JP2021182884A - 容器詰果汁含有紅茶飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紅茶由来成分と果実由来成分とを含有する容器詰果汁含有紅茶飲料に関し、デザート飲料としても飲用可能であり、且つ、菓子類と共に飲用した際に菓子類の香味を引き立てることができる飲料であって、その甘味の質が菓子の香りの余韻を引き立て、その果実感が菓子の甘味を引き立てることができ、さらには、その渋味の質が後味をリセットすることができ、食が進みペアリングとして適した食中飲料としての容器詰果汁含有紅茶飲料を提供する。【解決手段】果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料であって、次の(A)〜(E)を満たす容器詰果汁含有紅茶飲料を提案する。(A)プロシアニジン類含有量が0.15〜2.0mg/100mlである。(B)果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)が0.28〜0.70である。(C)ガレート型カテキン類含有量が1.0〜15.0mg/100mlである。(D)ガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)が1.0〜20.0である。(E)単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)が1.0〜10.0g/100mlである。【選択図】なし

Description

本発明は、紅茶に由来する成分(「紅茶由来成分」とも称する)と、果実に由来する成分(「果実由来成分」とも称する)とを含有する容器詰果汁含有紅茶飲料及びその製造方法並びに容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味向上方法に関する。
スライスした果実を紅茶に浮かべて飲む飲み方は、日本国内外を問わず古くから親しまれてきたものであり、一般家庭では勿論、喫茶店などにおいて広く普及したフルーツティーの飲み方である。
ところが最近、このようなフルーツティーをテイクアウト式で提供する店舗(例えば、ジューススタンドのようなもの)が鉄道駅やデパートなどにおいて増加しており、特に女性を中心に広く人気を集めている。
しかしながら、このような飲み方、すなわちスライスしたフルーツを紅茶に浮かべたような風合いのフルーツティーを工業的に提供する飲料、すなわち容器詰紅茶飲料(RTD)として再現することは技術的に極めて困難であった。
その理由は幾つかあり、その一つとして、工業製品としての容器詰紅茶飲料(RTD)は、一定程度の長期に亘っての保存を前提とするため加熱殺菌処理が法律上要請されるが、このような加熱殺菌処理をすると、加熱劣化や経時劣化を生じるため、一般家庭や店舗(ジューススタンド)で提供するものと似ても似つかぬものとなってしまうことを挙げることができる。
このような問題を解決するために、工業的に容器詰紅茶飲料(RTD)を提供する企業は、香料等の副素材を用いるなどして、法律上要請される加熱殺菌処理をしながらも、一般家庭や店舗(ジューススタンド)で提供するものに近いものを提供しようと試みてきた。これにより、加熱殺菌処理による品質の変化は一定程度の制御が可能になったものの、一般家庭等では決して使用しない香料等の副素材を使用すること等により、一般家庭等で提供するものとは依然として似ても似つかぬもののままであった。
ところで、フルーツティーを工業的な容器詰紅茶飲料(RTD)として再現しようとする試みは、これまでに様々な形で為されている。
例えば、特許文献1には、果汁含有率が10質量%未満であっても、リンゴらしい酸味の付与と、後味のキレの向上が可能なリンゴ風味を付与するリンゴ風味食品組成物が開示されている。
特許文献2には、果汁を10〜90質量%含有する果汁入り容器詰紅茶飲料であって、テオガリンを10ppm〜24ppm含有し、且つカリウムの含有量に対するテオガリンの含有量の比率(テオガリン/K)が0.015〜0.100であることを特徴とする果汁入り容器詰紅茶飲料が開示されている。
特許文献3には、カフェインを0.001〜0.005質量%含有し、かつ、甘味料と果汁を含有する容器詰紅茶飲料であって、酸度が0.02〜0.08%の範囲にあり、かつ酸度が前記範囲にある時の糖度と酸度で表される甘辛度が1.50〜2.50の範囲にあることを特徴とする容器詰紅茶飲料が開示されている。
特許文献4には、マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料であって、ブリックス値が0.4〜5.0であり、茶由来ポリフェノール類が10〜400ppmであり、且つ果汁由来ポリフェノール類が0.6〜150ppmであると共に、甘味料が添加されておらず、カフェイン含有量が100ppm以下であることを特徴とする容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料が開示されている。
特開2011−152095号公報 特開2011−155892号公報 特開2011−155891号公報 特許第5978466号公報
コンビニでのお菓子やデザート類の多様性から分かるように、近年では、菓子やデザートなどの甘い食べ物(本明細書では「スイーツ」と称する)の種類や楽しみ方が年々細分化しており、それに伴いスイーツと一緒に飲用する飲料も多様化してきている。
一方で、タピオカミルクティーやカットしたフルーツをふんだんに使用したフルーツティーのように、飲料自体をスイーツやデザートとして飲用する飲料(「デザート飲料」と称する)のニーズが広がってきた。
また、最近では英国文化でもあるアフターヌーンティーがホテルなどで提供されるようになり、食品と飲料を一緒に楽しむといったスタイルも広がりつつある。
食品と共に飲用する紅茶飲料として、例えば、無糖の紅茶飲料を挙げることができる。無糖の紅茶飲料は、キレが良く、口中を洗い流すことができる反面、食品によっては苦渋味を強く感じてしまい、特にスフレなどの甘味が弱い食品と共に飲用する場合、その渋味によって、甘味がマスキングされてしまい、スフレの味わいを感じることが困難である。
他方、果汁飲料は、甘味や果汁感が強すぎて、食品の味を邪魔することもある。
デザート飲料でもあるフルーツティー(果実に由来する成分を含有する紅茶飲料を「フルーツティー」と称する)は、一般的には、フルーツティー単独での飲用を想定しているため、甘味、酸味、香り等の刺激が強く、食品の味を邪魔してしまう。
デザート飲料としても飲用に好適でありながらも、適度な甘味、果汁感及び渋味を有しており、特に菓子類の味わいを引き立てることができるペアリングとしての香味も有する飲料は現状見受けられない。
そこで本発明の課題は、紅茶由来成分と果実由来成分とを含有する容器詰果汁含有紅茶飲料に関し、デザート飲料として飲用でき、さらには、菓子類と共に飲用した際に食品の味を邪魔せず、引き立て、好適な味わいとなる容器詰果汁含有紅茶飲料を提供することにある。具体的には、デザート飲料としても飲用可能であり、且つ、菓子類と共に飲用した際に菓子類の香味を引き立てることができる飲料であって、その甘味の質が菓子の香りの余韻を引き立て、その果実感が菓子の甘味を引き立てることができ、さらには、その渋味の質が後味をリセットすることができ、食が進みペアリングとして適した食中飲料としての容器詰果汁含有紅茶飲料を提供するものである。
本発明は、果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料であって、下記(A)〜(E)を満たす容器詰果汁含有紅茶飲料を提案する。
(A)プロシアニジン類含有量が0.15〜2.0mg/100mlである。
(B)果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)が0.28〜0.70である。
(C)ガレート型カテキン類含有量が1.0〜15.0mg/100mlである。
(D)ガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)が1.0〜20.0である。
(E)単糖類及び二糖類の合計含有量(「糖類含有量」とも称する)が1.0〜10.0g/100mlである。
本発明はまた、果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法を提案する。
(A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
(B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
(C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
(D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
(E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
本発明はまた、果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味向上方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味向上方法を提案する。
(A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
(B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
(C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
(D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
(E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
紅茶由来成分と果実由来成分とを有するフルーツティー飲料に関しては、一般的に、果実由来成分が多い場合には、果汁感が強く菓子類の味わいを邪魔してしまう一方、紅茶由来成分が多い場合には、菓子類のような甘味を主体とする食品と共に飲用する食中飲料としては、苦渋味が強すぎる傾向にあり、ペアリングとしては相性が悪い。これに対して、本発明が提案する容器詰果汁含有紅茶飲料は、果実由来成分である果実由来ポリフェノール類、紅茶由来成分である紅茶由来ポリフェノール類、さらには、プロシアニジン類及び糖類などに着目し、これらの量及び比率を調整することにより、デザート飲料として飲用でき、さらには、菓子類と共に飲用した際に食品の味を邪魔せず、引き立て、好適な味わいとなる。具体的には、デザート飲料としても飲用可能であり、且つ、菓子類と共に飲用した際に菓子類の香味を引き立てることができる飲料であって、その甘味の質が菓子の香りの余韻を引き立て、その果実感が菓子の甘味を引き立てることができ、さらには、その渋味の質が後味をリセットすることができ、食が進みペアリングとして適した食中飲料とすることができる。
以下、本発明の実施の形態の一例について説明する。但し、本発明の技術的範囲が、下記実施の形態の一例に制限されるものでない。
<<本容器詰果汁含有紅茶飲料>>
本発明の容器詰果汁含有紅茶飲料(「本容器詰果汁含有紅茶飲料」とも称する)は、紅茶由来成分と、果実由来成分、特に果汁成分を含有する果汁含有紅茶飲料である。言い換えれば、紅茶由来成分と果実由来成分を含有する果汁含有飲料組成物が容器に充填されてなる容器詰果汁含有紅茶飲料である。
ここで、当該容器詰果汁含有紅茶飲料は、果汁含有紅茶飲料を容器詰めして法令等により要請される加熱殺菌処理をしたものをいう。
また、「紅茶飲料」とは、紅茶由来成分を含有する飲料の意味である。
また、「果汁成分」とは、果物を搾汁等の加工をすることにより得られる液体成分の意味である。
本発明の容器詰果汁含有紅茶飲料は、工業製品であって市場流通できるものであり、一定期間の保管期間(いわゆる賞味期間)が担保されたものである。したがって、本発明の容器詰果汁含有紅茶飲料は、家庭や飲食店等で調製して直ちに飲用する飲料とは技術的及び産業的に性質を異にするものである(例えば、『最新・ソフトドリンクス』,全国清涼飲料工業会他監修,光琳,2003年を参照)。
また、容器詰果汁含有紅茶飲料は、法令等の要請により容器やラベル等の包装材に品名を記載する必要がある。本発明の容器詰果汁含有紅茶飲料の品名は、特に限定されるものではない。但し、紅茶由来成分と果実由来成分とを少なくとも含有するものであるから、紅茶飲料、果汁飲料、果汁入り飲料、清涼飲料等であってよい。
また、本発明の容器詰果汁含有紅茶飲料は、開栓したら希釈せずそのまま飲用できる態様(所謂シングルストレングス)であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、にごり果汁含有紅茶飲料であってもよい。
当該「にごり果汁含有紅茶飲料」は、にごりを有する果汁含有紅茶飲料の意味である。
この際、「にごりを有する」とは、飲料が濁っており、透明でないことをいい、具体的には、容器に充填後の内容液すなわち飲料が、純水をリファレンスとした場合の660nmにおける透過率(T%)の数値が90%以下である状態をいう。
(紅茶由来成分)
