JP6953717B2 - 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 - Google Patents
多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6953717B2 JP6953717B2 JP2017000267A JP2017000267A JP6953717B2 JP 6953717 B2 JP6953717 B2 JP 6953717B2 JP 2017000267 A JP2017000267 A JP 2017000267A JP 2017000267 A JP2017000267 A JP 2017000267A JP 6953717 B2 JP6953717 B2 JP 6953717B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- gas barrier
- nanofibers
- less
- preform
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
- Wrappers (AREA)
Description
本発明の多層容器は、ナノファイバーを含むポリエステル系樹脂層(以下、単に「ポリエステル系樹脂層」という。)と、ガスバリア層とを少なくとも備えることを特徴とする。
また、底部の形状は特に限定されるものではなく、充填する内容物に応じ、例えば、丸底形状やペタロイド形状とすることができる。
本発明のポリエステル系樹脂層は、ナノファイバーを含むことを特徴とする。ポリエステル系樹脂層が、ナノファイバーを含むことにより、ポリエステル系樹脂層と、ガスバリア層との間に二酸化炭素溜まりが発生してしまうことを防止することができる。また、多層容器のガスバリア性をより一層向上させることができる。
なお、本発明において、ナノファイバーとは、ナノオーダーの繊維片だけではなく、マイクロオーダーの繊維片も含まれうる。
具体的には、ナノファイバーの平均繊維長は、1nm以上、400μm以下であることが好ましく、平均繊維径は、0.5nm以上、40μm以下であることが好ましい。
ナノファイバーの平均繊維長および平均繊維径を上記の数値範囲とすることにより、ポリエステル系樹脂層におけるナノファイバーの分散性向上させることができ、ガスバリア性および二酸化炭素溜まりの発生防止性をより高めることができる。
また、多層容器の透明性を向上させることができると共に、ブロー成形時において、ナノファイバーの配向を無くすことができ、多層容器の強度を向上させることができる。
ナノファイバーの平均繊維長は、5nm以上、40μm以下であることがより好ましく、10nm以上、20μm以下であることがさらに好ましい。
また、同様の理由から、ナノファイバーの平均繊維径は、2nm以上、10μm以下であることがより好ましく、10nm以上、5μm以下であることがさらに好ましい。
ナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長の測定は、ナノファイバーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像のスケールから測定した(n=10)。
なお、ナノファイバーにおいて長径と短径が存在する場合、長径を繊維長とする。
これらの中でも、ガスバリア性および製造コストという観点からは、グラスファイバーが好ましい。また、リサイクル性という観点からは、セルロースファイバーが好ましい。
合成セルロース繊維としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−1,4−又は2,6−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸類、ジフェノキシエタンジエタンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカン−1.10−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。
また飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、2,2−ビス(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、その他の芳香族ジオール類等を使用することができる。
上記の中でも、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエチレンテレフタレートを使用することが耐久性、耐熱性等という観点から好ましい。
ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂を含み、酸素バリア性、水蒸気バリア性および二酸化炭素バリア性を有する層である。
ポリアミド系樹脂以外にも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリグリコール(PGA)、ポリ塩化ビニリデン共重合体(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等を使用することができる。
ガスバリア層は、上記したガスバリア性樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。
遷移金属系触媒の金属成分としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン等が挙げられる。
繊維金属触媒は、上記金属成分の無機酸塩、有機酸塩または錯塩の形態で使用される。
無機酸塩としては、塩化物のハライド、オキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
有機酸塩としては、プロピオン酸塩、ブタン酸塩、ヘキサン塩、ステアリン酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。
錯塩としては、β−ジトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が挙げられる。
上記した中でも、コバルトの無機酸塩、有機酸塩または錯塩であることが好ましく、コバルトの有機酸塩であることがより好ましく、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。
