JP2022110486A - 容器及びその予備成形体 - Google Patents

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Akitomo Sekine
彰 芳士戸
Akira Hoshito
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将徳 澤田
Masanori Sawada
竜之 小市
Tatsuyuki Koichi
明子 天野
Akiko Amano
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Abstract

【課題】リサイクル性に優れる容器の提供。【解決手段】本発明は、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた保護層と、前記支持体と前記保護層との間に設けられたバリア層と、を備える容器であって、前記支持体は、熱可塑性樹脂を含み、前記バリア層は、カルボキシ基含有樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む、容器である。【選択図】図1

Description

本発明は容器及びその予備成形体に関する。
近年、二酸化炭素排出削減等の環境負荷低減を目的として、使用済みプラスチック製容器のリサイクルが行われている。リサイクルは、同種の材料にて行う必要があるため、例えば、使用済みペットボトルをリサイクルする場合に、回収されたペットボトルは、ラベル、キャップ及びボトル本体に分別する必要がある。また、ボトル本体が、多層構造を有する場合、例えば、支持体と、支持体表面に設けられたコーティング層とを備える場合には、支持体とコーティング層とに分離する必要がある。
特許文献1には、支持体の外表面にバリア層としてポリビニルアルコールコーティングを有し、該ポリビニルアルコールコーティング上に保護層としてポリビニルブチラールコーティングを有する、プラスチックボトルが開示されている。ポリビニルアルコールは水溶性を有するため、特許文献1に開示されているプラスチックボトルは、リサイクルの際に、支持体と保護層との間のバリア層を溶解でき、この結果、支持体と、バリア層と、保護層とを分離できる。
特許第6037879号
しかしながら、ポリビニルアルコールコーティングをバリア層として備える容器においては、容器をリサイクルする際に、支持体と保護層とを完全に分離できない場合があり、リサイクル性に関しては、改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、リサイクル性に優れる容器、及びこの容器の予備成形体を提供することである。
本発明は、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた保護層と、前記支持体と前記保護層との間に設けられたバリア層と、を備える容器であって、
前記支持体は、熱可塑性樹脂を含み、
前記バリア層は、カルボキシ基含有樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む、容器である。
本発明による容器において、前記カルボキシ基含有樹脂は、ポリアクリル酸でもよい。
本発明による容器において、前記カルボキシ基含有樹脂の含有量は、前記バリア層に含まれる全成分に対して、1質量%以上80質量%以下でもよい。
本発明による容器において、前記ポリビニルアルコール系樹脂に対する前記カルボキシ基含有樹脂の質量比は、1/20以上10/1以下でもよい。
本発明による容器において、前記プリフォームのバリア層の厚さは、0.1μm以上200μm以下でもよい。
本発明による容器において、前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル及びポリオレフィンを含む群から選択される少なくとも1種でもよい。
本発明は、前記容器の予備成形体である。
本発明によれば、リサイクル性に優れる容器、及びこの容器の予備成形体を提供できる。
本発明の容器の一例であるボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の容器の一例であるボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の容器の一例であるボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の容器の一例であるカップの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の予備成形体の一例であるプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の予備成形体の一例であるプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。 本発明の予備成形体の一例であるプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。
<容器>
本発明の容器は、支持体と、支持体の少なくとも一方の面側に設けられた保護層と、支持体と保護層との間に設けられたバリア層と、を備える。
なお、本明細書において、「容器」とは、物品を収容する成形体を意味する。容器としては、例えば、圧縮成形体、射出成形体、ブロー成形体及び熱成形体等の成形体が挙げられる。具体的な容器としては、例えば、ボトル、バイアル瓶、カップ、トレー及びパック等が挙げられる。
以下、本発明の容器が備え得る各構成要素について説明する。
(支持体)
本発明の容器において、支持体は、容器の形態を維持できるものであり、熱可塑性樹脂を含む。支持体に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、並びにこれらの混合物等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、成形性の観点からは、好ましくは、ポリエステル及びポリオレフィンを含む群から選択される少なくとも1種である。
熱可塑性樹脂は、ガスバリア性、強度及びバリア層との密着性の観点からは、好ましくはポリエステルである。一方、熱可塑性樹脂は、容器の柔軟性の観点からは、好ましくはポリオレフィンである。
本明細書において、「ポリエステル」とは、エステル結合によって高分子化されたポリマーを意味する。このようなポリエステルは、通常、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを重縮合することに得られる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸及びエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,8-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’-ビス(4-カルボキシフェニル)フルオレン酸及びこれらのエステル誘導体等が挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5-メチロール-5-エチル-2-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-1,3-ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル-4,4’-ジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3-メチル-1,2-シクロペンタジオール、4-シクロペンテン-1,3-ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、スチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びビス-β-ヒドロキシエチルテレフタレート(BHET)等が挙げられる。
ポリエステルは、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、又はポリエチレンテレフタレートの原料モノマーと、共重合モノマーとが重合された改質ポリエチレンテレフタレートである。
リサイクル性の観点から、支持体における1種類の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは97質量%以上である。
支持体は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、及びイオン交換剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
支持体は、単層構造でも、2層以上の多層構造でもよい。また、支持体が多層構造である場合には、各層は、同一の組成でも、本発明の特性を損なわない範囲において、異なる組成でもよい。
支持体の断面の厚さは、好ましくは0.01mm以上0.35mm以下であり、より好ましくは0.05mm以上0.25mm以下である。
なお、支持体の断面の厚さは、例えば、容器の胴部において測定できる。支持体の断面の厚さは、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
支持体は、好ましくは表面処理を施す。表面処理としては、例えば、コロナ処理、低温プラズマ処理、及びフレーム処理等が挙げられる。このような表面処理を施すことにより、支持体表面のぬれ性が向上し、支持体と、支持体と接する層との密着性を向上できる。
(バリア層)
本発明による容器において、バリア層は、カルボキシ基含有樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む。本発明によるポリエステル容器は、このようなバリア層を備えることにより、バリア性を維持しながらリサイクル性を改善できる。その理由を以下に説明する。
