JP2013249351A - 成形品用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐衝撃性、曲げ弾性率等の機械物性を損なうことなく、バイオマス由来樹脂をバイオマス由来樹脂以外の熱可塑性樹脂に高配合率で良好に相溶させた成形品用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 芳香環を含有するポリエステル(a)のブロックと、ポリカルボジイミド(b)のブロックとから構成されるブロックポリマー(X)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)、および(B)以外の熱可塑性樹脂(C)を含有してなり、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく(A)の含有量が0.1〜30%である成形品用樹脂組成物(Z)。
【選択図】 なし

Description

本発明は成形品用樹脂組成物に関する。さらに詳しくはバイオマス由来樹脂と熱可塑性樹脂を良好に相溶させた成形品用樹脂組成物に関する。
近年、地球環境保護の観点から、生分解性に優れるバイオマス由来樹脂をプラスチック原料として極力併用しようとする動きがある。しかしながら、該バイオマス由来樹脂を併用して各種成形品として用いた場合、他のプラスチック原料との相溶性(以下において分散性ということがある。)や、各種成形品にとくに求められるプラスチックの耐衝撃性等の機械物性の点で問題があった。
そこで、熱可塑性樹脂とバイオマス由来樹脂のブレンドによるバイオマス由来樹脂の耐衝撃性等の機械物性の改良が盛んに検討されている。例えば、該ブレンドに際して、特定分子量のポリアルキルメタクリレートや、メタクリル系重合体ブロック−アクリル系重合体ブロック等からなるブロック共重合体を相溶化剤として使用する方法等が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2007−126516号公報 特開2010− 70628号公報
しかしながら上記従来技術では、熱可塑性樹脂とバイオマス由来樹脂のブレンドによる樹脂組成物を成形した場合に、相溶性や耐衝撃性、曲げ弾性率等の機械物性が未だ満足できるものではなく、改良が求められている。
本発明の目的は、耐衝撃性、曲げ弾性率等の機械物性を損なうことなく、バイオマス由来樹脂をバイオマス由来樹脂以外の熱可塑性樹脂に高配合率で良好に相溶させた成形品用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明のうち主なものは下記4発明である。
(I)芳香環を含有するポリエステル(a)のブロックと、ポリカルボジイミド(b)のブロックとから構成されるブロックポリマー(X)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)、および(B)以外の熱可塑性樹脂(C)を含有してなり、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく(A)の含有量が0.1〜30%である成形品用樹脂組成物(Z)。
(II)樹脂用相溶化剤(A)と、バイオマス由来樹脂(B)および/または(B)以外の熱可塑性樹脂(C)とを含有してなり、(B)および/または(C)、並びに(A)の合計重量に基づく(A)の含有量が30〜80%である上記(I)の成形品用樹脂組成物(Z)用マスターバッチ樹脂組成物(MZ)。
(III)上記(I)の成形品用樹脂組成物(Z)を成形してなる成形品。
(IV)上記(III)の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
本発明の成形品用樹脂組成物は下記の効果を奏する。
(1)バイオマス由来樹脂とバイオマス由来樹脂以外の熱可塑性樹脂との相溶性に優れる。
(2)該樹脂組成物を成形してなる成形品は、耐衝撃性、曲げ弾性率等の機械物性に優れる。
[樹脂用相溶化剤(A)]
本発明の樹脂用相溶化剤(A)は、芳香環を含有するポリエステル(a)のブロックと、ポリカルボジイミド(b)のブロックとから構成されるブロックポリマー(X)を含有してなる。
(a)には、少なくとも芳香環含有多価カルボン酸(a01)もしくは芳香環含有多価水酸基含有化合物(a02)を含有するポリエステル形成成分を反応させて得られる、芳香環を含有するポリエステルが含まれる。なお、ここおよび以下において多価カルボン酸にはその無水物および低級[炭素数(以下Cと略記)1〜4]アルキルエステルも含まれるものとする。
また、上記ポリエステル形成成分としては、得られるポリエステル(a)が芳香環を含有する限りにおいて、(a01)および/または(a02)の他に、芳香環非含有多価カルボン酸(a03)、芳香環非含有多価水酸基含有化合物(a04)を用いてもよい。
芳香環含有多価カルボン酸(a01)としては、2価でC8〜30のもの、例えば芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、アントラキノンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、メチレン二安息香酸、ビベンジルジカルボン酸等)、芳香脂肪族ジカルボン酸(キシリレンジカルボン酸等);3価またはそれ以上でC9〜30のもの、例えば芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、カルボキシル基の芳香環への結合位置が異なる各種ナフタレントリカルボン酸、各種アントラセントリカルボン酸、各種ビフェニルトリカルボン酸、各種ベンゾフェノントリカルボン酸、エチレンビストリメリット酸、ピロメリット酸、メロファン酸、プレーニト酸等)が挙げられる。
これらの(a01)のうち、工業上および(A)の相溶化機能の観点から好ましいのは芳香族ジカルボン酸、さらに好ましいのはフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。
芳香環含有多価水酸基含有化合物(a02)としては、多価フェノール化合物〔2価でC6〜30のもの、例えばカテコール、ハイドロキノン、ビスフェノール−A、−Sおよび−F、ナフタレンジオール、アントラセンジオール;3価またはそれ以上でC6〜300のもの、例えばヒドロキシキノール、ピロガロール、トリスヒドロキシフェニルイソプロピルベンゼン[商品名「トリスフェノールPA」、三井石油化学(株)製]、フェノールノボラック、クレゾールノボラック〕、芳香環含有多価アルコール[2価でC8〜30のもの、例えばm−およびp−キシリレングリコール、ベンゼンジエタノール、1,2−ジフェニルエタン−1,2−ジオール、1,1,2,2,−テトラフェニルエタン−1,2−ジオール]、およびこれらのアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜8、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド(以下それぞれEO、POと略記)]付加物〔数平均分子量[以下Mnと略記(測定は後述の条件におけるゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]150〜15,000〕が挙げられる。ここにおいてAOは2種以上を併用してもよく、その場合の付加形式はランダムおよび/またはブロックのいずれでもよい。
これらの(a02)のうち、工業上および(A)の相溶化機能の観点から好ましいのは2価のもの、さらに好ましいのはビスフェノールAおよびそのAO付加物である。
AOとしては反応性の観点から好ましいのはEO単独およびEOとPOの併用(ランダムおよび/またはブロック付加)である。
また、芳香環非含有多価カルボン酸(a03)としては、2価でC2〜30のもの、例えば脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、2−ブテン−1,4ジカルボン酸、4−オクチン−1,8ジカルボン酸等)、脂環式ジカルボン酸(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等);3価またはそれ以上でC3〜30のもの、例えば脂肪族ポリカルボン酸(1,2,3−プロパントリカルボン酸等)、脂環式ポリカルボン酸(1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等)が挙げられる。
