JP6909441B2 - 多層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法 - Google Patents

多層プリフォームの製造方法および多層容器の製造方法 Download PDF

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本発明は、多層プリフォームの製造方法、より詳細には、層間剥離の発生を顕著に防止することのできる多層プリフォームの製造方法、および該方法により得られた多層プリフォームを用いた多層容器の製造方法に関する。
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂は、その機械的特性、化学的安定性、耐熱性、ガスバリア性、透明性などに優れ、かつ安価であることから、飲食品等を収容する容器等の製造に広く使用されている。
これらプラスチック製容器には、充填する内容物に応じ、様々な機能が求められる。例えば、充填する内容物が炭酸水等の炭酸飲料である場合には、二酸化炭素バリア性、酸素バリア性および水蒸気バリア性等のガスバリア性が要求される。
例えば、特開2003−334906号公報(特許文献1)には、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメタキシレンアジパミド等のガスバリア性樹脂および遷移金属触媒を含むガスバリア層を、中間層として備えるプラスチック製多層容器が提案されている。
特許文献1において開示される多層容器に飲料等の内容物が充填され、加温した場合、容器内圧は増加するが、この容器を開栓せずに、放置し、冷却した場合、容器内圧は減少する。
特許文献1において開示される多層容器は、各層が、接着剤等を使用して接着されたものではないため、加熱および冷却を繰り返すことによる容器内圧の増減により、層間剥離が発生してしまうおそれがあった。
特開2003−3349906号公報
今般、本発明者は、驚くべき事に、多層容器の製造に用いられる多層プリフォームの製造方法において、隣合う層を構成する樹脂組成物の射出温度を調整することにより、上記問題を解決することができるとの知見を得た。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、容器内圧の増減による層間剥離の発生を顕著に防止することのできる多層容器の製造に使用することのできる多層プリフォームの製造方法を提供することである。
本発明の多層プリフォームの製造方法は、
2種以上の樹脂組成物を加熱溶融する工程と、
加熱溶融した樹脂組成物を金型内に射出する工程と、を含み、
多層プリフォームが、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層およびポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層を隣合う層として少なくとも備え、
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度Aと、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度Bとの差が、20℃以下であることを特徴とする。
一実施形態において、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度は、260℃以上、290℃以下である。
一実施形態において、チタン触媒ポリエステル系樹脂は、チタン触媒ポリエチレンテレフタレートである。
一実施形態において、本発明の方法により製造される多層プリフォームは、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層/ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層/チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層からなる3層構造を有する。
一実施形態において、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物における前記チタン触媒ポリエステル系樹脂の含有量は、50質量%以上、99質量%以下である。
一実施形態において、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層が、遷移金属系触媒を100ppm以上、2000ppm以下含む。
本発明の多層容器の製造方法は、上記方法により製造される多層プリフォームを加熱する工程と、
多層プリフォームをブロー成形金型内においてブロー成形する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の方法により製造された多層プリフォームによれば、容器内圧の増減による層間剥離の発生を顕著に防止することのできる多層容器を製造することができる。
図1は、本発明の方法により製造される多層プリフォームの垂直断面図である。 図2は、本発明の方法により製造される多層プリフォームの垂直断面図である。 図3は、本発明の方法により使用される射出成形装置の概略図である。 図4は、本発明の方法により使用される射出成形装置の概略図である。 図5は、本発明の方法により製造される多層容器の垂直断面図である。 図6は、多層容器の製造方法を示す概略図である。 図7は、実施例における層間剥離防止性試験を説明するための概略図である。
(多層プリフォームの製造方法)
本発明の多層プリフォームの製造方法は、2種以上の樹脂組成物を加熱溶融する工程と、加熱溶融した樹脂組成物を金型内に射出する工程と、を含む。
一実施形態において、本発明の方法により製造される多層プリフォーム10は、図1に示すように、口部11と、口部11に連結された胴部12と、胴部12に連結された底部13とを備えている。
本発明の方法により製造される多層プリフォームは、樹脂組成物により形成される層を、2層以上備えていれば特に限定されない。
例えば、図1に示すように、多層プリフォームは、3層構造を有するものであってもよく、図2に示すように、5層構造を有するものであってもよい。
また、本発明の方法により製造される多層プリフォームは、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層およびポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層を隣合う層として少なくとも備える。
一実施形態において、図1に示すように、多層プリフォーム10は、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層14/ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層15/チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層14という3層構造を有する。
このとき、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層の厚さは、50μm以上、800μm以下であることが好ましく、100μm以上、500μm以下であることがより好ましい。ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層の厚さを上記数値範囲とすることにより、成形性、リサイクル性、バリア性のある容器作製が可能となる。
