米スタイルの食生活においては紅茶を合わせて飲用することも多い。上述のとおり、欧米スタイルの食生活においてはパンを主食とすることが多いが、紅茶葉を抽出しただけの紅茶ではかかる飲用シーンでは十分な満足感がえられず、砂糖やミルクを紅茶に添加して飲用することが多い。
一方、紅茶はケーキやクッキーなどの間食やデザートと合わせる場合もあるが、このような場合には間食そのものに砂糖やミルクが用いられており、嗜好に個人差はあるものの、紅茶そのものに砂糖やミルクを添加することは比較的少ない。
さらに近年における消費者行動からは、飲食品における添加物を極力忌避しようとする動きが見受けられ、例えば人工甘味料などがその一例として挙げられる。かかる消費者行動は、肥満を忌避する健康志向と相俟って、より一層顕著なものとなってきている。このような消費者意識の変化に対しては、従来からの果汁飲料や紅茶飲料では十分に応えているとは言い難い。そこで、砂糖や人工甘味料などの甘味料を添加せずに欧米スタイルの食生活に合った、従来にない新しいタイプの容器詰飲料が望まれてはいたものの、その技術的ハードルは極めて高くその実現は困難を極めるものであったため、飲料市場にこれまでに上市されたことはなかった。
したがって、本願発明の先行技術文献は皆無といえるが、参考までに、果汁飲料の呈味性について記載した特許文献2件について例示する。
特許文献1には、果汁含有率が10wt%未満であっても、リンゴらしい酸味の付与と、後味のキレの向上が可能なリンゴ風味を付与するリンゴ風味食品組成物を提供することが開示されている。
また、特許文献2には、「ネイティブジェランガムを含有し、5℃における回転粘度計の100rpmの粘度(B)が、60rpmの粘度(A)の80wt%以下である飲料」が開示され、当該構成を有することによって、果実類似の濃厚感(コク味やとろみ)と喉越しのよさ(後味のキレのよさ)が両立された飲料を提供することが開示されている。
しかし、特許文献1,2のいずれも、従来型の容器詰果汁含有飲料を前提として技術課題を解決せんとするものであり、本願発明のような従来にはない新しいタイプの容器詰果汁含有飲料を志向するものではなく、本願発明の技術課題、解決手段及び発明の効果のいずれについても性質を異にするものである。
特開2011−152095公報 特開2009−291163号公報
本発明は、冷えた状態では果汁感も感じられその風味が良好であり、且つ内容液温度が上昇して温くなった場合であっても果汁感が重たく感じられることはなく、飲用後に口内におけるベタ付き感が生じにくく、且つ後味のキレを良好に維持することができる容器詰果汁含有飲料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ブリックス(Bx)値が0.4〜5.0に調整し、果汁由来ポリフェノール類(A)を含有する果汁含有飲料に所定の茶由来ポリフェノール類(B)に調整すると共に、甘味料を添加しないことにより、冷えた状態では果実感が感じられその風味が良好でありながらも、飲料内溶液の温度が上昇して温くなった場合においても果汁感が重たく感じられることなく、飲用後に口内におけるベタ付き感が生じにくく、且つ後味のキレ(後切れ感)を良好に維持される容器詰果汁含有飲料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、前記容器詰果汁含有量におけるブリックス(Bx)値を0.4〜5.0の所定値に調整し、芳香族親水性ポリフェノール類(C)を所定濃度に調整し、茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)を所定比率に調整し、且つ甘味料を添加しないことにより、前記効果がより一層奏されることも併せて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)
ブリックス値が0.4〜5.0であり、
茶由来ポリフェノール類(B)が10〜400ppmであり、
且つ果汁由来ポリフェノール類(A)が0.6〜150ppmであると共に、
甘味料が添加されていないことを特徴とする
容器詰果汁含有飲料。
(2)
芳香族親水性ポリフェノール類(C)が10〜100ppmであって、
茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)が0.010〜0.50であることを特徴とする
上記(1)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(3)
果汁含有量が1.0〜50.0wt%であることを特徴とする
上記(1)又は(2)に記載の容器詰果汁含有飲料。
(4)
pHが3.0〜5.0であることを特徴とする
上記(1)〜(3)いずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(5)
