JP6370709B2 - 樹脂フィルム、および樹脂フィルム積層化粧板 - Google Patents

樹脂フィルム、および樹脂フィルム積層化粧板 Download PDF

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Description

本発明は、植物由来原料からなる樹脂フィルム、および樹脂フィルム積層化粧板に関し、特に、石油原料の使用をできるだけ減らした地球環境にやさしい樹脂フィルム、およびその樹脂フィルムを基板に積層した樹脂フィルム積層化粧板に関する。
従来、化粧板、包装材料、容器その他に広く使用されているフィルム材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが広く用いられてきた。これらは石油等の有限な資源を原料として用いており、それらの枯渇が懸念されている。さらに、これら石油等の資源は、長い歴史をかけて地球上の炭素が固定化されてできてきた物質であり、これらから得られた樹脂を廃棄・焼却等処分する際に、大量の二酸化炭素が発生し、二酸化炭素の 増加による地球環境の悪化、温暖化が心配されている。
また、バイオマスマーク取得を目的としたフィルム材料として、ポリ乳酸(PLA)を原料や(特許文献1、2参照)、植物由来原料を用いたポリオレフィンからなる化粧フィルムが提案されている(特許文献3参照)。
これらの植物由来原料を用いたフィルム材料としては、多様な材料が開発されてきており、比較的容易に入手することも可能となり、その生成過程において二酸化炭素の取り込み・固定が行われ、循環利用できるという点や非枯渇資源であるという点で石油系資源よりも優れている。
特開2008−73998号公報(ポリ乳酸) 特開2008−207535号公報(ポリ乳酸) 特開2010−36341号公報(ポリオレフィン化粧フィルム)
しかしながら、特許文献1〜3に開示されているような植物由来原料を用いたフィルム材料は、化粧板積層用のフィルムの物性としては十分とはいえない。例えば、単層フィルムを積層して複層フィルムとしたり、化粧材に用いるために基板に積層したりする場合は、フィルム自体に、密着性、加工性、耐久性や難燃性などが要求されるが、従来の植物由来のフィルム材においては、必ずしも十分な特性を有しているとはいえなかった。
本発明の目的は、植物由来原料をできるだけ多く用いて、地球環境の悪化や有限資源の使用量削減の可能な、かつ高品質な樹脂フィルム及びそれを用いた化粧板を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記樹脂フィルムを金属板などの基板に積層し、密着性や加工性に優れた化粧板を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、バイオマスマークの条件を満たすように樹脂フィルムのバイオマス比率を上げ、かつ、従来の石油系プラスチックによる樹脂フィルムと同程度の性能を付与した植物由来原料を用いた樹脂フィルムを提供することにある。
上記した課題を解決するため、本発明の樹脂フィルムは、(1)44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルムであって、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤を含むブレンド組成物からなり、前記PTT樹脂と前記PBT樹脂のブレンド質量比が1:3〜9:1であり、且つ、前記ブレンド組成物全体に対する前記PTT樹脂の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする
また、上記した課題を解決するため、本発明の樹脂フィルムは、(2)44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルムであって、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、酸成分としてイソフタル酸を2〜15mol%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤を含むブレンド組成物からなり、前記PTT樹脂と前記PBT樹脂と前記共重合PET樹脂のブレンド質量比が3:1:1又は2:1:2であり、且つ、前記ブレンド組成物全体に対する前記PTT樹脂の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする
なお上記した(1)又は(2)に記載の樹脂フィルムにおいては、(3)滑剤を含むことが好ましい。
また、上記した(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいては、(4)最表層となる層にエンボス凹凸部を形成したことが好ましい。
また、上記した(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいては、(5)最表層となる層に鏡面を形成したことが好ましい。
さらに上記した課題を解決するため、本発明の樹脂フィルム積層化粧板は、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルムを、基板の少なくとも片面に積層したことを特徴とする
本発明によれば、石油系樹脂の量を削減し植物由来原料を用いて、バイオマスマークの条件を満たすように樹脂フィルムのバイオマス比率を上げ、かつ、従来の石油系プラスチックによる樹脂フィルムと同程度の性能を付与した植物由来原料を用いた樹脂フィルムとすることができる。
さらに、その樹脂フィルムを基板に積層した化粧板は、密着性、加工性、耐久性にすぐれたものである。
図1は第1の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。 図2は第2の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。 図3は第3の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。 図4は第4の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。 図5は第5の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。 図6はPBT樹脂にPTT樹脂をブレンドした場合の弾性率の変化を示すグラフである。
以下、本発明の第1の実施形態の樹脂フィルムについて説明する。
図1は、第1の実施形態の樹脂フィルムの構成を示す概略図である。図1(a)は樹脂フィルムが単層の場合の例示であり、(b)は2層、(c)は3層、(d)は4層の場合の構成を示す。樹脂フィルムはA層、B層又はC層からなる。
樹脂フィルムがA層の場合は、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、植物由来ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、植物由来オレフィン系樹脂(ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE))、植物由来ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる。
樹脂フィルムがB層の場合は、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、植物由来ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、植物由来オレフィン系樹脂(ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE))、植物由来ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物に、植物由来相溶化剤及び植物由来エラストマー(植物由来相溶化剤、植物由来エラストマーはいずれかであってもよい)を加えたものからなる。
樹脂フィルムがC層の場合は、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、植物由来ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、植物由来オレフィン系樹脂(ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE))、植物由来ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物に、植物由来アイオノマーを加えたものからなる。
