JP6619753B2 - 香料を含有する無色透明な飲料 - Google Patents

香料を含有する無色透明な飲料 Download PDF

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Description

本発明は、香料を含有する無色透明な飲料に関し、特に、水のように無色透明でありながら香料の劣化臭が感じられにくくまたコクがある飲料に関する。
消費者の健康意識、天然・自然志向を背景に、フレーバードウォーター(flavored water)の人気が高まっている。フレーバードウォーターとは、ミネラルウォーターなどの水に香料やエキス、果汁などの原料を加えた飲料で、ニアウォーターとも呼ばれる水のような外観の飲料である。
フレーバードウォーター、特にニアウォーターのような、水のように無色透明でありながら果実などの風味を有しているものは、一般に、喉が渇いたときに水の代わりに飲用できるようなすっきりとした飲みやすい味わいが特徴ではあるが、他の通常の飲料(例えば色のついた飲料や混濁した飲料)に比べて、コクが弱く、物足りない味に感じられやすいところがある。また、飲料中の香料は、光や熱により劣化して、異味や異臭(オフフレーバー)の原因となることが知られている。
香料の劣化臭を防止する方法は、多数提案されており、例えば、特許文献1には、オキシピューセダニンハイドレート及び/又はビャクアンゲリシンを劣化防止剤として用いることが記載されている。また、特許文献2には、茶ポリフェノールを用いて、柑橘系香料中のシトラールから、オフフレーバーの原因であるp−メチルアセトフェノンが生成することを抑制することが記載されている。
特開2010−99025号公報 特開2003−96486号公報
水のように無色透明な飲料では、白濁または混濁した飲料に比べて、揮発性成分のリリースがよく、異臭や異味の原因となる物質が直接に消費者の舌や鼻に到達しやすいことから、香料の劣化が目立ちやすいことに本発明者らは気が付いた。
上述の通り、香料の劣化抑制方法は種々提案されているが、飲料の水のような無色透明さを維持しつつ、香味の劣化を抑制することは、実際には困難であった。また、含有成分量の比較的少ない透明飲料では、従来報告されているような劣化抑制剤を添加すると、飲料の味わいのバランスが崩れやすく、飲料のおいしさを維持しながら劣化した香味を感じさせにくくすることも困難であった。例えば、香料劣化抑制剤として、酸化防止剤であるビタミンCを一定量入れる場合、ビタミンCが経時で褐変し飲料に色がつく、またビタミンC特有の味が出てしまうという問題があった。
また、水のように無色透明な飲料にコクを付与することは、その水のような外観を維持することを考えると使用できる成分に制約があり、実際、困難であった。
本発明は、香料の劣化による異味や異臭が感じられにくく、かつ、無色透明さを保持しており、さらに、コクがあっておいしく飲める、新規な飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、香料を配合した無色透明な飲料に、乳清タンパク質を含有させることにより、飲料の無色透明さを維持しながら、香料の劣化による異味や異臭が感じられにくく、また、飲料にコクを付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下を包含するが、これらに限定されない。
(1)香料及び乳清タンパク質を含み、波長660nmの吸光度が0.06以下であり、純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下である、容器詰め飲料。
(2)乳清タンパク質を0.9ppm以上含む、上記(1)に記載の飲料。
(3)糖用屈折計示度(Brix)が、3.0〜10.0である、上記(1)または(2)に記載の飲料。
水のように無色透明な飲料において、香料に乳清タンパク質を組み合せることにより、香料の劣化臭や劣化味は感じられにくく、一方で、無色透明な飲料に従来なかったコクが感じられる、新規な飲料を調製することができる。本出願人は以前に、乳入りコーヒー飲料の加熱殺菌後の後味の悪さについて検討した結果、乳清タンパク質が主因子であることを見出した(特許第5657200号明細書)。今回、乳清タンパク質の使用により香料の劣化した香味をマスキングできたことは意外な結果であった。
なお、本出願人の知る限りでは、乳清タンパク質のような乳タンパク質が含まれながら水のように無色透明である飲料は、これまで市販されたことがない。
(香料)
本発明の飲料は香料を含有する。香料は、一般に、飲食品の製造又は貯蔵中に失われる香気や香味を補ったり、また、飲食品に新たな風味を付与するために用いられる。