乳酸の含有量が0.0〜0.1wt%であることを特徴する
上記(1)〜(4)いずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(6)
カフェイン含有量が100ppm以下であることを特徴とする
上記(1)〜(5)いずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(7)
前記茶由来のポリフェノール類にはテオガリンが含まれ、飲料液中の前記テオガリン含有量が0.0〜10.0ppmであることを特徴とする
上記(1)〜(6)いずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(8)
酸度が0.040〜0.100であることを特徴とする
上記(1)〜(7)いずれかに記載の容器詰果汁含有飲料。
(9)
ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、
茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、
果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程とを含み、
甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰果汁含有飲料の製造方法。
(10)
ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、
茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、
果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程とを含み、
甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰果汁含有飲料における後切れ感の改善方法。
(11)
ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、
茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、
果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程とを含み、
甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰果汁含有飲料における甘味と酸味のバランス向上保持方法。
に関する。
本発明により、冷えた状態では果実感が感じられその風味が良好でありながらも、飲料内溶液の温度が上昇して温くなった場合においても果汁感が重たく感じられることなく、飲用後に口内におけるベタ付き感が生じにくく、且つ後味のキレ(後切れ感)を良好に維持される容器詰果汁含有飲料が得られる。
本発明の実施態様を以下に詳説するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて、本発明は下記の態様に限定されるものではない。
1.果汁含有飲料
本発明において、果汁含有飲料とは、果実成分を含む飲料製品のことであり、果実成分とは、果汁、果実抽出物あるいはそれらを濃縮したエキス等の加工物のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、非炭酸の清涼飲料では、果汁入り飲料、果粒入り果実ジュースなど、果汁の使用割合が10%以上の「果実飲料」が代表的なものであり、日本農林規格(JAS)及び果実飲料等の表示に関する公正競争規約によって、濃縮果汁、果実ジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料に区分されている。
その他の非炭酸の清涼飲料としては、例えば緑茶飲料、ウーロン茶飲料、紅茶飲料等に果汁を配合した茶飲料、麦茶、蕎麦茶、黒豆茶、ルイボス茶等に果汁を配合した穀物茶飲料(以下、茶飲料と穀物茶飲料とをあわせて茶系飲料ともいう)、コーヒー飲料、野菜飲料、酢飲料、ニアウォーター飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、栄養ドリンクなどが挙げられる。一方、炭酸などの発泡性清涼飲料では、果汁入りのフレーバー系発泡性飲料、発泡性茶飲料、発泡性穀物茶飲料、発泡性コーヒー飲料、発泡性野菜飲料、発泡性酢飲料、発泡性ニアウォーター飲料、発泡性スポーツ飲料、発泡性機能性飲料、発泡性栄養ドリンクなどが挙げられる。
また本発明の果汁含有飲料には、果実飲料としては規格上認められないカテゴリーの「果汁系ニアウォーター」など、果汁の使用割合が10%に満たない新たなカテゴリーの果実成分含有飲料が含まれる。