使用済みの容器のリサイクルでは、まず、容器を粉砕してフレーク状とし、次いで、水及びアルカリ溶液等の液体を使用して洗浄する。支持体と保護層の間に、水溶性又はアルカリ可溶性を有する層が存在すると、この洗浄工程において、この層が溶解し、支持体から保護層を剥離させて支持体を分離できる。従って、このような容器はリサイクル性に優れる。
ポリビニルアルコール系樹脂は、一般的に水溶性の樹脂であるが、リサイクルの洗浄工程において支持体と保護層とを分離するためには、ポリビニルアルコール系樹脂のみからなる層では溶解性が不十分であった。本発明による容器においては、バリア層に、ポリビニルアルコール系樹脂と共に、カルボキシ基含有樹脂、即ち、ヒドロキシ基よりも極性の高い官能基を有する樹脂を使用することにより、層の溶解性を向上できる。この結果、本発明による容器はリサイクル性に優れる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂は、凝集力が高いため酸素や水蒸気を遮断する効果が高い。そのため、ポリビニルアルコール系樹脂を含む層はガスバリア性を有する。カルボキシ基含有樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂との相溶性に優れるため、ポリビニルアルコール系樹脂と共に使用した場合であっても、バリア層のガスバリア性の低減を抑制できる。
以上で説明した通り、バリア層を、カルボキシ基含有樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む層とすることで、ガスバリア性の維持しつつ、リサイクル性に優れる容器とすることができる。
更に、カルボキシ基含有樹脂を使用することにより、カルボキシ基含有樹脂のカルボキシ基が、ポリビニルアルコール系樹脂やバリア層の形成に使用される塗工液の溶媒(例えば、水及びヒドロキシ基を有する有機溶媒等)の「-OH」と水素結合を形成し、塗工液の粘性が高くなる。これにより、少ない塗工回数でバリア層の厚さを厚くできるため、容器の生産性を向上できる。
以下、バリア層に含まれるポリビニルアルコール系樹脂及びカルボキシ基含有樹脂について説明する。
ポリビニルアルコール系樹脂(「PVA系樹脂」とも称する)は、ポリマーの構造中にアルコール性ヒドロキシ基を含有する樹脂である。PVA系樹脂は、通常、ビニルエステル系重合体をケン化することにより得られる。
ビニルエステル系重合体は、通常、ビニルエステルモノマーを重合成分として重合することにより得られる。ビニルエステルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチック酸ビニル及びモノクロロ酢酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル、並びに安息香酸ビニル等のアレーンカルボン酸ビニル(例えば、C7-12アレーンカルボン酸-ビニルエステル)等の芳香族カルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。これらのモノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
ビニルエステル系重合体は、他の重合性モノマー(ビニルエステルと共重合可能なモノマー)由来の単位を有してもよい。他の重合性モノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有ビニルモノマー;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;イタコン酸アルキルエステル類等が挙げられる。これらのモノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
PVA系樹脂は、ビニルアルコール単位の一部が、アセタール化、エーテル化、アセトアセチル化、カチオン化等の反応によって、変性されたものでもよい。
PVA系樹脂の重合度は、好ましくは1000以上4000以下であり、より好ましくは1500以上3500以下であり、更に好ましくは2000以上3000以下である。
PVA樹脂の平均重合度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定できる。
PVA系樹脂のケン化度は、溶媒への溶解性や組成物の保管安定性が優れる等の観点から、好ましくは70モル%以上99.9モル%以下であり、より好ましくは90モル%以上99.5モル%以下であり、更に好ましくは95モル%以上99.5モル%以下である。
PVA系樹脂のケン化度は、JIS K 6726:1994に準拠して測定できる。
PVA系樹脂は、PVA系樹脂を4質量%となるように純水に溶かした際に、その水溶液の粘度が、好ましくは3mPa・s以上70mPa・s以下であり、より好ましくは50mPa・s以上68mPa・s以下であり、54mPa・s以上66mPa・s以下である。
上記水溶液の粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠して、20℃の温度において測定できる。
PVA系樹脂は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
カルボキシ基含有樹脂は、既存のカルボキシ基含有樹脂を使用できる。カルボキシ基含有樹脂とは、ポリマーの構造中にカルボキシ基を含有する樹脂の総称である。カルボキシ基含有樹脂は、カルボキシ基含有不飽和モノマーの単独重合体、カルボキシ基含有不飽和モノマーの共重合体、カルボキシ基含有不飽和モノマーと他の重合性モノマーとの共重合体、及び分子内にカルボキシ基を含有する多糖類(「酸性多糖類」とも称する)が挙げられる。これらのカルボキシ基含有樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、カルボキシ基には、遊離のカルボキシ基のみならず、酸無水物基(具体的には、ジカルボン酸無水物基)も含まれる。酸無水物基は、部分的に開環してカルボキシ基となってもよい。カルボキシ基含有樹脂において、カルボキシ基の一部は、アルカリで中和されてもよい。
カルボキシ基含有不飽和モノマーは、好ましくはα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸である。従って、カルボキシ基含有樹脂には、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の単独重合体、2種以上のα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の共重合体、及びα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と他の重合性モノマーとの共重合体が含まれる。他の重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和モノマー等が挙げられる。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられる。これらの酸は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸の1種又は2種以上から選択され、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸の1種又は2種以上から選択される。
α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な他の重合性モノマー、特にエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン;酢酸ビニル等の飽和カルボン酸ビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有ビニルモノマー;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;イタコン酸アルキルエステル類等を挙げることができる。これらのモノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
カルボキシ基含有多糖類としては、例えば、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の分子内にカルボキシ基を有する酸性多糖類等が挙げられる。これらの酸性多糖類は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。酸性多糖類をα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸の(共)重合体と組み合わせて使用できる。
本発明で使用するカルボキシ基含有樹脂が、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とその他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体である場合には、その共重合体の組成は、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーの組成を、好ましくは60モル%以上とし、より好ましくは80モル%以上とし、更に好ましくは90モル%以上とする。
カルボキシ基含有樹脂は、好ましくは、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のみの重合によって得られる単独重合体又は共重合体である。ポリカルボン酸系重合体がα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる(共)重合体の場合、カルボキシ基含有樹脂は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸の1種又は2種以上から選択されるカルボン酸のよって得られる単独重合体、共重合体、及びそれらの2種以上の混合物であり、より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸の1種又は2種以上から選択されるカルボン酸のよって得られる単独重合体、共重合体、及びそれらの2種以上の混合物である。