ここで、植物由来成分とは、植物から生成された物質をその出発原料とした成分を指す。例えば、A層、B層,C層を形成する植物由来ポリトリメチレンテレフタレ−ト樹脂(PTT)としては、テレフタル酸と植物由来の1,3プロパンジオールから生産されたものなどが挙げられる。
また、A層、B層,C層を形成する植物由来ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(PET)としては、ポリエチレンテレフタレートの原料であるテレフタル酸(質量比70%)とモノエチレングリコール(質量比30%)のうち、モノエチレングリコールをさとうきび由来のバイオ原料に替えて製造したものなどが挙げられる。
A層、B層,C層を形成する植物由来オレフィン系樹脂(ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE))としては、植物由来のエチレングリコールを原料にするものであり、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/メチルアクリレート共重合体、およびこれらの共重合体、ブレンドしたものや架橋物等が挙げられる。
A層、B層,C層を形成する植物由来ポリカーボネート(PC)樹脂としては、特開2011−241277公報などに開示されている、糖由来のアルコールとポリジオールとからなるポリカーボネートなどが挙げられる。
E層を形成する共重合樹脂としては、酸成分として、テレフタル酸の一部が他のジカルボン酸の構造で置換されたもので、この場合の他のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などを挙げることができる。なお、他のジカルボン酸成分は、前記列挙したジカルボン酸成分のうちから選択された一種の樹脂でも、或いは二種以上の組合わせからなる混合物であってもよい。また、置換される他のジカルボン酸の量は適宜選択することができる。
また、アルコール成分としては、例えばエチレングリコールの一部が他のジオール成分で置換されたものでもよい。
この場合の他のジオール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコールなどを挙げることができる。 なお、他のジオール成分は、前記列挙したジオール成分のうちから選択された一種の樹脂でも、或いは二種以上の組合わせからなる混合物であってもよい。また、置換される他のジオールの量は適宜選択することができる。
さらに、A,B,C,D層を形成する樹脂についても、上記の共重合成分が含まれていても構わない。
上記のような複層構成の積層樹脂製膜においては、JIS−K7199に準拠して測定される、せん断速度10[1/s]における溶融粘度が1000[Pa・s]となる樹脂温度の差が30℃以内、好ましくは15℃以内、さらに好ましくは5℃以内となる樹脂の組み合わせを選択すれば、市販の樹脂のいずれでも選択適用が可能である。
<相溶化剤>
B層には、ブレンド成分を均一に混合するために、植物由来相溶化剤を混合することができる。混合量は用途により適宜選択される。
相溶化剤としては、植物由来のエチレン系共重合体等の樹脂を用いることが好ましい。
このようなエチレン系共重合体の相溶化剤の例としては、例えば、植物由来の、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体が挙げられる。
中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体を好適に使用できる。
また、2種類以上の相溶化剤を併用することもできる。
B層の植物由来エラストマーとしては、植物由来の1,3−プロパンジオールを原料とした熱可塑性ポリエステルエラストマーなどが適用できる。具体的には、例えばデュポン社製、商品名ハイトレルRSなどが挙げられる。
また、特開2010−254729公報などに開示されている、植物由来樹脂を25質量%以上含む環境配慮型熱可塑性エラストマー組成物なども適用できる。
C層の植物由来アイオノマーとしては、例えば、植物由来の、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、プロピレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、ブチレン−アクリル酸共重合体アイオノマー、エチレン−ビニルスルホン酸共重合体アイオノマー、スチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、スルホン化ポリスチレンアイオノマー、フッ素系アイオノマー、テレケリックポリブタジエンアクリル酸アイオノマー、スルホン化エチレン−プロピレン−ジエン共重合体アイオノマー、水素化ポリペンタマーアイオノマー、ポリペンタマーアイオノマー、ポリ(ビニルピリジウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルトリメチルアンモニウム塩)アイオノマー、ポリ(ビニルベンジルホスホニウム塩)アイオノマー、スチレン−ブタジエンアクリル酸共重合体アイオノマー、ポリウレタンアイオノマー、スルホン化スチレン−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンサルフェイトアイオノマー、酸−アミンアイオノマー、脂肪族系アイノネン、芳香族系アイノネン等が挙げられる。
相溶化剤、植物由来エラストマーや植物由来アイオノマーをブレンドすることにより、植物由来度を低下させずに、高い加工性や密着性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。なお、図1(b)乃至(d)において、同じ樹脂層(A,B又はC層)を積層して樹脂フィルムとする場合があるが、同じ樹脂層であっても、層中に含まれる組成物成分が異なる場合がある。例えば、相溶化剤、エラストマー、アイオノマーをそれぞれ異ならしめた層を積層することもある。
以下説明する実施形態の場合においても同様である。
本発明の第2の実施形態にかかる樹脂フィルムを図2に示す。
図2(a)は樹脂フィルムが2層の場合の例示であり、(b)は3層、(c)は4層の場合の構成を示す。
第2の実施形態にかかる樹脂フィルムは、上記第1の実施形態の樹脂フィルム1層以上と、表層として下記D層又はE層とを積層したことを特徴とする。
D層:ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる結晶性ポリエステル樹脂、からなる。
E層:共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる実質的に非晶性ポリエステルからなる。
なお、D層、E層は、従来からある石油由来の樹脂成分からなる層である。
第2の実施形態にかかる樹脂フィルムにおいては、密着性を向上させた組成の樹脂フィルムを組み合わせた複層樹脂フィルムとすることにより、樹脂フィルムの層間剥離を抑制することができる。
すなわち、植物由来の樹脂フィルムの上に、D層、E層を、従来樹脂である、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる結晶性ポリエステルや、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる実質的に非晶性ポリエステルの層を積層することにより、従来品と同等の表面特性を維持した複層樹脂フィルムとすることができる。
本発明の第3の実施形態にかかる樹脂フィルムを図3に示す。図3(a)は樹脂フィルムが3層の場合の例示であり、(b)は4層、(c)は5層、(d)は6層の場合の構成を示す。
第3の実施形態にかかる樹脂フィルムは、上記第1の実施形態の樹脂フィルム1層以上を中間層とし、最表層及び最下層に上記D層又はE層を積層したものからなる。
すなわち、植物由来の樹脂フィルムの上下層に、従来樹脂である、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる結晶性ポリエステルや、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる実質的に非晶性ポリエステルの層を積層することにより、従来品と同等の表面特性および密着性を維持した複層樹脂フィルムとすることができる。