更に、果汁入り酎ハイなどの果実酒類、リキュール類などのアルコール飲料も、本発明の果汁含有飲料として挙げられる。また、希釈飲料(家庭飲用用の希釈飲料、自動販売機内の希釈飲料など)も本発明の果汁含有飲料の一つとして挙げられる。
本発明の果汁含有飲料は、好ましくは非アルコール性飲料であり、更に好ましくは非炭酸飲料である。
2.果汁
本発明において、果汁とは特に限定されるものではなく、果汁由来ポリフェノール類を含有するものであれば、例えばマスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴ、パイナップル、ブルーベリー、ホワイトグレープ、レモン、いちご、グレープフルーツ、マンゴー、梨、赤ブドウ、みかん、さくらんぼ、日向夏等から1種類又は2種類以上を任意に選択することができる。
なお、レモンは紅茶に添加する果汁として広く用いられているが、他の果汁と性質が幾分異なり酸味が比較的強いものである。飲料全体の糖度と酸度のバランス(糖酸比)を鑑み本発明における所望の効果が顕著に奏されるには、レモンなどの酸味が強い柑橘類を可能な限り用いないのが好ましく、さらには全く用いないのが最も好ましい。
なお、本発明は、トマト等のように需要者が野菜と認識するものを排除するものではないが、果汁に対する消費者の認識から逸脱しないようにすべく用いないのがより好ましい。
なお、本発明における果汁の含有率は、好ましくは1.0wt%〜50.0wt%、より好ましくは5.0〜50.0wt%、さらに好ましくは10.0〜40.0wt%である。
3.果汁由来ポリフェノール類
本発明において、果汁由来ポリフェノール類(A)とは、果汁中に含まれる成分であって、当該成分の分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を持つものをいう。より具体的には、柑橘類に含まれるヘスペリジン(配糖体)に代表されるフラバノン類や、ブドウやブルーベリー等に含まれ、アントシアニンやディルフィニジンに代表されるアントシアニジン類や、リンゴのプロシアニジン及びピーチ類に含まれるフラバノール類や、プルーン等に含まれるクロロゲン酸類や、イチゴやザクロ等に含まれるエラグ酸等を挙げることができる。
本発明における果汁ポリフェノール類(A)濃度は、0.6〜150ppmであるのが好ましく、1.0〜130ppmであるのがより好ましく、3.0〜120ppmであるのがさらに好ましく、5.0〜100ppmであるのが最も好ましい。
果汁含有飲料における果汁由来ポリフェノール類が、上記数値範囲の最大値を超えると、冷えた状態では果実感が感じられその風味が良好となる一方で、所定濃度の茶由来ポリフェノール類を添加しても、内容液温度が上昇して温くなった場合に生じる果汁感の重たい感じや、飲用後に口内におけるベタ付き感を十分に抑えることができない上に、後味のキレを良好に維持することがより一層困難となる。また、果汁含有飲料における果汁由来ポリフェノール類が、上記数値範囲の最小値を下回ると、冷えた状態でも果実感が感じられず物足りず風味として好ましくない。
本発明における果汁由来ポリフェノール類濃度は、前述の果実種の1種類又は2種類以上を適宜組み合わせることによって調整することができる他、果実の熟度や部位(皮、果実部、種子部)に含まれる果汁由来ポリフェノール類濃度を公知の知見に基づいて適宜組み合わせて調整することもできる。
また、原料となる果実から得た搾汁液に濃縮や精製などの加工を行い、当該原料に含まれる果汁由来ポリフェノール類濃度を確認してから適宜組み合わせることによっても調整できる。
さらに、必要に応じて、果汁由来ポリフェノール類製剤を用いて調整することもできる。
なお、果汁由来ポリフェノール類(A)は、フォーリン・デニス法によって測定することができる(例えば「五訂 日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説」を参照)。
4.茶由来ポリフェノール類
本発明において、茶由来ポリフェノール類とは、カテキン類又はその誘導体をいう。本発明における「カテキン類」には、非重合型カテキン類の他、2〜十数量体又はこれらを超えるカテキン類重合体の形態が含まれる。
なお、非重合体カテキン類とは、カテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)の8種類を総称するものである。
また、カテキン類重合体とは、非重合カテキン類が複数個結合したものであって数量体若しくは重量体を形成するものであり、例えばテアフラビン、テアルビジン、テオガリン等を例示することができる。
本発明における茶由来ポリフェノール類(B)濃度は、10〜400ppmであるのが好ましく、20〜380ppmであるのがより好ましく、40〜350ppmであるのがさらに好ましく、50〜300ppmであるのが最も好ましい。