芳香環非含有多価水酸基含有化合物(a04)としては、脂肪族多価アルコール[2価でC2〜30のもの、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,10−デカンジオール;3価またはそれ以上でC3〜30のもの、例えばグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール]、脂環含有多価アルコール[2価でC3〜30のもの、例えば1,2−シクロプロパンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA;3価またはそれ以上でC3〜30のもの、例えば1,2,3−シクロプロパントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、スクロース]、およびこれらのAO付加物(Mn100〜15,000)が挙げられる。
(a)中の芳香環含有量(重量%)は、(A)と後述する(B)以外の熱可塑性樹脂(C)との相溶性および(A)のハンドリング性の観点から、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは40〜65%である。ここにおいて、(a)中の芳香環含有量とは、(a)を構成する芳香環の(a)の重量に基づく含有量(重量%)を意味する。
(a)中の芳香環含有量は、下記条件での紫外分光法により測定される、標準物質のトルエンのモル吸光係数と(a)の溶液の吸光度から求めることができる。また、後述するブロックポリマー(X)中の芳香環含有量についても同様にして求めることができ、後述の実施例における(a)および(X)中の芳香環含有量は下記の方法で行った。
<紫外分光法による芳香環含有量の測定方法>
装置:紫外分光光度計[例えば「UV−2550」、島津製作所(株)製]
使用セル :石英セル(光路長1cm)
希釈溶媒 :クロロホルム
測定波長 :261nm
サンプル濃度:0.4(g/L)
標準物質 :トルエン
標準液濃度 :0.25(g/L)
標準物質であるトルエンのモル吸光係数は0.25(g/L)のトルエン溶液の吸光度を測定し、下記式より算出する。

トルエンのモル吸光係数=トルエン溶液の吸光度/(0.25/92)

得られたモル吸光係数より、以下の換算式で芳香環含有量(重量%)を算出できる。

トルエン換算濃度(mol/L)=(a)の溶液の吸光度/トルエンのモル吸光係数
芳香環濃度(g/L)=トルエン換算濃度(mol/L)×76
芳香環含有量(重量%)=芳香環濃度(g/L)×100/0.4
ポリエステル(a)の製造におけるポリエステル化反応は触媒を用いてもよく、触媒としては従来一般に用いられている金属[IIA族(Mg、Ca等)、IIB 族(Zn等)、IIIA族(Al等) 、IVA 族(Ge、Sn等)、IVB族(Ti等)、VA族(Sb等)、VIIB族(Mn等)およびVIII族(Fe等)等]の化合物[酸化物、塩化物、有機金属化合物(アルキル基、アリール基等が金属に直結したもの)等]が挙げられる。これらの触媒は単独使用もしくは2種以上併用して用いられる。
該触媒の使用量は、前記ポリエステル形成成分の合計重量に基づいて、反応性および耐衝撃性の観点から好ましくは0.001〜5%、さらに好ましくは0.05〜2%である。
ポリエステル化反応としては、公知の方法で行うことができ、例えば前記ポリエステル形成成分、触媒を一括して反応槽に仕込み、高温(120〜270℃)、常圧もしくは減圧下(0.03〜3kPa)で生成する水および/またはアルコールを除去しながら反応させる方法が挙げられる。
反応終点は得られたポリエステルの酸価(mgKOH/g、以下は数値のみで示す。)で確認することができ、反応終点における酸価は、通常100以下、(a)の熱安定性の観点から好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜5、とくに好ましくは0〜1である。
(a)のMnは、後述する成形品の耐衝撃性と後述する組成物中の熱可塑性樹脂(C)への分散性の観点から、好ましくは400〜50,000、さらに好ましくは800〜30,000、とくに好ましくは1,000〜10,000である。
本発明におけるGPCの測定条件は以下のとおりである。
<GPC測定条件>
装置 :東ソー(株)製 HLC−802A
カラム :TSK gel GMH6 2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液
溶液注入量 :200μl
検出装置 :屈折率検出器
標準 :ポリスチレン
(X)を構成するポリカルボジイミド(b)は、分子量100以上かつMn20,000以下の、カルボジイミド基を2個〜100個またはそれ以上有するカルボジイミド化合物であり、具体的には、芳香族ポリカルボジイミド[ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等];脂環式ポリカルボジイミド[ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)等];脂肪族ポリカルボジイミド[ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)等]等が挙げられる。これらは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
これらのうち、工業上および良好な分散性の観点から好ましいのは、芳香族ポリカルボジイミド、および脂環式ポリカルボジイミドである。
ポリカルボジイミド(b)は、少なくとも1種のポリイソシアネート(以下PIと略記)の脱炭酸縮合反応により製造することができる。なお、(b)は後述するように、(b)の末端にイソシアネート基や水酸基を導入し、これにポリエステル(a)を反応させることによりブロックポリマー(X)が形成される。
ブロックポリマー(X)を構成するポリカルボジイミド(b)のブロックには、樹脂用相溶化剤(A)のより優れた分散性の観点から、側鎖にバイオマス由来ポリマー(c)をグラフト付加させてもよい。
(c)としては、Mn500〜2,000,000のもの、例えばポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリトリメチレンテレフタレート、エステル化デンプン、セルロースアセテート、およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、後述するバイオマス由来樹脂(B)の、(B)以外の熱可塑性樹脂(C)への分散性の観点から、好ましいのはポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリトリメチレンテレフタレート、さらに好ましいのはポリ乳酸である。
ポリ乳酸には、乳酸単独重合体を含む、乳酸成分が50重量%以上のポリマーが含まれる。具体例としては、
(1)ポリ乳酸
(2)乳酸と他の脂肪族オキシカルボン酸とのコポリマー
(3)乳酸、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸とのコポリマー
(4)(1)〜(3)のいずれかの組み合わせによる混合物
等が挙げられる。
本発明で用いられる乳酸としては、L−、D−およびDL−乳酸、それらの混合物、および乳酸の環状二量体であるラクチドが挙げられる。
ポリ乳酸の製造方法の具体例としては、下記の方法が挙げられるが、その製造方法は特に限定されることはない。
[1]乳酸、または乳酸と脂肪族オキシカルボン酸(グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸等)の混合物を原料として、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5310865号明細書記載の製造方法)