本発明の多層プリフォームは、ナノファイバーを含むポリエステル系樹脂層と、ガスバリア層とを少なくとも備える。この多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形等することにより、上記多層容器を作製することができる。ポリエステル系樹脂層およびガスバリア層を構成する材料等は、上記した通りであるのでここでは省略する。
本発明の多層容器の製造方法は、多層プリフォームを準備する工程と、多層プリフォームを予備加熱する工程と、多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程を含んでなる。
多層プリフォームは、従来公知の共射出成形機(例えば、Kortec社製、商品名:IN−90)を用いて、上記した樹脂等を射出成形することにより作製することができる。また、多層プリフォームは、市販されるものを使用してもよい。
多層プリフォームの予備加熱は、従来公知の装置を用いて行うことができ、例えば、温風発生装置、赤外線照射装置等を使用することができる。
多層プリフォームの加熱温度は、90℃以上、135℃以下であることが好ましい。
予備加熱した多層プリフォームを、成形金型内において、二軸延伸ブロー成形することにより、本発明の多層容器を作製することができる。
ポリエステル系樹脂層および第2のポリエステル系樹脂層に使用する樹脂としてポリエチレンテレフタレート、ナノファイバーとしてグラスファイバー(繊維長:3μm、繊維径:10nm、長径/短径=1.5)を用いた。なお、ナノファイバーの含有量は、5質量%とした。
また、ガスバリア層に使用する樹脂として、ポリアミドMXD6にステアリン酸コバルトを混合したものを用いた。なお、ステアリン酸コバルトの含有量は、150ppmとした。
実施例1で使用したナノファイバーを、セルロースファイバー(繊維長:3μm、繊維径:10nm、長径/短径=1.5)に変更した以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
実施例1で使用したナノファイバーを、繊維長:450μm、繊維径:40nm、長径/短径=1.5のグラスファイバーに変更した以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
ポリエステル系樹脂層にナノファイバーを含有させなかった以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
上記実施例および比較例にて得られた多層容器に4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水を充填し、キャッピングした。炭酸水を充填した多層容器を38℃、湿度90%RHの条件下で放置した。7日後、30日後の層間の状態を以下の評価項目に従い、目視により評価した。
評価項目
○:層間に気泡の溜まりは全く見られなかった。
△:層間に多少の気泡の溜まりは見られたが、実用上問題ない程度であった。
×:層間に気泡の溜まりが見られ、層間剥離が開始していた。
酸素バリア試験
酸素透過試験器(MOCON社製、商品名:OXTRAN)を用いて、上記実施例および比較例にて得られた多層容器の酸素透過試験を行った。酸素透過試験は、22℃、湿度40%RHの環境下で行った。結果は表1に示される通りであった。
上記実施例および比較例にて得られた多層容器に4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、22℃、湿度40%RHの環境下で30日間放置した。30日後の炭酸水のGVを(株)ビスクル社製のダイレクトGV−1(商品名)を用いて測定し、GVの減少率を求めた。結果は表1に示される通りであった。
上記実施例および比較例にて得られた多層容器に炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、1mの高さからコンクリート面に、向かい多層容器を横の状態で落下させ、多層容器の破損の有無を確認し、以下の評価項目に従い、多層容器の強度を評価した。結果を表1にまとめた。
評価項目
○:破損が全く見られなかった。
△:破損が少し見られた。
×:破損が多く見られた。
上記実施例および比較例にて得られた多層容器のヘイズを、カラーコンピューター(村上色彩社製、商品名:CMC−35sp)を用いて測定した。結果は表1に示される通りであった。なお、ヘイズ(%)が低いほど多層容器の透明性が高いことを示す。
Claims (5)
- ナノファイバーを含むポリエステル系樹脂層と、ガスバリア層とを少なくとも備え、
前記ポリエステル系樹脂層は、前記ガスバリア層よりも内層側に配置されており、
前記ナノファイバーは、平均繊維長が1nm以上、400μm以下であり、平均繊維径が0.5nm以上、40μm以下であり、かつ、長径と短径との比(長径/短径)が、1.1以上、4.0以下であり、
前記ポリエステル系樹脂層における前記ナノファイバーの含有量が、2質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする、多層容器。 - 前記ガスバリア層上に、ナノファイバーを含む、第2のポリエステル系樹脂層を更に備える、請求項1に記載の多層容器。
- 前記ガスバリア層が、ポリアミド系樹脂および遷移金属系触媒を含む、請求項1又は2に記載の多層容器。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層容器を製造するための多層プリフォームであって、
ナノファイバーを含むポリエステル系樹脂層と、ガスバリア層とを少なくとも備え、
前記ポリエステル系樹脂層は、前記ガスバリア層よりも内層側に配置されており、
前記ナノファイバーは、平均繊維長が1nm以上、400μm以下であり、平均繊維径が0.5nm以上、40μm以下であり、かつ、長径と短径との比(長径/短径)が、1.1以上、4.0以下であり、
前記ポリエステル系樹脂層における前記ナノファイバーの含有量が、2質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする、多層プリフォーム。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層容器を製造する方法であって、
多層プリフォームを準備する工程と、
前記多層プリフォームを予備する工程と、
予備加熱された前記多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017000267A JP6953717B2 (ja) | 2017-01-04 | 2017-01-04 | 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017000267A JP6953717B2 (ja) | 2017-01-04 | 2017-01-04 | 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018108852A JP2018108852A (ja) | 2018-07-12 |
