JP2021153545A - 容器詰にごり紅茶飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジューススタンドなどで提供されるフルーツティーを、容器詰にごり紅茶飲料(RTD)の態様で提供することを志向したものであり、トップの果実の香味の強さ、ミドルからラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの良さが、従来の容器詰紅茶飲料(RTD)と比較して高評価が得られる容器詰にごり紅茶飲料(RTD)を提供する。【解決手段】紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料であって、不溶性食物繊維量が1.0〜20.0mg/100mlであり、有機酸含有量が25.0〜100.0mg/100mlであり、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.01〜0.59であることを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料である。【選択図】なし

Description

本発明は、紅茶液成分と果実成分とを含有する容器詰にごり紅茶飲料及びその製造方法並びに容器詰にごり紅茶飲料の果実感向上方法に関する。
輪切りした果実を紅茶に浮かべて飲む飲み方は、日本国内外を問わず古くから親しまれてきたものであり、一般家庭では勿論、喫茶店などにおいて広く普及したフルーツティーの飲み方である。
ところが最近、このようなフルーツティーをテイクアウト式で提供する店舗(例えば、ジューススタンドのようなもの)が鉄道駅やデパートなどにおいて増加しており、特に女性を中心に広く人気を集めている。
しかしながら、このような飲み方、すなわち輪切りしたフルーツを紅茶に浮かべたような風合いのフルーツティーを工業的に提供する飲料、すなわち容器詰紅茶飲料(RTD)として再現することは技術的に極めて困難であった。
その理由は幾つかあり、その一つとして、工業製品としての容器詰紅茶飲料(RTD)は、一定程度の長期に亘っての保存を前提とするため加熱殺菌処理が法律上要請されるが、このような加熱殺菌処理をすると、加熱劣化や経時劣化を生じるため、一般家庭や店舗(ジューススタンド)で提供するものと似ても似つかぬものとなってしまうことを挙げることができる。
このような問題を解決するために、工業的に容器詰紅茶飲料(RTD)を提供する企業は、香料等の副素材を用いるなどして、法律上要請される加熱殺菌処理をしながらも、一般家庭や店舗(ジューススタンド)で提供するものに近しいものを提供しようと試みてきた。これにより、加熱殺菌処理による品質の変化は一定程度の制御が可能になったものの、一般家庭等では決して使用しない香料等の副素材を使用すること等により、一般家庭等で提供するものとは依然として似ても似つかぬもののままであった。
ところで、フルーツティーを工業的な容器詰紅茶飲料(RTD)として再現しようとする試みは、これまでに様々な形で為されている。
例えば、特許文献1には、果汁含有率が10wt%未満であっても、リンゴらしい酸味の付与と、後味のキレの向上が可能なリンゴ風味を付与するリンゴ風味食品組成物が開示されている。
特許文献2には、果汁を10〜90質量%含有する果汁入り容器詰紅茶飲料であって、テオガリンを10ppm〜24ppm含有し、且つカリウムの含有量に対するテオガリンの含有量の比率(テオガリン/K)が0.015〜0.100であることを特徴とする果汁入り容器詰紅茶飲料が開示されている。
特許文献3には、カフェインを0.001〜0.005質量%含有し、かつ、甘味料と果汁を含有する容器詰紅茶飲料であって、酸度が0.02〜0.08%の範囲にあり、かつ酸度が前記範囲にある時の糖度と酸度で表される甘辛度が1.50〜2.50の範囲にあることを特徴とする容器詰紅茶飲料が開示されている。
特許文献4には、マスカット、桃、オレンジ、ベルガモット、リンゴからなる群から選ばれる1種類又は2種類以上の果汁を含む容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料であて、ブリックス値が0.4〜5.0であり、茶由来ポリフェノール類が10〜400ppmであり、且つ果汁由来ポリフェノール類が0.6〜150ppmであると共に、甘味料が添加されておらず、カフェイン含有量が100ppm以下であることを特徴とする容器詰非アルコール性果汁含有紅茶飲料が開示されている。
特開2011−152095公報 特開2011−155892号公報 特開2011−155891号公報 特許第5978466号公報
本発明は、ジューススタンドなどで提供されるフルーツティーを、容器詰にごり紅茶飲料(RTD)の態様で提供することを志向したものである。より具体的には、トップの果実の香味の強さ、ミドルからラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの良さが、従来の容器詰紅茶飲料(RTD)と比較して高評価が得られる容器詰にごり紅茶飲料(RTD)を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、トップの果実の香味の強さ、ミドルからラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの良さにおいて高評価を得たものの中でも、さらに、加熱保管後の香味の保持性及び液色の保持性に優れた容器詰にごり紅茶飲料(RTD)を提供することを第二の目的とする。
本発明は、紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料であって、不溶性食物繊維量が1.0〜20.0mg/100mlであり、有機酸含有量が25.0〜100.0mg/100mlであり、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.01〜0.59であることを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料を提案する。
本発明はまた、紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料の製造方法において、
不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、有機酸含有量が25.0〜100.0mg/100mlに調整し、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整することを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料の製造方法を提案する。
本発明はまた、紅茶液成分に果実成分を配合する工程を備え、不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、有機酸含有量が25〜100mg/100mlに調整し、且つ有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整することを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料の果実感向上方法を提案する。
本発明により、トップの果実の香味の強さ、ミドルからラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの良さが、従来の容器詰紅茶飲料(RTD)と比較して高評価が得られる容器詰にごり紅茶飲料(RTD)を提供することができる。よって、容器詰紅茶飲料(RTD)でありながらも、ジューススタンドなどで提供されるフルーツティーらしさが感じられる、これまでにない容器詰にごり紅茶飲料(RTD)を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の一例について説明する。但し、本発明の技術的範囲が、下記実施の形態の一例に制限されるものでない。
<<本容器詰紅茶飲料>>
本発明の容器詰にごり紅茶飲料(「本容器詰紅茶飲料」とも称する)は、紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料、言い換えれば、紅茶液成分と果実成分を含有する飲料組成物が容器に充填されてなる容器詰にごり紅茶飲料である。
ここで、当該容器詰にごり紅茶飲料は、にごり紅茶飲料を容器詰めして法令等により要請される加熱殺菌処理をしたものをいう。
当該「にごり紅茶飲料」は、にごりを有する紅茶飲料の意味である。
