JP6370296B2 - マイクロニードルアレイとマイクロニードルアレイ製造方法 - Google Patents

マイクロニードルアレイとマイクロニードルアレイ製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、皮下に薬物等の目的物質を投与して種々の疾患の予防や治療を行うためのマイクロニードルアレイと、そのようなマイクロニードルアレイを製造するマイクロニードルアレイ製造方法に係り、特に、穿刺時に破損し難く、それにより確実に穿刺を行うことができるとともに、所望の量の目的物質を確実に投与できるように工夫したものに関する。
従来のマイクロニードルアレイとしては、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載された経皮吸収製剤保持シート(マイクロニードルアレイ)は、図33に示すような構成になっている。まず、支持体1001があり、この支持体1001上には、略円錐形状の微細な針状をなす経皮吸収製剤(マイクロニードル)1003が固着されている。この経皮吸収製剤1003が皮膚に穿刺されることになる。
また、特許文献1には、経皮吸収製剤保持用具も開示されている。この経皮吸収製剤保持用具は、貫通孔を有する本体と、該貫通孔の中に保持された針状等の形状を有する経皮吸収製剤と、から構成されている。
また、特許文献2に記載された経皮投与製剤(マイクロニードルアレイ)は、図34に示すような構成になっている。まず、支持体1005があり、この支持体1005には、複数の微細針(マイクロニードル)1007が固着されている。この微細針1007は、略円錐形状を成しており、先端側(図34中上側)の第1部分1009と、基端側(図34中下側)の第2部分1011と、から構成されている。上記第1部分1009は、例えば、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤に局所麻酔薬等の目的物質及び水を混合して乾燥・固化させたものである。また、上記第2部分1011も、例えば、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と水を混合して乾燥・固化させたものである。
一方、金属性の基部を用い、その先端に目的物質を含有する生分解性物質を有するマイクロニードル製剤の開発も行われている(非特許文献1)。
その他、所望の量の目的物質をより確実に投与することができる安全な製剤の開発が様々行われている。
国際公開第06/080508号パンフレット 特開2013−32324号公報
Leonard Y. Chu,Mark R. Prausnitz著 "Separable arrowhead microneedles"(Journal of Controlled Release、2011、第149巻、第242頁〜第249頁)
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、特許文献1に記載された経皮吸収製剤保持シートの場合は、別途製造された経皮吸収製剤1003が支持体1001に固着された構成になっているので強度が十分ではなく、特に、固着部分の強度が不十分であった。そのため、皮膚に穿刺しようとすると、穿刺の仕方(皮膚に対して斜めに穿刺した場合等)によっては、経皮吸収製剤1003が固着部分から折れて破損してしまい、確実な穿刺が損なわれてしまうという問題があった。
また、穿刺中に経皮吸収製剤1003が破損してしまうと、所望の量の目的物質を投与できないという問題もあった。
また、特許文献2に記載された経皮投与製剤の場合も、別途製造された微細針1007の第2部分1011が支持体1005に固着されているため強度が十分でなく、皮膚に穿刺する際に根元から倒れてしまい、確実な穿刺が損なわれてしまうという問題があった。
また、経皮投与製剤は雌型を用いて成形されるが、完成した経皮投与製剤を上記雌型から離型させる際に、上記微細針1007が根元から曲がったり、破損したりするという問題もあった。
また、局所麻酔薬等の目的物質を含む第1部分1009についても同様であり、第2部分1011との間に境界があり強度が十分でないため、穿刺時に破損してしまい、それにより所望の量の目的物質を投与できないという問題もあった。
また、特許文献1の経皮吸収製剤1003の場合も同じであるが、上記微細針1007は円錐形状をなしていて、先端側から基部側に向かって断面積が徐々に増大していくため、ある深さ以上になると穿刺し難くなるうえに抜け易くなるという問題もあった。
本発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、穿刺時に破損し難く、それにより確実に穿刺を行うことができるとともに、所望の量の目的物質を確実に投与できるマイクロニードルアレイと、そのようなマイクロニードルアレイを製造するマイクロニードルアレイ製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の態様(1)によるマイクロニードルアレイは、基板と、上記基板に一体に突出・形成された複数のマイクロニードル基部と、上記複数のマイクロニードル基部の先にそれぞれ設置されることによりマイクロニードルを構成し生体内可溶性又は生分解性を備えているとともに目的物質を保持したマイクロニードル先部と、を具備し、上記マイクロニードル基部にはマイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔が形成されており、上記貫通孔の内径は上記マイクロニードル基部側に対して反マイクロニードル基部側が大径になっていて、上記マイクロニードル先部の一部は上記貫通孔の上記マイクロニードル基部側に入り込んでいることを特徴とするものである。
又、態様(2)によるマイクロニードルアレイは、基板と、上記基板に一体に突出・形成された複数のマイクロニードル基部と、上記複数のマイクロニードル基部の先にそれぞれ設置されることによりマイクロニードルを構成し生体内可溶性又は生分解性を備えているとともに目的物質を保持したマイクロニードル先部と、を具備し、上記マイクロニードル基部にはマイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝が形成されており、上記マイクロニードル先部の一部は上記溝に入り込んでいることを特徴とするものである。
又、態様(3)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)又は態様(2)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記複数のマイクロニードルを皮下に穿刺して引き抜くことにより上記マイクロニードル先部を皮下に残留させるように構成されていることを特徴とするものである。
又、態様(4)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)〜態様(3)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部は垂直部を備えていることを特徴とするものである。
又、態様(5)によるマイクロニードルアレイは、態様(4)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部の垂直部には凹凸部が形成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
又、態様(6)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)〜態様(5)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル基部とマイクニードル先部は、その横断面形状が矩形を成していることを特徴とするものである。
又、態様(7)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)〜態様(6)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル先部側には突起が形成されていて、上記マイクロニードル先部は上記突起を覆うように上記マイクロニードル基部に設置されていることを特徴とするものである。
又、態様(8)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)〜態様(7)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記基板と上記マイクロニードル基部は樹脂製であることを特徴とするものである。
又、態様(9)によるマイクロニードルアレイは、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生体適合性樹脂であることを特徴とするものである。
又、態様(10)によるマイクロニードルアレイは、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生分解性樹脂であることを特徴とするものである。
又、態様(11)によるマイクロニードルアレイは、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生体内非可溶性樹脂であることを特徴とするものである。
又、態様(12)によるマイクロニードルアレイは、態様(1)〜態様(11)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部には返し部が形成されていることを特徴とするものである。
又、態様(13)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、マイクロニードル成形用凹部を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し、上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を上記貫通孔の反マイクロニードル基部側から充填するとともにその充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔内に入り込むようにし、所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるようにしたことを特徴とするものである。
又、態様(14)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、マイクロニードル成形用凹部と空気抜きの溝を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を充填し、上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し上記充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝内に入り込むとともに空気が上記空気抜き用溝を介して外部に抜けるようにし、所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるようにしたことを特徴とするものである。
又、態様(15)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(13)又は態様(14)記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、上記マイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部にラミナーフロー下でラミナーフローと垂直に嵌合させるようにしたことを特徴とするものである。
又、態様(16)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(13)〜態様(15)の何れかに記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル成形用凹部内への嵌合量を調整することにより、上記マイクロニードル先部の大きさを制御するようにしたことを特徴とするものである。
又、態様(17)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(14)記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、上記マイクロニードル基部に形成された上記マイクロニードル先部入り込み用凹部は貫通孔又は溝であることを特徴とするものである。
又、態様(18)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(13)〜態様(17)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型はエラストマー系材料から構成されていることを特徴とするものである。
又、態様(19)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(13)〜態様(18)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部の縁部には凸部が設けられていることを特徴とするものである。
又、態様(20)によるマイクロニードルアレイ製造方法は、態様(13)〜態様(19)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型及び又は上記基板には上記マイクロニードル成形用凹部と外部とを連絡する通路が形成されていることを特徴とするものである。
以上述べたように本願発明の態様(1)によるマイクロニードルアレイによると、基板と、上記基板に一体に突出・形成された複数のマイクロニードル基部と、上記複数のマイクロニードル基部の先にそれぞれ設置されることによりマイクロニードルを構成し生体内可溶性又は生分解性を備えているとともに目的物質を保持したマイクロニードル先部と、を具備し、上記マイクロニードル基部にはマイクロニードル先部入り込み用凹部が形成されており、上記マイクロニードル先部の一部は上記マイクロニードル先部入り込み用凹部に入り込んでいる構成になっているため、上記マイクロニードル先部の不用意な脱落を防止するとともに、上記マイクロニードルの強度を高めて穿刺時の破損を防止して確実に穿刺することができ、それによって、所望の量の目的物質を確実に投与することができる。
又、態様(2)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部入り込み用凹部は貫通孔又は溝であるため、上記効果を確実なものとすることができる。