本発明の第4の実施形態にかかる樹脂フィルムを図4に示す。図4(a)は樹脂フィルムが3層の場合の例示であり、(b)は5層、(c)は7層の場合の構成を示す。
第4の実施形態にかかる樹脂フィルムは、上記第1の実施形態の樹脂フィルムと、上記D層又はE層とが交互に積層され、D層又はE層が,最表層及び最下層であることを特徴とする。
すなわち、従来樹脂(D層又はE層)と植物由来樹脂(A層,B層又はC層)とを交互に積層した構成とすることにより、植物由来度を下げないで、従来品と同等の表面特性および密着性を維持した複層樹脂フィルムとすることができる。
本発明の第5の実施形態にかかる樹脂フィルムを図5に示す。図5(a)は樹脂フィルムが4層の場合の例示であり、(b)は6層、(c)は10層の場合の構成を示す。なお、図5(a)は図2(a)の樹脂フィルムを2層積層したものであり、図5(b)は図3(a)の樹脂フィルムを2層積層したものであり、図5(c)は図4(b)の樹脂フィルムを2層積層したものである。
第5の実施形態にかかる樹脂フィルムは、上記第1の実施形態から第4の実施形態にかかる樹脂フィルムのいずれかに記載の樹脂フィルムを2以上,接着剤を介して又は介さずに積層したものであるので、植物由来度を下げないで、従来品と同等の表面特性および密着性を維持した複層樹脂フィルムとすることができる。
本発明の他の第6の実施形態にかかる樹脂フィルムは、前記A、B又はC層に、D層を構成する成分(D層:ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる結晶性ポリエステル樹脂)、又はE層を構成する成分(共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、共重合ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂のいずれか、又はこれら2種以上のブレンド組成物からなる実質的に非晶性ポリエステル)、をブレンドしたことを特徴とする。
すなわち、植物由来度を低下させない程度に従来樹脂をブレンドした樹脂フィルムとすることにより、密着性を向上させた組成の植物由来の樹脂フィルムとし、樹脂フィルムの層間剥離を抑制や密着性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。
特に、多層構成の樹脂フィルムおよび該樹脂フィルムを基材に積層したフィルム積層材は、加工時にいわゆるWBL(Weak Boundary Layer)への応力集中を軽減することが可能となり、被膜剥離の抑制効果を向上させることができる。そのため、高加工度用途に好適に用いることができる。
なお、上記の樹脂フィルムにおいて、各樹脂フィルムに、難燃性や耐久性が要求される場合には、難燃性、耐加水分解性や耐候性付与のために各種添加剤をブレンドすることができる。
その他にも、例えば、有機又は無機フィラー、アンチブロッキング剤、結晶化促進剤、造核剤、ガス吸着剤、老化防止剤(エステル、アミド等)、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、耐光剤、光安定剤、粘着付与剤、可塑剤(ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸又はそれらの金属塩等)、軟化剤(鉱物油、ワックス、パラフィン類等)、安定剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、末端封止剤、重合禁止剤、架橋剤、変性剤、着色剤(着色顔料、着色染料等のフィルム着色材料を含む)、カップリング剤、防腐剤、防カビ剤、難燃剤、難燃助剤、防曇剤、耐摩耗性向上剤、艶消し剤、消臭剤、イオン交換剤、屈折率調整剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
さらに、上記の樹脂フィルムの表面に選択的にエンボス加工を施してエンボス凹凸部を形成させて、立体感のある高意匠性を付与したり、鏡面仕上加工を施したりしても良い。
また、上記の樹脂フィルムの表面には、艶調整層を設けても良い。艶調整層としては、無色透明であってもまたは着色透明であっても、さらに艶消しの透明であってもよく、樹脂フィルムの表面の光沢度を調整するために設けるものであるが、表面を保護する層(ハードコート層)としての役割を付与するものであってもよい。
<バイオマス度25wt%以上>
なお、本実施形態の樹脂フィルムにおいては、樹脂フィルム全体としてのバイオマス度が25wt%以上であることが望ましい。
樹脂フィルム全体としてのバイオマス度が25wt%以上であることにより日本バイオプラスチック協会(JBPA)による、バイオマスプラスチック認定マークを取得すること可能となり樹脂フィルムに環境負荷の小さい商材としての、付加価値を付与することができるからである。
<バイオマーク>
ここで、本発明において用いるバイオマークについて説明する。
社会法人日本有機資源協会(JORA)において、バイオマス材料を用いた商品に関してバイオマスマークの認定を行っている。バイオマスマークの認定は、バイオマス材料を利活用して生産された商品にバイオマスマークを付することにより、バイオマス商品への利活用を消費者に知らせ、これらの商品を普及させることにより、バイオマス材料の利用を促進して、自然の恵みで持続的に発展可能な社会構築に貢献することを目的としている。
また、日本バイオプラスチック協会(JBPA)は、ポリ乳酸のように、バイオマス原料から生産されるバイオマス材料を用いることに関して、有機資源(植物等)由来物質を、プラスチック構成成分として所定量以上含む、バイオマスプラスチック製品を地球温暖化防止の観点と、化石資源消費縮減の重要性をかんがみ、バイオマスプラの識別表示制度を制定し、当協会が定める基準に適合する製品を「バイオマスプラ」として認証し、一般消費者がバイオマスプラスチック製品を容易に識別できるように、シンボルマークの使用を許可している。
バイオマスプラ識別認定のためには、製品中のバイオマスプラスチック度(原材料、製品に含まれるバイオマスプラスチック組成中のバイオマス由来成分の全体量に対する割合)が、25wt%以上のプラスチック製品である必要がある。すなわち、樹脂フィルムにおけるバイオマス材料比率をできるだけ高く(最低でも25wt%以上)することは、地球環境への負荷を考えても非常に重要であり、バイオマスプラスチック認定マークを取得することで、消費者に対して付加価値として認識されることを考えると、必要な事項である。
本発明者等は、このような主旨に鑑み、本発明の樹脂フィルムも、バイオマス材料比率をできるだけ高くすることが望ましいと考えている。
<印刷層>
本発明の樹脂フィルムは、本発明の樹脂フィルムのいずれかの層間に印刷層を設けることができる。
すなわち、樹脂フィルムには、着色や模様形成のために、印刷層を形成することもできる。また、インキの溶剤である石油系溶剤の一部または全部を、バイオマス由来のアルコールやバイオマス由来のヒドロキシル基を有する化合物から得られるエステル化合物を含有する印刷インキに置き換えることにより、印刷適性を阻害せずにインキの蒸発乾燥性と機上安定性のバランスに優れた環境に優しいインキによって印刷層を形成することもできる。
本発明の化粧板は、本発明の樹脂フィルムを、基板の少なくとも片面に、接着剤を介して又は介さずに積層したものであることを特徴とする。
本発明のいずれかの樹脂フィルムを基板に積層した化粧板は、金属板などの基板との密着性に優れ、化粧板の加工時においても樹脂フィルムの層間剥離や基板との剥離がなく、種々の成形品に加工することができる。
<接着剤>
樹脂フィルムどうしや樹脂フィルムを基板に積層するために用いる接着剤としては、一般的な接着剤、例えば、ポリエステル系、アクリル系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系等のエマルジョン型接着剤が、火気に対して安全で、臭気もなく、価格的にも安価なため好ましく用いられる。
その他、ポリエステルウレタン樹脂系などのエマルジョン型接着剤や、エポキシ−フェノール樹脂系などの熱硬化型接着剤、ポリエステルウレタン樹脂系接着剤なども用いることもできる。