[2]乳酸の環状二量体(ラクチド)を溶融重合させる開環重合法(例えば米国特許2758987号明細書記載の製造方法)
[3]乳酸と脂肪族オキシカルボン酸の環状二量体、例えばラクチドやグリコリドとε−カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合させる開環重合法(例えば米国特許4057537号明細書記載の製造方法)
[4]乳酸、脂肪族二価アルコール(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等)と脂肪族二塩基酸(マロン酸、アジピン酸等)の混合物を、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5428126号明細書記載の製造方法)
[5]ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合させる方法(例えば欧州特許公報0712880A2号明細書記載の製造方法)
[6]乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応させることによりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合させる方法。
また、ポリ乳酸の製造に際しては少量の、多価アルコール(3価〜8価またはそれ以上)〔脂肪族多価(3〜4価)アルコール[トリメチロールプロパン、グリセリン(以下それぞれTMP、GRと略記)等]、多糖類(4価〜8価またはそれ以上のもの、例えば果糖、グルコース)、脂肪族多塩基酸(3価〜6価またはそれ以上)(ブタンテトラカルボン酸等)等を共存させて共重合させてもよく、またジイソシアネート(以下DIと略記)等の結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を高めてもよく、過酸化物[ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキシド等]で架橋させてもよい。
ポリ乳酸のMnは、後述の組成物中における(A)とバイオマス由来樹脂(B)との相溶性および工業上の観点から、好ましくは500〜150,000、さらに好ましくは1,000〜120,000、とくに好ましくは2,000〜100,000である。
分子量の調整は、モノマー濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリ乳酸の熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
ポリヒドロキシブチレートには、発酵合成法および化学合成法により得られるものが含まれる。発酵法により得られるポリヒドロキシブチレートは、ポリ[(R)−3−ヒドロキシブタン酸](ホモポリマー)であり、化学合成法で得られるものは、ポリ[(R)−3−ヒドロキシブタン酸]とポリ[(S)−3−ヒドロキシブタン酸]との混合物(ラセミ体)である。
ここにおいて、(R)は不斉中心炭素原子に結合している4個の基を順位法則の優先性の高い順(水酸基、CHCOOH基、メチル基、H)に右回りを表し、(S)は左回りを表す。
ポリヒドロキシブチレートの製造方法の具体例としては、下記の方法が挙げられるが、その製造方法は特に限定されることはない。
[1]ポリヒドロキシブチレート生産能を有している微生物を炭素源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じその他の有機成分を含有する通常の培地で培養することにより、菌体内にポリヒドロキシブチレートを蓄積させ、クロロホルム等の有機溶媒により抽出する方法(例えば特開平9−131186号公報記載の製造方法)。
[2]ポリヒドロキシブチレート合成遺伝子を含む組換えDNAを導入して形質転換させた微生物を培養し、その菌体内に生成したポリヒドロキシブチレートを採取する方法(例えば特開平10−176070号公報記載の製造方法)。
[3]ヒドロキシブタン酸を原料として、直接脱水重縮合させる方法(例えば米国特許5310865号明細書記載に示されている製造方法)
[4]β−ブチロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合させる開環重合法(例えば特開平11−323115号公報記載の製造方法)
ポリヒドロキシブチレートのMnは、組成物中における(A)とバイオマス由来樹脂(B)との相溶性および工業上の観点から、好ましくは500〜2,000,000、さらに好ましくは1,000〜1,000,000、特に好ましくは2,000〜500,000である。
分子量の調整は、モノマー濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリヒドロキシブチレートの熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
ポリトリメチレンテレフタレートには、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸から得られるものが含まれる。ここで1,3−プロパンジオールは植物発酵により製造されるものである。1,3−プロパンジオールの製造方法としては特に限定されることはないが、例えば、トウモロコシ等の植物を発酵させてグルコースを製造し、1,3−プロパンジオールに変換する方法等が挙げられる(特公表2006−504412号公報記載の方法等)。
1,3−プロパンジオールとテレフタル酸の反応は、公知の方法(例えば、米国特許5428126号明細書記載の製造方法)により行われる。
ポリトリメチレンテレフタレートのMnは、組成物中における(A)とバイオマス由来樹脂(B)との相溶性および工業上の観点から、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜80,000、特に好ましくは2,000〜50,000である。
分子量の調整は、モノマー濃度、その他原料濃度、反応温度等の条件を調整することで可能であり、高分子量ポリトリメチレンテレフタレートの熱分解、加水分解、エステル交換等により低分子量化することでも調整可能である。
エステル化デンプンとしては、例えば特開2006−299271号公報に記載のもの、すなわちデンプンのC2〜22エステル、例えばデンプンの酢酸エステル、デンプンのプロピオン酸エステル、デンプンの酪酸エステル、デンプンのペンタン酸エステルおよびデンプンのヘキサン酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種のデンプンエステルが挙げられる。
セルロースアセテートとしては、例えば特開2008−56768号公報に記載のもの、例えばセルローストリアセテート、その他のアセチル化度の異なるセルロースアセテートが挙げられる。
エステル化デンプンおよびセルロースアセテートのMnは、組成物中における(A)とバイオマス由来樹脂(B)との相溶性および工業上の観点から、好ましくは500〜100,000、さらに好ましくは1,000〜80,000、特に好ましくは2,000〜50,000である。
ポリカルボジイミド(b)中のバイオマス由来ポリマー(c)の含有量は、(A)の、(B)および(C)への分散性および成形品の耐衝撃性の観点から好ましくは1〜99.5%、さらに好ましくは5〜97%である。
ブロックポリマー(X)を構成する芳香環を含有するポリエステル(a)のブロックと、ポリカルボジイミド(b)のブロック[(c)を側鎖に有する場合は(c)の重量も含む]との重量比は、(A)の、(B)および(C)への分散性の観点から、好ましくは20/80〜99.5/0.5、さらに好ましくは40/60〜95.0/5.0である。
(X)を構成するポリカルボジイミド(b)のブロックが、バイオマス由来ポリマー(c)を側鎖に有する場合、(X)における(a)のブロックと、(c)との重量比は、(A)の、(B)および(C)への分散性の観点から、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20、特に好ましくは30/70〜70/30である。