JP6953717B2 true JP6953717B2 (ja) | 2021-10-27 |
Family
ID=62844865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017000267A Active JP6953717B2 (ja) | 2017-01-04 | 2017-01-04 | 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6953717B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7126970B2 (ja) * | 2019-03-08 | 2022-08-29 | 日本製紙株式会社 | ガスバリア性膜状体形成用水性分散液、ガスバリア性膜状体、ガスバリア性積層体及びガスバリア性膜状体の製造方法 |
JP7115515B2 (ja) * | 2020-06-19 | 2022-08-09 | 大日本印刷株式会社 | プリフォーム及びボトル |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2335923B1 (en) * | 2008-09-29 | 2016-03-30 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Lightweight multilayered polyester container |
JP5446571B2 (ja) * | 2009-08-11 | 2014-03-19 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ポリエステル系容器 |
US8822001B2 (en) * | 2010-04-27 | 2014-09-02 | Graham Packaging Company, L.P. | Delamination resistant multilayer containers |
JP2014114401A (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-26 | Kirin Brewery Co Ltd | 複合材料及び容器 |
TWI645965B (zh) * | 2013-08-09 | 2019-01-01 | 日商三菱瓦斯化學股份有限公司 | 多層成形體 |
-
2017
- 2017-01-04 JP JP2017000267A patent/JP6953717B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018108852A (ja) | 2018-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7807270B2 (en) | Multilayered package with barrier properties | |
AU618770B2 (en) | Transparent gas-barrier multilayer structure | |
JP5305610B2 (ja) | 耐圧性ポリエステル容器及びその製造方法 | |
JP5652204B2 (ja) | 軽量多層ポリエステル容器 | |
WO2005099996A1 (ja) | 多層二軸延伸ブローボトル及びその製造方法 | |
WO2007072917A1 (ja) | 多層ボトル | |
JP6953717B2 (ja) | 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 | |
JP2019064025A (ja) | 多層プリフォームおよび多層容器 | |
JP5387054B2 (ja) | 耐落下衝撃性に優れた多層プラスチック容器 | |
JP6953718B2 (ja) | 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法 | |
JP6909441B2 (ja) | 多層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法 | |
JPS58197050A (ja) | 多層容器 | |
JP7417348B2 (ja) | 多層容器 | |
JP6930154B2 (ja) | 容器 | |
JP2018188200A (ja) | 多層容器 | |
JP2004351927A (ja) | 多層容器 | |
JP6930155B2 (ja) | 容器 | |
JP7351308B2 (ja) | 延伸体、ペットボトルおよび容器の製造方法 | |
JP7037739B2 (ja) | 容器および該容器を作製するためのプリフォーム | |
JPH04168148A (ja) | ポリエステル樹脂組成物およびその用途 | |
JP2004352361A (ja) | 多層容器 | |
JP6305182B2 (ja) | 多層容器 | |
WO2003103928A1 (ja) | 機能的特性に優れた合成樹脂製容器およびその製造方法 | |
JP2023132334A (ja) | 容器及びその予備成形体 | |
JP7459638B2 (ja) | プリフォーム及びボトル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191127 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210323 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210521 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210831 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210913 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6953717 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |