JP2014114401A - 複合材料及び容器 - Google Patents

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Satoru Kinoshita
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栄太朗 松井
Atsushi Hotta
篤 堀田
Daisei Tanaka
大生 田中
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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い弾性率を有し、かつ、耐座屈性に優れる複合材料及び容器を提供することである。また、副次的な本発明の目的は、衛生性を確保しつつ、複合材料のベースとなるプラスチック樹脂の成形手段に基づいて簡易に成形できる複合材料及び包装容器を提供することである。
【解決手段】本発明に係る複合材料は、プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む複合材料において、前記結晶性セルロースの結晶化度が、45%以上であり、前記結晶性セルロースの含有量が、前記プラスチック樹脂に対して0.5〜10質量%である。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む複合材料及び包装容器に関する。
プラスチック樹脂は、環境上及び経済上の観点から、個々の包装容器製品に対する使用量の削減が求められている。しかし、プラスチック樹脂の使用量を削減するために、軽量化・薄肉化を図ると、強度が不足する問題がある。そこで、プラスチック樹脂の強度を向上するために、プラスチック樹脂にセルロースを添加する技術が開示されている(例えば、特許文献1又は2を参照。)。
特許文献1は、ポリ乳酸樹脂に、結晶化度が50%未満の非晶化されたセルロースを添加したポリ乳酸樹脂組成物用原料を用いて、特定の条件で溶融混練を行うことによって製造したポリ乳酸樹脂組成物を開示する。特許文献2は、生分解性樹脂に、特定の製造方法を介することにより結晶化度を低減した、特定の結晶化度を有するセルロースを添加した生分解性樹脂組成物を開示する。
特開2011−152787号公報 特開2011−46954号公報
プラスチック樹脂とセルロースとを含有する複合材料が、ボトルなどの容器を成形するための包装材料である場合、複合材料に求められる特性は、例えば、高い弾性率を有すること、及び耐座屈性に優れることである。これらの要件を満たし、包装材料として利用に適した複合材料が求められている。特許文献1又は2に記載の組成物では、セルロースの結晶度が低いため、弾性率が不足して、包装材料としての利用に適さない。
プラスチック樹脂とセルロースとを含有する複合材料が、シートやフィルムなどの平坦物を成形するための包装材料である場合、複合材料に求められる特性は、例えば、簡易に弾性率の向上が可能となることである。特に既存の設備、成形方法が利用でき、簡易に成形できる複合材料が求められている。
本発明の目的は、高い弾性率を有し、かつ、耐座屈性に優れる複合材料及び包装容器を提供することである。また、副次的な本発明の目的は、衛生性を確保しつつ、複合材料のベースとなるプラスチック樹脂(以下、母材という。)の成形手段に基づいて簡易に成形できる複合材料及び包装容器を提供することである。
本発明に係る複合材料は、プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む複合材料において、前記結晶性セルロースの結晶化度が45%以上であり、前記結晶性セルロースの含有量が母材に対して0.5〜10質量%であることを特徴とする。なお、本明細書においては、結晶性セルロースとは、セルロースの結晶領域を含有するセルロース材料をいう。
本発明に係る複合材料は、可塑剤を含有しないことが好ましい。衛生面により優れ、飲料又は食品の容器としての利用により適した材料となる。本明細書において、可塑剤とは、セルロース材料の相溶性向上、複合材料の粘性低下や製品硬度・剛性低下のために意図的に加えられる添加剤をいう。
本発明に係る複合材料では、前記プラスチック樹脂は、ポリエステル又はポリオレフィンを含む。
本発明に係る複合材料では、波長500nmにおける光透過率が、20%以上であることが好ましい。透明性が高く、製品の内部を目視可能となるため、包装材料として適する。
本発明に係る包装容器は、本発明に係る複合材料からなることを特徴とする。
本発明に係る包装容器では、前記容器の高さをhとしたとき、1/2hにおける胴部の平均肉厚が、0.3mm以下であることが好ましい。プラスチック樹脂の使用量を削減することができる。
本発明は、高い弾性率を有し、かつ、耐座屈性に優れる複合材料及び包装容器を提供することができる。また、本発明は、衛生性を確保しつつ、複合材料のベースとなる母材の成形手段に基づいて簡易に成形できる複合材料及び包装容器を提供することができる。
実施例1〜12及び比較例1の透明性評価1の写真である。 変位量と反力との関係を示すグラフである。 偏光顕微鏡による断面切片像の一例を示す写真である。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係る複合材料は、プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む複合材料において、前記結晶性セルロースの結晶化度が、45%以上であり、前記結晶性セルロースの含有量が、母材に対して0.5〜10質量%である。
プラスチック樹脂は、複合材料の母材である。プラスチック樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)などのポリエステル、又はポリエチレン(PE)、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを含む。ポリエチレンテレフタレートは、例えば、エチレングリコールとテレフタル酸との縮重合物である。ポリ乳酸は、例えば、L‐乳酸(L体)だけを重合したポリ‐L‐乳酸、D‐乳酸(D体)だけを重合したポリ‐D‐乳酸、ポリ‐L‐乳酸及びポリ‐D‐乳酸の混合物、L‐乳酸及びD‐乳酸の共重合体である。ポリエチレンは、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。ポリプロピレンは、例えば、アイソタクティックポリプロピレン(i‐PP)、シンディオタクティックポリプロピレン(s‐PP)、アタクティックポリプロプレン(a‐PP)、ポリエチレンとの複合材料である。
結晶性セルロースは、複合材料の分散材である。結晶性セルロースは、主としてセルロースの結晶成分から構成され、例えば、繊維性植物からパルプとして得たα‐セルロースを酸で部分的に解重合し、精製して得られる。
本明細書において、結晶性セルロースの繊維長とは、個々のセルロース分子が配向した集合体の長さをいう。繊維長は、例えば、偏光顕微鏡又は電子顕微鏡(SEM、FE‐SEM)観察像に基づいて計測する。また、繊維径とは、個々のセルロース分子が配向した集合体の断面の幅をいう。繊維径は、例えば、偏光顕微鏡又は電子顕微鏡(SEM、FE‐SEM)観察像に基づいて計測する。複合材料中に分散する結晶性セルロースの繊維長は、50nm〜200μmであることが好ましく、150nm〜50μmであることがより好ましい。また、結晶性セルロースの繊維径は、1〜50nmであることが好ましく、5〜25nmであることがより好ましい。なお、セルロースは天然物であるため、個々の集合体の長さや幅には一定の不揃いがある。したがって、複合材料中の個々の結晶性セルロースの繊維長及び繊維径は、本明細書においてはそれぞれ、複合材料の断面切片において観察される、個々のセルロースの存在領域において、最大長となる直線の長さ、及び、この最大長となる直線に直交する直線のうち、最大長となる直線の長さを指すものとする。図3は、偏光顕微鏡による断面切片像の一例を示す写真である。偏光顕微鏡像では、結晶性セルロースは、結晶領域を有するため、バックグラウンドのプラスチック樹脂と識別可能であり、図3に例示したかたちで個々の結晶性セルロースの繊維長及び繊維幅を求めることができる。例えば、図3で繊維長及び繊維幅を示す矢印を付した結晶性セルロースでは、繊維長が170μmであり、繊維径が30μmである。
結晶性セルロースの結晶化度は、45%以上である。結晶性セルロースの結晶化度は、50%以上であることがより好ましい。結晶性セルロースの結晶化度が45%未満では、複合材料成形物の弾性率及び耐座屈性が不足する。また、複合材料中のセルロース成分の分散性及び得られる成形物の透明性が不足しやすい。本明細書において、結晶性セルロースの結晶化度は、複合材料中に存在する結晶性セルロースの結晶化度であり、例えば、複合材料をXRD(X‐ray diffraction)法で分析し、数1による体積分率結晶化度として求めることができる。
(数1)Crl[%]={1−(Iam/I002)}×100
数1において、Crlは結晶化度である。また、Iamは2θ=18°におけるX線回折強度であり、I002は2θ=22.8°におけるX線回折強度である。
本実施形態に係る複合材料では、結晶性セルロースの含有量は、母材に対して0.5〜10質量%である。結晶性セルロースの含有量は母材に対して1.0〜7.5質量%であることがより好ましい。母材に対して0.5質量%未満では、複合材料成形体の弾性率及び耐座屈性が不足する。母材に対して10質量%を超えると、複合材料中にセルロース成分を均一に分散することが困難となり、結果として透明性が顕著に低下しやすい。
複合材料には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、着色剤、滑材などの添加剤の他、複合材料の機能向上のための母材、セルロースに次ぐ第三成分を含有してもよい。ただし、本実施形態に係る複合材料は、可塑剤を含有しないことが好ましい。本実施形態に係る複合材料は、結晶性セルロースの結晶化度及び含有量を所定の範囲とすることで、可塑剤を含有せずとも成形加工性に優れ、高い弾性率を発揮できる。また、可塑剤を含有しないことで、衛生面により優れ、飲料又は食品の容器としての利用により適した材料となる。
本実施形態に係る複合材料では、波長500nmにおける光透過率が、20%以上であることが好ましい。より好ましくは、30%以上である。20%未満では、透明性を要求される用途での利用に適さない。
複合材料では、結晶性セルロースがプラスチック樹脂中に分散している。このため、気体の通過路が結晶性セルロースによって阻まれて延長される。その結果、ガスバリア性が向上する効果を奏する。
複合材料の製造方法は、特に制限はないが、例えば、プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む原料を溶融混練する方法である。溶融混練機は、例えば、一軸押出機、二軸押出機である。本発明は、混練する方法及び条件に制限されない。ただし、市販の結晶性セルロース製品を用いる場合、270℃以上に加熱すると変色する場合がある。
原料として配合するプラスチック樹脂(以降、プラスチック樹脂原料という。)は、モノマーを重合して合成するか、又は市販の製品を用いてもよい。また、所謂再生樹脂を用いてもよい。プラスチック樹脂原料の形態は、特に制限はなく、例えば、ペレット状、粉末状である。
原料として配合する結晶性セルロース(以降、結晶性セルロース原料という。)は、繊維性植物から精製するか、又は市販の製品を用いてもよい。結晶性セルロースの形態は、均一分散性の観点から、粉末状であることが好ましい。粉末は、一般的には、棒状部分を主体として構成されている。本明細書において、粉末長とは、棒状部分の長さをいう。粉末長は、例えば、偏光顕微鏡又は電子顕微鏡(SEM、FE‐SEM)観察像に基づいて計測する。また、粉末径とは、棒状部分の幅をいう。粉末径は、例えば、偏光顕微鏡又は電子顕微鏡(SEM、FE‐SEM)による観察像に基づいて計測する。結晶性セルロース原料が粉末状である場合、粉末長は、10〜100μmであることが好ましく、30〜50μmであることがより好ましい。また、粉末径は、2〜50μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。なお、セルロースは天然物であるため、個々の粉末の長さや幅には一定の不揃いがある。したがって、個々の粉末の長さおよび幅は、本明細書においてはそれぞれ、粉末状の結晶性セルロース材料の観察像において観察される、個々のセルロースの存在領域において、最大長となる直線の長さ、および、この最大となる直線に直交する直線のうち、最大長となる直線の長さを指すものとする。
結晶性セルロースが粉末状である場合、粉末のかさ密度は、均一分散性の観点から、0.05〜1.00g/cmであることが好ましく、0.10〜0.50g/cmであることがより好ましい。本明細書において、粉末のかさ密度は、日本薬局方15局に準拠してスロットボリュームメーターで測定した値である。
本実施形態に係る容器は、本実施形態に係る複合材料からなる。容器は、蓋、栓若しくはシールして使用する容器、又はそれらを使用せず開口状態で使用する容器を含む。容器は、剛性を適度に有する所定の肉厚を有する剛性容器と剛性を有さないシート材によって形成されたフレキシブル容器とを含む。本発明は、容器の製造方法に制限されない。また、容器は、リターナブル容器又はワンウェイ容器のどちらであってもよい。内容物は、特に制限はないが、例えば、水、茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料又は果汁飲料などの飲料、液体、粘体、粉末又は固体状の食品である。
本実施形態に係る容器は、炭酸飲料用の容器であることが好ましい。炭酸飲料用の容器では、炭酸飲料に溶解している炭酸ガスが温度又は振動によって気化したとき、内圧上昇による胴部の膨れを抑制することが求められる。すなわち、耐クリープ性を有することが求められる。本実施形態に係る複合材料は、結晶性セルロースの凝集力に基づいて、耐クリープ性に優れる。
本実施形態に係る容器では、容器の高さをhとしたとき、1/2hにおける胴部の平均肉厚が、0.3mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.2mmである。本実施形態に係る複合材料は、剛性が高いため、一般的なプラスチックボトルの1/2hにおける胴部の平均肉厚である0.36〜0.48mmに対して、肉厚を薄くし、プラスチック樹脂の使用量を削減することができる。また、1/2hにおける胴部の平均肉厚の下限値は、ボトルの容量及び材質によって異なるが、例えば、プラスチック樹脂がPETであり、容量が300〜500mlであるとき、0.1mmであることが好ましく、0.15mmであることがより好ましく、0.2mmであることがさらに好ましい。
容器の成形方法は、特に限定されないが、例えば、ブロー成形法、射出成形法、プレス成形法、圧空成形法である。
次に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
原料として、表1又は表2に示すプラスチック樹脂及び結晶性セルロースを用い、これらの原料を溶融混練し、カットして複合材料のペレットを得た。
表1又は表2における原料は、次のとおりである。
PET:ポリエチレンテレフタレート、BK−6180C、三菱化学社製
LDPE:低密度ポリエチレン、型番428043、Sigma Aldrich社製
PLA:ポリ乳酸、Ingeo7032D、NatureWorks社製
W−300:KCフロックW−300、日本製紙ケミカル社製、粉末長30μm、粉末径28μm、かさ密度0.36g/m
ST−100:KCフロックST−100、日本製紙ケミカル社製、粉末長50μm、粉末径7μm、かさ密度0.12g/m
TG−101:セオラスTG−101、旭化成ケミカル社製、粉末長50μm、粉末径11μm、かさ密度0.29g/m
FD−301:セオラスFD−301、旭化成ケミカル社製、粉末長50μm、粉末径11μm、かさ密度0.41g/m
TG−F20:セオラスTG−F20、旭化成ケミカル社製、粉末長50μm、粉末径5μm、かさ密度0.23g/m
低結晶性セルロース:W−300を機械粉砕し、結晶化率を24%としたもの
CNF:セルロースナノファイバー、試作品、自社製、繊維長300μm、繊維径0.25μm
各複合材料のペレットから、縦50mm、横10mm、厚さ1mmの板状の試験片を成形した。これらの試験片について、次の評価を行った。結果を表3に示す。
(結晶化度)
結晶性セルロースの結晶化度は、XRD回折装置(型式:D8−ADVANCE、Bruker社製)を用いて、次の条件で測定し、数1から求めた。
管電圧:40kv
管電流:40mA
測定範囲:回折角2θ=5〜40°
スキャンスピード:5.0°/min
(弾性率)
弾性率は、各試験片について、引張試験機(型式:AJ−IS、島津製作所社製)を用いて引張試験を行い、応力‐ひずみ曲線から求めた。引張速度は、5mm/分とした。
(酸素透過度)
酸素透過度は、酸素透過度測定装置(型式:Oxtran 2/21、Modern Control社製)を用いて、23℃、90%RHの条件にて測定し、測定開始から24時間コンディショニングし、測定開始から72時間経過後の値とした。
(透明性評価1)
上質紙に黒字で文字(フォントサイズ:12ポイント)を印刷し、その文字の上に試験片を載せて、透明性を目視で確認した。透明性は、同種のプラスチック樹脂からなる単一素材、すなわち、プラスチック樹脂がPETのときは比較例1、プラスチック樹脂がLDPEのときは比較例2及びプラスチック樹脂がPLAのときは比較例3とそれぞれ対比して、次の評価基準とした。また、実施例1〜3、実施例5〜13及び比較例1の透明性評価1の写真を図1に示す。
○:目視で単一素材と同等の透明性を有し、文字が明瞭に確認できる(実用レベル)。
△:目視で単一素材よりも若干曇っているが、文字が明瞭に確認できる(実用下限レベル)。
