JP5549046B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、メタキシリレンジアミンを70モル%以上含むジアミンとアジピン酸を70モル%以上含むジカルボン酸とから得られたポリアミド樹脂と、芳香族ジカルボン酸を70モル%以上含むジカルボン酸と脂肪族ジオールを70モル%以上含むジオールとから得られたポリエステル樹脂とを主成分とするガスバリア性および色調、透明性に優れたポリエステル樹脂組成物、ならびに該組成物を成形して得られるフィルム、シート、薄肉中空容器等の成形体に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)をその代表とする、芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とし、脂肪族ジオールを主たるジオール成分とするポリエステル樹脂(以下「芳香族ポリエステル樹脂」ということがある)は、機械的性能、溶融安定性、耐溶剤性、保香性、リサイクル性等に優れるという特長を有している。そのため、芳香族ポリエステル樹脂は、フィルム、シート、中空容器等の包装材料に広く利用されている。しかしながら、酸素、炭酸ガス等のガスバリア性は必ずしも良好ではないため、高いガスバリア性を要求される用途への利用には制限があった。芳香族ポリエステル樹脂にガスバリア性を付与する手段として、アルミニウム等の金属箔を貼り合わせる、他の高いガスバリア性を有する樹脂を塗布あるいは積層する、アルミニウムや珪素を蒸着する等の手段があるが、いずれも透明性が損なわれたり、複雑な製造工程を必要としたり、機械的性能が損なわれる等の問題点があった。
複雑な製造工程を必要とせずに高いガスバリア性を付与する手段として、他の高いガスバリア性を有する樹脂を混合する方法がある。高いガスバリア性を有する樹脂として、ナイロン6、ナイロン66等に代表されるポリアミド樹脂があるが、とりわけメタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重合して得られるポリアミド樹脂(以下「ポリアミドMXD6」ということがある)がガスバリア性に優れている。一方、ポリアミド樹脂以外のガスバリア性樹脂としてエチレン−ポリビニルアルコール共重合樹脂があるが、エチレン−ポリビニルアルコール共重合樹脂は、芳香族ポリエステル樹脂との相溶性に乏しいため両者の組成物は白濁したり、結晶性が高いため芳香族ポリエステル樹脂の延伸性を損なったり、熱安定性に劣る等の問題点がある。
一方、ポリアミドMXD6は高いガスバリア性を有し、芳香族ポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレートとガラス転移温度、融点、結晶性が接近しているうえに溶融時の熱安定性にも優れている。そのため、芳香族ポリエステル樹脂との溶融混合が容易である、芳香族ポリエステル樹脂の機械的性能や延伸性を損なわない、高いガスバリア性が発現するという利点がある。
しかしながら、芳香族ポリエステル樹脂とポリアミドMXD6等のポリアミド樹脂との組成物は、黄色度を呈しており、無色・透明性が要求される用途においてはその利用に制限があった。
一般にポリエステル樹脂は、フィルム、ボトル等、成形加工時における成形不良および加水分解による分子量低下を防ぐために、予め水分を50ppm以下まで乾燥することが推奨されている。しかしながら、成形加工前におけるポリエステル樹脂中水分が低い場合、ポリアミドMXD6からなる混合物の黄色度が高くなるとの問題があった(非特許文献1参照)。
飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社発行、湯木和男 編)
本発明は、ガスバリア性、透明性、機械的性能に優れ、着色しにくい、芳香族ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂とを含有する樹脂組成物、および当該樹脂組成物を成形して得られる成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、芳香族ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂とからなる混合物を溶融混練する際、予め芳香族ポリエステル樹脂の水分を80〜200ppmに調整することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、かつジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂(A)1〜30重量%と、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオールに由来するポリエステル樹脂(B)70〜99重量%(重量%の合計は100重量%である)を溶融混練して得られたポリエステル樹脂組成物であって、溶融混練前のポリエステル樹脂(B)の水分が80〜200ppmであるポリエステル樹脂組成物、ならびに、ジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、かつジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂(A)1〜30重量%と、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオールに由来するポリエステル樹脂(B)70〜99重量%(重量%の合計は100重量%である)、およびポリアミド樹脂(A)100重量部に対して0.5〜2重量部の多価カルボン酸化合物(C)を溶融混練して得られたポリエステル樹脂組成物であって、溶融混練前のポリエステル樹脂(B)の水分が80〜200ppmであり、かつ多価カルボン酸化合物(C)が芳香族3価カルボン酸、脂環族3価カルボン酸、芳香族2価カルボン酸、脂環族2価カルボン酸および前記カルボン酸の酸無水物からなる群から多価カルボン酸化合物であるポリエステル樹脂組成物に関する。
また、本発明は当該樹脂組成物を成形して得られる成形体に関する。
本発明の芳香族ポリエステル樹脂とポリアミド樹脂からなるポリエステル樹脂組成物は、Tダイ法、共押出法等で得られる無延伸あるいは低倍率の単層シートおよび多層シート、それらを延伸したフィルム、低延伸倍率の深絞り成形容器、成形後も無延伸の状態であるダイレクトブロー成形容器、及び延伸ブロー成形容器等への成形性が良好であり、かつ得られたフィルム、シート及び薄肉中空容器のガスバリア性を保持したまま、成形体に優れた色調、透明性を付与することができる。
