JP4722985B2 - テアフラビン類を含有してなる容器詰飲料 - Google Patents

テアフラビン類を含有してなる容器詰飲料 Download PDF

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Description

本発明は、(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリン好ましくはさらに(C)ビタミンCとを含有し、(B)/(A)の重量比が1〜119であることを特徴とする容器詰飲料、及びその製造方法に関する。また、本発明は、(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリンを含有し、(B)/(A)の重量比を1〜119に調整することを特徴とするテアフラビン類の劣化抑制方法に関する。さらに、本発明は、(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリン、好ましくはさらに(C)ビタミンCとを含有し、(B)/(A)の重量比を1〜119に調整することを特徴とする飲料の呈味改善方法に関する。
容器詰紅茶飲料は多くの人に愛飲されている嗜好性が高い飲料の一つであり、いつでも手軽に紅茶飲料を楽しむことができるため、その利便性により消費者ニーズが拡大してきた。このニーズに応えるため、紅茶飲料を工業的に生産した容器詰紅茶飲料が数多く上市されている。
近年、消費者の健康志向が進むことにより、各種機能性を備えた飲食物が上市されるようになってきた。とりわけ植物由来の機能成分を高濃度に飲食物に配合することにより、該飲食物を摂取すれば、当該成分の好ましい生理活性が享受できるように設計された飲食物が増加してきた。
これまで、特定の機能性を有する植物由来成分としては様々な種類のものがある。例えば茶(Camellia sinensis)由来の成分としては、例えばカテキン類、テアニン、カフェイン等がよく知られている。カテキン類には、抗酸化作用、血糖値上昇抑制作用、体脂肪蓄積抑制作用、抗菌作用、抗アレルギー作用などがあることがあり(非特許文献1)、テアニンには、脳神経機能調節作用などがあることが(非特許文献2)、カフェインには自律神経活性化作用や抗炎症・抗アレルギー作用(非特許文献2)があることがそれぞれ知られている。実際、カテキン類の抗肥満作用やコレステロール低下作用を有する容器詰飲料がすでに市場に出ている。
発酵茶において特に多く含まれるテアフラビン類には、例えばコレステロール低下作用(特許文献1)や、リパーゼ阻害作用(特許文献2)や、脂質吸収阻害作用(特許文献3)があることがすでに知られている。テアフラビン類の機能性を強化した容器詰飲料はまだ市場に出ていないが、テアフラビン類を高濃度に含有する容器詰飲料については記載がある(特許文献4)。
特開2004−155784号公報 WO2006/004114公報 WO2007/125644公報 特開2008−125428号公報 伊奈和夫ら、「茶の化学成分と機能」、弘学出版、2002年 村松敬一郎ら、「茶の機能」、学会出版センター、2002年
しかし、テアフラビン類を強化した飲料を加熱処理すると、飲料中のテアフラビン類が減少してしまう問題があることが明らかになった。テアフラビン類を強化した容器詰飲料を商品として販売するには、加熱殺菌が義務づけられているため、これを避けることはできない。一方、加熱殺菌により飲料中のテアフラビン類が不用意に減少すると、容器に表示したテアフラビン類含有量を担保できなくなるばかりでなく、期待された生理活性も低下してしまう。さらにこの問題を解消するために、飲料中のテアフラビン類を高濃度に設計するとコスト高に繋がり、商品を比較的安価で市場に提供できなくなるという問題があった。
本発明者らは、このようなテアフラビン類の分解や重合等による劣化を抑制するために、鋭意検討したところ、高度分岐環状デキストリンをテアフラビン類に対して一定範囲量を添加することにより、テアフラビン類の劣化による含有量の減少、特に加熱処理や長期保存における含有量の減少に対して極めて有効であることを見出し本発明を完成するに至った。さらに、アスコルビン酸(ビタミンC)などによりpHを調整することにより安定性を増強することができることをも見出した。
すなわち本発明は、
(1)(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリンを含有し、(B)/(A)の重量比が1〜119であることを特徴とする容器詰飲料。
(2)(A)テアフラビン類が0.005重量%以上であることを特徴とする前記(1)に記載の容器詰飲料。
(3)(B)高度分岐環状デキストリンが0.08〜1.7重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の容器詰飲料。
(4)(A)テアフラビン類が紅茶抽出物の濃縮物由来であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(5)飲料が、さらに(C)ビタミンC及び/又はその塩を含有している前記(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(6)茶系飲料であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰飲料。
(7)(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリンを含有し、(B)/(A)の重量比が1〜119に調整することを特徴とする容器詰飲料の製造方法。
