JP6930155B2 - 容器 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオマス由来の1,3−プロパンジオールとテレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレートを含む層およびこれと隣合うポリエステル系樹脂層を備えた容器に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂は、その機械的特性、化学的安定性、耐熱性、ガスバリア性、透明性などに優れ、かつ安価であることから、飲食品等を収容する容器等の製造に広く使用されている。
これらプラスチック製容器には、充填する内容物に応じ、様々な機能が求められる。例えば、充填する内容物が炭酸水等の炭酸飲料である場合には、二酸化炭素バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性等のガスバリア性が要求される。
例えば、特開2003−334906号公報(特許文献1)には、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシレンアジパミド等のガスバリア性樹脂および遷移金属触媒を含むガスバリア層を、中間層として備えるプラスチック製多層容器が提案されている。
しかしながら、特許文献1において開示される多層容器は、中間層のガスバリア層とこれと隣合う層との物性の違いから、層間で剥離が生じてしまうことがあった。特に、炭酸飲料を充填し、保管した場合、層間剥離が生じてしまう可能性が高かった。
ところで、近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、汎用高分子材料であるポリエステル樹脂をこれらバイオマス原料から製造する試みも行われている。例えば、トウモロコシやサトウキビ等の植物から得られるデンプンや糖類を微生物で発酵させて得られたバイオマスエタノールを用いて工業的にエチレングリコールを製造することが行われており、ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分であるエチレングリコールとして、上記したようなバイオマス由来のエチレングリコールを使用したポリエステル系樹脂が使用され始めている(例えば、国際公開2006/115226号公報等)。
また、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETともいう)よりも耐熱性に優れ、低弾性率を有するポリエステルとしてポリトリメチレンテレフタレート(以下、PTTともいう)が注目されている。PTTは、上記のような性質を有しており、繊維とした場合に柔らかい風合いや易染性が期待できるため、繊維製品分野において既に応用され始めている(特許文献2)。
特開2003−334906号公報 国際公開2006/115226号
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、従来のポリエステル系樹脂からなる容器と同程度の機械的強度およびガスバリア性を有すると共に、層間剥離の発生を防止することができ、さらに、化石燃料由来の樹脂使用量を大幅に削減することができ、環境負荷を低減させることのできるカーボンニュートラルな多層容器を提供することである。
本発明の容器は、バイオマス由来の1,3−プロパンジールとテレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレートを含む層と、これと隣合うポリエステル系樹脂層とを備えてなることを特徴とする。
上記態様においては、ポリトリメチレンテレフタレートの含有量が、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましい。
上記態様においては、ポリエステル系樹脂層/ポリトリメチレンテレフタレートを含む層/ポリエステル系樹脂層からなる多層構造を有することが好ましい。
上記態様においては、ポリトリメチレンテレフタレートを含む層が、ナノファイバーを含んでなることが好ましい。
上記態様においては、ナノファイバーの平均繊維長が、1nm以上、400μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、ナノファイバーの平均繊維径が、0.5nm以上、40μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、ナノファイバーの含有量が、1質量%以上、25質量%以下であることが好ましい。
上記態様においては、ポリエステル系樹脂層が、バイオマス由来ポリエステル系樹脂および/またはリサイクルポリエステル系樹脂を含んでなることが好ましい。
本発明によれば、バイオマス由来の1,3−プロパンジオールと、テレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用することにより、容器の機械的強度およびガスバリア性を従来のガスバリア層を備える多層容器と同程度とすることができると共に、層間剥離の発生を防止することができる。さらに、本発明によれば環境負荷を低減させることができる。
本発明による容器の一例を示す部分垂直断面図である。 本発明による容器の一例を示す部分垂直断面図である。 本発明による容器底部の一例を示す斜視図である。
<容器>