この際、「にごりを有する」とは、飲料が濁っており、透明でないことをいい、具体的には容器に充填後の内容液すなわち飲料が、純水をリファレンスとした場合の660nmにおける透過率(T%)の数値が90%以下である状態をいう。
また、「紅茶飲料」とは、紅茶液成分を含有する飲料の意味である。
本発明の容器詰紅茶飲料は、工業製品であって市場流通できるものであり、一定期間の保管期間(いわゆる賞味期間)が担保されたものである。したがって、本発明の容器詰紅茶飲料は、家庭や飲食店等で調製して直ちに飲用する飲料とは技術的及び産業的に性質を異にするものである(例えば、『最新・ソフトドリンクス』,全国清涼飲料工業会他監修,光琳,2003年を参照)。
また、容器詰紅茶飲料は、法令等の要請により容器やラベル等の包装材に品名を記載する必要がある。本発明の容器詰紅茶飲料の品名は、特に限定されるものではない。但し、紅茶液成分と果実成分とを少なくとも含有するものであるから、紅茶飲料、果汁飲料、果汁入り飲料、清涼飲料等であってよい。
また、本発明の容器詰紅茶飲料は、開栓したら希釈せずそのまま飲用できる態様(所謂シングルストレングス)であるのが好ましい。
(紅茶液成分)
本発明において「紅茶液成分」とは、紅茶葉由来の成分の意味である。
当該「紅茶液成分」としては、例えば、紅茶葉を抽出して得られる液(紅茶葉抽出液)や、紅茶葉抽出液を濃縮して得られる濃縮液(紅茶葉濃縮液)や、紅茶葉抽出液を乾燥して得られる乾燥物(紅茶葉乾燥物)や、紅茶葉濃縮液を乾燥して得られる乾燥物(紅茶葉濃縮乾燥物)などを挙げることができる。必要に応じて、これらの1種又は2種以上であってもよい。
また、これら「紅茶液成分」を調製するにあたり、各種の公知技術、例えば固液分離、活性炭処理、酵素処理などの1種又は2種以上を適宜選択して実施してよい。
前述の紅茶葉としては、一般に紅茶飲料に使用されている紅茶葉、すなわち、生茶葉を発酵させ、必要に応じて製茶して得られる茶葉を用いることができる。
紅茶葉の茶期、産地、品種、等級、および発酵条件などは特に限定するものではない。例えば中国種(var.sinensis)であっても、アッサム種(var.assamica)であっても、2種以上の茶葉をブレンドしたものでもよい。
容器詰紅茶飲料が紅茶液成分を含むか否かは、容器やラベル等の包装材に記載された品名、原材料名、その他の記載事項で判断することができる。かかる事項は、製品に記載された情報のみならず、書籍、新聞、インターネット情報などで代替できる。
また、これらに加えて、紅茶液に通常含まれる各種成分、例えばテアフラビン、テアルビジン、タンニンなどが分析等により検出できるかにより判断することもできる。
通常の紅茶液は、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニジンポリマー、テアニン及びカフェインを含んでいるから、これらの成分を含んでいるか否かを判断すれば、さらに確実に判断することができる。後述する実施例で調製した容器詰紅茶飲料はいずれも、これらの成分を含んでいるものであった。
本容器詰紅茶飲料において、液成分を除く固形成分中の紅茶液成分の含有割合は、5〜50質量%であるのが好ましく、中でも10質量%以上或いは45質量%以下、その中でも15質量%以上或いは40質量%以下であるのがさらに好ましい。
(果実成分)
本発明において「果実成分」とは、果実に由来する成分を意味するものである。
当該「果実成分」としては、例えば、果実を抽出、搾汁、粉砕などの加工したものの一部又は全部などを挙げることができる(以下、これらを総称して「果実抽出物」ともいう)。必要に応じて、これらの1種又は2種以上であってもよい。
なお、果実抽出物を濃縮処理や乾燥処理などをしたもの(果実濃縮物、果実乾燥物)を、果実抽出物に代えて又は果実抽出物と併用してもよく、これらはいずれも本発明における「果実成分」に該当する。
前記果実抽出物や果実濃縮物の態様は、液体と固体のいずれでもよく、両者を併用することもできる。
果実抽出物等に由来する果実は、青果、青果を冷凍したもの、青果を乾燥したもののいずれか又はこれらを組み合わせて用いることができる。特に好ましくは、青果、青果を冷凍したものであって、具体的には40℃以上に加熱処理されていない果物を抽出、搾汁若しくは粉砕して得られた成分であることが好ましく、果肉片などの固体であっても、果汁などの液体であってもよい。但し、容器詰とする際に行われる加熱殺菌による加熱は前記加熱処理に含まれない。
本容器詰紅茶飲料が含有する果実成分に係る果実種は特に限定するものではない。例えば、該果実種としては、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、日向夏などの柑橘類、モモ、りんご、ホワイトグレープ、いちご、梨、西洋ナシ、杏、スモモ、さくらんぼ、ウメ、プルーンなどのバラ科の果物、パパイヤ、ライチ、ブドウ、マンゴー、カシス、キウイ、アセロラ、バナナ、ブルーベリー、メロン、グアバなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
本容器詰紅茶飲料は、前記果実成分として、バラ科植物の果実に由来する成分を含有するのが好ましい。
バラ科植物の果実としては、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
本容器詰紅茶飲料はまた、前記果実成分として、加熱されていない果実に由来する成分を含有するのが好ましい。この際、「加熱されていない果実」とは、40℃以上に加熱処理されていない果物の意味である。但し、容器詰とする際に行われる加熱殺菌による加熱は前記加熱処理に含まれない。
具体的には、前記果実成分として、40℃以上に加熱処理されていない果物(「生果実」とも称する)を抽出、搾汁若しくは粉砕して得られた成分であることが好ましく、果肉片などの固体であっても、果汁などの液体であってもよい。
容器詰紅茶飲料が果実成分を含むか否かは、容器やラベル等の包装材に記載された品名、原材料名、その他の記載事項で判断することができる。かかる事項は、製品に記載された情報のみならず、書籍、新聞、インターネット情報などで代替できる。
また、これらに加えて、果実に通常含まれる各種成分、例えばクエン酸、有機酸などが分析等により検出できるかにより判断することもできる。
本容器詰紅茶飲料において、紅茶の香味と果実の香味とのバランスの観点から、前記果実成分の含有量は、10.0質量%未満であるのが好ましく、中でも7.0質量%以下、その中でも5.0質量%以下、その中でも3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
但し、非加熱果実由来成分の含有量が少なすぎると果実の香味を感じにくくなるから、0.5質量%以上であるのが好ましく、その中でも0.8質量%以上、その中でも1.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、紅茶の香味と果実の香味とのバランスの観点から、紅茶成分の含有量(質量)に対する果実成分の含有量(質量)の割合は、1.0〜9.5であるのが好ましく、中でも1.2以上或いは5.0以下、その中でも1.5以上或いは4.0以下であるのがさらに好ましい。
(不溶性食物繊維)
本容器詰紅茶飲料は、不溶性食物繊維を含有するのが好ましい。
「不溶性食物繊維」とは、水に溶けない食物繊維の意味である。
本容器詰紅茶飲料における、不溶性食物繊維量は1.0〜20.0mg/100mlであるのが好ましい。
本容器詰紅茶飲料における不溶性食物繊維量が1.0mg/100ml以上であれば、のどに紅茶飲料がゆっくり流れ、コクが感じられるから、好ましい。他方、20.0mg/100mL以下であれば、ほどよい舌触りが感じられるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料における不溶性食物繊維量は1.0mg/100ml以上であるのが好ましく、中でも3.0mg/100mL以上、その中でも5.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましい。他方、20.0mg/100mL以下であるのが好ましく、中でも15.0mg/100mL以下、その中でも10.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、紅茶成分の含有量(質量)に対する不溶性食物繊維量の含有量(質量)の割合は、0.025〜2.00であるのが好ましく、中でも0.05以上或いは1.50以下、その中でも0.10以上或いは1.0以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料における不溶性食物繊維は、主に、添加する非加熱果実由来成分に由来するものなどを挙げることができる。