なお、接着剤は、これら例示されたものに限定されるものではない。
また、接着剤の成分として適用される樹脂としては、A、B、C層の樹脂に対し反応性または親和性を有する樹脂が好適に用いられる。反応性または親和性を有するとは、A、B、C層の樹脂と親和性の高い官能基や反応し得る官能基を有することを意味する。そのような特性を有する官能基の例としては、酸無水物基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩化物基、カルボン酸アミド基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、スルホン酸塩化物基、スルホン酸アミド基、スルホン酸塩基、エポキシ基、アミノ基、イミド基、またはオキサゾリン基などの官能基が挙げられる。
なお、樹脂フィルム同士を積層する場合において、印刷層が樹脂フィルム間にある積層については、印刷インキに接着性を持たせたビヒクルなどを適用することにより、接着剤層を特に設けなくても積層することができる。
<滑剤>
滑剤としては、脂肪族炭化水素系、高級脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸のエステルあるいはアミド誘導体、たとえば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルシン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどの有機系滑剤、あるいは二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどのシリカ系、ゼオライト、炭酸カルシウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、硫酸バリウムなどの無機系滑剤などの一般的な市販の滑剤を用いることができる。
また、押出機を用いて樹脂中に滑剤を混練する際に、押出機内のフィルターの目詰まりを防止する観点からは不定形滑剤よりも真球滑剤の方が好ましいが、不定形滑剤の方が滑剤を用いた効果が顕著に現れる。
上記の滑剤としては平均粒径が0.5〜10μm 、好ましくは1〜5μmの微細粉末を用いる。この微細粉末は化粧フィルムの接着樹脂層中に0.05〜3質量% 、好ましくは0.1〜0.3質量%含有させる。このような好適範囲の粒径を有する微細粉末を好適範囲の含有比率で樹脂中に含有させることにより、優れた意匠性を損なうことなく、フィルムの巻き取り形状を改善し、しわ発生の防止効果が得られる。ただし、上記のものに限定されるものではない。
また、上記のような滑剤以外に、光安定剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤等、プロセス安定剤、金属不活性化剤等、一般的に樹脂の耐熱性、耐候性を向上させる目的で添加されるものや、加工助剤、その他の、これも一般的に樹脂の加工性向上の目的で添加されるもの等各種添加剤を添加してもよい。
<帯電防止剤>
帯電防止剤としては、ノニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、両性系帯電防止剤などが適用されるが、特にカチオン系のものが好ましく用いられる。カチオン系の場合、特にフィルム表面に設けた塗布層の帯電防止効果が、化粧シートあるいとした時の表面にも及ぶという点で優れ、その効果が高度に達成される。カチオン系帯電防止剤の中でも、特に、主鎖にピロリジウム環を有するポリマーを用いることが好ましく、具体例として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/ジメチルアンモニウムクロリド/N−メチロールアクリルアミド)などが挙げられる。ただし、上記のものに限定されるものではない。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、サリシレート系などを好適に用いることができる。
また、ヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤を含有させることにより、紫外線劣化防止効果をさらに向上させることができる。
ただし、上記のものに限定されるものではない。
樹脂フィルムの製造において、各樹脂フィルムを構成する樹脂組成物を混合・溶融混練して使用される。混合・混練りは通常使用される溶融混錬機が使用できるが、二軸押出機を使用するのが混練りしながら樹脂フィルムにできるので好ましい。あるいは二軸押出機で混練り・ストランド状に押出し、ペレット化して、使用することもできる。
得られた樹脂フィルムは、さらに一軸方向あるいは二軸方向に延伸することで、薄膜化、高強度化できる。
また、延伸後の熱固定温度を調整することで、収縮率を調整することもできる。延伸はロール間延伸、テンター法延伸、チューブラー延伸、テンター法同時二軸延伸など通常の方法が採用できる。
これらの積層フィルムは、一般的に公知の方法で生産できる。例えば、第1層と第2層を接着剤でドライラミネートして積層することもできる。
また、第1層の樹脂フィルム上に第2層を押し出しながら積層樹脂フィルムとする押出ラミ法も採用できる。
また、3台以上の押出機で同時に押出し、フィードブロックや口金内で積層する共押出方法でも生産できる。この中では共押出法が1回の押出で生産でき効率も高いので最も好ましい。共押出法は、T−ダイ法でもサーキュラーダイ法でも使用できる。
また、得られたフィルムは、一軸延伸、二軸延伸することで引張強度、衝撃強度も上がる。
さらに、樹脂フィルムを多層に積層する製膜方法としては、市販のフィルムを用いて、加圧ロール等を用いて積層しても構わないが、特開平11−42744号公報、特開2006−69139号公報、特開2006−159537号公報、特開2008−030258号公報などに開示されているような製膜方法を用いて製膜することもできる。
<PTT樹脂ブレンドの効果>
図6は、PBT樹脂にPTT樹脂をブレンドした場合の弾性率の変化を示すグラフである。PBT樹脂、PTT樹脂の弾性率は、単体の場合いずれも温度が高くなるほど小さくなることが分かる。
しかし、PBT樹脂、PTT樹脂のTg(ガラス転移温度)はいずれも45℃前後であり、図6から、その温度域でのPBT/PTTブレンド樹脂の弾性率は特異な値を示すことが分かった。すなわち、PTT樹脂の含有率が20〜80%においては、45℃における弾性率が極小値を示す。
したがって、図6に示す結果から、Tg付近での加工性は、PTT樹脂含有率を20〜80%、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%とすると良好になることがわかった。
一般的に、Tgより高温域において成形加工を行う場合、工具等への付着や樹脂層表面荒れなどが生じる問題が起こりやすくなるが、加工性を確保するためには加工温度を上げて弾性率を下げる必要があるため、そのバランスを取るように温度設定することが不可欠であった。
しかしながら、上述のように、PBT/PTTブレンド樹脂においては、PTT含有率を最適化することにより、Tg近傍の温度域においても弾性率を低くすることが可能であり、その結果、加工性が良好な樹脂層を得ることが可能となるのである。
また、このようなPBT/PTTブレンド樹脂による加工性向上の効果は、当該ブレンド樹脂単層のフィルムだけでなく、複層構成の樹脂フィルムの少なくともいずれか一つの層に設けることによっても十分得られることがわかった。このメカニズムの詳細については未だ明らかになっているとは言い難いが、弾性率の低い層を設けることにより、加工時の応力分散の効果が得られるために被膜全体の加工性が向上することにつながっていると推測される。
なお、弾性率は、JIS K 7161(プラスチック−引張特性の試験方法)に基づき、以下のようにして求めた。
まず、ポリエステル樹脂フィルムを幅5mm、長さ50〜60mmの引張試験片に切り出す。この引張試験片を、測定環境が所定の設定温度に保持された引張り試験機(テンシロン)を用いてクロスヘッド間隔20mm、引張速度200mm/分で公称応力−伸度曲線を測定し、公称応力σ0と伸度Elを求める。
伸度Elは下記の式から求めることができる。
El=100×(L−L0)/L0
ここで、L0:引張前の試料の長さ、L:引張後の試料の長さである。
得られた公称応力−伸度曲線において、伸度2〜4%付近における直線性が維持されている範囲における勾配から最小二乗法により、次の式より弾性率Eを求めた。