又、態様(3)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)又は態様(2)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記複数のマイクロニードルを皮下に穿刺して引き抜くことにより上記マイクロニードル先部を皮下に残留させるように構成されているため、穿刺後すぐに上記基板を除去することができ、長時間、上記基板を皮膚表面に保持させておく必要がなく、患者への負担を軽減させることができる。
又、態様(4)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)〜態様(3)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部は垂直部を備えているため、その垂直部を介してマイクロニードル先部と皮膚との間に摩擦力が発生し、それによって、上記マイクロニードル先部の皮下内への残留がより確実なものとなる。
又、態様(5)によるマイクロニードルアレイによると、態様(4)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部の垂直部には凹凸部が形成されているため、上記マイクロニードル先部の皮下内への残留がさらに確実なものとなる。
又、態様(6)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)〜態様(5)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル基部とマイクニードル先部は、その横断面形状が矩形を成しているため、上記マイクロニードルが皮膚に穿刺された際皮膚との間に摩擦力を生じさせ、上記マイクロニードル先部の皮下内への残留がさらに確実なものとなる。
又、態様(7)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)〜態様(6)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル先部側には突起が形成されていて、上記マイクロニードル先部は上記突起を覆うように上記マイクロニードル基部に設置されているため、上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル先部側が平面であるものより上記マイクロニードルの強度を高めることができる。また、上記マイクロニードルの強度を高めることにより上記雌型からの離型が容易となる利点がある。
又、態様(8)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)〜態様(7)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記基板と上記マイクロニードル基部は樹脂製であるため、上記マイクロニードルの強度をより高めることができ、また、樹脂であるため、射出成形やホットエンボス成形などの各種成形方法によって製造することができ、低コスト化や量産化も可能である。
又、態様(9)によるマイクロニードルアレイによると、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生体適合性樹脂であるため、人体に対する危険性を極めて小さなものとすることができる。
又、態様(10)によるマイクロニードルアレイによると、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生分解性樹脂であるため、人体に対する危険性を極めて小さなものとすることができる。
又、態様(11)によるマイクロニードルアレイによると、態様(8)記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記樹脂は生体内非可溶性樹脂であるため、人体に対する危険性を極めて小さなものとすることができ、またマイクロニードルの強度を高めることができる。
又、態様(12)によるマイクロニードルアレイによると、態様(1)〜態様(11)の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、上記マイクロニードル先部には返し部が形成されているため、上記マイクロニードル先部の皮下内への残留がさらに確実なものとなる。
又、態様(13)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、マイクロニードル成形用凹部を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し、上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を充填するとともにその充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部内に入り込むようにし、所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるため、材料の一部がマイクロニードル先部入り込み用凹部内に入り込んだ状態のマイクロニードルアレイを容易に製造することができる。また、その際、外部からの不純物等の混入を防止することができる。
又、態様(14)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、マイクロニードル成形用凹部を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を充填し、上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し上記充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部内に入り込むようにし、所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるため、この場合も、材料の一部がマイクロニードル先部入り込み用凹部内に入り込んだ状態のマイクロニードルアレイを容易に製造することができる。また、その際、上記溶解又は溶融状態の目的物質が高粘度の場合であっても、上記マイクロニードル成形用凹部内に容易に充填することができ、また、上記材料の量の調整も容易である。
又、態様(15)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)又は態様(14)記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記マイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部にラミナーフロー下でラミナーフローと垂直に嵌合させることになり、外部からの不純物等の混入を防止して、無菌状態にて上記マイクロニードルの製造を行うことができる。
又、態様(16)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)〜態様(15)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル成形用凹部内への嵌合量を調整することにより、上記マイクロニードル先部の大きさを制御することになり、容易にマイクロニードル先部の大きさ、すなわち、材料ひいては目的物質の量を容易に調整することができる。
又、態様(17)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)〜態様(16)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記マイクロニードル基部に形成された上記マイクロニードル先部入り込み用凹部は貫通孔又は溝であるため、上記マイクロニードル先部を構成する溶液の固化を効率良く行うことができる。また、上記基板を上記雌型に嵌合させる際や雌型の内部にマイクロニードル先部を構成する溶解又は溶融状態の材料を注入する際、上記貫通孔や溝が空気抜きとして作用し、上記基板と上記雌型の嵌合や上記マイクロニードル先部を構成する溶解又は溶融状態の材料の注入を容易に行うことができる。また、余剰の上記マイクロニードル先部を構成する溶解又は溶融状態の材料を上記貫通孔や溝内部に逃がすこともできる。また、上記貫通孔を利用して、雌型の内部にマイクロニードル先部を構成する溶解又は溶融状態の材料を注入することもできる。
又、態様(18)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)〜態様(17)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型はエラストマー系材料から構成されているため、マイクロニードル成形用凹部とマイクロニードル基部間を密閉することができ、上記マイクロニードル先部を構成する溶液の漏れを防止することができる。また、上記雌型の弾性力により完成したマイクロニードルアレイの離型が容易である。また、エラストマー系材料から構成される上記雌型は、注型や射出成形法等によって低コスト化や量産化も可能である。
又、態様(19)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)〜態様(18)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部の縁部には凸部が設けられているため、上記基板と上記雌型とを嵌合させる際、上記基板のマイクロニードル基部と上記雌型のマイクロニードル成形用凹部との間に位置のずれがある場合でも、上記凸部が移動・変形することで上記位置のずれが吸収されるため、上記基板の全てのマイクロニードル基部を上記雌型の全てのマイクロニードル成形用凹部へ容易に挿入することができる。また、この凸部の大きさを調製することで、上記マイクロニードル基部が上記マイクロニードル成形用凹部内に挿入される深さを調製することができ、これにより、製造されるマイクロニードルアレイのマイクロニードル先部の大きさを調製することができる。
又、態様(20)によるマイクロニードルアレイ製造方法によると、態様(13)〜態様(19)の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、上記雌型及び又は上記基板には上記マイクロニードル成形用凹部と外部とを連絡する通路が形成されているため、上記溝を介して目的物質からの揮発成分が抜けやすくなり乾燥(養生)時間を短縮することができる。また、上記溝を介して上記マイクロニードル成形用凹部内に乾燥空気を送り込んで乾燥(養生)を促進させることもできる。
本発明の第1の実施の形態を示す図で、第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイの斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図1におけるII−II断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイの基板の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図3におけるIV−IV断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に用いる雌型の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図5におけるVI−VI断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図7(a)は第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に用いる雌型にマイクロニードルアレイの基板を嵌合させる直前の状態を示す断面図、図7(b)は上記雌型に上記基板を嵌合させた状態を示す断面図、図7(c)は上記基板の貫通孔を介して上記雌型の凹部内にマイクロニードル先部の材料を充填させた状態を示す断面図、図7(d)は所定の養生期間経過後完成したマイクロニードルアレイを上記雌型から離型させた状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図8(a)は第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に用いる雌型にマイクロニードル先部の材料を充填させた状態を示す断面図、図8(b)は上記雌型にマイクロニードルアレイの基板を嵌合させる直前の状態を示す断面図、図8(c)は上記雌型に上記基板を嵌合させた状態を示す断面図、図8(d)は所定の養生期間経過後完成したマイクロニードルアレイを上記雌型から離型させた状態を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態を示す図で、図9(a)は第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイを皮膚に穿刺した状態を示す図、図9(b)は皮膚に穿刺した上記マイクロニードルアレイの貫通孔に押出用治具を挿入した状態を示す図、図9(c)は上記押出用治具によって上記マイクロニードルアレイのマイクロニードル先部を皮下に残留させて上記マイクロニードルアレイの基板のみを皮膚から除去した状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態を示す図で、第2の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に用いる雌型を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す図で、第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す図で、第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態を示す図で、第5の実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態を示す図で、第6の実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態を示す図で、第7の実施の形態によるマイクロニードルアレイを示す斜視図である。 本発明の第8の実施の形態を示す図で、第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイの基板を示す斜視図である。 