カルボキシ基含有樹脂は、好ましくは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びマレイン酸重合体の1種又は2種以上から選択される。カルボキシ基含有樹脂は、入手が比較的容易であると共に、リサイクル性及びガスバリア性の観点から、好ましくはポリアクリル酸である。
カルボキシ基含有樹の数平均分子量は、好ましくは2,000以上10,000,000以下の範囲であり、より好ましくは5,000以上1,000,000以下の範囲であり、更に好ましくは10,000以上500,000以下の範囲である。
ポリビニルアルコール系樹脂に対するカルボキシ基含有樹脂の質量比(カルボキシ基含有樹脂/ポリビニルアルコール系樹脂)は、好ましくは1/20以上10/1以下であり、より好ましくは1/15以上5/1以下であり、更に好ましくは1/10以上2/1以下である。
上記質量比を1/20以上とすることにより、容器のリサイクル性をより向上できる。
上記質量比を10/1以下とすることにより、容器のガスバリア性がより向上できる。
なお、上記質量比は固形分比である。
カルボキシ基含有樹脂の含有量は、バリア層に含まれる全成分に対して、好ましくは1質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上70質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以上60質量%以下である。
カルボキシ基含有樹脂の含有量を1質量%以上とすることにより、容器のリサイクル性がより向上できる。
カルボキシ基含有樹脂の含有量を80質量%以下とすることにより、容器のガスバリア性がより向上できる。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量は、バリア層に含まれる全成分に対して、好ましくは20質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上98質量%以下であり、更に好ましくは40質量%以上95質量%以下である。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量を20質量%以上とすることにより、容器のガスバリア性がより向上できる。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量を99質量%以下とすることにより、容器のリサイクル性がより向上できる。
バリア層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤及びイオン交換剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
バリア層は、単層でも、2層以上の多層でもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成でも、異なる組成でもよい。
バリア層の厚さは、好ましくは0.1μm以上200μm以下であり、より好ましくは1μm以上50μm以下である。
なお、バリア層の厚さは、例えば、容器の胴部において測定できる。バリア層の厚さは、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。バリア層が多層である場合には、バリア層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
バリア層は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、茶褐色、橙色、黒色、及び白色等の色に着色されてもよく、さらに透明でも不透明でもよい。バリア層が着色されていることにより、日光等の外部から容器内に進入してくる可視光線を吸収でき、容器の内容物の味及び色の変化を抑制できる。特に、内容物がビールである場合には、このようなバリア層を備える容器は、波長400nm以上500nm以下の可視光線が容器を透過しにくくなっているため、ビール中の苦味成分が日光によって分解されて、日光臭成分である3-メチル-2-ブテン-1-チオールが生成される不具合を抑制できる。波長400nm以上500nm以下の可視光線を効果的に吸収できるため、バリア層は、好ましくは茶褐色又は橙色等に着色されている。バリア層の着色は、例えば、着色剤を使用できる。
(保護層)
本発明による容器において、保護層は、バリア層を保護するためのものである。容器が保護層を有することにより、容器の製造時及び使用時において、バリア層の破損や剥離等の物理的要因から、あるいは吸湿や溶解等の化学的要因からバリア機能の劣化を抑制できる。
一実施形態において、保護層は熱可塑性樹脂を含む。保護層に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、並びにポリビニルアセタール等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
一実施形態において、保護層に含まれる熱可塑性樹脂は、バリア層との密着性の観点からは、好ましくはポリビニルアセタールである。ポリビニルアセタールは、特に好ましくはポリブチルブチラールである。ポリビニルブチラールとは、分子内にビニルブチラール基を有する構成単位を備えた重合体である。中でも、好ましくは、下記化学式(I)で表される、少なくともビニルブチラール基を有する構成単位、ヒドロキシ基を有する構成単位を備えた重合体である。
Figure 2022110486000002
(化学式(I)において、「l」は、ビニルブチラール基を有する構成単位のモル%であり、ブチラール化されたビニルアルコール由来の構成単位の合計のモル%で表される。「m」はビニルアルコール由来の構成単位のモル%を表し、「n」は、酢酸ビニル由来の構成単位のモル%を表す。l及びmはいずれも0よりも大きい数であり、nは0でもよい。)
ポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコール(「PVA」とも称する)にブチルアルデヒドを反応させてアセタール化することにより得られる。PVAをアセタール化する場合、PVAを完全にアセタール化することは困難であり、部分的にヒドロキシ基が不可逆的に残存する。そのため、ポリビニルブチラール樹脂には、ヒドロキシ基が含まれる。
また、PVAは、通常、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより製造されるが、ポリビニルアルコールの製造工程のケン化の際に少量のアセチル基が残存することが多いため、ポリビニルブチラールには、部分的にアセチル基やヒドロキシ基が不可逆的に残存することが一般的である。従って、ポリビニルブチラールには、通常アセチル基が含まれ、ビニルブチラール基を有する構成単位、アセチル基を有する構成単位、ヒドロキシ基を有する構成単位を備えた重合体が好ましく用いられる。
ポリビニルブチラールは、保護層の耐久性の観点から、好ましくはブチラール化度が50モル%以上90モル%以下であり、より好ましくは60モル%以上85モル%以下であり、更に好ましくは65モル%以上75モル%以下である。
ここでブチラール化度とは、ブチラール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除して求めたモル分率であり、化学式(I)におけるビニルブチラール基を有する構成単位のモル%(l)に相当する。
ポリビニルブチラールは、保護層の耐久性の観点から、ヒドロキシ基を有する構成単位、即ち、ビニルアルコール由来の構成単位(m)は、好ましくは10モル%以上40モル%以下であり、より好ましくは14.9モル%以上34モル%以下であり、更に好ましくは24.5モル%以上31モル%以下である。
ポリビニルブチラールは、アセチル基を有する構成単位、すなわち酢酸ビニル由来の構成単位(n)が、好ましくは10モル%以下であり、より好ましくは0.1モル%以上6モル%以下であり、更に好ましくは0.5モル%以上4モル%以下である。
ポリビニルブチラールは、ビニルアルコールにブチルアルデヒドとは異なるアルデヒドを反応させてアセタール化した構成単位を更に有してもよい。このような構成単位は、好ましくは10モル%以下である。
化学式(I)においてl、m、及びnの総和が、好ましくは100モル%である。
ポリビニルブチラールの数平均分子量は、保護層の耐久性の観点から、好ましくは15000~90000であり、より好ましくは20000~70000であり、更に好ましくは25000~65000である。
ポリビニルブチラールは、ポリビニルブチラールを10質量%となるように5質量%含水エタノールに溶かした際に、その水溶液の粘度が、好ましくは3mPa・s以上300mPa・s以下であり、より好ましくは10mPa・s以上280mPa・s以下であり、更に好ましくは20mPa・s以上260mPa・s以下である。
水溶液の粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠して、20℃の温度において、落球式粘度計を用いて測定することができる。
ポリビニルブチラールのガラス転移温度(Tg)は、保護層の耐久性の観点から、好ましくは50℃以上100℃以下であり、より好ましくは60℃以上80℃以下である。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)によって得ることができる。
別の実施形態において、保護層に含まれる熱可塑性樹脂は、耐熱性や耐水性の観点から、好ましくはポリウレタンである。ポリウレタンは、公知の方法によって得ることができ、製造方法は限定されない。ポリウレタンは、例えば、有機ポリオールと、有機ポリイソシアネートとが反応(ウレタン化反応)して生成した反応生成物である。
有機ポリオールとしては、1分子中の官能基数が、好ましくは2以上6以下、より好ましくは2以上4以下であり、数平均分子量が、好ましくは500以上100,000以下、より好ましくは1,000以上30,000以下である化合物が挙げられる。更に詳しくは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシルアルカン、ポリウレタンポリオール、ひまし油又はそれらの混合物(以下、これらを有機ポリオール(1)ということがある。)が挙げられる。これらの中でも、有機ポリオールは、好ましくはポリウレタンポリオールである。