本発明の飲料に用いることができる香料の種類は、飲料に使用できるものであり、また、飲料の無色透明さを損なわないものであればよく、特に限定されないが、果実様の香気を呈する香料は、水のように無色透明な飲料の爽やかなイメージにあうので好ましい。そのような香料には、例えば、果皮オイル、果実等を有機溶剤に浸漬して得た抽出物のような天然由来のものや、果実様香気成分を化学合成により得たものが含まれる。果実様の香気を呈する香料における「果実」としては、例えば、オレンジ、ミカン、マンダリン、レモン、ライム等の柑橘類のほか、モモ、ブドウ、イチゴ、リンゴ、パイナップル、マンゴー、メロンなどが挙げられる。なかでも、柑橘類果実の香気を呈する香料は、その爽やかな香味が、透明飲料の爽やかなイメージと合致するので、好ましい。
飲料中の香料の量は、少なくとも飲料を飲んだ際にその香気が感じられる量であり、具体的には香料自体の力価によって決まるものである。また、飲料の無色透明さを損なわない量であることも必要である。例えば、果実のエタノール抽出液の形態である香料を用いる場合には、その力価や飲料の色及び透明度に応じて、1〜10000ppm程度の量で用いられる。
(乳清タンパク質)
香料は、一般に、光や熱などにより劣化して、不快な異味や異臭(オフフレーバー)を生じることが知られている。本発明の飲料は、香料に加えて、乳清タンパク質を含有することにより、香料が劣化して生じた不快なオフフレーバーをマスキングすることができ、かつ、飲料にコクを付与することができる。
乳清(ホエイ)は、乳(主に牛乳)から脂肪分とカゼインを除いた後に残る液体部分であり、乳清中には、乳糖やミネラル、水溶性ビタミン、水溶性タンパク質などが含まれている。このうち、乳清に含まれる水溶性タンパク質の混合物が、本発明に用いられる乳清タンパク質である。乳清タンパク質には、β−ラクトグロブリン、α−ラクトグロブリン、血清アルブミン、オイグロブリン、プソイドグロブリン、プロテオース・ペプトン等が含まれ、このうち、一般的にはβ−ラクトグロブリンが乳清中に最も多く含まれるタンパク質であり、乳清タンパク質全体の50%以上を占める。
本発明の飲料における乳清タンパク質の含有量は、飲料に用いられる香料の種類や量、また、飲料に付与したいコクの度合いに応じて決定することができる。マスキング及びコク付与の効果と、飲料の無色透明さ、ならびに適度なコクを考慮すると、飲料中の好ましい乳清タンパク質の含有量は、タンパク質の量として0.9ppm以上であり、より好ましくは0.9〜10000ppmである。また、飲料中の乳清タンパク質の量を表す際には、飲料中のβ−ラクトグロブリンの量を指標として用いることもできる。本発明の飲料中の好ましい乳清タンパク質の量は、β−ラクトグロブリンの量として、0.5ppm以上、さらに好ましくは0.5〜5000ppmである。飲料中のβ−ラクトグロブリンの量は、公知の手法で測定することができる。例えば、以下の方法で測定することができる。
<β−ラクトグロブリンの分析>
(1)サンプルの調製
炭酸ガスを含む飲料溶液は、常法にて炭酸ガスを除く。遠心精密濾過チューブ(メルク社製 Amicon Ultra−4mL PLBC Ultracel−3kDa)に飲料溶液2mLを秤量する。Brixが10を超える場合は、10を下回るよう液体クロマトグラフィー用蒸留水で希釈する。遠心器で遠心(4000xg、30分、20℃)し、濾液は廃棄する。フィルター上の捕捉画分に液体クロマトグラフィー用蒸留水3mLを加え、再び遠心器で遠心(4000xg、30分、20℃)する。捕捉画分をピペットで吸い取り、10mL容のメスフラスコに移す。フィルター上に蒸留水2mLを加え、ピペッティングしてフィルターに付着した捕捉物をよく洗い流し、この液も前述の10mL容のメスフラスコに加える。蒸留水で10mLにメスアップし、よく混和した液を分析試料とする。
(2)ELISA分析
分析には、ELISAキット(プリマハム社製 アレルゲンアイ ELISA II 牛乳 指標タンパク質:β−ラクトグロブリン)を用いる。分析法は同ELISAキットの取扱説明書に従う。分析の結果、測定値が同キットの測定範囲外となった場合は、サンプルの調製における希釈倍率を適宜調製し、再度測定を行う。
(無色透明な飲料)
本発明の飲料は無色透明である。「飲料が透明である」とは、いわゆるスポーツドリンクのような白濁や、混濁果汁のような濁りがなく、水のように視覚的に透明な飲料であることをいう。飲料の透明度は、例えば、液体の濁度を測定する公知の手法を用いることにより、数値化することができる。例えば、紫外可視分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製)など)を用いて測定した波長660nmにおける吸光度が、0.06以下であるものを「透明」と呼ぶことができる。