よって、不溶性食物繊維量を前記範囲に調整する手段としては、例えば、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などを調整することにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
なお、不溶性食物繊維量は、プロスキー変法(酵素−重量法)(分析実務者が書いた五訂日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説、編集者:財団法人日本食品分析センター、発行者:中央法規出版(株)、2001年発行、66〜72頁)によって測定することができる。
(粒子)
本容器詰紅茶飲料は、粒子を含有するのが好ましい。
この粒子は、上記不溶性食物繊維からなる粒子のほか、抽出に用いる果実に由来する粒子、例えば、抽出液がクリームダウンして生じた濁りに由来する粒子などを挙げることができる。但し、これらに限定するもではない。
本容器詰紅茶飲料は、かかる粒子に関し、粒子径が10.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子を、総粒子全体に対して、体積基準で30.0〜80.0%の割合で含有することが好ましい。この範囲とすることで、舌に残る果実の後味の強さを高めることができるばかりか、加温保管した際に、液色の変化を抑制することができる。
かかる観点から、10.0μm〜200.0μmの粒子径の範囲にある粒子の割合は、中でも40.0%以上或いは75.0%以下であるのがさらに好ましく、その中でも45.0%以上或いは70.0%以下であるのが特に好ましい。
さらに20.0〜80.0μmの範囲にある粒子を、総粒子全体に対して、体積基準で55.0〜85.0%の割合で含有することが最も好ましく、果実の後味の強さを高めつつ、液色の変化の抑制が顕著となるからである。
本容器詰紅茶飲料において、粒子径が10.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子の割合は、抽出する果実の果実種及びその量、抽出条件や抽出後の冷却温度、濾過条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及び量などの調整により調整できる。抽出条件を強めたり、冷却温度を低下させたり、濾過条件を弱めると、10.0μm〜200.0μmの粒子径の範囲にある粒子の割合は増える傾向にある。
なお、粒子径の測定方法としては、レーザ回析式粒度分布測定装置等により測定することができ、例えばSHIMADZU SALD−2300(島津製作所社製)などによって測定する方法を挙げることができる。
(リンゴ酸/有機酸)
本容器詰紅茶飲料は、有機酸及びリンゴ酸を含有するのが好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)は0.01〜0.59であるのが好ましい。
有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.01以上であれば、トップの果実の香味が強く感じられるから、好ましい。他方、0.59以下であれば、ほどよいトップの紅茶の香味を感じられるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料の当該比率(リンゴ酸/有機酸)は0.01以上であるのが好ましく、中でも0.05以上、その中でも0.10以上であるのがさらに好ましい。他方、0.59以下であるのが好ましく、中でも0.57以下、その中でも0.55以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、リンゴ酸及び有機酸の由来は、特に限定されるものではない。例えば、抽出する果実、添加する添加する非加熱果実由来成分、その他の添加成分、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤に由来するものを挙げることができる。中でも、抽出する果実、添加する添加する非加熱果実由来成分など果実に由来するものであるのが好ましい。
この際の果実種については、特に限定されるものではないことは上述のとおりであり、例えば上述の果実種のうち1種又は2種以上であってもよい。
本発明において有機酸量は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、ギ酸及び酢酸の合計含有量である。
有機酸量及びリンゴ酸量は、高速液体クロマトグラム(HPLC)などを用い、検量線法などによって測定することができる。
(有機酸)
本容器詰紅茶飲料における有機酸量は25.0〜100.0mg/100mlであるのが好ましい。
有機酸含有量が25.0mg/100mL以上であれば、果実の鮮度感が強く感じられるから、好ましい。他方、100.0mg/100mL以下であれば、ミドルからラストにかけての紅茶の香味が強く感じられるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料における有機酸の含有量は、25.0mg/100mL以上であるのが好ましく、中でも30.0mg/100mL以上、その中でも50.0mg/100mL以上であるのが特に好ましい。他方、100.0mg/100mL以下であるのが好ましく、中でも90.0mg/100mL以下、その中でも74.0mg/100mL以下であるのが特に好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、紅茶成分の含有量(質量)に対する有機酸量の含有量(質量)の割合は、0.625〜10.0であるのが好ましく、中でも1.0以上或いは5.0以下、その中でも1.5以上或いは4.0以下であるのがさらに好ましい。
(リンゴ酸)
本容器詰紅茶飲料におけるリンゴ酸の含有量は0.25mg/100mL〜60.0mg/100mLであるのが好ましい。
リンゴ酸含有量が0.25mg/100mL以上であれば、酸味による果実の香味が強く感じられるから、好ましい。他方、60.0mg/100mL以下であれば、酸味が抑えられ紅茶の香味が強く感じられるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料におけるリンゴ酸の含有量は、0.25mg/100mL以上であるのが好ましく、中でも0.30mg/100mL以上、その中でも1.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましい。他方、60.0mg/100mL以下であるのが好ましく、中でも50.0mg/100mL以下、その中でも40.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、紅茶成分の含有量(質量)に対するリンゴ酸含有量(質量)の割合は、0.005〜6.0であるのが好ましく、中でも0.01以上或いは4.0以下、その中でも0.1以上或いは2.0以下であるのがさらに好ましい。
有機酸量及びリンゴ酸量の調整方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤などの添加などの方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
(紅茶ポリフェノール類量)
本容器詰紅茶飲料において、紅茶ポリフェノール類量は20.0〜50.0mg/100gであるのが好ましい。
紅茶ポリフェノール類量が20.0mg/100mL以上であれば、紅茶の香味が強く感じられるから好ましい。他方、50.0mg/100mL以下であれば、フルーツティーとして紅茶の香味が強すぎず、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料の紅茶ポリフェノール類量は20.0mg/100mL以上であるのが好ましく、中でも22.0mg/100mL以上、その中でも24.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましい。他方、50.0mg/100mL以下であるのが好ましく、中でも45.0mg/100mL以下、その中でも40.0mg/100mL以下、さらにその中でも35.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
