JP2013032324A - 局所麻酔薬を含有する即効性のマイクロニードル・アレイ・パッチ製剤 - Google Patents

局所麻酔薬を含有する即効性のマイクロニードル・アレイ・パッチ製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】リドカインなどの局所麻酔薬を含有する即効性の溶解性マイクロニードル製剤の提供。
【解決手段】支持体と、該支持体上に複数形成された、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と当該基剤に保持された局所麻酔薬を目的物質として含有する円錐状又は角錐状の微細針とを有する経皮吸収製剤。該支持体は硬質であり、該微細針は、先端部を有し目的物質である局所麻酔薬を含む第1部分と底部を有し目的物質を含まない第2部分とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リドカインなどの局所麻酔薬を溶解性マイクロニードルでもって皮膚の表皮〜真皮へデリバリーすることにより即効性を期待できるマイクロニードル・アレイ・パッチ製剤に関する。
マイクロニードルは、皮膚に刺しても痛みを感じないほどに微細化された針であり、皮膚の最も外側に位置して外界からの細菌やウィルスの進入から体内を防御している角質層を物理的に突破して、従来の技術では経皮的に投与を行っても吸収が望めない薬物、化粧品用化合物あるいは吸収率が極めて低い薬物、化粧品用化合物の吸収率を改善する製剤技術である。
複数のマイクロニードルを整然と林のように構築したマイクロニードル・アレイは、中空構造を持つ金属製のマイクロニードル・アレイで薬液を注入するタイプであったり、ポリ乳酸などの生分解性高分子物質製のマイクロニードル・アレイであったりする(非特許文献1)。さらに、水溶性物質を基剤とする溶解性マイクロニードルも開発されている。すなわち、水溶性物質の基剤に目的物質を保持させておき、皮膚に挿入した後、基剤が皮膚内の水分により溶解することにより、目的物質を経皮的に投与することができる。例えば、麦芽糖、低分子コラーゲン、温度感受性樹脂、ゼラチンを基剤とするマイクロニードルが開示されている(特許文献1)。
本発明者らはコンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストランなど注射剤として臨床的に用いられている水溶性の洩糸性高分子物質を基剤とする溶解性マイクロニードルを特許出願した(特許文献2および3)。当該発明は、遺伝子組み換え蛋白薬、ワクチン、遺伝子DNAなどの高分子薬、水溶性の難・低経皮吸収性薬物など皮膚透過性が低いために従来の経皮投与では十分な効果が期待できない薬物の皮膚透過性を高めたものである。一方、皮膚の局所における薬効を期待する場合にも溶解性マイクロニードルは適したデリバリーシステムである。
局所麻酔薬の製剤としてはリドカイン軟膏あるいはリドカイン貼付剤などが臨床で用いられているが、皮膚に塗布あるいは貼付した後、最低30分待たないことには鎮痛効果が現れないという欠点がある。その原因としては、外界から投与された鎮痛薬に対して強力な皮膚のバリアー機能が存在するために、リドカインなどの鎮痛薬が皮膚の角質層および表皮を透過して神経末端の分布する真皮層まで拡散により到達するのに最低30分を要するからである。
一方、マイクロニードルは皮膚の角質層を物理的に突破して薬物を表皮〜真皮層へデリバリーすることのできる新規の経皮デリバリーシステムである。
そこで、リドカインなどの局所麻酔薬を含有する溶解性マイクロニードル・アレイ・チップ製剤とすることにより上記の問題を解決した。
国際公開番号WO2008/093679 国際公開番号WO 2006/080508 国際公開番号WO 2009/066763 James C. Birchall,Chapter 18. Stratum corneum bypassed or removed in Enhancement in DrugDelivery. edited by Elka Touitou and Brian W. Barry, pp. 337-351, CRC Press,2007.