なお、明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。GPC測定では、一般に、標準ポリスチレン換算で重合体の数平均分子量が測定される。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のグリコール類若しくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルエステルポリオールとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオールを反応させて得られるポリエーテルエステルポリオールが挙げられる。
ポリエステルアミドポリオールとしては、上記エステル化反応に際し、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアミノ基を有する脂肪族ジアミンを原料に混合することによって得られるポリエステルアミドポリオールが挙げられる。
アクリルポリオールの例としては、1分子中に1つ以上の水酸基を含むアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオールが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,8-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールAの中から選ばれた1種又は2種以上のグリコールと、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られたポリカーボネートポリオールが挙げられる。
ポリヒドロキシアルカンとしては、ブタジエン、又はブタジエンとアクリルアミド等と
共重合して得られる液状ゴムが挙げられる。
ポリウレタンポリオールとしては、1分子中にウレタン結合を有するポリオールであり、例えば、数平均分子量200以上20,000以下のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等のポリオールと有機ポリイソシアネートとを、ヒドロキシ基に対するイソシアネート基の割合(NCO/OH)が1未満、好ましくは0.9以下となるように反応させて得られるポリウレタンポリオールが挙げられる。
ポリウレタンポリオールにおいて、ポリオールは、好ましくは数平均分子量200以上20,000以下のポリエステルポリオールを使用する。なお、このようなポリウレタンポリオールを、ポリエステルポリウレタンポリオールと称してもよい。
有機ポリオールとして、その分子中(分子内部や分子末端)にカルボキシ基を有するもの(以下、有機ポリオール(2)という。)を使用できる。有機ポリオール(2)は、好ましくは、上記の有機ポリオール(1)と、多塩基酸若しくはその無水物とを反応させて得られる。この際に使用される有機ポリオール(1)としては、分子末端に2個以上の水酸基を含有し、数平均分子量が、好ましくは1,000以上100,000以下、より好ましくは3,000以上15,000以下のものが挙げられる。
多塩基酸若しくはその無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族系多塩基酸及びそれらの無水物が挙げられるが、それらの無水物である無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が特に好適である。更に、これらの無水物から誘導されたエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、グリセロールトリスアンヒドロトリメリテート、エチレングリコールビスアンヒドロピロメリテート、グリセロールトリスアンヒドロピロメリテート、又ロジン成分のアビエチン酸や、C10H16ジエン化合物及びこれらの混合物に無水マレイン酸を付加反応させた誘導体等を使用できる。
有機ポリオール(2)の合成は、有機ポリオール(1)の合成後、多塩基酸若しくはその無水物、好ましくは多塩基酸無水物を加熱下に添加して行なわれるが、有機ポリオールの合成の際に、多価カルボン酸と多価アルコールから一段階で分子内部或いは分子末端にカルボキシ基を含有するものを得ることが可能である。
有機ポリイソシアネートは、1分子中に2つ以上のイソシアネート基を有するものである。有機ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状アルキレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の分岐状アルキレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4’-トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4’,4″-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、2,4,6-トリイソシアネートトルエン等の有機トリイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタン-2,2’-5,5’-テトライソシアネート等の有機テトライソシアネート等のポリイソシアネート単量体などが挙げられる。
上記単量体の他にも、有機ポリイソシアネートとしては、例えば、上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート;炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体とから得られる2,4,6-オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3’-ジメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の分子量200未満の低分子ポリオールと上記ポリイソシアネート単量体との付加体;分子量200以上20,000以下のポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等と上記ポリイソシアネート単量体との付加体等が挙げられる。
有機ポリイソシアネートは、上記したものを、単独で使用しても、2種以上の混合物として使用してもよい。
一実施形態において、有機ポリイソシアネートは、好ましくは上記付加体であり、より好ましくはポリイソシアネート単量体とポリウレタンポリオールとの付加体である。
ウレタン化反応には、シランカップリング剤、リンの酸素酸、及びリンの酸素酸の誘導体を含む群から選択される少なくとも1つを更に使用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、下記化学式(II)又は(III)で示されるものを使用できる。
R-Si≡(X)・・・・・(II)
R-Si≡(R’)(X)・・・・・(III)
式(II)及び(III)中において、Rはビニル基、エポキシ基、アミノ基、イミノ基又はメルカプト基を有する有機基を表し、R’は低級アルキル基、Xはメトキシ基、エトキシ基又は塩素原子を表す。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロルシラン等のクロロシラン、N-(ジメトキシメチルシリルプロピル)エチレンジアミン、N-(トリエトキシシリルプロピル)エチレンジアミン等のアミノシラン;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の添加量は、得られるポリウレタンに対して、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下である。
リンの酸素酸又はその誘導体の内、リンの酸素酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1つ以上有しているものであればいずれでもよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。リンの酸素酸の誘導体としては、上記のリンの酸素酸を遊離の酸素酸を少なくとも1つ以上残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。リンの酸素酸又はその誘導体は、1種又は2種以上を使用してもよい。リンの酸素酸又はその誘導体の添加量は、得られるポリウレタンに対して、好ましくは0.01質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。
一実施形態において、ポリウレタンは、ポリウレタンポリオールであり、好ましくは分子中にカルボキシ基を有するポリウレタンポリオールと、有機ポリイソシアネートとの反応生成物である。有機ポリイソシアネートは、好ましくはポリイソシアネート単量体とポリウレタンポリオールとの付加体である。ポリウレタンをこのような反応生成物とすることにより、容器の耐熱性をより向上できる。
一実施形態において、ポリウレタンは、ポリエステルポリオールと、2種以上の有機ポリイソシアネートとの反応生成物でもよい。2種以上の有機ポリイソシアネートのうち少なくも1種は、直鎖状アルキレンジイソシアネートでもよい。直鎖状アルキレンジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートでもよい。
保護層は、本発明の特性を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸素吸収剤、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、及び着色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
