JP5727769B2 - 風味改善剤 - Google Patents

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Description

本発明は、風味改善剤に関する。
消費者の嗜好の多様化、健康指向の高揚により多種多様の飲料が上市されている。中でも、茶飲料が注目されている。茶飲料には、ポリフェノールの一種であるカテキン類が含まれており、カテキン類は優れた生理活性を有することが知られている(特許文献1及び2)。
茶飲料は、通常、カテキン類製剤等を利用してカテキン類を飲料に溶解状態で配合して製造されている。カテキン類による生理活性を十分に発現させるには、カテキン類製剤中のカテキン類以外の不純物を除去してカテキン類の純度を高めることにより、より少ない配合量で生理効果を期待することができる。
一方、カテキン類は苦味を呈する成分であるため、これが強過ぎると不快感ないし嫌悪感を伴うようになる。このような不快な苦味を抑制する手段として、例えば、プロタミン及び/又はその塩を添加する方法(特許文献3)、糖アルコール類を一定量添加する方法(特許文献4及び5)、サイクロデキストリンを一定量含有せしめる方法(特許文献6)、甘蔗由来の抽出物を含有せしめる方法(特許文献7)などが提案されている。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開平6−153875号公報 特開平7−274829号公報 特開平11−253102号公報 特開平10−4919号公報 特開2002−34471号公報
前記従来技術においては、サイクロデキストリンを使用する方法が代表的であり、カテキン類の苦味抑制については一定の効果が認められるものである。しかしながら、カテキン類製剤の高純度化に伴って、これを利用した飲料は口の中に含んだときの後味に、苦味とは異質の不快な収斂味が感じられるようになり、風味に違和感を生ずることがあることが判明した。
したがって、本発明の課題は、高度に精製されたカテキン類製剤の風味改善に特に有用な風味改善剤を提供することにある。
本発明者は、高度精製カテキン類製剤の風味を改善すべく種々検討した結果、特定分子量を有するでんぷん酵素分解物が風味改善に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における分子量が1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物を有効成分とする風味改善剤を提供することにある。
本発明はまた、精製カテキン類製剤に、(B 1 )ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物を、精製カテキン類製剤中の(A)非重合体カテキン類と、(B 1 )でんぷん酵素分解物中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20となるように添加する、精製カテキン類製剤の風味改善方法を提供することにある。
本発明はまた、次の成分(A)及び( 1 );
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.5質量%、及び
(B 1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物
を含み、
前記成分(A)と、前記成分(B 1 )中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20である、非重合体カテキン類含有飲料を提供することにある。
本発明は更に、次の成分(A)及び( 1 );
(A)非重合体カテキン類:0.05〜0.5質量%、及び
(B 1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物
を、前記成分(A)と、前記成分(B 1 )中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20となるように配合する、非重合体カテキン類含有飲料の風味改善方法を提供することにある。
本発明によれば、高度に精製されたカテキン類製剤の風味改善に特に有用な風味改善剤が提供される。本発明の風味改善剤は、天然由来成分であることから、飲食品をはじめとする様々な分野で使用することが可能である。
(風味改善剤)
本発明の風味改善剤は、「ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定における分子量が1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物(以下、「低分子でんぷん酵素分解物」とも称する)を有効成分とするものである。なお、本明細書において「分子量」は、特にことわりのない限りGPC測定におけるものとする。また、「GPC測定」は後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
本発明で使用する低分子でんぷん酵素分解物は、一般にトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ等の組織中に大量に貯蔵されているでんぷんを酵素で分解したものの中に含まれ、中でも、トウモロコシ由来の低分子でんぷん酵素分解物を使用することが好ましい。
でんぷんの分解酵素としては、でんぷんがグルコースポリマーであるアミロースとアミロペクチンとから構成されるため、アミロースのα−1,4−結合又はアミロペクチンのα−1,6−結合を切断可能であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、枝切り酵素、α−グルコシダーゼ等の加水分解酵素が挙げられる。また、酵素分解によりグルコース−1−リン酸を生成するホスホリラーゼ等の加リン酸分解酵素も使用可能である。