本発明の課題は、局所麻酔薬を投与した後、従来の軟膏や貼付剤において認められる薬効出現までのラグタイムを解消し、製剤として投与した後、すみやかに薬効を発揮することのできる溶解性マイクロニードル製剤を提供することにある。
リドカインをはじめとする局所麻酔薬は各種の手術や透析の際に患者への苦痛をやわらげるために欠くことのできない医薬品である。しかし、軟膏や貼付剤を投与した場合、鎮痛効果が現れるまでに最低でも30分は待たねばならないことから、医療効率が極めて悪いという問題点が存在する。本発明者は、リドカインをはじめとする局所麻酔薬を溶解性マイクロニードル製剤とすることにより上記の問題点を解決した。本発明は、投与後5分以内に鎮痛効果を発揮することを特徴とする局所麻酔薬を含有する経皮投与用の溶解性マイクロニードル製剤に関するものである。
すなわち本発明は、支持体と、該支持体上に複数形成された、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と当該基剤に保持された局所麻酔薬を目的物質として含有する円錐状又は角錐状の微細針とを有する経皮吸収製剤であって、該支持体は硬質であり、該微細針は、先端部を有する、マイクロニードル経皮投与製剤を提供する。
上記の目的物質である局所麻酔薬が、リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、ジブカイン、オキセサゼイン、プロカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、アミノ安息香酸エチル、ピペリジノアセチルおよびコカインである溶解性マイクロニードル経皮投与製剤。
ある一形態においては、前記の溶解性マイクロニードル製剤は目的物質であるリドカインを0.05ミリグラムから1.0ミリグラム含有する。
ある一形態においては、前記微細針は、100〜500μmの底部直径、及び300〜700μmの挿入方向長さを有し、30〜200本/cmの密度で支持体上に存在する。
ある一形態においては、前記支持体は錠剤用賦形剤を打錠して得られたものである。
ある一形態においては、前記基剤を構成する物質が、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストラン、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン(低分子コラーゲンも含む)からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
ある一形態においては、前記経皮投与製剤がPTP包装の形態をとる。
また本発明は、支持体と、該支持体上に複数形成された、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と当該基剤に保持された目的物質とを有する円錐状又は角錐状の微細針とを、有する経皮吸収製剤であって、該支持体は硬質であり、該微細針において目的物質の存在部分を規定しない経皮吸収製剤を提供する。
本発明の局所麻酔薬を含有する溶解性マイクロニードルを用いれば、投与後5分以内に鎮痛効果を得ることができる。
本発明の一実施形態である経皮投与製剤の構造を示す部分斜視図である。 本発明の経皮投与製剤に使用される微細針の一例を示す正面図である。
以下、発明を実施するための形態について記述する。
図1は、本発明の一実施形態である経皮投与製剤の構造を示す部分斜視図である。この経皮投与製剤は、支持体1と、該支持体上に複数形成された円錐状の微細針2を有している。
支持体1は微細針2を強固に固定することが可能な材料で構成される。支持体1は非水溶性である。支持体1は硬質であり、室温環境下で実質的に変形しない。また、支持体1は多孔性であり、微細針を成形する課程において、微細針の乾燥を妨げない。
好ましい支持体は、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル及び塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂等のプラスチックの多孔性板、及び非水溶性の錠剤用賦形剤から成る成形体である。
中でも好ましい支持体は非水溶性の錠剤用賦形剤から成る成形体である。生産性に優れ、滅菌などの医薬品製造プロセスに適するからである。錠剤用賦形剤は複数の成分を含有する組成物であってもよい。好ましい錠剤用賦形剤としては、酢酸セルロース、結晶セルロース、セルロース誘導体、キチン及びキチン誘導体などが挙げられる。
錠剤用賦形剤から成る成形体は錠剤と同様にして製造すればよい。例えば、錠剤用賦形剤を打錠機の臼に入れ、杵を用いて適当な打錠圧で打錠する。支持体の寸法は、臼の直径、錠剤用賦形剤の充填量及び打錠圧を増減することにより、適宜調節される。
支持体の形状は、例えば、直径が5〜50mm、好ましくは10〜35mm、厚さ1〜10mm、好ましくは2〜5mmの円盤状である。支持体の硬さは、皮膚に経皮吸収製剤の微細針を突刺した場合に実質的に変形せず、また、衝撃力を印加して皮膚に経皮吸収製剤の微細針を突刺した場合に崩壊しない程度であれば、特に限定されない。外径2.0cm、内径1.2cm、高さ2.0cmの金属製の円筒の上に円盤状の錠剤の支持体を置き、ディジタルフォースゲージ(FGP−50,日本電産シンポ工業)の先端に円錐のアタッチメントを付けて崩壊強度を測定した場合、ある一形態では支持体の崩壊強度は30〜50Nである。この場合、測定に用いた試料の厚さは2.0mmである。