保護層は、単層でも、2層以上の多層でもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成でも、異なる組成でもよい。
保護層の厚さは、好ましくは0.5μm以上1000μm以下であり、より好ましくは0.7μm以上500μm以下である。これにより、バリア層の耐劣化性をより向上することができる。
なお、保護層の厚さは、例えば、容器の胴部において測定することができ、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。また、保護層が多層である場合、保護層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
保護層は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、茶褐色、橙色、黒色、及び白色等の色に着色されてもよく、さらに透明でも不透明でもよい。保護層が着色されていることにより、バリア層を着色する場合と同様に、日光等の外部から容器内に進入してくる光を吸収でき、容器の内容物の味及び色の変化を抑制できる。波長400nm以上500nm以下の可視光線を効果的に吸収できるため、保護層は、好ましくは茶褐色又は橙色等に着色されている。保護層の着色は、例えば、着色剤を使用できる。
(蒸着膜)
本発明の容器は、ガスバリア性をより向上するために、蒸着膜を有してもよい。
蒸着膜としては、例えば、アルミニウム等の金属、並びに酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウム等の無機酸化物、ヘキサメチルジシロキサン等の有機珪素化合物、DLC(Diamond Like Carbon)膜等の硬質炭素膜から構成される、蒸着膜を挙げることができる。
なお、DLC膜からなる硬質炭素膜とは、iカーボン膜又は水素化アモルファスカーボン膜(a-C:H)とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP結合を主体にしたアモルファスな炭素膜のことである。
また、蒸着膜の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1nm以上150nm以下とすることができる。
なお、蒸着膜の厚さは、例えば、容器の胴部において測定でき、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
蒸着膜の形成は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
以下、ボトル及びカップを例示して、本発明による容器の構造の一実施形態を説明する。
図1~図3は、本発明の容器の一例であるボトルの一実施態様を示す模式半断面図である。ボトル10は、図1~図3に示すように、口部11と、口部11の下方に設けられた首部12と、首部12の下方に設けられた肩部13と、肩部13の下方に設けられた胴部14と、胴部14の下方に設けられた底部15とを備えている。
口部11は、図示しないキャップが螺着されるネジ部16と、ネジ部16の下方に設けられたカブラ17と、カブラ17の下方に設けられたサポートリング18を備えている。口部11の形状は、従来公知の形状でもよい。
なお、本明細書中、「上」及び「下」とは、それぞれボトル10又はカップ30を正立させた状態(図1~図4)における上方及び下方のことをいう。
首部12は、サポートリング18と肩部13との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部13は、首部12と胴部14との間に位置しており、首部12側から胴部14側に向けて徐々に径が拡大する形状を有している。
胴部14は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部14が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有してもよい。或いは、胴部14が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有してもよい。また、胴部14は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部14にパネル又は溝等の凹凸が形成されてもよい。
底部15は、中央に位置する凹部19と、この凹部19周囲に設けられた接地部20とを有している。なお、底部15の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有してもよい。
ボトル10は、図1~図3に示すように、支持体21と、支持体21の一方の面側に設けられた保護層23とを備える。また、ボトル10は、図1~図3に示すように、支持体21と保護層23との間にバリア層22を備える。
一実施形態において、ボトル10は、図1に示すように、口部11が、支持体21により構成され、首部12、肩部13、胴部14及び底部15が、支持体21と、バリア層22と、保護層23とにより構成されている。図1に示すように、首部12、肩部13、胴部14及び底部15において、バリア層22は、支持体21を取り囲むように、支持体21の外側全域に設けられている。図1に示すように、保護層23は、バリア層22を取り囲むように、バリア層22の外側全域に設けられている。
一実施形態において、ボトル10は、図2に示すように、口部11及び首部12が、支持体21により構成され、肩部13、胴部14及び底部15が、支持体21と、バリア層22と、保護層23とにより構成されている。図2に示すように、肩部13、胴部14及び底部15において、バリア層22は、支持体21を取り囲むように、支持体21の外側全域に設けられている。図2に示しように、保護層23は、バリア層22を取り囲むように、バリア層22の外側全域に設けられている。
一実施形態において、ボトル10は、サポートリング18の下端から下方に1mm以上10mm以下の範囲にバリア層22及び保護層23を備えていなくてもよい。ボトル10に内容物を充填する際には、サポートリング18の下端より下の部分(首部12等)を掴んで運搬するところ、該部分にバリア層22及び保護層23が設けられていると、掴み不良が発生する恐れがある。サポートリング18の下端から下方に1mm以上10mm以下の範囲にバリア層22及び保護層23が設けられていないボトルは、このような掴み不良を抑制できる。該範囲は、好ましくは2mm以上5mm以下である。
なお、該範囲は、ボトル10を平面上に自立させたときに、この平面に垂直な方向におけるサポートリング18の下端からの距離である。
一実施形態において、バリア層22及び保護層23は、首部12、肩部13、胴部14及び底部15から選択される1以上の全域又は一部領域に設けられてもよい。
一実施形態において、ボトル10は、好ましくは胴部14の外側全域にわたってバリア層22及び保護層23が設けられている。ボトル10は、より好ましくは肩部13及び胴部14の外側全域にわたってバリア層22及び保護層23が設けられている。
一実施形態において、ボトル10は、図3に示すように、口部11の下端を「0L」とし、接地部20を「1L」としたときに、少なくとも0.4L以上0.6L以下の外側全域にわたってバリア層22及び保護層23が設けられている。このような構成とすることにより、バリア層22がバリア層である場合に、ガスバリア性を効率よく向上できる。
ボトル10は、好ましくは、少なくとも0.1L以上0.8L以下の外側全域にわたってバリア層22及び保護層23が設けられ、より好ましくは、少なくとも0.05L以上0.95L以下の外側全域にわたってバリア層22及び保護層23が設けられている。
バリア層22及び保護層23は、ボトル10の内側に設けられてもよい。(図示せず)。
ボトル10は、ボトル10の内側及び外側を含む群から選択される少なくとも1つに蒸着膜を備えてもよい(図示せず)。
図4は、本発明の容器の一実施態様であるカップを示す模式半断面図である。カップ30は、図4に示すように、口部31と、口部31の下方に設けられた胴部32と、胴部32の下方に設けられた底部33とを備えている。
口部31は、フランジ形状を有しているが、口部31の形状は、特に限定されず、従来公知の形状でもよい。
胴部32は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有していが、これに限られるものではなく、胴部32が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有してもよい。あるいは、胴部32が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有してもよい。また、図4の胴部32は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られない。例えば、胴部32にパネル又は溝等の凹凸が形成されてもよい。
底部33は、中央に位置する凹部34と、この凹部34周囲に設けられた接地部35とを有している。なお、底部33の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えば丸底形状等)を有してもよい。
カップ30は、図4に示すように、口部31が、支持体36により構成され、胴部32及び底部33が、支持体36と、バリア層37と、保護層38とにより構成されている。図4に示すように、胴部32及び底部33において、バリア層37は、支持体36を取り囲むように、支持体36の外側全域に設けられている。
一実施形態において、バリア層37及び保護層38は、口部31、胴部32及び底部33から選択される1以上の全域又は一部領域に設けられてもよい。
バリア層37及び保護層38は、カップ30の内側に設けられてもよい。(図示せず)。
カップ30は、カップの内側及び外側を含む群から選択される少なくとも1つに蒸着膜を備えてもよい(図示せず)。
なお、カップ30内に物品を収容する際には、ガスバリア性を有する蓋材を使用してカップ30を密閉する(図示せず)。これにより、ガスバリア性を有するカップとすることができる。