また、(X)中の、(a)と(c)との合計重量に基づく(b)のブロック〔(c)の部分は除く〕の割合は、(A)の、(B)および(C)への分散性および工業上の観点から、好ましくは0.1〜40%、さらに好ましくは0.3〜35%、とくに好ましくは0.5〜30%である。
樹脂用相溶化剤(A)のMnは、成形品の耐衝撃性および組成物中の(A)の分散性の観点から、好ましくは500〜500,000、さらに好ましくは900〜300,000、とくに好ましくは1,100〜100,000である。
[樹脂用相溶化剤(A)の製造方法]
ブロックポリマー(X)を含有する樹脂用相溶化剤(A)の具体的な製造方法としては、イソシアネート基と反応性を有する官能基を末端に有する芳香環を含有するポリエステル(a1)と、イソシアネート基を末端に有するポリカルボジイミド(b1)とを反応させる方法や、芳香環を含有するポリエステル(a)と、末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2)とのエステル交換反応を行う方法などが挙げられる。
また、(b)がバイオマス由来ポリマー(c)を側鎖に有する場合の(c)のグラフト方法としては、上記(a)と(b)のブロック反応物にカルボキシル基および/またはアミノ基を有するバイオマス由来ポリマー(c1)をグラフト反応させる方法等が挙げられる。
前記方法で使用する(a1)における、イソシアネート基と反応性の末端官能基としては水酸基、チオール基、アミノ基等が挙げられる。これら官能基の導入方法としては、例えば前述のポリエステル化反応における水酸基/カルボキシル基の当量比を1.01/1〜2/1とする方法や、アミノアルコールのケチミン化物を用いて芳香環を含有するポリエステルとのエステル交換反応を行い、その後加水分解することにより、末端水酸基、もしくは末端アミノ基を有する芳香族ポリエステルを合成する方法等が挙げられる。ここで用いるアミノアルコールのケチミン化物は第1級アミノアルコールとケトンとの脱水縮合反応によって得られる。
第1級アミノアルコールとしてはC2〜20のもの、例えばモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、モノヘキサノールアミン;ケトンとしてはC3〜9の脂肪族または脂環式ケトン化合物、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
これらのうち反応性および相溶性の観点から好ましいのは、アミノアルコールではモノエタノールアミン、ケトンではメチルエチルケトンである。
第1級アミノアルコールとケトンとの脱水縮合反応でアミノアルコールのケチミン化物を得る方法については従来公知の方法で行うことができ、反応温度は、反応速度および副反応抑制の観点から好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃である。また、脱水縮合反応で生成する水はそのまま系外へ除去してもよく、あるいは過剰に投入したケトンと共に留去しながら反応させてもよい。
該ケチミン化物と芳香環を含有するポリエステルとのエステル交換反応については、従来公知の方法で行うことができ、反応温度は反応速度および副反応抑制の観点から好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは90〜160℃である。
また、本エステル交換反応は溶剤を使用することもでき、好ましい溶剤としては、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)等が挙げられる。
エステル交換反応後、加水分解反応を行うことで、末端アミノ基を有する芳香族ポリエステルが得られる。加水分解反応は通常の反応条件で行うことができ、例えばエステル反応後の系中に水を加え、反応温度20〜80℃で1〜2時間撹拌して行われる。生成するケトンおよび水はそのまま系外へ留去してもよく、生成物の再沈澱後に除去してもよい。
イソシアネート基を末端に有するポリカルボジイミド(b1)における、官能基の導入方法としては、少なくとも1種のポリイソシアネート(PI)を用いて脱炭酸縮合反応によりポリカルボジイミドを製造した後、末端のイソシアネート基をそのまま残す方法等が挙げられる。
PIとしては、C4〜20(NCO基の炭素数を除く)のもの、例えば脂肪族PI[ヘキサメチレンDI(HMDI)等];脂環式PI(シクロヘキサンDI等);芳香環含有PI[2,4−および/または2,6−トリレンDI(TDI)、4,4−ジフェニルメタンDI、p−およびm−フェニレンDI、1,5−ナフチレンDI、キシリレンDI等]等が挙げられる。
これらのうち工業上の観点から好ましいのは脂環式PI、芳香環含有PIである。
前記方法で使用する末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2)における、水酸基の導入方法としては、例えばイソシアネート基を末端に有するポリカルボジイミド(b1)の末端イソシアネート基とジオールもしくはアミノアルコールをウレタン化もしくはウレア化反応させて(b1)の末端に水酸基を導入する方法等が挙げられる。
ここで用いられるジオールは、前記の多価水酸基含有化合物(a02)および(a04)のうちの2価のアルコールおよびそのAO付加物、また、アミノアルコールは前記例示したアミノアルコールを用いることができる。
これらのジオールのうち反応性の観点から好ましいのはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、また、アミノアルコールのうち好ましいのはモノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミンである。
ウレタン化反応は従来公知の方法で行うことができ、反応温度は反応速度および副反応抑制の観点から好ましくは50〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
また、ウレタン化反応を促進させる目的で、従来からポリウレタン製造に使用されているウレタン化触媒を用いてもよく、ウレタン化触媒としては、例えば金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物、有機チタン化合物等)、4級アンモニウム塩およびアミン化合物が挙げられる。
金属化合物のうち、有機ビスマス化合物には、有機ビスマスカルボキシレート、有機ビスマスアルコキシド、およびジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物が含まれる。
有機ビスマスカルボキシレートとしては、ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)、ビスマストリ(デカノエート)等が挙げられる。
有機ビスマスアルコキシドとしては、トリブトキシビスマス、トリ−2−エチルへキシロキシビスマス等が挙げられる。
ジカルボニル基を有する化合物とビスマスとのキレート化合物において、ジカルボニル基を有する化合物には、C4〜15、例えばアセチルアセトン、アセチル酢酸、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが含まれる。該キレート化合物の具体例としては、ビス(アセチルアセトン)ビスマス等が挙げられる。
有機スズ化合物には、2価のスズ化合物(スタナスオクトエート等)および4価のスズ化合物(トリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマレエート等)が含まれる。
有機チタン化合物には、テトラアルキル(アルキル基はC4〜12)チタネート、アルキレンカルボン酸(C4〜12)チタンが含まれる。
4級アンモニウム塩には、テトラアルキル(アルキル基はC1〜4)アンモニウムブロマイド、テトラアルキル(アルキル基はC1〜4)アンモニウムパークロレート等が含まれる。
アミン化合物には、C6〜20の3級アミン、例えばトリエチレンジアミン、テトラアルキル(アルキル基はC1〜3)アルキレン(C2〜6)ジアミン(テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキシレンジアミン等)、ジアザビシクロアルケン{1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7〔DBU[サンアプロ(株)製、登録商標]〕等}が含まれる。