また、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層の厚さは、0.3mm上、2mm下であることが好ましく、0.5mm以上、1mm以下であることがより好ましい。
本発明の方法により製造される多層プリフォームは、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層およびポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層以外の層を備えていてもよい。
本発明の方法には、図3に示される射出成形装置20を使用することができる。
射出成形装置20は、射出金型21およびコア金型22を備え、これらの間に多層プリフォームの形状に対応するキャビティ23が形成される。
射出成形装置20は、射出金型21の多層プリフォームの底部に対応する位置に、ゲート24を備え、該ゲート24と、射出機25、26とが、ノズル27を介して接続される。
射出成形装置20が備える射出機25、26は、バレル28および該バレル28内部に配置されるスクリュー29を備える。
(加熱溶融工程)
本発明の方法は、2種以上の樹脂組成物を加熱溶融する工程を含む。
加熱溶融工程は、通常、共射出成形装置が備えるバレル内にて行われ、該樹脂組成物としては、少なくとも、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物およびポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物がそれぞれ使用される。
本発明の方法に含まれる射出工程において、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度Aと、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融Bとの差(A−B)は、20℃以下である。両樹脂の射出温度の差を20℃以下とすることにより、該方法により製造される多層プリフォームを使用して得られる多層容器の層間剥離防止性を顕著に向上することができる。
より好ましくは、加熱溶融温度の差は、15℃以下である。
本発明において、「チタン触媒ポリエステル系樹脂」とは、ポリエステル系樹脂を作製する際の重合触媒として、チタン触媒を使用した樹脂のことを意味する。
また、ポリエステル系樹脂とは、多価カルボン酸と、多価アルコールとを縮重合することにより得られる樹脂のことを指す。
多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、ゼバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカンジオール、2−エチル−ブチル−1−プロパンジール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
これらの中でも、得られる多層容器の機械的強度および製造コストという観点から、テレフタル酸と、エチレングリコールとの重合物である、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
なお、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物は2種以上のチタン触媒ポリエステル系樹脂を含んでいてもよい。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物におけるチタン触媒ポリエステル系樹脂の含有量は、50質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
チタン触媒ポリエステル系樹脂の含有量を上記数値範囲とすることにより、該方法により製造される多層プリフォームを使用して得られる多層容器の機械的強度を向上することができる。
なお、本発明の方法に、チタン触媒ポリエステル系樹脂の含有量の異なる2種以上のチタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物を使用してもよい。
本発明の特性を損なわない範囲において、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物は、作製する際の重合触媒として、チタン触媒以外の触媒(ジルコニウム触媒、アンチモン触媒、セリウム触媒、ゲルマニウム触媒、亜鉛触媒等)を使用したポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩酸ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールおよびポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレートおよびポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂等を含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物は、各種の添加剤を含んでいてもよく、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤及び顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度は、260℃以上、290℃以下であることが好ましく、280℃以上、290℃以下であることがより好ましい。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度を、上記数値範囲とすることにより、アセトアルデヒドの発生を抑制することができる。
なお、本発明において、「加熱溶融温度」とは、加熱溶融された樹脂組成物の温度を指す。
また、通常、チタン触媒以外の触媒を使用したポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度を上記数値範囲とした場合、プリフォームにおいて該樹脂組成物が白化し、その外観を損なってしまう可能性があるが、本発明においては、チタン触媒ポリエステル系樹脂を使用しているため、白化の発生を抑制することができる。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融は、窒素雰囲気下または真空中において行われることが好ましい。これにより、チタン触媒ポリエステル系樹脂の熱分解に起因するアセトアルデヒドの発生を抑制することができる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカンアミド、ポリドデカンアミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカミド、ポリウンデカメチレンアジパミド、ポリデカメチレンセバカミド、ポリデカメチレンドデカミド、ポリドデカメチレンセバカミド、ポリドデカメチレンドデカミド、トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリ2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンテレフタルアミド、ポリ2−メチルオクタメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリ2−メチルペンタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリノナメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリ2−メチルオクタメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリビス(3−メチル−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリデカメチレンテレフタルアミド、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド、ポリドデカメチレンテレフタルアミド、ポリデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリウンデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド、ポリドデカメチレンシクロヘキサンジカルボキサミド等が挙げられる。