一実施形態において、本発明の容器は、予備成形体のブロー成形体でもよい。予備成形体としては、後述する本発明の予備成形体を使用してもよい。本発明の容器がボトルである場合、予備成形体としてプリフォームを使用してもよい。
ボトルがプリフォームのブロー成形体である場合、プリフォームに対するボトルの容積増加率は、好ましくは2以上45以下であり、より好ましくは5以上40以下であり、更に好ましくは8以上35以下である。
なお、プリフォームに対するボトルの容積増加率は、ブロー成形された部分の容積増加率を意味し、例えば、プリフォームの口部以外の容積をVとし、ブロー成形後のボトルの口部以外の容積をVとしたときの容積増加率「V/V」を意味する。
ボトルにおいて、酸素透過度は、好ましくは0.100cc/day・bottle・0.21atm以下であり、より好ましくは0.070cc/day・bottle・0.21atm以下であり、更に好ましくは0.050cc/day・bottle・0.21atm以下であり、更により好ましくは0.040cc/day・bottle・0.21atm以下である。
なお、本明細書において、酸素透過度は、JIS K 7126-2:2006に準拠して、酸素透過度測定装置(例えば、MOCON社製、商品名:OX-TRAN 2/20)を使用して、23℃、湿度40%RHの条件により測定される値であり、口部を治具で塞いだボトルのボトル全体において測定し、口部を除いたボトル全体の表面積で除した値である。
本発明の容器の断面の厚さは、好ましくは0.1mm以上0.4mm以下であり、より好ましくは0.15mm以上0.3mm以下である。
なお、容器の断面の厚さは、例えば、少なくとも、支持体と、バリア層と、保護層とを有する容器の胴部において測定できる。容器の断面の厚さは、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明の容器は、容量/質量が、好ましくは5mL/g以上50mL/g以下であり、より好ましくは8mL/g以上45mL/g以下である。
容器の容量/質量を5mL/g以上とすることにより、容器の軽量化を図ることができる。
また、容器の容量/質量を50mL/g以下とすることにより、容器の強度を向上できる。
本発明の容器は、満注容量が、例えば、100mL以上2000mL以下のものでもよい。容器の満注容量は、好ましくは280mL以上750mL以下である。
また、本発明の容器は、満注容量が、例えば、10L以上60L以下の大型のものでもよい。
本発明の容器において、波長400nm以上500nm以下の可視光線の透過率は、好ましくは20%以下である。これにより、内容物の味及び色の変化を抑制できる。特に、内容物がビールである場合には、日光臭が発生する不具合を抑制できる。該透過率は、より好ましくは15%以下であり、更に好ましくは5%以下あり、更により好ましくは1%以下である。このような透過率は、保護層及びバリア層を含む群から選択される少なくとも1つの層を適宜着色することにより調整できる
波長400nm以上500nm以下の可視光線の透過率は、分光光度計を使用して、波長0.5nm間隔において可視光線波長の光線透過率を測定することにより得ることができる。分光光度計としては、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計を使用できる。
なお、容器の透過率は、例えば、少なくとも、支持体と、バリア層と、保護層とを有する容器の胴部において測定する。
本発明の容器は、その表面に印刷が施されてもよい。印刷により形成される画像は、特に限定されず、例えば、模様及び文字等が挙げられる。容器の色調に影響されないという観点からは、印刷は、好ましくは容器の外側表面に施されている。
印刷は、公知の方法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、熱転写法、シルクスクリーン法、パッド法、ホットスタンプ法、コールドスタンプ法等が挙げられる。
また、印刷が施された予備成形体をブロー成形することによって、印刷が施された容器を得ることができる。
<容器の製造方法>
以下、ボトルを例示しつつ、本発明の容器の製造方法を説明する。
一実施形態において、図1に示すボトル10は、以下の手順により製造できる。
まず、従来公知の方法により、口部11と、首部12と、肩部13と、胴部14と、底部15とを有する支持体21を作製する。
次いで、バリア層22を構成する材料と、溶媒とを含むバリア層用塗工液を準備する。
次いで、バリア層用塗工液を、支持体21の首部12、肩部13、胴部14及び底部15に塗工して、塗工膜を形成する。
次いで、塗工膜を乾燥して溶媒を除去することにより、バリア層22を形成する。
次いで、ポリウレタンと、溶媒とを含む保護層用塗工液を準備する。
次いで、保護層用塗工液をバリア層22の表面に塗工して、塗工膜を形成する。
次いで、塗工膜を乾燥して溶媒を除去することにより、保護層23を形成し、図1に記載のボトル10を製造できる。
なお、図2及び図3に記載のボトル10は、バリア層用塗工液及び保護層用塗工液の塗工箇所を適宜選択することにより製造できる。
一実施形態において、図1~図3に記載のボトル10は、後述する図5~図7に示すプリフォーム40をブロー成形することにより製造できる。ブロー成形は、従来公知の方法により行うことができる。
バリア層用塗工液に使用する溶媒は、バリア層を構成する材料を溶解又は乳化分散できるものである。溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール等のアルコール類;ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の極性有機溶剤等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
溶媒は、好ましくは、水、アルコール類、又はこれらの混合物を使用し、より好ましくは、水及びイソプロピルアルコールとの混合溶媒を使用する。これにより、バリア層用塗工液の粘性が向上し、塗工回数を少なくすることが可能となるため、容器の生産性を向上できる。
バリア層用塗工液において、バリア層を構成する材料の固形分の合計濃度は、好ましくは2質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上10質量%以下である。これにより、厚さの均一なバリア層を形成できる。
バリア層用塗工液の粘度は、好ましくは150mPa・s以上4000mPa・s以下であり、より好ましくは200mPa・s以上2500mPa・s以下である。これにより、容器の生産性をより向上できる。
バリア層用塗工液の粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠して、20℃の温度において、回転式粘度計を使用して測定できる。
バリア層用塗工液の塗工は、従来公知の方法により行うことができる。塗工方法は、例えば、印毛等により塗布する方法、バリア層用塗工液に容器を浸漬する方法、容器の表面にバリア層用塗工液を噴霧する方法等が挙げられる。
バリア層用塗工液から形成された塗工膜の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度である。乾燥温度は、好ましくは20℃以上80℃以下であり、より好ましくは40℃以上70℃以下であり、更に好ましくは50℃以上70℃以下である。
保護層用塗工液に使用する溶媒は、保護層形成用材料を溶解、乳化分散できるものであれば特に限定されず、例えば、水、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を使用できる。保護層形成用材料として、ポリオール、ポリイソシアネート及びポリウレタンを使用する場合には、溶媒は、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル等が好ましい。
保護層用塗工液の塗工は、従来公知の方法により行うことができる。塗工方法は、例えば、印毛等により塗布する方法、保護層用塗工液に容器を浸漬する方法、容器の表面に保護層用塗工液を噴霧する方法等が挙げられる。
保護層用塗工液から形成された塗工膜の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度である。乾燥温度は、好ましくは20℃以上80℃以下であり、より好ましくは40℃以上70℃以下であり、更に好ましくは50℃以上70℃以下である。
本発明の容器の製造方法は、容器の表面に、模様及び文字等の画像の印刷を施す工程を含んでもよい。
印刷は、公知の方法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、熱転写法、シルクスクリーン法、パッド法、ホットスタンプ法及びコールドスタンプ法等が挙げられる。例えば、インクジェット法により印刷を行う場合には、容器にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷を行う。また、熱転写シートを使用して印刷を施してもよい。
<予備成形体>
本発明の容器は、上記したように、圧縮成形、射出成形、ブロー成形、熱成形等の種々の方法より得られた支持体の表面にバリア層および保護層を形成することでも製造することができるが、特にブロー成形により支持体を得る場合には、ブロー成形前の予備成形体の支持体の表面にバリア層および保護層を形成しておき、それをブロー成形して容器とすることもできる。本明細書において、予備成形体とは、本発明の容器をブロー成形する前の成形体であり、本発明の容器の製造に使用されるものである。予備成形体の形状は、ブロー成形後の容器の形状に応じて適宜選択できる。本発明の予備成形体は、支持体と、支持体の少なくとも一方の面側に設けられた保護層と、支持体と保護層との間に設けられたバリア層と、を備える。
以下、本発明の予備成形体が備える各構成要素について説明する。
(支持体)
本発明の予備成形体において、支持体を構成する材料は、本発明の容器における支持体を構成する材料と同様のものを使用できる。支持体にこのような材料を使用することにより、本発明の容器を得ることができると共に、ブロー成形性に優れた予備成形体とすることができる。