本発明において用いるポリアミド樹脂(A)は、ジアミンとジカルボン酸とを重縮合することにより得られる。ポリアミド樹脂(A)は、ジアミン構成単位(ジアミンに由来する構成単位)の70%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、かつジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の70%以上がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂である。メタキシリレンジアミンに由来する構成単位が70%以上であることが必要であり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。メタキシリレンジアミンに由来する構成単位が70モル%未満であると、ポリアミド樹脂の優れたガスバリア性が不十分になる。また、アジピン酸に由来する構成単位が70%以上であることが必要であり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。アジピン酸に由来する構成単位が70モル%未満であると、ガスバリア性の低下や結晶性の過度の低下が生じる。ポリアミド樹脂(A)として特に好ましいものはポリメタキシリレンアジパミドである。上記のようなモノマー組成及び構造単位を有するポリアミド樹脂はポリエチレンテレフタレート樹脂のようなポリエステル樹脂と成形加工性が近似するため、ポリエステル樹脂組成物の加工性を損なわないので有利である。ポリアミド樹脂(A)は、2種以上を併用してもよい。
メタキシリレンジアミン以外に使用できるジアミンとして、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
アジピン酸以外に使用できるジカルボン酸として、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が例示できるが、これらに限定されるものではなく、またアジピン酸と他のジカルボン酸とを併用することができる。
また、ポリアミド樹脂(A)製造のための重縮合時に分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
ポリアミド樹脂(A)は、溶融状態での重縮合反応(以下、「溶融重縮合」と記すことがある)により製造することが好ましい。例えば、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とからなるナイロン塩を水の存在下に、加圧法で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法により製造することが好ましい。また、メタキシリレンジアミンを溶融状態のアジピン酸に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によって製造してもよい。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、メタキシリレンジアミンをアジピン酸に連続的に加え、その間、反応温度が、生成するオリゴアミドおよびポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合を進行させることが好ましい。さらに溶融重縮合ポリアミド樹脂を固相重合することにより、分子量を上げることができる。固相重合は、溶融重縮合により得られたポリアミド樹脂をペレットあるいは粉末状にし、これを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下に、120℃以上ポリアミド樹脂の融点未満の範囲の温度に加熱することにより実施される。
ポリアミド樹脂(A)の相対粘度(ポリアミド樹脂1gを96%硫酸100mlに溶解し、25℃で測定した値)は、好ましくは1.8〜4.0、より好ましくは1.9〜3.8、さらに好ましくは2.0〜3.6である。相対粘度が上記範囲内であると、本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルム、シート、中空容器等の成形時に、溶融樹脂の流動性が良好でダイスウエルや溶融むらが軽減され、成形性が良好になる。また、成形物の透明性が改善され、かつ高湿度雰囲気下での白化による透明性の低下を抑制できる。
ポリアミド樹脂(A)の水分は900ppm以下であることが好ましい。この場合、ポリアミド樹脂を乾燥し上記水分率として用いてもよい。ポリアミド樹脂の乾燥は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、ベント付きの押出機でポリアミド樹脂を溶融押出する際にベント孔を減圧にすることでポリマー中の水分を除去する方法、ポリアミド樹脂をタンブラー(回転式真空槽)中に仕込み、減圧下でポリアミド樹脂の融点未満の温度で加熱して乾燥する方法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリアミド樹脂(A)には、溶融成形時の加工安定性を高めるため、あるいはポリアミド樹脂の着色を防止するためにリン化合物が含まれていても良い。リン化合物としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含むリン化合物が好適に使用され、例えば、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム等のリン酸塩、次亜リン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の次亜リン酸塩を使用したものがポリアミドの着色防止効果に特に優れるため好ましく用いられる。ポリアミド樹脂(A)中のリン化合物の濃度は、リン原子として200ppm以下が好ましく、160ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましい。ポリアミド樹脂(A)中のリン原子濃度が200ppm以下であると、アンチモン系触媒を利用して製造されたポリエステル樹脂と溶融混合する際に、ポリエステル樹脂中にわずかに残存するアンチモン系触媒の還元に起因する黒ずみが防止される。なおポリアミド樹脂(A)には上記のリン化合物の他に本発明の効果を損なわない範囲で滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤、その他の添加剤を加えることもできる。