本発明の第8の実施の形態を示す図で、第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造の際、雌型に基板を嵌合させた状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の第8の実施の形態を示す図で、第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造の際、雌型に基板を嵌合させた状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の第9の実施の形態を示す図で、第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイの基板を示す斜視図である。 本発明の第9の実施の形態を示す図で、第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造の際、雌型に基板を嵌合させた状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の第9の実施の形態を示す図で、第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造の際、雌型に基板を嵌合させた状態を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施例1を示す図で、マイクロニードルアレイの一部を示す拡大写真である。 本発明の実施例1を示す図で、マイクロニードルアレイの基板の一部を示す拡大写真である。 本発明の実施例1を示す図で、マイクロニードルアレイの製造に用いる雌型の一部の断面を示す拡大写真である。 本発明の実施例1を示す図で、マイクロニードルアレイの製造に用いる雌型にマイクロニードルアレイの基板を嵌合させた状態を示す拡大写真である。 本発明の実施例1を示す図で、図26(a)は基板の一部を示し各部の寸法を記載した図、図26(b)は雌型の一部を示し各部の寸法を記載した図、図26(c)は雌型に基板をセットした状態の一部を示す図、図26(d)はマイクロニードルアレイの一部を示し各部の寸法を記載した図である。 本発明の実施例2を示す図で、マイクロニードルアレイの一部を示す拡大写真である。 本発明の実施例2を示す図で、図28(a)は基板の一部を示し各部の寸法を記載した図、図28(b)は雌型の一部を示し各部の寸法を記載した図、図28(c)は雌型に基板をセットした状態の一部をに示す図、図28(d)はマイクロニードルアレイの一部を示し各部の寸法を記載した図である。 本発明の実施例3を示す図で、マイクロニードルアレイの一部を示す拡大写真である。 本発明の実施例3を示す図で、マイクロニードルアレイの製造に用いる雌型にマイクロニードルアレイの基板を嵌合させた状態の一部を示す拡大写真である。 本発明の実施例3を示す図で、図31(a)はマイクロニードルアレイをシリコーンゴムシートに穿刺する前の状態を示す拡大写真、図31(b)はシリコーンゴムに穿刺している状態を示す拡大写真、図31(c)はシリコーンゴムからマイクロニードルアレイを剥離し先部のみがシリコーンゴム内に残留した状態を示す拡大写真である。 本発明の実施例3を示す図で、図32(a)は基板の一部を示し各部の寸法を記載した図、図32(b)は雌型の一部を示し各部の寸法を記載した図、図32(c)は雌型に基板をセットした状態を示す図、図32(d)はマイクロニードルアレイの一部を示し各部の寸法を記載した図である。 従来例を示す図で、従来のマイクロニードルアレイを示す斜視図である。 従来例を示す図で、従来のマイクロニードルアレイの一部を示す部分的に拡大して示す断面図である。
発明の詳細な説明
まず、図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、第1の形態によるマイクロニードルアレイ1の構成について説明する。上記マイクロニードルアレイ1は、図1及び図2に示すように、基板3と複数(本実施の形態の場合は9個)のマイクロニードル5とから構成されている。
なお、本発明における「マイクロニードルアレイ」とは、上記「マイクロニードルアレイ1」を含み、また、図1に示された「マイクロニードルアレイ1」の形状以外にも、本明細書にて説明する種々の形状や組成を有する第2から第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイをも含む。
上記基板3は、図3、図4に示すように、板状の部材に複数(本実施の形態の場合は9個)のマイクロニードル基部7が図4中上側に突出・形成された構成を成している。また、上記基板3には、図4に示すように、個々のマイクロニードル基部7毎に、マイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔9が形成されている。また、この貫通孔9のマイクロニードル基部7側(図4中上側)は小径部9aとなっているとともに、反マイクロニードル基部7側(図4中下側)は大径部9bとなっている。
また、上記マイクロニードル5は、図1、図2に示すように、既に述べたマイクロニードル基部7と、このマイクロニードル基部7の上端面(図2中上側端面)に設置されたマイクロニードル先部11とから構成されている。
上記マイクロニードル先部11は、図2に示すように、先端側(図2中上側)が略円錐形状を成しており、この略円錐形状の部分の底面から基板3側に向けて小径の凸部13が突出・形成された構成となっている。上記マイクロニードル先部11は、上記凸部13が上記マイクロニードル基部7の貫通孔9の小径部9a内に入り込んだ状態で、上記マイクロニードル基部7の上端面(図2中上側の面)に設置されている。
また、上記凸部13が上記マイクロニードル基部7の貫通孔9の小径部9a内に入り込んだ状態は、後述するように、上記マイクロニードルアレイ1の製造過程において、上記マイクロニードル先部11を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料19が上記貫通孔9内に入り込むことにより実現される。
なお、目的物質とは、冒頭でも述べたように、薬物等を意味している。又、溶解とは目的物質を含んだ材料が別の溶剤等に溶けている状態を意味し、溶融とは目的物質を含んだ材料自身が別途溶剤等を要することなく溶けている状態を意味する。
また、上記マイクロニードル5のマイクロニードル基部7は、既に述べたように、上記基板3上に突出・形成されたものであり、上記基板3と一体に設けられたものである。
また、上記マイクロニードル先部11は、基剤としての生体内可溶性材料又は生分解性材料に上記マイクロニードルアレイ1によって投与される目的物質を混合した溶解又は溶融状態の材料を固化させたものである。
また、上記基板3及び上記マイクロニードル基部7は樹脂製であり、この第1の実施の形態の場合は、生分解性樹脂、生体適合性樹脂、及び、生体内非可溶性の樹脂から選択される樹脂、またはこれらの混合物が用いられる。
また、上記基板3及び上記マイクロニードル基部7は、人体への安全性を考慮すれば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、或いは、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリジオキサノンなどの生分解性樹脂、又はこれらの混合物から構成されることが好ましく、より好ましくは、強度に優れるポリグリコール酸から構成することができる。また、上記基板3及び上記マイクロニードル基部7は、強度や破損し難いなどの点から、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の生体内非可溶性の汎用性樹脂から構成されることも考えられる。
生体適合性樹脂としては、例えばポリプロピレンやテフロン(登録商標)、ポリウレタンなどがあり、それらの単独又は混合物が挙げられる。
また、上記マイクロニードル基部7の大きさとしては、マイクロニードルの刺さりやすさや強度、製造しやすさ等を考慮すると、直径は50〜800μm程度で、好ましくは100〜500μm程度、より好ましくは100〜300μmである。また、基部7の高さは、アスペクト比(高さ÷直径)が5以下、好ましくは3以下、より好ましくは2以下になるように設定することが強度、製造の点から好ましい。また、基部7の本数としては、最終的に形成されるマイクロニードルアレイ1の必要な薬剤量に応じて適宜設定されるが、1cmあたり5〜1000本程度、好ましくは10〜800本、より好ましくは100〜500本である。
また、基板3のサイズとしては、四角形の場合は、一辺1〜50mm、好ましくは一辺約5〜30mm、より好ましくは約10〜20mm程度に、円形の場合は、好ましくは直径を1〜50mm、好ましくは5〜30mm、より好ましくは約10〜20mmにすると、取り扱いが有利である。
また、上記基板3及び上記マイクロニードル基部7は、コストや量産性の面から射出成形やホットエンボス、ナノインプリントなどの各種成形法によって製造するのが好ましい。
また、上記貫通孔9は上記基板3及び上記マイクロニードル基部7の成形後にレーザー加工などで穿孔してもよいが、好ましくは上記基板3及び上記マイクロニードル基部7の成形と同時に形成するのがよい。上記基板3及び上記マイクロニードル基部7の成形と同時に上記貫通孔9を形成する場合、上記基板3及び上記マイクロニードル基部7の成形に用いる図示しない型には、予め、上記貫通孔9に対応する部位に、凸部などが設けられることになる。
また、上記マイクロニードル先部11の材料の基剤としては、水溶性の紫外線硬化樹脂や生体内溶解性の物質であってもよく、生体内溶解性でない物質であってもよく、あるいはこれらの混合物であってもよい。さらにその他添加剤を加えることも可能である。生体内溶解性物質の例を挙げると、糖類としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、デキストリン、シクロデキストリン、デキストラン、デキストラン硫酸、アルギン酸、アガロース、キトサン、ペクチン、グルコマンナン、プルラン、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース等およびこれらの塩が適用可能であり、ポリマー類としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリエチレンオキシド、等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が適用可能である。好ましくはコンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ポリビニルピロリドンおよびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が適用される。
生体内溶解性でない物質の例を挙げると、エチルセルロース、メチルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、メチルアクリレート・メタクリル酸共重合体、セルロースアセテートフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸コポリマー等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が適用可能である。好ましくはポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸−グリコール酸コポリマー等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が適用される。
水溶性の紫外線硬化樹脂を用いる場合は、ビニル基などの重合部位を持った分子を充填後に紫外線照射で重合を励起させるため、具体的にはビニルピロリドン、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、エチレンイミン、アリルアミン等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が用いられる。好ましくはビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が用いられる。
その他添加物としては、コラーゲン、ゼラチン、血清アルブミン、ポリグルタミン酸等およびこれらの塩、またはこれらの2種以上の混合物が適用可能である。
また、概ね上記マイクロニードル5の直径は、50〜800μm、好ましくは100〜500μm程度、より好ましくは100〜300μmである。マイクロニードル5の長さ(図2中上下方向長さ)は200〜1000μm程度が好ましく、より好ましくは300〜800μmである。強度の点からマイクロニードル先部11の長さは、全体の長さの半分以下が好ましい。
なお、説明の都合上、マイクロニードル5の数を9個として模式的に示して説明しているが、実際には、多数のマイクロニードル5が設けられており、既に基部7の数として説明したが、例えば、1cmあたり5〜1000本、好ましくは10〜800本程度、より好ましくは100〜500本である。
但し、本願発明の範囲には、上記マイクロニードル5が1本の場合も含まれる。
第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の形状としては、四角形や円形が適切であるが、本発明の目的を達成しうる限り、これ以外の形状であってもよい。
第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の大きさとしては、既に基板3の大きさとして説明したが、例えば、四角形の場合は一辺を約1〜50mm、好ましくは約5〜30mm、より好ましくは約10〜20mmに、円形の場合は直径を約1〜50mm、好ましくは約5〜30mm、より好ましくは約10〜20mmにすると、取り扱いが有利である。
また、マイクロニードルアレイ1の基板3の表面には、皮膚に貼付するための粘着層を設けることも考えられる。粘着剤としてはアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等が考えられるが、その中でもより好ましくはアクリル系粘着剤あるいはシリコン系粘着剤などの医療用テープに採用されている粘着性物質である。また、粘着層の厚さとしては、例えば、1〜200μm、好ましくは5〜150μm程度、より好ましくは10〜100μmである。
また、第1の実施の形態における目的物質には、繰り返しになるが、薬物等が含まれており、目的物質を薬物とすることで、第1の実施の形態におけるマイクロニードルアレイ1は、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ヒツジ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなど)の薬物による治療及び予防等を目的として適用される。