図2は、本発明の経皮投与製剤に使用される微細針の一例を示す正面図である。微細針は、尖っており、皮膚を貫くことができる先端部3を有する。また、微細針は、幅広であり、支持体に固着される底部4を有する。微細針の形状は略円錐状であってよく、略角錐状であってもよい。
微細針は、100〜500μm、好ましくは150〜400μm、より好ましくは200〜350μmの底部直径、及び100〜700μm、好ましくは150〜600μm、より好ましくは200〜550μmの挿入方向長さを有する。微細針の寸法がこの範囲外であると、強度が不足したり、刺入性が低下したりする。
また、微細針は、30〜200本/cm、好ましくは60〜160本/cm、より好ましくは80〜140本/cmの密度で支持体上に存在する。
微細針は、第1部分21と第2部分22を有する。第1部分は先端部3を有し、第2部分は底部4を有する。また、第1部分と第2部分は境界面5を形成する。第1部分と第2部分の境界面は微細針の底面と略平行、又は実質的に平行である。
微細針の第1部分は投与の目的物質であるリドカインなどの局所麻酔薬を含む。微細針の第2部分は目的物質を含まないかあるいは含むことも可能である。
本発明の経皮吸収製剤は、例えば、メス型を用いて微細針を形成し、次いで、形成された微細針を支持体に固定することにより製造される。メス型としては、微細針の形状及び配置に対応する穴が設けられた板状材料を用いる。板状材料の材質には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂等が用いられる。
まず、微細針の第1部分の原料である基剤、局所麻酔薬及び水を混合して、第1原料混合物を調製する。基剤としては体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質を使用する。体内溶解性高分子を用いることで局所麻酔薬の体内での放出速度が向上する。また、曳糸性高分子を用いることで微細針の強度が高くなり、皮膚に対する刺入性が向上する。
体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質としては、洩糸性を有する多糖類、タンパク質、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、及びポリアクリル酸ナトリウムからなる群より選ばれた少なくとも1つの物質を用いる。なお、これらの高分子物質については、1種類だけを用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、前記洩糸性の多糖類は、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストラン、デキストラン硫酸、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、アガロース、プルラン、及びグリコーゲンおよびそれらの誘導体より選ばれた少なくとも1つの物質である。
好ましくは、前記洩糸性のタンパク質は、血清アルブミン、血清α酸性糖タンパク質、コラーゲン及びゼラチンおよびそれらの誘導体(低分子化体も含む)より選ばれた少なくとも1つの物質である。
特に好ましい体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質としては、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストラン及びヒアルロン酸などが挙げられる。
目的物質である局所麻酔薬としてはリドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、ジブカイン、オキセサゼイン、プロカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、アミノ安息香酸エチル、ピペリジノアセチル、コカインなどを挙げることができる。
目的物質がリドカインである場合、溶解性マイクロニードルの1パッチあたりの含有量としては、特に制限されないが、通常0.05mg〜1mg、好ましくは0.1mg〜0.8mg、より好ましくは0.2mg〜0.5mgとすることができる。
溶解性マイクロニードルを調製するには、先ず、第1原料混合物をメス型に載せ、要すれば、スキジー等の塗布用具又は塗布装置を用いて塗布圧をかけて、これをメス型に形成された穴の中に充填する。充填を確実に行うために、さらに加圧したりあるいは遠心分離機等を用いてメス型に遠心力を印加してもよい。
余分な第1原料混合物を除去した後、穴に充填された第1原料混合物を乾燥させる。乾燥は、目的物質の変質等を防止するために、50℃以下、好ましくは室温以下の温度で行われる。乾燥後、第1原料混合物の体積は減少する。