果汁含有飲料における茶由来ポリフェノール類が、上記数値範囲の最大値を超えると、冷えた状態では茶由来ポリフェノール類が果実感を阻害することにより好ましい風味を実現することが困難となる。とりわけ、茶由来ポリフェノール類に由来する渋味が目立ってしまい好ましくない。また、果汁含有飲料における茶由来ポリフェノール類が、上記数値範囲の最小値を下回ると、内容液温度が上昇して温くなった場合に生じる果汁感の重たい感じや、飲用後に口内におけるベタ付き感を十分に抑えることができない上に、後味のキレを良好に維持することがより一層困難となる。
本発明における茶由来ポリフェノール類濃度は、後述の茶種の1種類又は2種類以上を適宜組み合わせることによって調整することができる他、茶種の熟度や部位(芽、葉、茎)に含まれる茶由来ポリフェノール類濃度を公知の知見に基づいて適宜組み合わせて調整することもできる。
また、原料となる茶葉から得た茶抽出物に濃縮や精製などの加工を行い、当該原料に含まれる茶由来ポリフェノール類濃度を確認してから適宜組み合わせることによっても調整できる。
さらに、必要に応じて、茶由来ポリフェノール類濃度製剤を用いて調整することもできる。
なお、茶由来ポリフェノール類(B)は、阿南らの方法(茶葉研究報告71(1990)43-74)によって測定することができる。
5.茶抽出物
本発明において用いる原料茶葉は、その種類を特に制限するものではない。例えば、蒸し茶、煎茶、玉露、抹茶、番茶、玉緑茶、釜炒り茶、中国緑茶などを広く包含する。
本実施形態係る原料茶葉は、上記2種類以上をブレンドしたものであっても良く、さらに副原料として、玄米等の穀物類、ジャスミン花、その他のハーブ等のフレーバー類を用いたものであってよい。
なお、本発明における茶由来ポリフェノール類と果汁との相性を鑑みると、弱発酵茶や半発酵茶から発酵茶までの発酵工程を経た茶葉を原料として多く用いるのが好ましく、特に原料茶用全体における紅茶葉の使用量が50%以上であるのがより好ましく、さらに原料茶用全体における紅茶葉の使用量が100%であるのが最も好ましい。
本発明において用いる茶葉抽出物には、上記原料茶葉を常法にて抽出したものを用いることができ、例えば紅茶の場合、紅茶葉を抽出用液に浸漬させて撹拌した後、固液分離手段によって紅茶葉を除去することで得られるもの(茶葉抽出液)を用いることができる。また、本発明においては、かかる茶葉抽出液を濃縮したもの(茶葉濃縮液)や、茶葉濃縮液を精製処理したもの(茶葉濃縮精製液)を単独又は併用することができる。さらに、茶葉抽出液や茶葉濃縮液や茶葉濃縮精製液のいずれか又は2種類以上を常法の乾燥処理により粉末化したもの(粉体物)や、かかる粉体物を固形化したもの(固形物)を単独又は併用して用いることもできる。
なお、上述の各種形態における原料として、市販品を用いることもできる。
6.芳香族親水性ポリフェノール類
本発明において、芳香族親水性ポリフェノール類とは、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレートの8種の非重合カテキン、没食子酸、テオガリンを総称するものとして定義される。芳香族親水性ポリフェノール類は、茶葉が発酵過程を経て発酵が進むにつれて徐々に減少する成分であるため、例えば紅茶など発酵度が高い茶葉は、緑茶などの非発酵茶と比較して、芳香族親水性ポリフェノール類の含有量は低くなる。
本発明における芳香族親水性ポリフェノール類(C)濃度は、10〜100ppmであるのが好ましく、10〜80ppmであるのがより好ましく、20〜70ppmであるのがさらに好ましく、25〜60ppmであるのが最も好ましい。
なお、上述のとおり、テオガリンは芳香族親水性ポリフェノール類の一種であるが、本発明におけるテオガリン濃度は、特に限定されるものではないが、10ppm未満、さらには8ppm未満であってもよい。
本発明における芳香族親水性ポリフェノール類(C)は、例えば、前述の茶由来ポリフェノール類の原料茶全体に対して、発酵が比較的進んだ茶葉の使用割合を調整することにより適宜調整することができる。
また、原料となる茶葉から得た茶抽出物に濃縮や精製などの加工を行い、当該原料に含まれる芳香族親水性ポリフェノール類濃度を確認してから適宜組み合わせることによっても調整できる。
さらに、必要に応じて、芳香族親水性ポリフェノール類製剤を用いて調整することもできる。
なお、茶由来ポリフェノール類(B)は、阿南らの方法(「茶葉研究報告」71(1990)43-74)によって測定することができる。
7.茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)
また、本発明における、茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)は、いわば原料茶における発酵度を示す指標ともいえるものである。茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C/B)は、0.010〜0.50であるのが好ましく、0.050〜0.45であるのがより好ましく、0.10〜0.40であるのがさらに好ましく、0.15〜0.350であるのが最も好ましい。