上記マイクロニードルアレイ1の使用方法としては、上記哺乳動物の皮膚上のいずれの場所にも適用することができ、凹凸を有する部位にも使用される。
上記マイクロニードルアレイ1による目的物質の投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、投与の時期、間隔、有効成分の種類などによって異なるが、医薬活性成分としての投与量が有効量となる範囲から選択すればよい。また、上記マイクロニードルアレイ1による目的物質の投与は、1日1回または2〜3回に分けて行われることも考えられる。
適応可能な薬物としては、黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログ、インスリン、超速効型インスリンアナログ、持効型インスリンアナログ、超持効型インスリンアナログ、成長ホルモン、PEG化ヒト成長ホルモンアナログ、ソマトメジンC、ナトリウム利尿ペプチド、グルカゴン、卵胞刺激ホルモン、GLP−1アナログ、副甲状腺ホルモンアナログなどのホルモン類、t‐PA、グルコセレブロシダーゼ、αガラクトシダーゼA、α‐L−イズロニダーゼ、酸性α‐グルコシダーゼ、イズロン酸2スルファターゼ、ヒトN‐アセチルガラクトサミン‐4‐スルファターゼ、尿酸オキシダーゼ、DNA分解酵素などの酵素類、血液凝固第VIII因子、血液凝固第VII因子、血液凝固第IX因子、トロンボモデュリンなどの血液凝固線溶系因子、アルブミンなどの血清タンパク質、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、PEG化インターフェロンαなどのインターフェロン類、エリスロポエチン、エリスロポエチンアナログ、PEG化エリスロポエチンなどのエリスロポエチン類、G‐CSF、G‐CSF誘導体、インターロイキン‐2、bFGFなどのサイトカイン類、マウス抗CD3抗体、ヒト化抗EGF受容体抗体、キメラ型抗CD20抗体、ヒト化抗RSウイルス抗体、キメラ型抗TNFα抗体、キメラ型抗CD25抗体、ヒト化抗IL6受容体抗体、カリケアマイシン結合ヒト化抗CD33抗体、ヒト化抗VEGF抗体、MX‐DTPA結合マウス抗CD20抗体、ヒト抗TNFα抗体、キメラ型抗EGFR抗体、ヒト化抗VEGF抗体フラグメント、ヒト化抗IgE抗体、ヒト抗補体C5抗体、ヒト抗EGFR抗体、ヒト抗IL12/IL23‐p40抗体、ヒト抗TNFα抗体、ヒト抗IL‐1β抗体、ヒト抗RANKL抗体、ヒト化抗CCR4抗体、PEG化ヒト化抗TNFα抗体Fabなどの抗体、可溶性TNF受容体Fc融合タンパク質、CTLA4‐改変Fc融合タンパク質、Fc‐TPORアゴニストペプチド融合タンパク質、VEGFR‐Fc融合タンパク質などの融合タンパク質、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、百日せきワクチン、不活化ポリオワクチン、生ポリオワクチン、ジフテリア破傷風混合トキソイド、百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン、インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン、B型肝炎ワクチン、A型肝炎ワクチン、インフルエンザHAワクチン、狂犬病ワクチン、日本脳炎ワクチン、ワイル病秋やみ混合ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチン、風しんワクチン、麻しんワクチン、ロタウイルスワクチン、ノロウィルスワクチン、RSVワクチン、BCGワクチンなどのワクチン類、さらには、薬物の活性を補助する効果や免疫系調節効果を有する物質も本願発明の薬物に含まれ、例えば、一般にワクチン製剤を製造する場合に使用されるアジュバントなどが考えられる。アジュバントとしては、難水溶性アジュバント、親水性ゲルアジュバント又は水溶性アジュバントを挙げることができ、難水溶性アジュバントとしては、例えばレチノイン酸などのレチイミド、イミキミド、及びResquimod(R‐848)、4‐amino‐α,α,2‐dimethyl‐1H‐imidazo[4,5‐c]quinoline‐1‐ethanol(R‐842(3M Pharmaceuticals製等);Journal of Leukocyte Biology(1995) 58: 365‐372参照)、4‐amino‐α,α,2‐trimethyl‐1H‐imidazo[4,5‐c]quinoline‐1‐ethanol(S‐27609(3M Pharmaceuticals製等);Journal of Leukocyte Biology(1995) 58: 365〜372参照)、及び4‐amino‐2‐ethoxymethyl‐α,α‐dimethyl‐1H‐imidazo[4,5‐c]quinoline‐1‐ethanol(S‐28463(3M Pharmaceuticals製等);Antivirul Research (1995) 28: 253〜264参照)などのイミダゾキノリン類、Loxoribine、Bropirimine、オレイン酸、流動パラフィン、フロイント等がある。親水性ゲルアジュバントとしては、例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム等が挙げられる。水溶性アジュバントとしては、例えば、α‐ディフェンシン、β‐ディフェンシン、カテリシジン、アルギン酸ナトリウム、poly[di(carboxylatophenoxy)phosphazene]、Quil A、ポリエチレンイミン等が挙げられる。好ましいアジュバントとしては親水性ゲルアジュバントおよび水溶性アジュバントである。親水性ゲルアジュバントについて、好ましくは水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウムが挙げられる。
また、上記マイクロニードルアレイ1のうち、目的物質がワクチンの場合は特に有用であり、その場合の治療及び予防に必要な量のワクチン抗原を上記マイクロニードルアレイ1のマイクロニードル先部11に含有させることができる。
目的物質がワクチンである場合の対象疾患とその場合に必要な量は、日本であれば厚生労働省より公示されている生物学的製剤基準に記載されており、日本国外では各国のそれに順ずる公定書などに記載されている。投与する薬物量は、ワクチン接種目的(初回、追加接種など)、混合ワクチンであるか否か、接種患者の年齢、製造業者、ウイルス株、型などによって一律には定義できないため、一般的に使用されている薬物量を一例として記載するが、本発明への適用はこの記載量に限るものではない。
例えば、上記薬物量としては、(1)破傷風;2.5〜5Lf、(2)ジフテリア;15〜25Lf、(3)百日せき;4単位以上、(4)ポリオ;I型1.5DU、II型50DU、III型50DU、(5)インフルエンザ菌b型(Hib);多糖として10マイクログラム、(6)B型肝炎;5〜10マイクログラム、(7)A型肝炎;0.5マイクログラム、(8)インフルエンザHA;各株30マイクログラム以上、(9)狂犬病;107LD50以上、(10)日本脳炎;参考品と同等以上、(11)ワイル病秋やみ;3単位以上、(12)肺炎球菌;多糖として各型1〜25マイクログラム、(13)ヒトパピローマウイルス;各型20〜40マイクログラム、(14)おたふくかぜ;5000CCID50以上、(15)水痘;1000PFU以上、(16)風しん;1000PFU以上、(17)麻しん;5000CCID50以上、(18)ロタウイルス;106CCID50以上、(19)ノロウィルス;5〜150マイクログラム、(20)RSV;5〜60マイクログラム、(21)BCG;12ミリグラムが挙げられる。
第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1は、前記薬物による治療及び予防等に有用であり、低毒性で安全な製剤である。
また、上記マイクロニードルアレイ1は、他の製剤、例えば経口投与製剤や注射剤と併用することも考えられる。
第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1は、次のようにして、製造されるものである。
上記マイクロニードルアレイ1の製造には、図5及び図6に示すような雌型15を用いる。この雌型15には、複数のマイクロニードル成形用凹部17が形成されている。このマイクロニードル成形用凹部17は、図6に示すように、既に述べたマイクロニードル5の形状に対応した形状となっており、円筒形凹部17aと逆円錐形凹部17bとから構成されている。
また、第1の実施の形態の場合、上記雌型15の材質は、弾性の点でエラストマーが好ましく、成形性の点で熱可塑性エラストマーやシリコーンゴム、ポリウレタンゴムがより好ましい。また、上記雌型15のショア硬度は、A5〜A70程度が好ましいが、A20〜A50がより好ましい。
上記雌型15のマイクロニードル成形用凹部17の直径は50〜800μm、好ましくは100〜500μm程度、より好ましくは100〜300μmである。マイクロニードル成形用凹部17の最長部の深さは300〜1200μm、好ましくは500〜1000μm程度、より好ましくは400〜800μmである。マイクロニードル成形用凹部17の数は1cmあたり5〜1000、好ましくは10〜800個程度が好ましく、より好ましくは100〜500本である。上記雌型15の厚さは0.3〜10mm、好ましくは0.5〜5mm程度、より好ましくは0.5〜2mmである。上記雌型15の大きさは5〜50mm角又は直径、好ましくは5〜30mm角又は直径、より好ましくは10〜20mm角又は直径である。
また、上記雌型15は、コストや量産性の点から射出成形や注型によって製造されるのが好ましい。
また、上記雌型15に上記基板3を嵌合させる際の作業性から、上記雌型15を透明な材質により構成することも考えられる。
また、上記マイクロニードル成形用凹部17の寸法(円筒形凹部17aの直径)は上記マイクロニードル基部7の寸法(直径)よりも若干小さめに設定されている。より具体的には、上記マイクロニードル成形用凹部17の円筒形凹部17aの直径を、上記マイクロニードル基部7の直径よりも1〜100μm程度、好ましくは5〜80μm程度、より好ましくは10〜50μm程度小さくする。それによって、上記雌型15に上記基板3を嵌合させた際、マイクロニードル基部7と上記マイクロニードル成形用凹部17との間に隙間が発生することはなく、不用意な液漏れや、上記基板3の上記雌型15からの不用意な脱落を防止することができる。
但し、当該寸法が同一の場合も本願発明に含む。
第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の製造は、次のような手順で行う。
まず、図7(a)に示すように、上記雌型15と、既に説明した基板3を用意する。
次に、図7(b)に示すように、例えば、ラミナーフロー下で、上記基板3のマイクロニードル基部7を上記雌型15のマイクロニードル成形用凹部17に挿入することで、上記基板3と上記雌型15を上記ラミナーフローと垂直に嵌合させる。
次に、図7(c)に示すように、上記雌型15のマイクロニードル成形用凹部17内に、上記基板3の貫通孔9を介して、マイクロニードル先部11を構成する材料19を注入する。この材料19は、前述したような基剤としての生分解性樹脂、生体適合性樹脂、生体内非可溶性樹脂、紫外線硬化樹脂、及び、生体内溶解性樹脂から選択される樹脂、またはこれらの混合物に目的物質を混合し、溶解又は溶融状態としたものである。このとき、注入された上記材料19の一部は、上記基板3の貫通孔9内に残留する。上記材料19の上記マイクロニードル成形用凹部17内への注入は、例えば、ディスペンサー、インクジェット、ポッティング、分注、シリンジ等によって行われる。また、上記マイクロニードル成形用凹部17内の空気によって上記材料19の注入が難しい場合には、真空中で注入を行うか、空気を逃がす小さい溝などを上記マイクロニードル基部7又は上記雌型15の一部に設けることが考えられる。
所定の養生期間経過後、上記材料19は固化されてマイクロニードル先部11となり、複数のマイクロニードル5を備えたマイクロニードルアレイ1が構成される。
その後、図7(d)に示すように、完成した上記マイクロニードルアレイ1を上記雌型15から離型させる。この上記マイクロニードルアレイ1の上記雌型15からの離型は、上記マイクロニードルアレイ1の完成直後、又は、上記マイクロニードルアレイ1を使用する直前に行われる。
また、上記マイクロニードルアレイ1を離型させた後の上記雌型15は再利用することも可能であるが、衛生面等での安全性の点から好ましくは使い捨てがよい。特に、使用直前に上記マイクロニードルアレイ1を上記雌型15から離型させる場合には、上記雌型15は必然的に使い捨てとなる。
また、別のマイクロニードルアレイ1の製造方法を図8を参照しながら説明する。
まず、図8(a)に示すように、雌型15のマイクロニードル成形用凹部17内に、予め、材料19を注入しておく。この材料19の上記マイクロニードル成形用凹部17内への注入は、例えば、ディスペンサー、インクジェット、スプレー、ポッティング、分注、シリンジ、印刷、スキージ等によって行われる。
次に、図8(b)、図8(c)に示すように、ラミナーフロー下で、ラミナーフローと垂直に、上記基板3のマイクロニードル基部7を上記雌型15のマイクロニードル成形用凹部17に挿入することで、上記雌型15に上記基板3を嵌合させる。このとき、上記基板3の貫通孔9内に材料19の一部が浸入する。
所定の養生期間経過後、上記材料19は固化されてマイクロニードル先部11となり、複数のマイクロニードル5を備えたマイクロニードルアレイ1が構成される。
その後、図8(d)に示すように、完成した上記マイクロニードルアレイ1を上記雌型15から離型させる。
上記マイクロニードルアレイ1が使用される際には、図9(a)に示すように、個々のマイクロニードル5が穿刺対象である皮膚21に穿刺される。やがて、時間の経過とともに、上記皮膚21内の水分や熱などによって、マイクロニードル先部11が徐々に上記皮膚21内に溶けて拡散していく。
また、穿刺後に上記マイクロニードル先部11が全て上記皮膚21内に溶けて拡散していくまで、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置する場合も考えられるが、穿刺直後に上記マイクロニードルアレイ1の基板3を上記皮膚21から離間させ、上記マイクロニードル先部11のみが上記皮膚21内に残留されるようにする場合も考えられる。この場合は、上記マイクロニードル先部11が上記皮膚21内に溶けて拡散していく間、上記基板3を上記皮膚21表面に貼り付けておかなくてもよいという利点がある。
しかし、単に上記マイクロニードルアレイ1の基板3を上記皮膚21から離間させるのみでは、上記マイクロニードル先部11も上記基板3とともに上記皮膚21内から離脱してしまうことが懸念される。