本発明において「紅茶由来成分」とは、紅茶葉由来の成分の意味である。
当該「紅茶由来成分」としては、例えば、紅茶葉を抽出して得られる液(紅茶葉抽出液)や、紅茶葉抽出液を濃縮して得られる濃縮液(紅茶葉濃縮液)や、紅茶葉抽出液を乾燥して得られる乾燥物(紅茶葉乾燥物)や、紅茶葉濃縮液を乾燥して得られる乾燥物(紅茶葉濃縮乾燥物)などを挙げることができる。必要に応じて、これらの1種又は2種以上であってもよい。
なお、紅茶由来ポリフェノール類も紅茶由来成分の一部である。
また、これら「紅茶由来成分」を調製するにあたり、各種の公知技術、例えば固液分離、活性炭処理、酵素処理などの1種又は2種以上を適宜選択して実施してよい。
前述の紅茶葉としては、一般に紅茶飲料に使用されている紅茶葉、すなわち、生茶葉を発酵させ、必要に応じて製茶して得られる茶葉を用いることができる。
紅茶葉の茶期、産地、品種、等級、および発酵条件などは特に限定するものではない。例えば中国種(var.sinensis)であっても、アッサム種(var.assamica)であっても、2種以上の茶葉をブレンドしたものでもよい。具体的には、例えばウバ、ダージリン、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ジャワ、和紅茶及びキーモンなどを挙げることができる。
容器詰果汁含有紅茶飲料が紅茶由来成分を含むか否かは、容器やラベル等の包装材に記載された品名、原材料名、その他の記載事項で判断することができる。かかる事項は、製品に記載された情報のみならず、書籍、新聞、インターネット情報などで代替できる。
また、これらに加えて、紅茶液に通常含まれる各種成分、例えばテアフラビン、テアルビジン、タンニンなどが、分析等により検出できるかにより判断することもできる。
通常の紅茶液は、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニジンポリマー、テアニン及びカフェインを含んでいるから、これらの成分を含んでいるか否かを判断すれば、さらに確実に判断することができる。後述する実施例で調製した容器詰果汁含有紅茶飲料はいずれも、これらの成分を含んでいるものであった。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、液成分を除く固形成分中の紅茶由来成分の含有割合は、5.0〜50.0質量%であるのが好ましく、中でも10.0質量%以上或いは45.0質量%以下、その中でも15.0質量%以上或いは40.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
(果実由来成分)
本発明において「果実由来成分」とは、果実に由来する成分を意味するものである。
当該「果実由来成分」としては、例えば、果実を抽出、搾汁、粉砕などの加工したものの一部又は全部などを挙げることができる(以下、これらを総称して「果実抽出物」ともいう)。必要に応じて、これらの1種又は2種以上であってもよい。
なお、果実由来ポリフェノール類や果汁成分も果実由来成分の一部である。
本容器詰果汁含有紅茶飲料においては、果実由来成分として、少なくとも果汁成分を含有する。
なお、果実抽出物を濃縮処理や乾燥処理などをしたもの(果実濃縮物、果実乾燥物)を、果実抽出物に代えて又は果実抽出物と併用してもよく、これらはいずれも本発明における「果実由来成分」に該当する。
前記果実抽出物や果実濃縮物の態様は、液体および固体のいずれでもよく、両者を併用することもできる。
果実抽出物等に由来する果実は、青果、青果を冷凍したもの、青果を乾燥したもののいずれか又はこれらを組み合わせて用いることができる。特に好ましくは、青果、青果を冷凍したものであって、具体的には40℃以上に加熱処理されていない果物を抽出、搾汁若しくは粉砕して得られた成分であることが好ましく、果肉片などの固体であっても、果汁などの液体であってもよい。但し、容器詰とする際に行われる加熱殺菌による加熱は前記加熱処理に含まれない。
本容器詰果汁含有紅茶飲料が含有する果実由来成分に係る果実種は、特に限定するものではない。例えば、該果実種としては、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、日向夏などの柑橘類、モモ、りんご、ホワイトグレープ、いちご、梨、西洋ナシ、杏、スモモ、さくらんぼ、ウメ、プルーンなどのバラ科の果物、パパイヤ、ライチ、ブドウ、マンゴー、カシス、キウイ、アセロラ、バナナ、カキ、ブルーベリー、メロン、グアバなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。中でも、リンゴ、モモ、ブドウ、カキ、ブルーベリー及びイチゴから選択される1種以上の果実を挙げることができる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、前記果実由来成分として、バラ科植物の果実に由来する成分を好ましい一例として挙げることができる。
バラ科植物の果実としては、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料が含有する果汁成分の果実としては、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ブドウ、カキ、ブルーベリーなどを挙げることができる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料が含有する前記果実由来成分(果汁成分を包含する)は、加熱されていない果実に由来する成分であるのが好ましい。
この際、「加熱されていない果実」とは、40℃以上に加熱処理されていない果物の意味である。但し、容器詰とする際に行われる加熱殺菌による加熱は前記加熱処理に含まれない。具体的には、前記果実由来成分として、40℃以上に加熱処理されていない果物(「生果実」とも称する)を抽出、搾汁若しくは粉砕して得られた成分であることが好ましく、果肉片などの固体であっても、果汁などの液体であってもよい。
容器詰果汁含有紅茶飲料が果実由来成分を含むか否かは、容器やラベル等の包装材に記載された品名、原材料名、その他の記載事項で判断することができる。かかる事項は、製品に記載された情報のみならず、書籍、新聞、インターネット情報などで代替できる。
また、これらに加えて、果実に通常含まれる各種成分、例えばクエン酸、有機酸などが分析等により検出できるかにより判断することもできる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶の香味と果実の香味とのバランスの観点から、前記果実由来成分(果汁成分を含む)の含有量は、15.0質量%未満であるのが好ましく、中でも12.0質量%以下、その中でも10.0質量%以下、その中でも7.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
但し、果実由来成分の含有量が少なすぎると果実の香味を感じにくくなるから、0.5質量%以上であるのが好ましく、その中でも1.0質量%以上、その中でも3.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶の香味と果実の香味とのバランスの観点から、紅茶由来成分の含有量(質量)に対する果実由来成分(果汁成分を含む)の含有量(質量)の割合(果実由来成分/紅茶由来成分)は、0.5〜9.5であるのが好ましく、中でも0.7以上或いは5.0以下、その中でも1.5以上或いは4.0以下であるのがさらに好ましい。
(ポリフェノール)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、果実由来成分の一部を構成する果実由来のポリフェノール(「果実由来ポリフェノール類」とも称する)と、紅茶由来成分の一部を構成する紅茶由来のポリフェノール(「紅茶由来ポリフェノール類」とも称する)とを含んでいる。
本発明において、「果実由来ポリフェノール類」とは、プロシアニジン類、クロロゲン酸、フロレチン類及びクェルセチン類等であり、「果実由来ポリフェノール類の含有量」はこれらの合計含有量である。
果実由来ポリフェノール類の含有量は、例えば、フォーリンデニス法により分析されたポリフェノール類の含有量から、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いた検量線法によって測定されたビタミンCの相当量を差し引いて算出することができる。また、後述する実施例では、原料である果汁成分に含まれる果実由来ポリフェノール類量をもとに配合量から、本容器詰果汁含有紅茶飲料中の果実由来ポリフェノール類の含有量を算出している。但し、これらの測定方法に限定されるものではない。
なお、フォーリンデニス法(財団法人日本食品分析センター編集、五訂日本食品標準成分表分析マニュアルの解説)は、アルカリ性条件下におけるフェノール性水酸基の還元力を利用して、フォーリン試薬(フォーリン・デニス試薬)中のモリブデン酸の還元で生じる青色を725−760nmの吸光度を測定し、定量する方法である。
他方、本発明において「紅茶由来ポリフェノール類」とは、縮合型タンニン(単に「タンニン」とも称する)、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3’-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアルビジン、カテキン類すなわちカテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)のカテキン8種、及び、没食色子酸等であり、「紅茶由来ポリフェノール類の含有量」はこれらの合計量である。
本容器詰果汁含有紅茶飲料中の紅茶由来ポリフェノール類含有量は、酒石酸鉄法(茶業研究報告71(1990)43-74)により測定されたタンニン量として測定することができる。また、後述する実施例では、原料である紅茶成分に含まれる紅茶由来ポリフェノール類量の含有量をもとに配合量から、紅茶由来ポリフェノール類の含有量を算出している。但し、これらの測定方法に限定されるものではない。
なお、上記8種のカテキンを「非重合カテキン類」とも称する。
(紅茶由来ポリフェノール類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料中の紅茶由来ポリフェノール類含有量は15.0〜100.0mg/100mlであるのが好ましい。
紅茶由来ポリフェノール類含有量が15.0mg/100ml以上であれば、紅茶の香味を感じることが出来るから好ましい。他方、100.0mg/100ml以下であれば、紅茶のエグ味を抑えることができるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料中の紅茶由来ポリフェノール類含有量は15.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも17.0mg/100ml以上、その中でも18.0mg/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、100.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中でも90.0mg/100ml以下、その中でも80.0mg/100ml以下、さらにその中でも78.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、前記紅茶由来のポリフェノール類は、ウバ、ダージリン、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ジャワ、和紅茶、キーモンから選択される1種以上の紅茶葉に由来するポリフェノールであるのが好ましい。
紅茶由来ポリフェノール類含有量は、紅茶葉の種類及びその量、紅茶葉の抽出条件などを適宜調整することにより調整することができる。また、紅茶葉抽出液、紅茶葉濃縮液、紅茶葉乾燥物、紅茶葉濃縮乾燥物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を配合することでも調整することができる。この際、紅茶葉抽出液、紅茶葉濃縮液、紅茶葉乾燥物、紅茶葉濃縮乾燥物などの調製するにあたり、各種の公知技術、例えば固液分離、活性炭処理、酵素処理などの1種又は2種以上を適宜選択し、それぞれの条件を調整することによって、それぞれの紅茶由来ポリフェノール類含有量を調整することができる。さらには、市販の紅茶由来ポリフェノール類含有量を併用してその量を調整することでも、紅茶由来ポリフェノール類含有量を調整することができる。
(果実由来ポリフェノール類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料中の果実由来ポリフェノール類含有量は0.2〜6.6mg/100mlであるのが好ましい。