本発明において用いるポリエステル樹脂(B)は、ジカルボン酸とジオールを重合することにより得られ、ジカルボン酸構成単位(ジカルボン酸に由来する構成単位)の70%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位(ジオールに由来する構成単位)の70%以上が脂肪族ジオールに由来する。芳香族ジカルボン酸に由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。脂肪族ジオールに由来する構成単位の割合は70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。ポリエステル樹脂(B)は、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族ジカルボン酸として、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、4,4' −ビフェニルジカルボン酸、3,4’−ビフェニルジカルボン酸等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。ポリエステル樹脂(B)には本発明の目的を損なわない範囲でアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や安息香酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸を用いることができる。
前記脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等およびこれらのエステル形成性誘導体が例示できる。ポリエステル樹脂(B)には本発明の目的を損なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等のモノアルコール類や、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類を用いることもできる。
ポリエステル樹脂(B)の製造には、公知の方法である直接エステル化法やエステル交換法を適用することができる。ポリエステル樹脂(B)の製造時に使用する重縮合触媒としては、公知の三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、酢酸チタン等のチタン化合物、塩化アルミニウム等のアルミニウム化合物等が例示できるが、これらに限定されない。
好ましいポリエステル樹脂(B)としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4' −ビフェニルジカルボキシレート樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等がある。より好ましいポリエステル樹脂(B)としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂(B)は、溶融混練前の水分が80〜200ppmである必要がある。ポリエステル樹脂(B)の水分が80ppm以上の場合、本発明のポリエステル樹脂組成物からなるフィルム、シート、中空容器等の黄色度が抑制でき、水分が200ppm以下の場合、成形加工時の分子量低下を抑制でき、且つ透明性良好な容器を得ることができる。ポリエステル樹脂(B)として、水分が200ppmを超えるポリエステル樹脂を乾燥、もしくは真空ベント付き押出機にて脱水して上記範囲内としたものを用いてもよい。
ポリエステル樹脂(B)の固有粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=60/40重量比混合溶媒中、25℃で測定した値)は、0.7〜2.0dl/gが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5dl/gである。固有粘度が0.7以上であるとポリエステル樹脂の分子量が充分に高いために、これを使用して得られるポリエステル樹脂組成物からなる成形物が成形物として必要な機械的性質を有すると共に、透明性が良好となる。固有粘度が2.0以下の場合、成形性が良好となる。
本発明のポリエステル樹脂組成物におけるポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の配合割合は、ポリアミド樹脂(A)1〜30重量%、ポリエステル樹脂(B)99〜70重量%(重量%の合計は100重量%)が好ましく、より好ましくはポリアミド樹脂(A)2〜20重量%、ポリエステル樹脂(B)98〜80重量%である。
また、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対し0.5〜2重量部の多価カルボン酸化合物(C)を配合してもよい。
多価カルボン酸化合物(C)は、芳香族3価カルボン酸、脂環族3価カルボン酸、芳香族2価カルボン酸、脂環族2価カルボン酸および前記酸無水物から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸化合物からなる。なお、前記酸無水物は分子内酸無水物である。
多価カルボン酸化合物(C)としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、アントラセンジカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、ビフェニルジカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、ベンゾフェノンジカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、シクロヘキサンジカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ヘミメリット酸およびその無水物、トリメシン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸およびその無水物、1,2,3−シクロヘキサントリカルボン酸およびその無水物、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、アントラセントリカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、ビフェニルトリカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物、ベンゾフェノントリカルボン酸(位置異性体を含む)およびその無水物等が挙げられる。多価カルボン酸化合物(C)は、2種以上を併用してもよい。中でも、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸および無水トリメリット酸が好ましく、無水フタル酸、トリメリット酸および無水トリメリット酸がより好ましく、無水フタル酸および無水トリメリット酸が更に好ましく、無水トリメリット酸が特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)、および必要に応じて多価カルボン酸化合物(C)を溶融混練したものであり、その混練順序には特に制約はない。溶融混練方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(i)ポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)、もしくはポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(C)とを配合して同時に溶融混練する方法。