E=Δσ0/ΔEl×100
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
樹脂フィルムの層構成を、図2(a)に示すように、上からD層(PBT樹脂)/A層(植物由来PTT)の2層構成とし、
D層厚み:50μm/A層の厚み:150μmとした。
次に、この2層樹脂フィルムを、A層が基板(亜鉛めっき鋼板)に接するようにして接着剤を介して積層した。
次いで、プレスブレーキを用いて、加工温度45℃で折り曲げ加工を行ったところ、樹脂フィルムの剥離がない良好な成型品を得ることができ、化粧板としての使用可能性を確認できた。
<実施例2>
樹脂フィルムの層構成を、図3(a)に示すように、上からE層(共重合PET樹脂)/B層(植物由来PC)/D層(PBTとPETのブレンド)の3層構成とし、
E層厚み:50μm/B層厚み:150μm/D層厚み:50μmの積層樹脂フィルムを製造した。
次いで、プレスブレーキを用いて、加工温度45℃で折り曲げ加工を行ったところ、樹脂フィルムの剥離がない良好な成型品を得ることができ、化粧板としての使用可能性を確認できた。
<実施例3>
実施例3の樹脂フィルムは単層フィルムとし、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる樹脂フィルムとした。植物由来ポリトリメチレンテレフタレ−ト樹脂(PTT)としては、テレフタル酸と植物由来の1,3プロパンジオールから生産されたものなどが挙げられる。ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂としては、植物由来度を低下させない程度に従来型の樹脂を用いることができる。
これにより、密着性を向上させることができ。密着性を向上させた樹脂フィルムとすることができる。
なお、着色剤としては、着色顔料、着色染料等のフィルム着色材料を含むものが挙げられる。
実施例3の樹脂フィルムは、押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物をTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ100μmの単層フィルムとした。
滑剤として、DIC(株)製のマスターバッチ(平均粒径5μmの不定形滑剤を5質量%含む)を3質量%混練して、当該樹脂中に滑剤が0.15質量%含まれるように調整した。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=51質量%)とした。
<実施例4>
実施例4の樹脂フィルムは単層フィルムとし、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる樹脂フィルムとした。
もしくは、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる樹脂フィルムとした。
実施例4の樹脂フィルムは、押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤(顔料4質量%)のブレンド組成物をTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ90μmの単層フィルムとした。
なお、PTTとPBTとPETのブレンド質量比は3:1:1(PTT含有率=57.6質量%)とした。
<実施例5>
実施例5の樹脂フィルムは2層フィルムとし、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を第1層とし、その上に第2層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、第1層又は第2層樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例5の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料15質量%)のブレンド組成物と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ100μmの2層フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は、3:2(PTT含有率=51質量%)と、9:1(PTT含有率=76.5質量%)の2種類とした。
<実施例6>
実施例6の樹脂フィルムは2層フィルムとし、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を第1層とし、その上に第2層として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、第1層又は第2層樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例6の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤(顔料40質量%)のブレンド組成物と、
植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料40質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:2でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ90μmの2層フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTとPETのブレンド質量比は2:1:2(PTT含有率=24質量%)とし、PTTとPBTのブレンド質量比は1:1(PTT含有率=30質量%)とした。
<実施例7>
実施例7の樹脂フィルムは2層フィルムとし、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる層を第1層とし、その上に第2層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくは、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物にさらに帯電防止剤をブレンドした樹脂組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
帯電防止剤としては、三洋化成工業(株)製のペレスタットNC6321を10質量%用いた。
実施例7の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び帯電防止剤(10質量%)、着色剤(顔料30質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ40μmの2層フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=36質量%)とした。
<実施例8>
実施例8の樹脂フィルムは2層フィルムとし、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる層を第1層とし、その上に第2層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
実施例8の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料20質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ70μmの2層フィルムとした。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=48質量%)とした。
<実施例9>