果実由来ポリフェノール類含有量が0.2mg/100ml以上であれば、果実の香味を感じることが出来るから好ましい。他方、6.6mg/100ml以下であれば、果実のエグ味を抑えることができるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料中の果実由来ポリフェノール類含有量は0.2mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも0.3mg/100ml以上、中でも0.5mg/100ml以上、その中でも1.0g/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、6.6g/100ml以下であるのが好ましく、中でも6.0mg/100ml以下、その中でも5.0mg/100ml以下、さらにその中でも4.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、前記果実由来のポリフェノール類は、リンゴ、モモ、ブドウ、カキ、ブルーベリー及びイチゴから選択される1種以上の果実に由来するポリフェノールであるのが好ましい。
果実由来ポリフェノール類含有量は、果実の種類、果実の配合量、果実の抽出条件、果実や果汁を酵素処理することにより調整することができる。但し、これらの方法に限定されるものではない。
(総ポリフェノール類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、該飲料中の果実由来ポリフェノール類と紅茶由来ポリフェノール類の合計含有量(「総ポリフェノール類含有量」と称する)は8.0〜100.0mg/100mlであるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料中の総ポリフェノール類含有量が8.0mg/100ml以上であれば、適度な濃度感が感じられるから好ましい。他方、100.0mg/100ml以下であれば、飲料の味わいが濃すぎないから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料中の総ポリフェノール類含有量は8.0〜100.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも8.5mg/100ml以上、その中でも9.0mg/100ml以上、その中でも9.5mg/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、100.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中でも90.0mg/100ml以下、その中でも85.0mg/100ml以下、さらにその中でも80.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
(果実由来ポリフェノール類/紅茶由来ポリフェノール類)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶由来ポリフェノール類の合計含有量(mg/100ml)に対する、果実由来ポリフェノール類の含有量(mg/100ml)の比率(果実由来ポリフェノール類/紅茶由来ポリフェノール類)は0.01〜0.80であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、果実由来ポリフェノール類/紅茶由来ポリフェノール類が0.01以上であれば、渋味がマイルドだから好ましい。その一方、0.80以下であれば、重厚な渋味があるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料において、果実由来ポリフェノール類/紅茶由来ポリフェノール類は0.01以上であるのが好ましく、中でも0.02以上、その中でも0.03以上、その中でも0.05以上であるのがさらに好ましい。他方、0.80以下であるのが好ましく、中でも0.50以下、その中でも0.30以下、その中でも0.10以下であるのがさらに好ましい。
(プロシアニジン類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、プロシアニジン類を0.15〜2.0mg/100ml含有するのが好ましい。
プロシアニジン類を0.15mg/100ml以上含有すると、渋味が菓子を引き立てるから好ましい一方、2.0mg/100ml以下であれば、渋味が菓子を邪魔しないから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料は、プロシアニジン類を0.15mg/100ml以上含有するのが好ましく、中でも0.2mg/100ml以上、その中でも0.3mg/100ml以上、その中でも0.4mg/100ml以上含有するのがさらに好ましい。他方、2.0mg/100ml以下含有するのが好ましく、中でも1.8mg/100ml以下、その中でも1.6mg/100ml以下、その中でも1.5mg/100ml以下含有するのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、プロシアニジン類含有量を上記範囲に調整するには、果汁に使用する果実の種類や品種を選択したり、収穫時期を調整したり、果皮や種子を除去したりするなど使用部位の選別などをすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
なお、本発明において、「プロシアニジン類」とは、プロシアニジン単量体、プロシアニジン二量体、プロシアニジン三量体、プロシアニジン四量体、プロシアニジン五量体、プロシアニジン六量体、及びプロシアニジン七量体等を含むものである。
「プロシア二ジン類の含有量」は、バニリン―硫酸法(食品機能性の科学編集委員会.総プロアントシアニジン含量.食品機能性の科学.東京, 産業技術サービスセンター,2008,p1069.)を用いた比色法により分析することができる。また、後述する実施例では、原料である果汁成分に含まれるプロシア二ジン類量の含有量をもとに配合量から算出している。但し、これらの測定方法に限定されるものではない。
(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)
本容器詰果汁含有紅茶飲料においては、果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)は0.28〜0.70であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、プロシアニジン類/果実ポリフェノール類が0.28以上であれば、みずみずしい果実の香りを適度に感じさせるから好ましい。その一方、0.70以下であれば、爽やかさが菓子の甘味を引き立てるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料において、プロシアニジン類/果実ポリフェノール類は0.28以上であるのが好ましく、中でも0.30以上、その中でも0.35以上であるのがさらに好ましい。他方、0.70以下であるのが好ましく、中でも0.65以下、その中でも0.60以下であるのがさらに好ましい。
(カテキン類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、ガレート型カテキン類を1.0〜15.0mg/100ml含有するのが好ましい。
ガレート型カテキン類を1.0mg/100ml以上含有すると、後味に適度な渋味があるから、好ましい一方、15.0mg/100ml以下であれば、苦渋味が強くなりすぎない後味になるので、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料は、ガレート型カテキン類を1.0mg/100ml以上含有するのが好ましく、中でも1.3mg/100ml以上、その中でも1.5mg/100ml以上、その中でも1.7mg/100ml以上含有するのがさらに好ましい。他方、15.0mg/100ml以下含有するのが好ましく、中でも14.5mg/100ml以下、その中でも14.0mg/100ml以下、その中でも13.5mg/100ml以下含有するのがさらに好ましい。
なお、本発明において「ガレート型カテキン類」とは、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)であり、「ガレート型カテキン類の含有量」とは、これらの合計含有量の意味である。
飲料中のガレート型カテキン類の含有量は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いて、検量線法によって算出することができる。
(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、ガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)は1.0〜20.0であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、重合カテキン類/ガレート型カテキン類が1.0以上であれば、重厚な渋味が舌に残り、濃度感があって好ましい。その一方、20.0以下であれば、渋味がマイルドで、食品と合わせても食品の後味をリセットできるから好ましい。
かかる観点から、本容器果汁含有詰紅茶飲料において、重合カテキン類/ガレート型カテキン類は1.0以上であるのが好ましく、中でも1.2以上、その中でも1.3以上、その中でも2.0以上であるのがさらに好ましい。他方、20.0以下であるのが好ましく、中でも19.0以下、その中でも15.0以下、その中でも12.0以下であるのがさらに好ましい。
(重合カテキン類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、重合カテキン類を10.0〜100.0mg/100ml含有するのが好ましい。
重合カテキン類を10.0mg/100ml以上含有すると、味に厚みがでるから、好ましい一方、100.0mg/100ml以下であれば、味が重たすぎず、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料は、重合カテキン類を10.0mg/100ml以上含有するのが好ましく、中でも12.0mg/100ml以上、その中でも15.0mg/100ml以上、その中でも16.0mg/100ml以上、その中でも18.0mg/100ml以上含有するのがさらに好ましい。他方、100.0mg/100ml以下含有するのが好ましく、中でも90.0mg/100ml以下、その中でも80.0mg/100ml以下、その中でも75.0mg/100ml以下含有するのがさらに好ましい。
なお、「重合カテキン類」とは、非重合カテキン類が複数個結合したものであって数量体若しくは重量体を形成するものである。本発明において「重合カテキン類」とは、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3’-ガレート、テアフラビン-3,3’-ジガレート、テアルビジン等である。
重合カテキン類の含有量は、酒石酸鉄法により分析されたポリフェノール類量から、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いて検量線法によって測定された非重合カテキン類の含有量を差し引いて算出することができる。後述する実施例では、原料である紅茶成分に含まれる重合カテキン類の含有量をもとに配合量から算出している。但し、これらの測定方法に限定されるものではない。
(糖類含有量)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)が1.0〜10.0g/100mlであるのが好ましい。
糖類含有量が1.0mg/100ml以上であれば、甘味の質による厚みと濃度感があるから好ましい一方、10.0mg/100ml以下であれば、甘味の質により菓子の香りの余韻を引き立てるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料は、糖類含有量が1.0g/100ml以上であるのが好ましく、中でも1.2mg/100ml以上、その中でも1.5mg/100ml以上、その中でも2.0mg/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、10.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中でも9.0mg/100ml以下、その中でも8.0mg/100ml以下、その中でも6.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
なお、糖類含有量を上記範囲に調整するには、果汁の量や種類、品種を調整するなどの方法のほか、単糖類や二糖類を添加する方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するもではない。
本発明において「単糖」とは、グルコース及びフルクトースを言い、単糖類含有量はこれらの合計含有量である。「二糖」とは、スクロース、マルトース及びセロビオースを言い、二糖類含有量はこれらの合計含有量である。そして糖類含有量は、これら単糖類含有量及び二糖類含有量の合計である。
単糖、二糖の含有量は、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