これらのウレタン化触媒のうち、反応速度および副反応抑制の観点から好ましいのは有機スズ化合物およびアミン化合物である。
また、本ウレタン化反応は溶剤を使用することもでき、該溶剤としてはキシレン、トルエン、メチルエチルケトン、DMF等が挙げられる。
前記カルボキシル基および/またはアミノ基を有するバイオマス由来ポリマー(c1)における、官能基の導入方法としては、例えばバイオマス由来樹脂(B)を加水分解して末端にカルボキシル基を有する(c1)を得る方法や、アミノアルコールによるエステル交換反応により末端にアミノ基を有する(c1)を得る方法等が挙げられる。
ここで使用するアミノアルコールは前記のアミノアルコールと同様のものを使用することができる。
該加水分解反応およびエステル交換反応は従来公知の方法で行うことができ、反応温度は反応速度および副反応抑制の観点から好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは90〜130℃である。該加水分解およびエステル交換反応は溶剤を使用することもでき、該溶剤としてはDMF等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有するバイオマス由来ポリマー(c1)は、上記方法以外にも、後述する、樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)および熱可塑性樹脂(C)の混練時や、後述する成形品用樹脂組成物(Z)の成形時における加水分解によっても生成するため、(c1)の製造および(c1)のポリカルボジイミド(b)へのグラフト付加反応は、該混練時や成形時に並行して行ってもよい。
イソシアネート基と反応性を有する官能基を末端に有するポリエステル(a1)とイソシアネート基を末端に有するポリカルボジイミド(b1)とのブロック化反応は、前述のウレタン化反応の条件(反応温度、使用溶剤等)でそのまま行うことができる。また前述のウレタン化触媒を用いることで反応を促進させることも可能である。
芳香環を含有するポリエステル(a)と末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2)とのエステル交換反応は、前記の(a1)製造時のエステル交換反応と同様の方法が挙げられる。 また、得られた(a)と(b)のブロック反応物に、カルボキシル基および/またはアミノ基を有するバイオマス由来ポリマー(c1)をグラフト反応させる方法としては、これらを混合後、80〜150℃で攪拌する方法が挙げられる。80℃以上が反応速度の観点から、また150℃以下が副反応を抑制する観点から好ましい。また上記反応は溶剤を使用することもでき、好ましい溶剤としては、DMF等が挙げられる。
[バイオマス由来樹脂(B)]
本発明の成形品用樹脂組成物(Z)に含有されるバイオマス由来樹脂(B)としては、前記のバイオマス由来ポリマー(c)と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。(B)は単独使用でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
[熱可塑性樹脂(C)]
本発明の成形品用樹脂組成物(Z)に含有される、バイオマス由来樹脂(B)以外の熱可塑性樹脂(C)としては、具体的にはビニル樹脂〔ポリオレフィン樹脂(C1)[例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂等]、ポリ(メタ)アクリル樹脂(C2)[例えばポリメタクリル酸メチル等]、ポリスチレン樹脂(C3)[ビニル基含有芳香族炭化水素単独またはビニル基含有芳香族炭化水素と、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルおよびブタジエンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを構成単位とする共重合体、例えばポリスチレン、高耐衝撃性ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体(AN樹脂)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)等]等〕;ポリエステル樹脂(C4)[例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等];ポリアミド樹脂(C5)[例えばナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66、ナイロン6/12等];ポリカーボネート樹脂(C6)[例えばポリカーボネート、ポリカーボネート/ABS樹脂アロイ等];ポリアセタール樹脂(C7)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうちバイオマス由来樹脂(B)の(C)への分散のしやすさの観点から好ましいのは、ビニル樹脂[(C1)〜(C3)]、ポリエステル樹脂(C4)およびポリカーボネート樹脂(C6)であり、さらに好ましいのは(C4)および(C6)である。
(C1)のメルトフローレート(以下MFRと略記。単位はg/10min。以下では数値のみを示す。)は、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、より好ましくは1〜100である。(C1)のMFRは、JIS K6758に準じて(ポリプロピレンの場合:230℃、荷重2.16kgf、ポリエチレンの場合:190℃、荷重2.16kgf)測定される。
(C2)のMFRは、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、より好ましくは1〜100である。(C2)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて[ポリアクリル樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf]測定される。
(C2)の結晶化度は、樹脂物性の観点から、好ましくは0〜98%、より好ましくは0〜80%、特に好ましくは0〜70%である。
結晶化度は、X線回折、赤外線吸収スペクトル等の方法によって測定される〔「高分子の固体構造−高分子実験学講座2」(南篠初五郎)、42頁、共立出版1958年刊参照〕。
(C3)のMFRは、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(C3)のMFRは、JIS K6871(1994年)に準じて(ポリスチレン樹脂の場合は230℃、荷重1.2kgf)測定される。
(C4)の固有粘度[η]は、樹脂物性の観点から、好ましくは0.1〜4、より好ましくは0.2〜3.5、特に好ましくは0.3〜3である。ここにおいて[η]はポリマーの0.5重量%オルトクロロフェノール溶液について、25℃でウベローデ1A粘度計を用いて測定される値(単位はdl/g)である。
(C5)のMFRは、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(C5)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアミド樹脂の場合は230℃、荷重0.325kgf)測定される。
(C6)のMFRは、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(C6)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリカーボネート樹脂の場合は280℃、荷重2.16kgf)測定される。
(C7)のMFRは、樹脂物性の観点から、好ましくは0.5〜150、さらに好ましくは1〜100である。(C7)のMFRは、JIS K7210(1994年)に準じて(ポリアセタール樹脂の場合は190℃、荷重2.16kgf)測定される。
[成形品用樹脂組成物(Z)]