実施例9の樹脂フィルムは3層フィルムとし、実施例10に記載の2層樹脂フィルムの構成を第1層及び第2層とし、その第2層の上に第3層として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、第1層〜第3層樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例9の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤(顔料4質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料4質量%)のブレンド組成物と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料4質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比2:3:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ90μmの3層フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PBTとPETのブレンド質量比は1:1とし、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=57.6質量%)と、PTTとPBTのブレンド質量比は4:1(PTT含有率=76.8質量%)の2種類とした。
<実施例10>
実施例10の樹脂フィルムは3層フィルムとし、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる層を第1層とし、その上に第2層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層し、その上に第3層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤及び帯電防止剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤及び帯電防止剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、第1層〜第3層樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例10の樹脂フィルムは次のようにして作成した。
共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、帯電防止剤(10質量%)、及び着色剤(顔料30質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料30質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:2:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ40μmの3層フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。帯電防止剤は実施例7と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は1:1(PTT含有率=35質量%)とした。
<実施例11>
実施例11の樹脂フィルムは3層フィルムとし、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる層を第1層とし、その上に第2層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層し、その上に第3層として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
実施例11の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、及び着色剤(顔料20質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料20質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、厚み比2:2:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ70μmの3層フィルムとした。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=48質量%)とした。
<実施例12>
実施例12の樹脂フィルムは3層フィルムとし、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を第1層とし、その上に第2層として印刷層を形成し、その上に第3層として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BO−PET)樹脂からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
実施例12の樹脂フィルムは、押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物をTダイからキャスティングロール上に押出して厚さ50μmのフィルムを製膜した。厚さ25μmの市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BO−PET)フィルムの下面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、印刷層と前記の着色樹脂層を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=51質量%)とした。
<実施例13>
実施例13の樹脂フィルムは4層フィルムとし、実施例10に記載の2層樹脂フィルムの構成を第1層及び第2層とし、その第2層の上に第3層として印刷層を形成し、その上に第4層として、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BO−PET)樹脂、を積層した樹脂フィルムとした。
実施例13の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤(顔料15質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ60μmの2層フィルムとした。その後、厚さ25μmの市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BO−PET)フィルムの下面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、印刷層と前記の滑剤の入っていない着色樹脂層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=51質量%)と、
PTTとPBTのブレンド質量比は1:3(PTT含有率=21.3質量%)の2種類とした。
<実施例14>
実施例14の樹脂フィルムは4層フィルムとして、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を第1層とし、その上に第2層として印刷層を形成し、その上に第3層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなる層を積層し、さらにその上に第4層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
ここでは、紫外線吸収剤として、DIC(株)製のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤マスターバッチ((株)ADEKA製アデカスタブLA−31を20質量%含む)を10質量%混練して、当該樹脂中に紫外線吸収剤が2.0質量%含まれるように調整した。
実施例14の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:8でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ45μmの2層フィルムとした。該2層フィルムの紫外線吸収剤が含まれていない層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を押出し成膜したフィルムと前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも3:2(PTT含有率=60質量%と51質量%)と、PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも4:1(PTT含有率=80質量%と68質量%)の4種類とした。
<実施例15>