(糖類/総ポリフェノール類)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、前記総ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、前記糖類含有量(g/100ml)の比率(糖類/総ポリフェノール類)は30〜300であるのが好ましい。
糖類/総ポリフェノール類が30以上であれば、適度な甘味と紅茶感を有するから好ましい。その一方、300以下であれば、甘すぎず紅茶感を感じることができるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料において、糖類/総ポリフェノール類は30以上であるのが好ましく、中でも40以上、その中でも50以上、その中でも60以上であるのがさらに好ましい。他方、300以下であるのが好ましく、中でも290以下、その中でも280以下、その中でも270以下であるのがさらに好ましい。
(有機酸)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、有機酸として、少なくとも酒石酸及びリンゴ酸を1種又は2種含有するのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料における有機酸含有量は1.0〜60.0mg/100mlであるのが好ましい。
有機酸含有量が1.0mg/100ml以上であれば、十分な酸味を感じることができるから好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であれば、過度な酸味が目立たず好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料における有機酸の含有量は、1.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも3.0mg/100ml以上、その中でも5.0mg/100ml以上であるのが特に好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中で50.0mg/100ml以下、その中でも40.0mg/100ml以下であるのが特に好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶由来成分の含有量(質量)に対する有機酸含有量の含有量(質量)の割合は、0.001〜2.0であるのが好ましく、中でも0.005以上或いは1.0以下、その中でも0.01以上或いは0.5以下であるのがさらに好ましい。
本発明において有機酸含有量は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、ギ酸及び酢酸の合計含有量である。
飲料中のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、ギ酸、酢酸の含有量はそれぞれ、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、リンゴ酸、酒石酸及び有機酸の由来は、特に限定されるものではない。例えば、抽出する果実、添加する添加する非加熱果実由来成分、その他の添加成分、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤に由来するものを挙げることができる。中でも、抽出する果実、添加する添加する非加熱果実由来成分など果実に由来するものであるのが好ましい。
この際の果実種については、特に限定されるものではないことは上述のとおりであり、例えば上述の果実種のうち1種又は2種以上であってもよい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、有機酸含有量、酒石酸及びリンゴ酸含有量の調整方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤などの添加などの方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
(重合カテキン類/有機酸)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、有機酸含有量(mg/100ml)に対する重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/有機酸)は0.01〜100.0であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、重合カテキン類/有機酸が0.01以上であれば、開封時間がたっても軽い渋味があるから好ましい。その一方、100.0以下であれば、開封時間がたっても爽やかな果実感があるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料において、重合カテキン類/有機酸は0.01以上であるのが好ましく、中でも0.10以上、その中でも0.20以上、その中でも0.40以上であるのがさらに好ましい。他方、100.0以下であるのが好ましく、中でも70.0以下、その中でも40.0以下、その中でも10.0以下であるのがさらに好ましい。
(リンゴ酸+酒石酸/有機酸)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、有機酸含有量(mg/100ml)に対する、リンゴ酸と酒石酸の合計含有量(mg/100ml)の比率(リンゴ酸+酒石酸/有機酸)は0.50〜1.00であるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、前記比率(リンゴ酸+酒石酸/有機酸)が0.50以上であれば、爽快な酸味であるから好ましい。その一方、1.00以下であれば、まろやかな酸味であるから好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料において、前記比率(リンゴ酸+酒石酸/有機酸)は0.50以上であるのが好ましく、中でも0.55以上、その中でも0.60以上、その中でも0.65以上であるのがさらに好ましい。他方、1.00以下であるのが好ましく、中でも0.99以下、その中でも0.98以下、その中でも0.97以下であるのがさらに好ましい。
(リンゴ酸/有機酸)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、有機酸含有量に対するリンゴ酸含有量の比率(リンゴ酸/有機酸)は0.30〜1.00であるのが好ましい。
有機酸含有量に対するリンゴ酸含有量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.30以上であれば、果実感のあるフレッシュな酸味を感じることができるから、好ましい。特にかかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料の当該比率(リンゴ酸/有機酸)は0.35以上或いは0.95以下であるのがより好ましく、0.37以上或いは0.89以下であるのが特に好ましく、0.40以上或いは0.85以下であるのが最も好ましい。
(リンゴ酸)
本容器詰果汁含有紅茶飲料におけるリンゴ酸の含有量は1.0〜60.0mg/100mlであるのが好ましい。
リンゴ酸含有量が1.0mg/100ml以上であれば、リンゴ酸由来の酸味の強さを十分に感じることができるから、好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であれば、リンゴ酸由来の酸味の強さを適度に感じることができるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料におけるリンゴ酸の含有量は、1.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも3.0mg/100ml以上、その中でも5.0mg/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中でも50.0mg/100ml以下、その中でも40.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶由来成分の含有量(質量)に対するリンゴ酸含有量(質量)の割合は、0.001〜2.0であるのが好ましく、中でも0.01以上或いは1.0以下、その中でも0.05以上或いは0.5以下であるのがさらに好ましい。
(不溶性食物繊維)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、不溶性食物繊維を含有するのが好ましい。
「不溶性食物繊維」とは、水に溶けない食物繊維の意味である。
本容器詰果汁含有紅茶飲料における、不溶性食物繊維量は3.0〜60.0mg/100mlであるのが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料における不溶性食物繊維量が3.0mg/100ml以上であれば、果実の風味を強く感じることが出来るから、好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であれば、飲用時の舌触りが良好であるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料における不溶性食物繊維量は3.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも5.0mg/100ml以上、その中でも7.0mg/100ml以上であるのがさらに好ましい。他方、60.0mg/100ml以下であるのが好ましく、中でも30.0mg/100ml以下、その中でも20.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、紅茶由来成分の含有量(質量)に対する不溶性食物繊維量の含有量(質量)の割合は、0.025〜3.00であるのが好ましく、中でも0.05以上或いは2.00以下、その中でも0.10以上或いは1.00以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料における不溶性食物繊維は、例えば果実由来の抽出物、粉砕粒、及びそれらの濃縮物から選択される1種以上などを挙げることができ、主に、添加する果実由来成分に由来するものなどを挙げることができる。
よって、不溶性食物繊維量を前記範囲に調整する手段としては、例えば、添加する果実由来成分の種類及びその量などを調整することにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
なお、不溶性食物繊維量は、プロスキー変法(酵素−重量法)(分析実務者が書いた五訂日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説、編集者:財団法人日本食品分析センター、発行者:中央法規出版(株)、2001年発行、66〜72頁)によって測定することができる。
(粒子)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、粒子を含有していてもよい。
この粒子は、上記不溶性食物繊維からなる粒子のほか、抽出に用いる果実に由来する粒子、例えば、抽出液がクリームダウンして生じた濁りに由来する粒子などを挙げることができる。但し、これらに限定するもではない。
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、かかる粒子に関し、粒子径が20.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子を、総粒子全体に対して、体積基準で30.0〜80.0%の割合で含有することが好ましい。この範囲とすることで、舌に残る果実の後味の強さを高めることができるばかりか、加温保管した際に、沈殿の発生を抑制することができる。
かかる観点から、20.0μm〜200.0μmの粒子径の範囲にある粒子の割合は、中でも40.0%以上或いは75.0%以下であるのがさらに好ましく、その中でも45.0%以上或いは70.0%以下であるのが特に好ましい。
さらに20.0〜80.0μmの範囲にある粒子を、総粒子全体に対して、体積基準で55.0〜85.0%の割合で含有することが最も好ましく、果実の後味の強さを高めつつ、液色の変化の抑制が顕著となるからである。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、粒子径が20.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子の割合は、抽出する果実の果実種及びその量、抽出条件や抽出後の冷却温度、濾過条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及び量などの調整により調整できる。抽出条件を強めたり、冷却温度を低下させたり、濾過条件を弱めると、20.0μm〜200.0μmの粒子径の範囲にある粒子の割合は増える傾向にある。
なお、粒子径の測定方法としては、レーザ回析式粒度分布測定装置等により測定することができ、例えばSHIMADZU SALD−2300(島津製作所社製)などによって測定する方法を挙げることができる。
(ミネラル)
