JP7459638B2 - プリフォーム及びボトル - Google Patents

プリフォーム及びボトル Download PDF

Info

Publication number
JP7459638B2
JP7459638B2 JP2020076724A JP2020076724A JP7459638B2 JP 7459638 B2 JP7459638 B2 JP 7459638B2 JP 2020076724 A JP2020076724 A JP 2020076724A JP 2020076724 A JP2020076724 A JP 2020076724A JP 7459638 B2 JP7459638 B2 JP 7459638B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bottle
preform
barrier layer
acid
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020076724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021171985A (ja
Inventor
彰 芳士戸
竜之 小市
章智 関根
大地 橋本
明子 天野
将徳 澤田
紗奈 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020076724A priority Critical patent/JP7459638B2/ja
Publication of JP2021171985A publication Critical patent/JP2021171985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7459638B2 publication Critical patent/JP7459638B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Description

本発明はプリフォーム及び該プリフォームがブロー成形されてなるボトルに関する。
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルは、機械的特性、化学的安定性、耐熱性、ガスバリア性及び透明性等に優れ、かつ安価であることから、飲料品等を充填するボトル等の製造に広く使用されている。特に、内容物の持続的な品質維持のため、より高いガスバリア性を有するボトルの開発が求められている。
従来から、酸素等の透過を防止する様々なガスバリア性材料が知られており、これらを含む層を備えたボトルが提案されている。ガスバリア性材料としては、例えば、ナイロン樹脂、ポリビニルアルコ-ル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル系樹脂等のガスバリア性材料が知られている。
さらに、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜、あるいはアルミニウム等の無機物の蒸着膜を設けて、ガスバリア性を向上させたボトルも提案されている。例えば、特許文献1及び2には、ガスバリア性を向上するために、無機酸化物の蒸着膜を備えるプラスチックボトルが提案されている。
特開2001-301731号公報 特開2007-223098号公報
近年では、環境負荷の低減を目的として、使用済みボトルをリサイクルする試みがなされている。しかしながら、上記のようなガスバリア性材料を含む層を備えたボトルから、該層を分離することは困難であるため、該層を備えるボトルはリサイクル適性に優れておらず、改善が求められている。
また、無機物及び無機酸化物の蒸着膜は延伸性に乏しく、プリフォームのブロー成形による延伸に追従することができず、クラック等が生じてしまい、そのガスバリア性が低下することから、引用文献1及び2のようなボトルは、プリフォームをブロー成形することにより得られるボトルに対して蒸着膜を形成する必要がある。
しかしながら、ボトルの生産性の観点からは、ボトルを成形する前、例えば、プリフォーム等にガスバリア性を付与し、これをブロー成形してボトルを作製する方が望ましい。
また、ボトルに対し蒸着膜を形成する必要がないため、プリフォームの納品先において、別途装置を用意する必要が無い点、さらに、プリフォームの状態での輸送が可能となるため、コスト削減ができる点からも、高いガスバリア性を有するプリフォームであって、ブロー成形後であっても、高いガスバリア性を維持することのできるプリフォームが求められている。
本発明の目的は、リサイクル性、及びブロー成形後のガスバリア性に優れるプリフォームを提供することである。
また、本発明の目的は、該プリフォームがブロー成形されてなるボトルを提供することである。
本発明、支持体と、バリア層とを有するプリフォームであって、
支持体が、ポリエステルを含み、
バリア層が、カルボキシ基含有樹脂と、多価金属化合物との反応生成物を含むプリフォームである。
プリフォームにおいて、多価金属化合物は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩及び次亜リン酸塩の1種又は2種以上から選択さてもよい。
プリフォームにおいて、多価金属化合物の多価金属は、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛の1種又は2種以上から選択されてもよい。
プリフォームにおいて、プリフォームのバリア層の厚さは、2.0μm以上1000.0μm以下であってもよい。
本発明は、上記プリフォームがブロー成形されてなるボトルである。
ボトルにおいて、プリフォームに対するボトルの容積増加率は、2倍以上45倍以下であってもよい。
ボトルにおいて、ボトルのバリア層の厚さは、0.1μm以上200.0μm以下であってもよい。
ボトルにおいて、酸素透過度は、0.1000cc/day・bottle・0.21atm以下であってもよい。
本発明によれば、リサイクル性、及びブロー成形後のガスバリア性に優れるプリフォームを提供することができる。
また、本発明によれば、該プリフォームがブロー成形されてなるボトルを提供することができる。
本発明のプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明のプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明のボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明のボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。
<プリフォーム>
本発明のプリフォームは、支持体と、バリア層とを有するものである。本発明のプリフォームは、ブロー成形後であってもガスバリア性に優れることから、ブロー成形されてなるボトルのプリフォームに好適に用いることができる。