(ii)ポリアミド樹脂(A)と一部のポリエステル樹脂(B)、もしくはポリアミド樹脂(A)と一部のポリエステル樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(C)を配合して同時に溶融混練して予備組成物(マスターバッチ)を得た後に、該予備組成物と残りのポリエステル樹脂(B)を溶融混練してポリエステル樹脂組成物を得るマスターバッチ方法。
(ii)のマスターバッチ方法の場合は、予備組成物5〜50重量%とポリエステル樹脂(B)50〜95重量%を溶融混練することが好ましい。本発明における溶融混練する際の押出温度は200〜300℃が好ましく、より好ましくは220〜290℃である。
上記溶融混練に供する樹脂は、従来公知の方法により準備される。例えば、ポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)、もしくはポリアミド樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)と多価カルボン酸化合物(C)とをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドしたもの、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合したものなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、あるいは、顔料、染料、カーボンブラック、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、核剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、ポリアミド樹脂のゲル化を防止するアルカリ化合物等が含まれていてもよい。ポリエステル樹脂組成物全量に対して、他の樹脂の量は20重量%以下であることが好ましく、添加剤の合計量は5重量%以下であることが好ましい。なお、他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン−6IT、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物には、その性質を本質的に変化させない範囲で、ポリエチレンテレフタレート製品回収物、少量のイソフタル酸成分単位を含む変性ポリエチレンテレフタレート製品回収物、ポリアミド製品回収物、および/または成形品製造時の端材、および規格外物等のポリエステルおよび/またはポリアミド樹脂回収物を添加してもよい。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、高い透明性が要求される成形体の材料として用いることができる。該成形体としては、例えば、Tダイ法、共押出法等で得られる無延伸あるいは低延伸倍率の単層シート及び多層シート、前記シートを延伸したフィルム、前記シートから得られる低延伸倍率の深絞り容器、ダイレクトブロー成形及び延伸ブロー成形により得られる胴部壁の厚みが0.1〜2mmである無延伸または延伸薄肉中空容器などが挙げられる。これらの成形体は、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装材料として利用できる。
本発明の成形体は優れたガスバリア性能、透明性、機械的性能を兼ね備えたものである。
例えば、500mLボトルにおいて23℃、60%RH条件での酸素透過率が0.035cc/ボトル・day・0.21atm以下、曇価が8%(厚さ300μm)以下、黄色度(YI)が12以下となる。
以下、実施例、比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、本実施例及び比較例で採用した評価法は以下の通りである。
(1)ポリエステル樹脂の固有粘度
ポリエステル樹脂0.5gを精秤し、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(=6/4重量比)混合溶媒100mlに120℃で攪拌溶解し、濃度0.5g/dlの溶液を得た。冷却後、当該原液を同溶媒にて希釈し、1/2希釈溶液(濃度0.25g/dl)および1/5希釈溶液(濃度0.1g/dl)を得た。その後、25℃での各溶液の落下時間:tcおよび溶媒の落下時間toを自動粘度測定装置((株)柴山科学器械製作所製SS−600−L1)にて測定し、比粘度ηspと濃度Cの比:ηsp/Cの濃度をゼロに外捜することで固有粘度を求めた。
比粘度ηsp=(tc/to)−1
固有粘度[η]=limC→0(ηsp/C)
(2)ポリアミド樹脂の相対粘度
ポリアミド樹脂1gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で攪拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5ccを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下速度(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下速度(t0 )も同様に測定した。tおよびt0 から次式(イ)により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0 (イ)
(3)水分(ppm)
水分率の測定は、三菱化学(株)製カールフィッシャー微量水分測定装置(CA−05型)および気化装置(VA−05型)を用い、融点温度で30分の気化条件で水分量を定量し、水分を求めた。
(4)黄色度:YI
JIS−K−7105に準じた。ボトルの場合、胴部より切り出したシート(厚み約300〜400ミクロン)について3枚重ね、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)にて測定、1mmあたりのYIとして換算した。シート(厚み約300ミクロン)についても、ボトルと同様、3枚重ねて測定し、1mmあたりのYIとして換算した。