また、「飲料が無色である」とは、視覚的に認知できる色がついていない飲料であることをいう。飲料の色は、例えば、物体の色差を測定する公知の手法を用いることにより、数値化することができる。例えば、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製)など)を用いて純水を基準として測定した際の透過光のΔE値が3.5以下である場合を「無色」と呼ぶことができる。好ましくはΔE値は、2.3以下である。
(その他)
本発明の飲料には、香料と乳清タンパク質に加えて、通常の飲料に用いられる甘味料、酸味料、酸化防止剤、塩類、苦味料、栄養強化剤(ビタミン類など)、pH調整剤などを、飲料の透明性を損なわない範囲で、添加してもよい。
甘味料としては、例えば、果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、高果糖液糖、糖アルコール、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、水飴、ステビア末、ステビア抽出物、羅漢果末、羅漢果抽出物、甘草末、甘草抽出物、ソーマトコッカスダニエリ種子末、ソーマトコッカスダニエリ種子抽出物などの天然甘味料や、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料などが挙げられる。中でもすっきりさ、飲みやすさ、自然な味わいの付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、砂糖が好適に用いられる。これら甘味成分は一種類のみ用いてもよく、また複数種類を用いてもよい。
本発明の飲料のBrixは、好ましくは、3.0〜10.0、さらに好ましくは4.5〜7.0である。ここで、Brixとは、糖用屈折計示度として測定される値である。上記のような低Brixの飲料は、すっきりとした味わいとなり、飲料の外観の透明さからくる爽やかなイメージと味とがよく合致して好ましい。
本発明の飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料として調製してもよい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。なかでも、透明な容器、例えばPETボトルを用いると、本発明の飲料に特徴的な無色透明な外観を容器詰めの状態で確認できることから、好ましい。一般に香料は、容器詰飲料調製時の加熱殺菌による熱や、透明容器に詰められて保管される際の外部からの光により劣化することが知られているが、本発明の乳清タンパク質を含有する飲料は、香料の劣化により生じた異味、異臭がマスキングされており、感じられにくいという効果がある。本発明の無色透明な飲料は、加熱殺菌して透明容器に詰めるのに最適な飲料であるといえる。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば例えば65〜130℃、好ましくは85〜120℃で、10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での殺菌でも問題はない。
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
水に果糖ぶどう糖液糖を添加してBrix6.0に調整した溶液に、クエン酸を0.12質量%、およびレモン香料を0.1質量%添加し、クエン酸三ナトリウムを加えてpHが3.6となるように調整した。さらに以下の表1に記載の濃度(単位:質量%)となるように脱脂粉乳、または乳化製剤(植物性油脂をアラビアガムで乳化させたもの)を加え密閉容器(180ml容のガラス瓶)に充填し85℃10分間の加熱殺菌を行った。さらに55℃で2日間保管することで加速的に劣化させ試作品1〜3を調製した。得られた試作品1〜3について分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製))による波長660nmにおける吸光度を表1に示した。試作品1は無色透明であり、試作品2及び3は白濁していた。これらを飲用した際の劣化臭の強さについて、3名のパネラーにより、「5」を最もよい(加熱殺菌後に加速劣化させずに冷蔵保管したもの(冷蔵保管品)と比べて同等)、「1」を最も悪い(冷蔵保管品と比べてかなり劣化しており、異臭が強い)ものとして、5から1の5段階で評価した。評価の平均点を表1に示す。
Figure 0006619753
表1の結果より、白濁している試作品2及び3は、透明である試作品1に比べて、香料の劣化による異味・異臭が感じられにくくなっており、透明であることで香料の劣化が目立ちやすいことがわかる。
(実施例1)