本発明による容器は、バイオマス由来の1,3−プロパンジールと、テレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を含む層(以下、場合により単に「PTT層」という)およびPTT層と隣合うポリエステル系樹脂層を少なくとも備えてなることを特徴とするものである。
本発明の容器は、PTT層およびポリエステル系樹脂層をそれぞれ2層以上備えていてもよい。この場合、各層の構成や厚さは同一であっても、異なっていてもよい。
一実施形態において、本発明の容器は、PTT層を中間層として備える多層構造を有する。
例えば、容器を、図1に示すように、ポリエステル系樹脂層11/PTT層12/ポリエステル系樹脂層13からなる構成とすることができる。また、容器を、ポリエステル系樹脂層/PTT層/ポリエステル系樹脂層/PTT層/ポリエステル系樹脂層からなる構成とすることもできる(図示せず)。
PTTは、PET等のポリエステル系樹脂に近い構造および物性を有する。そのため、上記のような構成とすることにより、層間の剥離を防止することができる。この層間剥離は、炭酸水等の炭酸飲料を充填し、放置した場合に特に見られるが、上記構成の容器によれば、この層間剥離を顕著に防止することが可能である。
<PTT層>
本発明のPTT層は、バイオマス由来の1,3−プロパンジオールと、テレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を含むものである。
バイオマス由来の1,3−プロパンジオールは、トウモロコシ等の植物を発酵させることにより得られるグルコースを、大腸菌等により、グリセリンを経由して形質転換させることにより得ることができる。また、市販されるものを用いてもよい。
また、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸との重縮合は、溶融重合や溶融加熱脱水縮合等の従来公知の方法により行うことができる。重合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く第1族〜第14族金属元素を含む化合物が挙げられる。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩又はβ−ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
PTTは、本発明の特性を損なわない範囲において、ジオールとして、バイオマス由来の1,3−プロパンジオール以外の成分を含んでいてもよく、例えば、化石燃料由来の1,3−プロパンジオールを含んでいてもよい。但し、環境負荷の低減の観点からは、ジオール成分に占めるバイオマス由来の1,3−プロパンジオールの割合は30質量%以上であることが好ましい。また、ジオールとして、1,3−プロパンジオール以外の成分として、エチレングリコール等が含まれていてもよい。なお、所望により含有してもよいエチレングリコール成分は、化石燃料由来のものであってもよいが、環境負荷の観点からは、バイオマス由来のエチレングリコールを使用することが好ましい。さらに、ジカルボン酸として、テレフタル酸以外の構成単位を含んでいても良く、例えば、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
本発明のPTT層におけるPTTの含有量は、50質量%以上、95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上、90質量%以下であることがより好ましい。
PTTの含有量を上記数値範囲とすることにより、容器の機械的強度およびガスバリア性を向上させることができると共に、環境への負荷をより低減させることが可能となる。
PTT層は、本発明の特性を損なわない範囲において、PTT以外の樹脂材料を含んでいてもよく、
例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂や、塩化ビニルまたは酢酸ビニルと、エチレン等のその他の単量体との共重合体樹脂等のビニル系樹脂、セルロースアセテートやセルロースプロピオネート等のセルロース系樹脂、メタキシレンアジパミド(MXD−6)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミド系樹脂、フェノールノボラック樹脂等のフェノール樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、アイオノマー樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
また、PTT層は、ナノファイバーを含んでいてもよく、これにより、容器のガスバリア性をより向上させることができる。
なお、本発明において、ナノファイバーとは、ナノオーダーの繊維片だけではなく、マイクロオーダーの繊維片も含まれうる。
具体的には、ナノファイバーの平均繊維長は、1nm以上、400μm以下であることが好ましく、平均繊維径は、0.5nm以上、40μm以下であることが好ましい。
ナノファイバーの平均繊維長および平均繊維径を上記の数値範囲とすることにより、PTT層におけるナノファイバーの分散性向上させることができ、ガスバリア性をより高めることができる。また、容器の透明性を向上させることができると共に、ブロー成形時において、ナノファイバーの配向を無くすことができ、容器の機械的強度を向上させることができる。
ナノファイバーの平均繊維長は、5nm以上、40μm以下であることがより好ましく、10nm以上、20μm以下であることがさらに好ましい。また、ナノファイバーの平均繊維径は、2nm以上、10μm以下であることがより好ましく、10nm以上、5μm以下であることがさらに好ましい。
ナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長の測定は、ナノファイバーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像のスケールから測定した(n=10)。
なお、ナノファイバーにおいて長径と短径が存在する場合、長径を繊維長とする。
ナノファイバーの断面形状は、特に限定されるものではないが、ナノファイバーにおいて長径と短径が存在する場合、長径と短径との比(長径/短径)は、1.1以上、4.0以下であることが好ましく、1.4以上、3.0以下であることがより好ましい。ナノファイバーの長径と短径との比を上記数値範囲とすることにより、ナノファイバーのガスバリア層における分散性を高めることができ、容器のガスバリア性をより向上させることができる。
本発明において使用することができるナノファイバーとしては、グラスファイバー、セルロースファイバー、カーボンファイバー、金属酸化物ファイバー、合成樹脂ファイバー、アラミドファイバー等を挙げることができる。
これらの中でも、ガスバリア性および製造コストという観点からは、グラスファイバーが好ましい。また、リサイクル性という観点からは、セルロースファイバーが好ましい。
グラスファイバーとしては、従来公知のグラスファイバーを使用することができ、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラス等を使用することができる。
セルロースファイバーとしては、例えば、β−1,4−グルカン構造を有する多糖類で形成されている限り、特に制限されず、植物由来のセルロース繊維、動物由来のセルロース繊維、バクテリア由来のセルロース繊維、合成セルロース繊維のいずれを使用してもよい。
合成セルロース繊維としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
カーボンファイバーとしては、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カップ積層型カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、グラファイトナノファイバー等が挙げられる。
金属酸化物ファイバーとしては、SiO、ZnO、TiO、Al、ZrO等が挙げられる。
合成樹脂ファイバーとしては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等からなる樹脂ファイバーが挙げられる。
PTT層におけるナノファイバーの含有量は、1質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。
ナノファイバーの含有量を上記数値範囲とすることにより、容器のガスバリア性をより向上させることができると共に、容器の透明性も維持することができる。さらに、ナノファイバーの含有量が上記数値範囲の容器は、リサイクル性に適していると共に、容器が多層構造からなる場合は、回収・粉砕時において各層の剥離を良好に行うことができる。
PTT層は、本発明の特性を損なわない範囲において、酸素吸収剤、二酸化炭素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤、アセトアルデヒド吸収剤(例えば、Color Matrix社製のAA Scavengers)および着色顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
PTT層の厚さは、その他の層の構成や厚さ等に応じ適宜変更することが好ましいが、5μm以上、250μm以下とすることができる。
<ポリエステル系樹脂層>
ポリエステル系樹脂層は、ポリエステル系樹脂を含んでなり、特に好ましくは、バイオマス由来ポリエステル系樹脂および/またはリサイクルポリエステル系樹脂を含んでなることが好ましい。これらは、環境適性が高く、化石燃料の使用量を削減することができる。
なお、本発明において、「バイオマス由来のポリエステル系樹脂」とは、ポリエステル系樹脂を構成するジオールがバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステル樹脂をいうものとする。また、「リサイクルポリエステル系樹脂」とは、ポリエステル系樹脂を構成するジオールが化石燃料由来のジオールまたはバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステル系樹脂からなる樹脂製品を使用した後に回収し再利用したものをいうものとする。
ジオールとしては、上記したバイオマス由来のエチレングリコール以外にも、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等を使用することができる。
ジカルボン酸についても、特に限定されるものではないが、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸およびそれらの誘導体を制限なく使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸及びイソフタル酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常炭素数が2以上、40以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物が挙げられる。
ジオールと、ジカルボン酸との重縮合についても従来公知の方法により行うことができ、具体的には、上記したジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応および/またはエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によって製造することができる。また、重縮合反応は、上記したような重合触媒の存在下において行うことが好ましい。
ポリエステル系樹脂層は、2種以上のバイオマス由来ポリエステル系樹脂および/またはリサイクルポリエステル系樹脂を含むものであってもよい。
ポリエステル層は、ポリエステル系樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレート、すなわち、バイオマス由来のポリエチレンテレフタレートおよび/またはリサイクルポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
ポリエステル系樹脂の含有量は、60質量%以上、100%以下であることが好ましく、70質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
また、ポリエステル系樹脂層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記したその他の樹脂材料や、添加剤を含んでいてもよい。
ポリエステル系樹脂層の厚さは、特に限定されるものではないが、50μm以上、250μm以下であることが好ましく、100μm以上、200μm以下であることがより好ましい。
<その他>
一実施形態において、本発明の多層容器の内面には、蒸着膜が形成されていてもよい。蒸着層を設けることにより、容器のガスバリア性をより一層向上させることができる。
蒸着膜は、ガスバリア性および透明性という観点から、無機酸化物からなるものであることが好ましい。このような無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等を使用することができる。
蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
また、蒸着膜の膜厚としては、膜厚0.005μm〜0.4μm位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、0.01〜0.1μm位が望ましい。蒸着膜の厚みを、0.1μm、更には、0.4μm以下とすることにより、蒸着膜にクラック等が発生し易くなる不具合を防止することができる。一方、蒸着膜の厚みを0.01μm、更には0.005μm以上とすることにより、ガスバリア性の効果を確実に奏することができる。
次に本発明の容器の形状について説明する。
一実施形態において、本発明の容器10は、図1に示すように、口部16と、口部16下方に設けられた首部17と、首部17下方に設けられた肩部18と、肩部18下方に設けられた、胴部19と、胴部19下方に設けられた底部20とを備えている。
なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ容器10を正立させた状態(図1)における上方および下方のことをいう。
内容物の充填後に容器を加温する場合、図2に示すような容器内方へ凹むパネル部21を各側面の胴部19に有することが好ましい。
また、容器10は、図2に示すように、その胴部19下方に円周方向に延びる横リブ22を有していることが好ましい。これにより、胴部19の強度を向上させることができる。
容器10底部の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、内容物が天然発泡水(スパークリングウォーター)等の炭酸飲料である場合、図1に示すようなペタロイド形状であることが好ましい。これにより、内部が高い陽圧となった際の容器10の変形を防止することができる。
また、一実施形態において、容器10の変形防止という観点から、容器10の底部20は、図3に示すような補強溝23を有していることが好ましい。この補強溝23の本数は、5本以上、12本以下であることが好ましく、5本以上、7本以下であることがより好ましい。また、圧力分散という観点からは、補強溝の本数は、奇数であることが好ましい。
容器10の厚さは、充填する内容物の種類等に応じ適宜変更することが好ましいが、例えば、150μm以上、500μm以下とすることができる。また、容器の厚さは、一様であってもよく、部分によって異なるものであってもよい。
<容器の製造方法>
一実施形態において、本発明の容器は、PTTを少なくとも含む樹脂組成物と、ポリエステル系樹脂層を少なくとも含む樹脂組成物とを、共射出成形することによりプリフォームを作製する工程と、このプリフォームを2軸延伸ブロー成形する工程とを含んでなる方法により製造することができる。
樹脂組成物の射出成形は、従来公知の装置を使用することにより行うことができる。
射出成形時の温度は、260℃以上、310℃以下であることが好ましく、265℃以上、300℃以下であることがより好ましい。
本発明の容器は、プリフォームを、その表面温度を好ましくは90℃以上、130℃以下、より好ましくは100℃以上、120℃以下に加熱した後、金型内において、2軸延伸ブロー成形することにより得ることができる。
プリフォームの加熱は、温風により行っても、赤外線により行ってもよく、従来公知の装置を使用して行うことができる。
また、プリフォームの2軸延伸ブロー成形も、従来公知の装置、例えば、KHS社製のLB01(商品名)を使用することにより行うことができる。