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、ミネラルの含有用量は、ナトリウム(Na)含有量が、0.5mg/100ml〜8.0mg/100mlであるのが好ましく、中でも1.0mg/100ml以上或いは7.0mg/100ml以下、その中でも1.5mg/100ml以上或いは6.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
カリウム(K)含有量は、3.0mg/100ml〜30.0mg/100mlであるのが好ましく、中でも4.0mg/100ml以上或いは20.0mg/100ml以下、その中でも5.0mg/100ml以上或いは10.0mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
カルシウム(Ca)含有量は、0.01mg/100ml〜1.0mg/100mlであるのが好ましく、中でも0.02mg/100ml以上或いは0.9mg/100ml以下、その中でも0.03mg/100ml以上或いは0.8mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
マグネシウム(Mg)含有量は、0.02mg/100ml〜2.0mg/100mlであるのが好ましく、中でも0.04mg/100ml以上或いは1.8mg/100ml以下、その中でも0.06mg/100ml以上或いは1.6mg/100ml以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料において、上記ミネラル含有量の調整は、上述の原料選択、原料加工、原料の使用割合等により適宜調整することができる。例えば、紅茶由来成分や果実由来成分の選択や組み合わせ、その加工や使用割合等により適宜調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器詰果汁含有紅茶飲料におけるミネラル含有量は、ICP発光分光分析装置により測定することができる。
(ハーブ成分)
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、ハーブ成分を含んでいてもよい。
ここで、「ハーブ成分」とは、ハーブそのものや抽出物でもよい。また、ハーブを乾燥、切断等の加工したものでもよいし、公知の方法でハーブを抽出して得られる抽出物や、その抽出物の濃縮物でもよい。
ハーブの種類としては、例えばカモミール、ペパーミント、スペアミント、アプリコット、レモングラス、シナモン、ローズマリー及びローズヒップなどの抽出物が挙げられ、本容器詰果汁含有紅茶飲料の果実由来成分との相性を考慮し、1種又は2種以上のハーブを使用することができる。
特に限定されないが、例えば容器詰果汁含有紅茶飲料の果実由来成分がリンゴである場合には、カモミール抽出物との相性が良く、モモである場合には、アプリコット抽出物やローズヒップ抽出物との相性が良い。
本容器詰果汁含有紅茶飲料がハーブ成分を含むことにより、ハーブ成分の香味や清涼感によって、果実感をより一層向上させることができる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料が上記ハーブ成分を含むようにするには、上記ハーブ成分を抽出液に添加したり、生のハーブや乾燥・粉砕されたハーブを紅茶葉と一緒に抽出したりすればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
(その他の成分)
本容器詰果汁含有紅茶飲料には、上記成分以外に、必要に応じて、容器詰紅茶飲料に用いることができる各種成分が含まれていてもよい(例えば、『最新・ソフトドリンクス』,全国清涼飲料工業会他監修,光琳,2003年を参照)。例えば砂糖、果糖などの糖類、クエン酸及びその塩、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、ビタミンC等の酸化防止剤、甘味料、香料、色素成分、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸等を含有してもよい。但し、先述のとおり、消費者における添加物を忌避する昨今の傾向から、これら成分を極力含まない方が好ましく、例えば香料などを使用しない方が好ましい。
なお、本容器詰果汁含有紅茶飲料は、アルコール含有量が1質量%未満であること、すなわち、非アルコール性飲料であることが好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、食品に香りや味の一部を付与する食品添加物(フレーバー)の使用を排除するものではない。しかしながら、消費者における添加物を忌避する昨今の傾向から、このような食品添加物(フレーバー)を使用しないのが好ましい。
<固形量:Bx>
本容器詰果汁含有紅茶飲料の固形量(Bx)は、特に限定されるものではない。10.0%以下であれば、甘味が強すぎず香味的に好ましい。かかる観点から、9.0%以下であるのが好ましく、中でも7.0%以下、その中でも6.0%以下であるのがさらに好ましい。
なお、固形量(Bx)の下限値については、1.0%以上であれば、甘味があり、本格的な果汁感が得られ好ましい。かかる観点から、1.0%以上であるのが好ましく、中でも1.5%以上、その中でも2.0%以上であるのがさらに好ましい。
容器詰果汁含有紅茶飲料の固形量(Bx)は、市販のBx測定器を用いることにより測定できる。
固形量(Bx)を前記範囲に調整する手段としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する果実由来成分の種類及びその量などの調整などの方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
<pH>
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、そのpHが2.8以上5.0未満であれば、紅茶本来の風味が余韻に感じられるため、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料のpHは2.8以上であるのが好ましく、中でも3.0以上、その中でも3.5以上であるのがさらに好ましく、他方、5.0未満であるのが好ましく、中でも4.5以下、その中でも4.0以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料のpHの調整方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤などの添加、さらにはpH調整剤の添加などの方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
本容器詰果汁含有紅茶飲料のpHは、市販のpH測定器を用いることにより測定できる。
<透過率(T%)>
本容器詰果汁含有紅茶飲料は、その透過率(T%)が50.0〜90.0%であれば、視覚的な濃度感や飲用時の香味の濃度感も向上することから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料の透過率(T%)は50.0%以上であるのが好ましく、中でも60.0%以上、その中でも65.0%以上であるのがさらに好ましい。他方、90.0%以下であるのが好ましく、中でも85.0%以下、その中でも80.0%以下、その中でも75.0%以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰果汁含有紅茶飲料の透過率(T%)を調整する方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出方法及びその条件、ろ過の方法及びその条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整などの方法を挙げることができる。中でも、本容器詰果汁含有紅茶飲料においては、上述した不溶性食物繊維量乃至粒子の粒度分布の調整によって、透過率(T%)が大きく左右されることになるから、これらを調整するのが好ましい。但し、この方法に限定するものではない。
<酸度>
本容器詰果汁含有紅茶飲料の酸度は0.001%〜0.100%であるのが好ましい。
酸度がかかる範囲であれば、後味のキレが良好であるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰果汁含有紅茶飲料における酸度は0.001%以上であるのが好ましく、中でも0.003%以上、その中でも0.005%以上であるのがさらに好ましい。他方、0.100%以下であるのが好ましく、中でも0.090%以下、その中でも0.080%以下であるのがさらに好ましい。
なお、容器詰果汁含有紅茶飲料の酸度は、主に果汁の種類と含有量、酸味料の種類と添加量等によって調整することができる。但し、これらの方法に限定されるものではない。
<<容器詰紅茶飲料の製造方法>>
本容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法として、果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法を挙げることができる。
(A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
(B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
(C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
(D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
(E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
上述のとおり、容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量は0.15mg/100ml以上に調整するのが好ましく、中でも0.20mg/100ml以上、その中でも0.30mg/100ml以上に調整するのがさらに好ましい。他方、2.00mg/100ml以下に調整するのが好ましく、中でも1.80mg/100ml以下、その中でも1.60mg/100ml以下に調整するのがさらに好ましい。
プロシアニジン類含有量の調整方法は、上述したように、果汁に使用する果実の種類や品種を選別したり、果皮や種子を除去したりするなど使用部位の選別などを調整することにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)は0.28以上に調整するのが好ましく、その中でも0.30以上、その中でも0.35以上に調整するのがさらに好ましい。他方、0.70以下に調整するのが好ましく、その中でも0.65以下、その中でも0.60以下に調整するのがさらに好ましい。
プロシアニジン類/果実ポリフェノール類の調整方法は、上述したように、果汁に使用する果実の種類や品種を選別したり、収穫時期を調整したり、果皮や種子を除去したりするなど使用部位の選別などを調整することにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量は1.0mg/100ml以上に調整するのが好ましく、中でも1.3mg/100ml以上、その中でも1.5mg/100ml以上に調整するのがさらに好ましい。他方、15.0mg/100ml以下に調整するのが好ましく、中でも14.5mg/100ml以下、その中でも14.0mg/100ml以下に調整するのがさらに好ましい。
ガレート型カテキン類含有量の調整方法は、発酵の条件を調整した茶葉を選択したり、茶葉の使用量や抽出条件などを調整したりすることにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)は1.0以上に調整するのが好ましく、その中でも1.2以上、その中でも1.3以上に調整するのがさらに好ましい。他方、20.0以下に調整するのが好ましく、その中でも19.0以下、その中でも15.0以下に調整するのがさらに好ましい。
重合カテキン類/ガレート型カテキン類の調整方法は、上述したように、発酵の条件を調整した茶葉を選択するなどにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)は
1.0g/100ml以上に調整するのが好ましく、中でも1.2g/100ml以上、その中でも1.5g/100ml以上に調整するのがさらに好ましい。他方、10.0g/100ml以下に調整するのが好ましく、中でも9.0g/100ml以下、その中でも8.0g/100ml以下に調整するのがさらに好ましい。
糖類含有量の調整方法は、上述したように、果汁の量や種類、品種を調整するなどの方法のほか、単糖類や二糖類を添加する方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
<好ましい製造方法の態様>
