JP2018188200A - 多層容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性が顕著に改善された多層容器であって、ガスバリア層と、該層と隣合う層との間における二酸化炭素溜まりの発生を防止することのできる多層容器の提供。【手段】 本発明の多層容器は、内側から、ポリエステル系樹脂層、ガスバリア層および第2のポリエステル系樹脂層を備え、ポリエステル系樹脂層および/または前記第2のポリエステル系樹脂層が、ナノファイバーを含み、多層容器に4.0GVの炭酸飲料500mLを充填し、キャッピングした後、22℃、相対湿度40%の環境下において、1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した多層容器の容積の最大変化量A(mL)と、多層容器の容積B(mL)と、容器の重量C(g)とが、下記関係(1)を満たすことを特徴とする。0.00100<A/B・C<0.00190 (1)【選択図】図1

Description

本発明は、多層容器に関する。
従来、種々の物品を充填包装する包装用容器の1つとして、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂を射出成形し、得られたプリフォームをブロー成形することにより得られるプラスチック製容器が知られている。これらプラスチック製容器は、ガラス製容器と比べ、軽量、割れにくい、安価、製造が容易、そして大量生産が可能である等といった利点を有し、包装容器として広く用いられている。
これらプラスチック製容器には、充填する内容物に応じ、様々な機能が求められる。例えば、充填する内容物が炭酸水等の炭酸飲料である場合には、長期間にわたって、二酸化炭素を飲料または容器中に保持する二酸化炭素バリア性が容器には要求される。
このような要求に対し、例えば、容器の内側、外側にアルミニウムや酸化アルミニウム等からなる蒸着膜を備える容器が提案されている。
しかしながら、蒸着膜の形成は、ブロー成形時の延伸により蒸着膜が破損してしまうため、ブロー成形前のプリフォームに対しては行うことができない。そのため、搬送先に蒸着装置が設置されていない場合は、ブロー成形後の容器の状態で搬送しなければならず、搬送コストの増大を招いていた。
また、特開2003−334906号公報(特許文献1)において提案される、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシレンアジパミド等のガスバリア性樹脂および遷移金属触媒を含むガスバリア層を、中間層として備える多層容器によれば、輸送コストの問題を解消することができるが、そのガスバリア性には改善の余地があった。さらに、この多層容器に炭酸飲料を充填し、保管した場合、ガスバリア層とその他の層とのガスバリア性の差から、これら層間に二酸化炭素溜まりが発生してしまい、その外観を損なうのみならず、層間剥離を引き起こす可能性があった。
特開2003−334906号公報
今般、本発明者らは、内側から、ポリエステル系樹脂層、ガスバリア層および第2のポリエステル系樹脂層を備える多層容器において、該ポリエステル系樹脂層および/または第2のポリエステル系樹脂層にナノファイバーを含有させると共に、多層容器に4.0GVの炭酸飲料500mLを充填し、キャッピングした後、22℃、相対湿度40%の環境下において、1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した多層容器の容積の最大変化量をA(mL)、多層容器の容積をB(mL)と、容器の重量をC(g)としたときに、A/B・Cを特定の数値範囲とすることにより、多層容器のガスバリア性を向上させることができると共に、これら層間における二酸化炭素溜まりの発生を防止することができることを知見した。本発明はかかる知見に基づくものである。
したがって、本発明の目的は、ガスバリア性が顕著に改善された多層容器であって、ガスバリア層と、該層と隣合う層との間における二酸化炭素溜まりの発生を防止することのできる多層容器を提供することである。
本発明の多層容器は、
内側から、ポリエステル系樹脂層、ガスバリア層および第2のポリエステル系樹脂層を備え、
ポリエステル系樹脂層および/または前記第2のポリエステル系樹脂層が、ナノファイバーを含み、
多層容器に4.0GVの炭酸飲料500mLを充填し、キャッピングした後、22℃、相対湿度40%の環境下において、1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した多層容器の容積の最大変化量A(mL)と、多層容器の容積B(mL)と、容器の重量C(g)とが、下記関係(1)を満たすことを特徴とする。
0.00100<A/B・C<0.00190 (1)
上記態様においては、ナノファイバーの平均繊維長が、1nm以上、400μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、ナノファイバーの平均繊維径が、0.5nm以上、40μm以下であることが好ましい。
上記態様においては、ガスバリア層におけるナノファイバーの含有量が、1質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。
上記態様においては、ナノファイバーの長径と短径との比(長径/短径)が、1.1以上、4.0以下であることが好ましい。
上記態様においては、ガスバリア層が、ポリアミド系樹脂および遷移金属系触媒を含むことが好ましい。
本発明によれば、多層容器のガスバリア性を向上させることができると共に、これら層間における二酸化炭素溜まりの発生を防止することができるまた、輸送コストの増大を抑えることができる。