8.ブリックス(Bx)
本発明において、ブリックス(Bx)とは、可溶性固形分量を示す指標であって、その測定値が市販のブリックス測定器によって得られるものである。なお、ブリックス(Bx)が各種飲食品における甘味指標として用いられていることは公知事実であるが、本発明においては甘味料を添加しないことから、糖類を添加したいわゆる有糖飲料と比較してブリックス値は低い点で特徴的である。
本発明におけるブリックス(Bx)値は、0.40〜5.0であって、1.0〜4.9がより好ましく、1.5〜4.8さらに好ましく、2.0〜4.6が最も好ましい。
なお、ブリックス(Bx)値は、市販の機器により簡便に測定できるが、例えば糖度光学屈折率計(アタゴ社製、Digital Refractometers、RX5000α-Bev)を用いることができる。
9.糖酸比
本発明における糖酸比は、30.0〜100.0であることが好ましく、35.0〜95.0がより好ましく、40.0〜90.0がさらに好ましい。
なお、糖酸比は、上述の方法で得たブリックス(Bx)値を、下記の方法で得た酸度で除して得られる。
なお、酸度は、市販の機器により簡便に測定できるが、例えば自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1750)を用い、0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液を使用した電位差滴定法に基づきクエン酸換算で算出することができる。
10.pH
本発明におけるpHは、3.0〜5.0であることが好ましく、3.2〜5.0であることがより好ましく、3.5〜4.8であることがさらに好ましい。
なお、pH値は、市販のpHメーターにより測定することができる。
11.カフェイン
本発明におけるカフェイン濃度は、特に限定されないが、100ppm以下であることが好ましく、1.0〜100.0ppmであるのがより好ましく、5〜80ppmであるのがさらに好ましく、10.0〜70.0ppmであるのが最も好ましい。
なお、カフェイン濃度は、公知の方法で測定することができるが、例えば高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
12.ミネラル類
本発明において、ミネラル量は特に限定されないが、カリウム、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムの各濃度は以下の通りであるのが好ましい。なお、カリウム、アルミニウム、マグネシウム及びカルシウムの各濃度は、飲料中に含まれる濃度であって、例えば、上述のように茶葉量や果汁に含まれる量を参酌して適宜調整することができる他、各成分を別途に添加することでも適宜調整できる。
なお、各種ミネラル濃度は、公知の方法にて測定することができる。
(1) カリウム
カリウム濃度は、10.0ppm〜500.0ppmであることが好ましく、10.0〜400.0ppmであることがより好ましく、20.0〜350.0ppmであることがさらに好ましく、30.0〜300.0ppmであることが最も好ましい。
(2)アルミニウム
アルミニウム濃度は、0.50〜2.0ppmであることが好ましく、0.60〜1.80ppmであることがより好ましく、0.70〜1.70ppmであることがさらに好ましく、0.80〜1.50ppmであることが最も好ましい。
(3)マグネシウム
マグネシウム濃度は、0.50〜30.00ppmであることが好ましく、0.70〜25.00ppmであることがより好ましく、0.80〜230ppmであることがさらに好ましく、1.0〜20.0ppmであることが最も好ましい。
(4)カルシウム
カルシウム濃度は、0.10〜50.0ppmであることが好ましく、0.20〜45.0ppmであることがより好ましく、0.250〜43.0ppmであることがさらに好ましく、0.30〜5〜40.0ppmであることが最も好ましい。
13.その他の添加物等
本発明における容器詰果汁含有飲料は、砂糖や人工甘味料などの甘味料を添加しないものである点でも特徴的であり、近年の消費者ニーズに応えようとする従来にない新しいタイプの容器詰飲料を志向するものである。
なお、砂糖(ショ糖)や人工甘味料などの甘味料以外の原料や添加物については、本発明の効果が奏される限りにおいて特に限定されるものではない。なお、本発明において、人工甘味料とは、天然原料以外に由来し飲食品等に甘味を付与する機能を有するものであって、公知の高甘味度甘味料を含むものである。
また、飲料の呈味に影響を与えない範囲において、pH調製剤としてクエン酸及びその塩、炭酸水素ナトリウム等を含む各種原料を適宜併用することができる、また、酸化防止剤としてビタミンC等の添加することもできる。