本容器詰果汁含有紅茶飲料の好ましい製造方法の一態様として、紅茶葉と果実とを合わせて一緒に抽出して抽出液を得(この処理を「抽出工程」と称する)、得られた抽出液に果実由来成分、少なくも果汁成分を加えて飲料液を得(この処理を「果実由来成分添加工程」と称する)、必要に応じて添加成分を加え(この処理を「調合工程」と称する)、そして殺菌乃至容器充填する(この処理を「殺菌乃至容器充填工程」と称する)ことを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法において、原料の選択、各処理の条件調整などによって、上記各成分量乃至比率、例えばプロシアニジン類含有量、比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)、ガレート型カテキン類含有量、比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)、糖類含有量などを調整して本容器詰果汁含有紅茶飲料を製造する方法を挙げることができる。但し、この製造方法に限定するものではない。
(原料)
前述の紅茶葉としては、一般に紅茶飲料に使用されている紅茶葉、すなわち、生茶葉を発酵させ、必要に応じて製茶して得られる茶葉を用いることができる。
紅茶葉の茶期、産地、品種、等級、および発酵条件などは特に限定するものではない。例えば中国種(var.sinensis)であっても、アッサム種(var.assamica)であっても、2種以上の茶葉をブレンドしたものでもよい。具体的には、例えばウバ、ダージリン、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ジャワ、和紅茶及びキーモンなどを挙げることができる。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実の果実種としては、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、日向夏などの柑橘類、モモ、りんご、ホワイトグレープ、いちご、梨、西洋ナシ、杏、スモモ、さくらんぼ、ウメ、プルーンなどのバラ科の果物、パパイヤ、ライチ、ブドウ、マンゴー、カシス、キウイ、アセロラ、バナナ、カキ、ブルーベリー、メロン、グアバなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。中でも、菓子の甘味を引き立てる観点から、例えばリンゴ、モモ、ブドウ、カキ、ブルーベリー及びイチゴのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであるのが特に好ましい。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、加熱処理されていない果実(「生果実」とも称する)であるのが好ましい。
ここで、「加熱処理されていない果実」とは、品温が40℃以上となるような加熱処理を経ていない果実の意味である。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、生果実そのものであっても、生果実を冷凍したものであっても、生果実を乾燥したものであってもよく、これらのいずれか又はこれらを組み合わせて用いることができる。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、生果実を切断乃至粉砕したものが特に好ましい。
また、「果実を切断乃至粉砕したもの」とは、果実内部が露出した状態の果実の意味である。例えば、果実そのもののほか、皮付きの果実を裁断、粉砕、搾汁などの加工を施して得られたもの、皮を除いた果実を裁断、粉砕、搾汁などの加工を施して得られたものを包含する。
「果実を切断乃至粉砕したもの」として、好ましくは、果実をスライスしたものを挙げることができる。具体的には、リンゴやモモを裁断したスライスやダイス等を挙げることができる。
紅茶葉と上記果実との配合割合に関しては、紅茶葉100質量部に対して果実を1.0〜15.0質量部の割合で配合するのが好ましく、中でも1.5質量部以上或いは12.0質量部以下、その中でも1.8質量部以上或いは11.5質量部以下の割合で配合するのがさらに好ましい。
(抽出工程)
紅茶葉と果実とを合わせて一緒に抽出するのが好ましい。
但し、果実を抽出した抽出液中に紅茶葉を添加し、果実抽出液中で紅茶を抽出してもよい。また、紅茶を抽出した抽出液中に果実を添加し、紅茶抽出液中で果実を抽出してもよい。
紅茶葉(「原料茶」とも称する)及び果実の抽出は、例えば、常法に従ってニーダーと呼ばれる抽出装置を用いて、原料茶に対して5〜100倍量、10〜100℃の湯水で約1分〜40分間、必要に応じて1回〜数回攪拌して、常圧で抽出を行えばよい。適度な香味を維持しつつ、液色変化抑制を図る観点によると、10〜90℃、特に20〜80℃、中でも30〜70℃、中でも60℃以下、その中でも50℃以下で抽出を行うのが好ましい。
但し、抽出方法及び抽出条件等を特に限定するものではなく、例えば加圧抽出を行うこともできる。
抽出に用いる湯水は、純水、硬水、軟水、イオン交換水、天然水などのほか、アスコルビン酸含有水溶液及びpH調製水等を例示することができる。
湯水にアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。
抽出後の固液分離は、濾過や遠心分離等により行い、紅茶葉を除去して抽出液を得るようにすればよい。例えばステンレスフィルターやネル布、ストレーナー、その他抽出残渣を除去するために現在採用されている濾過方法を任意に採用することができる。
また、必要に応じて、さらに遠心分離や珪藻土濾過を行ってもよい。またこれらの個液分離によって、容器詰果汁含有紅茶飲料の透過率(T%)を調整することもできる。
また、得られる抽出液のpHを必要に応じて酸性領域に調整し、中でもpHを4.0〜6.0、中でも4.2以上或いは5.5以下、その中でも4.5以上或いは5.0以下に調整するのが好ましい。また、抽出液を18℃以下、その中でも10℃以下、さらにその中でも5℃以下に冷却することによって、強制的にクリームダウンを発生させることができ、にごりを強くすることができる。これによって、飲料液の透過率(T%)が低下すると共に、飲料液の舌触りを高めることができる。
得られる抽出液のpHは、抽出に用いる果実の種類と量によって調整することができる。
また、抽出液のpHの調整は、アスコルビン酸(ビタミンC)などの公知のpH調整剤を添加することで調整することができる。
(果実由来成分添加工程)
抽出液に配合する果実由来成分は、生青果又は冷凍果実の粉砕物(果実由来粉砕物)、生青果又は冷凍果実を搾汁して得られた果汁(果実由来果汁)、生青果又は冷凍果実の抽出物(果実由来抽出物)、該果実由来抽出物又は該果実由来粉砕物の濃縮物(果実由来濃縮物)を挙げることができる。
本容器詰果汁含有紅茶飲料の製造においては、果実由来成分として少なくとも果汁成分を添加する。
なお、上記果汁成分とは、果物を搾汁等の加工をすることにより得られる液体成分を意味する。例えば、果物を適当な大ききに破砕し、当該破砕物を搾汁することにより、果汁を得ることができる。果汁は特に限定されず、濃縮や希釈などの処理が行われていないストレート果汁、ストレート果汁に加熱濃縮法や冷凍濃縮法などによって果汁中の水分を取り除き濃度を高めた濃縮果汁、濃縮果汁を水等で希釈したもの(例えば計算上、ストレート果汁と同等の濃度となるように希釈した濃縮還元果汁)を挙げることができる。
また、皮付きの上記果実を搾汁して得られる果汁を紅茶抽出液に加えるようにしてもよい。
配合する果実由来成分の果実種は特に限定されるものではない。例えば、該果実種としては、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、日向夏などの柑橘類、モモ、りんご、ホワイトグレープ、いちご、梨、西洋ナシ、杏、スモモ、さくらんぼ、ウメ、プルーンなどのバラ科の果物、パパイヤ、ライチ、ブドウ、マンゴー、カシス、キウイ、アセロラ、バナナ、ブルーベリー、メロン、グアバなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
中でも、バラ科植物の果実、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。その中でも、リンゴ及びモモから選択される1種以上の果実が好ましい。
中でも、配合する果汁成分の果実種は特に限定されるものではない。例えば、該果実種としては、ウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ブドウ、カキ、ブルーベリーなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
果実由来成分(果汁成分を含む)の配合量は、上述のように、全飲料の15質量%未満であるのが好ましく、中でも12.0質量%以下、その中でも11.0質量%以下、その中でも10.5質量%以下であるのがさらに好ましい。他方、0.5質量%以上であるのが好ましく、その中でも0.8質量%以上、その中でも1.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
(調合工程)
前記抽出工程で得られた抽出液に対して、必要に応じて、例えばリンゴ酸製剤、有機酸製剤、クエン酸製剤などの添加剤、甘味料、酸味料、酒石酸やその他の配合物、例えば水(純水、硬水、軟水、イオン交換水、天然水その他)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、重曹、糖類、デキストリン、香料、乳化剤、安定剤、或いはその他の呈味原料などのいずれか或いはこれらのうち二種以上の組み合わせを添加し、主にpH調整、濃度調整、味の調整を行うようにすればよい。
(殺菌乃至容器充填工程)
上記のように調整した抽出液は、常法によって殺菌乃至容器詰めするのが好ましい。充填容器としては、金属製の缶、紙製パック、プラスチックボトルなどを挙げることができる。この際、例えばプラスチック容器を用いる場合は、25℃、湿度55%RHにおける容器の酸素透過量(cc/Day/500mlボトル)が、0.01〜0.10であるのが好ましく、中でも0.015以上或いは0.08以下、その中でも0.02以上或いは0.06以下であるのが更に好ましい。
殺菌方法及び充填方法に関しては、具体的には、例えば缶詰飲料であれば、容器充填後に加熱殺菌、例えばレトルト殺菌、例えば、適宜加圧下(1.2kg/cm2など)、121℃で7分間加熱殺菌すればよい。PETボトル詰飲料であれば、UHT殺菌、例えば120〜150℃で1秒〜数十秒保持した後、容器充填を行うようにすればよい。
<容器詰紅茶飲料の果実感による後味向上方法>
果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料に関しては、下記(A)〜(E)を満足する方法により、容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味を向上させることができる。
ここで、果実感とは、果実由来の風味、生の果実のようなフレッシュな香味、果実の酸味を言う。
(A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
(B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
(C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
(D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
(E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
[各種物性の測定]
実施例及び比較例で調製した容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)の各物性値は次のように測定した。
(プロシアニジン類含有量)
実施例・比較例で用いたリンゴ果汁について、バニリン―硫酸法を用いた比色法によりプロシアニジン類含有量を測定し、当該測定値とリンゴ果汁の配合量から、容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)のプロシアニジン類含有量を算出し、表には「プロシアニジン類」として示した。
(果実由来ポリフェノール類含有量)
実施例・比較例で用いたリンゴ果汁について、フォーリンデニス法によりそのポリフェノール量を測定した。また、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いた検量線法によってそのビタミンC量を測定した。そして、前記ポリフェノール量から、当該ビタミンC相当量を差し引くことで、リンゴ果汁中の果実由来ポリフェノール類含有量を算出し、当該算出値とリンゴ果汁の配合量から、容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)の果実由来ポリフェノール類含有量を算出し、表には、「果実ポリフェノール」として示した。
(紅茶由来ポリフェノール類含有量)
実施例・比較例で用いた紅茶葉原料について、実施例・比較例と同条件で別途抽出し、得られた抽出液について、酒石酸鉄法(茶業研究報告71(1990)43-74)によりタンニン含有量(mg/100ml)を測定し、当該測定値を、容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)の紅茶由来ポリフェノール類の含有量(mg/100ml)として、表に示した。
(総ポリフェノール類含有量)
上記果実由来ポリフェノール類含有量と紅茶由来ポリフェノール類含有量の合計量を総ポリフェノール類含有量(表には「総ポリフェノール類」と表示)とした。
(重合カテキン類含有量)
実施例・比較例で用いた紅茶葉原料について、実施例・比較例と同条件で別途抽出し、得られた抽出液について、上記のようにタンニン量を測定する一方、下記条件でのHPLC測定により、カテキン類8種(非重合カテキン類)の含有量を測定した。そして、当該タンニン量から当該カテキン類8種(非重合カテキン類)の量を差し引くことで、重合カテキン類含有量を算出した。当該算出値を、容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)の重合カテキン類含有量として、表に示した。
=サンプル調整法=
サンプルを適量測りとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
=HPLC測定条件=
検出器:紫外可視吸光光度計SPD−20AV(株式会社島津製作所)
カラム:Shodex RSpak KC−811×2、φ8mm×300mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/L過塩素酸
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有
15mmol/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相0.5ml/min、反応液0.5ml/min
測定波長:445nm
(カテキン類含有量)
実施例・比較例で用いた紅茶葉原料について、実施例・比較例と同条件で別途抽出し、得られた抽出液について、Allianceシステム(Waters株式会社製)を用いて高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にて、下記条件下検量線法により、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレートそれぞれ定量して、各含有量を測定した。
ガレート型カテキンの含有量は、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの含有量の合計である。当該合計値を、容器詰果汁含有紅茶飲料(サンプル)のガレート型カテキン類含有量として、表に示した。
=サンプル調整法=
サンプルを適量測りとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
=HPLC測定条件=
検出器:紫外可視吸光光度計SPD−20AV(株式会社島津製作所)
カラム:Shodex RSpak KC−811×2、φ8mm×300mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/L過塩素酸
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有
15mmol/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相0.5ml/min、反応液0.5ml/min
測定波長:445nm
(単糖類、二糖類)
実施例・比較例で得た容器詰飲料(サンプル)を次のようにサンプル調整した後、高速液体クロマトグラム(HPLC)を用い、検量線法によって単糖類及び二糖類の含有量を測定した。
なお、単糖類含有量はグルコース及びフルクトースの合計含有量であり、二糖含有量はスクロース、マルトース及びセロビオースの合計含有量である。
=サンプル調整法=
サンプルを適量測りとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
=HPLC測定条件=
カラム:Dionex社 Carbopack PA1 φ4.6×250mm
カラム温度:30℃移動相:A相 200mM NaOH
B相:1000mM Sodium Acetate
C相:超純水
流速:1.0ml/min
注入量:25μl
検出:Dionex社ED50 金電極
<実施例1>
紅茶(茶葉種類:ウバ)11.3gに、リンゴスライス(一辺約5mmダイス状)0.5gを加え、さらに純水340ml(約30倍)を加え、85.0℃で20.0分間抽出した。その際、1分毎に各15秒間ずつ撹拌しながら抽出し、抽出液を得た。
得られた抽出液を20℃まで冷却した後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速480L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000m2で微細濾過し、濾過して得られた抽出液に、リンゴ果汁(リンゴA(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:120、皮ごと搾汁し濾過))4.2質量%(ストレート換算)、ビタミンC(「VC」)0.5gを加えたほか、ショ糖2.25質量%、果糖2.25質量%を加え、pH4.10になるように重炭酸ナトリウムを加え、1000gになるように純水でメスアップした。
このように調合した紅茶飲料を、UHT殺菌機で136℃・30秒殺菌した後、PETボトル容器に充填し冷却して、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例2>
実施例1において、リンゴ果汁の品種及び量をリンゴB(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:70、皮ごと搾汁し濾過)3.2質量%に変更し、紅茶茶葉の産地をダージリンに変更すると共にその量を3.2g/1000gに変更し、ショ糖の量を0.58質量%、果糖の量を0.58質量%、抽出条件を90℃15分間に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例3>
実施例2において、ショ糖の量を4.32質量%、果糖の量を4.32質量%に変更した以外は、実施例2と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例4>
実施例2において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴA(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:120、皮ごと搾汁し濾過)3.0質量%、リンゴC(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:180、皮を取り除いた後搾汁し濾過)3.6質量%に変更し、ショ糖の量を0.40質量%、果糖の量を0.40質量%に変更した以外は、実施例2と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例5>
実施例4において、ショ糖の量を4.15質量%、果糖の量を4.15質量%に変更した以外は、実施例4と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例6>
実施例2において、紅茶茶葉の産地及び量を、ディンブラ3.3g/1000g、ウバ1.0g/1000gに変更し、抽出条件を85℃20分間に変更した以外は、実施例2と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例7>
実施例6において、ショ糖の量を4.33質量%、果糖の量を4.33質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例8>
実施例6において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴA(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:120、皮ごと搾汁し濾過)3.0質量%、リンゴC(品種:ふじ、受粉後から摘果までの日数:180、皮を取り除いた後搾汁し濾過)3.6質量%に変更し、ショ糖の量を0.40質量%、果糖の量を0.40質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例9>
実施例8において、ショ糖の量を4.15質量%、果糖の量を4.15質量%に変更した以外は、実施例8と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例10>
実施例1において、リンゴ果汁の量を0.7質量%に変更し、ショ糖の量を2.49質量%、果糖の量を2.49質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例11>
実施例1において、リンゴ果汁の量を8.0質量%に変更し、ショ糖の量を2.08質量%、果糖の量を2.08質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例12>
実施例1において、リンゴ果汁の量を2.8質量%に変更し、紅茶茶葉の量を2.5g/1000gに変更し、ショ糖の量を2.35質量%、果糖の量を2.35質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例1>
実施例1において、ショ糖と果糖を加えなかった以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例2>
実施例1において、ショ糖の量を7.25質量%、果糖の量を7.25質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例3>
実施例1において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴE(品種:つがる、受粉後から摘果までの日数:60、皮ごと搾汁し濾過)8.4質量%に変更し、ショ糖の量を2.00質量%、果糖の量を2.00質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例4>
実施例1において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴD(品種:つがる、受粉後から摘果までの日数:130、皮を取り除いた後搾汁し濾過)8.4質量2.8質量%に変更し、ショ糖の量を2.35質量%、果糖の量を2.35質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例5>
実施例1において、紅茶茶葉の産地及び量を、和紅茶1.5g/1000gに変更し、抽出条件を90℃20分間に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例6>
実施例1において、紅茶茶葉の産地及び量を、ウバ5.0g/1000g、アッサム28.9g/1000gに変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例7>
実施例1において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴD(品種:つがる、受粉後から摘果までの日数:130、皮を取り除いた後搾汁し濾過)2.8質量%に変更し、紅茶茶葉の産地及び量を、ウバ5.0g/1000g、アッサム28.9g/1000gに変更し、ショ糖の量を7.35質量%、果糖の量を7.35質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例8>
実施例1において、リンゴ果汁の品種及び量を、リンゴE(品種:つがる、受粉後から摘果までの日数:60、皮ごと搾汁し濾過)8.3質量%に変更し、紅茶茶葉の産地及び量を、和紅茶1.5g/1000gに変更し、ショ糖と果糖を加えず、抽出条件を90℃20分間に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例9>
実施例1において、リンゴ果汁の量を10.5質量%に変更し、ショ糖の量を1.88質量%、果糖の量を1.88質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例10>
実施例1において、リンゴ果汁の量を0.4質量%に変更し、ショ糖の量を2.45質量%、果糖の量を2.45質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例11>
実施例1において、リンゴ果汁の量を4.28質量%に変更し、紅茶茶葉の量を24.1g/1000gに変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例12>
実施例1において、紅茶茶葉の量を0.8g/1000gに変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
(官能審査)
実施例1〜12及び比較例1〜12で得られた容器詰飲料(サンプル)について、5人の審査官(パネラー)がそれぞれ、デザート飲料としてそのまま飲用し、コントロール1,3と対比しながら、下記3項目の官能評価の採点を行った。また、菓子としてスフレパンケーキを食べながら一緒に飲用し、コントロール2,4と対比しながら、下記3項目の官能評価の採点を行った。そして、5人の審査官(パネラー)が合議した結果、最も多かった評価を採用し、表に掲載した。
コントロール1:対照サンプル2(従来のフルーツティー)をそのまま飲用した。
コントロール2:対照サンプル2(従来のフルーツティー)をスフレパンケーキと一緒に飲用した。
コントロール3:対照サンプル1(従来の微糖のレモンティー)をそのまま飲用した。
コントロール4:対照サンプル1(従来の微糖のレモンティー)をスフレパンケーキと一緒に飲用した。
5人の審査官(パネラー)が予め対照サンプル2(従来のフルーツティー)について飲用して合議した結果、単独で飲用した場合には、デザート飲料として果実感、渋味の質、甘味の質による濃度感が良好で満足感があった(コントロール1)。他方、スフレパンケーキと一緒に飲用した場合には、果実感、渋味の質、甘味の質による濃度感が強すぎスフレパンケーキと馴染まなかった(コントロール2)。
また、対照サンプル1(従来の微糖のレモンティー)について飲用して合議した結果、単独で飲用した場合には、デザート飲料として、果実感としてみずみずしさが弱く、重厚な渋味、甘味による厚みと濃度感が弱く満足できなかった(コントロール3)。他方、スフレパンケーキと一緒に飲用した場合には、爽やかさが菓子の甘味を引き立て、マイルドな渋味が菓子の後味のリセットをし、ほのかな甘味による厚みと濃度感がスフレパンケーキの香りの余韻を引き立てた(コントロール4)。
以上の結果より、コントロール1、4を陽性対照とし、コントロール2、3を陰性対照として、各審査官(パネラー)が評価し、さらに5人の審査官(パネラー)の合議の結果、最も多かった評価を採用することとした。
[対照サンプル1]
紅茶(茶葉種類:和紅茶)35gに、純水1050g(30倍)を加え、80℃で5分間抽出した。その際、1分毎に各15秒間ずつ撹拌しながら抽出し、抽出液を得た。
得られた抽出液を、遠心分離を用いて微細濾過し、濾過して得られた抽出液に、レモン透明果汁0.7g(ストレート換算)、ビタミンC(「VC」)3g、クエン酸7g、グラニュー糖50gを加え、pH3.8になるように重炭酸ナトリウムを加え、7000gになるように純水でメスアップした。
このように調合した紅茶飲料を、95℃達温まで加熱して殺菌した後、PETボトル容器に充填し冷却して、容器詰飲料(サンプル)を得た。この時のBrixは0.73となった。
[対照サンプル2]
紅茶(茶葉種類:アッサム)2.5gに、純水125g(50倍)を加え、95℃で2.5分間抽出した。その際、撹拌は行なわず蓋をして静置し、抽出液を得た。
得られた抽出液を5℃まで急冷した後、砂糖30g、ダイス状にカットしたリンゴ果実20g、ダイス状にカットしたモモ果実20g、ダイス状にカットしたブドウ果実20g、を加え、冷水で250gになるようにメスアップした。この時のBrixは13.7となった。
<デザート飲料として単独飲用した場合の評価>
(果実感(みずみずしさ))
4:みずみずしい果実の香りが強く、果実感を強く感じ非常に良好(コントロール1と同等)。
3:みずみずしい果実の香りを感じ、果実感があり良好(コントロール1よりやや弱い)。
2:みずみずしい果実の香りのバランスが悪く、好ましくない(コントロール3よりやや強い)。
1:みずみずしい果実の香りのバランスが悪く、問題あり(コントロール3と同等)。
(渋味の質(重厚感))
4:重厚な渋味が舌に残り、満足感があって非常に良好(コントロール1と同等)。
3:重厚な渋味がほのかに舌に残り、満足感がややあり良好(コントロール1よりやや弱い)。
2:重厚な渋味のバランスが悪いために、満足感が物足りなく好ましくない(コントロール3よりやや強い)。
1:重厚な渋味のバランスが悪く、満足感が乏しく問題あり(コントロール3と同等)
(甘味の質(厚みと濃度感))
4:甘味による厚みと濃度感があり、非常に良好(コントロール1と同等)。
3:甘味による厚みと濃度感がほのかにあり、やや良好(コントロール1よりやや弱い)。
2:甘味による厚みのバランスが悪く好ましくない(コントロール3よりやや強い)。
1:甘味による厚みと濃度感のバランスが悪く問題あり(コントロール3と同等)。
<スフレパンケーキと食べ合わせた場合の評価>
(果実感(菓子の甘味との相性))
4:爽やかさが菓子の甘味を引き立て、非常に良好(コントロール4と同等)。
3:爽やかさが菓子の甘味と馴染み良好(コントロール4よりやや弱い)。
2:爽やかさが強く菓子の甘味が感じにくく、菓子を引き立てなく好ましくない(コントロール2よりやや弱い)。
1:爽やかさが強く菓子の甘味が感じにくく、菓子を邪魔し問題あり(コントロール2と同等)。
(渋味の質(菓子の後味との相性))
4:渋味がマイルドで菓子の後味のリセットができ、口中をスッキリさせ非常に良好(コントロール4と同等)。
3:渋味がマイルドで菓子の後味のリセットがややでき、口中をややスッキリさせ良好(コントロール4よりやや弱い)。
2:渋味が重厚で、菓子の後味のリセットがやや悪く好ましくない(コントロール2よりやや弱い)。
1:渋味が重厚で、菓子の後味のリセットが非常に悪く食が進まず問題あり(コントロール2と同等)。
(甘味の質(菓子の香りの余韻との相性))
4:飲料のほのかな甘味による厚みと濃度感が、菓子の香りの余韻を引き立て非常に良好(コントロール4と同等)。
3:飲料のほのかな甘味による厚みと濃度感が、菓子の香りの余韻を感じさせ好ましい(コントロール4よりやや弱い)。
2:飲料の重い甘味による厚みと濃度感が強すぎ、菓子の香りの余韻が乏しく、菓子の香りの余韻が弱く好ましくない(コントロール2よりやや弱い)。
1:飲料の重い甘味による厚みと濃度感が強すぎ、菓子の香りの余韻が全くなく、問題あり(コントロール2と同等)。
(総合評価)
◎:合計点が22点以上である。デザート飲料としての単独飲料及び菓子とのペアリングも非常に良好である。
○:合計点が18〜21点であり、且つ1の評価がない。デザート飲料としての単独飲料及び菓子とのペアリングも良好である。
△:合計点が12〜17点であり、且つ1の評価がない。デザート飲料としての単独飲料及び菓子とのペアリングにやや不向きである。
×:合計点が11点以下であるか、1の評価がある。デザート飲料及び菓子とのペアリングには不向きである。
Figure 2021182884
Figure 2021182884
(考察)
上記実施例及びこれまで本発明が行ってきた様々な試験結果から、果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料に関しては、プロシアニジン類含有量を所定範囲内に調整し、且つ、果実由来ポリフェノール類含有量に対するプロシアニジン類含有量の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を所定範囲内に調整し、且つ、ガレート型カテキン類含有量を所定範囲内に調整し、且つ、ガレート型カテキン類含有量に対する重合カテキン類含有量の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を所定範囲内に調整し、且つ、単糖類及び二糖類の合計含有量を所定範囲内に調整することで、デザート飲料として飲用可能であり、さらには、菓子類と共に飲用した際に食品の味を邪魔せず、引き立て、好適な味わいとなる容器詰果汁含有紅茶飲料とすることができることが分かった。具体的には、そのように調整することで、デザート飲料としても飲用可能であり、且つ、菓子類と共に飲用した際に菓子類の香味を引き立てることができる飲料であって、その甘味の質が菓子の香りの余韻を引き立て、その果実感が菓子の甘味を引き立てることができ、さらには、その渋味の質が後味をリセットすることができ、食が進みペアリングとして適した食中飲料とすることができることが分かった。

Claims (8)

  1. 果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料であって、下記(A)〜(E)を満たす容器詰果汁含有紅茶飲料。
    (A)プロシアニジン類含有量が0.15〜2.0mg/100mlである。
    (B)果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)が0.28〜0.70である。
    (C)ガレート型カテキン類含有量が1.0〜15.0mg/100mlである。
    (D)ガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)が1.0〜20.0である。
    (E)単糖類及び二糖類の合計含有量(「糖類含有量」とも称する)が1.0〜10.0g/100mlである。
  2. 有機酸含有量が1.0〜60.0mg/100mlであり、
    有機酸含有量(mg/100ml)に対する重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/有機酸)が0.01〜100.0であることを特徴とする請求項1に記載の容器詰果汁含有紅茶飲料。
  3. 果実由来のポリフェノール類と紅茶由来のポリフェノール類の合計含有量(「総ポリフェノール類含有量」とも称する)が8.0〜100.0mg/100mlであり、
    当該総ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、糖類含有量(mg/100ml)の比率(糖類/総ポリフェノール類)が0.01〜0.80であることを特徴とする請求項1又は2に容器詰果汁含有紅茶飲料。
  4. 前記有機酸が、リンゴ酸及び酒石酸のうちの少なくとも1種以上を含み、
    有機酸含有量(mg/100ml)に対する、リンゴ酸と酒石酸の合計含有量(mg/100ml)の比率(リンゴ酸+酒石酸/有機酸)が0.50〜1.00であることを特徴とする請求項2に容器詰果汁含有紅茶飲料。
  5. 前記果実由来のポリフェノール類が、リンゴ、モモ、ブドウ、カキ、ブルーベリー及びイチゴから選択される1種以上の果実に由来するポリフェノール類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰果汁含有紅茶飲料。
  6. 前記紅茶由来のポリフェノール類が、ウバ、ダージリン、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ジャワ、和紅茶、キーモンから選択される1種以上の紅茶葉に由来するポリフェノール類であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰果汁含有紅茶飲料。
  7. 果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の製造方法。
    (A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
    (B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
    (C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
    (D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
    (E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
  8. 果実由来のポリフェノール類と、紅茶由来のポリフェノール類とを含む容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味向上方法であって、下記(A)〜(E)を満足することを特徴とする容器詰果汁含有紅茶飲料の果実感による後味向上方法。
    (A)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のプロシアニジン類含有量を0.15〜2.0mg/100mlに調整する。
    (B)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の果実由来ポリフェノール類含有量(mg/100ml)に対する、プロシアニジン類含有量(mg/100ml)の比率(プロシアニジン類/果実ポリフェノール類)を0.28〜0.70に調整する。
    (C)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量を1.0〜15.0mg/100mlに調整する。
    (D)容器に充填する果汁含有紅茶飲料のガレート型カテキン類含有量(mg/100ml)に対する、重合カテキン類含有量(mg/100ml)の比率(重合カテキン類/ガレート型カテキン類)を1.0〜20.0に調整する。
    (E)容器に充填する果汁含有紅茶飲料の単糖類及び二糖類の合計含有量(糖類含有量)を1.0〜10.0g/100mlに調整する。
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