図1は、一実施形態における多層容器の部分垂直断面図である。 図2は、一実施形態における多層容器の部分垂直断面図である。 図3は、一実施形態における多層プリフォームの部分垂直断面図である。 図4は、一実施形態における多層プリフォームの部分垂直断面図である。
(多層容器)
本発明の多層容器は、図1に示されるように、内側から、ポリエステル系樹脂層11、ガスバリア層12、第2のポリエステル系樹脂層13を備えることを特徴とする。
また、他の実施形態において、本発明の多層容器10は、図2に示されるように、ポリエステル系樹脂層11、ガスバリア層12、第2のポリエステル系樹脂層13、第2のガスバリア層14、第3のポリエステル系樹脂層15を備えた5層構造を有する。
多層容器の厚さは、特に限定されるものではなく、20μm以上、700μm以下とすることができる。また、部分的に厚さを大きくしたり等、調整することもできる。
多層容器の形状は特に限定されず、図1に示すような、口部16、首部17、肩部18、胴部19および底部20を有する構成とすることができる。
また、底部の形状は特に限定されるものではなく、充填する内容物に応じ、例えば、丸底形状やペタロイド形状とすることができる。
本発明の多層容器は、4.0GVの炭酸飲料を500mL充填し、キャッピングした後、22℃、相対湿度40%の環境下において、1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した多層容器の容積の最大変化量A(mL)と、多層容器の容積B(mL)と、多層容器の重量C(g)とが、下記関係(1)を満たすことを特徴とする。
0.00100<A/B・C<0.00190 (1)
これにより、多層容器の二酸化炭素バリア性を向上させることができる。また、寸法変化が小さいため、大容量の容器とすることができる。
また、より好ましくは、下記関係(2)を満たす。
0.00120<A/B・C<0.00170 (2)
(ポリエステル系樹脂層)
本発明の多層容器は、ポリエステル系樹脂層および第2のポリエステル系樹脂層を備えるものである。ポリエステル系樹脂層および第2のポリエステル系樹脂層を構成する材料やその厚さ等は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、多層容器が、第3以降のポリエステル系樹脂層を備える場合も同様である。
ポリエステル系樹脂層に含まれるポリエステル系樹脂としては、例えば、飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとからなる熱可塑性樹脂が使用できる。
飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−1,4−又は2,6−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸類、ジフェノキシエタンジエタンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカン−1.10−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。
また飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、2,2−ビス(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、その他の芳香族ジオール類等を使用することができる。
上記の中でも、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエチレンテレフタレートを使用することが耐久性、耐熱性等という観点から好ましい。
ポリエステル系樹脂層におけるポリエステル系樹脂の含有量は、60質量%以上、98質量%以下であることが好ましく、70質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
一実施形態において、ポリエステル系樹脂層は、ポリエステル系樹脂以外のその他の樹脂を含んでいてもよく、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。
本発明の多層容器が備えるポリエステル系樹脂層は、ナノファイバーを含んでなる。ポリエステル系樹脂層がナノファイバーを含むことにより、多層容器のガスバリア性をより向上させることができる。
また、多層容器の強度を向上させることができるため、炭酸飲料を充填した場合における多層容器の膨張を抑えることができる。
さらに、ガスバリア層を有する多層容器に、炭酸飲料等を充填し、保管するとガスバリア層と、ガスバリア層と隣接する層との間に二酸化炭素溜まりが発生してしまうことがあるが、ポリエステル系樹脂層にナノファイバーを含有させることにより、この二酸化炭素溜まりの発生を防止することができる。
本発明において、「ナノファイバー」とは、ナノオーダーの繊維片だけではなく、マイクロオーダーの繊維片も含まれうる。
具体的には、ナノファイバーの平均繊維長は、0.5nm以上、400μm以下であることが好ましく、平均繊維径は、1nm以上、40μm以下であることが好ましい。
ナノファイバーの平均繊維長および平均繊維径を上記の数値範囲とすることにより、ポリエステル系樹脂層におけるナノファイバーの分散性向上させることができ、多層容器のガスバリア性をより高めることができる。また、多層容器の透明性を向上させることができると共に、ブロー成形時において、ナノファイバーの配向を無くすことができ、多層容器の強度を向上させることができる。