図1は、本発明のプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。プリフォーム10は、図1に示すように、口部11と、口部11に連結された胴部12と、胴部12に連結された底部13とを備えている。このうち口部11は、後述のボトル20の口部21に対応するものであり、口部21と略同一の形状を有している。また、胴部12は、ボトル20の首部22、肩部23及び胴部24に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部13は、ボトル20の底部25に対応するものであり、略半球形状を有している。
口部11は、図示しないキャップが螺着される後述のボトル20のネジ部26に対応するネジ部14と、ネジ部14の下方に設けられ、ボトル20のカブラ27に対応するカブラ15と、カブラ15の下方に設けられ、ボトル20のサポートリング28に対応するサポートリング16を備えている。口部11の形状は、従来公知の形状であってもよい。
なお、本明細書中、「上」及び「下」とは、それぞれ後述するボトル20を正立させた状態(図3及び図4)における上方及び下方のことをいう。
プリフォーム10は、図1に示すように、支持体17と、バリア層18とを有している。また、図1に示すように、口部11は、支持体17により構成され、胴部12及び底部13は、支持体17と、バリア層18とにより構成されている。また、図1に示すように、バリア層18はプリフォーム10を取り囲むように、プリフォーム10の外側に設けられている。
バリア層18は、胴部12及び/又は底部13の全域又は一部領域に設けられていてもよい(図示せず)。
バリア層18は、プリフォーム10の内側に設けられていても、支持体17とその他の層との間に設けられていてもよい(図示せず)。
一実施形態において、プリフォームは、図2に示すように、口部11の下端を「0L」とし、底部13の下端を「1L」としたときに、少なくとも0.4L~0.6Lの外側全域にわたってバリア層18が設けられている。これにより、プリフォームから得られるボトルのガスバリア性を効率よく向上することができる。プリフォームは、少なくとも0.2L~0.7Lの外側全域にわたってバリア層が設けられていることが好ましく、少なくとも0.1L~0.9Lの外側全域にわたってバリア層が設けられていることがより好ましい。
本発明のプリフォーム10は、バリア層18の内側及び/又は外側に保護層が設けられていてもよい(図示せず)。
プリフォームの断面の厚さは、1.4mm以上4.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以上3.0mm以下であることがより好ましい。
なお、プリフォームの断面の厚さは、例えば、少なくとも支持体とバリア層とを有するプリフォームの胴部において測定することができ、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
以下、プリフォームの支持体、バリア層及び保護層について説明する。
(支持体)
本発明のプリフォームにおいて、支持体はポリエステルを含むものである。これにより、プリフォームのブロー成形を良好に行うことができると共に、ボトルのガスバリア性を向上することができる。
プリフォームの支持体は、ボトルのリサイクル性の観点から、ポリエステルの含有量が、90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることがより好ましい。また、プリフォームの支持体は、ポリエステルにより構成されたものであることがさらに好ましい。
本発明において、「ポリエステル」とは、エステル結合によって高分子化されたポリマーを意味する。このようなポリエステルは、通常、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを重縮合することに得られる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸及びエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’-ビス(4-カルボキシフェニル)フルオレン酸及びこれらのエステル誘導体等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5-メチロール-5-エチル-2-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-1,3-ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、スチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)等が挙げられる。
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレートの原料モノマーと、共重合モノマーとが重合された改質ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
プリフォームの支持体は、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエステルの他に樹脂を含んでもよい。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの樹脂の含有量は、リサイクル性の観点から、10質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることがより好ましい。
プリフォームの支持体は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
プリフォームの支持体は、単層構造を有していても、2層以上の多層構造を有していてもよい。また、支持体が多層構造を有する場合には、各層は、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
プリフォームの支持体の断面の厚さは、1.3mm以上4.3mm以下であることが好ましく、1.9mm以上2.9mm以下であることがより好ましい。
なお、プリフォームの支持体の断面の厚さは、プリフォームの胴部において測定することができ、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
プリフォームの支持体は、表面処理を施すことが好ましい。表面処理としては、例えば、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理等が挙げられる。このような表面処理を施すことにより、支持体表面のぬれ性が向上し、支持体と、支持体と接する層との密着性を向上することができる。
(バリア層)