そこで、本実施の形態においては、図9(b)に示すような押出用治具23を用いる。すなわち、図9(b)に示すように、上記押出用治具23を上記基板3の貫通孔9内に挿入して、上記基板3を上記皮膚21から離間させる際にマイクロニードル先部11を押し出すようにする。これにより、上記皮膚21内には、上記マイクロニードル先部11が残留される。
押出用治具23の材質としては、汎用的なプラスチックや金属などが考えらえるが使い捨てを前提とした場合、コストの点から成形が可能なプラスチックが好ましく、量産性に優れる射出成形により製造するのがより好ましい。
上記押出用治具23には、図9(b)、図9(c)に示すように、上記基板3の貫通孔9に対応する複数の凸部25が形成されている。この凸部25により、上記マイクロニードル先部11の凸部13を付勢し、上記マイクロニードル先部11を上記貫通孔9内から押し出すようにする。
また、このほかにも、上記押出用治具23のような押出用治具を使用しない場合も考えられる。例えば、上記貫通孔9から圧縮空気を送り込むことで、空気圧によって上記マイクロニードル先部11を上記貫通孔9内から押し出すことも考えられる。
以上の構成を基に、第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の作用、すなわち、上記マイクロニードルアレイ1による穿刺と、皮膚内での目的物質の溶解及び拡散について説明する。
まず、上記マイクロニードルアレイ1は、図9(a)に示すように、皮膚21に穿刺される。このとき、マイクロニードル先部11は時間の経過とともに上記皮膚21内の水分や熱などによって徐々に溶解し、上記皮膚21内に拡散される。このようにして、上記マイクロニードル先部11に含まれる目的物質が上記皮膚21内に投与される。
また、穿刺後、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置する場合と、穿刺した直後に基板3を上記皮膚21から離間させる場合がある。
上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置した場合は、上記マイクロニードル先部11の内、貫通孔9内の部分はマイクロニードル基部7に囲まれているため、上記マイクロニードル先部11の上記皮膚21側の部分に比べて、目的物質はゆっくり溶解、及び、拡散される。
一方、上記基板3を上記皮膚21から離間させた場合は、マイクロニードル先部11と上記貫通孔9の中に入っていた部分13も上記皮膚21に直接覆われるため、その両方から目的物質が溶解、及び拡散することとなり、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置する場合に比べると、目的物質がより早く溶解、及び、拡散される。
また、単に上記基板3を上記皮膚21から離間させようとするのみでは、上記マイクロニードル先部11も共に上記皮膚21の外へと離脱してしまうことが考えられる。このような場合は、図9(b)、図9(c)に示すように、押出用治具23を用いて上記マイクロニードル先部11を基板3の貫通孔9内から押し出して、上記マイクロニードル先部11のみが上記皮膚21内に残留されるようにする。
以上、本実施の形態によると、次のような効果を奏することができる。
上記マイクロニードルアレイ1のマイクロニードル5は、基板3と一体に形成されたマイクロニードル基部7と、このマイクロニードル基部7に設置され目的物質が含まれるマイクロニードル先部11とから構成されている。そのため、上記マイクロニードル基部7によって、上記マイクロニードル5の強度が確保され、確実な穿刺と目的物質の投与を行うことができる。
また、マイクロニードル基部7の直径が長さ方向(図2中上下方向)に同一であるために、皮膚21に深く刺した場合でも穿刺抵抗が大きくならず、穿刺が容易に行える。
また、上記基板3及びマイクロニードル基部7が生分解性又は生体適合性材料から構成されている場合は、万一、上記マイクロニードル基部7が上記皮膚21内で破損したとしても、人体への危険性が極めて小さい。また、高齢者や小児であっても、容易に扱うことができる。
また、上記基板3及びマイクロニードル基部7が生体内非可溶性の樹脂から構成した場合は、上記マイクロニードル基部7が体内で溶け出すことがなく、人体への危険性がきわめて小さなものとなる。
また、上記基板3にはマイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔9が形成されており、上記マイクロニードルアレイ1の製造過程において、上記マイクロニードル先部11を構成する溶解又は溶融状態の材料19が上記貫通孔9内に浸入/残留することにより、上記マイクロニードル先部11の凸部13が上記貫通孔9内に入り込んだ構成となっている。そのため、上記マイクロニードル先部11を上記マイクロニードル基部7に確実に設置し、上記マイクロニードル先部11の上記マイクロニードル基部7からの不用意な脱落を確実に防止することにより、確実な穿刺と目的物質の投与を行うことができる。
また、穿刺後、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置する場合と、穿刺した直後に基板3を上記皮膚21から離間させる場合があるが、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置した場合は、上記マイクロニードル先部11の内、貫通孔9内の部分はマイクロニードル基部7に囲まれているため、上記マイクロニードル先部11の上記皮膚21側の部分に比べてゆっくり溶解・拡散され、目的物質を徐々に放出させることができる。
一方、上記基板3を上記皮膚21から離間させた場合は、マイクロニードル先部11と上記貫通孔9の中に入っていた部分13も上記皮膚21に直接覆われるため、その両方から目的物質が溶解、及び拡散することとなり、上記マイクロニードルアレイ1をそのまま放置する場合に比べると、上記目的物質をより早く溶解、及び、拡散させることができる。
また、上記マイクロニードルアレイ1を皮膚21に対して穿刺した直後に上記基板3を上記皮膚21から離間させる際、押出用治具23の凸部25を上記貫通孔9内に挿入し、上記マイクロニードル先部11を押し出すことによって、上記マイクロニードル先部11のみを確実に皮膚21内に残留させることができる。
また、上記マイクロニードルアレイ1の製造は、上記マイクロニードル5の形状に対応したマイクロニードル成形用凹部17が形成された雌型15を用いて行われるため、上記マイクロニードル5を有する上記マイクロニードルアレイ1を容易に製造することができる。
また、基板3の雌型15への嵌合はラミナーフロー下で行うことができ、その際、エアーを基板3の雌型15への嵌合方向に対して直行する方向から供給することで、マイクロニードル成形用凹部17内に菌が入り込むことを防止することができ、結局、上記マイクロニードルアレイ1を無菌状態で製造することができる。
また、先に上記材料19を上記マイクロニードル成形用凹部17内へ注入した後、上記雌型15に上記基板3を嵌合させて上記マイクロニードルアレイ1を製造した場合は、上記雌型15に基板3が嵌合されていない状態で上記材料19の注入作業を行うため、上記材料19の上記マイクロニードル成形用凹部17内への注入作業が容易である。また、上記材料19の注入量の調整も行いやすい。
また、上記雌型15を用いたマイクロニードルアレイ1の製造において、上記基板3を上記雌型15に嵌合させる際、上記貫通孔9が空気抜きとして作用し、上記基板3の上記雌型15に対する嵌合を容易に行うことができる。また、余剰の材料19を上記貫通孔9内に逃がすこともできる。この場合、マイクロニードル先部11の一部が上記貫通孔9内に入り込むため、上記マイクロニードル先部11がマイクロニードル基部7に係合され、上記マイクロニードル先部11が上記マイクロニードル基部7から不用意に離脱するような不具合を防止することができる。
また、上記雌型15を用いたマイクロニードルアレイ1の製造において、上記材料19を固化させる際、上記基板3の貫通孔9によって、上記材料19中の水分や溶剤の蒸発・気化を効率よく行うことができる。
また、上記雌型15は、エラストマーから成るとともに上記マイクロニードル成形用凹部17の直径は上記マイクロニードル基部7の直径よりも若干小さめ(10〜50μm程度小さく)に設定されているため、マイクロニードルアレイ1の製造において上記材料19の漏れを防ぐことができる。
但し、当該寸法が同一の場合も本願発明に含む。 また、上記雌型15の弾性力により完成したマイクロニードルアレイ1の離型が容易である。
さらに、上記雌型15の弾性変形によって、基板3のマイクロニードル基部7と上記雌型15のマイクロニードル成形用凹部17との配置に若干のずれがあっても、上記雌型15に上記基板3を確実に嵌合させることができる。
以下、本願の別の実施の形態について説明するが、記載していない事項(例えば、材料、大きさ、目的物質、作用、効果)については、全て前記第1の実施の形態の記載と同意義である。
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態によるマイクロニードルアレイは、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1と同様の構成を成すものであるが、図10に示すような雌型27を用いて製造されるものである。
なお、それ以外は前記第1の実施の形態の場合と同じであり、説明の都合上、マイクロニードルアレイ1等の符号についてはそのまま使用して説明する。
上記雌型27は、前記第1の実施の形態による雌型15と同様に、マイクロニードル成形用凹部29が形成されている。
また、図10に示すように、上記マイクロニードル成形用凹部29の図10中上端縁部には、それぞれ凸部31が形成されている。この凸部31は、上記雌型27に既に述べた基板3を嵌合させた際、マイクロニードル基部7によって貫通されるとともに、上記基板3に当接される。基板3のマイクロニードル基部7と雌型27のマイクロニードル成形用凹部29との間に配置のずれが生じた場合でも、上記凸部31が変形することで、上記配置のずれを吸収し、上記基板3のマイクロニードル基部7の上記雌型27のマイクロニードル成形用凹部29への挿入が容易になる。ここで凸部31は雌型27を射出成形等により製造する際に、一体に設けることができる。この場合、図示しない成形用型には凸部31に相当する部位を設けることになる。凸部31の高さは、必要なマイクロニードル5の長さや目的物質の量に応じて適宜設定できるが、10〜500μm、好ましくは30〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。凸部31の外直径は、200〜1000mm、好ましくは300〜100μm、より好ましくは500〜800μmである。
また、上記凸部31の図10中上下方向の長さを調製することで、上記基板3のマイクロニードル基部7が上記雌型27のマイクロニードル成形用凹部29内に挿入される長さを調整することができる。これにより、製造されるマイクロニードルアレイ1のマイクロニードル先部11の大きさを容易に調整することができる。また、上記凸部31の内直径を上記マイクロニードル成形用凹部29の直径より若干大きくしても良い。この場合には、上記マイクロニードル成形用凹部29の上部(図10中上側)が広くなり、上記材料19を注入し易くなる。
但し、当該寸法が同一の場合も本願発明に含む。
また、上記基板3と上記雌型27とが嵌合された状態では、上記凸部31によって上記凸部31周辺に空間ができる。そのため、空気や目的物質の揮発成分が抜けやすくなり材料19の乾燥のための養生期間が短縮できる。また、上記凸部31に空気逃げ用のスリット(マイクロニードル成形用凹部29から外向きのスリット)などを設けることも考えられ、この場合は、上記材料19の乾燥のための養生期間をさらに短縮することができる。ここでスリットは凸部31を成形する際に凸部31の表面の一部に一体で形成するのが好ましい。スリットサイズとしては空気が抜ければよいので幅が0.01〜50μm、好ましくは0.05〜20μm、より具体的には0.1〜5μm程度が好ましい。
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイ37は、基板39と、この基板39上に設置された複数のマイクロニードル41とから構成されている。上記基板39は、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3とほぼ同様の構成であり、マイクロニードル基部42が一体に突出・形成されている。このマイクロニードル基部42は、前記第1の実施の形態におけるマイクロニードル基部7と略同様の構成で、略円柱形状となっているが、その上端面から略円錐形状の突起43が突出・形成されている。この突起43の底部(図11中下端部)の直径は、上記マイクロニードル基部42の略円柱形状の部分の直径よりも小さく設定されている。また、マイクロニードル基部42の上端面には、上記突起43を覆うようにして、マイクロニードル先部45が設置されている。このマイクロニードル先部45には、上記突起43の形状に対応した凹部47と、この凹部47の中央から突出され上記マイクロニードル基部42の貫通孔9内に入り込む凸部49が形成されている。マイクロニードル基部42の長さについては、前記第1の実施の形態によるマイクロニードル基部7とほぼ同様の長さでよいが、突起43の長さを先部45の長さに応じて変えることもできる。より具体的には突起43の長さは、5〜500μm、好ましくは10〜300μm、より好ましくは50〜200μmである。
この第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイ37によれば、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1と同様の作用・効果を奏することができるほか、上記突起43により上記マイクロニードル41の強度を更に高めることができる。
なお、上記基板39について、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3と共通する構成要素については同じ符号を付しその説明を省略した。
次に、図12を参照して、本発明の第4の実施の形態を説明する。