紅茶ポリフェノール類量は、紅茶葉の種類及びその量、紅茶葉の抽出条件などを適宜調整することにより調整することができる。また、紅茶葉抽出液、紅茶葉濃縮液、紅茶葉乾燥物、紅茶葉濃縮乾燥物からなる群から選ばれる1種又は2種以上を配合することでも調整することができる。この際、紅茶葉抽出液、紅茶葉濃縮液、紅茶葉乾燥物、紅茶葉濃縮乾燥物などの調製するにあたり、各種の公知技術、例えば固液分離、活性炭処理、酵素処理などの1種又は2種以上を適宜選択し、それぞれの条件を調整することによって、それぞれの紅茶ポリフェノール類量を調整することができる。さらには、市販の紅茶ポリフェノール類量を併用してその量を調整することでも、紅茶ポリフェノール類量を調整することができる。
なお、本発明において紅茶ポリフェノール類とは、縮合型タンニン(単に「タンニン」とも称する)から、カテキン類すなわちカテキン(C)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)及びエピガロカテキンガレート(EGCg)のカテキン8種を除いたものである。
紅茶ポリフェノール類量は、酒石酸鉄法(茶業研究報告71(1990)43-74)により測定されたタンニン量から、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いて、検量線法によって、測定されたカテキン類8種の量を差し引くことで算出される。
(ミネラル)
本容器詰紅茶飲料において、ミネラルの含有用量は、ナトリウム(Na)含有量が、5.0mg/100mL〜17.0mg/100mLであるのが好ましく、中でも6.0mg/100mL以上或いは15.0mg/100mL以下、その中でも7.0mg/100mL以上或いは14.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
カリウム(K)含有量は、3.0mg/100mL〜15.0mg/100mLであるのが好ましく、中でも4.0mg/100mL以上或いは12.0mg/100mL以下、その中でも5.0mg/100mL以上或いは10.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
カルシウム(Ca)含有量は、0.1mg/100mL〜1.0mg/100mLであるのが好ましく、中でも0.2mg/100mL以上或いは0.9mg/100mL以下、その中でも0.3mg/100mL以上或いは0.8mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
マグネシウム(Mg)含有量は、0.1mg/100mL〜1.0mg/100mLであるのが好ましく、中でも0.2mg/100mL以上或いは0.9mg/100mL以下、その中でも0.3mg/100mL以上或いは0.8mg/100mL以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料において、上記ミネラル含有量の調整は、上述の原料選択、原料加工、原料の使用割合等により適宜調整することができる。例えば、紅茶液成分や果実成分の選択や組み合わせ、その加工や使用割合等により適宜調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
容器詰紅茶飲料におけるミネラル含有量は、ICP発光分光分析装置により測定することができる。
(ハーブ成分)
本容器詰紅茶飲料は、ハーブ成分を含んでいてもよい。
ここで、「ハーブ成分」とは、ハーブそのものや抽出物でもよい。またハーブを乾燥、切断等の加工したものでもよいし、公知の方法でハーブを抽出して得られる抽出物や、その抽出物の濃縮物でもよい。
ハーブの種類としては、例えばカモミール、ペパーミント、スペアミント、アプリコット、レモングラス、シナモン、ローズマリー及びローズヒップなどを挙げることができる。本容器詰紅茶飲料の果実成分との相性を考慮し、1種又は2種以上のハーブを使用することができる。
特に限定されないが、例えば容器詰紅茶飲料の果実成分がリンゴである場合には、カモミールとの相性が良く、モモである場合にはアプリコットやローズヒップとの相性が良い。
本容器詰紅茶飲料がハーブ成分を含むことにより、果実らしい青くフレッシュな香りを増強する効果を得ることができる。
本容器詰紅茶飲料が上記ハーブ成分を含むようにするには、上記ハーブ成分を抽出液に添加すればよい。但し、これらの方法に限定するものではない。
(その他の成分)
本容器詰紅茶飲料には、上記成分以外に、必要に応じて、容器詰紅茶飲料に用いることができる各種成分が含まれていてもよい(例えば、『最新・ソフトドリンクス』,全国清涼飲料工業会他監修,光琳,2003年を参照)。例えば砂糖、果糖などの糖類、クエン酸及びその塩、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、ビタミンC等の酸化防止剤、甘味料、香料、色素成分、保存料、調味料、酸味料、ビタミン、アミノ酸等を含有してもよい。但し、先述のとおり、消費者における添加物を忌避する昨今の傾向から、これら成分を極力含まない方が好ましく、例えば香料などを使用しない方が好ましい。
なお、本容器詰紅茶飲料は、アルコール含有量が1質量%未満であること、すなわち、非アルコール性飲料であることが好ましい。
本容器詰紅茶飲料は、食品に香りや味の一部を付与する食品添加物(フレーバー)の使用を排除するものではない。しかしながら、消費者における添加物を忌避する昨今の傾向から、このような食品添加物(フレーバー)を使用しないのが好ましい。
<固形量:Bx>
本容器詰紅茶飲料の固形量(Bx)は、特に限定されるものではないが、6.0%以下であれば、甘味が強すぎず香味的に好ましい。かかる観点から、6.0%以下であるのが好ましく、中でも5.5%以下、その中でも5.0%以下であるのがさらに好ましい。
なお、固形量(Bx)の下限値については、2.0%以上であれば、甘味があり、本格的な果汁感が得られ好ましい。かかる観点から、2.0%以上であるのが好ましく、中でも2.5%以上、その中でも3.0%以上であるのがさらに好ましい。
容器詰紅茶飲料の固形量(Bx)は、市販のBx測定器を用いることにより測定できる。
固形量(Bx)を前記範囲に調整する手段としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整などの方法を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
<pH>
本容器詰紅茶飲料は、そのpHが2.8以上5.0未満であれば、紅茶本来の風味が余韻に感じられるため、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料のpHは2.8以上であるのが好ましく、中でも3.0以上、その中でも3.5以上であるのがさらに好ましく、他方、5.0未満であるのが好ましく、中でも4.5以下、その中でも4.0以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料のpHの調整方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整、例えばリンゴ酸製剤や有機酸製剤などの添加、さらにはpH調整剤の添加などの方法を挙げることができる。但し、この方法に限定するものではない。
本容器詰紅茶飲料のpHは、市販のpH測定器を用いることにより測定できる。
<透過率(T%)>
本容器詰紅茶飲料は、その透過率(T%)が50.0〜95.0%であれば、にごりの強さが良好となり、また飲用した際の舌触りが増強されるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料の透過率(T%)は55.0%以上であるのがさらに好ましく、中でも60.0%以上、その中でも65.0%以上であるのがさらに好ましい。他方、94.0%以下であるのがさらに好ましく、中でも93.0%以下、その中でも92.0%以下であるのがさらに好ましい。
本容器詰紅茶飲料の透過率(T%)を調整する方法としては、例えば抽出に用いる果実の種類及びその量、抽出方法及びその条件、ろ過の方法及びその条件、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などの調整などの方法を挙げることができる。中でも、本容器詰紅茶飲料においては、上述した不溶性食物繊維量乃至粒子の粒度分布の調整によって、透過率(T%)が大きく左右されることになるから、これらを調整するのが好ましい。但し、この方法に限定するものではない。