次に、微細針の第2部分の原料である基剤及び水を混合して、第2原料混合物を調製する。その後、乾燥した第1原料混合物が充填されているメス型に第2原料混合物を載せ、要すれば、塗布用具又は塗布装置を用いて、これをメス型に形成された穴の中に充填する。第2原料混合物が乾燥する前に、第2原料混合物に接触するようにメス型の上に支持体を重ねる。支持体は多孔性であり、第2混合物と接着するとともに第2混合物に含まれる水を吸収し、放出することができる。充填を確実に行うために、さらに加圧力したり遠心分離機等を用いてメス型に遠心力を印加してもよい。次いで、穴に充填された第2原料混合物を乾燥させる。乾燥は、目的物質の変質等を防止するために、50℃以下、好ましくは室温以下の温度で行われる。その後、支持体をメス型から剥がすことにより、本発明の経皮吸収製剤が得られる。
また、本発明は上記の2層から成る溶解性マイクロニードル・アレイ・チップに限定されるものでもなく、マイクロニードルの先端から底部まで目的物質であるリドカインなどの局所麻酔薬を充填した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップであっても良い。さらに錠剤からなる支持体基盤のマイクロニードルを構築する面に目的物質であるリドカインなどの局所麻酔薬を配合した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップでもよい。
以下に実施例をあげて具体的な実施形態を説明する。もちろん、本考案は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
リドカイン(ナカライテスク)250mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム(ナカライテスク)200mgおよび高分子デキストラン(ナカライテスク)300mgに精製水650マイクロリットルを加え、よく攪拌することにより粘調液を作成した。1平方センチメートルあたりに深さ約500ミクロン、開口部直径約300ミクロンの逆円錐状の細孔を225個有するメス型の上にこの粘調液を塗布した。加圧条件下でメス型に充填した。乾燥後、コンドロイチン硫酸ナトリウムの50mg、デキストラン70の100mgに精製水150マイクロリットルを加えて作成した粘調液をメス型に塗布し、加圧条件下でメス型に充填した。単発打錠器(市橋精機、HANDTAB100)の臼に酢酸セルロース(和光純薬)とヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達)の10:1の混和物の約0.5gを入れ、約10kNの打錠圧で直径1.5cm、厚さ約2.0mmの基盤用支持体を作成した。コンドロイチン硫酸ナトリウムの50mg、デキストラン70の100mgに精製水150マイクロリットルを加えて作成した粘調液を基盤用支持体に塗り、メス型の上に被せ、加圧下で乾燥を行った。6時間後に基盤用支持体をメス型から引き離すことにより先端部にリドカインを含有する225本のマイクロニードルをアレイ状に構築したパッチ製剤を得た。得られたパッチ製剤を、内腔の底部直径が1.6cm、高さが1.0cmのポリプロピレン製 PTP包装容器の中にあらかじめ挿入しておいた外径1.5cm内径1.3cm高さ0.5cmのポリプロピレン製の輪にかぶせた。アルミシートを被せた後、加圧・加熱によりシールを行い使用時まで保存した。
(実施例2)
リドカイン250mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム200mgおよび高分子デキストラン300mgに精製水650マイクロリットルを加え、よく攪拌することにより粘調液を作成した。1平方センチメートルあたりに深さ約500ミクロン、開口部直径約300ミクロンの逆円錐状の細孔を225個有するメス型の上にこの粘調液を塗布した。加圧条件下でメス型に充填した。乾燥後、再度、粘調液をメス型に塗布し、加圧条件下でメス型に充填した。実施例1で作成したのと同様の基盤用支持体用の錠剤に、コンドロイチン硫酸ナトリウムの50mg、デキストラン70の100mgに精製水150マイクロリットルを加えて作成した粘調液を塗り、メス型の上に被せ、加圧下で乾燥を行った。6時間後に基盤用支持体をメス型から引き離すことにより、先端から基底に至るニードルの全体にリドカインを含有するマイクロニードルの225本をアレイ状に構築したパッチ製剤を得た。得られたパッチ製剤を、内腔の底部直径が1.6cm、高さが1.0cmのポリプロピレン製 PTP包装容器の中にあらかじめ挿入しておいた外径1.5cm内径1.3cm高さ0.5cmのポリプロピレン製の輪にかぶせた。アルミシートを被せた後、加圧・加熱によりシールを行い使用時まで保存した。
(実施例3)
リドカイン250mg、コンドロイチン硫酸ナトリウム200mgおよび高分子デキストラン300mgに精製水650マイクロリットルを加え、よく攪拌することにより粘調液を作成した。1平方センチメートルあたりに深さ約500ミクロン、開口部直径約300ミクロンの逆円錐状の細孔を225個有するメス型の上にこの粘調液を塗布した。加圧条件下でメス型に充填した。乾燥後、再度、粘調液をメス型に塗布し、加圧条件下でメス型に充填した。単発打錠器の臼に酢酸セルロースとヒドロキシプロピルセルロースの10:1の混和物の約0.5gを入れ、その上にリドカイン50mgと酢酸セルロース50mgとの混和物を薄く広げるように入れた。約10kNの打錠圧で直径1.5cm、厚さ約2.0mmの基盤支持体用の錠剤を作成した。コンドロイチン硫酸ナトリウムの50mg、デキストラン70の100mgに精製水150マイクロリットルを加えて作成した粘調液を基盤支持体用錠剤のリドカインが存在する面に塗り、メス型の上に被せ、加圧下で乾燥を行った。6時間後に基盤支持体をメス型から引き離すことにより、225本のマイクロニードルの全体および基盤支持体表面にもリドカインを含有するパッチ製剤を得た。得られたパッチ製剤を、内腔の底部直径が1.6cm、高さが1.0cmのポリプロピレン製 PTP包装容器の中にあらかじめ挿入しておいた外径1.5cm内径1.3cm高さ0.5cmのポリプロピレン製の輪にかぶせた。アルミシートを被せた後、加圧・加熱によりシールを行い使用時まで保存した。