本発明の成形品用樹脂組成物(Z)は、樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)および熱可塑性樹脂(C)を含有してなり、後述する方法で成形される。
(Z)における(B)と(C)の重量比は、成形品の環境対応および機械物性の観点から、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜60/40、とくに好ましくは25/75〜50/50である。
成形品用樹脂組成物(Z)の製造方法には、次の[1]、[2]の方法が含まれる。
[1](A)、(B)、(C)、および必要により後述の添加剤(D)を、得ようとする成形品中の割合と同じ割合で一括混合して(Z)とする方法(一括法)。
[2](A)の全量、(B)の一部および/または(C)の一部、並びに必要により(D)の一部もしくは全量を混合して、高濃度の樹脂用相溶化剤(A)を含有するマスターバッチ樹脂組成物(MZ)を一旦作成し、その後残りの(B)、(C)、並びに必要により(D)の残りを加えて混合し(Z)とする方法(マスターバッチ法)。
これらの方法のうち、(A)の混練効率の観点から、好ましいのは[2]の方法である。
上記マスターバッチ樹脂組成物(MZ)における樹脂用相溶化剤(A)の含有量は、バイオマス由来樹脂(B)と熱可塑性樹脂(C)との相溶性および工業上の観点から、(B)および/または(C)、並びに(A)の合計重量に基づいて好ましくは30〜80%、さらに好ましくは35〜70%、とくに好ましくは40〜60%である。
成形品用樹脂組成物(Z)における樹脂用相溶化剤(A)の含有量は、(A)、(B)および(C)の合計重量に基づいて0.1〜30%、好ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜15%である。該(A)の含有量が0.1%未満ではバイオマス由来樹脂(B)と熱可塑性樹脂(C)との相溶性が悪くなり、30%を超えると工業上不利となる。
上記樹脂用相溶化剤(A)を含有する樹脂組成物[マスターバッチ樹脂組成物(MZ)および成形品用樹脂組成物(Z)]の具体的な混合、混練方法としては、例えば
<1> 樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)および/または熱可塑性樹脂(C)、並びに必要により添加剤(D)を、例えば粉体混合機〔「FMミキサ」[商品名、日本コークス工業(株)製]、「ナウターミキサNX」[商品名、ホソカワミクロン(株)製]、「バンバリーミキサー」[商品名、Farrel(株)製]等〕で、例えば0〜80℃で混合した後、溶融混練装置{バッチ混練機(反応槽等)、連続混練機〔「FCM」[商品名、Farrel(株)製]、「LCM」[商品名、(株)神戸製鋼所製]、「CIM」[商品名、(株)日本製鋼所製]等〕、単軸押出機、二軸押出機等}を使用して、120〜280℃で2〜30分間混練する方法;
<2> (A)、(B)および/または(C)、並びに必要により(D)を上記粉体混合をすることなく、上記と同様の溶融混練装置を使用して、同様の条件で直接混練する方法;
<3> (A)、(B)および/または(C)、並びに必要により(D)を、撹拌機付きの混合槽で、必要により溶媒(トルエン、キシレン等)の存在下、60〜140℃で混合し、溶媒を使用した場合、減圧下で溶媒を除く方法、
等が挙げられる。
これらの方法のうち、混練効率、生産性の観点から<1>の方法が好ましい。
[添加剤(D)]
本発明の樹脂組成物[マスターバッチ樹脂組成物(MZ)および成形品用樹脂組成物(Z)]は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により種々の添加剤(D)を含有させることができる。
(D)としては、着色剤(D1)、難燃剤(D2)、充填剤(D3)、帯電防止剤(D4)、酸化防止剤(D5)および紫外線吸収剤(D6)からなる群から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
上記成形品用樹脂組成物(Z)中の(D)全体の含有量は、(Z)の重量に基づいて、通常20%以下、(D)の機能発現および工業上の観点から、好ましくは0.05〜5%である。
(Z)の重量に基づく各添加剤の使用量は、(D1)は通常5%以下、好ましくは1.5〜5%;(D2)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(D3)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(D4)は通常8%以下、好ましくは1.5〜5%;(D5)、(D6)はそれぞれ通常2%以下、好ましくは0.005〜0.5%である。
上記(D1)〜(D6)の間で添加剤が同一で重複する場合は、それぞれの添加剤が該当する添加効果を奏する量を他の添加剤としての効果に関わりなく使用するのではなく、他の添加剤としての効果も同時に得られることをも考慮し、使用目的に応じて使用量を調整するものとする。
[成形品]
本発明の成形品は、上記成形品用樹脂組成物(Z)を成形して得られる。該成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法、インフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形あるいは発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
該成形品は、熱可塑性樹脂(C)のマトリックス中にバイオマス由来樹脂(B)の粒子が分散されてなる構造を有する。
該(B)の粒子の数平均分散粒径(μm)は、成形品の機械物性(耐衝撃性、曲げ弾性率等)の観点から好ましくは2以下、さらに好ましくは1以下である。該(B)の粒子の数平均分散粒径は、後述の方法で求めることができる。
[成形物品]
本発明の成形品用樹脂組成物(Z)を成形してなる成形品は、優れた機械強度を有すると共に、良好な塗装性および印刷性を有し、成形品に塗装および/または印刷を施すことにより成形物品が得られる。
該成形品を塗装する方法としては、例えばエアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、静電スプレー塗装、浸漬塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗料としては、例えば、ポリエステルメラミン樹脂塗料、エポキシメラミン樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料等のプラスチックの塗装に一般に用いられる塗料が挙げられる。
塗装膜厚(乾燥後膜厚)は、目的に応じて適宜選択することができるが通常10〜50μmである。
また、該成形品または成形品に塗装を施した上に印刷する方法としては、一般的にプラスチックの印刷に用いられている印刷法であればいずれも用いることができ、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、ドライオフセット印刷およびオフセット印刷等が挙げられる。
印刷インキとしてはプラスチックの印刷に通常用いられるもの、例えばグラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、パッドインキ、ドライオフセットインキおよびオフセットインキが使用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の部は重量部、特記する以外は%は重量%を表す。
[芳香環含有ポリエステル(a)等の製造]
製造例1
反応容器中に、フタル酸433部、ビスフェノールA661部、触媒としてテトラブチルチタネート0.1部を仕込み、180℃で生成水を留去しながら4時間反応させた。その後200℃まで昇温し、3〜4kPaの減圧下で5時間、さらに210℃で2時間反応させて、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−1)995部を得た。(a1−1)は、芳香環含有量61%、Mn3,600であった。
製造例2