実施例15の樹脂フィルムは4層フィルムとして、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、もしくは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物、からなる層を第1層とし、その上に第2層として印刷層を形成し、その上に第3層として、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層を積層し、さらにその上に第4層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例15の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15重質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、厚み比1:3でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ40μmの2層フィルムとした。該2層フィルムの共重合PET層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を押出し成膜したフィルムと前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。紫外線吸収剤は実施例14と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=51質量%)とした。
<実施例16>
実施例16の樹脂フィルムは5層フィルムとして、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤のブレンド組成物からなる層を第1層とし、その上に第2層として印刷層を形成し、その上に第3層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなる層を積層し、その上に第4層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなる層を積層した層を積層し、さらにその上に第5層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例16の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:6:2でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ45μmの3層フィルムとした。該3層フィルムの紫外線吸収剤が含まれていない層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を押出し成膜したフィルムと前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。紫外線吸収剤は実施例14と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも3:2(PTT含有率=60質量%と51質量%)とした。
<実施例17>
実施例17の樹脂フィルムは5層フィルムとして、実施例10に記載の2層樹脂フィルムの構成を第1層及び第2層とし、その第2層の上に第3層として印刷層を形成し、その上に第4層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなる層を積層し、さらにその上に第5層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例17の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:8でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ45μmの2層フィルムとした。該2層フィルムの紫外線吸収剤が含まれていない層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)のブレンド組成物と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15重質量%)のブレンド組成物を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ80μmの2層フィルムとし、該2層フィルムの滑剤を含まない層面と前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。紫外線吸収剤は実施例14と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも3:2の場合(PTT含有率=60質量%と51質量%)と、
PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも4:1の場合(PTT含有率=80質量%と68質量%)の4種類とした。
<実施例18>
実施例18の樹脂フィルムは5層フィルムとして、実施例10に記載の2層樹脂フィルムの構成を第1層及び第2層とし、その第2層上に第3層として印刷層を形成し、その上に第4層として、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂層を積層し、さらにその上に第5層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例18の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物と、酸成分としてイソフタル酸を15mol%共重合したポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を、厚み比1:3でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ40μmの2層フィルムとした。該2層フィルムの共重合PET層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)のブレンド組成物と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ100μmの2層フィルムとし、該2層フィルムの滑剤を含まない層面と前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。紫外線吸収剤は実施例14と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比は3:2(PTT含有率=51質量%)と、PTTとPBTのブレンド質量比は1:2(PTT含有率=28.3質量%)の2種類とした。
<実施例19>
実施例19の樹脂フィルムは6層樹脂フィルムとして、実施例10に記載の2層樹脂フィルムの構成を第1層及び第2層とし、その第2層上に第3層として印刷層を形成し、その上に第4層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂に滑剤を含有した層を積層し、さらにその上に第5層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂からなる層を積層した層を積層し、さらにその上に第6層として、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物、もしくはポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤のブレンド組成物からなる層を積層した樹脂フィルムとした。
そして、印刷層以外の樹脂フィルムの少なくとも一つ以上の層に、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド樹脂が含まれている。
実施例19の樹脂フィルムは、共押出しにより押出機から加熱溶融した、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び紫外線吸収剤(5質量%)、滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂のブレンド組成物と、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比1:6:2でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ45μmの3層フィルムとした。該3層フィルムの紫外線吸収剤が含まれていない層表面にグラビア輪転機によりベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷した。