<酸度>
本容器詰紅茶飲料の酸度は0.040%〜0.100%であるのが好ましい。
酸度がかかる範囲であれば、後味のキレが良好であるから、好ましい。
かかる観点から、本容器詰紅茶飲料における酸度は0.040%以上であるのが好ましく、中でも0.051%以上、その中でも0.060%以上であるのがさらに好ましい。他方、0.100%以下であるのが好ましく、中でも0.090%以下、その中でも0.080%以下であるのがさらに好ましい。
なお、容器詰紅茶飲料の酸度は、主に果汁の種類と含有量、酸味料の種類と添加量等によって調整することができる。但し、これらの方法に限定されるものではない。
<<容器詰紅茶飲料の製造方法>>
本容器詰紅茶飲料の製造方法として、紅茶液成分と果実成分とを含有する容器詰紅茶飲料の製造方法であって、不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、有機酸含有量を25.0〜100.0mg/100mlに調整し、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整することを特徴とする、容器詰紅茶飲料の製造方法を挙げることができる。
上述のとおり、不溶性食物繊維量は1.0〜20.0mg/100mlであるのが好ましく、中でも3.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましく、その中でも5.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましい。他方、18.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましく、中でも16.0mg/100mL以下、その中でも14.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましく、その中でも12.0mg/100mL以下であるのが特に好ましい。
不溶性食物繊維量の調整方法は、上述したように、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量などを調整することにより、調整することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
有機酸含有量は25.0〜100.0mg/100mlであるのが好ましく、その中でも30.0mg/100mL以上であるのがさらに好ましい。他方、95.0mg/100mL以下であるのが好ましく、中でも90.0mg/100mL以下、その中でも85.0mg/100mL以下であるのがさらに好ましく、その中でも80.0mg/100mL以下であるのが特に好ましい。
有機酸含有量の調整方法は、上述したように、抽出に用いる果実の種類及びその量、添加する非加熱果実由来成分の種類及びその量、添加剤の種類及び量などを調整することにより、調整することができる。但し、当該比率の調整方法をこれらの方法に限定するものではない。
また、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)は0.10〜0.59であるのが好ましく、中でも0.20以上、その中でも0.25以上であるのがさらに好ましい。他方、0.55以下であるのが好ましく、中でも0.50以下、その中でも0.45以下であるのがさらに好ましい。
有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を調整する手段としては、上述したように、例えば果実種の混合、特に非加熱果実原料の混合などによればよい。なぜなら、非加熱果実原料を用いることによって、果実由来の後味の余韻がより向上するのに寄与するからである。但し、当該比率の調整方法をこれらの方法に限定するものではない。
<好ましい製造方法の態様>
本容器詰紅茶飲料の好ましい製造方法の一態様として、紅茶葉と果実とを合わせて一緒に抽出して抽出液を得(この処理を「抽出工程」と称する)、得られた抽出液に非加熱果実由来成分を加えて飲料液を得(この処理を「非加熱果実由来成分添加工程」と称する)、さらに必要に応じて添加成分を加え(この処理を「調合工程」と称する)、そして殺菌乃至容器充填する(この処理を「殺菌乃至容器充填工程」と称する)ことを特徴とする容器詰紅茶飲料の製造方法において、原料の選択、各処理の条件調整などによって、上記各成分量乃至比率、例えば不溶性食物繊維量、有機酸含有量、比率(リンゴ酸/有機酸)などを調整して本容器詰紅茶飲料を製造する方法を挙げることができる。但し、この製造方法に限定するものではない。
(原料)
前述の紅茶葉としては、一般に紅茶飲料に使用されている紅茶葉、すなわち、生茶葉を発酵させ、必要に応じて製茶して得られる茶葉を用いることができる。
紅茶葉の茶期、産地、品種、等級、および発酵条件などは特に限定するものではない。例えば中国種(var.sinensis)であっても、アッサム種(var.assamica)であっても、2種以上の茶葉をブレンドしたものでもよい。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実の果実種としては、バラ科植物の果実、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。中でも、生果実の香味の強さ、舌に残る果実の後味の強さの観点から、リンゴ及びモモから選択される1種以上の果実が好ましい。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、加熱処理されていない果実(「生果実」とも称する)であるのが好ましい。
ここで、「加熱処理されていない果実」とは、品温が40℃以上となるような加熱処理を経ていない果実の意味である。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、生果実そのものであっても、生果実を冷凍したものであっても、生果実を乾燥したものであってもよく、これらのいずれか又はこれらを組み合わせて用いることができる。
紅茶葉と合わせて一緒に抽出する果実は、生果実を切断乃至粉砕したものが特に好ましい。
また、「果実を切断乃至粉砕したもの」とは、果実内部が露出した状態の果実の意味である。例えば、果実そのもののほか、皮付きの果実を裁断、粉砕、搾汁などの加工を施して得られたもの、皮を除いた果実を裁断、粉砕、搾汁などの加工を施して得られたものを包含する。
「果実を切断乃至粉砕したもの」として、好ましくは、果実をスライスしたものを挙げることができる。具体的には、リンゴやモモを裁断したスライスやダイス等を挙げることができる。
紅茶葉と上記果実との配合割合に関しては、紅茶葉100質量部に対して果実を1.0〜5.0質量部の割合で配合するのが好ましく、中でも1.5質量部以上或いは4.0質量部以下、その中でも2.0質量部以上或いは3.0質量部以下の割合で配合するのがさらに好ましい。
(抽出工程)
紅茶葉と果実とを合わせて一緒に抽出するのが好ましい。
但し、果実を抽出した抽出液中に紅茶葉を添加し、果実抽出液中で紅茶を抽出してもよい。また、紅茶を抽出した抽出液中に果実を添加し、紅茶抽出液中で果実を抽出してもよい。
紅茶葉(「原料茶」とも称する)及び果実の抽出は、例えば、常法に従ってニーダーと呼ばれる抽出装置を用いて、原料茶に対して5〜100倍量、10〜100℃の湯水で約1分〜40分間、必要に応じて1回〜数回攪拌して、常圧で抽出を行えばよい。適度な香味を維持しつつ、液色変化抑制を図る観点によると、10〜90℃、特に20〜80℃、中でも30〜70℃、中でも60℃以下、その中でも50℃以下で抽出を行うのが好ましい。
但し、抽出方法及び抽出条件等を特に限定するものではなく、例えば加圧抽出を行うこともできる。
抽出に用いる湯水は、純水、硬水、軟水、イオン交換水、天然水などのほか、アスコルビン酸含有水溶液及びpH調製水等を例示することができる。
湯水にアスコルビン酸ナトリウム等の有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。
抽出後の固液分離は、濾過や遠心分離等により行い、紅茶葉を除去して抽出液を得るようにすればよい。例えばステンレスフィルターやネル布、ストレーナー、その他抽出残渣を除去するために現在採用されている濾過方法を任意に採用することができる。
また、必要に応じて、さらに遠心分離や珪藻土濾過を行ってもよい。またこれらの個液分離によって、容器詰紅茶飲料の透過率(T%)を調整することもできる。