でんぷんの酵素分解は公知の方法を採用することが可能であり、また酵素の使用量も酵素の種類等により適宜選択することができる。
なお、酵素分解後のでんぷんは、所望により、脱色、脱塩、殺菌等の処理をした後、スプレードライヤー等により乾燥して粉末化することも可能である。
低分子でんぷん酵素分解物は、でんぷんを酵素で分解したものを分画することにより得ることが可能である。分画操作は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、限外濾過等の膜濾過、イオンクロマトグラフィー、分子ふるいクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィー等を単独で又は任意の順序で組み合わせて行うことができる。このようにして得られた低分子でんぷん酵素分解物のみからなる風味改善剤は、精製カテキン類製剤由来の不快な収斂味の抑制に特に有効である。
本発明の風味改善剤は、低分子でんぷん酵素分解物以外の画分を含んでいてもよい。このような画分として、分子量10,000超のでんぷん酵素分解物が挙げられる。かかる画分の分子量の上限は特に限定されないが、好ましくは1,000,000、より好ましくは700,000である。
本発明の風味改善剤は、より一層の風味改善の観点から、GPC測定における全ピーク面積に対する低分子でんぷん酵素分解物のピーク面積が、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上であることが好ましい。また、上限は特に限定されず、100%であってもよいが、工業的生産性の点から95%、更に90%であることが好ましい。なお、風味改善剤の分子量分布は特に限定されない。
本発明の風味改善剤においては、例えば、低分子でんぷん酵素分解物に、環状オリゴ糖等の公知の風味改善剤を組み合わせて使用してもよい。環状オリゴ糖は、その使用量が多くなると、本発明の風味改善剤を飲料に用いた場合には、口に含んだときにとろみが生じて風味自体が変わってしまうことがある。かかる観点から、環状オリゴ糖の使用量は、低分子でんぷん酵素分解物100質量部に対し20〜80質量部であることが好ましく、更に30〜70質量部、特に40〜60質量部であることが好ましい。また、環状オリゴ糖を用いた場合にとろみが生じるのは、飲料中における環状オリゴ糖の絶対量によるため、本発明の風味改善剤を飲料に使用した際に、飲料中の環状オリゴ糖が0.4質量%以下となることが好ましく、この範囲を満たせば、前記「低分子量でんぷん酵素分解物100質量部」に対する使用量を超えていても構わない。
本発明においては、低分子でんぷん酵素分解物を含むものであれば、市販のでんぷん酵素分解物を風味改善剤として使用してもよい。でんぷん酵素分解物の市販品として、例えば、低分解粉飴(M−SPD)(商品名、昭和産業社製)等が例示される。
本発明の風味改善剤は、不快な収斂味を有する飲食品に適用可能であるが、特に精製カテキン類製剤由来の不快な収斂味の抑制に好ましく使用される。この場合、本発明の風味改善剤は、精製カテキン類製剤中の(A)非重合体カテキン類と(B)低分子でんぷん酵素分解物との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20となるように添加するが、より一層の風味改善効果の点から、前記含有質量比が0.7〜18、更に0.8〜15、特に2〜12となるように添加することが好ましい。
精製カテキン類製剤としては、非重合体カテキン類の純度を高めたものであれば特に限定されず、適宜選択して使用することが可能である。本発明で使用する精製カテキン類製剤としては、固形分中の非重合体カテキン類純度が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上、特に好ましくは70質量%以上のものである。なお、非重合体カテキン類純度の上限は特に限定されないが、精製効率の観点から、90質量%であることが好ましい。ここで、本明細書において「精製カテキン類製剤」とは、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの非重合体カテキン類のエピ体4種を少なくとも含有するものをいい、単一のカテキンのみからなるカテキン類製剤は除かれる。また、「固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。更に、「非重合体カテキン類の濃度」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートの非重合体非エピ体カテキン類4種と、上記した非重合体エピ体カテキン類4種の合計量に基づいて定義される。なお、非重合体カテキン類の濃度及び純度の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
カテキン類製剤としては、例えば、不発酵茶、半発酵茶及び発酵茶から選択される茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出等により得られる抽出物であって、濃縮や精製操作が行われていない抽出物、あるいは当該抽出物から溶媒の一部除去して非重合体カテキン類濃度を高めた濃縮物が挙げられる。カテキン類製剤の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等の種々のものが挙げられる。カテキン類製剤として市販品を使用してもよく、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」等が挙げられる。また、カテキン類製剤としてタンナーゼ処理したものを使用してもよい。ここで、本明細書において「タンナーゼ処理」とは、カテキン類製剤を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいう。なお、タンナーゼ処理の具体的な操作方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法が例示される。