(8)(A)テアフラビン類が紅茶抽出物の濃縮物由来であることを特徴とする前記(7)に記載の容器詰飲料の製造方法。
(9)さらに、(C)ビタミンC及び/又はその塩を添加してなる前記(7)又は(8)に記載の容器詰飲料の製造方法。
(10)(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリンを含有し、(B)/(A)の重量比が1〜119に調整することを特徴とするテアフラビン類の劣化抑制方法。
(11)(A)テアフラビン類が紅茶抽出物の濃縮物由来であることを特徴とする前記(10)に記載のテアフラビン類の劣化抑制方法。
(12)(A)テアフラビン類及び(B)高度分岐環状デキストリンを含有し、(B)/(A)の重量比が1〜119に調整することを特徴とする飲料の呈味改善方法。
(13)(A)テアフラビン類が紅茶抽出物の濃縮物由来であることを特徴とする前記(12)に記載の飲料の呈味改善方法。
(14)さらに、(C)ビタミンC及び/又はその塩を含有させてなる前記(12)又は(13)に記載の飲料の呈味改善方法。
本発明は、高度分岐環状デキストリンにより、テアフラビン類の劣化が抑制され、特に熱処理や長期保存時におけるテアフラビン類の劣化が抑制され安定性が向上し、かつ呈味が改善されたテアフラビン類を含む飲料、好ましくは茶飲料、より好ましくは発酵茶飲料を提供する。本発明の容器詰飲料は、熱処理や長期に亘って保存しても高濃度のテアフラビン類を維持することができ、長期に亘って高品質を維持することができる容器詰飲料である。
また、本発明は、テアフラビン類を含有する飲料、好ましくは茶飲料、より好ましくは発酵茶飲料、又は高濃度のテアフラビン類を含有する紅茶抽出物の濃縮物などの、加熱殺菌などの加熱処理によるテアフラビン類の減少率を抑え、また長期保存時加温保存におけるテアフラビン類の減少率を抑えることができる、テアフラビン類の劣化抑制方法を提供する。
さらに、本発明は、テアフラビン類を含有する飲料、好ましくは茶飲料、より好ましくは発酵茶飲料、又は高濃度のテアフラビン類を含有する紅茶抽出物などの濃縮物に由来する飲料、好ましくは茶飲料の呈味の改善方法、好ましくはテアフラビン類による苦渋味を改善する方法を提供する。
本発明において「テアフラビン類」とは、テアフラビン、テアフラビン−3−ガレート、テアフラビン−3’−ガレート、テアフラビン3−3’−ジガレートの総称である。ガレートは、没食子酸(gallic acid)のエステルであり、ガロイル基は没食子酸(gallic acid)から誘導されるアシル基である。
また、「ガレート型テアフラビン類」とは、前記した「テアフラビン類」のうちの没食子酸(gallic acid)のエステルとなっているものであり、具体的には、テアフラビン−3−ガレート、テアフラビン−3’−ガレート、及びテアフラビン−3−3’−ジガレートをいう。
本発明の「飲料」としては、テアフラビン類を含有、好ましくは高濃度でテアフラビン類を含有する飲料であれば特に制限はなく、好ましい飲料としては茶系飲料が挙げられる。テアフラビン類の含有量としては、計測可能な量以上であればよく、例えば、1ppm以上、好ましくは5ppm以上、より好ましくは10ppm以上、さらに好ましくは15ppm以上、より好ましくは50ppmのテアフラビン類を含有する飲料が挙げられる。
本発明の飲料中の好ましいテアフラビン類の含有量としては、カテキン、エピカテキンなどの非重合体カテキン類(NPC)の含有量よりも多い、即ちテアフラビン類/非重合体カテキン類(NPC)の重量比が、1.0以上、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.0〜2.0、1.2〜2.0、1.2〜1.7の範囲のものが挙げられる。
本発明の「茶系飲料」としては、茶葉、好ましくは半発酵茶葉、より好ましくは発酵茶葉からの抽出物、又はそれらの濃縮物が添加された飲料が挙げられる。
また、ベースとなる飲料は、テアフラビン類及び高度分岐環状デキストリン、好ましくはさらにビタミンCとを最終製品において含有させることが出来る限りにおいて特に限定されるものではない。具体的な例としては、例えば茶類飲料(緑茶飲料、紅茶飲料、ウーロン茶飲料)、穀物抽出飲料(麦茶、豆茶、トウモロコシ茶など)、コーヒー飲料、野菜飲料、果実飲料、乳酸菌飲料、炭酸飲料、天然水、スポーツ用飲料、各種機能性飲料等が挙げられるが、茶系飲料、とりわけ紅茶飲料が好ましい。
本発明の飲料に添加される濃縮物としては、テアフラビン類の濃度が濃縮物全体の10%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは18質量%以上含有している紅茶などの茶葉からの抽出物の濃縮物が挙げられる。紅茶抽出物の濃縮物における好ましいテアフラビン類の含有量を、次の表1に例示する。
なお、表1中のTFはテアフラビンを表し、TF3gはテアフラビン−3−ガレートを表し、TF3’gはテアフラビン−3’−ガレートを表し、TFdgはテアフラビン−3−3’−ジガレートをそれぞれ表す。
本発明の飲料は、テアフラビン類の濃度を高めるために必要に応じて茶葉の抽出物の濃縮物や、高濃度でテアフラビン類を含有するテアフラビン類の濃縮物を添加して飲料とすることもできる。
また、本発明の飲料におけるカフェインの含有量としては、特に制限はないが、飲料全体の0.3質量%以下、好ましくは0.03質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以下、特に0.0005質量%以下が好ましい。