また、得られる抽出液のpHを必要に応じて酸性領域に調整し、中でもpHを4.0〜6.0、中でも4.2以上或いは5.5以下、その中でも4.5以上或いは5.0以下に調整するのが好ましい。また、抽出液を18℃以下、その中でも10℃以下、さらにその中でも5℃以下に冷却することによって、強制的にクリームダウンを発生させることができ、にごりを強くすることができる。これによって、飲料液の透過率(T%)が低下すると共に、飲料液の舌触りを高めることができる。
得られる抽出液のpHは、抽出に用いる果実の種類と量によって調整することができる。
また、抽出液のpHの調整は、アスコルビン酸(ビタミンC)などの公知のpH調整剤を添加することで調整することができる。
(非加熱果実由来成分添加工程)
抽出液に配合する非加熱果実由来成分は、生青果又は冷凍果実の粉砕物(非加熱果実由来粉砕物)、生青果又は冷凍果実を搾汁して得られた果汁(非加熱果実由来果汁)、生青果又は冷凍果実の抽出物(非加熱果実由来抽出物)、該非加熱果実由来抽出物又は該非加熱果実由来粉砕物の濃縮物(非加熱果実由来濃縮物)を挙げることができる。
この際、非加熱果実由来成分は、紅茶抽出液に混合するまで、熱を加えないことが好ましく、上述のように低温状態を維持するのが好ましい。
より好ましくは、青果や冷凍果実から低温の溶媒によって抽出された抽出物、或いは、該抽出物を低温の状態を維持したまま濃縮した濃縮物、青果や冷凍果実を粉砕して低温で保管したもの、青果や冷凍果実を搾汁して得られた果汁を低温で保管したものなどを好ましい例として挙げることができる。
なお、上記果汁とは、果物を搾汁等の加工をすることにより得られる液体成分を意味する。例えば、果物を適当な大ききに破砕し、当該破砕物を搾汁することにより、果汁を得ることができる。果汁は特に限定されず、濃縮や希釈などの処理が行われていないストレート果汁、ストレート果汁に加熱濃縮法や冷凍濃縮法などによって果汁中の水分を取り除き濃度を高めた濃縮果汁、濃縮果汁を水等で希釈したもの(例えば計算上、ストレート果汁と同等の濃度となるように希釈した濃縮還元果汁)を挙げることができる。
また、皮付きの上記果実を搾汁して得られる果汁を紅茶抽出液に加えるようにしてもよい。
配合する非加熱果実由来成分の果実種は特に限定されるものではない。例えば、該果実種としては、オレンジ、蜜柑、グレープフルーツ、レモン、ベルガモット、日向夏などの柑橘類、モモ、りんご、ホワイトグレープ、いちご、梨、西洋ナシ、杏、スモモ、さくらんぼ、ウメ、プルーンなどのバラ科の果物、パパイヤ、ライチ、ブドウ、マンゴー、カシス、キウイ、アセロラ、バナナ、ブルーベリー、メロン、グアバなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。
中でも、バラ科植物の果実、例えばウメ、モモ、イチゴ、リンゴ、ナシ、ビワ、カリンなどを挙げることができる。これらのうちの1種であっても、これらのうちの2種以上の組合せであってもよい。その中でも、リンゴ及びモモから選択される1種以上の果実が好ましい。
非加熱果実由来成分の配合量は、上述のように、全飲料の10質量%未満であるのが好ましく、中でも7.0質量%以下、その中でも5.0質量%以下、その中でも3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。他方、0.5質量%以上であるのが好ましく、その中でも0.8質量%以上、その中でも1.0質量%以上であるのがさらに好ましい。
(調合工程)
前記抽出工程で得られた抽出液に対して、必要に応じて、例えばリンゴ酸製剤、有機酸製剤、クエン酸製剤などの添加剤、甘味料、酸味料、酒石酸やその他の配合物、例えば水(純水、硬水、軟水、イオン交換水、天然水その他)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、重曹、糖類、デキストリン、香料、乳化剤、安定剤、或いはその他の呈味原料などのいずれか或いはこれらのうち二種以上の組み合わせを添加し、主にpH調整、濃度調整、味の調整を行うようにすればよい。
(殺菌乃至容器充填工程)
上記のように調整した抽出液は、常法によって殺菌乃至容器詰めするのが好ましい。充填容器としては、金属製の缶、紙製パック、プラスチックボトルなどを挙げることができる。この際、例えばプラスチック容器を用いる場合は、25℃、湿度55%RHにおける容器の酸素透過量(cc/Day/500mLボトル)が、0.01〜0.10であるのが好ましく、中でも0.015以上或いは0.08以下、その中でも0.02以上或いは0.06以下であるのが更に好ましい。
殺菌方法及び充填方法に関しては、具体的には、例えば缶詰飲料であれば、容器充填後に加熱殺菌、例えばレトルト殺菌、例えば、適宜加圧下(1.2kg/cm2など)、121℃で7分間加熱殺菌すればよい。PETボトル詰飲料であれば、UHT殺菌、例えば120〜150℃で1秒〜数十秒保持した後、容器充填を行うようにすればよい。
<容器詰紅茶飲料の果実感向上方法>
紅茶液成分と果実成分とを含有する容器詰紅茶飲料において、紅茶液成分に果実成分を配合する工程を備え、不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、有機酸含有量を25.0〜100.0mg/100mlに調整し、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整するように容器詰紅茶飲料を製造すれば、特に果実感を向上させることができる。
ここで、果実感とは、果実成分の味わいの強さのことを言う。
<語句の説明>
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
[各種物性の測定]
実施例及び比較例で調製した容器詰緑茶飲料(サンプル)の各物性値は次のように測定した。
(不溶性食物繊維量)
不溶性食物繊維の含有量は、プロスキー変法(酵素−重量法)により測定した。
(紅茶ポリフェノール類量)
酒石酸鉄法(茶業研究報告71(1990)43-74)で得られたタンニン含有量(mg/100mL)から、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置を用いて算出したカテキン類8種(カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート)の合計含有量(mg/100mL)を除いた値を、紅茶ポリフェノール類の含有量(mg/100mL)として採用した。
(有機酸量)
LC−10ADvp(株式会社島津製作所)を用いて、HPLC法に基づいてクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、ギ酸及び酢酸の含有量を測定し、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、ギ酸及び酢酸の合計含有量を有機酸量とした。
=サンプル調整法=
サンプルを適量測りとり、蒸留水に懸濁後、フィルターろ過して分析に供した。
=HPLC測定条件=
検出器:紫外可視吸光光度計SPD−20AV(株式会社島津製作所)
カラム:Shodex RSpak KC−811×2、φ8mm×300mm(昭和電工株式会社)
カラム温度:40℃
移動相:3mmol/L過塩素酸
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有
15mmol/Lりん酸水素二ナトリウム溶液
流量:移動相0.5ml/min、反応液0.5ml/min
測定波長:445nm
(pH)
pHメーターをpH標準溶液による校正を実施し、実施例及び比較例で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)をビーカーに採取し、pHメーターのガラス電極をサンプル中に挿入し、測定(機器の表示値を記録)した。
(固形量)
測定装置の温度を所定の温度に調整し、測定装置(屈折計)を校正し、実施例及び比較例で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)を測定装置のプリズム上に薄く塗布し、可溶性固形量(Bx)を測定した。
(透過率(T%)の測定)
容器の光透過散乱部における全光線透過率およびヘーズ値は、「ヘーズメーターHM−150型(株式会社村上色彩技術研究所製)」を用い、CIE標準光源D65にて透過率(T%)を測定した。波長660nmの透過率は「紫外可視分光光度計UV−1800(島津製作所)」を用いて測定した。
(粒子径)
レーザ回析式粒度分布測定装置(SHIMADZU SALD−2300、島津製作所社製、WingSALDII,Version3.1.1)によって、実施例及び比較例で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)に含まれる粒子の総粒子の粒子径及び粒度分布を測定した(体積基準)。そして、総粒子の粒子径及び粒度分布から、総粒子全体に対する、粒子径10.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子の割合(10〜200μmの粒子割合)を求めた。
なお、本発明においては、屈折率1.65−0.02iにて測定した数値を採用した。
<実施例1>
紅茶(茶葉種類:ウバ、ダージリンを4:1で使用)20gに、リンゴスライス(一辺約5mmダイス状)3.5gを加え、さらに純水1050mL(30倍)を加え、80℃で5分間抽出した。その際、1分毎に各15秒間ずつ撹拌しながら抽出し、抽出液を得た。
得られた抽出液を20℃まで冷却した後、遠心分離機(ウエストファリア社製SA1連続遠心分離機)を用いて流速480L/hr、回転数10000rpm、遠心沈降面積(Σ)1000m2で微細濾過し、濾過して得られた抽出液に、リンゴ濃縮混濁果汁140g(ストレート換算)、リンゴピューレ8g、ビタミンC(「VC」)3gを加えたほか、砂糖を加え、pH3.79になるようにクエン酸を加え、7000gになるように純水でメスアップした。
このように調合した紅茶飲料を、UHT殺菌機で136℃・30秒殺菌した後、PETボトル容器に充填し冷却して、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例2>
実施例1において、リンゴピューレを43gに変更した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例3>
実施例1において、リンゴピューレを70gに変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例4>
実施例1において、リンゴピューレを128gに変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例5>
実施例1において、リンゴピューレを170gに変更した以外は、実施例1と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例6>
実施例3において、リンゴ混濁果汁を配合せず、リンゴ透明果汁を10g配合した以外は、実施例3と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例7>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を60gに変更した以外は、実施例3と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例8>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を180gに変更し、リンゴピューレを配合しなかった以外は、実施例3と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例9>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を236gに変更した以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例10>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を88gに変更し、pH4.00になるようにクエン酸を加えた以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例11>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を245gに変更し、pH3.90になるようにクエン酸を加えた以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例12>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を350gに変更し、pH3.70になるようにクエン酸を加えた以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例13>
実施例1において、リンゴ混濁果汁を配合せず、リンゴ透明果汁を7g配合し、pH4.00になるようにクエン酸を加えた以外は実施例1と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例14>
実施例1において、リンゴ混濁果汁の量を590gに変更し、リンゴピューレを170gに変更し、pH3.75になるようにクエン酸を加えた以外は実施例1と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例15>
実施例3において、紅茶葉の量を16gに変更した以外は実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例16>
実施例3において、リンゴ濃縮果汁を白桃濃縮果汁に変更し、リンゴピューレを白桃ピューレに変更した以外は実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例17>
実施例3において、紅茶葉の量を38gに変更した以外は実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例18>
実施例3において、紅茶葉の量を40gに変更した以外は実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例19>
実施例3において、紅茶葉の量を15gに変更した以外は実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例20>
実施例3において、遠心分離機を用いて流速420L/hr、回転数11000rpmの条件で微細濾過した以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例21>
実施例3において、遠心分離機を用いて流速480L/hr、回転数8000rpmの条件で微細濾過した以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例22>
実施例3において、遠心分離機を用いて流速400L/hr、回転数12000rpmの条件で微細濾過した以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<実施例23>
実施例3において、遠心分離機を用いて流速500L/hr、回転数6000rpmの条件で微細濾過した以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例1>
実施例1において、リンゴピューレを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例2>
実施例1において、リンゴピューレを210g配合した以外は、実施例1と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例3>
実施例3において、リンゴ混濁果汁を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例4>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を252gに変更した以外は、実施例3と同様にして容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例5>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を70gに変更し、pH4.10になるようにクエン酸を加えた以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
<比較例6>
実施例3において、リンゴ混濁果汁の量を385gに変更し、pH3.65になるようにクエン酸を加えた以外は、実施例3と同様にして、容器詰飲料(サンプル)を得た。
(官能審査1)
実施例1〜14及び比較例1〜6で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)について、5人の審査官(パネラー)が、トップの果実の香味の強さ、ミドル〜ラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの強さの3項目について以下の基準で1〜4の4段階で点数を付けた。なお、本容器詰紅茶飲料におけるトップの香味とは、口中に含んだ瞬間の香味のことをいい、ミドルからラストとは口中に含み舌で感じる香味から飲み込んだ後の香味を意味する。
この際、従来の容器詰紅茶飲料に相当するサンプルを陰性対照(基準1)とする一方、ジューススタンドで提供されるフルーツティーに相当するサンプルを陽性対照(基準5)として各審査官(パネラー)が評価し、さらに5人の審査官(パネラー)の合議の結果、最も多かった評価を採用することとした。
なお、陰性対照品と陽性対照品は、以下のとおり調製した。
[陰性対照(従来の製法)]
紅茶(茶葉種類:ウバ)35gに、純水1050mL(30倍)を加え、80℃で5分間抽出した。その際、1分毎に各15秒間ずつ撹拌しながら抽出し、抽出液を得た。
得られた抽出液を遠心分離を用いて微細濾過し、濾過して得られた抽出液に、オレンジ濃縮透明果汁1.0g(ストレート換算)、ビタミンC(「VC」)3g、クエン酸4g、グラニュー糖50gを加え、pH3.8になるように重炭酸ナトリウムを加え、7000gになるように純水でメスアップした。
このように調合した紅茶飲料を、95℃達温まで加熱して殺菌した後、PETボトル容器に充填し冷却して、容器詰紅茶飲料(サンプル)を得た。
[陽性対照]
紅茶(茶葉種類:ウバ)2.5gに、純水125mL(50倍)を加え、95℃で2.5分間抽出した。その際、撹拌は行なわず蓋をして静置し、抽出液を得た。
得られた抽出液を5℃まで急冷した後、砂糖10g、手絞りのリンゴ果汁30mLを加え、冷水で250gになるようにメスアップした。なお、実施例16については、陽性対照には手絞りの白桃果汁を加え、陰性対照には濃縮白桃果汁を加えた。
=トップの果実の香味の強さ=
4:陽性対照と同程度感じる。非常に良好。
3:陽性対照より弱いが、陰性対照より強く感じる。良好。
2:陰性対照と同程度しか感じない、もしくは酸味が目立ち、あまりよくない。
1:陰性対照より弱い。もしくは酸味が強く、よくない。
=ミドルからトップにかけての紅茶の香味の強さ=
4:陽性対照と同程度感じる。非常に良好。
3:陽性対照より弱いが、陰性対照より強く感じる。良好。
2:陰性対照と同程度しか感じない、もしくは渋みが目立ち、あまりよくない。
1:陰性対照より弱い、もしくは渋みが強く、よくない。
=舌触りの強さ=
4:陽性対照と同程度感じる。非常に良好。
3:陽性対照より弱いが、陰性対照より強く感じる。良好。
2:陰性対照と同程度しか感じない、もしくは舌にざらつきが残り、あまりよくない。
1:陰性対照より弱い、もしくは舌にざらつきが強く残り、よくない。
=総合評価=
◎:合計点数が12点であり、非常に良好な紅茶飲料である。
○:合計点数が9〜11点であり、且つ「2」以下の評価がない、良好な紅茶飲料である。
△:合計点数が6〜8点、又は合計点数が6以上であっても「2」の評価があり、あまり良くない。
×:合計点数が5点以下、又は「1」の評価があり、良くない。
Figure 2021153545
(官能審査2)
実施例1及び15〜23で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)を1ヶ月間、37℃の暗室に保管し、保管後のサンプルを評価することによって、加熱保管後の香味の保持性及び液色の保持性を検証した。5人の審査官(パネラー)が、紅茶の渋みの強さ、濁りの2項目について以下の基準で1〜3の3段階で点数を付けた。
なお、コントロールとしては、実施例1及び15〜23で得られた容器詰紅茶飲料(サンプル)を5℃の暗室で冷蔵保管したサンプルを採用した。
=紅茶の香味の保持性(加温保管後)=
3:コントロールと同程度の紅茶の香味の強さを感じ、良好。
2:コントロールよりも紅茶の香味がわずかに弱く感じるか、わずかに渋みを感じるが、許容範囲。
1:コントロールよりも紅茶の香味がかなり弱く感じ、良くない。
=液色(加温保管後)=
3:コントロールと同程度の液色であり、良好。
2:コントロールと比較しわずか液色が変化しているが、許容範囲。
1:コントロールと比較し、明らかに液色が変化しており、良くない。
=総合評価=
◎:合計点数が6点であり、加温後も非常に良好な紅茶飲料である。
○:合計点数が5点であり、加温後も良好な紅茶飲料である。
△:合計点数が4点以下であり、加温後の香味や性状は良好でない。
Figure 2021153545
(考察)
上記実施例及びこれまで本発明が行ってきた様々な試験結果から、紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料において、不溶性食物繊維量が1.0〜20.0mg/100mlであり、有機酸含有量が25.0〜100.0mg/100mlであり、且つ、有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.01〜0.59であれば、トップの果実の香味の強さ、ミドルからラストにかけての紅茶の香味の強さ、舌触りの良さが、従来の容器詰紅茶飲料(RTD)と比較して、高評価とすることができることが分かった。
さらに、紅茶ポリフェノール含有量が20.0〜50.0mg/100mlであって、10〜200μmの粒子の割合が30.0〜90.0%であれば、加熱保管後の香味の保持性及び液色の保持性においても、従来の容器詰紅茶飲料(RTD)と比較して、高評価とすることができることが分かった。

Claims (9)

  1. 紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料であって、
    不溶性食物繊維量が1.0〜20.0mg/100mlであり、
    有機酸含有量が25.0〜100.0mg/100mlであり、且つ、
    有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)が0.01〜0.59であることを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料。
  2. 前記果実成分が、バラ科植物の果実に由来する成分であることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  3. 前記果実成分が、加熱されていない果実に由来する成分であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  4. 紅茶ポリフェノール類量が20.0〜50.0mg/100mlであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  5. 粒子径が10.0μm〜200.0μmの範囲にある粒子を、総粒子全体に対して、体積基準で30.0〜80.0%の割合で含有することを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  6. ハーブ成分を含むことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  7. リンゴ酸含有量が0.25〜60.0mg/100mlであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の容器詰にごり紅茶飲料。
  8. 紅茶液成分と果実成分を含有する容器詰にごり紅茶飲料の製造方法において、
    不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、
    有機酸含有量を25.0〜100.0mg/100mlに調整し、且つ、
    有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整することを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料の製造方法。
  9. 紅茶液成分に果実成分を配合する工程を備え、
    不溶性食物繊維量を1.0〜20.0mg/100mlに調整し、
    有機酸含有量を25.0〜100.0mg/100mlに調整し、且つ、
    有機酸量に対するリンゴ酸量の比率(リンゴ酸/有機酸)を0.1〜1.0に調整することを特徴とする、容器詰にごり紅茶飲料の果実感向上方法。
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