ナノファイバーの平均繊維長は、5nm以上、40μm以下であることがより好ましく、10nm以上、20μm以下であることがさらに好ましい。また、同様の理由から、ナノファイバーの平均繊維径は、2nm以上、10μm以下であることがより好ましく、10nm以上、5μm以下であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、ナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長の測定は、ナノファイバーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、画像のスケールから測定した(n=10)。ナノファイバーにおいて長径と短径が存在する場合、長径を繊維長とした。
ナノファイバーの断面形状は、特に限定されるものではないが、ナノファイバーにおいて長径と短径が存在する場合、長径と短径との比(長径/短径)は、1.1以上、4.0以下であることが好ましく、1.4以上、3.0以下であることがより好ましい。ナノファイバーの長径と短径との比を上記数値範囲とすることにより、ナノファイバーのポリエステル系樹脂層における分散性を高めることができ、多層容器のガスバリア性をより向上させることができる。
ナノファイバーとしては、グラスファイバー、セルロースファイバー、カーボンファイバー、金属酸化物ファイバー、合成樹脂ファイバー等を挙げることができる。
これらの中でも、ガスバリア性および製造コストという観点からは、グラスファイバーが好ましい。また、リサイクル性という観点からは、セルロースファイバーが好ましい。
グラスファイバーとしては、従来公知のグラスファイバーを使用することができ、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、石英ガラス等を使用することができる。
セルロースファイバーとしては、例えば、β−1,4−グルカン構造を有する多糖類で形成されている限り、特に制限されず、植物由来のセルロース繊維、動物由来のセルロース繊維、バクテリア由来のセルロース繊維、合成セルロース繊維のいずれを使用してもよい。
合成セルロース繊維としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
カーボンファイバーとしては、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノコイル、カップ積層型カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、グラファイトナノファイバー等が挙げられる。
金属酸化物ファイバーとしては、SiO、ZnO、TiO、Al、ZrO等が挙げられる。
合成樹脂ファイバーとしては、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等からなる樹脂ファイバーが挙げられる。
ポリエステル系樹脂層におけるナノファイバーの含有量は、1質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、20質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上、10質量%以下であることがさらに好ましい。ナノファイバーの含有量を上記数値範囲とすることにより、多層容器のガスバリア性をより向上させることができる。
また、多層容器の強度をより向上させることができると共に、二酸化炭素溜まりの発生をより防止することができる。
さらには、多層容器の透明性も維持することができると共に、回収・粉砕時において各層の剥離を良好に行うことができる。
ポリエステル系樹脂層は、各種の添加剤を含んでいてもよく、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤および顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
ブロー成形後のポリエステル系樹脂層の厚さは、20μm以上、700μm以下であることが好ましく、100μm以上、500μm以下であることがより好ましい。ポリエステル系樹脂層の厚さを上記数値範囲とすることにより、ガスバリア性を向上させることができると共に、ブロー成形性を良好なものとすることができる。
(ガスバリア層)
ガスバリア層は、ガスバリア性、すなわち、酸素バリア性、水蒸気バリア性および二酸化炭素バリア性を有する層である。
ガスバリア層は、ガスバリア性樹脂を含んでなり、例えば、メタキシレンアジパミド(MXD6)、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/ナイロン6,6共重合体等のポリアミド系樹脂を使用することができる。
ポリアミド系樹脂以外にも、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVOH)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリグリコール(PGA)、ポリ塩化ビニリデン共重合体(PVDC)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等を使用することができる。
ガスバリア層は、上記したガスバリア性樹脂を1種または2種以上含んでいてもよい。
ガスバリア層におけるガスバリア性樹脂の含有量は、20質量%以上、98質量%以下であることが好ましく、40質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。ガスバリア性樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、多層容器のガスバリア性をより向上させることができる。
ガスバリア層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記したガスバリア性樹脂以外のその他の樹脂を含んでいてもよく、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、セルロース系樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる
一実施形態において、ガスバリア層は、上記ナノファイバーを含んでなる。ガスバリア層がナノファイバーを含んでなることにより多層容器のガスバリア性を顕著に改善することができる。
ポリアミド系樹脂を含む場合、ガスバリア層は、遷移金属系触媒を含む無機酸塩または有機酸塩の錯塩を含むことが好ましい。これにより、多層容器のガスバリア性をより向上させることができる。
遷移金属系触媒の金属成分としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン等が挙げられる。
繊維金属触媒は、上記金属成分の無機酸塩、有機酸塩または錯塩の形態で使用される。
無機酸塩としては、塩化物のハライド、オキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
有機酸塩としては、プロピオン酸塩、ブタン酸塩、ヘキサン塩、ステアリン酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。
錯塩としては、β−ジトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が挙げられる。
上記した中でも、コバルトの無機酸塩、有機酸塩または錯塩であることが好ましく、コバルトの有機酸塩であることがより好ましく、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。
ガスバリア層における繊維金属系触媒の含有量は、金属の重量割合で、50ppm以上、600ppm以下であることが好ましく、200ppm以上、500ppm以下であることがより好ましい。
また、ガスバリア層は、上記した各種の添加剤を含んでいてもよい。
ブロー成形後のガスバリア層の厚さは、1μm以上、300μm以下であることが好ましく、10μm以上、100μm以下であることがより好ましい。ガスバリア層の厚さを上記数値範囲とすることにより、ブロー成形性を良好なものとすることができる。
(多層容器の製造方法)
本発明の多層容器の製造方法は、多層プリフォームを準備する工程と、多層プリフォームを予備加熱する工程と、多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形する工程を含んでなる。
(多層プリフォームを準備する工程)
多層プリフォームは、従来公知の共射出成形機(例えば、Kortec社製、商品名:IN−90)を用いて、上記した樹脂等を射出成形することにより作製することができる。また、多層プリフォームは、市販されるものを使用してもよい。
図3に示すように、本発明の多層プリフォーム21は、ポリエステル系樹脂層22と、ガスバリア層23と、第2のポリエステル系樹脂層24と、を少なくとも備える。この多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形等することにより、上記多層容器を作製することができる。ポリエステル系樹脂層およびガスバリア層を構成する材料等は、上記した通りであるのでここでは省略する。
また、他の実施形態において、本発明の多層プリフォーム21は、図4に示されるように、ポリエステル系樹脂層22、ガスバリア層23、第2のポリエステル系樹脂層24、第2のガスバリア層25、第3のポリエステル系樹脂層26を備えた5層構造を有する。
多層プリフォームにおいて、ポリエステル系樹脂層の厚さは、800μm以上、4000μm以下であることが好ましく、1000μm以上、2000μm以下であることがより好ましい。ポリエステル系樹脂層の厚さを上記数値範囲とすることにより、二軸延伸ブロー成形を良好に実施することができる。すなわち、ナノファイバー特有の配向を無くすことができ、多層容器の透明性を向上させることができると共に、多層容器の強度を向上させることができる。
多層プリフォームにおいて、ガスバリア層の厚さは、50μm以上、800μm以下であることが好ましく、70μm以上、500μm以下であることがより好ましい。ガスバリア層の厚さを上記数値範囲とすることにより、ブロー成形時において層間剥離が起こってしまうことを防止することができる。また、回収・粉砕時においては各層を良好に剥離することができる。
(予備加熱工程)
多層プリフォームの予備加熱は、従来公知の装置を用いて行うことができ、例えば、温風発生装置、赤外線照射装置等を使用することができる。
多層プリフォームの加熱温度は、90℃以上、135℃以下であることが好ましい。
(二軸延伸ブロー成形工程)
予備加熱した多層プリフォームを、成形金型内において、二軸延伸ブロー成形することにより、本発明の多層容器を作製することができる。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエステル系樹脂層および第2のポリエステル系樹脂層に使用する樹脂としてポリエチレンテレフタレートを用い、ナノファイバーとしてグラスファイバー(繊維長:3μm、繊維径:10nm、長径/短径=1.5)を用いた。なお、ナノファイバーの含有量は、8質量%とした。
また、ガスバリア層に使用する樹脂として、ポリアミドMXD6にステアリン酸コバルトを混合したものを用いた。なお、ステアリン酸コバルトの含有量は、150ppmとした。
これらの材料につき、共射出成形機(Kortec社製、商品名:IN−90)を用いて3層構造(ポリエステル系樹脂層/ガスバリア層/第2のポリエステル系樹脂層)のプリフォームを作製した。多層プリフォームにおいて、各層の厚さはそれぞれ、1500μm、150μm、1500μmであった。