製造例1において、フタル酸をテレフタル酸371部、ビスフェノールAをビスフェノールAのEO2モル付加物[商品名「ニューポールBPE−20」、三洋化成工業(株)製]709部に変更した以外は製造例1と同様にして、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−2)990部を得た。(a1−2)は、芳香環含有量38%、Mn4,000であった。
製造例3
製造例1において、フタル酸をセバシン酸664部、ビスフェノールAをp−キシリレングリコール454部に変更した以外は製造例1と同様にして、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−3)989部を得た。(a1−3)は、芳香環含有量24%、Mn32,000であった。
製造例4
製造例1において、フタル酸をセバシン酸457部、ビスフェノールAをp−キシリレングリコール624部に変更した以外は製造例1と同様にして、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−4)978部を得た。(a1−4)は、芳香環含有量34%、Mn450であった。
製造例5
反応容器中に、エタノールアミン20部、メチルエチルケトン80部を仕込み、80℃で1時間還流し、その後80℃でメチルエチルケトンを留去することにより、エタノールアミンのケチミン化物38部を得た。
別の反応容器中に、(a1−3)1,000部、DMF1,000部を仕込み、150℃で溶解させた後、前記エタノールアミンのケチミン化物7.2部を加え、150℃で1時間反応させた。50℃まで冷却して水6部を加え、1時間撹拌後、生成物をメタノール3,000部中に投入して再沈殿させた。沈殿物を100℃、1kPaで1時間減圧乾燥させることで溶媒を留去して、両末端にアミノ基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−5)980部を得た。(a1−5)は、芳香環含有量24%、Mn7,000であった。
比較製造例1
製造例1において、フタル酸をセバシン酸579部、ビスフェノールAを1,10−デカンジオール524部に変更した以外は製造例1と同様にして、両末端に水酸基を有する脂肪族ポリエステル(比a1−1)982部を得た。(比a1−1)は、芳香環含有量0%、Mn7,300であった。
[ポリカルボジイミド(b)の製造]
製造例6
反応容器中に、イソシアネート基を末端に有するポリカルボジイミド「カルボジライトV−05」[商品名、日清紡ケミカル(株)製、芳香族ポリカルボジイミド、Mn1,000](b1−1)1,000部、DMF1,000部を仕込み、90℃で溶解させた後、エチレングリコール40部を加え90℃で4時間伸張反応させ、両末端にイソシアネート基を有するポリカルボジイミド(b1−2)(Mn3,200)の49%DMF溶液2,040部を得た。
製造例7
製造例6において、エチレングリコール40部を同120部に変更した以外は製造例6と同様にして、両末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2−1)(Mn1,150、芳香環含有量44%)の47%DMF溶液2,120部を得た。
[バイオマス由来ポリマー(c)の製造]
製造例8
反応容器に、ポリ乳酸「レイシアH−100」[商品名、三井化学(株)製、Mn68,000](B−1)1,000部、DMF1,000部を仕込み、150℃で溶解させた後、水13部を加え、150℃で4時間加水分解反応させた。生成物をメタノール4,000部中に投入して再沈殿させた。沈殿物を100℃、1kPaで1時間減圧乾燥させることで溶媒を留去して、末端にカルボキシル基を有するポリ乳酸(c1−1)978部を得た。(c1−1)は、Mn40,000であった。
製造例9
製造例8において、水13部を製造例5で得られたエタノールアミンのケチミン化物83.2部に変更してエステル交換反応させた後、室温(25℃)まで冷却して水20部を加え、1時間撹拌した。その後の生成物の処置については製造例8と同様にして、末端にアミノ基を有するポリ乳酸(c1−2)1,022部を得た。(c1−2)は、Mn42,000であった。
[樹脂用相溶化剤(A)等の製造]
製造例10
反応容器に、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−1)798部、DMF1,000部を仕込み、90℃で溶解させた後、両末端にイソシアネート基を有するポリカルボジイミド(b1−1)202部を加え90℃で4時間反応させた。生成物をメタノール5,000部中に投入して再沈殿させた。沈殿物を100℃、1kPaで1時間減圧乾燥させることで溶媒を留去して、ブロックポリマー(X−1)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−1)980部を得た。(X−1)のMnは40,500、芳香環含有量は58%であった。
製造例11
反応容器に、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−2)654部、DMF1,000部を仕込み、90℃で溶解させた後、両末端にイソシアネート基を有するポリカルボジイミド(b1−2)の49%DMF溶液706部を加え、90℃で4時間反応させた。その後、末端にカルボキシル基を有するポリ乳酸(c1−1)800部を加え、150℃で1時間反応させた。生成物をメタノール7,000部中に投入して再沈殿させた。沈殿物を100℃、1kPaで1時間減圧乾燥させることで溶媒を留去して、ブロックポリマー(X−2)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−2)1,785部を得た。(X−2)のMnは33,000、芳香環含有量は22%であった。
製造例12
製造例11において、(a1−2)654部を、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−3)972部に、(b1−2)の49%DMF溶液706部を(b1−1)28部に、(c1−1)を、末端にアミノ基を有するポリ乳酸(c1−2)に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(X−3)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−3)1,760部を得た。(X−3)のMnは420,000、芳香環含有量は14%であった。
製造例13
製造例10において、(a1−1)798部を、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−4)224部、(b1−1)202部を同776部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(X−4)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−4)988部を得た。(X−4)のMnは4,000、芳香環含有量は42%であった。
製造例14
製造例11において、(a1−1)798部を、両末端にアミノ基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−5)891部、(b1−2)の49%DMF溶液706部を(b1−1)109部、(c1−1)800部を同1,000部に変更した以外は製造例11と同様にして、ブロックポリマー(X−5)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−5)1,981部を得た。(X−5)のMnは66,000、芳香環含有量は13%であった。
製造例15
反応容器に、両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−3)965部、DMF1,000部を仕込み、150℃で溶解させた後、両末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2−1)の47%DMF溶液74部を加え、150℃で2時間エステル交換反応させた。その後製造例10と同様にメタノールを用いた精製を行うことで、ブロックポリマー(X−6)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A−6)960部を得た。(X−6)のMnは16,600、芳香環含有量は24%であった。