支持体は、単層構造でも、2層以上の多層構造でもよい。支持体が多層構造である場合には、各層は、同一の組成でも、異なる組成でもよい。
支持体の断面の厚さは、好ましくは1.3mm以上4.3mm以下であり、より好ましくは1.9mm以上2.9mm以下である。
なお、支持体の断面の厚さは、例えば、予備成形体の胴部において測定でき、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
予備成形体の支持体は、好ましくは表面処理を施す。表面処理としては、例えば、コロナ処理、低温プラズマ処理、及びフレーム処理等が挙げられる。このような表面処理を施すことにより、支持体表面のぬれ性が向上し、支持体と、支持体と接する層との密着性を向上できる。
(バリア層)
本発明の予備成形体において、バリア層を構成する材料は、本発明の容器におけるバリア層を構成する材料と同様のものを使用できる。バリア層にこのような材料を使用することにより、本発明の容器を得ることができると共に、ブロー成形性に優れた予備成形体とすることができる。
バリア層は、予備成形体により製造される容器の用途に応じて、好ましくは、遮光性、光沢性、色彩、ガスバリア性等を有する層である。
バリア層は、特に好ましくは、ガスバリア性を有するバリア層である。
バリア層は、単層でも、2層以上の多層でもよい。また、バリア層が多層である場合には、各層が、同一の組成でも、異なる組成でもよい。
バリア層の厚さは、好ましくは2μm以上1000μm以下であり、より好ましくは20μm以上500μm以下である。
なお、バリア層の厚さは、例えば、予備成形体の胴部において測定できる。バリア層の厚さは、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。バリア層が多層である場合、バリア層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
バリア層は、保護層は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、茶褐色、橙色、黒色、及び白色等の色に着色されてもよく、さらに透明でも不透明でもよい。このようなバリア層とすることで、着色されたバリア層を備える容器を製造できる。バリア層の着色は、例えば、着色剤を使用できる。
(保護層)
本発明の予備成形体において、保護層を構成する材料は、本発明の容器における保護層を構成する材料と同様のものを使用できる。保護層にこのような材料を使用することにより、本発明の容器を得ることができると共に、ブロー成形性に優れた予備成形体とすることができる。
保護層は、単層でも、2層以上の多層でもよい。また、保護層が多層である場合には、各層が、同一の組成でも、異なる組成でもよい。
保護層の厚さは、好ましくは0.5μm以上1000μm以下であり、より好ましくは0.7μm以上500μm以下である。
なお、保護層の厚さは、例えば、予備成形体の胴部において測定できる。保護層の厚さは、厚さが最も薄くなる箇所を意味する。保護層が多層である場合、保護層の厚さは、全ての層の厚さの合計である。
保護層は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、茶褐色、橙色、黒色、及び白色等の色に着色されてもよく、さらに透明でも不透明でもよい。このような保護層とすることにより、着色された保護層を備える容器を製造できる。保護層の着色は、例えば、着色剤を使用できる。
以下、プリフォームを例示して、本発明による予備成形体の構造の一実施形態を説明する。
図5~図7は、本発明によるプリフォームの一実施態様を示す模式半断面図である。プリフォーム40は、図5~図7に示すように、口部41と、口部41に連結された胴部42と、胴部42に連結された底部43とを備えている。このうち口部41は、後述のボトル10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部42は、ボトル10の首部12、肩部13及び胴部14に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部43は、ボトル10の底部15に対応するものであり、略半球形状を有している。
口部41は、図示しないキャップが螺着される後述のボトル10のネジ部16に対応するネジ部44と、ネジ部44の下方に設けられ、ボトル10のカブラ17に対応するカブラ45と、カブラ45の下方に設けられ、ボトル10のサポートリング18に対応するサポートリング46を備えている。口部41の形状は、従来公知の形状でもよい。
プリフォーム40は、図5~図7に示すように、支持体47と、支持体47の一方の面側に設けられた保護層49とを備える。また、プリフォーム40は、図5~図7に示すように、支持体47と保護層49との間にバリア層48を備える。
一実施形態において、プリフォーム40は、図5に示すように、口部41が、支持体47により構成され、胴部42及び底部43が、支持体47と、バリア層48と、保護層49とにより構成されている。図5に示すように、バリア層48は、支持体47を取り囲むように、支持体47の外側全域に設けられている。図5に示すように、保護層49は、バリア層48を取り囲むように、バリア層48の外側全域に設けられている。
一実施形態において、プリフォーム40は、図6に示すように、口部41と、胴部42の一部が支持体47により構成され、胴部42の残りの部分と底部43とが、支持体47と、バリア層48と、保護層49とにより構成されている。図6に示すように、バリア層48は、支持体47を取り囲むように、支持体47の外側全域に設けられている。図6に示すように、保護層49は、バリア層48を取り囲むように、バリア層48の外側全域に設けられている。
なお、上記において、「胴部42の一部」とは、図2に示すボトル10の首部12に対応する部分であり、「胴部42の残りの部分」とは、図2に示すボトル10の肩部13、胴部14及び底部15に対応する部分である。
一実施形態において、プリフォーム40は、サポートリング46の下端から下方に1mm以上10mm以下の範囲にバリア層48及び保護層49を備えていなくてもよい。これにより、内容物の充填する際の運搬において、掴み不良が抑制されたボトルを製造できる。該範囲は、好ましくは2mm以上5mm以下である。
一実施形態において、バリア層48及び保護層49は、胴部42及び底部43を含む群から選択される少なくとも1つの部分の上下方向の全域又は一部領域に設けられてもよい。
一実施形態において、プリフォーム40は、図7に示すように、口部41の下端を「0L」とし、底部43の下端を「1L」としたときに、少なくとも0.4L以上0.6L以下の外側全域にわたってバリア層48及び保護層49が設けられている。プリフォームをこのような構成とすることにより、バリア層48がバリア層である場合に、ガスバリア性が効率よく向上された容器を得ることができる。
プリフォーム40は、好ましくは、少なくとも0.2L以上0.7L以下の外側全域にわたってバリア層48及び保護層49が設けられ、より好ましくは、少なくとも0.1L以上0.9L以下の外側全域にわたってバリア層48及び保護層49が設けられている。
バリア層48及び保護層49は、プリフォーム40の内側に設けられてもよい(図示せず)。
予備成形体の断面の厚さは、好ましくは1.4mm以上4.5mm以下であり、より好ましくは2mm以上3mm以下である。
なお、予備成形体の断面の厚さは、例えば、少なくとも、支持体と、バリア層と、保護層とを有する予備成形体の胴部において測定できる。予備成形体の断面の厚さは、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明の予備成形体において、波長400nm以上500nm以下の可視光線の透過率は、好ましくは20%以下である。これにより、容器の内容物の味及び色の変化を抑制された容器を製造できる。該透過率は、より好ましくは15%以下であり、更に好ましくは5%以下あり、更により好ましくは1%以下である。このような透過率は、保護層及びバリア層を含む群から選択される少なくとも1つの層を適宜着色することにより調整できる
波長400nm以上500nm以下の可視光線の透過率は、分光光度計を使用して、波長0.5nm間隔において可視光線波長の光線透過率を測定することにより得ることができる。分光光度計としては、(株)島津製作所製の紫外可視分光光度計を使用できる。
なお、予備成形体の透過率は、例えば、少なくとも、支持体と、バリア層と、保護層とを有する予備成形体の胴部において測定する。
本発明の予備成形体は、その表面に印刷が施されてもよい。印刷により形成される画像は、特に限定されず、例えば、模様及び文字等が挙げられる。予備成形体の色調に影響されないという観点からは、印刷は、好ましくは、予備成形体の外側表面に施されている。
印刷は、公知の方法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、熱転写法、シルクスクリーン法、パッド法、ホットスタンプ法及びコールドスタンプ法等が挙げられる。
<予備成形体の製造方法>
以下、プリフォームを例示しつつ、本発明の予備成形体の製造方法を説明する。
一実施形態において、図5に記載のプリフォーム40は、以下の手順で製造できる。
まず、上記支持体を構成する材料を従来公知の装置を使用して射出成形することにより、口部41と、胴部42と、底部43とを有する支持体47を作製する。
次いで、バリア層48を構成する材料と、溶媒とを含むバリア層用塗工液を準備する。
次いで、バリア層用塗工液を支持体47の胴部42及び底部43に塗工して、塗工膜を形成する。
次いで、塗工膜を乾燥して溶媒を除去することにより、バリア層48を形成する。
次いで、ポリウレタンと、溶媒とを含む保護層用塗工液を準備する。
次いで、保護層用塗工液をバリア層48の表面に塗工して、塗工膜を形成する。
次いで、塗工膜を乾燥して溶媒を除去することにより、保護層49を形成し、図5に記載のプリフォーム40を製造できる。
なお、図6及び図7に記載のプリフォーム40は、バリア層用塗工液及び保護層用塗工液の塗工箇所を適宜選択することにより製造できる。