(実施例4)
体重約330グラムのWistar系雄性ラットを用い、試験前日に前部および後部の2箇所に投与できるように背部を除毛した。中央部に直径約1.0cmの穴を開けた縦横各5cm、厚さ約1.0mmのシリコンシートをラットの除毛した皮膚に押し当て、油性インキにて穴の大きさに対応した円を描くことにより試験製剤を投与する部位を特定した。リドカインが1g、プロピレングリコールが1g、ポリエチレングリコール400が9g、ポリエチレングリコール4000が9gの組成から成る5%リドカイン軟膏を調製してポジティブコントロールに用いた。投与前に、市販の27Gの注射針を用いて投与した部位の皮膚に10回刺激を与え、攣縮した回数を記録した。投与に際して、溶解性マイクロニードルの試験製剤としては実施例1〜3で調製した製剤を各1パッチ投与した。リドカイン軟膏については、20mgをラットの背部のマーキングを行った部位に投与した。その後、27G注射針を用いて投与した部位の皮膚に10回刺激を与え、攣縮した回数を記録した。その結果を表1に示す。なお、各々の製剤について3回実験を行った結果を示す。






表1 ラットにおける攣縮反応の応答回数
実施例1〜3のリドカイン含有溶解性マイクロニードル製剤では投与5分後に局所麻酔作用により攣縮が抑制されていた。一方、リドカイン軟膏では投与5分後では全く局所麻酔作用は認められず、ほぼ100%のラットで攣縮が認められた。また、実施例1〜3の製剤間において局所麻酔作用の効果には差が認められなかった。以上の結果、リドカイン含有溶解性マイクロニードルは投与後5分以内に局所麻酔作用を発揮することが確かめられた。
リドカインなどの局所麻酔薬は手術時や透析時の前処置として広範囲の医療分野において用いられているが、局所麻酔薬を含有する軟膏剤や貼付剤があるものの、投与した後、局所麻酔作用が発現するまでに最低30分の待ち時間が必要であることから、医療効率上、より即効性に優れた製剤が求められている。
本発明により、リドカインなどの局所麻酔薬を含有する溶解性マイクロニードル・アレイ・パッチ製剤とすることにより、投与後5分以内に局所麻酔作用が発揮され、注射剤よりも安価でかつ医療効率上優れた製剤が得られる。
1…支持体、
2…微細針、
21…第1部分、
22…第2部分、
3…先端部、
4…底部、
5…境界面

Claims (7)

  1. 支持体と、該支持体上に複数形成された、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と当該基剤に保持された局所麻酔薬を目的物質として含有する円錐状又は角錐状の微細針とを有する経皮吸収製剤であって、該支持体は硬質であり、該微細針は、先端部を有し目的物質である局所麻酔薬を含む第1部分と底部を有し目的物質を含まない第2部分とを有する、マイクロニードル経皮投与製剤を提供する。
  2. 上記の目的物質が、局所麻酔薬であるリドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、ジブカイン、オキセサゼイン、プロカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、アミノ安息香酸エチル、ピペリジノアセチルおよびコカインであるマイクロニードル経皮投与製剤。
  3. ある一形態においては、前記微細針は、100〜500μmの底部直径、及び300〜700μmの挿入方向長さを有し、30〜200本/cmの密度で支持体上に存在する。
  4. ある一形態においては、前記支持体が、錠剤用賦形剤を打錠して得られたものである。
  5. ある一形態においては、前記基剤を構成する物質が、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストラン、ヒアルロン酸、アルブミン、コラーゲン(低分子コラーゲンも含む)からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
  6. ある一形態においては、前記経皮投与製剤がPTP包装の形態をとる。
  7. 支持体と、該支持体上に複数形成された、体内溶解性かつ曳糸性の高分子物質からなる基剤と当該基剤に保持された目的物質である局所麻酔薬とを有する円錐状又は角錐状の微細針とを、有する経皮吸収製剤であって、該支持体は硬質であり、該微細針において目的物質の存在部分を規定しない経皮吸収製剤を提供する。



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