比較製造例2
製造例10において、(a1−1)798部を、両末端に水酸基を有する脂肪族ポリエステル(比a1−1)905部、(b1−1)202部を同95部に変更した以外は製造例10と同様にして、ブロックポリマー(比X−1)を含有してなる樹脂用相溶化剤(比A−1)985部を得た。(比X−1)のMnは32,500、芳香環含有量は4%であった。
比較製造例3〜4
両末端に水酸基を有する芳香環含有ポリエステル(a1−1)、両末端に水酸基を有するポリカルボジイミド(b2−1)をそれぞれ樹脂用相溶化剤(比A−2)および(比A−3)とした。
[マスターバッチ樹脂組成物(MZ)の製造]
以下の製造例16〜18は本来は実施例に該当するが、説明の便宜上製造例として記載した。
製造例16
樹脂用相溶化剤(A−1)500部およびポリカーボネート「ユーピロンS2000」[商品名、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製。MFR 12](C−1)500部をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、260℃、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して、マスターバッチ樹脂組成物(MZ−1)を得た。
製造例17
製造例16において、樹脂用相溶化剤(A−1)500部を同300部、ポリカーボネート(C−1)500部をポリ乳酸(B−1)700部に変更した以外は製造例16と同様にして、マスターバッチ樹脂組成物(MZ−2)を得た。
製造例18
製造例16において、樹脂用相溶化剤(A−1)500部を(A−2)500部、ポリカーボネート(C−1)500部をポリヒドロキシブチレート[商品名「ビオグリーン」、三菱ガス化学(株)製](B−2)500部に変更した以外は製造例16と同様にして、マスターバッチ樹脂組成物(MZ−3)を得た。
実施例1〜27、比較例1〜19
上記製造例で得られた樹脂用相溶化剤(A−1)〜(A−6)、およびマスターバッチ樹脂組成物(MZ−1)〜(MZ−3)、並びに、比較用樹脂用相溶化剤(比A−1)〜(比A−3)および下記の市販の相溶化剤(比A−4)、市販のバイオマス由来樹脂(B)、および市販の熱可塑性樹脂(C)を、表1〜3に示した配合組成(部)で、それぞれヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、(C−2)を用いたときは270℃、(C−3)を用いたときは240℃の各温度で、100rpm、滞留時間5分の条件で溶融混練して樹脂組成物を得た(比較例7〜9、14、19を除く)。
各樹脂組成物、並びに対比用の樹脂(B)および(C)について、射出成形機[商品名「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、(C−2)を用いたとき、および比較例7と8はシリンダー温度270℃、金型温度60℃で、(C−3)を用いたときはシリンダー温度240℃、金型温度70℃で成形して、所定の試験片を作成後、後述の試験方法に従って評価した。結果を表1〜3に示す。
(比A−4)スチレン/無水マレイン酸共重合体
:商品名「DYLARK 332」、NOVA Chemicals
JAPAN Ltd.製、Mn70,000、芳香環含有量60%。
1分子当たり126個の酸無水物基を有する。
(B−1)ポリ乳酸(以下PLAと略記)
:商品名「レイシアH−100」、三井化学(株)製、Mn68,000
(B−2)ポリヒドロキシブチレート(以下PHBと略記)
:商品名「ビオグリーン」三菱ガス化学(株)製、Mn100,000
(C−1)ポリカーボネート(以下PCと略記)
:商品名「ユーピロンS2000」、三菱エンジニアリングプラスチック
(株)製、MFR 12
(C−2)ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記)
:商品名「ジュラネックス2002」、ポリプラスチックス(株)製、
固有粘度[η]1.07
(C−3)ABS樹脂(以下ABSと略記)
:商品名「GR−2000」、電気化学工業(株)製、MFR 13
<試験方法>
[1]衝撃強度(単位:J/m)
アイゾット衝撃値(ノッチ付き)をASTM D256に準拠して測定した。
[2]数平均分散粒径(単位:μm)(相溶性)
上記衝撃強度評価用試験片の破断面から、「ウルトラミクロトーム」[商品名「EM FC6」、Leica(株)製、ダイヤモンドナイフ使用]にて薄切片を採取し、透過型電子顕微鏡「H−7100」[商品名、日立ハイテクノロジーズ(株)製]で観察し、マトリックス樹脂(PC、PBT、ABS)中のPLAまたはPHBの数平均分散粒径を測定して相溶性を評価した。数平均分散粒径は、20μm×20μm範囲内のマトリックス中の分散粒子についての数平均値である。数平均分散粒径が小さいほど、相溶性が良好であることを示す。
[3]曲げ弾性率(単位:GPa)
ASTM D790に準拠して測定した。
Figure 2013249351
Figure 2013249351
Figure 2013249351
表1〜3の結果から、本発明の成形品用樹脂組成物は、比較のものに比べ、バイオマス由来樹脂がバイオマス由来樹脂以外の熱可塑性樹脂に高配合率でも良好に相溶しており、該樹脂組成物を成形してなる成形品は、ベース樹脂(熱可塑性樹脂)の耐衝撃性、曲げ弾性率を損なうことなく、機械物性に優れることがわかる。
本発明の成形品用樹脂組成物は、バイオマス由来樹脂がバイオマス由来樹脂以外の熱可塑性樹脂に高配合率でも良好に相溶しており、しかも該相溶した樹脂組成物を成形してなる成形品は、優れた機械物性(衝撃強度、曲げ弾性率等)を有することから、自動車分野、電気・電子分野、容器・包装材・筐体分野、搬送材分野、日用雑貨分野等において、幅広く好適に用いることができ極めて有用である。

Claims (11)

  1. 芳香環を含有するポリエステル(a)のブロックと、ポリカルボジイミド(b)のブロックとから構成されるブロックポリマー(X)を含有してなる樹脂用相溶化剤(A)、バイオマス由来樹脂(B)、および(B)以外の熱可塑性樹脂(C)を含有してなり、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく(A)の含有量が0.1〜30%である成形品用樹脂組成物(Z)。
  2. (X)中の(b)のブロックが、側鎖にバイオマス由来ポリマー(c)を有する請求項1記載の組成物。
  3. (b)中の(c)の含有量が、1〜99.5%である請求項1または2記載の組成物。
  4. (X)中の(a)のブロックと(b)のブロックの重量比が、20/80〜99.5/0.5である請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. (X)中の芳香環含有量が、1〜70重量%である請求項1〜4のいずれか記載の組成物。
  6. (a)中の芳香環含有量が、15〜70重量%である請求項1〜5のいずれか記載の組成物。
  7. (B)/(C)の重量比が、10/90〜90/10である請求項1〜6のいずれか記載の組成物。
  8. 樹脂用相溶化剤(A)と、バイオマス由来樹脂(B)および/または(B)以外の熱可塑性樹脂(C)とを含有してなり、(A)、(B)、(C)の合計重量に基づく(A)の含有量が30〜80%である請求項1〜7のいずれか記載の成形品用樹脂組成物(Z)用マスターバッチ樹脂組成物(MZ)。
  9. 請求項1〜7のいずれか記載の成形品用樹脂組成物(Z)を成形してなる成形品。
  10. 成形品が、熱可塑性樹脂(C)のマトリックス中に数平均分散粒径2μm以下のバイオマス由来樹脂(B)の粒子が分散されてなる請求項9記載の成形品。
  11. 請求項9または10記載の成形品に塗装および/または印刷を施してなる成形物品。
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