<その他の製造方法>
他の実施形態において、本発明の容器の製造に用いられるプリフォームは、金型内において、樹脂組成物を圧縮成形すること(コンプレッション成形)によっても製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
多層射出成形機により共射出成形し、ポリエチレンテレフタレート層/PTT層/ポリエチレンテレフタレート層の3層構成からなる多層プリフォームを得た。PTT層におけるPTTの含有量は、90質量%であり、さらにPETを10質量%含有させた。
上記のようにして得られたプリフォームを、ブロー成形装置にて表面温度を110℃となるまで加熱した後、金型内において、2軸延伸ブローし、図1に示す形状の容器を得た。容器において、ポリエチレンテレフタレート層の厚さは180μm、PTT層の厚さは10μmであった。
実施例2
PTT層に、ナノファイバーとして、平均繊維長10μm、平均繊維径1μmのガラスファイバーを5質量%含有させ、PTTの含有量を85質量%とした以外は、実施例2と同様にして容器を作製した。
実施例3
ナノファイバーの含有量を10質量%に、PTTの含有量を80質量%に変更した以外は、実施例2と同様にして容器を作製した。
比較例1
多層射出成形機により共射出成形し、ポリエチレンテレフタレート層/ガスバリア層/ポリエチレンテレフタレート層の3層構成を有する多層プリフォームを得た。なお、ガスバリアに層は、ガスバリア性樹脂として、MXD−6を100質量%含有させた。
<ガスバリア性試験>
酸素バリア試験
酸素透過試験器(MOCON社製、商品名:OXTRAN)を用いて、上記実施例および比較例にて得られた容器の酸素透過試験を行った。酸素透過試験は、22℃、湿度40%RHの環境下で行った。結果は表1に示される通りであった。
二酸化炭素バリア試験
上記実施例および比較例にて得られた容器に4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、22℃、湿度40%RHの環境下で12週間放置した。12週後の炭酸水のGVを(株)ビスクル社製のダイレクトGV−1(商品名)を用いて測定し、GVの減少率を求めた。結果は表1に示される通りであった。
強度試験
上記実施例および比較例にて得られた容器に炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、1mの高さからコンクリート面に、向かい容器を横の状態で落下させ、多層容器の破損の有無を確認し、以下の評価項目に従い、容器の強度を評価した。結果を表1にまとめた。
評価項目
○:破損が全く見られなかった。
△:破損が少し見られた。
×:破損が多く見られた。
<層間剥離防止性試験>
上記実施例および比較例にて得られた容器に4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水を充填し、キャッピングした。炭酸水を充填した容器を38℃、湿度90%RHの条件下で放置した。7日後、30日後の層間の状態を以下の評価項目に従い、目視により評価した。
評価項目
○:層間に気泡の溜まりは全く見られなかった。
△:層間に多少の気泡の溜まりは見られたが、実用上問題ない程度であった。
×:層間に気泡の溜まりが見られ、層間剥離が開始していた。
Figure 0006930155
10:容器
11、13:ポリエステル系樹脂層
12:PTT層
16:口部
17:肩部
18:首部
19:胴部
20:底部
21:パネル部
22:横リブ
23:補強溝

Claims (8)

  1. バイオマス由来の1,3−プロパンジールとテレフタル酸との重縮合物であるポリトリメチレンテレフタレートを含む層と、これと隣合うポリエステル系樹脂層とを備え、
    ポリエステル系樹脂層/ポリトリメチレンテレフタレートを含む層/ポリエステル系樹脂層からなる多層構造を有する、容器。
  2. 前記ポリトリメチレンテレフタレートの含有量が、50質量%以上、95質量%以下である、請求項1に記載の容器。
  3. 前記ポリエステル系樹脂層はポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1または2に記載の容器。
  4. 前記ポリトリメチレンテレフタレートを含む層が、ナノファイバーを含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
  5. 前記ナノファイバーの平均繊維長が、1nm以上、400μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記ナノファイバーの平均繊維径が、0.5nm以上、40μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器。
  7. 前記ナノファイバーの含有量が、1質量%以上、25質量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器。
  8. 前記ポリエステル系樹脂層が、バイオマス由来ポリエステル系樹脂および/またはリサイクルポリエステル系樹脂を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器。
JP2017051508A 2017-03-16 2017-03-16 容器 Active JP6930155B2 (ja)

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