本発明のプリフォームにおいて、バリア層は、カルボキシ基含有樹脂と、多価金属化合物との反応生成物を含むものである。このような反応生成物は、多価金属(イオン)により、カルボキシ基含有樹脂が架橋されたものであり、バリア層をこのような構成とすることにより、ブロー成形後であっても、ガスバリア性に優れるプリフォームとすることができる。また、このようなバリア層は、酸又はアルカリに対する易溶解性を有し、ボトルを回収・粉砕・洗浄することによって、容易に分離回収することが可能であるため、該バリア層を有するプリフォーム及びこのプリフォームから得られたボトルは、優れたリサイクル性を有する。
また、バリア層をこのよう構成とすることにより、ブロー成形によってバリア層が破断することを抑制でき、プリフォームのブロー成形性を向上することができる。
さらに、従来のボトルにおいては、ボトルの状態でガスバリア性を付与するためには、ボトルの内部を減圧する工程を経る必要があるため、ボトルの肉厚を一定以上にする必要があった。しかし、本発明のプリフォームは、ブロー成形後のボトルであってもガスバリア性を維持できるため、ボトルの状態でガスバリア性を付与する工程を省くことができ、その結果、ボトルの肉厚を薄くすることができ、プリフォーム及びボトルを軽量化することが可能となる。
プリフォームのバリア層に用いるカルボキシ基含有樹脂は、既存のカルボキシ基含有樹脂を用いることができる。既存のカルボキシ基含有樹脂とは、ポリマーの構造中にカルボキシ基を含有する樹脂の総称である。カルボキシ基含有樹脂は、カルボキシ基含有不飽和モノマーの単独重合体、カルボキシ基含有不飽和モノマーの共重合体、カルボキシ基含有不飽和モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体、及び分子内にカルボキシ基を含有する多糖類(「酸性多糖類」とも称する)が挙げられる。これらのカルボキシ基含有樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、カルボキシ基には、遊離のカルボキシ基のみならず、酸無水物基(具体的には、ジカルボン酸無水物基)も含まれる。酸無水物基は、部分的に開環してカルボキシ基となっていてもよい。また、カルボキシ基含有樹脂において、カルボキシ基の一部は、アルカリで中和されていてもよい。
また、ポリオレフィン等のカルボキシ基を含有していない重合体にカルボキシ基含有不飽和モノマーをグラフト重合してなるグラフト重合体も、ポリカルボン酸系重合体として使用することができる。アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基)のような加水分解性のエステル基を持つ重合体を加水分解して、カルボキシ基に変換した重合体をカルボキシ基含有樹脂として使用することもできる。
カルボキシ基含有不飽和モノマーとしては、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸が好ましい。従って、カルボキシ基含有樹脂には、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の単独重合体、2種以上のα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の共重合体、及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と他の重合性モノマーとの共重合体が含まれる。他の重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和モノマー等が挙げられる。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの酸は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸は、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸の1種又は2種以上から選択されることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸の1種又は2種以上から選択されることがより好ましい。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な他の重合性モノマー、特にエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン;酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有ビニルモノマー;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;イタコン酸アルキルエステル類;等を挙げることができる。これらのモノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ポリカルボン酸系重合体がα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類との共重合体である場合は、該共重合体をケン化して飽和カルボン酸ビニルエステル単位をビニルアルコール単位に変換した共重合体も使用することができる。
カルボキシ基含有多糖類としては、例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシ基を有する酸性多糖類等が挙げられる。これらの酸性多糖類は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、酸性多糖類をα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体と組み合わせて使用することもできる。
本発明で用いるカルボキシ基含有樹脂が、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体である場合には、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性の観点から、その共重合の組成は、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの組成が60モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。
カルボキシ基含有樹脂は、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性の観点から、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のみの重合によって得られる単独重合体又は共重合体であることが好ましい。ポリカルボン酸系重合体がα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる(共)重合体の場合、カルボキシ基含有樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸の1種又は2種以上から選択されるカルボン酸のよって得られる単独重合体、共重合体、及びそれらの2種以上の混合物であることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸の1種又は2種以上から選択されるカルボン酸のよって得られる単独重合体、共重合体、及びそれらの2種以上の混合物であることがより好ましい。
カルボキシ基含有樹脂は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びマレイン酸重合体の1種又は2種以上から選択されることが好ましい。カルボキシ基含有樹脂は、入手が比較的容易であることから、ポリアクリル酸であることがより好ましい。
カルボキシ基含有樹の分子量は、特に制限されないが、プリフォーム及びボトルの成形性の観点から、数平均分子量が2,000~10,000,000の範囲であることが好ましく、5,000~1,000,000の範囲であることがより好ましく、10,000~500,000の範囲であることがさらに好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。GPC測定では、一般に、標準ポリスチレン換算で重合体の数平均分子量が測定される。
プリフォームのバリア層に用いる多価金属化合物とは、金属イオンの価数が2以上の多価金属原子単体、及びその化合物である。
多価金属としては、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム等が挙げられる。これらの多価金属は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価金属は、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛の1種又は2種以上から選択されることが好ましい。多価金属をこれらの1種又は2種以上から選択することにより、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性を向上することができる。また、多価金属をこれらの1種又は2種以上から選択することにより、プリフォーム及びボトルのバリア層を透明とすることができるため、ボトルに様々なデザインを付与することができ、意匠性に富んだボトルとすることができる。
多価金属は、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性を特に向上することができることから、マグネシウムであることが特に好ましい。
多価金属化合物としては、多価金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩、無機酸塩、その他、多価金属のアンモニウム錯体や多価金属の2~4級アミン錯体とそれら錯体の有機酸塩や無機酸塩等が挙げられる。有機酸塩としては、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ステアリン酸塩、モノエチレン性不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。無機酸塩としては、塩化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩等が挙げられる。それ以外には多価金属のアルキルアルコキシド等が挙げられる。これらの化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
多価金属化合物は、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性の観点から、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩及び次亜リン酸塩の1種又は2種以上から選択されることが好ましく、塩化物、硝酸塩、又はこれらの混合物であることがより好ましい。
プリフォームのバリア層において、多価金属化合物の量は、カルボキシ基含有樹脂の全てのカルボキシ基に対して、0.05化学当量以上5.00化学当量以下であることが好ましく、0.1化学当量以上3.00化学当量以下であることがより好ましく、0.20化学当量以上2.00化学当量以下であることがさらに好ましく、0.30化学当量以上1.50化学当量以下であることがさらにより好ましい。これにより、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性をより向上することができる。
なお、「全てのカルボキシ基」とは、反応に関与しなかったカルボキシ基含有樹脂のカルボキシ基、及びカルボキシ基含有樹脂と多価金属化合物とが反応して得られた反応生成物におけるポリカルボン酸の多価金属塩となるカルボキシ基を含めた意味で用いられている。
化学当量は、例えば、以下のように求めることができる。カルボキシ基含有樹脂がアクリル酸であり、多価金属化合物が塩化マグネシウムである場合を例に挙げて説明する。ポリアクリル酸のモノマー単位の分子量は72であり、モノマー1分子当たり1個のカルボキシ基を有するため、ポリアクリル酸の質量を100gとした場合、ポリアクリル酸100g中のカルボキシ基の量は1.39molである。この時、ポリアクリル酸100gに対する1当量とは、1.39molを中和する塩基の量である。従って、ポリアクリル酸100gに対して、塩化マグネシウムを0.2当量混合する場合、0.278molのカルボキシ基を中和するだけの塩化マグネシウムを加えればよい。マグネシウムの価数は2価、酸化マグネシウムの分子量は95であるため、ポリアクリル酸100gに対する0.2当量の塩化マグネシウムとは、13.2g(0.139mol)である。
プリフォームのバリア層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記反応生成物以外の成分を含んでもよい。該成分としては、未反応のカルボキシ基含有樹脂、未反応の多価金属化合物、カルボキシ基含有樹脂と多価金属化合物との反応により生じた副生成物、及びその他の樹脂成分等が挙げられる。
プリフォームのバリア層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
プリフォームのバリア層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
プリフォームのバリア層の厚さは、2.0μm以上1000.0μm以下であることが好ましく、20.0μm以上500.0μm以下であることがより好ましい。これにより、ブロー成形性及びブロー成形後のガスバリア性をより向上することができる。
なお、プリフォームのバリア層の厚さは、例えば、プリフォームの胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。また、バリア層が多層である場合、バリア層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
(保護層)
本発明のプリフォームにおいて、保護層は、バリア層を保護するためのものであり、熱可塑性樹脂を含む。プリフォームが保護層を有することにより、プリフォーム及びボトルの製造時及び使用時において、バリア層の破損や剥離等の物理的要因から、あるいは吸湿や溶解等の化学的要因からバリア機能の劣化を防止することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
プリフォームの保護層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
プリフォームの保護層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
プリフォームの保護層の厚さは、0.5μm以上1000.0μm以下であることが好ましく、0.7μm以上500.0μm以下であることがより好ましい。これにより、バリア層の耐劣化性をより向上することができる。
なお、プリフォームの保護層の厚さは、例えば、プリフォームの胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。また、保護層が多層である場合、保護層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
<プリフォームの製造方法>
一実施形態において、図1に記載のプリフォーム10は、まず、上記支持体形成用材料を従来公知の装置を使用して射出成形することにより、口部11と、胴部12と、底部13とを有する支持体17を作製する。
次いで、カルボキシ基含有樹脂と、多価金属化合物と、溶媒とを含む塗工液を準備する。塗工液中において、カルボキシ基含有樹脂と、多価金属化合物とが反応し、反応生成物を得ることができる。
次いで、上記反応生成物を含む塗工液を支持体17の胴部12及び底部13に塗工して、塗工膜を形成する。
次いで、塗工膜を乾燥して溶媒を除去することにより、バリア層18を形成し、図1に記載のプリフォーム10を製造することができる。
塗工液に用いられる溶媒は、カルボキシ基含有樹脂及び多価金属化合物を溶解できるものであれば特に限定されない。溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の極性有機溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶媒は、カルボキシ基含有樹脂及び多価金属化合物を均一に溶解できることから、水、メチルアルコール、又はこれらの混合物であることが好ましい。
塗工液において、カルボキシ基含有樹脂及び多価金属化合物の合計濃度は、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、5質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。これにより、厚さの均一なバリア層を形成することができる。
塗工液の塗工は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、印毛等により塗布する方法、塗布液にプリフォームを浸漬する方法、プリフォームの表面に塗布液を噴霧する方法等が挙げられる。
塗工液の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度であれば特に限定されないが、20℃以上80℃以下であることが好ましく、50℃以上70℃以下であることがより好ましい。
本発明のプリフォームの製造方法において、バリア層の外側に保護層をさらに形成する場合には、バリア層を形成後に、保護層形成用材料をバリア層の外側に塗工して乾燥することにより、保護層を形成することができる。
保護層形成用材料は、溶媒に溶解して塗工してもよい。溶媒としては、保護層形成用材料を溶解、乳化分散できるものであれば特に限定されず、例えば、水、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を用いることができる。
保護層を形成する際の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度であれば特に限定されないが、20℃以上80℃以下であることが好ましく、40℃以上70℃以下であることがより好ましい。
<ボトル>
本発明のボトルは、本発明のプリフォームがブロー成形されてなるものである。これにより、リサイクル性及びガスバリア性に優れるボトルとすることができる。
本発明のボトルにおいて、プリフォームに対するボトルの容積増加率は、2以上45以下であることが好ましく、5以上40以下であることがより好ましく、8以上35以下であることがさらに好ましい。
容積増加率を2倍以上とすることにより、ブロー成形前のプリフォームを小型化することができる。
また、容積増加率を45倍以下とすることにより、ブロー成形後のボトルのガスバリア性をより向上することができる。
なお、プリフォームに対するボトルの容積増加率は、プリフォームの口部以外の容積をVとし、ブロー成形後のボトルの口部以外の容積をVとしたときの容積増加率「V/V」を意味する。
図3は、本発明のボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。ボトル20は、図3に示すように、口部21と、口部21の下方に設けられた首部22と、首部22の下方に設けられた肩部23と、肩部23の下方に設けられた胴部24と、胴部24の下方に設けられた底部25とを備えている。
口部21は、図示しないキャップが螺着されるネジ部26と、ネジ部26の下方に設けられたカブラ27と、カブラ27の下方に設けられたサポートリング28を備えている。なお、口部21の形状は、従来公知の形状であってもよい。
首部22は、サポートリング28と肩部23との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部23は、首部22と胴部24との間に位置しており、首部22側から胴部24側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
胴部24は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部24が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していてもよい。あるいは、胴部24が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していてもよい。また、胴部24は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部24にパネル又は溝等の凹凸が形成されていてもよい。
底部25は、中央に位置する凹部29と、この凹部29周囲に設けられた接地部30とを有している。なお、底部25の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していてもよい。
ボトル20は、図3に示すように、支持体31と、バリア層32とを有している。また、図3に示すように、口部21は、支持体31により構成され、首部22、肩部23、胴部24及び底部25は、支持体31と、バリア層32とにより構成されている。また、図3に示すように、バリア層32はボトル20を取り囲むように、ボトル20の外側に設けられている。
バリア層32は、首部22、肩部23、胴部24及び底部25から選択される1以上の全域又は一部領域に設けられていてもよい(図示ぜず)。
バリア層32は、ボトル20の内側に設けられても、支持体31とその他の層との間に設けられていてもよい(図示せず)。
一実施形態において、ボトルは、少なくとも胴部の外側全域にバリア層が設けられている。これにより、ボトルのガスバリア性を効率よく向上することができる。ボトルは、少なくとも、肩部及び胴部の外側全域にわたってバリア層が設けられていることが好ましい。
一実施形態において、ボトルは、図4に示すように、口部21の下端を「0L」とし、接地部30を「1L」としたときに、少なくとも0.4L~0.6Lの外側全域にわたってバリア層32が設けられている。これにより、ボトルのガスバリア性を効率よく向上することができる。ボトルは、少なくとも0.1L~0.8Lの外側全域にわたってバリア層が設けられていることが好ましく、少なくとも0.05L~0.95Lの外側全域にわたってバリア層が設けられていることがより好ましい。
本発明のボトル20は、バリア層32の内側及び/又は外側に保護層が設けられていてもよい(図示せず)。
また、本発明のボトル20は、蒸着膜を有していてもよい(図示せず)。
本発明のボトルにおいて、酸素透過度は、0.1000cc/day・bottle・0.21atm以下であることが好ましく、0.0700cc/day・bottle・0.21atm以下であることがより好ましく、0.0500cc/day・bottle・0.21atm以下であることがさらに好ましく、0.0400cc/day・bottle・0.21atm以下であることがさらにより好ましい。
なお、本発明において、酸素透過度は、JIS K 7126-2:2006に準拠して、酸素透過度測定装置(例えば、MOCON社製、商品名:OX-TRAN 2/20)を用いて、23℃、湿度40%RHの条件により測定される値であり、口部を治具で塞いだボトルのボトル全体において測定し、口部を除いたボトル全体の表面積で除した値である。
ボトルの断面の厚さは、0.1mm以上0.4mm以下であることが好ましく、0.15mm以上0.3mm以下であることがより好ましい。
なお、ボトルの断面の厚さは、例えば、少なくとも支持体とバリア層とを有するボトルの胴部において測定することができ、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明のボトルは、容量/重量が、5mL/g以上50mL/g以下であることが好ましく、8mL/g以上45mL/g以下であることがより好ましい。
ボトルの容量/重量を5mL/g以上とすることにより、ボトルの軽量化を図ることができる。
また、ボトルの容量/重量を50mL/g以下とすることにより、ボトルの強度を向上することができる。
本発明のボトルは、満注容量が、例えば、100mL以上2000mL以下のものであってもよい。ボトルの満注容量は、280mL以上750mL以下であることが好ましい。
また、本発明のボトルは、満注容量が、例えば、10L以上60L以下の大型のものであってもよい。
以下、ボトルの支持体、バリア層、保護層及び蒸着膜について説明する。
(支持体)
ボトルの支持体の材料については、本発明のプリフォームにおける支持体の材料と同様のものを用いることができる。
ボトルの支持体は、単層構造を有していても、2層以上の多層構造を有していてもよい。また、支持体が多層構造を有する場合には、各層は、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
ボトルの支持体の断面の厚さは、0.01mm以上0.35mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.25mm以下であることがより好ましい。
なお、ボトルの支持体の断面の厚さは、ボトルの胴部において測定することができ、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
(バリア層)
ボトルのバリア層の材料については、本発明のプリフォームにおけるバリア層の材料と同様のものを用いることができる。
ボトルのバリア層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
ボトルのバリア層の厚さは、0.1μm以上200.0μm以下であることが好ましく、5.0μm以上50.0μm以下であることがより好ましい。これにより、ボトルのガスバリア性をより向上することができる。
なお、ボトルのバリア層の厚さは、例えば、ボトルの胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。また、バリア層が多層である場合には、バリア層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
(保護層)
ボトルの保護層の材料については、本発明のプリフォームにおける保護層の材料と同様のものを用いることができる。
ボトルの保護層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。また、保護層が多層である場合には、各層が、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
ボトルの保護層の厚さは、0.1μm以上200.0μm以下であることが好ましく、0.7μm以上70.0μm以下であることがより好ましい。これにより、バリア層の耐劣化性をより向上することができる。
なお、ボトルの保護層の厚さは、例えば、ボトルの胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。また、保護層が多層である場合には、保護層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
(蒸着層)
本発明のボトルは、ガスバリア性をより向上するために、蒸着膜を有してもよい。
蒸着膜としては、例えば、アルミニウム等の金属、並びに酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物、ヘキサメチルジシロキサン等の有機珪素化合物、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の硬質炭素膜から構成される、蒸着膜を挙げることができる。
なお、DLC膜からなる硬質炭素膜とは、iカーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a-C:H)とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP結合を主体にしたアモルファスな炭素膜のことである。
また、蒸着膜の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1nm以上150nm以下とすることができる。
なお、蒸着層の厚さは、例えば、ボトルの胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
蒸着膜の形成は、従来公知の方法を用いて行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
<ボトルの製造方法>
一実施形態において、図3に記載のボトル20は、図1に示すようなプリフォーム10をブロー成形することにより製造することができる。ブロー成形は、従来公知の方法により行うことができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
ペレット状のポリエチレンテレフタレート(PET)を準備した。
上記PETを溶融して、射出成形機を用いて射出し、口部と、胴部と、底部とを備える支持体を作製した。支持体の口部は、口部の上方からネジ部、カブラ及びサポートリングを順に備えている。
別途、6.8gのポリアクリル酸((株)日本触媒製、商品名:AS-58、数平均分子量:160,000)、及び3.2gの塩化マグネシウムを、190gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製した。この塗工液を上記支持体の胴部及び底部に塗工して、塗工膜を形成する。この塗工膜を50℃で10分間乾燥し、バリア層を有するプリフォームを得た。なお、塩化マグネシウムの量は、ポリアクリル酸の全てのカルボキシ基に対して、0.71化学当量である。
プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、上記プリフォームを110℃に加熱し、ブロー成形金型内において、二軸延伸ブロー成形を行い、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備える内容量500mLのボトルを得た。バリア層は、ボトルの首部、肩部、胴部及び底部の外側表面に形成されている。ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
実施例2
13.7gのポリアクリル酸、及び3.2gの塩化マグネシウムを、183.2gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、塩化マグネシウムの量は、ポリアクリル酸の全てのカルボキシ基に対して、0.35化学当量である。プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
実施例3
13.7gのポリアクリル酸、及び1.6gの塩化マグネシウムを、184.7gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、塩化マグネシウムの量は、ポリアクリル酸の全てのカルボキシ基に対して、0.177化学当量である。プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
実施例4
8.3gのポリアクリル酸、及び7.7gの塩化マグネシウムを、184gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、塩化マグネシウムの量は、ポリアクリル酸の全てのカルボキシ基に対して、1.63化学当量である。プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
実施例5
6.8gのポリアクリル酸、及び4.9gの硝酸マグネシウム(分子量:148)を、190gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、硝酸マグネシウムの量は、ポリアクリル酸の全てのカルボキシ基に対して、0.70化学当量である。プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
比較例1
支持体にバリア層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてプリフォームを得た。
次いで、実施例1と同様にして、本比較例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.12mmであった。
比較例2
13.7gのポリアクリル酸のみを、186.3gのメチルアルコールに溶解して塗工液を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。プリフォームの胴部における断面の厚さは2.0mmであり、バリア層の厚さは100.0μmであった。
次いで、実施例1と同様にして、本比較例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.15mmであり、バリア層の厚さは20.0μmであった。
<<リサイクル性評価>>
上記実施例及び比較例において得られたボトルを粉砕してフレーク状態にした後、50℃の水に15分間浸漬して、バリア層の溶解性を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。なお、リサイクル性評価は、上記塗工液に微量の赤色着色剤を混合し、バリア層を着色して行った。
(評価基準)
A:フレーク表面のバリア層が全て除去され、フレークが無色透明となった。
B:フレーク表面にバリア層が残存し、フレークが赤色に着色されていた。
<<ブロー成形性評価>>
上記実施例及び比較例において得られたボトルの外観を目視で観察して、バリア層のブロー成形性を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:バリア層は破断しなかった。
B:バリア層の一部が破断したが、製品として問題ないレベルであった。
C:バリア層が完全に破断し、製品として問題のあるレベルであった。
<<ガスバリア性評価>>
上記実施例及び比較例において得られたボトルの酸素透過度を測定して、ボトルのガスバリア性を評価した。酸素透過度の測定は、JIS K 7126-2:2006に準拠して、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、23℃、湿度40%RHの条件により行った。なお、酸素透過度の数値は、口部を治具で塞いだボトルのボトル全体において測定し、口部を除いたボトル全体の表面積で除した値である。測定結果を表1に示す。なお、比較例2のボトルは、バリア層が完全に破断していたため、ガスバリア性評価を行わなかった。
Figure 0007459638000001
上記表からも明らかなように、本発明は、リサイクル性に優れていることがわかる。
また、本発明は、ガスバリア性及びブロー成形性に優れていることがわかる。
10:プリフォーム
11:口部
12:胴部
13:底部
14:ネジ部
15:カブラ
16:サポートリング
17:支持体
18:バリア層
20:ボトル
21:口部
22:首部
23:肩部
24:胴部
25:底部
26:ネジ部
27:カブラ
28:サポートリング
29:凹部
30:接地部
31:支持体
32:バリア層

Claims (7)

  1. 支持体と、バリア層とを有するプリフォームであって、
    前記支持体が、ポリエステルを含み、
    前記バリア層が、単層であり、
    前記バリア層が、カルボキシ基含有樹脂と、多価金属化合物との反応生成物を含
    前記バリア層の厚さが、2.0μm以上1000.0μm以下である、プリフォーム。
  2. 前記多価金属化合物が、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩及び次亜リン酸塩の1種又は2種以上から選択される、請求項1に記載のプリフォーム。
  3. 前記多価金属化合物の多価金属が、マグネシウム、カルシウム及び亜鉛の1種又は2種以上から選択される、請求項1又は2に記載のプリフォーム。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載のプリフォームがブロー成形されてなる、ボトル。
  5. 前記プリフォームに対する前記ボトルの容積増加率が、2倍以上45倍以下である、請求項に記載のボトル。
  6. 前記ボトルのバリア層の厚さが、0.1μm以上200.0μm以下である、請求項又はに記載のボトル。
  7. 酸素透過度が、0.1000cc/day・bottle・0.21atm以下である、請求項のいずれか一項に記載のボトル。
JP2020076724A 2020-04-23 2020-04-23 プリフォーム及びボトル Active JP7459638B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020076724A JP7459638B2 (ja) 2020-04-23 2020-04-23 プリフォーム及びボトル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020076724A JP7459638B2 (ja) 2020-04-23 2020-04-23 プリフォーム及びボトル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021171985A JP2021171985A (ja) 2021-11-01
JP7459638B2 true JP7459638B2 (ja) 2024-04-02

Family

ID=78281212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020076724A Active JP7459638B2 (ja) 2020-04-23 2020-04-23 プリフォーム及びボトル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7459638B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005032813A1 (ja) 2003-10-03 2005-04-14 Kureha Corporation 延伸成形多層容器及びその製造方法
WO2013146323A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア材及びガスバリア性積層体
JP2014094972A (ja) 2012-11-07 2014-05-22 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア用コーティング液、ガスバリア性積層体および包装材料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005032813A1 (ja) 2003-10-03 2005-04-14 Kureha Corporation 延伸成形多層容器及びその製造方法
WO2013146323A1 (ja) 2012-03-30 2013-10-03 東洋製罐グループホールディングス株式会社 ガスバリア材及びガスバリア性積層体
JP2014094972A (ja) 2012-11-07 2014-05-22 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア用コーティング液、ガスバリア性積層体および包装材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021171985A (ja) 2021-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU618770B2 (en) Transparent gas-barrier multilayer structure
JP2024056854A (ja) プリフォーム及びボトル
JP6326946B2 (ja) 多層容器
JP7459638B2 (ja) プリフォーム及びボトル
JPH0454702B2 (ja)
JP6953717B2 (ja) 多層容器、これを製造するための多層プリフォームおよび多層容器の製造方法
JP7145421B1 (ja) 容器及びその予備成形体
JP7279838B1 (ja) 容器及びその予備成形体
JP4561965B2 (ja) 多層容器
JP2021020694A (ja) 多層容器および多層プリフォーム
JP2020183250A (ja) 多層容器および多層プリフォーム
JP2024054332A (ja) 多層容器および多層プリフォーム
JP2023021825A (ja) 容器及びその予備成形体
JP2024054334A (ja) 多層容器および多層プリフォーム
JP2021084685A (ja) ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム
JP2023143780A (ja) 容器及びその予備成形体
JP7406721B2 (ja) 多層プリフォームの製造方法、多層容器の製造方法および多層プリフォーム
JP2023097400A (ja) 容器及びその予備成形体
JP7454137B2 (ja) ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム
JPH11348196A (ja) エチレン―ビニルアルコ―ル共重合体層を有する共射出延伸ブロ―成形容器
JP2020183249A (ja) 多層容器および多層プリフォーム
JP2022110489A (ja) 容器及びその予備成形体
JP2022110486A (ja) 容器及びその予備成形体
JP2021116112A (ja) ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム
JP2021084683A (ja) ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7459638

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150