13.殺菌方法及び容器充填
加熱殺菌は、缶飲料であれば、例えば95℃に加熱(ホットパック)した後充填し、転倒殺菌を行う方法が挙げられる。必要に応じ、充填後、レトルト殺菌(例えば、適宜加圧下(1.2Kg/cm2など)、121℃で7分間加熱殺菌する。)を行う方法、プラスチックボトル飲料の場合にはUHT殺菌(調合液を120〜150℃で1秒〜数十秒保持する。)を行っても差し支えない。
本発明において用いられる容器は、缶、ガラスビン、プラスチックボトルなど特に限定されないが、透明容器とりわけ透明プラスチック容器(PET容器)を用いるのが好ましい。
また、本発明における容器詰飲料は、ペットボトルに代表されるように再栓(リキャップ)できるものを主に想定するものであるから、再栓可能な容器に充填されたものであるのがより好ましい。
さらに、本発明における容器詰飲料は、常温流通可能な製品(いわゆるドライ製品)ばかりでなく、冷蔵流通可能な製品(いわゆるチルド製品)であってもよいが、昨今における容器詰飲料の普及を鑑みるに常温流通可能な製品(いわゆるドライ製品)であるのがより好ましい。
本発明につき実施例を用いて以下に詳説するが、本発明は以下に記載の実施例により何ら限定されるものではない。
(1)紅茶抽出物
各実施例において、果汁含有飲料に添加する紅茶抽出物は、以下の条件で抽出した抽出液を用いた。
・茶種
ウバ、ダージリン、ディンプラ、インドネシア、スリランカブレンド。
・抽出条件
(ウバ、ダージリン、インドネシア、スリランカブレンド)
茶葉35gに対し、80℃の熱湯1050ccを加え、3分間抽出後、固液分離したものをそれぞれ紅茶抽出液とした。
(ディンブラ)
茶葉35gに対し、40℃の熱湯1050ccを加え、6分間抽出後、固液分離したものをそれぞれ紅茶抽出液とした。
(2)実施例試料の調製
上記(1)の条件で抽出した茶抽出液及び果汁等の原料を、表1の割合(飲料液全体に対する割合)にて調合し、イオン交換水を用いて1000ccにメスアップすることにより、実施例試料品1乃至9を得た。なお、表1において、果汁量はいずれもストレート換算したものである。
なお、果汁等は、各種原料供給メーカーが提供する市販品を用いた。
(3)比較例試料の調製
実施例試料品1乃至9と同様に、上記(1)の条件で抽出した茶抽出液及び果汁等の原料を、表2の割合(飲料液全体に対する割合)にて調合し、イオン交換水を用いて1000ccにメスアップすることにより、比較例試料品1乃至5を得た。
比較例試料1及び5は、実施例試料と同様の紅茶抽出液を表1に示した配合で混合し、これに果汁、甘味料、その他添加物をそれぞれ表2に示す量を添加して得たものである。
比較例試料2はアップル透明果汁100%の市販ジュースであり、比較例試料3は、市販の容器詰フルーツフレーバーティー飲料(果糖ぶどう糖液糖及び高甘味度甘味料(アセスルファムK、ステビア、スクラロース)を含む)であり、比較例試料4は市販の容器詰有糖ストレートティー飲料(果糖ぶどう糖液糖及び砂糖を含む)である。いずれも市販品であって原料茶葉の割合等は不明であるため、表2には飲料の測定結果のみを示した。
Figure 0005978466
Figure 0005978466
(4)各成分の測定方法
・果汁由来ポリフェノールの測定方法
フォーリン・デニス法(五訂 日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説)により測定した。
・酸度の測定方法
平沼産業社製 自動滴定装置COM―1750を用い、水酸化ナトリウムによる中和滴定法(電位差滴定)にて測定した。
・乳酸の測定方法
以下に示す条件にて、ポストカラム法による有機酸定量を行い、乳酸含有量を求めた。
・分析用カラム:陽イオン系カラムSHODEX RSPAK KC―811 2本連結直結(φ8mm、30cm)
・カラム条件:40℃恒温 流速0.5mL/min
・移動相:3mM 過塩素酸水溶液
・サンプル投入量:20μL
・反応液:0.2mM BTB含有15mMリン酸水素二ナトリウム水溶液
・検出:測定波長 445nm
・茶由来ポリフェノール(タンニン)の定量方法阿南らの方法(茶業研究報告71(1990)43-74)のタンニンの分析方法の方法に準じ、測定に使用するリン酸緩衝液pHを5.5に変更し、定量を行った。
・カテキン類の定量方法分析試料の調製はタンニンの定量に従って行い、Gotoらの方法(T.Goto,Y.Yoshida,M.Kiso and H.Nagashima,Journal of Chromatography A, 749(1996)295-299)に準拠したHPLC法により定量した。