予備成形体の製造方法におけるバリア層用塗工液及び保護層用塗工液は、容器の製造方法におけるバリア層用塗工液及び保護層用塗工液と同様のものを使用できる。
バリア層用塗工液及び保護層用塗工液の塗工は、従来公知の方法により行うことができる。塗工方法は、例えば、印毛等により塗布する方法、バリア層用塗工液に予備成形体を浸漬する方法、予備成形体の表面にバリア層用塗工液を噴霧する方法等が挙げられる。
本発明の予備成形体の製造方法は、予備成形体の表面に、模様及び文字等の画像の印刷を施す工程を含んでもよい。
印刷は、公知の方法により行うことができる。印刷法としては、例えば、インクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、熱転写法、シルクスクリーン法、パッド法、ホットスタンプ法及びコールドスタンプ法等が挙げられる。例えば、インクジェット法により印刷を行う場合には、予備成形体にUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化することにより印刷を行うことができる。また、熱転写シートを使用して印刷を施してもよい。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ペレット状のポリエチレンテレフタレート(PET)を準備した。
上記PETを溶融して、射出成形機を使用して射出し、口部と、胴部と、底部とを備えるプリフォームの支持体を作製した。支持体の口部は、口部の上方からネジ部、カブラ及びサポートリングを順に備えている。
次いで、1.88gのポリアクリル酸((株)日本触媒製、商品名:AS-58、数平均分子量:106,000)を、水43.5gに溶解した。別途、18.82gのPVA((株)クラレ製、商品名:PVA-124、重合度:2400、ケン化度:98~99%)を、水414.0g及びイソプロピルアルコール(IPA)21.8gの混合溶媒に溶解した。これらの溶液を混合し、バリア層用塗工液(粘度:263.4mPa・s(20℃))を作製した。このバリア層用塗工液を上記支持体の胴部及び底部に塗工して、塗工膜を形成し、塗工膜を50℃で10分間乾燥した。この塗工膜の形成及び乾燥を合計5回行い、バリア層を形成した。なお、PVAに対するポリアクリル酸の質量比(固形分比)は1/10である。
次いで、東洋モートン(株)社製、ウレタン系コーティング材料(商品名:EL-540)の主剤を42.1質量部、硬化剤を7.9質量部、及び酢酸エチルを50質量部混合し、保護層用塗工液を作製した。この保護層用塗工液を上記バリア層の表面に塗工して、塗工膜を形成し、塗工膜を50℃で10分間乾燥した。この塗工膜の形成及び乾燥を合計3回行い、保護層を形成し、図5に示すようなプリフォームを得た。
プリフォームの胴部における断面の厚さは3mmであり、バリア層の厚さは200μmであり、保護層の厚さは100μmであった。プリフォームの目付量は20gであった。
次いで、上記プリフォームを110℃に加熱し、ブロー成形金型内において、二軸延伸ブロー成形を行い、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備える内容量500mLの、図1に示すようなボトルを得た。バリア層及び保護層は、ボトルの首部、肩部、胴部及び底部の外側表面に形成されている。ボトルの胴部における断面の厚さは0.2mmであり、バリア層の厚さは20μmであり、保護層の厚さは10μmであった。
[実施例2]
3.45gのポリアクリル酸を水79.9gに溶解した溶液と、17.25gのPVAを、水379.4g及びIPA20.0の混合溶媒に溶解した溶液と混合して、バリア層用塗工液(粘度:256.4mPa・s(20℃))を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、PVAに対するポリアクリル酸の質量比は1/5である。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
[実施例3]
6.90gのポリアクリル酸を水159.8gに溶解した溶液と、13.80gのPVAを、水303.5g及びIPA16.0の混合溶媒に溶解した溶液と混合して、バリア層用塗工液(粘度:230.1mPa・s(20℃))を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、PVAに対するポリアクリル酸の質量比は1/2である。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
[実施例4]
10.35gのポリアクリル酸を水239.7gに溶解した溶液と、10.35gのPVAを、水227.7g及びIPA12.0gの混合溶媒に溶解した溶液と混合して、バリア層用塗工液(粘度:195.5mPa・s(20℃))を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。なお、PVAに対するポリアクリル酸の質量比は1/1である。
次いで、実施例1と同様にして、本実施例のプリフォームからボトルを得た。
[実施例5]
ペレット状のポリプロピレン(PP)を準備した。
上記PPを溶融して、射出成形機を使用して射出し、口部と、胴部と、底部とを備えるカップの支持体を作製した。
次いで、支持体の胴部及び底部の外側表面にコロナ処理を施した。
次いで、実施例1と同様のバリア層用塗工液を使用して、支持体のコロナ処理面にバリア層を形成し、実施例1と同様の保護層用塗工液を使用して、バリア層の表面に、保護層を形成し、図4に示すようなカップを作製した。
[比較例1]
支持体にバリア層及び保護層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてプリフォームを得た。
次いで、実施例1と同様にして、本比較例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.2mmであった。
[比較例2]
PVAのみを水に溶解してバリア層用塗工液を作製し、このバリア層用塗工液を用いて、塗工膜の形成及び乾燥を合計7回行い、バリア層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、プリフォームを得た。
プリフォームの胴部における断面の厚さは3mmであり、バリア層の厚さは200μmであり、保護層の厚さは100μmであった。プリフォームの目付量は20gであった。
次いで、実施例1と同様にして、本比較例のプリフォームからボトルを得た。
ボトルの胴部における断面の厚さは0.2mmであり、バリア層の厚さは20μmであり、保護層の厚さは10μmであった。
<<リサイクル性評価>>
上記実施例及び比較例において得られたボトル及びカップを粉砕してフレーク状態にした後、90℃の1.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液にフレークを投入し、15分間撹拌した。その後、フレークを濾別した後に20℃の蒸留水にてフレーク表面のアルカリ水溶液を洗い流した。ボトル及びカップのリサイクル性を以下の基準に基づいて評価した。評価結果を表1に示す。なお、リサイクル性評価は、保護層用塗工液に微量の赤色着色剤を混合し、保護層を着色して行った。
(評価基準)
A:フレークは無色透明となった。
B:フレークに着色された保護層が残っていた。
<<ガスバリア性評価>>
上記実施例及び比較例において得られたボトルの酸素透過度を測定して、ボトルのガスバリア性を評価した。酸素透過度の測定は、JIS K 7126-2:2006に準拠して、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX-TRAN2/20)を用いて、23℃、湿度40%RHの条件により行った。なお、酸素透過度の数値は、口部を治具で塞いだボトルのボトル全体において測定し、口部を除いたボトル全体の表面積で除した値である。測定結果を表1に示す。
Figure 2022110486000003
表1から明らかなように、本発明の容器は、リサイクル性に優れる。
また、本発明の容器は、PVAのみからなるバリア層を備える容器と同等のガスバリア性を有する。
10:ボトル
11:口部
12:首部
13:肩部
14:胴部
15:底部
16:ネジ部
17:カブラ
18:サポートリング
19:凹部
20:接地部
21:支持体
22:バリア層
23:保護層
30:カップ
31:口部
32:胴部
33:底部
34:凹部
35:接地部
36:支持体
37:バリア層
38:保護層
40:プリフォーム
41:口部
42:胴部
43:底部
44:ネジ部
45:カブラ
46:サポートリング
47:支持体
48:バリア層
49:保護層

Claims (7)

  1. 支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた保護層と、前記支持体と前記保護層との間に設けられたバリア層と、を備える容器であって、
    前記支持体は、熱可塑性樹脂を含み、
    前記バリア層は、カルボキシ基含有樹脂と、ポリビニルアルコール系樹脂とを含む、容器。
  2. 前記カルボキシ基含有樹脂が、ポリアクリル酸である、請求項1に記載の容器。
  3. 前記カルボキシ基含有樹脂の含有量が、前記バリア層に含まれる全成分に対して、1質量%以上80質量%以下である、請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記ポリビニルアルコール系樹脂に対する前記カルボキシ基含有樹脂の質量比が、1/20以上10/1以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
  5. 前記プリフォームのバリア層の厚さが、0.1μm以上200μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、ポリエステル及びポリオレフィンを含む群から選択される少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の容器の予備成形体。
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