カテキン類製剤の精製方法としては、精製カテキン類製剤の固形分中の非重合体カテキン類純度が上記範囲内となれば特に限定されないが、例えば、特開2007−282568号公報、特開2006−160656号公報、特開2008−079609号公報に記載の方法が挙げられる。
本発明の風味改善剤は、使用条件に応じて公知の調製法に従い、粉末状、顆粒状又は粒子状の固形物とすることができる。また、本発明の風味改善剤には、酸化を防止して保存安定性を高めるために抗酸化剤を添加してもよい。
(非重合体カテキン類含有飲料及びその風味改善方法)
本発明の非重合体カテキン類含有飲料は、成分(A)として非重合体カテキン類を0.05〜0.5質量%、成分(B)として低分子でんぷん酵素分解物を含み、成分(A)と成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20であることを特徴とするものである。これにより、非重合体カテキン類含有飲料の風味を改善することができる。
本発明の飲料は、(A)非重合体カテキン類を0.05〜0.5質量%含有するが、風味及び生理効果の観点から、0.06〜0.4質量%、更に0.08〜0.3質量%、特に0.1〜0.2質量%含有することが好ましい。
本発明の飲料中の(B)低分子でんぷん酵素分解物の含有量は(A)非重合体カテキン類に対する質量比[(B)/(A)]で0.6〜20であるが、より一層の風味改善の観点から、下限値は0.7、更に0.8、特に2であることが好ましい。また、上限値は、飲料に配合した際に食感に影響のない観点から18、更に15、特に12であることが好ましい。更に、飲料に配合した際に食感により影響のない観点から、飲料中の(B)低分子でんぷん酵素分解物の含有量は、前記質量比の範囲を満たすことを前提に2質量%以下、更に1.5質量%以下、特に1質量%以下であることが好ましい。
本発明の飲料は、茶飲料でも、非茶系飲料であってもよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、烏龍茶飲料、紅茶飲料が例示される。また、非茶系飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、スポーツ飲料、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料が例示される。
本発明の飲料は、飲料の種類に応じて、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合することができる。なお、各添加剤の配合量は本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
本発明の飲料のpH(20℃)は、風味及び非重合体カテキン類の安定性の観点から、2〜5、特に2.5〜4であることが好ましい。
本発明の飲料は、例えば、精製カテキン類製剤と、低分子でんぷん酵素分解物とを、非重合体カテキン類の濃度及び質量比[(B)/(A)]が上記範囲内となるように配合して製造することができる。
また、本発明の飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して容器詰飲料とすることができる。
また、容器詰飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
1.でんぷん酵素分解物の分子量分布の測定
1mol/Lの酢酸アンモニウムに、試料を1質量%となるように溶解して測定サンプルを調製し、以下の構成のGPC装置により測定を行った。なお、分子量の分かっているポリエチレングリコール(ジーエルサイエンス株式会社)及びデキストラン(東ソー株式会社)を用いて前記に従ってサンプルを調製し、分子量特定のための検量線を作成した。
カラム;Superdex 75/300 (GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)
オンラインデガッサ;SD−8022 (東ソー株式会社)
デュアルポンプ;DP−8020 (東ソー株式会社)
カラムオーブン;CO−8020 (東ソー株式会社)
示差屈折計;RI−8020 (東ソー株式会社)
以下の条件で分子量分布測定を行い、全ピーク面積中の、分子量1,000〜10,000の占める面積の割合(%)を算出した。
カラム温度;25℃
移動相;1mol/L 酢酸アンモニウム
流速;1.0mL/min
注入量;100μL
2.非重合体カテキン類濃度の測定
試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により分析した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
3.非重合体カテキン類純度の測定
試料2gを105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して得られた固形分の質量を測定し、上記試料2g中の非重合体カテキン類の質量とから下式(1)より求めた。
4.官能評価
各実施例及び比較例で得られた飲料について、専門パネル5名による官能評価を行った。官能評価では、各飲料を口に含んだときの後味の不快な収斂味について、風味改善剤を含まないものを基準として下記の基準で評価し、専門パネル5名による協議により最終スコアを決定した。また、収斂味以外の異味や食感等について、専門パネル5名による協議により評価し、コメントを記載した。