この第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51は、基板53と、この基板53上に設置された複数のマイクロニードル55とから構成されている。上記基板53は、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3とほぼ同様の構成であり、マイクロニードル基部57が一体に突出・形成されている。このマイクロニードル基部57は、図12中下側は略円柱形状であるが、図12中上側が略円錐形状の突起58となっている。この突起58の底部(図12中下端部)の直径は、上記マイクロニードル基部57の略円柱形状の部分の直径と等しくなるよう設定されている。ここで円柱部の長さは、100〜1000μm、好ましくは200〜800μm、より好ましくは300〜500μm程度である。
また、上記マイクロニードル基部57の先端側にはマイクロニードル先部59が設置されている。このマイクロニードル先部59は、その先端側(図12中上側)が、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1のマイクロニードル先部11と同様に略円錐形状を成しているが、基端側(図12中下側)が略円柱形状となっており、その外周面に垂直部60が形成されている。また、上記マイクロニードル先部59には、上記マイクロニードル基部57の突起58の形状に対応した凹部61と、この凹部61の中央から突出され上記マイクロニードル基部57の貫通孔9内に入り込む凸部63が形成されている。
この第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51によれば、前記第3の実施の形態によるマイクロニードルアレイ37と同様の作用・効果を奏することができる。また、マイクロニードル先部59の図12中下側に略円柱形状の垂直部60が設けられており、上記マイクロニードル55が皮膚に穿刺された場合には、この垂直部60によって、上記マイクロニードル先部59と上記皮膚内部との摩擦を生じさせ、上記マイクロニードル先部59が上記皮膚内に確実に残留することになる。
この場合、前記第1の実施の形態のように、押出用治具23で上記マイクロニードル先部59を押し出さなくても、上記マイクロニードルアレイ51の穿刺後に基板53を離間させるだけで上記皮膚内に上記マイクロニードル先部59のみを残留させることができる。勿論、押出用冶具23を使用してもよい。
なお、上記基板53について、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3と共通する構成要素については同じ符号を付しその説明を省略した。
次に、図13を参照して、本発明の第5の実施の形態を説明する。
この第5の実施の形態によるマイクロニードルアレイ65は、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と略同様の構成であるが、マイクロニードル先部59の図13中下側の略円柱形状部分の外周側に、凹凸部67が形成されている。
この第5の実施の形態によるマイクロニードルアレイ65によれば、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と同様の作用・効果を奏することができる。また、マイクロニードル先部59の図13中下側に略円柱形状の部位に凹凸部67が設けられているため、上記マイクロニードル55が皮膚に穿刺された場合には、上記凹凸部67によって上記マイクロニードル先部59と上記皮膚内部との摩擦を生じさせ、上記マイクロニードル先部59が上記皮膚内により確実に残留されるようにすることができる。
なお、上記マイクロニードルアレイ65について、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と共通する構成要素については同じ符号を付しその説明を省略する。
次に、図14を参照して、本発明の第6の実施の形態を説明する。
この第6の実施の形態によるマイクロニードルアレイ68は、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と略同様の構成であるが、マイクロニードル先部59の形状が略円錐状となっており、その底面(図14中下側の面)の直径がマイクロニードル基部57の直径よりも大きく設定されている。そのため、上記マイクロニードル先部の底部(図14中下側部分)が返し部68aとなっている。
この第6の実施の形態によるマイクロニードルアレイ68によれば、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と同様の作用・効果を奏することができる。また、マイクロニードル先部59には返し部68aが形成されているため、上記マイクロニードル55が皮膚に穿刺された場合には、上記マイクロニードル先部59の返し部68aが皮膚内に係合し、上記マイクロニードル先部59が上記皮膚内に確実に残留することになる。
この場合も、第1の実施の形態のように、押出用治具23で上記マイクロニードル先部59を押し出さなくても、上記マイクロニードルアレイ68の穿刺後に基板53を離間させるだけで上記皮膚内に先部のみを残留させることができる。勿論、押出用冶具23を使用してもよい。
また、上記マイクロニードルアレイ68の製造時における問題点として、上記マイクロニードル先部59の形状がいわゆる「アンダーカット形状」となっていることが挙げられる。しかし、例えば、エラストマーから成る雌型を用いれば、上記雌型が弾性体であるため、上記雌型から上記マイクロニードルアレイ68を容易に離型させることができ、問題なく上記マイクロニードルアレイ68を製造することができる。
なお、上記マイクロニードルアレイ68について、前記第4の実施の形態によるマイクロニードルアレイ51と共通する構成要素については同じ符号を付しその説明を省略する。
次に、図15を参照して、本発明の第7の実施の形態を説明する。
第7の実施の形態によるマイクロニードルアレイ69は、基板71と、この基板71上に設置された複数のマイクロニードル73とから構成されている。上記基板71は、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3とほぼ同様の構成であるが、略四角柱形状のマイクロニードル基部75が一体に突出・形成されている。また、上記マイクロニードル基部75の先端側には、略四角錐形状、すなわち、横断面形状が矩形(四角形)であるマイクロニードル先部77が設置されている。
この第7の実施の形態によるマイクロニードルアレイ69によれば、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1と同様の作用・効果を奏することができる。また、上記マイクロニードル先部77は横断面形状が矩形であるため、上記マイクロニードル73が皮膚に穿刺された際皮膚との間に摩擦力を生じさせ、皮膚内に確実に残留することになる。
なお、上記基板71について、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1の基板3と共通する構成要素については、その説明を省略する。
次に、図16乃至図18を参照して、本発明の第8の実施の形態を説明する。
この第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイには、図16に示すような基板79が用いられている。この基板79には、複数のマイクロニードル基部81が突出・形成されている。このマイクロニードル基部81の外周側には、マイクロニードル先部入り込み用凹部としての1つ又は複数(第8の実施の形態の場合は2つ)の溝83が形成されている。そして、上記マイクロニードル基部81の上端側(図16中上側)には、図示しないマイクロニードル先部が設置される。この図示しないマイクロニードル先部は、例えば、略円錐形状であり、その一部は上記溝83内に入り込んだ状態となる。
この第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造には、図17に示す雌型85が使用される。この雌型85にはマイクロニードル成形用凹部87と、このマイクロニードル成形用凹部87に連通した溝89が形成されている。この溝89は、上記雌型85に上記基板79が嵌合された際に外部と連通する領域まで延長されている。
この第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイは、まず、上記雌型85のマイクロニードル成形用凹部87内に材料19を注入し、その後、上記雌型85に基板79を嵌合させる方法によって製造される。このとき、上記マイクロニードル基部81の溝83と上記雌型85の溝89を介して、上記マイクロニードル成形用凹部87内の空気を逃がすようにしている。また、上記材料19の一部が上記マイクロニードル基部81の溝83内に入り込み、その結果、完成したマイクロニードルアレイをみると、上記図示しないマイクロニードル先部の一部が上記溝83内に入り込んでいる状態となる。
また、第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に、図18に示す雌型91を使用する場合も考えられる。この雌型91にはマイクロニードル成形用凹部93と、このマイクロニードル成形用凹部93の上側に形成された凸部95と、この凸部95の上端面(図18中上側の端面)に形成され上記マイクロニードル成形用凹部93に連通された上記溝97が形成されている。上記凸部95は、前記第2の実施の形態における雌型27の凸部31と同様のものである。
この第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイは、まず、上記雌型91のマイクロニードル成形用凹部93内に材料19を注入し、その後、上記雌型91に基板79を嵌合させる方法で製造される。このとき、上記マイクロニードル基部81の溝83と上記凸部95の溝97を介して、上記マイクロニードル成形用凹部93内の空気を逃がすようにしている。
この場合も、上記材料19の一部が上記マイクロニードル基部81の溝83内に入り込み、その結果、完成したマイクロニードルアレイをみると、上記図示しないマイクロニードル先部の一部が上記溝83内に入り込んでいる状態となる。
上記溝83、89、97の直径(円弧状に設ける場合)、幅/深さ(長方形/正方形で設ける場合)としては、空気は通り易く、材料19は不用意に通らない程度の大きさが良い。具体的には、0.01〜100μm、好ましくは0.05〜50μm、より好ましくは1〜20μm程度である。
また、前記何れの製造方法の場合も、上記溝89又は上記溝97、及び、上記溝83を介して、乾燥空気を送り込み、上記マイクロニードル先部の材料に含まれる水分や溶剤等の揮発・乾燥を促進することが考えられる。
この第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイによれば、前記第1の実施の形態によるマイクロニードルアレイ1と同様の作用・効果を奏することができる。また、上記マイクロニードル基部81の外周側には溝83が形成されているため、上記マイクロニードルアレイの製造時に、上記雌型85、91に基板79を嵌合させる際、上記溝83が空気抜きの役割を果たし、上記雌型85、91への基板79の嵌合を容易に行うことができる。また、上記溝83を介して上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等を揮発・乾燥させることができ、上記マイクロニードル先部の材料の固化を効果的に行うことができる。また、上記溝83内部に、余剰の材料19を逃がすこともできる。また、上記基板79に微細な貫通孔を設けないため、本実施の形態によるマイクロニードルアレイはその製造が比較的容易となる。
また、雌型85には溝89が形成されており、雌型91には溝97が形成されているため、前述した製造時における空気抜きや上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等の揮発・乾燥を効果的に行うことができる。
また、上記雌型91には、凸部95が形成されているため、上記凸部95周辺に空間が設けられ、前述した製造時における上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等の揮発・乾燥を効果的に行うことができる。
次に、図19乃至図21を参照して、本発明の第9の実施の形態を説明する。この第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイに用いられる基板99は、前記第8の実施の形態におけるマイクロニードルアレイの基板79とほぼ同様の構成であるが、図19に示すように、マイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝83と連通され上記基板99の裏側(図19中下側)まで貫通された貫通孔101も形成されている。上記貫通孔101は、1つの上記マイクロニードル基部81あたり少なくとも1つ形成されている。
そして、上記マイクロニードル基部81の上端側(図19中上側)には、図示しないマイクロニードル先部が設置される。この図示しないマイクロニードル先部は、例えば、略円錐形状であり、その一部は上記溝83内に入り込んだ状態となる。
なお、上記基板99の構成要素のうち、前記第8の実施の形態における基板79と共通する構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
この第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造には、図20に示すように、既に述べた第8の実施の形態における雌型85と略同様の雌型103が使用される。この雌型103にはマイクロニードル成形用凹部105と、このマイクロニードル成形用凹部105に連通した溝107が形成されている。この溝107には、上記雌型103に上記基板99が嵌合された際に外部と連通する図示しない開口部が設けられている。
この第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイを、まず、上記雌型103のマイクロニードル成形用凹部105内に材料19を注入し、その後、上記雌型103に基板99を嵌合させる方法で製造する場合、上記マイクロニードル基部81の溝83と上記雌型103の溝107、及び、上記基板99の貫通孔101を介して、上記マイクロニードル成形用凹部105内の空気を逃がすようにしている。
また、先に、上記雌型103に基板99を嵌合させ、その後、貫通孔101を介して、上記雌型103のマイクロニードル成形用凹部105内に材料19を注入する場合は、上記溝83及び溝107を介して、上記マイクロニードル成形用凹部105内の空気を逃がすようにしている。
また、前述した何れの製造方法を行う場合においても、上記貫通孔101、上記溝107、及び、上記溝83を介して、乾燥空気を送り込み、上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等の揮発・乾燥を促進することも考えられる。