(5)曇価:Haze(%)
JIS−K−7105に準じた。ボトルの場合、胴部より切り出したシート(厚み約300〜400ミクロン)について、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:COH−300A)にて測定し、300ミクロンあたりの曇価として換算した。シート(厚み約300ミクロン)についても、ボトルと同様、300ミクロンあたりの曇価として換算した。
(6)酸素透過率:OTR
ASTM D3985に準じた。測定装置は、モダンコントロールズ社製のもの(型式:OX−TRAN2/21)を使用した。測定条件は、ボトルOTR(cc/ボトル・day・0.21atm)の場合、温度:23℃、相対湿度:ボトル外60%、ボトル内100%、シートOTR(cc/m・day・atm)の場合、温度:23℃、相対湿度:60%にて測定した。
<実施例1>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)95重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)5重量部をタンブラーにより混合したものを、背圧4.0MPa、スクリュー回転数150rpm、射出速度100cc/sec、樹脂温度280℃、金型温度15℃の条件にてパリソン(長さ96mm、肉厚4.0mm、外形直径22.5mm、重量27g)射出成形した(装置:(株)名機製作所製 M200PDM−MJ)。
このパリソンを、ブロー成形装置((株)フロンティア製EFB1000ET)により二軸延伸ブロー成形して、高さ223mm、同径65mm、容量500mL、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり26、Hazeは300μmあたり12.0%であった。
結果を表1に示す。
<実施例2>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形した。
このパリソンを、実施例1と同様、ブロー成形して、高さ223mm、同径65mm、容量500mL、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり27、Hazeは300μmあたり10.0%であった。
結果を表1に示す。
<実施例3>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部と無水トリメリット酸(トリメリット酸二無水物、以下TMAnと略することがある)0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形した。
このパリソンを、実施例1と同様、ブロー成形して、高さ223mm、同径65mm、容量500mL、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり28、Hazeは300μmあたり6.0%であった。
結果を表1に示す。
<実施例4>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部と無水フタル酸(フタル酸無水物、以下PAnと略することがある)0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分120ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形した。
このパリソンを、実施例1と同様、ブロー成形して、高さ223mm、同径65mm、容量500mL、平均厚さ約300μmの二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり26、Hazeは300μmあたり7.0%であった。
結果を表1に示す。
<比較例1>
予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)を用いた以外は、実施例1と同様に二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり38、Hazeは300μm当たり12.0%であった。
結果を表2に示す。
<比較例2>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形し、次いで二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり39、Hazeは300μmあたり10.8%であった。
結果を表2に示す。
<比較例3>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部とTMAn0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形し、次いで二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり41、Hazeは300μmあたり6.8%であった。
結果を表2に示す。
<比較例4>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部とPAn0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分120ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形し、次いで二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり39、Hazeは300μmあたり7.6%であった。
結果を表2に示す。
<比較例5>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部とTMAn0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレット25重量部と予め120℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を400ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(グレード1101E)75重量部とをタンブラーにて混合したものを、実施例1と同様にパリソンを射出成形し、次いで二軸延伸中空容器を得た。この容器の胴部のYIは1mmあたり25、Hazeは300μmあたり8.8%であった。
結果を表2に示す。
<実施例5>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレットを、Tダイ付き20mm単軸押出機を用いて、シリンダー温度270℃、スクリュー回転50rpm、冷却ロール温度70℃にて製膜し、厚さ約300ミクロンのシートを得た。このシートのYIは1mmあたり4.0、Hazeは300μmあたり12.0%であった。