・没食子酸量の定量分析試料の調製はタンニンの定量に従って行い、以下の条件にて高速液体クロマトグラム(HPLC)を用いて、没食子酸の定量を行った。・カラム:waters社製Xbridge shield RP18 Φ3.5×150mm・カラム温度:40℃・移動相:A相 水:B相 アセトニトリル:C相 1%リン酸・流速:0.5mL/min・注入量:5μL・検出:waters社製UV検出器UV230nm
・テオガリン量の定量分析試料の調製はタンニンの定量に従って行い、以下の条件にてUPLCを用いて、テオガリンの定量を行った。・装置:ACQUITY・UPLC/PDAシステム(日本ウォーターズ株式会社)、・移動相(A液):0.1%リン酸水溶液、・移動相(B液):アセトニトリル、・グラジエント:溶出液B 0%(0分)→0%(1分)→3%(3.5分)、・流速:0.5ml/min、・検出:UV275nm、・サンプル注入量:5μl、・カラム温度:40℃
・カリウム量の測定
各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰果汁含有飲料を秤取し、1%塩酸で抽出し、ろ過をした。その濾過液を定容し、原子吸光法により測定した。
・マグネシウム量の測定
各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰果汁含有飲料を秤取し、1%硝酸で抽出し、ろ過をした。その濾過液を定容し、ICP発光分析法により測定した。
・ブリックス(Bx):屈折計法
測定装置の温度を所定の温度に調整し、測定装置(屈折計)を校正し、各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰果汁含有飲料を測定装置のプリズム上に薄く塗布し、測定(機器の表示値を記録)した。
・pH:ガラス電極法
pHメーターをpH標準溶液による校正を実施し、各実施例試料、比較例試料の調製で得られた容器詰果汁含有飲料をビーカーに採取し、pHメーターのガラス電極をサンプル中に挿入し、測定 (機器の表示値を記録)した。
(5)官能評価
実施例試料1乃至9及び比較例試料1乃至5について、以下に記載の要領で官能評価を実施した。
まず、調製した各試料を5℃で冷却した状態のものを開栓した直後に、飲料開発に携わる技術者5人のパネラーが評価項目1〜3について評価した(試験1)。次に、開栓した同一試料を室温(25℃)で2時間放置した後、試験1と同一の5人のパネラーが評価項目2〜5について評価した(試験2)。
・評価項目1:パンとの相性(5℃のみ)
市販の食パン(厚さ6枚切り)適量を食しながら、各試料とその相性を各パネラーが5段階で評価した。
=パンとの相性=
5:非常に合う
4:やや合う
3:合う
2:あまり合う
1:全く合わない
・評価項目2:飲用後の後切れ感(5℃,25℃)
各試料を飲用した際の後切れ感、すなわち口中のべたつき感の残り具合・飲用後のすっきり感について各パネラーが5段階で評価した。なお、各試料について、初期段階(5℃)のものと、各試料を開栓してから室温(25℃状態)で2時間経過したものとの(25℃)両方について評価した。
=後切れ感=
5:非常に良い
4:やや良い
3:良い
2:やや悪い
1:非常に悪い
・評価項目3:甘味と酸味のバランス(5℃,25℃)
各試料を飲用した際の甘味と酸味のバランスについて各パネラーが5段階で評価した。なお、各試料について、初期段階(5℃)のものと、各試料を開栓してから室温(25℃状態)で2時間経過したものとの(25℃)両方について評価した。
=甘味と酸味のバランス=
5:非常に良い
4:やや良い
3:良い
2:やや悪い
1:非常に悪い
・評価項目5:ちびだら飲みした際の飲料の風味変化(25℃のみ)
ちびだら飲みした際を想定し、各試料を開栓してから2時間経過後における飲料の風味(風味の悪化)について、初期段階(5℃時点)との風味をコントロールとして変化度合いを比較し、その変化度合が大きさを各パネラーが5段階で評価した。
=風味変化=
5:非常に変化している
4:やや変化している
3:変化している
2:ほとんど変化していない
1:全く変化していない
上述の各評価項目において得られたパネラー評価を各評価項目ごとに足し合わせて合計点を得た。なお、パネラー5人各々は各項目ごとに1〜5点をつけているため、各評価項目ごとの合計値(5人分)は、最小値が5点、最大値が25点となる。
評価全体の傾向を把握するために、以下に記載のように合計値を記号で表わした。
○:20点以上
△:10点〜19点
×:9点以下
また、前述の評価項目を含めて飲料製品としての適性について、5名のパネラーの意見を取り纏めて、総合評価を上記3段階により別途実施した。
Figure 0005978466
Figure 0005978466
(6)考察