また、前述した何れの製造方法を行う場合においても、前記第8の実施の形態の場合と同じように、上記材料19の一部が上記マイクロニードル基部81の溝83内に入り込み、上記図示しないマイクロニードル先部の一部が上記溝83内に入り込んでいる状態となる。
また、第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイの製造に、図21に示すように、既に述べた第8の実施の形態における雌型91を使用する場合も考えられる。
第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイを、まず、上記雌型91のマイクロニードル成形用凹部93内に材料19を注入し、その後、上記雌型91に基板99を嵌合させる方法で製造する場合は、上記マイクロニードル基部81の溝83と上記凸部95の溝97、及び、上記基板99の貫通孔101を介して、上記マイクロニードル成形用凹部93内の空気を逃がすようにしている。
また、第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイは、まず、上記雌型91又は上記雌型91に基板99を嵌合させ、その後、上記基板99の貫通孔101を介して上記マイクロニードル成形用凹部93内に材料19を注入する方法で製造することも考えられる。この場合、上記溝83及び溝97を介して、上記マイクロニードル成形用凹部93内の空気を逃がすようにしている。
また、前述した何れの製造方法を行う場合においても、上記貫通孔101や上記溝97、及び、上記溝83を介して、乾燥空気を送り込み、上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等の揮発・乾燥を促進することが考えられる。
この第9の実施の形態によるマイクロニードルアレイによれば、前記第8の実施の形態によるマイクロニードルアレイと同様の作用・効果を奏することができる。また、上記マイクロニードル基部81の溝83に連通する貫通孔101も形成されているため、上記マイクロニードルアレイの製造時に、上記雌型に基板99を嵌合させる際、上記溝83と上記貫通孔101が空気抜きの役割を果たし、雌型91、103への基板99の嵌合を容易に行うことができる。また、上記貫通孔101を介してマイクロニードル成形用凹部93内に材料19を注入することもできる。
また、上記貫通孔101を介しても上記マイクロニードル先部の材料19に含まれる水分や溶剤等を揮発・乾燥させることができ、上記マイクロニードル先部の材料19の固化を効果的に行うことができる。また、上記溝83だけでなく上記貫通孔101内部にも余剰の材料19を逃がすことができる。
なお、本発明は、前記第1乃至第9の実施の形態に限定されるものではなく、又、各々を組み合わせることも可能である。
例えば、第6の実施の形態においては、マイクロニードル先部59に返し部68aを形成したが、これに加え、上記マイクロニードル先部59に、第4の実施の形態のような垂直部を形成することが考えられる。すなわち、上記マイクロニードル先部59は、上記返し部68aの図14中下側に、略円筒形状の部分が追加されたような形状となり、この略円筒形状の部分の外周面が上記垂直部となる。この場合、上記垂直部の追加により、更に、上記マイクロニードル先部59のみを皮膚内に残留させ易くなる。また、上記略円筒形状の部分が追加されるため、上記マイクロニードル55の直径を大きくすることなく上記マイクロニードル先部59(目的物質)の量を増加させることができる。
また、例えば、前記第1の実施の形態においては、基板3には、1つのマイクロニードル基部7に1つの貫通孔9が形成されていたが、1つのマイクロニードル基部7に複数の貫通孔を形成するようにしてもよい。この場合、マイクロニードルアレイ1の製造時に、1つの貫通孔から材料19を注入し、その他の貫通孔から空気抜きを行うことが可能となる。
また、前記第8の実施の形態や第9の実施の形態においては、1つのマイクロニードル基部81に2つの溝83が形成されているが、この溝83を1つの上記マイクロニードル基部81に1つ又は3つ以上形成することも考えられる。
また、前記第8の実施の形態や第9の実施の形態において、マイクロニードル基部81に、前記第3の実施の形態のような突起を設けることも考えられる。
また、前記第2の実施の形態においては、雌型27に凸部31を設けるようにしたが、基板3側に設けるようにししてもよい。この場合には、基板3の周囲に基部7より若干低い凸部を適宜設けて、嵌合量を調整する。
また、雌型のマイクロニードル成形用凹部に空気抜き用の小さな貫通孔を設けてもよい。このような場合は、マイクロニードルアレイ製造時において、上記マイクロニードル成形用凹部からの空気抜きが容易となる。また、雌型又は基板自体をガス透過性の高い材料で形成してもよい。例えば、多孔質ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレンが挙げられる。この場合は、上記マイクロニードル成形用凹部からの空気抜きが容易になる。
また、前記第2の実施の形態においては、雌型27のマイクロニードル成形用凹部29の上側に別体で凸部31を設置したが、上記雌型27とは一体の凸部を形成する場合も考えられる。また、マイクロニードルアレイを構成する基板やマイクロニードル先部の組成についても、前記第1乃至第9の実施の形態に限定されず、様々な場合が考えられる。
次に、図22乃至図26を参照して、本発明の実施例1について説明する。 この実施例1より作製したマイクロニードルアレイ1aは、図22の写真に示すようなものである。また、上記マイクロニードルアレイ1aの基板3としては、図23の写真に示すものを用いた。この基板3の材料としてはPMMA(Poly Methyl Meta Acrylate:ポリメチルメタアクリレート樹脂)を使用した。
この実施例1によるマイクロニードルアレイ1aは、前記第2の実施の形態による雌型27を使用して、図8に示すような方法で製造されたものである。
以下、詳細に説明する。
まず、マイクロニードル基部7が設けられた上記基板3を成形するための型を作製した。この型は、板状の部材に上記マイクロニードル基部7に対応する穴が形成されたものである。この穴は精密ドリル加工により形成した。
次に、上記基板3を熱ナノインプリント成形法により成形した。すなわち、厚さ1mmのPMMAシートを上記型の穴が開口されている側に重ね合わせ、130℃の加熱下で10MPaの圧力を15分間印加し、上記基板3を成形した。そして、PMMAのガラス転移温度(約109℃)以下に冷却した後に成形された上記基板3を離型した。
また、上記基板3に形成されたマイクロニードル基部7の高さ(図23中上下方向の大きさ)は507μm、直径は304μmであった。
次に、上記基板3に貫通孔9を形成した。この貫通孔9の形成は、フェムト秒レーザーにより行われた。上記貫通孔9の直径はおよそ40μm程度であった。
次に、上記基板3のマイクロニードル基部7の先端側にマイクロニードル5を成形するための雌型27を作製した。この雌型27は、図24の写真に示すようなものである。上記雌型27には、既に述べたように、マイクロニードル成形用凹部29が形成されている。このマイクロニードル成形用凹部29の円筒形凹部17aは直径が238μmで長さは490μmであり、円錐形凹部17bは底面の直径が円筒形凹部17aと同じ238μmで深さは307μmであった。また、円錐形凹部17bの頂点の半径は4μm以下であった。また、雌型27の凸部31は直径が600μm、高さが296μmであった。
雌型27はシリコーンゴム製であり、次のように、金属型を用いた注型によって作製した。SILPOT184(Dow Corning)の主剤と硬化剤を10対1の割合で混合して、真空脱泡を行い、上記雌型27の材料を作製した。次に、この材料を上記金属型内に流し込んだ。次に、20分間80℃に加熱し、上記材料を硬化させた。そして、完成した上記雌型27を上記金属型から離型させた。
次に、上記雌型27を用いて、マイクロニードル5のマイクロニードル先部11の作製を行った。まず、上記雌型27のマイクロニードル成形用凹部29内に汎用のディスペンサーを用いて材料19としてのアクリル系水溶性紫外線硬化樹脂TB3046(Three bond、濃度が20%)をおよそ20nl注入した。
次に、上記雌型27に基板3を嵌合させた。このとき、基板3の表面が上記雌型27の凸部31に当接するようにした。
なお、図25に示す写真は、上記マイクロニードル成形用凹部29内に上記材料19としての紫外線硬化樹脂は注入せずに、上記雌型27と基板3とが嵌合した状態を表したものであり、個々の上記マイクロニードル成形用凹部29と上記マイクロニードル基部7の中心位置や嵌合量がそろっていることが示されている。
次に、紫外線を照射(40mW、1min)して、上記材料19を硬化させた。その後、上記雌型27からマイクロニードルアレイ1aを離型させた。図22に示すように、このマイクロニードルアレイ1aのマイクロニードル基部7の先端側には紫外線硬化樹脂製のマイクロニードル先部11が設置されている。この円錐型のマイクロニードル先部11の底面の直径は263μm、高さは348μmであった。この実施例1による上記マイクロニードルアレイ1aの場合、正方形状に、5×5=25本のマイクロニードル5が形成されており、個々の上記マイクロニードル5間のピッチは1.0mmであった。
実施例1で使用した基板3、雌型27、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1aの各部の寸法を図26に整理して示す。図26(a)は基板3の一部を示す図、図26(b)は雌型27の一部を示す図、図26(c)は基板3を雌型27に嵌合させた状態の一部を示す図で、図26(d)は最終的に得られたマイクロニードルアレイ1aの一部を示す図である。まず、基板3の厚みは300μm、基部7の直径は304μm、基部7の高さは507μmである。又、雌型27の凸部31の外直径が600μm、高さが296μmである。又、雌型27の円筒形状凹部17aの内直径が238μmである。又、雌型27の厚みが1500μm、雌型27の円筒形状凹部17aの下端から逆円錐形状凹部17bの先端までの距離が307μm、凸部31の上端から逆円錐形状凹部17bの先端までの距離が797μmである。そして、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1aのマイクロニードル先部11の直径が263μm、マイクロニードル先部11の高さが348μmである。
次に、図27及び図28を参照して、本発明の実施例2について説明する。 この実施例2により作製したマイクロニードルアレイ1bは、図27に示すようなものである。また、このマイクロニードルアレイ1bの形状は、前記実施例1のマイクロニードルアレイ1aと同様である。
また、上記マイクロニードルアレイ1bも、前記第2の実施の形態による雌型27を使用して、図8に示す方法で製造されたものである。以下、詳細に説明する。
まず、マイクロニードル基部7が設けられた上記基板3を成形するための型を作製した。この型は、前記実施例1における基板3を成形するための型と同様である。
次に、前記実施例1の場合と同様にして、上記基板3を熱ナノインプリント成形法により成形した。上記基板3も、前記実施例1と同様であり、上記基板3に形成されたマイクロニードル基部7の高さ(図2中上下方向の大きさ)は、前記実施例1の場合と同様に、507μm、直径は304μmであった。
次に、上記基板3に貫通孔9を形成した。この貫通孔9の形成は、前記実施例1の場合と同様に、フェムト秒レーザーにより行われた。上記貫通孔9の直径も、前記実施例1の場合と同様、およそ40μm程度であった。
次に、上記基板3のマイクロニードル基部7の先端側にマイクロニードル5を成形するための雌型27を、前記実施例1の場合と同様の方法により作製した。この雌型27は、前記実施例1の雌型27と同様の寸法である。
次に、上記雌型27を用いて、マイクロニードル5のマイクロニードル先部11の作製を行った。まず、上記雌型27のマイクロニードル成形用凹部29内に汎用のディスペンサーを用いて、材料19としての水溶性のポリビニルピロリドン(濃度が20%)をおよそ30nl注入した。
次に、上記雌型27に基板3を嵌合させた。このとき、基板3の表面が上記雌型27の凸部31に当接するようにした。実施例2の場合も、前記実施例1の場合と同様に、上記雌型27と基板3とが嵌合される。すなわち、図25に示すように、上記凸部31によって、個々の上記マイクロニードル成形用凹部29と上記マイクロニードル基部7の中心位置や嵌合量が揃えられている。
次に、上記基板3と上記雌型27、及び、材料19を、ホットプレート上で30分間80℃に加熱させ、上記材料19を硬化させた。その後、上記雌型27からマイクロニードルアレイ1bを離間させた。図27に示すように、このマイクロニードルアレイ1bのマイクロニードル基部7の先端側にはポリビニルピロリドン製のマイクロニードル先部11が設置されている。この円錐型先部の底面の直径は286μm、高さは291μmであった。実施例2による上記マイクロニードルアレイ1bの場合、正方形状に5×5=25本のマイクロニードル5が形成されており、個々の上記マイクロニードル5間のピッチは1.0mmであった。
尚、図27の基板3上にあるマイクロニードル5の両側にある突起は、材料の注入量が適切でなく、余剰な材料が流れて硬化したものである。
実施例2で使用した基板3、雌型27、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1bの各部の寸法を図28に整理して示す。図28(a)は基板3の一部を示す図、図28(b)は雌型27の一部を示す図、図28(c)は基板3を雌型27に嵌合させた状態の一部を示す図で、図28(d)は最終的に得られたマイクロニードルアレイ1の一部を示す図である。まず、基板3の厚みは300μm、基部7の直径は304μm、基部7の高さは507μmである。又、雌型27の凸部31の外直径が600μm、高さが296μmである。又、雌型27の円筒形状凹部17aの内直径が238μmである。又、雌型27の厚みが1500μm、雌型27の円筒形状凹部17aの下端から逆円錐形状凹部17bの先端までの距離が307μm、凸部31の上端から逆円錐形状凹部17bの先端までの距離が797μmである。そして、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1bのマイクロニードル先部11の直径が286μm、マイクロニードル先部11の高さが291μmである。
次に、図29乃至図32を参照して、本発明の実施例3について説明する。 実施例3により作製したマイクロニードルアレイ1cは、図29に示すようなものである。また、この