本発明の茶飲料におけるテアフラビン類、非重合体カテキン類、及びカフェインなどの含有量の測定方法としては、公知の方法で、例えば、高速液体クロマトグラフィーにより公知の方法で測定することができる。
本発明の「高度分岐環状デキストリン」とは、前記したように、その化学構造の観点から、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度が50から5000の範囲にあるグルカンとか、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から5000の範囲にあるグルカンであって、内分岐環状構造部分がα−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造により形成され、そして外分岐構造部分が当該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造(短いアミロース構造)により形成されているグルカンなどと称されているデキストリン類である。
より詳細には、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度50以上のグルカンであり、このうち、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する重合度が50から5000の範囲にあるグルカンが好ましい。ここで内分岐環状構造部分とはα−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、そして外分岐構造部とは該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部である。当該高度分岐環状デキストリンにおける内分岐環状構造部分の重合度は10から100の範囲が好ましい。また、外分岐構造部分の重合度は40以上が好ましく、当該外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は平均で10から20が好ましい。このような高度分岐環状デキストリンは、日本食品化工(株)から「クラスターデキストリン(登録商標)」という商品名で販売されているものを使用することができる。本明細書では、これらのものを単に「高度分岐環状デキストリン」という。
本発明の飲料は、テアフラビン類の劣化抑制剤及び/又は呈味改善剤として前記した高度分岐環状デキストリンを含有しているものである。本発明の飲料におけるテアフラビン類の劣化抑制剤及び/又は呈味改善剤として前記した高度分岐環状デキストリンのほかにさらに、アスコルビン酸及び/又はその塩(ビタミンC)を含有させることができる。アスコルビン酸及び/又はその塩(ビタミンC)を含有させる場合には、アスコルビン酸又はその塩(ビタミンC)を高度分岐環状デキストリンと混合して混合物として使用してもよいが、それぞれの成分を別々に飲料に添加して飲料中で混合して使用することもできる。また、アスコルビン酸(ビタミンC)又はその塩を直接添加配合してもよいが、遊離のアスコルビン酸(ビタミンC)として使用し、これを重曹などで中和して使用することもできる。アスコルビン酸又はその塩(ビタミンC)の配合量としては、高度分岐環状デキストリン100質量部に対して5〜1000質量部、好ましくは10〜300質量部程度が挙げられる。
本発明における高度分岐環状デキストリンの使用量としては、テアフラビン類(A)と、高度分岐環状デキストリン(B)とテアフラビン類(A)との重量比(質量比)、即ち(B)/(A)の重量比(質量比)が1〜119、好ましくは1〜70,より好ましくは5〜70であることが挙げられる。言い換えれば、飲料中のテアフラビン類の1質量部に対して1質量部〜119質量部、好ましくは1質量部〜70質量部、より好ましくは5質量部〜70質量部程度が挙げられる。本発明の飲料全体に対しては、飲料全体の0.07質量%〜1.7質量%程度となるのが好ましい。
また、アスコルビン酸(ビタミンC)及び/又はその塩を併用する場合には、茶飲料のpHが25℃で約3〜7、好ましくは4〜7、より好ましくは4.5〜6.5程度となるように調整するのが好ましい。
なおアスコルビン酸塩としては、例えばアスコルビン酸ナトリウムやアスコルビン酸カルシウムが挙げられる。
本発明の飲料は、必要に応じてさらに苦味抑制剤を配合することもできる。苦味抑制剤としては、水溶性高分子、サイクロデキストリンが好ましい。水溶性高分子としては、ペクチン、デキストリン等が挙げられる。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。
本発明の茶飲料には、さらに、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合することもできる。
本発明の容器詰飲料において使用される容器としては、PETボトル、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶などの通常の容器を使用することができる。本発明の容器詰飲料としては、通常は希釈せずに飲用できるものであるが、これに限定されるものではない。
また、本発明の容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法により製造することができる。また、無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
本発明の容器詰飲料は、本発明の飲料におけるテアフラビン類の劣化抑制剤としての高度分岐環状デキストリンの特定量が添加配合されていることから、十分な加熱殺菌を行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
次の表2に示す含有量のテアフラビン類を含有してなる紅茶精製物を使用して茶飲料を製造した。なお、表2中のTFはテアフラビンを表し、TF3gはテアフラビン−3−ガレートを表し、TF3’gはテアフラビン−3’−ガレートを表し、TFdgはテアフラビン−3−3’−ジガレートをそれぞれ表す。
表2の紅茶濃縮物0.441gを水480mLに溶解させ、これにアスコルビン酸0.18g、及びアスコルビン酸ナトリウム0.12gを加え、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を600mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)0.0735gに前記で得られた溶液を加えて、全量を100gとして、実施例1の飲料を製造した。
実施例1におけるクラスターデキストリン(登録商標)(CCD)を0.3675gとした以外は実施例1と同様にして実施例2の飲料を製造した。
比較例1
紅茶精製物0.147gを水160mLに溶解させ、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を200mLとして、比較例1の飲料とした。
比較例2
紅茶精製物0.441gを水480mLに溶解させ、これにアスコルビン酸0.18g、及びアスコルビン酸ナトリウム0.12gを加え、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を600mLとして、比較例2の飲料とした。
比較例3
紅茶精製物0.441gを水480mLに溶解させ、これにアスコルビン酸0.18g、及びアスコルビン酸ナトリウム0.12gを加え、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を600mLとした。
次に、β−シクロデキストリン(β−CD)0.3675gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、比較例3の飲料とした。
比較例4
紅茶精製物0.441gを水480mLに溶解させ、これにアスコルビン酸0.18g、及びアスコルビン酸ナトリウム0.12gを加え、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を600mLとした。
次に、γ−シクロデキストリン(γ−CD)0.3675gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、比較例4の飲料とした。
比較例5
紅茶精製物0.441gを水480mLに溶解させ、これにアスコルビン酸0.18g、及びアスコルビン酸ナトリウム0.12gを加え、次いで重曹を加えてpHを6.1に調整した。得られた溶液に水を加えて全量を600mLとした。
次に、難消化性デキストリン(パインファイバー(登録商標))0.3675gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、比較例5の飲料とした。
加熱安定性試験
紅茶抽出物の添加量を一定(0.0735%)とした前記の実施例1及び2、並びに比較例1、2、3、4、及び5の7種類の飲料を、それぞれレトルトに入れ123℃で、5分間(処理1とする。)又は123℃で20分間(処理2とする。)加熱した。
処理後の各飲料中のテアフラビン類の残存量を測定し、残存率(%)を次の式により算出した。
残存率(%)=(保存後のテアフラビン類)/(保存前のテアフラビン類)×100
結果を次の表3に示す。
表3中のTFはテアフラビン類を表し、G型TFはガレート型テアフラビンを表す。アスコルビン酸Naはアスコルビン酸ナトリウムを表し、CCDはクラスターデキストリン(登録商標)を表し、β−CDはβ−シクロデキストリンを表し、γ−CDはγ−シクロデキストリンを、それぞれ表す。
この結果、加熱処理2(レトルト、123℃、20分)後に、4種のテアフラビン類が50%以上残存していたのは、実施例1及び2の飲料、並びに比較例4の飲料のみであった。比較例4の残存率も50%は越えているが、実施例1及び2のもののほうが、残存率は高かった。また、加熱処理2(レトルト、123℃、20分)後に、ガレート型テアフラビン類が60%以上残存していたのは、実施例1及び2の飲料のみであった。
以上のことから、加熱処理してもテアフラビン類の残存率が高いのは、クラスターデキストリン(登録商標)(高度分枝環状デキストリン)を含有する本発明の飲料であることがわかった。
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)0.0875gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、実施例3の飲料を製造した。
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)0.4375gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、実施例4の飲料を製造した。
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)0.875gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、実施例5の飲料を製造した。
比較例6
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
このうちの100mLを取り、比較例6の飲料とした。
比較例7
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)0.00875gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、比較例7の飲料とした。
この場合のCCD/テアフラビン類の比は、重量比で0.67であった。
比較例8
表2の紅茶精製物0.6125gを水700mLに溶解させ、全量を700mLとした。
次に、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)1.75gに前記で得られた溶液を加えて全量を100gにして、比較例8の飲料とした。
この場合のCCD/テアフラビン類の比は、重量比で119.78であった。
加温保存試験1
実施例3、4、及び5、並びに比較例6、7、及び8の飲料を、それぞれ55℃で7日間保存した。
保存前、及び保存後の各茶飲料のテアフラビン類の残存量を測定し、残存率(%)を次の式により算出した。
残存率(%)=(保存後のテアフラビン量)/(保存前のテアフラビン量)×100
また、非重合体カテキン類(NPC)の含有量も併せて測定した。渋みについての官能試験を実施した。
結果を次の表4に示す。
この結果、CCD/テアフラビン類の重量比が、1〜119の範囲であればテアフラビン類の残存率が向上する(実施例3〜5参照)が、この範囲を逸脱すれば残存率が十分でないことがわかった。
また、いずれの場合もテアフラビン類/非重合体カテキン類(NPC)の比は、1.2以上、特に1.4〜1.7の範囲であった。いずれの場合も非重合体カテキン類(NPC)よりもテアフラビン類の含有量のほうが多くなっている。
官能試験の結果では、各実施例及び比較例8の飲料では、渋味は特に強くはなかったが、CCDが無添加(比較例6)又はCCDの添加量が少ない比較例7の飲料では強い渋味が有った。
紅茶精製物の量を0.04%とし、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)の量を0.2%として、CCD/テアフラビン類の比を34.54としたほかは、実施例3と同様にして実施例6の飲料を製造した。
紅茶精製物の量を0.1%とし、クラスターデキストリン(登録商標)(CCD)の量を1.0%として、CCD/テアフラビン類の比を68.26としたほかは、実施例3と同様にして実施例7の飲料を製造した。
比較例9
実施例6において、CCDを添加しなかった以外は、実施例6と同様にして比較例9の飲料とした。
比較例10
実施例7において、CCDを添加しなかった以外は、実施例7と同様にして比較例10の飲料とした。
加温保存試験2
実施例6、7、比較例9、及び10のそれぞれの飲料を、55℃で7日間保存した。
保存前、及び保存後の各茶飲料のテアフラビン類の残存量を測定し、残存率(%)を次の式により算出した。
残存率(%)=(保存後のテアフラビン類)/(保存前のテアフラビン類)×100
また、非重合体カテキン類の含有量も併せて測定した。渋みについての官能試験を実施した。
結果を次の表5に示す。
この結果、CCD/テアフラビン類比が1〜119、特に34〜69範囲では、テアフラビン類の残存率が向上されていることがわかった。
また、いずれの場合のテアフラビン類/非重合体カテキン類(NPC)の比は、1.2以上、特に1.2〜1.6の範囲であり、非重合体カテキン類(NPC)よりもテアフラビン類の含有量のほうが多くなっている。
渋さの官能試験についても、CCDの添加により顕著に改善させていることがわかった。
本発明は、加熱処理をしても、長期に保存しても、各種の生理活性を有し紅茶の品質を決定するテアフラビン類の含有量の減少を抑制することができるテアフラビン類の劣化抑制剤としての高度分岐環状デキストリンを特定量含有してなる容器詰飲料を提供するものであり、本発明の抑制剤により加熱処理をしても、長期に保存してもテアフラビン類を高濃度に維持できる茶飲料を提供することができ、飲食品産業において有用なものである。

Claims (7)

  1. テアフラビン類を含有する飲料において、(A)テアフラビン類に対して(B)高度分岐環状デキストリンを、(B)/(A)の重量比が6.61〜68.26になるように含有させることを特徴とする、飲料中のテアフラビン類の減少率の抑制方法。
  2. (A)テアフラビン類含有量が0.005重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. (B)高度分岐環状デキストリンが0.08〜1.7重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. (A)テアフラビン類が紅茶抽出物の濃縮物由来であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 飲料が、さらに(C)ビタミンC及び/又はその塩を含有している請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 茶系飲料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 飲料が、容器詰飲料である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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