×:目視で単一素材よりも曇っているか、又は不純物があるため、文字が明瞭に確認できない(実用不適レベル)。
(透明性評価2)
分光光度計(型式:U−3900、日立製作所社製)を用いて、可視分光法によって光透過率を測定し、波長500nmにおける光透過率を表3に示した。なお、積分球は使用しなかった。
表3より、実施例1〜実施例24の複合材料は、いずれも単一素材(比較例1〜比較例3)よりも弾性率及びガスバリア性が向上していた。また、実施例1〜実施例24の複合材料は、いずれも単一素材(比較例1〜比較例3)よりも500nmにおける光透過率の低下が見られたが、実施例1〜3及び実施例5〜13は、図1に示すように、目視で実用的な透明性を保持していた。また、実施例4及び実施例14〜実施例24についても、実施例1〜3及び実施例5〜13と同様に、目視で実用的な透明性を保持していた。一方、比較例4は、結晶性セルロースを含まず、非結晶性セルロース(セルロースナノファイバー)を配合したため、分散性が悪く、透明性が目視で実用不適であった。さらに、弾性率が、単一素材(比較例1)よりも低下した。比較例5は、結晶化度が低かったため、弾性率が、単一素材(比較例1)と同程度であった。さらに、透明性が不足した。比較例6及び7は、結晶セルロールの配合量が多かったため、透明性が不足した。
実施例6、実施例9及び比較例1の複合材料のペレットを、それぞれ射出成形機(KST100T、型システム社製)を用いてプリフォームに成形し、次いでブロー成形機(LB01E、KHS社製)を用いて、ボトル(容量500ml、高さ210mm、胴最大外径66mm、1/2hにおける胴部の平均肉厚110μm及び樹脂量11g)を成形した。これらのボトルについて、次の評価を行った。結果を表4に示す。
(耐荷重試験)
圧縮試験機(型式AG−IS、島津製作所社製)を用いて、各ボトルに縦圧縮荷重を加えて、変位量[mm](プラスチックボトルの縦寸法の縮み量)に対する反力[N]を測定した。このとき、プラスチックボトルが座屈したときの反力を座屈強度[N]とし、表4に示した。また、実施例6及び比較例1について、変位量と反力との関係を示すグラフを図2に示す。
(耐クリープ性)
各ボトルに、それぞれガスボリュームを2に調整した炭酸水500mlを充填した。充填直後及び1週間後(保存条件:雰囲気温度30℃、雰囲気相対湿度50%)のボトルについて、それぞれ胴部の外径を、底面から105mmの地点の4箇所についてノギスで測定し、その平均値を求めた。さらに、この操作を各複合材料について各2本のボトルに対して行い、2本のボトルの平均値を、充填直後の胴部の外径、1週間後の胴部の外径として表4に示した。また、1週間後の胴部の外径と充填直後の胴部の外径との差を変化量として表4に示した。
表4より、実施例6及び実施例9の複合材料からなるボトルは、いずれも単一素材(比較例1)からなるボトルよりも、座屈強度及び耐クリープ性が向上していた。また、比較例4、比較例6及び比較例7の複合材料について、実施例6と同様にしてプリフォームを成形し、ボトルに成形することを試みた。その結果、比較例4、比較例6及び比較例7の複合材料は、プリフォーム形状には成形できるものの、ボトルに成形することはできなかった。

Claims (6)

  1. プラスチック樹脂と結晶性セルロースとを含む複合材料において、
    前記結晶性セルロースの結晶化度が、45%以上であり、
    前記結晶性セルロースの含有量が、前記プラスチック樹脂に対して0.5〜10質量%であることを特徴とする複合材料。
  2. 可塑剤を含有しないことを特徴とする請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記プラスチック樹脂は、ポリエステル又はポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 波長500nmにおける光透過率が、20%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の複合材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の複合材料からなることを特徴とする包装容器。
  6. 前記容器の高さをhとしたとき、1/2hにおける胴部の平均肉厚が、0.3mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の包装容器。
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