実施例3によるマイクロニードルアレイ1cは、基本的には前記実施例2と同様な方法により製造されたものであるが、基部のサイズや雌型の形状、結果として形成される返し部がある点だけが異なる。以下、詳細に説明する。
まず、マイクロニードル基部57は、前記実施例2と同様熱ナノインプリント成形法により成形した。ここで形成したマイクロニードル基部57は、図27に示す実施例2のマイクロニードル基部7よりもサイズが小さく、高さが408μm、直径は186μmであった。
次に、上記マイクロニードル基部57の先端側に返し形状を有するマイクロニードル55を成形するための雌型27を製造した。この雌型27は図30に示すようなものである。
なお、この雌型27の製造方法は前記実施例2と同様であるが、金属型として返し形状を有するものを使用している。。また、マイクロニードル成形用凹部29全体の深さは780μmであり、円筒形凹部17aの直径は175μmであった。また、円錐形凹部17bの底面の直径は、円筒形凹部17a及び上記マイクロニードル基部57より大きく、366μmであった。また、雌型27の凸部31は、幅が50μm、直径(外側)が694μm、高さが55μmであった。
次に、上記雌型27及びマイクロニードル基部57を用いて、前記実施例2と同様な方法によりマイクロニードル先部59の作製を行った。すなわち、まず雌型27のマイクロニードル成形用凹部29内に汎用のディスペンサーを用いて、水溶性のポリビニルピロリドン(濃度が20%)をおよそ25nl注入した。
次に、上記雌型27に上記基板3を嵌合させた。このとき、基板の表面が上記雌型27の凸部31に当接するようにした。
なお、図30に示す写真は、上記マイクロニードル成形用凹部29内に上記材料19としての水溶性のポリビニルピロリドンは注入せずに、上記雌型27と基板3とが嵌合した状態を表したものである。
次に、前記実施例2と同様に、上記基板3と雌型27及び材料19をホットプレート上で60分間80℃に加熱させ、材料を硬化させた。その後、上記雌型27からマイクロニードルアレイ1cを離間させた。図29に示すように、このマイクロニードルアレイ1cのマイクロニードル基部57の先端側にはポリビニルピロリドン製のマイクロニードル先部59が設置されている。この円錐型先部の最大直径は379μm、高さは496μmであった。また、このとき雌型27の弾性によって、返し形状になっている部分もほとんど変形なく雌型27から離型されていた。
次に、このマイクロニードルアレイ1cを用いて、ダミー皮膚としてのシリコーンゴムに穿刺試験を行い、穿刺強度及び返しの効果を検証した。まず、図31(a)は穿刺前の状態を示すもので、図中マイクロニードルアレイ1cの上側にシリコーンゴムシート111が設置されている。続いて、マイクロニードルアレイ1cを上記シリコーンゴムシート111に向かって下から垂直に穿刺した状態を図31(b)に示している。ここで、マイクロニードルアレイ1cは、根元から倒れたり、変形したりすることもなく、スムーズにシリコーンゴム111に穿刺された。次に、マイクロニードルアレイ1cを下側に剥離させたところ、マイクロニードル先部59のみをシリコーンゴムシート111内に残留させることができた。その様子を図31(c)に示す。これによって、返し形状によって先部のみを皮膚内に容易に残留させることが可能であることが示された。
実施例3で使用した基板3、雌型27、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1cの各部の寸法を図32に整理して示す。図32(a)は基板3の一部を示す図、図32(b)は雌型27の一部を示す図、図32(c)は基板3を雌型27に嵌合させた状態の一部を示す図で、図32(d)は最終的に得られたマイクロニードルアレイ1cの一部を示す図である。まず、基板3の厚みは300μm、基部7の直径は186μm、基部7の高さは408μmである。又、雌型27の凸部31の外直径が604μm、幅が50μm、高さが55μmである。又、雌型27の円筒形状凹部7aの内直径が175μmである。又、雌型27の厚みが1500μm、雌型27の円筒形状凹部7aの上端から逆円錐形状凹部7bの先端までの距離が780μm、凸部31の上端から逆円錐形状凹部17bの先端までの距離が835μmである。そして、最終的に得られたマイクロニードルアレイ1cのマイクロニードル先部11の直径が379μm、マイクロニードル先部11の高さが496μmである。
本発明は、皮下に薬剤等の目的物質を投与して種々の疾患の予防や治療を行うためのマイクロニードルアレイと、そのようなマイクロニードルアレイを製造するマイクロニードルアレイ製造方法に関し、特に、穿刺時に破損しにくく、それにより確実に穿刺を行うことができるとともに、所望の量の目的物質を投与できるように工夫したものに関し、例えば、ワクチンの経皮投与に用いるマイクロニードルアレイに好適である。
1、1a、1b マイクロニードルアレイ
3 基板
5 マイクロニードル
7 マイクロニードル基部
9 貫通孔(マイクロニードル先部入り込み用凹部)
11 マイクロニードル先部
13 凸部
15 雌型
17 マイクロニードル成形用凹部
19 材料(固化後マイクロニードル先部となる)
21 皮膚
23 治具
25 凸部
27 雌型
29 マイクロニードル成形用凹部
31 凸部
37 マイクロニードルアレイ
39 基板
41 マイクロニードル
42 マイクロニードル基部
43 突起
45 マイクロニードル先部
47 凹部
49 凸部
51 マイクロニードルアレイ
53 基板
55 マイクロニードル
57 マイクロニードル基部
58 突起
59 マイクロニードル先部
60 垂直部
61 凹部
63 凸部
65 マイクロニードルアレイ
67 凹凸部
68 マイクロニードルアレイ
69 マイクロニードルアレイ
71 基板
73 マイクロニードル
75 マイクロニードル基部
77 マイクロニードル先部
79 基板
81 マイクロニードル基部
83 溝(マイクロニードル先部入り込み用凹部)
85 雌型
87 マイクロニードル成形用凹部
89 溝(通路)
91 雌型
93 マイクロニードル成形用凹部
95 凸部
97 溝(通路)
99 基板
101 貫通孔(通路)
103 雌型
105 マイクロニードル成形用凹部
107 溝(通路)

Claims (20)

  1. 基板と、
    上記基板に一体に突出・形成された複数のマイクロニードル基部と、
    上記複数のマイクロニードル基部の先にそれぞれ設置されることによりマイクロニードルを構成し生体内可溶性又は生分解性を備えているとともに目的物質を保持したマイクロニードル先部と、
    を具備し、
    上記マイクロニードル基部にはマイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔が形成されており、
    上記貫通孔の内径は上記マイクロニードル基部側に対して反マイクロニードル基部側が大径になっていて、
    上記マイクロニードル先部の一部は上記貫通孔の上記マイクロニードル基部側に入り込んでいることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  2. 基板と、
    上記基板に一体に突出・形成された複数のマイクロニードル基部と、
    上記複数のマイクロニードル基部の先にそれぞれ設置されることによりマイクロニードルを構成し生体内可溶性又は生分解性を備えているとともに目的物質を保持したマイクロニードル先部と、
    を具備し、
    上記マイクロニードル基部にはマイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝が形成されており、
    上記マイクロニードル先部の一部は上記溝に入り込んでいることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記複数のマイクロニードルを皮下に穿刺して引き抜くことにより上記マイクロニードル先部を皮下に残留させるように構成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記マイクロニードル先部は垂直部を備えていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  5. 請求項4記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記マイクロニードル先部の垂直部には凹凸部が形成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記マイクロニードル基部とマイクニードル先部は、その横断面形状が矩形を成していることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル先部側には突起が形成されていて、上記マイクロニードル先部は上記突起を覆うように上記マイクロニードル基部に設置されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記基板と上記マイクロニードル基部は樹脂製であることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  9. 請求項8記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記樹脂は生体適合性樹脂であることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  10. 請求項8記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記樹脂は生分解性樹脂であることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  11. 請求項8記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記樹脂は生体内非可溶性樹脂であることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  12. 請求項1〜請求項11の何れかに記載のマイクロニードルアレイにおいて、
    上記マイクロニードル先部には返し部が形成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ。
  13. マイクロニードル成形用凹部を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、
    上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し、
    上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を上記貫通孔の反マイクロニードル基部側から充填するとともにその充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部としての貫通孔内に入り込むようにし、
    所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるようにしたことを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
  14. マイクロニードル成形用凹部と空気抜きの溝を備えた雌型を用意するとともに基板にマイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝が形成された複数のマイクロニードル基部を一体形成したものを用意し、
    上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部内に上記マイクロニードル先部を構成し目的物質を含んだ溶解又は溶融状態の材料を充填し、
    上記複数のマイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部内に嵌合させるように上記基板を上記雌型に設置し上記充填された材料の一部が上記マイクロニードル先部入り込み用凹部としての溝内に入り込むとともに空気が上記空気抜き用溝を介して外部に抜けるようにし
    所定の養生後上記基板を上記雌型から離型させることにより上記基板の複数のマイクロニードル基部の先にマイクロニードル先部をそれぞれ設置した構成のマイクロニードルアレイが得られるようにしたことを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
  15. 請求項13又は請求項14記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、
    上記マイクロニードル基部を上記マイクロニードル成形用凹部にラミナーフロー下でラミナーフローと垂直に嵌合させるようにしたことを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
  16. 請求項13〜請求項15の何れかに記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、
    上記マイクロニードル基部の上記マイクロニードル成形用凹部内への嵌合量を調整することにより、上記マイクロニードル先部の大きさを制御するようにしたことを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
  17. 請求項14記載のマイクロニードルアレイの製造方法において、
    上記マイクロニードル基部に形成された上記マイクロニードル先部入り込み用凹部は貫通孔又は溝であることを特徴とするマイクロニードルアレイの製造方法。
  18. 請求項13〜請求項17の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、
    上記雌型はエラストマー系材料から構成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイの製造方法。
  19. 請求項13〜請求項18の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、
    上記雌型の上記マイクロニードル成形用凹部の縁部には凸部が設けられていることを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
  20. 請求項13〜請求項19の何れかに記載のマイクロニードルアレイ製造方法において、
    上記雌型及び又は上記基板には上記マイクロニードル成形用凹部と外部とを連絡する通路が形成されていることを特徴とするマイクロニードルアレイ製造方法。
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