上掲の表が示すとおり、本発明品(実施例試料1乃至9)は、パンとの相性(5℃のみ)、後切れ感(5℃,25℃)、甘味と酸味のバランス(5℃,25℃)、ちびだら飲みした際の飲料の風味変化(25℃のみ)のいずれの評価項目においても良好な評価を得た。なお、この結果は、本発明品が初期状態(5℃)から室温状態(25℃)で2時間放置した後であっても評価に顕著な差は見られないため、冷温状態から室温状態への温度変化によっても美味しさが変化しにくい飲料であること示している。
これに対して、比較例試料1乃至5は、上述のいずれかの評価において本発明品に劣っていた。具体的には、比較例試料2,4は、比較例試料1,3,5と較べて、後切れ感(25℃)、甘味と酸味のバランス(25℃)、ちびだら飲みした際の飲料の風味変化(25℃のみ)において劣っているのに対して、比較例試料1,3,5は、比較例試料2,4と較べて、パンとの相性(5℃のみ)において劣っており、パンを主食とする食事に際しては物足りなさが残ることがわかった。
本発明により、冷えた状態では果汁感も感じられその風味が良好であり、且つ内容液温度が上昇して温くなった場合であっても果汁感が重たく感じられることはなく、飲用後に口内におけるベタ付き感が生じにくく、且つ後味のキレを良好に維持することができる、これまでにない新たなタイプの容器詰果汁含有飲料が提供できるようになる。

Claims (10)

  1. マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料であって、
    ブリックス値が0.4〜5.0であり、
    茶由来ポリフェノール類(B)が10〜400ppmであり、
    且つ果汁由来ポリフェノール類(A)が0.6〜150ppmであると共に、
    甘味料が添加されておらず、
    カフェイン含有量が100ppm以下であることを特徴とする
    容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料。
  2. 芳香族親水性ポリフェノール類(C)が10〜100ppmであって、
    茶由来ポリフェノール類(B)に対する芳香族親水性ポリフェノール類(C)の比率(C
    /B)が0.010〜0.50であることを特徴とする
    請求項1に記載の容器詰果汁含有飲料。
  3. 果汁含有量が1.0〜50.0wt%であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の容器詰果汁含有飲料。
  4. pHが3.0〜5.0であることを特徴とする
    請求項1〜3いずれか1項に記載の容器詰果汁含有飲料。
  5. 乳酸の含有量が0.0〜0.1wt%であることを特徴する
    請求項1〜4いずれか1項に記載の容器詰果汁含有飲料。
  6. 前記茶由来のポリフェノール類にはテオガリンが含まれ、飲料液中の前記テオガリン含有
    量が0.0〜10.0ppmであることを特徴とする
    請求項1〜5いずれか1項に記載の容器詰果汁含有飲料。
  7. 酸度が0.040〜0.100であることを特徴とする
    請求項1〜6いずれか1項に記載の容器詰果汁含有飲料。
  8. マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料の製造方法であって、ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程とカフェイン含有量を100ppm以下に調整する工程とを含み、
    甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料の製造方法。
  9. マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料における後切れ感の改善方法であって、ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程とカフェイン含有量を100ppm以下に調整する工程工程とを含み、甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料における後切れ感の改善方法。
  10. マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料における甘味と酸味のバランス保持方法であって、
    ブリックス値を0.4〜5.0に調整する工程と、
    茶由来ポリフェノール類(B)を10〜400ppmに調整する工程と、
    果汁由来ポリフェノール類(A)を0.6〜150ppmに調整する工程と
    カフェイン含有量を100ppm以下に調整する工程とを含み、
    甘味料を添加しないことを特徴とする容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料における甘味と酸味のバランス保持方法。
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