その後、別途、共押出しにより押出機から加熱溶融した、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)のブレンド組成物と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、着色剤(顔料15質量%)及び滑剤(0.15質量%)のブレンド組成物を、厚み比4:1でTダイからキャスティングロール上に押出して、厚さ80μmの2層フィルムとし、該2層フィルムの滑剤を含まない層面と前記印刷フィルムの印刷層側を重ね合せ、圧着用ロールの加熱温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、積層樹脂フィルムとした。
紫外線吸収剤は実施例14と同じものを用いた。
なお、PTTとPBTのブレンド質量比はいずれも3:2(PTT含有率=60質量%と51質量%)ととした。
<実施例20>
実施例20の樹脂フィルムは、上記実施例4、6〜11、18のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいて、構成する共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂が酸成分であるテレフタル酸の2〜15モル%をイソフタル酸で置換してなる樹脂フィルムとした。
ここで、2〜15モル%とする理由は、テレフタル酸をイソフタル酸で置換することにより、結晶性や融点が下がるとともに柔軟性が増すが、2%未満ではその効果が薄く、15モル%より多くすると融点が下がり過ぎ、また軟化し過ぎるようになる。
<実施例21>
実施例21の樹脂フィルムは、上記実施例12、13のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいて、構成する二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(BO−PET)樹脂に替えて、ポリエチレンテレフタレートの酸成分であるテレフタル酸の2〜15モル%をイソフタル酸で置換してなる二軸延伸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂とする樹脂フィルムとした。
ここで、2〜15モル%とする理由は、実施例20の場合と同じである。
<実施例22>
実施例22の樹脂フィルムは、上記実施例1〜21のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいて、構成する一つ以上のいずれかの樹脂層に滑剤を含む樹脂フィルムとした。
滑剤は、実施例3と同じものを用いた。
<実施例23>
実施例23の樹脂フィルムは、実施例1〜22のいずれかに記載の樹脂フィルムの最表層となる層(もっとも後から積層した層)に、ロール加工によってエンボス凹凸部を形成し、立体感のある高意匠性を付与した樹脂フィルムとした。
実施例23の樹脂フィルムは、先に形成した樹脂フィルムを、エンボスロール温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、エンボス圧:2.45MPaの条件で、最表面を加熱加工してエンボス凹凸を形成した。
<実施例24>
実施例24の樹脂フィルムは、実施例1〜22のいずれかに記載の樹脂フィルムの最表層となる層(もっとも後から積層した層)に、ロール加工によって鏡面を形成し、鏡面仕上の高意匠性を付与した樹脂フィルムとした。
実施例24の樹脂フィルムは、先に形成した樹脂フィルムを、鏡面ロール温度120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、加工圧:1MPaの条件で、最表面を加熱加工して鏡面加工した。
<実施例25>
実施例25の樹脂フィルムは、実施例1〜24のいずれかに記載の樹脂フィルムにおいて、PBTとPTTとをブレンドした樹脂が、PTT含有率を20〜80%とする樹脂フィルムとした。
また、PTT含有率は、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%とする。すなわち、図6から、PTT樹脂の含有率が20〜80%においては、45℃における弾性率が極小値を示し、Tg付近での加工性は、PTT樹脂含有率を20〜80%、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%とすると良好になるからである。
この結果、PBT/PTTブレンド樹脂においては、PTT含有率を最適化することにより、Tg近傍の温度域においても弾性率を低くすることができ、加工性が良好な樹脂層を得ることができた。
<実施例26>
実施例26の樹脂フィルムは、実施例1〜25のいずれかに記載の樹脂フィルムを、接着剤を介して基板の片面に積層して、樹脂フィルム積層化粧板とした。ここでは、接着剤としてポリエステルウレタン樹脂系接着剤を用いた。すなわち、実施例1〜25に記載した樹脂フィルムを、厚さ0.5mmの電気亜鉛合金めっき鋼板にポリエステルウレタン樹脂系接着剤を10g/mの塗布量で塗布した基材を加熱温度:210℃、接着圧力:1.47MPa、圧着時間:5秒の条件で加熱圧着して積層し、試験片とした。この試験片を、加工温度45℃でプレスブレーキを用いて折り曲げ加工を行ったところ、樹脂フィルムの剥離がない良好な成型品を得ることができ、化粧板としての使用可能性を確認できた。
本発明の樹脂フィルムは植物由来原料を用いて、バイオマスマークの条件を満たすように樹脂フィルムのバイオマス比率を上げ、かつ、従来の石油系プラスチックによる樹脂フィルムと同程度の性能を付与した植物由来原料を用いた樹脂フィルムとすることができる。
さらに、その樹脂フィルムを基板に積層した化粧板は、密着性、加工性、耐久性にすぐれたものであるので、産業上の利用可能性が極めて高い。

Claims (6)

  1. 植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂及び着色剤を含むブレンド組成物からなり、
    前記PTT樹脂前記PBT樹脂ブレンド質量比が1:3〜9:1であり、且つ、前記ブレンド組成物全体に対する前記PTT樹脂の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルム。
  2. ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂、酸成分としてイソフタル酸を2〜15mol%共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及び着色剤を含むブレンド組成物からなり、
    前記PTT樹脂と前記PBT樹脂と前記共重合PET樹脂のブレンド質量比が3:1:1又は2:1:2であり、且つ、前記ブレンド組成物全体に対する前記PTT樹脂の含有率が20質量%〜60質量%であることを特徴とする44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂フィルムにおいて滑剤を含むことを特徴とする44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルム樹脂フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂フィルムにおいて、最表層となる層にエンボス凹凸部を形成したことを特徴とする44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルム。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂フィルムにおいて、最表層となる層に鏡面を形成したことを特徴とする44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の44℃〜46℃の温度域で加工するための樹脂フィルムを、基板の少なくとも片面に積層したことを特徴とする樹脂フィルム積層化粧板。
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