上記のようにして得られたプリフォームを赤外線照射加熱装置により、110℃に加熱した後、成形金型内において、二軸延伸ブロー成形することにより、図1に示す形状を有する、満注容量280mLの多層容器を作製した。ブロー成形後の3層構造(ポリエステル系樹脂層/ガスバリア層/第2のポリエステル系樹脂層)の各層の厚さはそれぞれ、120μm、30μm、120μmであった。また、多層容器の重量は、24gであった。
上記のようにして作製した多層容器に、4.0GVの炭酸水ををヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、22℃、湿度40%RHの環境下で1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した。
1日間静置した前記多層容器の容積の最大変化量Aは、15mLであり、A/B・C=0.00125であった。
(実施例2)
実施例1で使用したナノファイバーを、セルロースファイバー(繊維長:3μm、繊維径:10nm、長径/短径=1.5)に変更した以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
また、実施例1と同様に、最大変化量Aを測定したところ、17mLであり、A/B・C=0.00140であった。
(実施例3)
実施例1で使用したナノファイバーを、繊維長:450μm、繊維径:40nm、長径/短径=1.5のグラスファイバーに変更した以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
また、実施例1と同様に、最大変化量Aを測定したところ、22mLであり、A/B・C=0.00180であった。
(比較例1)
ポリエステル系樹脂層および第2のポリエステル系樹脂層にナノファイバーを含有させなかった以外は、実施例1と同様にして多層容器を作製した。
また、実施例1と同様に、最大変化量Aを測定したところ、30mLであり、A/B・C=0.00250であった。
<ガスバリア性試験>
酸素バリア試験
酸素透過試験器(MOCON社製、商品名:OXTRAN)を用いて、上記実施例および比較例にて得られた多層容器の酸素透過試験を行った。酸素透過試験は、22℃、湿度40%RHの環境下で行った。結果は表1に示される通りであった。
二酸化炭素バリア試験
上記実施例および比較例にて得られた多層容器に4.0GV(ガスボリューム)の炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、22℃、湿度40%RHの環境下で30日間静置した。30日後の炭酸水のGVを(株)ビスクル社製のダイレクトGV−1(商品名)を用いて測定し、GVの減少率を求めた。結果は表1に示される通りであった。
強度試験
上記実施例および比較例にて得られた多層容器に炭酸水をヘッドスペースが20mLとなるように充填した後にキャッピングをし、1mの高さからコンクリート面に、向かい多層容器を横の状態で落下させ、多層容器の破損の有無を確認し、以下の評価項目に従い、多層容器の強度を評価した。結果を表1にまとめた。
評価項目
○:破損が全く見られなかった。
△:破損が少し見られた。
×:破損が多く見られた。
<層間剥離防止性試験>
上記実施例1乃至実施例5にて得られた多層容器に炭酸水を充填し、キャッピングした。炭酸水を充填した多層容器を38℃、湿度90%RHの条件下で静置した。7日後、30日後の層間の状態を以下の評価項目に従い、目視により評価した。
評価項目
○:層間に気泡の溜まりは全く見られなかった。
△:層間に多少の気泡の溜まりは見られたが、実用上問題ない程度であった。
×:層間に気泡の溜まりが見られ、層間剥離が開始していた。
10:多層容器、11:ポリエステル系樹脂層、12:ガスバリア層、13:第2のポリエステル系樹脂層、14:第2のガスバリア層、15:第3のポリエステル系樹脂層、16:口部、17:首部、18:肩部、19:胴部、20:底部、21:多層プリフォーム、22:ポリエステル系樹脂層、23:ガスバリア層、24:第2のポリエステル系樹脂層、25:第2のガスバリア層、26:第3のポリエステル系樹脂層

Claims (6)

  1. 内側から、ポリエステル系樹脂層、ガスバリア層および第2のポリエステル系樹脂層を備える多層容器であって、
    前記ポリエステル系樹脂層および/または前記第2のポリエステル系樹脂層が、ナノファイバーを含み、
    前記多層容器に4.0GVの炭酸飲料500mLを充填し、キャッピングした後、22℃、相対湿度40%の環境下において、1日間静置し、さらに38℃、相対湿度65%の環境下において、1日間静置した前記多層容器の容積の最大変化量A(mL)と、前記多層容器の容積B(mL)と、前記容器の重量C(g)とが、下記関係(1)を満たすことを特徴とする、多層容器。
    0.00100<A/B・C<0.00190 (1)
  2. 前記ナノファイバーの平均繊維長が、1nm以上、400μm以下である、請求項1に記載の多層容器。
  3. 前記ナノファイバーの平均繊維径が、0.5nm以上、40μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層容器。
  4. 前記ガスバリア層における前記ナノファイバーの含有量が、1質量%以上、40質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層容器。
  5. 前記ナノファイバーの長径と短径との比(長径/短径)が、1.1以上、4.0以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層容器。
  6. 前記ガスバリア層が、ポリアミド系樹脂および遷移金属系触媒を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層容器。
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