収斂味の評価基準
3:収斂味の抑制効果がある。
2:収斂味の抑制効果がややある。
1:収斂味の抑制効果が僅かにある。
0:収斂味の抑制効果がない。
製造例1
高度精製カテキン類製剤の製造
熱水を用いて緑茶葉を浴比20:1で抽出した後、水不溶分を100メッシュ金網で濾過して「緑茶抽出液a」を得た。次に、タンナーゼ(キッコーマン社製、タンナーゼKTFH、500U/g)を「緑茶抽出液a」に対して430ppmとなる濃度で添加し、25℃で60分間反応させた後、加熱して酵素を失活させて緑茶抽出基剤を得た。
円筒状のカラムに合成吸着剤(SP−70、三菱化学(株)製)600mL(非重合体カテキン類の質量に対して40g/L)を充填し、これに前記緑茶抽出基剤2400gをSV=1(h-1)の条件で通液させた。次に、純水900gをSV=1(h-1)の条件で通液して合成吸着剤を洗浄した。次に、非重合体カテキン類を脱離させるために、30質量%エタノール水溶液750gをSV=1(h-1)の条件で通液させて脱離液を得た。
次に、脱離液中の非重合体カテキン類100質量部に対して30質量部の量の粒状活性炭(太閤SGP、フタムラ化学(株)製)をカラムに充填し、これに前記脱離液を通液した。カラムから排出された処理液を回収し、エタノールを留去して「高度精製カテキン類製剤」を得た。「高度精製カテキン類製剤」は、固形分中の非重合体カテキン類純度が76.6質量%であった。
製造例2
風味改善剤の製造
トウモロコシ由来のでんぷん酵素分解物である低分解粉飴(M−SPD,昭和産業社製)を5質量%の水溶液とし、限外濾過膜(日本ミリポア社製、ウルトラセル アミコンYM10 再生セルロース 10,000NMW)を使用して濾過することにより、低分子でんぷん酵素分解物を製造した。得られたでんぷん酵素分解物は、分子量1,000〜10,000のものが、GPC測定における全ピーク面積中93%、残分は分子量10,000超〜700,000であった。なお、前記低分解粉飴は、分子量1,000〜10,000のものが、GPC測定における全ピーク面積中68%であり、残分は分子量10,000超〜700,000であった。
実施例1〜3及び比較例1〜3
製造例1で得られた高度精製カテキン類製剤と、表1に示すでんぷん酵素分解物等を表1に示す割合で配合して非重合体カテキン類含有飲料を調製した。次いで、得られた非重合体カテキン類含有飲料について官能評価を行った。なお、官能評価は、高度精製カテキン類製剤のみを各実施例及び比較例と同じ量配合したものを基準とし、前記「収斂味の評価基準」に従って評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
従来の風味改善剤である環状オリゴ糖類を配合する比較例1〜3の飲料は、高度精製カテキン類製剤由来の不快な収斂味のマスキング効果は確認されず、口に含んだときにとろみが付き風味が変わってしまった。
これに対し、本発明の風味改善剤を配合する実施例1〜3では、他の異味や食感に違和感も発生せずに高度精製カテキン類製剤由来の不快な収斂味を抑制する効果が認められ、高度精製カテキン類製剤の風味改善剤として有効であることが確認された。また、環状オリゴ糖を併用しても、本発明の風味改善剤の効果にも影響がなかった。
実施例4〜11及び比較例4〜7
表2に示す割合の各成分を配合してカテキン類含有非茶系飲料を調製した。次いで、得られた非茶系飲料を口に含んだときの後味の不快な収斂味について官能評価を行った。なお、官能評価は、実施例4〜6については比較例4を、実施例7〜9については比較例5を、実施例10、11及び比較例7については比較例6を基準とし、前記「収斂味の評価基準」に従って評価を行った。その結果を表2に併せて示す。
表2から、高度精製カテキン類製剤と、低分子でんぷん酵素分解物を含有せしめることで、高度精製カテキン類製剤由来の不快な収斂味が抑制されたカテキン類含有非茶系飲料が得られることが確認された。

Claims (4)

  1. 精製カテキン類製剤に、(B 1 )ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物を、精製カテキン類製剤中の(A)非重合体カテキン類と、(B 1 )でんぷん酵素分解物中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20となるように添加する、精製カテキン類製剤の風味改善方法。
  2. 前記精製カテキン類製剤は、固形分中の非重合体カテキン類純度が60質量%以上である、請求項記載の風味改善方法。
  3. 次の成分(A)及び 1 );
    (A)非重合体カテキン類:0.05〜0.5質量%、及び
    (B 1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物
    を含み、
    前記成分(A)と、前記成分(B 1 )中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20である、非重合体カテキン類含有飲料。
  4. 次の成分(A)及び 1 );
    (A)非重合体カテキン類:0.05〜0.5質量%、及び
    (B 1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定における、全ピーク面積に対する、分子量1,000〜10,000のでんぷん酵素分解物のピーク面積が65%以上であるでんぷん酵素分解物
    を、前記成分(A)と、前記成分(B 1 )中の(B)分子量1,000〜10,000の画分との含有質量比[(B)/(A)]が0.6〜20となるように配合する、非重合体カテキン類含有飲料の風味改善方法。
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