結果を表3に示す。
<実施例6>
予め150℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を94ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部とTMAn0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分110ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレットを、Tダイ付き20mm単軸押出機を用いて、シリンダー温度270℃、スクリュー回転50rpm、冷却ロール温度70℃にて製膜し、厚さ約300ミクロンのシートを得た。このシートのYIは1mmあたり4.5、Hazeは300μmあたり5.3%であった。
結果を表3に示す。
<比較例6>
予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分75ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレットから、実施例5と同様な方法にて、厚さ約300ミクロンのシートを得た。このシートのYIは1mmあたり7.5、Hazeは300μmあたり12.5%であった。
結果を表3に示す。
<比較例7>
予め170℃で4時間乾燥(除湿乾燥機使用、露点−40℃)し、水分を50ppmに調整したポリエチレンテレフタレート樹脂(Invista社製、グレード:1101E、固有粘度0.80)80重量部に対し、ポリアミドMXD6(三菱ガス化学(株)社製MXナイロン、グレードS6007、水分300ppm、相対粘度2.65)20重量部とTMAn0.2重量部(MXナイロン100重量部に対して1.0重量部)をタンブラーにより混合したものを、二軸押出機を用いて押出機温度280℃、押出速度15kg/hの条件で、かつシリンダー内を真空ポンプで減圧しながら押出を行い、押し出されたストランドをペレタイズしてペレット化した。次いで、ペレットを150℃、6時間の条件で真空乾燥して、溶融混練したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物(予備マスターバッチ、水分75ppm)を得た。
この予備マスターバッチペレットから、実施例5と同様な方法にて、厚さ約300ミクロンのシートを得た。このシートのYIは1mmあたり8.8、Hazeは300μmあたり6.2%であった。
結果を表3に示す。
Figure 0005549046
Figure 0005549046
Figure 0005549046
本発明のポリエステル樹脂組成物を使用した成形体は、ガスバリア性および透明性等の外観、機械物性にも優れたものであり、食品、飲料、薬品、電子部品等の包装材料として非常に有用なものであり、その工業的価値は高い。

Claims (9)

  1. ジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、かつジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂(A)1〜30重量%と、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオールに由来するポリエステル樹脂(B)70〜99重量%(重量%の合計は100重量%である)を溶融混練して得られたポリエステル樹脂組成物であって、溶融混練前のポリエステル樹脂(B)の水分が80〜200ppmであるポリエステル樹脂組成物。
  2. ポリアミド樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)を予め溶融混練してなる予備組成物5〜50重量%に、更にポリエステル樹脂(B)50〜95重量%(重量%の合計は100重量%である)を溶融混練して得られた請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. ジアミン構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、かつジカルボン酸構成単位の70モル%以上がアジピン酸に由来するポリアミド樹脂(A)1〜30重量%と、ジカルボン酸構成単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来し、かつジオール構成単位の70モル%以上が脂肪族ジオールに由来するポリエステル樹脂(B)70〜99重量%(重量%の合計は100重量%である)、およびポリアミド樹脂(A)100重量部に対して0.5〜2重量部の多価カルボン酸化合物(C)を溶融混練して得られたポリエステル樹脂組成物であって、溶融混練前のポリエステル樹脂(B)の水分が80〜200ppmであり、かつ多価カルボン酸化合物(C)が芳香族3価カルボン酸、脂環族3価カルボン酸、芳香族2価カルボン酸、脂環族2価カルボン酸および前記カルボン酸の酸無水物からなる群から多価カルボン酸化合物であるポリエステル樹脂組成物。
  4. 多価カルボン酸化合物(C)が、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸および無水トリメリット酸から選択される少なくとも1種である請求項3に記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)および多価カルボン酸化合物(C)を予め溶融混練してなる予備組成物5〜50重量%に、更にポリエステル樹脂(B)50〜95重量%(重量%の合計は100重量%である)を溶融混練して得られた請求項3または4に記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. ポリエステル樹脂(B)の固有粘度が、0.7〜2.0である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  7. ポリエステル樹脂(B)がポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂から選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  8. ポリアミド樹脂(A)の相対粘度が1.8〜4.0、水分が900ppm以下である請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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