これらの中でも、、酸素ガスおよび水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性という観点から、ポリメタキシリレンアジパミドが特に好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物は2種以上のポリアミド系樹脂を含んでいてもよい。また、
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物におけるポリアミド系樹脂の含有量は、50質量%以上、99.9質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、99.5質量%以下であることがより好ましい。樹脂組成物におけるポリアミド系樹脂の含有量を上記数値範囲と使用することにより、プリフォームのガスバリア性を向上させることができる。
なお、本発明の方法に、ポリアミド系樹脂の含有量の異なる2種以上のポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物を使用してもよい。
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物は、遷移金属系触媒を含むことが好ましく、これにより、プリフォームのガスバリア性を向上させることができる。
遷移金属系触媒を構成する金属としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム等が挙げられる。
遷移金属塩の具体例としては、ステアリン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト等が挙げられ、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物における遷移金属系触媒の含有量は、100ppm以上、2000ppm以下であることが好ましく、150ppm以上、400ppm以下であることがより好ましい。遷移金属系触媒の含有量を上記数値範囲とすることにより、プリフォームのガスバリア性をより向上させることができると共に、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の成形性を維持することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩酸ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールおよびポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレートおよびポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、スチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂等を含むことができる。
また、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物は、各種の添加剤を含んでいてもよく、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、分散剤、紫外線吸収剤及び顔料や染料等の着色剤等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度は、245℃以上、285℃以下であることが好ましく、265℃以上、275℃以下であることがより好ましい。
(射出工程)
図4に示すように、バレル28内において溶融した樹脂組成物30、31を、スクリュー29を前進させることにより、射出金型21およびコア金型22により形成されるキャビティ23内に射出させることができる。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の射出温度は、260℃以上、300℃以下であることが好ましく、280℃以上、290℃以下であることがより好ましい。
チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の射出温度を、上記数値範囲とすることにより、アセトアルデヒドの発生を抑制することができると共に、該樹脂組成物の成形性を良好なものとすることができる。
ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の射出温度は、245℃以上、285℃以下であることが好ましく、265℃以上、275℃以下であることがより好ましい。ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の射出温度を、上記数値範囲とすることにより、該樹脂組成物の成形性を良好なものとすることができる。
(多層容器の製造方法)
本発明の多層容器の製造方法は、
上記した方法により製造された多層プリフォームを加熱する工程と、
前記多層プリフォームをブロー成形金型内においてブロー成形する工程と、を含む。
一実施形態において、本発明の方法により製造される多層容器40は、図5に示すように、口部41と、口部41下方に設けられた首部42と、首部42下方に設けられた肩部43と、肩部43下方に設けられた、胴部44と、胴部44下方に設けられた底部45とを備えている。
また、内容物の充填後に容器を加温する場合、多層容器40は、図5に示すような容器内方へ凹むパネル部46を各側面の胴部44に有することが好ましい。
また、多層容器40は、図5に示すように、その胴部44下方に円周方向に延びる横リブ47を有していることが好ましい。これにより、胴部44の強度を向上させることができる。
(加熱工程)
多層プリフォームの加熱は、近赤外線、温風やマイクロウェーブ等を利用した加熱装置51により行うことができる。
多層プリフォームの加熱温度は、90℃以上、140℃以下であることが好ましく、100℃以上、120℃以下であることがより好ましい。
(ブロー成形工程)
本発明の方法は、加熱された多層プリフォームをブロー成形金型内においてブロー成形する工程を含む。
一実施形態において、図6(a)に示すように、ブロー成形金型50は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる。一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、多層プリフォーム10が挿入される。