水に果糖ぶどう糖液糖を添加してBrix6.0に調整した溶液に、クエン酸を0.12質量%、およびレモン香料を0.1質量%添加し、クエン酸三ナトリウムを加えてpHが3.6となるように調整した。さらに飲料中のタンパク質濃度(単位:質量%)が以下の表2に記載の濃度となるように市販の乳清粉末(タンパク質濃度12.5質量%)、乳清タンパク質精製物(タンパク質濃度92.0質量%)、または乳清の乳酸菌発酵液(タンパク質濃度0.060質量%)を加え、この調合液を密閉容器(180ml容のガラス瓶)に充填し85℃10分間の加熱殺菌を行い、さらに55℃で2日間保管することで加速的に劣化させ、試作品4〜9を調製した。得られた試作品4〜9はいずれも、「無色透明」の水のような外観であり、分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製))による波長660nmにおける吸光度が0.06以下、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製))による純水に対する透過光のΔEが3.5以下であった。
また、上記の方法と同様にして、以下の表3に記載の濃度となるように市販の乳清粉末(タンパク質濃度12.5質量%)、または乳清の乳酸菌発酵液(タンパク質濃度0.060質量%)を添加した試作品10〜13を調製した。試作品10〜13はいずれも、「無色透明」の水のような外観であり、分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製))による波長660nmにおける吸光度が0.06以下、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製))による純水に対する透過光のΔEが3.5以下であった。試作品10〜13についてはさらに、試作品中のβ−ラクトグロブリンの濃度を測定した。具体的には以下の手順で濃度測定を実施した。
(1)サンプルの調製
遠心精密濾過チューブ(メルク社製 Amicon Ultra−4mL PLBC Ultracel−3kDa)に試作品2mLを秤量した。遠心器で遠心(4000xg、30分、20℃)し、濾液は廃棄した。フィルター上の捕捉画分に液体クロマトグラフィー用蒸留水3mLを加え、再び遠心器で遠心(4000xg、30分、20℃)した。捕捉画分をピペットで吸い取り、10mL容のメスフラスコに移した。フィルター上に蒸留水2mLを加え、ピペッティングしてフィルターに付着した捕捉物をよく洗い流し、この液も前述の10mL容のメスフラスコに加えた。蒸留水で10mLにメスアップし、よく混和した液を分析試料とした。
(2)ELISA分析
分析には、ELISAキット(プリマハム社製 アレルゲンアイ ELISA II 牛乳 指標タンパク質:β−ラクトグロブリン)を用いた。分析法は同ELISAキットの取扱説明書に従った。
各試作品を飲用した際の劣化臭の強さについて、3名のパネラーにより、「5」を最もよい(冷蔵保管品と比べて同等)、「1」を最も悪い(冷蔵保管品と比べてかなり劣化しており、異臭が強い)ものとして、5から1の5段階で評価した。評価の平均点と試作品4〜9のタンパク質濃度を表2に示す。また、試作品10〜13のタンパク質濃度、β−ラクトグロブリン濃度、及び評価の平均点を表3に示す。なお、官能評価の平均点は、2.5点未満を全く効果なし(×)、2.5点以上3.5点未満をほとんど効果なし(△)、3.5点以上4.0点未満を効果あり(○)、4.0点以上を大きな効果あり(◎)として総合評価を行った。
Figure 0006619753
Figure 0006619753
表2の結果より、乳清タンパク質を一定量以上含む試作品4〜9では、飲料の無色透明さを維持しながら香料の劣化による異味・異臭が感じられにくくなっていることがわかる。また、飲料にコクが付与されたことがわかる。表3の結果からは、試作品10、11及び13では、飲料の無色透明さを維持しながら香料の劣化による異味・異臭が感じられにくくなり、飲料にコクが付与されたことがわかる。試作品12に関しては、苦味が感じられたが、少しコクのある味わいを感じた。

Claims (3)

  1. 香料及び乳清タンパク質を含み、波長660nmで測定した濁度が0.06以下であり、純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下である、容器詰め飲料であって、飲料中の香料の量が1〜10000ppmであり、飲料中の乳清タンパク質の量が0.9〜12.9ppmである、上記飲料
  2. 飲料中のβ−ラクトグロブリンの量が0.5〜9.51ppmである、請求項1に記載の飲料。
  3. 糖用屈折計示度(Brix)が、3.0〜10.0である、請求項1または2に記載の飲料。
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