次に、図6(b)に示すように、底部金型50cを下げると共に一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。
次に、多層プリフォーム10の口部から、プリフォーム内面の底部に接触するようにロッドが挿入される(図示せず)と共に、多層プリフォーム10内に空気が圧入され、多層プリフォーム10が二軸延伸ブロー成形され、多層容器40が製造される(図6(c)参照)。
最終的に、図6(d)に示すように、一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cから、多層容器50が取り出される。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
チタン触媒ポリエチレンテレフタレートを含む樹脂組成物X、ならびにポリメタキシリレンアジパミドおよびステアリン酸コバルトを含む樹脂組成物Yを準備した。
準備した2種類の樹脂組成物を、図4に示す射出成形装置の異なる射出機内において加熱溶融した。樹脂組成物Xの加熱溶融温度を285℃、樹脂組成物Yの加熱溶融温度を270℃とした。
加熱溶融した樹脂組成物XおよびYを、射出金型とコア金型とから形成されるキャビティ内に射出し、成形することにより、樹脂組成物Xからなる層/樹脂組成物Yからなる層/樹脂組成物Xからなる層からなる2種3層構造を有する多層プリフォームを製造した。
なお、樹脂組成物Xからなる層の厚さは1.8mm、樹脂組成物Yからなる層の厚さは0.35mmであった。
<実施例2>
加熱溶融した樹脂組成物XおよびYの射出温度をそれぞれ290℃、270℃に変更した以外は、実施例1と同様にして多層プリフォームを作製した。
<比較例1>
加熱溶融した樹脂組成物XおよびYの加熱溶融温度をそれぞれ300℃、260℃に変更した以外は、実施例1と同様にして多層プリフォームを作製した。
<比較例
樹脂組成物Xに含まれるチタン触媒ポリエチレンテレフタレートを、ゲルマニウム触媒ポリエチレンテレフタレートに変更した以外は、実施例1と同様にして多層プリフォームを作製した。
<<層間剥離防止性試験>>
上記実施例および比較例において得られた多層プリフォームを近赤外線ヒーターを用いて、120℃まで加熱し、図6に表されるブロー成形金型に搬送した。このブロー成形金型内において、多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形し、満注容量が280mLの図5に示される形状の多層容器を得た。
上記のようにして作製した多層容器を60℃において3日間加熱した。
次いで、柱部が上方向となるように、多層容器を横置きにし(図7参照)、10mm×10mm×150mmの柱治具50を用い、圧縮スピード0.8mm/秒にて多層容器を圧縮し、層間剥離が生じた時の荷重(kgf)をAgr社製Toploadにより測定した。
測定結果を表1にまとめた。
<<アセトアルデヒド溶出試験>>
上記実施例および比較例において得られた多層プリフォームを近赤外線ヒーターを用いて、120℃まで加熱し、図6に表されるブロー成形金型に搬送した。このブロー成形金型内において、多層プリフォームを二軸延伸ブロー成形し、満注容量が280mLの図5に示される形状の多層容器を得た。
精製水280mLを多層容器に充填し、蓋を閉め、密封し、70℃で1週間放置した。
放置後、内容物を取り出し、PFBOA法により、ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて、アセトアルデヒドの溶出分量を測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<外観試験>>
上記のようにして作製された多層容器の外観を下記評価基準に従い評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
○:多層容器に白化は見られず、良好な外観を有していた。
×:多層容器に白化が見られた。
Figure 0006909441
10:多層プリフォーム、11:口部、12:胴部、13:底部、14:チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層、15:ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層、20:射出成形装置、21:射出金型、22:コア金型、23:キャビティ、24:ゲート、25、26:射出機、27:ノズル、28:バレル、29:スクリュー、30、31:樹脂組成物、40:多層容器、41:口部、42:首部、43:肩部、44:胴部、45:底部、46:パネル部、47:横リブ、50:ブロー成形金型、50a、50b:胴部金型、50c:底部金型、51:加熱装置

Claims (6)

  1. 2種以上の樹脂組成物を加熱溶融する工程と、
    加熱溶融した前記樹脂組成物を金型内に射出する工程と、を含む多層プリフォームの製造方法であって、
    前記多層プリフォームが、チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層およびポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層を隣合う層として少なくとも備え、
    前記チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度Aと、前記ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度Bとの差が、20℃以下であり、
    前記チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物の加熱溶融温度が、260℃以上、290℃以下であることを特徴とする、多層プリフォームの製造方法。
  2. 前記チタン触媒ポリエステル系樹脂が、チタン触媒ポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記多層プリフォームが、前記チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層/前記ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層/前記チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物からなる層からなる3層構造を有する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記チタン触媒ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物における前記チタン触媒ポリエステル系樹脂の含有量が、50質量%以上、99質量%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリアミド系樹脂を含む樹脂組成物からなる層が、遷移金属系触媒を100ppm以上、2000ppm以下含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法により製造される多層プリフォームを加熱する工程と、
    前記多層プリフォームをブロー成形金型内においてブロー成形する工程と、
    を含むことを特徴とする、多層容器の製造方法。
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